JP2015204387A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電解コンデンサの低ESR化、低漏れ電流化、低コスト化を図る。【解決手段】粉末の弁金属の焼結体よりなる陽極体と、この陽極体の表面に順次形成された誘電体層と固体電解質層と陰極層と陽極体に接合されたアルミニウムまたはアルミニウムの合金よりなる箔体の陽極集電体とを有する基本素子を備え、誘電体層は、粉末の弁金属の焼結体よりなる陽極体とアルミニウムまたはアルミニウムの合金よりなる箔体の陽極集電体とを溶接によって接合した後に形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器に使用される固体電解コンデンサに関するものである。
近年、高周波を用いた電子機器の発展に伴い、高周波領域において内部インピーダンスの低い高周波特性に優れた小型且つ大容量のコンデンサが必要とされている。特に、コンデンサの内部インピーダンスのうち、ESR(等価直列抵抗)を低減する要求が大きくなってきている。
従来の電解コンデンサについて、図10を参照しながら説明する。
従来の電解コンデンサは、タンタル、ニオブ等の弁作用金属粉末を所望の形状にプレス成形して真空焼結した焼結体103に、リード線(陽極集電体)102を埋設し、この焼結体を化成処理することにより表面に誘電体酸化皮膜層104を形成し、さらにこの誘電体酸化皮膜層上に固体電解質層105、そして陰極層106を順次積層して形成し、電解コンデンサの基本部分を構成している。
そして、リード線102に陽極端子を接続すると共に陰極層106に陰極端子を接続し、全体を被覆するように、絶縁性のエポキシ樹脂等でモールド成形することによって外装を施して電解コンデンサとしていた。
また、昨今の技術では、低ESR化を図る目的で、上記固体電解質層を形成する材料に、従来の二酸化マンガンと比較して、桁違いに電導度の高い導電性高分子を用いた電解コンデンサが開発され、その市場を拡大してきており、このような導電性高分子を固体電解質とした電解コンデンサをさらに低ESR化する取り組みとして、特開2000−306782号に記載の技術では、弁作用金属粉末をバインダーおよび溶剤で分散してスラリー化し、これを弁作用金属箔上に塗布後焼結した電極部材を用いた固体電解コンデンサ素子を積層することにより、固体電解コンデンサのESRを大幅に低減する技術が開示されている。
上記従来技術を用いた固体電解コンデンサでは、弁作用金属箔として主に用いられているタンタルは材料単価が非常に高価であり、また融点が2990℃と極めて高いことから焼結温度も必然的に高くなり、従って使用するエネルギーコストも高く、更には一般的に形状的な要因から金属箔は金属粉末より焼結性が劣るため、上記のような弁作用金属粉末を弁作用金属箔上に塗布後焼結した電極部材では、特に焼結後の弁作用金属箔と弁作用金属粉末との密着性に問題があり、焼結温度を低くすることができないという課題があった。
また、特開2003−272958号に記載の技術では、上記課題を解決する為に、弁作用金属箔より融点が高い弁作用金属またはその合金の粉末を用いて、上記弁作用金属箔上に形成された電極層からなる固体電解コンデンサ用電極部材であり、具体的には、弁作用金属粉末としてタンタルを、弁作用金属箔としてニオブを用いたもので、これにより弁作用金属箔と弁作用金属粉末とを従来よりも低い温度で焼結しても弁作用金属箔と弁金属粉末との密着性を確保することができるようになり、漏れ電流を悪化させずにコストダウンを図った固体電解コンデンサを構成する技術が開示されている。
特開2000−306782号公報 特開2003−272958号公報
しかしながら上記従来の固体電解コンデンサでは、弁作用金属箔をタンタル箔からニオブ箔に替えているので、ニオブの電気抵抗率がタンタルに比べて大きいためESRが増加するという課題があり、更に漏れ電流もタンタル箔に比べて大きいという課題もあった。
また、ニオブはタンタル同様にレアメタルであり、価格が高く大幅なコストダウンは困難である。
本発明はこのような従来の課題を解決し、低ESR化と低コスト化の両立が可能な電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
本発明の電解コンデンサは、粉末の弁金属の焼結体の表面に誘電体層が形成された陽極体と、この陽極体と接合されたアルミニウムまたはアルミニウムの合金よりなる箔体の陽極集電体と、誘電体層の表面に形成された固体電解質層と、この固体電解質層の表面に形成された陰極層とを備えた基本素子を含み、粉末の弁金属の焼結体は、焼結温度が陽極集電体の融点よりも高く、誘電体層は粉末の弁金属の焼結体と陽極集電体とを溶接により接合した後に、焼結体の表面に形成した基本素子を備えたものである。
本発明は、電解コンデンサの低ESR化、低漏れ電流化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施の形態1における電解コンデンサを構成する第1基本素子を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1における陽極集電体の斜視図、(b)本発明の実施の形態1における陽極集電体の斜視図 本発明の実施の形態1における陽極体と陽極集電体との接合部の断面図 本発明の実施の形態1における電解コンデンサの断面図 本発明の実施の形態2における電解コンデンサの断面図 本発明の実施の形態3における電解コンデンサの断面図 本発明の実施の形態3における第2基本素子の断面図 本発明の実施の形態における接合部とその周辺の光学顕微鏡写真を示す図 本発明の実施の形態における接合部とその周辺の電子顕微鏡写真を示す図 従来の電解コンデンサの構造を示す断面図
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における電解コンデンサを構成する第1基本素子を示す断面図である。図2(a)、(b)は実施の形態1における陽極集電体の斜視図である。図3は実施の形態1における焼結体と陽極集電体との接合部の断面図である。図4は実施の形態1における電解コンデンサを示す断面図である。
図1、図3において、第1基本素子2は、陽極体3を構成する粉末の弁作用金属の焼結体9と、この焼結体9の下面に接合部8を介して接合されている陽極集電体4とを備えている。
焼結体9の表面には誘電体層5が形成されている。陽極集電体4の表面には第2誘電体層11が形成されている。アルミニウムの酸化物を主成分とする第2誘電体層11は、この第2誘電体層11の表面に形成される導電性高分子よりなる固体電解質層6の密着力を高めることが出来る。
なお、陽極集電体4の表面に第2誘電体層11を設ける場合、陽極集電体4の表面をエッチングによって粗面化することが好ましい。粗面化することによって第2誘電体層11にクラックが入り難くなり、その結果漏れ電流を小さくすることができる。
誘電体層5の表面には導電性高分子よりなる固体電解質層6が形成されている。固体電解質層6の表面には陰極層7が形成されている。
そして、図4に示すように、第1基本素子2の陽極集電体4を構成するアルミニウム箔は、第1基本素子2の素子本体部19から延設され、陽極端子13と溶接部12により電気的に接続している。陰極層7は、銀ペーストによって形成された銀層15で陰極端子14と電気的に接続している。そして、全体を被覆するように絶縁性の樹脂でモールド成形することによって外装16を施し電解コンデンサ1としている。
第1基本素子2についてさらに詳しく説明すると、陽極体3を構成する焼結体9を形成する弁作用金属としては、例えば、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム等が挙げられる。弁作用金属の合金としては、これらの弁作用金属を50原子%以上含む合金が挙げられる。なお、具体的には、多孔質体の焼結体は、多数の粉末を互いに間隔を空けて焼結することにより成型されている。
陽極集電体4はアルミニウム箔またはアルミニウムの合金よりなり、形状は、図2(a)に示すような平板状となっている。焼結体9と陽極集電体4とは溶接により接合されており、焼結体9と同じ金属と陽極集電体4と同じ金属とを含む合金よりなる接合部8を介して接合することで焼結体9と陽極集電体4との密着性を向上させている。誘電体層5は陽極酸化により形成されている。
なお、焼結体9と陽極集電体4との接合部8は、陽極集電体4を平面視したときに帯状であることが好ましい。接合部8をスポット状に形成するよりも連続的に帯状に形成するほうが、接合部8に含まれる焼結体9と同じ金属と陽極集電体4と同じ金属とを含む合金の割合が高くなり、その結果、焼結体9と陽極集電体4との密着力を高くすることができる。
また、陽極集電体4を図2(b)に示すような、焼結体9と重なり合う部分に開口部17を設けることが好ましい。開口部17を設けることによって、陽極体3を構成する焼結体9の表面に形成された誘電体層5の表面への固体電解質層6の付着面積が大きくなり高容量化を図ることができる。
また、焼結体9と陽極集電体4とが重なり合う部分の、接合部8以外の焼結体9と陽極集電体4との間に図3に示すような隙間18を設けることが好ましい。隙間18を設けることによって、焼結体の表面に形成された誘電体層5の表面に固体電解質層6が付着しやすくなり高容量化が図れる。なお、隙間18を設ける方法としては、焼結体9と陽極集電体4との溶接時の焼結体9と陽極集電体4とを挟む圧力を調整すればよい。
固体電解質層6は、一例として誘電体層5の表面に形成された第1導電性高分子層6aと、この第1導電性高分子層6aの表面に、焼結体を構成する弁金属の粉末の隙間を埋めるように形成された第2導電性高分子層6bとの複数層としている。
第1導電性高分子層6aは、焼結体9の表面に形成された誘電体層5の表面で、ピロール、チオフェン、アニリン或いはこれらの誘導体を化学的酸化重合や電気化学的電解重合によって形成したもの、または、ピロール、チオフェン、アニリン或いはこれらの誘導体を酸化剤を用いて化学酸化重合させてポリマーの微粒子とし、このポリマーの微粒子を分散媒に分散させた液剤を、誘電体層5の表面に塗布した後、分散媒を除去して形成したものである。また、第2導電性高分子層6bは、第1導電性高分子層6aの表面で、ピロール、チオフェン、アニリン或いはこれらの誘導体を化学的酸化重合や電気化学的電解重合によって形成したもの、または、ピロール、チオフェン、アニリン或いはこれらの誘導体を酸化剤を用いて化学酸化重合させてポリマーの微粒子とし、このポリマーの微粒子を分散媒に分散させた液剤を、第1導電性高分子層6aの表面に塗布した後、分散媒を除去して形成したものである。
なお、導電性高分子層を、第1導電性高分子層6aと第2導電性高分子層6bとの複数層としているが単層であっても構わない。
陰極層7は一例として、カーボンペーストを塗布し乾燥することにより形成したカーボン層7aと、このカーボン層7aの表面に、銀ペーストを塗布し乾燥することにより銀層7b形成した複数層としている。
なお、陰極層をカーボン層7aと銀層7bとの複数層としているが、単層であっても構わない。
(実施の形態2)
図5は実施の形態2における電解コンデンサの構成を示した断面図である。
実施の形態2における電解コンデンサ20は、実施の形態1における電解コンデンサを構成する第1基本素子2を複数層積層している。
第1基本素子2の陽極集電体4を構成するアルミニウム箔は夫々の素子の素子本体部19から延設され、この陽極集電体4どうしを重ねて陽極端子33と共に溶接部32により電気的に接続している。複数の第1基本素子2の陰極層7どうしと陰極端子34とは、銀ペーストにより形成された銀層35で接続されている。
そして、全体を被覆するように絶縁性の樹脂でモールド成形することによって外装36を施し電解コンデンサ20としている。
(実施の形態3)
図6は実施の形態3における電解コンデンサの構成を示した断面図である。
実施の形態3における電解コンデンサ40は、実施の形態1における電解コンデンサ1を構成する第1基本素子2と、この第1基本素子2とは異なる複数の第2基本素子22とを、第1基本素子2が最上層となるように積層している。
第2基本素子22は、図7に示すように陽極体23となるアルミニウム箔と、この陽極体23の表面に形成された誘電体層25と、誘電体層25の表面に形成された導電性高分子よりなる固体電解質層26と、固体電解質層26の表面に形成された陰極層27とから構成されている。
固体電解質層26は一例として、誘電体層25の表面に第1導電性高分子層26aを形成し、この第1導電性高分子層26aの表面に第2導電性高分子層26bを形成した複数層の構成としている。
陰極層27は一例として、固体電解質層26の表面にカーボン層27aを形成し、このカーボン層27aの表面に銀層27bを形成した複数層の構成としている。
図6、図7に示すように、第1基本素子2の陰極層7と複数の第2基本素子22の陰極層27および陰極端子54とは、銀ペーストにより形成された銀層55で接続されている。
第1基本素子2の陽極集電体4と複数の第2基本素子22の陽極体23とを構成するアルミニウム箔は夫々の素子の素子本体部19、39から延設され、陽極体23どうしと陽極端子53とを溶接部52により電気的に接続している。
そして、全体を被覆するように絶縁性の樹脂でモールド成形することによって外装56を施して積層構造の電解コンデンサ20としている。
このように、弁金属の焼結体を陽極体に用いた高容量の第1基本素子と、アルミニウム箔を陽極体に用いた低ESRの第2基本素子とを並列に接続した、高容量で且つESRの低い電解コンデンサにおいて、焼結体に接続する陽極集電体をアルミニウム箔とすることで更にESRを低くすることができる。
なお、本実施の形態では第1基本素子2と第2基本素子22とを、第1基本素子2が最上層になるように積層しているが、これは、粉末の弁金属の焼結体を陽極体3とする第1基本素子2は、アルミニウム箔を陽極体23とする第2基本素子22よりも厚みが厚くなるため、第1基本素子2を第2基本素子22で挟むような構造にすると、第2基本素子22の陽極体23を素子本体部39から延設し、陽極端子53と接続しているアルミニウム箔よりなる延設部の積層方向の屈曲が大きくなり、電解コンデンサの信頼性の面で好ましくない。従って上記のような第1基本素子2が最上層になるように配置した構造を含めて、第1基本素子2が最下層になるように配置した構造や、第1基本素子2を最上層と最下層との両方に配置した構造のように、第1基本素子2を積層方向の最外層に配置した構造とすれば、第2基本素子22の延設部の屈曲が小さくなり電解コンデンサの信頼性を高い水準で確保することができるからである。
以下本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1について説明する。実施例1では、第1基本素子を構成する陽極体として、弁金属のタンタルの粉末をプレス形成後1300℃で真空焼結して寸法が3.2mm×4.4mm×0.9mmの直方体形状の多孔質の焼結体を形成し、この焼結体上に陽極集電体となる、厚みが0.1mmで、素子本体となる焼結体と接合する部分に加えて、陽極端子と接続する部分を含んだ(延設した)大きさのアルミニウム箔を合わせ、YAGレーザー溶接装置(ミヤチテクノス社製 ML−2650)を用いて、アルミ箔側からレーザーを照射し焼結体とアルミニウム箔を接合し陽極体を作製した。
陽極体に誘電体皮膜を形成するための電解液として、純水中にリン酸を0.017重量%の濃度で含む電解液を用いた。上記の電解液を用いて、焼結体と陽極集電体とを溶接した陽極体を陽極酸化した。具体的には、65℃の電解液中に陽極体を浸漬し、定電圧10Vを印加して12時間陽極化成することにより、陽極体の表面に誘電体皮膜を形成した。
次に、表面に誘電体皮膜を形成した陽極体を、ピロール3.0M(モル/リットル)を含むエタノール溶液に5分間浸漬し、続いて過硫酸アンモニウム0.1M及びアルキルナフタレンスルホン酸0.1Mを含む水溶液に25℃で5分間浸漬して、第1導電性高分子層を形成し、さらにピロール0.2M及びアルキルナフタレンスルホン酸0.2Mを含む25℃の水溶液中に、第1導電性高分子層を形成した陽極体を浸漬し、第1導電性高分子層をアノードとして、0.5mAの電流を3時間通電することにより、第2導電性高分子層を形成して2層構造の固体電解質層とした。
次に、陽極体の外周部の第2導電性高分子層の上に、カーボンペーストを塗布した後乾燥し、カーボン層を形成し、さらにカーボン層の上に、銀ペーストを塗布して乾燥し、銀層を形成して2層構造の陰極層を形成し第1基本素子を作製した。
そして、第1基本素子の陽極集電体を陽極端子に重ねてレーザー溶接し、陰極層を銀ペーストよりなる銀層を介して陰極端子に接続した後、エポキシ樹脂でトランスファー成形により陽極端子及び陰極端子の端部が露出するように第1基本素子を被覆して電解コンデンサとした。
(実施例2)
次に実施例2について説明する。実施例2では、第1基本素子において陽極集電体のアルミニウム箔に変えてエッチングにより粗面化したアルミニウム箔を用いた以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
次に実施例3について説明する。実施例3では、第1基本素子において陽極集電体のアルミニウム箔とタンタル粉末の焼結体を接合後、アルミニウム箔を実施例2と同様の方法で粗面化した以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
次に実施例4について説明する。実施例4では、第1基本素子と、第1基本素子とは異なる第2基本素子とを複数積層した電解コンデンサを作製した。
第1基本素子は実施例1と同様にして作製した。
第1基本素子とは異なる第2基本素子は、陽極体としてエッチング処理にて表面を粗面化し、その表面にリン酸アンモニウム溶液中で陽極化成(10V)して誘電体層を形成したアルミニウム箔を用いた。
そして誘電体層の表面に固体電解質層となる導電性高分子層を形成する前に、陽極体を素子本体部から延設して陽極端子と接続する部分に導電性高分子が付着しないように、素子本体部と延設部との境界部分の誘電体層の表面にシリコーン樹脂を塗布して絶縁分離層を設けた。
その後、チオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(三価)とブタノールの溶液中に陽極体を浸漬してプレコート層を形成し、次いで、チオフェンとアルキルナフタレンスルホン酸とイソプロピルアルコール溶液中で、作用電極であるステンレス線をプレコート層に軽く接触させ、ステンレス板を対電極として定電圧3Vを印加して30分間電解重合を行い、導電性高分子層を形成し、固体電解質層を形成した。
次に導電性高分子層の上に陰極層としてカーボン層、銀層を順次形成して第2基本素子とした。
そして、第1基本素子が最上層となるように、第1及び第2基本素子を積層し、それぞれの基本素子の陰極間、及び積層した基本素子の陰極と陰極端子を銀ペーストよりなる銀層を介して接続し、さらに積層された第1基本素子の陽極集電体の延設部と第2基本素子の陽極体の延設部とを陽極端子上に重ねてレーザー溶接にて接続した。
その後、エポキシ樹脂でトランスファー成形により陽極端子及び陰極端子の端部が露出するように基本素子を被覆して、電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
次に比較例1について説明する。比較例1では、陽極体として、タンタルよりなるリードを一部が外部に露出するように埋設したタンタル粉末を、プレス形成後1300℃で真空焼結して、タンタルからなる陽極リードが埋設された直方体形状の多孔質の焼結体を形成した。
その後、実施例1と同様にして焼結体の表面に、誘電体層、固体電解質となる導電性高分子層、陰極層となるカーボン層と銀ペースト層を順次形成したコンデンサ素子を用い、陽極端子と陰極端子を設けてエポキシ樹脂で外装し電解コンデンサを作製した。
(比較例2、3)
次に比較例2,3について説明する。比較例2、3では、7万CVのタンタル粉末を用い、これをバインダー及び溶剤と共に混合しスラリーを作製した。次に、4mm×3mmの電極層面積の孔を複数配列した厚み300μmのマスクを厚み100μmのアルミニウム箔上に載せ、上記スラリーを塗布印刷して電極部材を作製した。この電極部材を約120℃で乾燥して溶剤を除去し、約500℃で脱バインダー後、1300℃(比較例2)と660℃(比較例3)で真空焼結した。
(比較例4)
次に比較例4について説明する。比較例4は、実施例4における第1基本素子に比較例1のコンデンサ素子を用いた構造である。比較例1のコンデンサ素子と陽極端子との接続は、比較例1のコンデンサ素子のタンタルワイヤーと第2基本素子のアルミニウム箔との溶接と、複数の第2基本素子のアルミニウム箔同士と陽極端子との溶接との2箇所を溶接した。
(接合部分の分析結果)
実施例1においてタンタル粉末の焼結体とアルミニウム箔を溶接した接合部の観察、分析結果について説明する。
図8は、接合部とその周辺の光学顕微鏡写真を示す図で、焼結体9と陽極集電体4(アルミニウム箔)とは接合部8により接合されていることが判る。そして接合部8はアルミニウムが焼結体内部に染込んだ形で接合している為に、接合部8のアルミニウム箔が凸形状になっている。図9と表1は、接合部8とその周辺の電子顕微鏡写真を示す図とEDS(エネルギー分散型X線分析)による元素分析結果である。この分析結果によると、接合部8にアルミニウムとタンタルの合金層が形成されていることが確認できる。
また、合金層におけるアルミニウムとタンタルの比率は、均一ではなくアルミニウム箔からタンタル焼結体方向に向けて、アルミニウムの比率が減少する傾斜構造になっていた。
Figure 2015204387
(電解コンデンサの特性の評価)
得られた各電解コンデンサについて、ESR、及び漏れ電流を測定した。ESRは、LCRメータ(インダクタンス−キャパシタンス−レジスタンス測定装置)を用いて、周波数100kHzで測定した。漏れ電流は、電圧を印加後40秒の値を測定した。測定結果を表2に示す。なお、表2に示す値は、比較例1を基準とした相対値である。
本発明の実施例1〜3の電解コンデンサのいずれも、比較例1の電解コンデンサに比べ、ESRが小さくなっている。本発明に従い、陽極集電体に低抵抗のアルミニウム箔を用いることにより、固体電解コンデンサ電極部材のESRが低減し、電解コンデンサとしてもESRが低減したと考えられる。
漏れ電流は、実施例1と実施例2を比べると、粗面化することで漏れ電流の低下が見られたが若干のESRの増加が見られた。ESRの増加は、粗面化処理によりアルミニウム箔と焼結体との接合部がアルミニウムの溶解により接合面積が減少したことが原因と考えられる。実施例3では、予め粗面化したアルミニウム箔を用いることで、ESRの低減と漏れ電流の低減が可能になったと考えられる。
比較例2では、アルミニウム箔とタンタル粉末を同時にタンタル粉末の焼結温度1300℃で真空焼結を、比較例3では、アルミニウム箔の融点660℃はで真空焼結を行った結果、1300℃ではアルミニウム箔が溶解し均一な箔形状を維持できなかった。また、660℃では陽極体のタンタルの焼結が進まず陽極体の形成できなかった。比較例2、3の条件で作製した電解質コンデンサ電極部材はコンデンサ素子として使用できず、特性を評価できなかった。
本発明の実施例4の固体電解コンデンサによれば、基本素子の積層工程において第1基本素子と第2基本素子の陽極集電体が同一材料で構成されているため、1回の溶接で陽極端子への接続が可能であるのに対して、従来のような焼結体にタンタルワイヤーを埋め込んだ素子を積層する場合には、タンタルワイヤーとアルミニウム箔との接続と、アルミニウム箔と陽極端子との接続との2回の溶接が必要であることから、工程が簡略化できる。また、焼結体と陽極端子との接続にタンタルワイヤーを介さないので、ESRを低くすることができる。
Figure 2015204387
本発明は、電子部品、特に電解コンデンサの低ESR化、低コスト化に有効である。
1、20、40 電解コンデンサ
2 第1基本素子
3、23 陽極体
4 陽極集電体
5、25 誘電体層
6、26 固体電解質層
6a、26a 第1導電性高分子層
6b、26b 第2導電性高分子層
7、27 陰極層
7a、27a カーボン層
7b、27b、15、35、55 銀層
8 接合部
9 焼結体
11 第2誘電体層
12、32、52 溶接部
13、33、53 陽極端子
14、34、54 陰極端子
16、36、56 外装
17 開口部
18 隙間
19、39 素子本体部
22 第2基本素子
29 絶縁分離層

Claims (11)

  1. 粉末の弁金属の焼結体の表面に誘電体層が形成された陽極体と、前記焼結体と接合されたアルミニウムまたはアルミニウムの合金よりなる箔体の陽極集電体と、前記誘電体層の表面に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に形成された陰極層とを備えた第1基本素子を含み、前記焼結体は、焼結温度が前記陽極集電体の融点よりも高く、前記誘電体層は、前記焼結体と前記陽極集電体とを溶接により接合した後に前記焼結体の表面に形成したことを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記焼結体と前記陽極集電体とは、少なくとも前記焼結体と同じ金属と前記陽極集電体と同じ金属とを含む合金よりなる接合部を介して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記接合部が帯状であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記陽極集電体の表面に第2誘電体層を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電解コンデンサ。
  5. 前記陽極集電体の表面が粗面化されていることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記陽極集電体の、前記焼結体と重なり合う部分に開口部を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電解コンデンサ。
  7. 前記焼結体と前記陽極集電体との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電解コンデンサ。
  8. 前記陽極体がタンタル焼結体であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電解コンデンサ。
  9. 前記陽極集電体が重なるように複数の前記第1基本素子を積層し、前記陽極集電体どうしが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の電解コンデンサ。
  10. 請求項1乃至8の何れかに記載の前記第1基本素子と、一つ以上の第2基本素子とを備え、前記第2基本素子は、表面に誘電体層が形成されたアルミニウム箔よりなる陽極体と、前記誘電体層の表面に形成された固体電解質層と前記固体電解質層の表面に形成された陰極層とからなり、前記第1基本素子と前記第2基本素子とを積層したことを特徴とする電解コンデンサ。
  11. 前記第1基本素子に設けられた前記陽極集電体と、前記第2基本素子のアルミニウム箔とを重ね、前記陽極集電体と前記アルミニウム箔とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の電解コンデンサ。
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