JP2015203200A - 携帯端末キーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯端末と作動機器とが通信を行うとき、作動機器のアンテナと携帯端末との間に人体等の障害物がない状態にユーザを導くことができる携帯端末キーシステムを提供する。
【解決手段】携帯端末2で車両1を作動(一例はドア解錠)させるにあたり、まず車両1から離れたところで携帯端末2とブルートゥースを通じた事前照合を実行する。そして、車両1においてドア解錠のトリガ操作が実行されたとき、携帯端末2が車両1の近傍に位置するか否かを確認するために、車両1及び携帯端末2の距離判定を実行する。このとき、仮に事前照合が成立していても、距離判定が成立しなければ、ブルートゥース通信が例えばユーザの体に影響を受けるなどして障害物に影響を受けた状態をとっている可能性があるとし、携帯端末2をユーザに確認させる通知を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、キー機能を有する携帯端末で作動機器を作動可能な携帯端末キーシステムに関する。
従来、例えば高機能携帯電話等の携帯端末を車両キーとして使用する携帯端末キーシステムが周知である(特許文献1等参照)。この種の携帯端末を車両キーとして使用できれば、専用の電子キーをわざわざ所持せずに済み、利便性の観点から有利である。
特開2012−215047号公報
ところで、携帯端末を車両キーとして使用するにあたっては、携帯端末に予め設けられている通信機能を利用して、車両とID照合の通信を行うとよい。しかし、高機能携帯電話等の携帯端末に予め搭載されている通信機能は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標、以下同様)が多く、使用している周波数が人体の影響を受け易いため、安定した通信成立性を確保するという点で問題があった。
本発明の目的は、携帯端末と作動機器とが通信を行うとき、作動機器のアンテナと携帯端末との間に人体等の障害物がない状態にユーザを導くことができる携帯端末キーシステムを提供することにある。
前記問題点を解決する携帯端末キーシステムは、電子キーとは異なる周波数で携帯端末が作動機器と通信が可能であり、正当な当該携帯端末を所持することにより、前記作動機器の作動が許可又は実行される構成において、前記作動機器を作動させるときにユーザに課すトリガ操作の前に、当該作動機器及び携帯端末の間で無線を通じた事前照合を予め実行する事前照合部と、前記トリガ操作が実行されたとき、前記作動機器及び携帯端末の通信における電波の受信信号強度を確認することにより、前記作動機器及び携帯端末の間の距離を判定する距離判定部と、前記事前照合が成立するものの距離判定が成立しないとき、前記携帯端末をユーザに確認させる通知を実行することにより、前記作動機器のアンテナと前記携帯端末との間に障害物がない状態にユーザを導く通知実行部とを備えた。
本構成によれば、携帯端末で作動機器を作動させるにあたり、まず作動機器から離れたところで携帯端末と無線による事前照合を実行しておく。通常、例えばブルートゥース等の通信は10m以上の通信距離があるため、事前に照合することが可能である。そして、作動機器でユーザによりトリガ操作が実行されたとき、携帯端末が作動機器の近傍に位置するか否かを確認するために、携帯端末及び作動機器の間の距離判定を実行する。この距離判定が成立し、かつ事前照合も成立していれば、作動機器の動作が許可又は実行される。一方、仮に事前照合が成立していても、距離判定が成立しなければ、携帯端末のオーナー以外によるトリガ操作であったか、或いは通信が携帯端末及び作動機器が間の障害物に影響を受けた状態をとっている可能性があるとして、携帯端末をユーザに確認させる通知を実行させる。よって、携帯端末が衣服のポケットや鞄などから取り出されるなどして、作動機器のアンテナと携帯端末との間に通信を遮るものがなくなるので、携帯端末が作動機器と通信を行うとき、作動機器のアンテナと携帯端末との間に障害物がない状態にユーザを導くことが可能となる。従って、携帯端末及び作動機器において見通しによる通信が可能となり、人体影響が少ない状態で作動機器を作動させることが可能となる。
前記携帯端末キーシステムにおいて、前記作動機器の作動は、車両ドアの解錠動作であることが好ましい。この構成によれば、ユーザが車両ドアを解錠操作するとき、仮に携帯端末が衣服のポケットや鞄などに収納されていて距離判定が成立しない場合は、これらから携帯端末を取り出させて、距離判定を成立させることが可能となる。よって、ユーザが車両ドアを解錠するとき、車両ドアが解錠しないとして困惑する状況が回避される。
前記携帯端末キーシステムにおいて、前記距離判定部は、前記トリガ操作があってから過去の一定時間の間に、前記受信信号強度が閾値以上となる状態があったとき、前記距離判定を成立とすることが好ましい。この構成によれば、距離判定の正否を簡便に判定することが可能となる。
前記携帯端末キーシステムにおいて、前記通知実行部は、前記事前照合が成立するものの前記距離判定が成立しないとき、前記携帯端末を前記作動機器に向ける行為をユーザに要求する通知を実行することが好ましい。この構成によれば、携帯端末の位置や姿勢などを、携帯端末及び作動機器の間の通信を確立させ易い状態に導くことが可能となる。
前記携帯端末キーシステムにおいて、前記通知実行部による通知を契機にユーザが前記携帯端末のカメラで撮影した画像を基に、当該画像に前記作動機器が映り込んでいるか否かを判定する画像判定部を備え、前記通知実行部は、前記距離判定が不成立と判定されたとき、前記携帯端末のカメラで前記作動機器を撮影させる通知を実行し、前記作動機器は、前記距離判定が不成立と判定されても、その後、画像判定が成立すれば、前記作動機器の作動を許可又は実行することが好ましい。この構成によれば、距離判定が成立しなかったときには、携帯端末のカメラで作動機器を撮影させる通知を実行する。よって、携帯端末が衣服のポケットや鞄などから取り出されて作動機器に向けられたことを、画像によって判定することが可能となる。すなわち、携帯端末が作動機器の近傍に位置するか否かを、カメラの撮影画像によってより正しく判定することが可能となる。
本発明によれば、携帯端末と作動機器とが通信を行うとき、作動機器のアンテナと携帯端末との間に人体等の障害物がない状態にユーザを導くことができる。
第1実施形態の携帯端末キーシステムの構成図。 ブルートゥースの通信エリアの概要図。 事前照合の通信エリアと距離判定で確認する近接範囲のエリア図。 事前照合及び距離判定を通じたドア解錠の動作を示すフローチャート。 ドア解錠のトリガ操作と受信信号強度の変化との関係を示す波形図。 (a),(b)は衣服のポケットから携帯端末を取り出して車両に向ける行為の概要図。 第2実施形態の携帯端末キーシステムの構成図。 携帯端末のカメラで撮影された車両の画面図。 携帯端末から車両に画像判定成立通知が送信される態様の概要図。
以下、携帯端末キーシステムの第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、電子キーとは異なる周波数で携帯端末2と無線により認証を行う携帯端末キーシステム3を備える。携帯端末2は、例えばスマートフォン等の高機能携帯電話であることが好ましい。電子キーは、車両1との間でキー照合を専用に行う無線端末である。携帯端末キーシステム3の通信は、例えばブルートゥースの規格に準じた通信を使用するとよい。
車両1は、携帯端末2を認証する端末認証ECU(Electric control unit)4と、車載機器の電源を管理するボディECU5と、エンジン7を制御するエンジンECU6とを備える。これらECUは、車内に設けられた通信線8を通じて電気接続されている。通信線8は、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)であるとよい。端末認証ECU4のメモリ9には、車両1に登録された携帯端末2の固有IDである携帯端末キーIDが書き込み保存されている。
車両1は、車両1において携帯端末キーシステム3でやり取りする電波を送受信可能な通信アンテナ10を備える。通信アンテナ10は、端末認証ECU4に接続され、端末認証ECU4によって動作が管理される。通信アンテナ10は、例えばブルートゥースに準拠した電波を送受信する。通信アンテナ10は、例えば車内のセンターコンソール等に配置される。
車両1は、車両電源を切り替えるときに操作するエンジンスイッチ11を備える。エンジンスイッチ11は、例えばモーメンタリスイッチからなり、操作信号を端末認証ECU4に出力する。車両電源は、エンジンスイッチ11の操作に応じて、例えばIGオフ、ACCオン、IGオン、エンジンスタートのいずれかに切り替えられる。ボディECU5は、車両ドアの施解錠を切り替えるメカ部位であるドアロック機構12の作動を制御する。
携帯端末2は、携帯端末2の動作を制御する端末制御部13と、携帯端末2において車両1との通信の際に電波を送受信する通信アンテナ14とを備える。端末制御部13のメモリ15には、各携帯端末2の固有IDである携帯端末キーIDが書き込み保存されている。携帯端末2の携帯端末キーIDは、例えばブルートゥースのペアリングに用いる固有ID、ネットワーク等の通信を通じて専用のサイト(センター)からダウンロードすることにより、携帯端末2に登録されるもの、又はそれら両方でもよい。
携帯端末キーシステム3は、作動機器16(一例は車両1)を作動させるときにユーザに課すトリガ操作の前に、携帯端末2及び作動機器16の間で無線を通じたID照合を予め実行する事前照合部17を備える。事前照合部17は、例えば端末認証ECU4に設けられる。トリガ操作は、例えば車両ドアを施解錠する場合、車外ドアハンドルに設けられたドアスイッチを押圧操作する行為であるとよい。
携帯端末キーシステム3は、トリガ操作が実行されたとき、携帯端末2及び作動機器16の通信における電波の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を確認することにより、携帯端末2及び作動機器16の間の距離の正当性を確認する距離判定部18を備える。距離判定部18は、例えば端末認証ECU4に設けられる。距離判定部18は、距離の判定にあたり、端末認証ECU4の通信アンテナ10から送信された電波を携帯端末2で受信したときの受信信号強度、又は携帯端末2の通信アンテナ14から送信された電波を車両1のどちらを使用してもよい。距離判定部18は、測定した受信信号強度と閾値Rkとを比較することにより、距離判定を実行する。距離判定部18は、トリガ操作があった瞬間、又は操作があってから過去の一定時間Trの間に、受信信号強度が閾値Rk以上となる状態があったとき、距離判定を成立とするとよい。
携帯端末キーシステム3は、事前照合及び判定距離の結果を基に、作動機器16の作動を許可又は実行する機器制御部19を備える。機器制御部19は、例えば端末認証ECU4に設けられる。機器制御部19は、事前照合が不成立のときはもちろんのこと、事前照合が成立していても距離判定が不成立であれば、作動機器16の作動を許可しない。
携帯端末キーシステム3は、事前照合が成立するものの距離判定が成立しないとき、携帯端末2をユーザに確認させる通知を実行する通知実行部20を備える。通知実行部20は、例えば端末認証ECU4に設けられる。通知実行部20は、事前照合が成立するものの距離判定が成立しないとき、携帯端末2を作動機器16に向ける行為をユーザに要求する通知を実行するとよい。このように、通知実行部20は、事前照合が成立するものの距離判定が成立しないとき、携帯端末2をユーザに確認させる通知を実行することにより、事前照合及び距離判定の両方を成立させる。
次に、図2〜図6を用いて、携帯端末キーシステム3の動作を説明する。
図2に示すように、車両1の通信アンテナ10が車両1において形成する電波の通信エリアErは、ブルートゥースの通信距離が数m〜数十mあることを踏まえ、車内のみならず、車外に届く範囲で形成される。よって、車両1の通信アンテナ10は、携帯端末2が車外に位置していても、この携帯端末2とブルートゥース通信を確立することが可能である。通信エリアErは、車両1及び携帯端末2が事前照合を実施することが可能なエリアになる。
図3に、事前照合が実施される状況の概要を図示する。例えば車両1が駐車中(車両ドア施錠、エンジン停止)のとき、車両1の通信アンテナ10は、携帯端末2が車両1の周囲に存在するか否かを確認するトリガ電波S1を断続的に送信する。このトリガ電波S1は車外にも届き、トリガ電波S1の通信エリアは車外もカバーする範囲で形成される。トリガ電波S1は、所定の送信間隔をとって繰り返し送信される。ユーザが車両1に近づいてトリガ電波S1の通信エリアに進入すると、携帯端末2はトリガ電波S1の受信を契機として事前照合を実行する。
この場合、図4に示すように、ステップ101において、端末認証ECU4は、ブルートゥースの双方向通信を通じて携帯端末2が送信してきた応答電波Sackの受信を開始する。すなわち、端末認証ECU4は、携帯端末2からトリガ電波S1の受信に対して返信される応答電波Sack(図3参照)を、通信アンテナ10で受信する。
ステップ102において、端末認証ECU4は、携帯端末2とブルートゥースの通信が成立するか否かを判定する。すなわち、端末認証ECU4は、トリガ電波S1の送信から所定時間内に応答電波Sackを受信できれば、ブルートゥースの通信が成立したと認識する。そして、ブルートゥースの通信が成立していれば、ステップ103に移行し、ブルートゥースの通信が成立していなければ、ステップ101に戻って、処理を再実行する。
ステップ103において、事前照合部17は、通信が確立した携帯端末2との間で事前照合を実行する。事前照合は、例えば車両コード照合、チャレンジレスポンス認証、携帯端末キーID照合などを含む照合であることが好ましい。車両コード照合は、車両1の固有IDである車両コードを携帯端末2に送信し、携帯端末2において車両コードを確認させる照合である。チャレンジレスポンス認証は、送信の度にコードが毎回変わるチャレンジコードを車両1から携帯端末2に送信して携帯端末2の暗号鍵に通し、このレスポンスコードを車両1に返信させ、車両1において同様に演算したレスポンスコードにより、車両1において携帯端末2のレスポンスコードの正当性を確認する認証である。携帯端末キーID照合は、携帯端末2に登録された携帯端末キーIDを車両1において確認する照合である。事前照合部17は、これら照合の全てが成立することを確認できると、事前照合を成立と認識する。
なお、端末認証ECU4は、事前照合が成立した後も、車両1の通信アンテナ10からブルートゥースの電波(以降、定期送信電波S2(図3参照)と記す)を送信する動作を継続する。これは、事前照合の後に距離判定を実施するためである。定期送信電波S2は、トリガ電波S1の同じ送信間隔(単位時間あたりの送信頻度)で送信されてもよいし、これとは異なる送信頻度に設定されてもよい。
ステップ104において、端末認証ECU4は、例えば車外ドアハンドルのドアスイッチが操作されたか否かを判定する。すなわち、車両1において、車両1を作動させるためのトリガ操作が実行されたか否かを判定する。ドアスイッチがオン操作されれば、ステップ105に移行して距離判定に移り、ドアスイッチがオン操作されていなければ、ステップ104で待機する。
図5に、車両1及び携帯端末2の間の距離を確かめる距離判定の概要を図示する。距離判定部18は、ドアスイッチのオンを検出したタイミングから過去の一定時Trの間に、携帯端末2とのブルートゥースの通信時において、電波の受信信号強度が閾値Rk以上となったか否かを確認する。測定する受信信号強度は、例えば定期送信電波S2を携帯端末2で受信したときの受信信号強度でもよいし、定期送信電波S2に対する携帯端末2の返信電波Srs(図3参照)を車両1で受信したときの受信信号強度のどちらでもよい。
図4に戻り、ステップ105において、距離判定部18は、ブルートゥース通信における電波の受信信号強度が閾値Rk以上となるか否かを確認する距離判定を実行する。ここで、受信信号強度が閾値Rk以下となるということは、携帯端末2が車両1に十分近づいたことと同義である。すなわち、図3に示す車両1の近接範囲Esに携帯端末2が位置したことになる。そして、距離判定が正当と判定されれば、ステップ106に移行し、距離判定が不当と判定されれば、ステップ108に移行する。
ステップ106において、機器制御部19は、距離判定が成立することを確認する。すなわち、機器制御部19は、事前照合及び距離判定の両方が成立することを確認する。
ステップ107において、機器制御部19は、事前照合及び距離判定の両方が成立することを踏まえ、車両ドアを解錠する。これにより、車両ドアの開操作が可能となり、車両1への乗車が可能になる。
図6(a)に示すように、例えば携帯端末2が衣服(一例はズボン)のポケット等に入れられたままであると、ブルートゥース電波は人体に影響を受け易い周波数を使用しているので、携帯端末2が車両1の近くに位置しているにもかかわらず、受信信号強度が閾値Rk以上とならない場合がある。この場合、携帯端末2を所持したユーザが車外からドアスイッチを押しても車両ドアが解錠されず、車内に乗車できない。よって、図6(b)に示すように、携帯端末2を衣服のポケットから取り出させて、人体に影響を受けない状態にユーザを導けば、人体の影響を取り除くことができる。
図4に戻り、ステップ108において、通知実行部20は、携帯端末2を衣服等のポケットから取り出させる通知を実行する。この通知は、例えば携帯端末2を車両1に向かせるようにユーザを導いて、ドアスイッチを再操作させる通知であることが好ましい。また、この通知は、車両1側、または携帯端末2側のいずれで実施されてもよい。車両1で通知を実行する場合は、例えば車両1に設けたスピーカ等で、携帯端末2の取り出しとドアスイッチの再操作とを音声報知するとよい。また、携帯端末2で通知を実行する場合は、例えば携帯端末2を振動させてメッセージ受信があったことをユーザに知らせ、携帯端末2の画面に携帯端末2の取り出しとドアスイッチの再操作とを文字通知するとよい。
携帯端末2が衣服のポケット等から出されたとき、車両1及び携帯端末2は、人体に影響を受けずにブルートゥース通信を実行することができる。すなわち、ブルートゥースの通信において受信信号強度が閾値Rk以上となる。これにより、距離判定が成立と処理されるので、次のドアスイッチの操作時に車両ドアを解錠することが可能になる。
なお、図4に示すフローチャートは、ステップ108からステップ104に戻る処理となっているが、同図の破線矢印で示すように、ステップ108からステップ105に戻るようにしてもよい。これは、ステップ108からステップ104に戻ると、ドア解錠にあたってドアスイッチを再度操作する必要があるが、ステップ105に戻るようにすれば、この再操作をユーザに課す必要がなくなるからである。こうすれば、ドア解錠操作時の手間を省くことが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)携帯端末2で車両1を作動(一例はドア解錠)させるにあたり、まず車両1から離れたところで携帯端末2と無線による事前照合を実行しておく。そして、車両1においてドア解錠のトリガ操作が実行されたとき、携帯端末2が車両1の近傍に位置するか否かを確認するために、車両1及び携帯端末2の距離判定を実行する。この距離判定が成立し、かつ事前照合も成立していれば、車両1の作動が許可又は実行される。一方、仮に事前照合が成立していても、距離判定が成立しなければ、携帯端末2のオーナー以外によるトリガ操作であったか、或いはブルートゥース通信が例えばユーザの体に影響を受けるなどして障害物に影響を受けた状態をとっている可能性があるとし、携帯端末2をユーザに確認させる通知を実行する。よって、携帯端末2が衣服のポケットや鞄などから取り出されるなどして、ブルートゥース通信を遮るものがない状態にユーザを導くことができる。従って、見通しによるブルートゥース通信が可能となり、人体影響が少ない状態で車両1を作動させることができる。
(2)作動機器16の作動は、車両ドアの解錠動作である。このため、ユーザが車両ドアを解錠操作するとき、仮に携帯端末2が衣服のポケットや鞄などに収納されて通信に必要な受信信号強度が足りない状況であっても、携帯端末2を衣服や鞄等から取り出させて、距離判定を成立させることが可能となる。よって、ユーザが車両ドアを解錠するとき、距離判定が成立せずに車両ドアが解錠しないとして困惑する状況が回避される。
(3)距離判定は、トリガ操作があってから過去の一定時間Trの間に、受信信号強度が閾値Rk以上となる状態があったか否かを確認する判定である。よって、距離判定の正否を簡便に判定することができる。
(4)距離判定が成立しないときに行う通知は、携帯端末2を衣服や鞄等から取り出させて車両1に向ける行為をユーザに要求する通知である。よって、車両1及び携帯端末2の間に障害物がなにもないという距離判定が成立し易い状態にユーザを導くことが可能となるので、距離判定をより正しく完了させるのに一層有利となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図7〜図9に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態に対し、携帯端末2を衣服のポケット等から取り出させた後の処理が異なる実施例である。よって、同一部分には同じ符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
図7に示すように、携帯端末2は、携帯端末2において画像の撮影を可能とするカメラ31を備える。カメラ31は、撮影した画像のデータ(画像データDpi)を端末制御部13に出力する。カメラ31は、携帯端末2が高機能携帯電話の場合、高機能携帯電話に予め搭載されている。
本例の場合、距離判定が成立しないときに実施する通知は、衣服のポケット等から携帯端末2を取り出して車両1に向け、携帯端末2のカメラ31で車両1を撮影させる通知であることが好ましい。このときにユーザに課す車両1の撮影は、車両1の全体の撮影、または車両1の一部分の撮影のいずれでもよい。いずれにせよ、「車両1を撮る」という行動により、衣服や鞄等から携帯端末2を取り出すように導くことが主たる目的である。
携帯端末キーシステム3は、通知実行部20による通知を契機にユーザが携帯端末2のカメラ31で撮影した画像を基に、画像に作動機器16(一例は車両1)が映り込んでいるか否かを判定する画像判定部32を備える。画像判定部32は、例えば携帯端末2の端末制御部13に設けられることが好ましい。画像判定部32を機能的に生成するアプリケーションは、例えばネットワーク等の通信を通じて専用のサイト(センター)からダウンロードすることにより、携帯端末2に登録されるとよい。
さて、図8に示すように、距離判定が成立しないとき、ユーザは、携帯端末2で車両1を撮影すべき旨の通知を受けて、携帯端末2を車両1に向けて、携帯端末2のカメラ31によって車両1を撮影する。画像判定部32は、カメラ31で撮影した画像と携帯端末2に予め登録されている車体形状パターンとを比較するマッチング等により、撮影画像の画像判定を実行してもよいし、距離判定ができれば必ずしも画像判定を行う必要はない。この場合は、後述する画像判定の成立は要件としない。
図9に示すように、画像判定部32は、画像判定が成立することを確認すると、その旨を通知する画像判定成立通知Sokを、ブルートゥースの通信を通じて携帯端末2から車両1に送信する。機器制御部19は、事前照合が成立することを前提に、画像判定成立通知Sokを取得すると、作動機器16の作動を許可する。すなわち、事前照合及び画像判定が成立すれば、車両ドアが解錠される。
本実施形態の構成によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)距離判定が成立しなかったときには、携帯端末2のカメラ31で車両1を撮影させる通知を実行し、携帯端末2の画面内に車両1が収まるように、ユーザに車両1をカメラ31で撮影させる。よって、携帯端末2が衣服のポケットや鞄などから取り出されて車両1に向けられたことを、画像によって判定することができる。すなわち、携帯端末2が車両1の近傍に位置するか以下かを、カメラ31の撮影画像によってより正しく判定することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・各実施形態において、距離判定は、事前照合が成立してからトリガ操作が行われるまでの時間帯の間に、少なくとも1回、受信信号強度が閾値Rk以上となるか否かを確認する判定としてもよい。
・各実施形態において、距離判定が成立しないときに行う通知は、例えば車両1がネットワーク通信を経由してセンターを介し、携帯端末2にメッセージ情報を送信することにより、携帯端末2にメール通知するものでもよい。
・各実施形態において、距離判定が成立しないときに行う通知は、例えば車両1のハザードを点灯、点滅させる通知でもよい。
・各実施形態において、事前照合は、トリガ操作の前に実行されることに限らず、例えばトリガ操作が行われてから実施されてもよい。
・各実施形態において、事前照合は、携帯端末2の正当性を確認できる照合であれば、種々の態様に変更可能である。また、事前照合は、例えば電子キーシステムのスマート照合と同じ認証であることに限らず、全く異なる態様の認証でもよい。なお、スマート照合は、狭域無線を用いた認証通信の一種であり、例えば車両1→電子キーの通信をLF(Low Frequency)の電波で行い、電子キー→車両1の通信をUHF(Ultra High Frequency)で行うものである。
・各実施形態において、携帯端末キーシステム3は、ブルートゥース通信を用いたシステムに限らず、他の通信方式や通信形式を採用したシステムに変更してもよい。
・各実施形態において、携帯端末キーシステム3の通信の周波数は、電子キーシステム(スマート照合のキーシステム)で使用する周波数と異なっていれば、いずれの値も採用可能である。
・各実施形態において、携帯端末キーシステム3の通信の周波数は、例えばマイクロ波帯(例えば300MHz〜3THz)の周波数であることが好ましい。マイクロ波帯の電波は人体等に影響を受け易いが、本例の携帯端末キーシステム3を使用すれば、この種のマイクロ波帯の電波が使用されても、好適に距離判定を実施することができる。
・各実施形態において、作動機器16の作動は、車両ドアの解錠動作に限らず、例えば車両ドアの施錠動作に変更してもよい。また、例えばエンジンの始動、グローブボックスの解錠、ラッゲージドアの解錠など、他の車載器の作動に変更可能でもある。
・各実施形態において、トリガ操作は、ドア解錠のための操作に限らず、作動機器16を動かすための操作であればよい。
・各実施形態において、作動機器16は、車両1に限定されず、他の機器や装置に適宜変更できる。
1…車両、2…携帯端末、3…携帯端末キーシステム、16…作動機器、17…事前照合部、18…距離判定部、20…通知実行部、31…カメラ、32…画像判定部、Tr…一定時間、Rk…受信信号強度の閾値。

Claims (5)

  1. 電子キーとは異なる周波数で携帯端末が作動機器と通信が可能であり、正当な当該携帯端末を所持することにより、前記作動機器の作動が許可又は実行される携帯端末キーシステムにおいて、
    前記作動機器を作動させるときにユーザに課すトリガ操作の前に、当該作動機器及び携帯端末の間で無線を通じた事前照合を予め実行する事前照合部と、
    前記トリガ操作が実行されたとき、前記作動機器及び携帯端末の通信における電波の受信信号強度を確認することにより、前記作動機器及び携帯端末の間の距離を判定する距離判定部と、
    前記事前照合が成立するものの距離判定が成立しないとき、前記携帯端末をユーザに確認させる通知を実行することにより、前記作動機器のアンテナと前記携帯端末との間に障害物がない状態にユーザを導く通知実行部と
    を備えたことを特徴とする携帯端末キーシステム。
  2. 前記作動機器の作動は、車両ドアの解錠動作である
    ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末キーシステム。
  3. 前記距離判定部は、前記トリガ操作があってから過去の一定時間の間に、前記受信信号強度が閾値以上となる状態があったとき、前記距離判定を成立とする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末キーシステム。
  4. 前記通知実行部は、前記事前照合が成立するものの前記距離判定が成立しないとき、前記携帯端末を前記作動機器に向ける行為をユーザに要求する通知を実行する
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の携帯端末キーシステム。
  5. 前記通知実行部による通知を契機にユーザが前記携帯端末のカメラで撮影した画像を基に、当該画像に前記作動機器が映り込んでいるか否かを判定する画像判定部を備え、
    前記通知実行部は、前記距離判定が不成立と判定されたとき、前記携帯端末のカメラで前記作動機器を撮影させる通知を実行し、
    前記作動機器は、前記距離判定が不成立と判定されても、その後、画像判定が成立すれば、前記作動機器の作動を許可又は実行する
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の携帯端末キーシステム。
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