JP2015202427A - 車両のシーラー塗布装置 - Google Patents
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しかしながら、特許文献1に記載されたシーラー塗布装置200の位置決めガイド205は、吐出口207のセンター部208が常に外周フランジ先端W1に位置するように案内することはできても、吐出口207の長手方向S1と、ワークWの外縁WGにおける法線方向H1とを一致させることはできない。
そのため、特許文献1に記載されたシーラー塗布装置200では、ワークWの外縁WGが湾曲状に形成されている箇所において、吐出口207の長手方向S1と、ワークWの外縁WGにおける法線方向H1とを一致させるため、多くのティーチングポイントが必要であり、ロボット202のティーチングに多大な工数が掛かるとともに、高度な熟練が必要となる問題があった。
(1)ロボットと、当該ロボットに取り付けたシーラーガンと、当該シーラーガンに軸回動可能に取り付けたシーラーノズルとを備え、アウターパネルの外縁に立設する外周フランジ先端をインナーパネルの外縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工の重ね合わせ部に、前記シーラーノズルの先端部に形成したスリット状の吐出口からシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置であって、
前記シーラーノズルには、前記アウターパネルの外縁に倣いながら前記シーラーノズルの先端部を前記アウターパネルの外縁と交叉させ、当該交叉する位置で前記アウターパネルの外縁における法線方向と前記吐出口の長手方向とを一致させる倣い機構を装着したことを特徴とする。
よって、本発明によれば、ワークの外縁が湾曲状に形成されていても、ヘミング加工の重ね合わせ部に均一な幅と均一な膜厚で見栄え良くシーラー塗布することができる車両のシーラー塗布装置を提供することができる。
また、吐出口は、シーラーガンに対するシーラーノズルの回動軸における延長線上に形成することが好ましい。シーラーノズルを、シーラーガンに対して回動軸周りに回動させても、吐出口は、回動軸の延長線上で位置を変えることなく回動できる。そのため、吐出口の位置を変えることなく、吐出口の長手方向と、アウターパネルの外縁における法線方向とを一致させることができる。したがって、倣い機構によって、吐出口を重ね合わせ部の位置に案内すると同時に、吐出口の長手方向と、アウターパネルの外縁における法線方向とを一致させることが、より一層容易となる。
前記倣い機構は、前記アウターパネルの外縁に当接し、前記シーラーノズルの移動に伴って回転するローラ体を備えたことを特徴とする。
よって、本発明によれば、ワークの外縁が湾曲状に形成されていても、シーラーノズルの変形、折損等を防止しつつ、ヘミング加工の重ね合わせ部に均一な幅と均一な膜厚で見栄え良くシーラー塗布することができる。
前記倣い機構は、前記シーラーノズルに揺動可能に支持された2つのアーム部が、前記吐出口の幅方向中心線に対して対称な位置で、それぞれ略均等な大きさの傾斜角で傾斜しながら前記アウターパネルの外縁に当接する第1ガイド部材を備えたことを特徴とする。
具体的には、第1ガイド部材における2つのアーム部は、シーラーノズルに揺動可能に支持されている。また、2つのアーム部は、吐出口の幅方向中心線に対して対称な位置で、それぞれ略均等な大きさの傾斜角で傾斜しながらアウターパネルの外縁に当接している。そのため、ロボットがシーラーノズルをシーラー塗布の送り方向へ移動させると、2つのアーム部が、吐出口の幅方向中心線に対してそれぞれ略均等な大きさの傾斜角を維持すべく、2つのアーム部は、シーラーノズルをシーラーガンに対して回動させる。ここで、吐出口の幅方向中心線は、2つのアーム部によって形成する内角の2等分線と一致する。吐出口の幅方向中心線は、吐出口の長手方向に形成され、2つのアーム部によって形成する内角の2等分線は、アウターパネルの外縁における法線方向に形成されている。したがって、2つのアーム部を有する第1ガイド部材は、アウターパネルの外縁が湾曲状に形成されていても、吐出口における長手方向を、常にアウターパネルの外縁における法線方向と一致させることができる。その結果、第1ガイド部材を備えた倣い機構は、スリット状に形成された吐出口を、シーラー塗布に対する最適な条件に自動的に合致させることができる。
よって、本発明によれば、ワークの外縁が湾曲状に形成されていても、ヘミング加工の重ね合わせ部に均一な幅と均一な膜厚でより一層見栄え良くシーラー塗布することができる。
前記倣い機構は、前記吐出口から所定の長さ突出するロッド部の先端が、前記外周フランジ先端と前記インナーパネル裏面とで形成する段差部に当接する第2ガイド部材を備えたことを特徴とする。
よって、本発明によれば、より一層均一な幅と均一な膜厚で、さらに見栄え良くシーラー塗布することができる。
なお、ロッド部の先端には、球体を嵌装させ、球体が段差部に回動しながら当接することが好ましい。また、ロッド部の先端は、吐出口の長手方向中央部を外周フランジ先端に位置させるように段差部に当接することが好ましい。
前記シーラーガンは、前記シーラーノズルの回動軸と直交する方向に伸縮できる伸縮機構付き台座を介して前記ロボットに取り付けたことを特徴とする。
よって、本発明によれば、ロボットのティーチングに掛かる工数を低減することができる。また、高度な熟練を要することなく迅速なティーチングを行うことができる。
前記シーラーノズルの先端部は、略L字状又は略J字状に形成され、前記吐出口は、前記シーラーガンに対峙する方向に向けて開口されていることを特徴とする。
よって、本発明によれば、電着塗装の直前に行われるシャワー洗浄に先立ち、シーラーを加熱によって予備硬化(プレキュア)する必要がなく、予備硬化(プレキュア)に対応する高価なシーラー(プレキュアシーラー)を用いず、安価なシーラーを用いることができる。また、予備硬化のための加熱設備や、加熱エネルギーを省略でき、シーラーコストの大幅な低減が可能となる。
まず、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の構造を、図1、図2を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の側面図を示す。図2に、図1に示すA視詳細図を示す。
車両のシーラー塗布装置10は、車両外方に設置したロボット1と、当該ロボット1のアーム先端に伸縮機構22付き台座23を介して取り付けたシーラーガン2と、シーラーガン2の先端部21に取り付けたシーラーノズル3と、シーラーノズル3に装着した倣い機構4とを備えている。
シーラーノズル3の先端部31における基部312には、略矩形状の取付板313が固着され、その両側端には、2つのアーム部51、52がそれぞれ軸部511、521で揺動可能に軸支されている。2つのアーム部51、52の下端には、ローラ体512、522がそれぞれ回動可能に軸支されている。各ローラ体512、522は、アウターパネルW0の外縁WGに当接する。取付板313と各アーム部51、52との間には、引張りばね53、54が装着されている。引張りばね53、54は、ローラ体512、522同士が近接する方向に付勢している。
また、ロッド部61は、吐出口311の長手方向中央部314を外周フランジ先端W1に位置させるように段差部W4に当接することが好ましい。吐出口311の長手方向中央部314を外周フランジ先端W1に位置させることによって、塗布するシーラーSの幅方向中心を段差部W4に一致させることができるので、微妙な隙間が生じやすい段差部W4に確実にシーラー塗布することができる。
また、ロッド部61と吐出口311の幅方向中心線315との距離d4は、短い方が好ましい。2つのアーム部51、52の傾斜角θ1、θ2を均等にさせ易いからである。ロッド部61の球体611は、半径d5がアウターパネルW0の板厚以内であることが好ましい。ロッド部61の先端が、段差部W4から外れにくいからである。
次に、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の塗布方法を、図3を用いて説明する。図3に、図1に示す車両のシーラー塗布装置の動作説明図を示す。なお、図3(a)は、ワークWにおける外縁WGが直線状に形成されている箇所にシーラー塗布する場合を示し、図3(b)は、ワークWにおける外縁WGが直線から湾曲する箇所にシーラー塗布する場合を示し、図3(c)は、ワークWにおける外縁WGが湾曲状に形成されている箇所にシーラー塗布する場合を示す。
以上のように、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10によれば、ワークWの外縁WGが直線状に形成されていても湾曲状に形成されていても、常にヘミング加工の重ね合わせ部に均一な幅と均一な膜厚で見栄え良くシーラー塗布することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10によれば、シーラーノズル3には、アウターパネルW0の外縁WGに倣いながらシーラーノズル3の先端部31をアウターパネルW0の外縁WGと交叉させ、当該交叉する位置でアウターパネルW0の外縁WGにおける法線方向H1と吐出口311の長手方向S1とを一致させる倣い機構4を装着したので、ワークWのコーナー部のようにヘミング加工されたアウターパネルW0の外縁WGが湾曲状に形成されていても、シーラーノズル3の先端部31がアウターパネルW0の外縁WGに交叉する位置で、その外縁WGにおける法線方向H1と吐出口311の長手方向S1とを倣い機構4によって自動的に一致させた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラー塗布することができる。そのため、本発明に係る車両Vのシーラー塗布装置10は、多くのティーチングポイントや高度な熟練を要することなく、ヘミング加工の重ね合わせ部W3に均一な幅と均一な膜厚で見栄え良くシーラー塗布することができる。
2 シーラーガン
3 シーラーノズル
4 倣い機構
5 第1ガイド部材
6 第2ガイド部材
10 シーラー塗布装置
22 伸縮機構
23 台座
31 先端部
32 継手部
33 中間部
51、52 アーム部
53、54 引張りばね
61 ロッド部
311 吐出口
312 基部
313 取付板
314 長手方向中央部
315 幅方向中心線
321 回動軸
512、522 ローラ体
611 球体
H1 法線方向
L1 2等分線
S シーラー
S1 長手方向
W ワーク
W0 アウターパネル
W1 外周フランジ先端
W2 インナーパネル
W3 重ね合わせ部
W4 段差部
Claims (6)
- ロボットと、当該ロボットに取り付けたシーラーガンと、当該シーラーガンに軸回動可能に取り付けたシーラーノズルとを備え、アウターパネルの外縁に立設する外周フランジ先端をインナーパネルの外縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工の重ね合わせ部に、前記シーラーノズルの先端部に形成したスリット状の吐出口からシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置であって、
前記シーラーノズルには、前記アウターパネルの外縁に倣いながら前記シーラーノズルの先端部を前記アウターパネルの外縁と交叉させ、当該交叉する位置で前記アウターパネルの外縁における法線方向と前記吐出口の長手方向とを一致させる倣い機構を装着したことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記倣い機構は、前記アウターパネルの外縁に当接し、前記シーラーノズルの移動に伴って回転するローラ体を備えたことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1又は請求項2に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記倣い機構は、前記シーラーノズルに揺動可能に支持された2つのアーム部が、前記吐出口の幅方向中心線に対して対称な位置で、それぞれ略均等な大きさの傾斜角で傾斜しながら前記アウターパネルの外縁に当接する第1ガイド部材を備えたことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記倣い機構は、前記吐出口から所定の長さ突出するロッド部の先端が、前記外周フランジ先端と前記インナーパネル裏面とで形成する段差部に当接する第2ガイド部材を備えたことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項4に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記シーラーガンは、前記シーラーノズルの回動軸と直交する方向に伸縮できる伸縮機構付き台座を介して前記ロボットに取り付けたことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記シーラーノズルの先端部は、略L字状又は略J字状に形成され、前記吐出口は、前記シーラーガンに対峙する方向に向けて開口されていることを特徴とする車両のシーラー塗布装置。
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