JP6167975B2 - 車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法 - Google Patents
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(1)ロボットと、当該ロボットに取り付けたシーラーガンとを備え、アウターパネルの外縁に立設する外周フランジ先端をインナーパネルの外縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工の重ね合わせ部に、前記シーラーガンに形成したシーラーノズルの吐出口からシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置であって、
前記シーラーノズルの吐出口は、前記シーラーガンと対峙する方向に向けて開口され、当該吐出口に向けてスポット状の可視光線を放射する光放射装置を前記シーラーガンに装着したことを特徴とする。
また、シーラーノズルの吐出口に向けてスポット状の可視光線を放射する光放射装置をシーラーガンに装着したので、光放射装置から放射するスポット状の可視光線は、アウターパネル表面に当たり車両外方へ反射する。そして、アウターパネル表面上に当たる可視光線の投光マークは、車両外方から目視でき、シーラーノズルの吐出口の位置に対応する。また、シーラーを塗布するヘミング加工の重ね合わせ部は、アウターパネルの外縁に沿って略一定の幅で形成されている。
そのため、アウターパネルの表面上に当たる可視光線の投光マークを目安にして、アウターパネルの外縁に沿って略一定の幅で形成されているヘミング加工の重ね合わせ部の位置と、シーラーノズルの吐出口の位置とを、車両外方から一致させながら、ロボットにシーラーガンの軌跡をティーチングすることができる。
よって、ワークをボディーに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガンのティーチングが簡単にできる車両のシーラー塗布装置を提供することができる。
また、光放射装置は、シーラーガンに着脱可能に装着してもよい。また、スポット状の可視光線の光軸断面は、円形でも多角形でもよい。
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、前記アウターパネル表面上に線状に写し取る転写手段を備えたことを特徴とする。
例えば、デジタル的に転写する手段には、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置データをロボットに入力し、その位置データに基づいてロボットによってアウターパネルの表面上に画線する手段、又はヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置データを映像装置に入力し、その位置データに基づいて映像装置によってアウターパネルの表面上に線状に投影する手段などが考えられる。
また、例えば、アナログ的に転写する手段には、一端に倣い針が形成され、他端に倣い針の針先に筆記具の芯が対向して把持される罫書き工具が考えられる。この罫書き工具によれば、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端に倣い針の針先を倣わせて、当該アウターパネルの表面上に筆記具の芯によって罫書き線を形成することができる。このような簡素な罫書き工具を備えるだけでも、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、アウターパネルの表面上に簡単に写し取ることができる。
前記光放射装置は、前記ヘミング加工の重ね合わせ部に塗布されたシーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線を放射することを特徴とする。
前記シーラーノズルの外周面には、前記吐出口と前記重ね合わせ部との隙間が所定の寸法である時に、前記アウターパネルの表面位置と一致する指示線を形成したことを特徴とする。
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、当該アウターパネルの表面上に線状に写し取る第1工程と、
前記シーラーノズルの吐出口に向けて放射するスポット状の可視光線を、前記アウターパネルの表面上に投光する第2工程と、
第1工程で前記アウターパネルの表面上に線状に写し取った前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置と、第2工程で前記アウターパネルの表面上に投光したスポット状の可視光線の投光マークとが、一致した時における前記シーラーガンの軌跡を前記ロボットにティーチングする第3工程とを備えることを特徴とする。
また、シーラーノズルの吐出口に向けて放射するスポット状の可視光線を、アウターパネルの表面上に投光する第2工程を備えるので、シーラーノズルの吐出口の位置を、アウターパネルの表面上に投光するスポット状の可視光線の投光マークによって表示することができる。
また、第1工程でアウターパネルの表面上に線状に写し取ったヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置と、第2工程でアウターパネルの表面上に投光したスポット状の可視光線の投光マークとが、一致した時におけるシーラーガンの軌跡をロボットにティーチングする第3工程とを備えるので、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置とシーラーノズルの吐出口の位置とが一致していることを車両外方から目視しながら、シーラーガンの軌跡をロボットにティーチングすることができる。
よって、ワークをボディーに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガンの軌跡を簡単にティーチングできる車両のシーラー塗布装置のティーチング方法を提供することができる。
まず、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の構造を、図1〜図5を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の斜視図を示す。図2に、図1に示すシーラーノズルと光放射装置の詳細平面図を示す。図3に、図2に示すA視側面図を示す。図4に、図1に示すシーラーノズルにおける吐出口の詳細図を示す。図5に、図1に示す車両のシーラー塗布装置に用いる罫書き工具の平面図を示す。
車両のシーラー塗布装置10は、車両外方に設置したロボット1と、当該ロボット1のアーム先端に取り付けたシーラーガン2と、シーラーガン2の先端部21に形成したシーラーノズル3と、シーラーガン2に着脱可能に装着した光放射装置5とを備えている。
へ放射し、ワークWに当たるとワーク上でスポット状の投光マークP(P1、P2、P
3)を表示する装置である。光放射装置5は、ケース先端の中央部からシーラーノズル3の吐出口31の中央部に向けてスポット状の可視光線L1を放射する。光放射装置5から放射するスポット状の可視光線L1は、アウターパネルW0表面に当たり車両外方へ反射する。そして、アウターパネルW0表面上に当たる可視光線の投光マークP1は、車両外方から目視でき、シーラーノズル3の吐出口31の位置に対応する。
1は、シーラーSを吐出する方向(矢印Jの方向)から見たシーラーノズル3の吐出口31の位置に、正確に対応させることができる。
ここでは、シーラーノズル3の吐出口31に向けたスポット状の可視光線L1は、赤色の光線であり、ヘミング加工の重ね合わせ部W3に塗布されたシーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3は、緑色の光線である。互いに異なる色の光線であることによって、ロボット1のティーチング作業員の過誤を回避して、迅速にティーチングできる。
具体的には、罫書き工具6は、連結部63の一端64に倣い針61が形成され、他端65に倣い針61の針先611に筆記具62の芯621が対向して把持される構造である。筆記具62の把持位置は、ワークの板厚に対応して調節することができる。筆記具62には、例えば、油性ペンや水性ペンなどが該当する。
次に、他の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10のティーチング方法を、図1及び図6〜図8を用いて説明する。図6に、図1に示す車両のシーラー塗布装置によって塗布されたシーラーの詳細図を示す。図7及び図8に、図6に示す罫書き工具の使用方法を説明する斜視図を示す。
シーラーSの幅は、外周フランジ先端W1を略中心にしてアウターパネルW0の外周側とインナーパネルW2の内周側とへ拡張する。前述したように、シーラーノズル3の先端には、筒軸線に沿ってスリット状の吐出口31が形成されている。そのため、シーラーノズル3の吐出口31の中央部を、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1に一致させる。
ズル3の吐出口31の位置に対応する。これによって、シーラーノズル3の吐出口31の位置を、アウターパネルW0の表面上に投光するスポット状の可視光線L1の投光マークP1によって表示することができる。
さらに、シーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3が、アウターパネルW0の表面上に当たる投光マークP2、P3を目安に、シーラーノズル3の吐出口31の位置を補正しながらロボットにティーチングする。具体的には、可視光線L2、L3の投光マークP2、P3が、アウターパネルW0の表面上からはみ出している場合には、シーラーSがアウターパネルW0からはみ出す恐れがあるので、アウターパネルW0の表面上からはみ出ない方向へ、シーラーノズル3の吐出口31の位置を補正する。その結果、シーラーSがアウターパネルW0からはみ出すようなシーラー塗布不良を未然に防止することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10によれば、シーラーノズル3の吐出口31は、シーラーガン2に対峙する方向に向けて開口されているので、ワークWをボディーBに取り付けた状態で、アウターパネルW0表面側にシーラーガン2を配置して、アウターパネルW0裏面側からヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラーSを塗布することが可能である。
また、シーラーノズル3の吐出口31に向けてスポット状の可視光線L1を放射する光放射装置5をシーラーガン2に装着したので、光放射装置5から放射するスポット状の可視光線L1は、アウターパネルW0表面に当たり車両外方へ反射する。そして、アウターパネルW0表面上に当たる可視光線L1の投光マークP1は、車両外方から目視でき、シーラーノズル3の吐出口31の位置に対応する。また、シーラーSを塗布するヘミング加工の重ね合わせ部W3は、アウターパネルW0の外縁に沿って略一定の幅で形成されている。
そのため、アウターパネルW0の表面上に当たる可視光線L1の投光マークP1を目安にして、アウターパネルW0の外縁に沿って略一定の幅で形成されているヘミング加工の重ね合わせ部W3の位置と、シーラーノズル3の吐出口31の位置とを、車両外方から一致させながら、ロボット1にシーラーガン2の軌跡をティーチングすることができる。
よって、ワークWをボディーBに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガン2のティーチングが簡単にできる車両のシーラー塗布装置10を提供することができる。
2 シーラーガン
3 シーラーノズル
5 光放射装置
6 罫書き工具(転写手段)
10 シーラー塗布装置
31 吐出口
32 指示線
61 倣い針
62 筆記具
d1 隙間
K1 罫書き線
L、L1、L2、L3 可視光線
P、P1、P2、P3 投光マーク
S シーラー
S1 外周フランジ先端の位置
S2、S3 シーラー幅方向端縁
W ワーク
W0 アウターパネル
W1 外周フランジ先端
W2 インナーパネル
W3 重ね合わせ部
Claims (5)
- ロボットと、当該ロボットに取り付けたシーラーガンとを備え、アウターパネルの外縁に立設する外周フランジ先端をインナーパネルの外縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工の重ね合わせ部に、前記シーラーガンに形成したシーラーノズルの吐出口からシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置であって、
前記シーラーノズルの吐出口は、前記シーラーガンと対峙する方向に向けて開口され、当該吐出口に向けてスポット状の可視光線を放射する光放射装置を前記シーラーガンに装着したことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、前記アウターパネルの車両外方から目視できる表面上に線状に写し取る転写手段を備えたことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1又は請求項2に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記光放射装置は、前記ヘミング加工の重ね合わせ部に塗布されたシーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線を放射することを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記シーラーノズルの外周面には、前記吐出口と前記重ね合わせ部との隙間が所定の寸法である時に、前記アウターパネルの車両外方から目視できる表面位置と一致する指示線を形成したことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された車両のシーラー塗布装置のティーチング方法であって、
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、当該アウターパネルの車両外方から目視できる表面上に線状に写し取る第1工程と、
前記シーラーノズルの吐出口に向けて放射するスポット状の可視光線を、前記アウターパネルの前記表面上に投光する第2工程と、
前記第1工程で前記アウターパネルの前記表面上に線状に写し取った前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置と、前記第2工程で前記アウターパネルの前記表面上に投光したスポット状の可視光線の投光マークとが、一致した時における前記シーラーガンの軌跡を前記ロボットにティーチングする第3工程とを備えることを特徴とする車両のシーラー塗布装置のティーチング方法。
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