JP2015199893A - ポリエチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止性能に優れ、かつ、包装材や間紙として使用した場合に、被包装物表面を曇らせにくいとともに、被包装物表面の親水性を維持できるような被包装物表面を汚染しにくい新規なポリエチレン系樹脂発泡シートを提供する。【解決手段】高分子型帯電防止剤が配合されたポリエチレン系樹脂発泡シートであって、前記ポリエチレン系樹脂発泡シートのn−ヘプタン抽出量が1.5重量%以下であり、前記高分子型帯電防止剤の配合量がポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して1.5〜8重量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂発泡シートに関し、より詳しくは、包装材や間紙として好適に使用できるポリエチレン系樹脂発泡シートに関する。
従来、各種製品の包装材や間紙として、ポリエチレン系樹脂発泡シートが知られている。このポリエチレン系樹脂発泡シートは、柔軟性を有し、緩衝性に富み、被包装物表面を傷つけにくい等の特長を有する。一方で、ポリエチレン系樹脂発泡シートのような樹脂発泡体は、静電気の作用により帯電し易いため、樹脂発泡体表面に埃や塵が付着し易いという欠点があった。この欠点を補うために、帯電防止剤を用いて帯電防止性能を付与したポリエチレン系樹脂発泡シートが使用されている。
帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤が用いられている。界面活性剤は、通常、分子量が1000程度もしくはそれ以下であり、帯電防止剤の中でも低分子型帯電防止剤として分類されている。このような低分子型帯電防止剤を用いた場合には、低分子型帯電防止剤がポリエチレン系樹脂発泡シート表面に浮き出てくること、所謂「ブリードアウト現象」により、ポリエチレン系樹脂発泡シートに帯電防止性能を付与することが可能となる。しかしながら、このようなポリエチレン系樹脂発泡シートをガラス板やガラス基板等の包装材や間紙として用いた場合には、ブリードアウトした低分子型帯電防止剤が被包装物表面に移行することに起因して、被包装物の表面が曇ってしまうという問題点があった。
そこで、上記問題点を解消するために、これまでにも、低分子型帯電防止剤に替えて高分子型帯電防止剤を用いたポリエチレン系樹脂発泡シートが提案されている。例えば、特許文献1には、電子部品や薄型テレビ用ガラスなどの包装材を提供する目的で、高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン系樹脂発泡シートが提案されている。また、特許文献2には、高分子型帯電防止剤の使用量を低減させつつも求められる帯電防止効果を得る目的で、リチウムイオンを含む高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン系樹脂発泡シートが提案されている。
特開2009−62442号公報 特開2013−209577号公報
しかしながら、高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン系樹脂発泡シートは十分な帯電防止性能を発現するが、該発泡シートをガラス板等の包装材や間紙として使用した場合に、被包装物表面の親水性を十分に維持することができていなかった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、帯電防止性能に優れ、かつ、ガラス板等の包装材や間紙として使用した場合に、被包装物表面を曇らせにくいと共に、被包装物表面の親水性を維持できるような被包装物表面を汚染しにくい新規なポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することを課題としている。
本発明者は、ポリエチレン系樹脂発泡シートを製造するにあたって、基材樹脂のポリエチレン系樹脂材料における有機物等の低分子量成分が少ない原料を用い、かつ高分子型帯電防止剤の配合量を特定範囲とすることによって、得られる発泡シート中の低分子量成分を特定範囲以下とし、帯電防止性能に優れ、かつ、被包装物表面の親水性を維持できると共に、被包装物表面を汚しにくいポリエチレン系樹脂発泡シートとなることを知見し、係る新規な知見に基づき、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートは、高分子型帯電防止剤が配合されたポリエチレン系樹脂発泡シートであって、前記ポリエチレン系樹脂発泡シートのヘプタン抽出量が1.5重量%以下であり、前記高分子型帯電防止剤の配合量がポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して1.5〜8重量%であることを特徴とする。
このポリエチレン系樹脂発泡シートにおいて、前記ポリエチレン系樹脂材料は、低密度ポリエチレンを含み、該ポリエチレン系樹脂材料のヘプタン抽出量が0.7重量%以下であることが好ましい。
また、このポリエチレン系樹脂発泡シートにおいては、前記高分子型帯電防止剤の表面抵抗率が1×10Ω以下であることが好ましい。
さらに、このポリエチレン系樹脂発泡シートにおいては、前記ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みが0.05〜5mmであり、見掛け密度が18〜500kg/mであることが好ましい。
このポリエチレン系樹脂発泡シートにおいては、高分子型帯電防止剤の配合量がポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して2〜6重量%であることが好ましい。
そして、本発明のガラス板用間紙は、前記のポリエチレン系樹脂発泡シートからなることを特徴とする。
本発明によれば、包装材や間紙として使用した場合に、帯電防止性能に優れ、かつ、被包装物表面の親水性を維持できると共に、被包装物表面を曇らせにくい新規なポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することができる。
以下、本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートについて詳細に説明する。
前記のとおり、本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートは、高分子型帯電防止剤が配合されたポリエチレン系樹脂発泡シートであって、前記ポリエチレン系樹脂発泡シートのヘプタン抽出量が1.5重量%以下であり、前記高分子型帯電防止剤の配合量がポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して1.5〜8重量%である。
<ポリエチレン系樹脂材料>
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂材料は、ヘプタン抽出量が0.7重量%以下であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂材料に含まれる低分子量成分としての有機物等の被包装物への移行をより抑制する観点からは、ポリエチレン系樹脂材料のヘプタン抽出量は、0.4重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3重量%以下であり、さらに好ましくは0.2重量%以下である。
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂材料としては、例えば、スラリー法や溶液法を用いて製造されたポリエチレン系樹脂材料等が挙げられる。また、一般に入手可能なポリエチレン系樹脂材料から、n−ヘプタン等の溶媒を用いて低分子量成分としての有機物等を抽出除去したポリエチレン系樹脂材料を用いてもよい。
一般に入手可能なポリエチレン系樹脂材料としては、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAC)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸エチル(EEAK)や、これらの混合物等が挙げられる。包装材や間紙として用いる場合の緩衝性の観点からは、ポリエチレン系樹脂材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分とすることが好ましい。なお、「主成分とする」とは、ポリエチレン系樹脂中に低密度ポリエチレン(LDPE)が50重量%以上含まれることを意味し、同様の観点で、70重量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは90重量%以上である。通常、低密度ポリエチレンの密度は910kg/m以上930kg/m未満である。
なお、経済的な観点や廃液処理等の環境面の観点からは、前記スラリー法や溶液法を用いて製造されたポリエチレン系樹脂材料等を用いることが好ましく考慮される。
また、ポリエチレン系樹脂材料は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。2種以上のポリエチレン系樹脂材料を併用する場合には、ポリエチレン系樹脂材料全体として、ヘプタン抽出量が上記範囲を満足することが好ましい。
本明細書において、ポリエチレン系樹脂材料の「ヘプタン抽出量」は、以下のとおりの手順に従って測定、算出される値をいう。ポリエチレン系樹脂材料(例えば、ペレット状のもの)を粉砕し、その200メッシュパスの試料約2gをフラスコ内に投入し、n−ヘプタン400mlを加え、50℃にて48時間加熱還流する。得られた溶液を濾過し、分取した残留物から溶媒を加熱真空下にて除去する。得られた残留物の重量と、前記ポリエチレン系樹脂材料の粉砕試料の重量との差を測定し、ポリエチレン系樹脂材料の粉砕試料の重量を基準として重量%に換算し、この値をポリエチレン系樹脂材料のヘプタン抽出量とする。なお、2種以上のポリエチレン系樹脂材料を併用する場合には、それぞれのポリエチレン系樹脂材料のヘプタン抽出量を測定し、その配合比に応じて、ヘプタン抽出量を算出すればよい。
また、本発明で用いられるポリエチレン系樹脂材料は、発泡性の観点から、メルトマスフローレート(MFR)が、1〜30g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.5〜20g/10分、さらに好ましくは2〜10g/10分である。ポリエチレン系樹脂材料のMFRは、JIS K7210(1999年)の条件Dに基づいて測定することができる。
さらに、本発明で用いられるポリエチレン系樹脂材料は、発泡性の観点から、190℃での溶融張力が20〜400mNであることが好ましく、より好ましくは30〜300mN、さらに好ましくは40〜250mNである。
ポリエチレン系樹脂材料の溶融張力は、例えば、キャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製)を用いて測定することができる。具体的には、例えば、以下のようにして測定することができる。シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用いて、シリンダーおよびオリフィスの設定温度を190℃とする。必要量の試料を、シリンダー内に入れ、4分間放置した後、ピストン速度を10mm/分として、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押し出す。この紐状物を、直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、4分で引き取り速度が0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取って、紐状物が破断した際の直前の張力の極大値を得る。ここで、引取り速度が0m/分から200m/分に達するまでの時間を4分とした理由は、樹脂の熱劣化を抑えるとともに得られる値の再現性を高めるためである。上記操作を異なる試料を使用して計10回の測定を行い、得られた10個の極大値のうち、最も大きな値から順に3つの値と、最も小さな値から順に3つの値を除外する。残った4つの値を相加平均して得られた値を溶融張力(cN)とする。
但し、上記の方法で溶融張力の測定を行った際に、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られた値を溶融張力(cN)として採用することができる。より詳しくは、上記の方法と同様にして、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を張力検出用プーリーに掛け、4分間で0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーを回転させ、回転速度が200m/分に達するまで待つ。回転速度が200m/分に到達した後、張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を、溶融張力とする。ここで、上記Tmaxとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、上記Tminとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。なお、上記測定においては、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押し出す際に、押し出される紐状物にできるだけ気泡が入らないようにすることが当然のことながら考慮される。
<高分子型帯電防止剤>
本発明で用いられる高分子型帯電防止剤としては、例えば、体積抵抗率が1×10〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(以下、単に「親水性ポリマー」ともいう。)、親水性ポリマーブロックと疎水性ポリマーブロックとのブロックポリマー、アイオノマー等が挙げられる。親水性ポリマーとしては、例えば、ポリエーテル、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー等が挙げられる。一方、疎水性ポリマーブロックとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド等が挙げられる。また、親水性ポリマーブロックと疎水性ポリマーブロックとの結合の種類としては、例えば、エステル結合、アミド結合、エーテル結合等が挙げられる。これらの中でも、帯電防止性能に優れるとともに、高分子型帯電防止剤を配合することによるポリエチレン系樹脂発泡シートの物性低下を抑制する観点からは、親水性ポリマーとしてポリエーテルブロックを有し、疎水性ポリマーブロックとしてポリオレフィンブロックを有するブロック共重合体が好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂発泡シートに所望の帯電防止性能を付与するとともに、高分子型帯電防止剤の配合量をより少なくすることによって高分子型帯電防止剤に含まれる低分子成分としての有機物等の移行をより抑制する観点からは、高分子型帯電防止剤は、表面抵抗率が1×10Ω以下であることが好ましい。高分子型帯電防止剤の表面抵抗率は、JIS K6271(2008年)に準拠して測定することができる。例えば、高分子型帯電防止剤の表面抵抗率は、試験片として、測定対象とする高分子型帯電防止剤を200℃にて0.1mmにヒートプレスしたものを用いて、JIS K6271(2008年)に準拠して測定することができる。
高分子型帯電防止剤の配合量は、ポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して1.5〜8重量%である。高分子型帯電防止剤の配合量が8重量%を超える場合には、高分子型帯電防止剤に含まれる低分子量成分が被包装物に移行しやすく、被包装物表面が曇りやすくなる場合や親水性が維持できなくなる場合がある。したがって、高分子型帯電防止剤の配合量は、ポリエチレン系樹脂発泡シートに所望の帯電防止性能を付与することが可能な範囲においてより少なくすることが好ましく考慮される。よって、好ましくは、高分子型帯電防止剤の配合量は6重量%以下であり、より好ましくは4重量%以下である。一方、高分子型帯電防止剤の配合量が1.5重量%未満の場合には、ポリエチレン系樹脂発泡シートに十分な帯電防止性能を付与することができない場合がある。よって、好ましくは、高分子型帯電防止剤の配合量は2重量%以上である。
<ポリエチレン系樹脂発泡シート>
本発明のポリエチレン系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう。)は、ヘプタン抽出量が1.5重量%以下であることを特徴とする。ヘプタン抽出量が低いことによって、被包装物表面の親水性を維持しつつ、被包装物表面を曇らせにくくすることができる。かかる観点からは、発泡シートのヘプタン抽出量が1.3重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0重量%以下である。
本明細書において、ポリエチレン系樹脂発泡シートの「ヘプタン抽出量」は、上記ポリエチレン系樹脂のヘプタン抽出と同様に行うことができ、以下のとおりの手順に従って測定、算出される。発泡シートを10mm角に切断し、その切断物約2gをフラスコ内に投入し、n−ヘプタン400mlを加え、50℃にて48時間加熱還流する。後はポリエチレン系樹脂材料と同様にしてヘプタン抽出量を求めることができる。
本発明の発泡シートの厚みは、所要の目的や用途、特性に応じて、選択することができる。例えば、包装材や間紙として用いる場合の緩衝性の観点からは、発泡シートの厚みは、0.05mm以上が好ましく、より好ましくは0.1mm以上である。また、被包装物を梱包する際の取り扱いが容易である等の観点からは、発泡シートの厚みは、5mm以下が好ましく、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。
発泡シートの厚みは、以下のようにして算出することができる。まず、発泡シートを押出方向に直交する方向に垂直に切断し、この切断面の厚みを顕微鏡で拡大して幅方向全体に亘って略等間隔に10点撮影を行う。次に、撮影した各点における発泡シートの厚みを測定する。そして、得られた値の算術平均値を、発泡シートの厚みとする。
本発明の発泡シートの見掛け密度は、発泡シートの強度と緩衝性とのバランスを優れたものとする観点からは、18〜500kg/mの範囲内であることが好ましい。かかる観点からは、見掛け密度は、18kg/m以上が好ましく、より好ましくは20kg/m以上である。一方、見掛け密度は、300kg/m以下が好ましく、より好ましくは250kg/m以下であり、さらに好ましくは200kg/m以下である。
発泡シートの見掛け密度は、以下のようにして算出することができる。まず、上記のとおり発泡シートの厚みを算出する。次に、以下のようにして坪量を算出する。発泡シートの坪量[g/m]は、発泡シートの全幅にわたって、10cm×発泡シートの幅×発泡シートの厚みのサイズの平面視矩形状の試験片を切り出し、試験片の質量[g]を測定した後、この質量の値を試験片の面積[m:発泡シートの幅(m)×0.1m]で除することで得ることができる。このようにして得た坪量[g/m]を、発泡シートの厚み[mm]で除し、単位換算することにより、発泡シートの見掛け密度[kg/m]とする。
本発明の発泡シートの独立気泡率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上である。発泡シートの独立気泡率:S(%)は、ASTM D2856−70に記載されている手順Cに準拠し、空気比較式比重計(東芝ベックマン(株)製 930型)を使用して測定した発泡シートの実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和):Vx(L)から、下記(1)式により算出することができる。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ)・・・(1)
但し、上記式(1)中の、Va、W、ρはそれぞれ以下の通りである。
Va:測定に使用した発泡シートの見掛け容積(cm
W:試験片における発泡シートの質量(g)
ρ:発泡シートを構成する樹脂の密度(g/cm
本発明の発泡シートは帯電防止性能を有する。エレクトロニクス機器やその素材等の包装材や間紙として使用する観点からは、発泡シートの表面層側の初期帯電圧は、±2.5kVの範囲内であることが好ましく、より好ましくは±2.0kVの範囲内である。また、発泡シートは、この初期帯電圧が1/2に減衰するまでの時間、すなわち半減期(秒)が、60秒以下であることが好ましく、より好ましくは30秒以下である。発泡シートの半減期は、JIS L1094(1997年)の半減期測定法に準拠して測定することができる。
また、エレクトロニクス機器やガラス板等の包装材や間紙として使用する観点からは、発泡シートの表面抵抗率は、1×1014Ω未満であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×1013Ωである。発泡シートの表面抵抗率は、JIS K6271(2008年)に準拠して測定することができる。
<ポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法>
本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法について、好ましい実施形態を例示して説明する。本発明の発泡シートは、高分子型帯電防止剤を配合したポリエチレン系樹脂材料を押出成形することによって製造される。
まず、ポリエチレン系樹脂材料、高分子型帯電防止剤、および必要に応じて気泡調整剤等の添加剤を、押出機に供給し、加熱、混練した後、物理発泡剤を圧入して、更に混練して発泡シート成形用樹脂材料溶融物を得る。
次いで、押出機内で前記発泡シート成形用樹脂材料溶融物を発泡可能な温度に調整し、環状ダイを通して大気中に押出して、発泡シート成形用樹脂材料溶融物を発泡させて筒状発泡体を形成する。この筒状発泡体の内面を、拡幅しつつ円柱状冷却装置に沿わせて引取りながら切り開くことにより、発泡シートを得る。前記押出機、環状ダイ、円柱状冷却装置、筒状発泡体を切り開く装置等は、従来押出発泡の分野で用いられてきた一般に公知のものを用いることができる。なお、環状ダイの代わりにフラットダイを用いて押出発泡することもできる。
前記物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類などの有機系物理発泡剤、酸素、窒素、二酸化炭素、空気、水等の無機系発泡剤が挙げられる。場合によっては、アゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤を使用することもできる。これらの物理発泡剤は、2種以上を混合して使用することが可能である。これらのうち、発泡性の観点から有機系物理発泡剤が好ましく、中でもノルマルブタン、イソブタン、又はこれらの混合物を主成分とするものが好ましく、ノルマルブタン50〜80重量%、イソブタン20〜50重量%の比率であることがより好ましい(但し、ノルマルブタンとイソブタンの合計量を100重量%とする)。
該発泡剤添加量は、発泡剤の種類、目的とする見かけ密度に応じて調整する。例えば、物理発泡剤としてイソブタン30重量%とノルマルブタン70重量%とのブタン混合物などの物理発泡剤を用いた場合、ポリエチレン系樹脂材料100重量部に対して2〜35重量部が好ましく、より好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは4〜25重量部である。
<その他の添加剤>
なお、本発明で用いられるポリエチレン系樹脂発泡シートには、ヘプタン抽出量が1.5重量%を超えない範囲において、必要に応じて一般的に用いられる気泡調整剤、安定剤、フィラー、収縮防止剤、界面活性剤等の各種添加剤を配合することができる。
前記気泡調整剤としては、例えば、有機系気泡調整剤、無機系気泡調整剤等が挙げられる。有機系気泡調整剤としては、例えば、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。無機系気泡調整剤としては、例えば、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、気泡調整剤として、クエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のモノアルカリ塩と重炭酸ナトリウムを組み合わせたもの等を用いてもよい。なお、気泡調整剤は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
前記収縮防止剤としては、従来使用されているステアリン酸モノグリセライド等が挙げられる。また、前記界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。前記収縮防止剤や界面活性剤は、発泡シートの表面にブリードアウトしてガラス等の被包装物の曇りの原因となるおそれがある。上記観点から、前記収縮防止剤や界面活性剤の配合量は、発泡シートを構成する樹脂材料に対して0.3重量%以下が好ましく、より好ましくは0.2重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下であり、添加しないことが特に好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートは、帯電防止性能を有するとともに、発泡シートから被包装物への低分子量成分としての有機物等の移行が抑制されている。そのため、ガラス板用の間紙や包装材としてだけではなく、エレクトロニクス機器やその素材等の包装材や間紙としても好適に使用できるものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例において、以下に示すポリエチレン系樹脂材料、高分子型帯電防止剤および気泡調整剤を使用した。
(1)ポリエチレン系樹脂材料
(i)東ソー(株)製「低密度ポリエチレン:商品名10S54A」(略称A)(密度:925kg/m、MFR:1.8g/10分、溶融張力:32.6mN、融点:111℃、ヘプタン抽出量:0.15重量%)
(ii)ダウ・ケミカル日本(株)製「低密度ポリエチレン:商品名NUC8321」(略称C)(密度:922kg/m、MFR:1.9g/10分、溶融張力:52.2mN、融点:111℃、ヘプタン抽出量:1.15重量%)
(iii)上記略称Cのポリエチレン系樹脂材料を、50℃のn−ヘプタン中に24時間浸漬し、低分子量成分を抽出除去したもの(略称B)(密度:922kg/m、MFR:1.8g/10分、溶融張力:54.5mN、融点:111℃、ヘプタン抽出量:0.35重量%)
なお、ポリエチレン系樹脂材料のプロフィールをまとめたものを表1に示す。
Figure 2015199893
(2)高分子型帯電防止剤
三洋化成工業(株)製「ポリエーテル−ポリプロピレンオレフィンブロック共重合体:ペレクトロンHS」(略称「HS」)(融点:134℃、表面抵抗率:2.0×10Ω)
(3)気泡調整剤
松村産業(株)製「タルク:商品名ハイフィラー#12」
<実施例1>
上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に対し、上記略称HSの高分子型帯電防止剤を4重量%となるよう配合し、これに気泡調製剤を1重量部配合した原料を、直径65mmの第一押出機の原料投入口に供給し、加熱混練し、温度を約200℃に調整して溶融樹脂混合物を得た。この溶融樹脂混合物に、物理発泡剤として3.6重量部の混合ブタン(ノルマルブタン/イソブタン=70重量%/30重量%)を圧入し、この混合物を、第一押出機の下流側に連結した直径90mmの第二押出機に送り、約115℃の樹脂温度のポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を得た。
このポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を、50kg/hrの吐出量で環状ダイ中へ導入して押出成形し、筒状発泡体を得た。この筒状発泡体を直径150mmの筒状拡幅装置にて拡幅しながら、坪量が23g/mとなるように引き取り、さらに筒状発泡体を押出方向に沿って切り開くことにより、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<実施例2>
溶融樹脂混合物を作製する際に、高分子型帯電防止剤の配合量を2重量%とし、ポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を作製する際に、実施例1で用いた物理発泡剤としての混合ブタンの圧入割合を9.4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<実施例3>
溶融樹脂混合物を作製する際に、高分子型帯電防止剤の配合量を6重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<実施例4>
溶融樹脂混合物を作製する際に、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に代えて上記略称Bのポリエチレン系樹脂を用い、ポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を作製する際に、実施例1で用いた物理発泡剤としての混合ブタンの圧入割合を9.4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<実施例5>
溶融樹脂混合物を作製する際に、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に代えて、上記略称Aのポリエチレン系樹脂55重量%と上記略称Cのポリエチレン系樹脂45重量%との混合樹脂(A/C=55/45)を用い、ポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を作製する際に、実施例1で用いた物理発泡剤としての混合ブタンの圧入割合を9.4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<実施例6>
ポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を作製する際に、実施例1で用いた物理発泡剤としての混合ブタンの圧入割合を9.4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<実施例7>
ポリエチレン系樹脂発泡シート成形用樹脂溶融物を作製する際に、実施例1で用いた物理発泡剤としての混合ブタンの圧入割合を17.6重量部としたこと、および筒状発泡体を筒状拡幅装置にて拡幅する際に、坪量が31g/mとなるように引き取り速度を調整したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<比較例1>
溶融樹脂混合物を作製する際に、高分子型帯電防止剤の配合量を1重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<比較例2>
溶融樹脂混合物を作製する際に、高分子型帯電防止剤の配合量を15重量%としたこと以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<比較例3>
溶融樹脂混合物を作製する際に、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に代えて、上記略称Cのポリエチレン系樹脂材料を使用したこと以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<比較例4>
溶融樹脂混合物を作製する際に、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に代えて、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料30重量%と上記略称Cのポリエチレン系樹脂材料70重量%の混合樹脂材料(A/C=30/70)を用いたこと以外は実施例7と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<比較例5>
溶融樹脂混合物を作製する際に、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に代えて、上記略称Cのポリエチレン系樹脂材料を使用し、高分子型帯電防止剤の配合量を9重量%、界面活性剤としてポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、商品名:PEG−300、数平均分子量:300)を4.2重量%添加したこと以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
<比較例6>
溶融樹脂混合物を作製する際に、上記略称Aのポリエチレン系樹脂材料に代えて、上記略称Cのポリエチレン系樹脂材料を使用し、帯電防止剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
実施例1〜7および比較例1〜6で用いたポリエチレン系樹脂材料、高分子型帯電防止剤、および物理発泡剤の組み合わせを表2に示す。
Figure 2015199893
このようにして得られた実施例1〜7および比較例1〜6のポリエチレン系樹脂発泡シートについて、下記のとおりの各種物性の測定および評価を行った。
(1)ヘプタン抽出量
上記のとおりに測定、算出した。
(2)厚み、坪量および見掛け密度の測定
上記のとおりに測定、算出した。
(3)初期帯電圧、一分後残存帯電圧および半減期の測定
試験片として、発泡シートから無作為に、縦45mm×横45mmのサイズ(厚みは発泡シートの厚みである)のシートを5枚切り出した。
[初期帯電圧]
上記の試験片を、温度23℃、相対湿度50%環境下にて、24時間状態調節した後、スタティックオネストメーター(シシド静電気株式会社製 TIPE S−5109)を使用して、温度23℃、相対湿度50%環境下にて、JIS L1094(1997年)A法に従って、ターンテーブルの回転速度を1300rpmとし、試験片の表面層側に(−)10kVの電圧を30秒間印加し、印加を停止したときの帯電圧を測定した。
[一分後残存帯電圧]
上記初期帯電圧の測定から1分後の帯電圧を、上記に準じて測定した。
[半減期]
上記初期帯電圧の値が1/2となるまでの時間を測定した。
これらの測定を各試験片の両面について行い(発泡シート1枚あたり試験片5枚×2面=計10回)、得られた結果の算術平均値を、初期帯電圧、一分後残存帯電圧および半減期として採用した。
(4)表面抵抗率の測定
試験片として、発泡シートから無作為に、縦100mm×横100mmのサイズ(厚みは発泡シートの厚みである)のシートを3枚切り出した。JIS K6271(2001年)に準拠して、500Vの電圧を印加してから1分後の表面抵抗値を、タケダ理研工業(株)製「TR8601」を用いて測定した。この測定を各試験片の両面について行い(発泡シート1枚あたり試験片3枚×2面=計6回)、得られた結果の算術平均値を表面抵抗率として採用した。
(5)接触角の測定
プレクリンスライドガラス(松浪ガラス工業(株)製)に、発泡シートを3.8g/cmの圧力で密着させ、60℃下で24時間静置した。その後、発泡シートをガラスから除去し、発泡シートが接触していた面について、JIS R3257(1999年)に記載の静滴法に従って、接触角を測定した。
(6)帯電防止性能評価
上記半減期の有無に基づいて評価を行った。下記表3および表4では、半減期が60秒以内であるものを○、半減期が60秒を超えるものを×とした。
(7)被包装物の表面の親水性評価
上記接触角の値に基づいて評価を行った。下記表3および表4では、接触角が20°未満のものを○、20°以上のものを×とした。
(8)ヘーズ評価
JIS K7136(2000年)に従って、濁度計(日本電飾工業(株)製;形式NDH2000)を用いて測定し、試験前後のヘーズ値の差をヘーズ上昇値(Hz)とした。なお、発泡シートの圧着条件は、上記接触角の測定と同様とした。下記表3および表4では、ヘーズ上昇値が1.0未満のものを◎、ヘーズ上昇値が1以上〜2未満のものを○、ヘーズ上昇値が2以上〜5未満のものを△、ヘーズ上昇値が5以上のものを×とした。
以上のポリエチレン系樹脂発泡シートの物性測定結果および評価結果を、表3および表4に示す。
Figure 2015199893
Figure 2015199893
実施例1〜7の発泡シートは、帯電防止性能に優れ、かつ、被包装物表面を曇らせにくいと共に、被包装物表面の親水性を維持できるような被包装物表面を汚染しにくいものであり、いずれの物性・評価項目についても優れた特性を示した。一方、実施例1〜7の条件よりも高分子型帯電防止剤の配合量を減らした比較例1の発泡シートは、実施例1〜7の発泡シートと比較して帯電防止性能が有意に劣っていた。また、実施例1〜7の条件よりも高分子型帯電防止剤の配合量を増やした比較例2の発泡シートは、実施例1〜7の発泡シートと比較して被包装物表面の親水性が有意に劣っており、ヘーズ上昇値が大きかった。比較例3および4の発泡シートは、実施例1〜7の発泡シートと比較して、主にポリエチレン系樹脂材料に含まれる低分子量成分の被包装物への移行が多いためか、被包装物表面の親水性が有意に劣っていた。実施例1〜7の条件よりも高分子型帯電防止剤の配合量を増やし、かつ界面活性剤を添加した比較例5の発泡シートは、主にブリードアウトした界面活性剤が被包装物表面へ移行するためか、ヘーズ上昇値が最も大きかった。帯電防止剤を配合しなかった比較例6の発泡シートは、主にポリエチレン系樹脂材料に含まれる低分子量成分の被包装物への移行が多いためか、被包装物表面の親水性が有意に劣っており、帯電防止性能も有意に劣っていた。

Claims (6)

  1. 高分子型帯電防止剤が配合されたポリエチレン系樹脂発泡シートであって、前記ポリエチレン系樹脂発泡シートのヘプタン抽出量が1.5重量%以下であり、前記高分子型帯電防止剤の配合量がポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して1.5〜8重量%であることを特徴とするポリエチレン系樹脂発泡シート。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂材料は低密度ポリエチレンを含み、前記ポリエチレン系樹脂材料のヘプタン抽出量が0.7重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  3. 前記高分子型帯電防止剤の表面抵抗率が1×10Ω以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みが0.05〜5mmであり、見掛け密度が18〜500kg/mであることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  5. 前記高分子型帯電防止剤の配合量がポリエチレン系樹脂材料と高分子型帯電防止剤との合計100重量%に対して2〜6重量%であることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートからなることを特徴とするガラス板用間紙。
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