JP2015199826A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Kotaro Nozawa
晃太郎 能澤
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悠 松浦
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Abstract

【課題】妙紙用ドライヤーカンバスの構成素材として好適に使用することができるポリエステルや、太陽電池裏面保護シート用として好適に利用することができるポリエステルフィルムを構成する、極限粘度の高い、新規のポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ワックス(A)を含有し、カルボキシル基と反応する化合物(B)を含有し、極限粘度が0.70dl/g以上であるポリエステル樹脂組成物。好ましくは、化合物(B)がエポキシ基またはカルボジイミド基を少なくとも1種以上を含有するポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの製造時において押出機負荷を低く抑えられ、妙紙用ドライヤーカンバスの構成素材や、太陽電池裏面保護シート用として好適に利用することのできるポリエステルフィルムを構成する、極限粘度の高いポリエステル樹脂組成物に関するものである。
従来、妙紙用ドライヤーカンバスの構成素材に使用されるポリエステルは、耐加水分解性が高いことが望まれている。そのためには、カルボジイミドやエポキシ基のような、ポリエステルのカルボキシル基と反応する化合物とポリエステルを混合することで、素材の耐加水分解性を向上させる発明がなされている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。しかし、これらの組成物はポリエステルのカルボキシル基と反応する化合物を含有しない組成物に対して、極限粘度が増大しているポリエステルであるため、溶融工程において押出機への負荷が高く、極限粘度の低いポリエステルに比して吐出量上限に制限が生じる。
また、太陽電池モジュールは高温高湿度環境で長期間使用されるので、太陽電池裏面封止用フィルムにも長期耐久性が求められる。例えば、特許文献5に、太陽電池裏面封止用フィルムとしてフッ素系フィルムを用いた技術が開示されている。この文献にはフッ素系フィルムにあらかじめ熱処理を施すことで、フッ素系フィルムの熱収縮率をあらかじめ低減させることが可能となり、封止材であるエチレンビニルアセテート(以下、EVAと略記することがある)との真空ラミネート加工時の、耐候性や耐加水分解性を初めとする物性の低下防止や、歩留まりの向上にも効果のあると記載されている。しかし、フッ素系フィルムは高価であるので、太陽電池モジュールも高価なものになってしまうという問題がある。
太陽電池裏面封止用フィルムとして、ポリエステル系フィルムが用いられていることがある。ポリエステル系フィルムを、高温高湿度環境で使用すると、分子鎖中のエステル結合部位の加水分解が起こり、機械的特性が劣化することが知られている。よって、ポリエステル系フィルムを屋外で長期(例えば20年間)にわたって使用する場合、あるいは高湿度環境で使用する場合を想定して、加水分解を抑制すべく、様々な検討が行われている。
ポリエステルの加水分解は、ポリエステル分子鎖の末端カルボキシル基量が高いほど分解が速いことが知られている。このことから、特許文献6や特許文献7には、カルボン酸と反応する化合物を添加することで、分子鎖末端のカルボキシル基量を低減させることによる耐加水分解性を向上させる技術が開示されている。これらの発明からなる組成物は、ポリエステルのカルボキシル基と反応する化合物を含有しない組成物に対して、極限粘度が増大しているポリエステルであるため、溶融工程において押出機への負荷が高く、極限粘度の低いポリエステルに比して吐出量上限に制限が生じる。
特開平10−158483号公報 特開2010−236122号公報 特開2010−180500号公報 特開2007−277335号公報 特開2002−83978公報 特開平9−227767号公報 特開平8−73719号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、例えば、妙紙用ドライヤーカンバスの構成素材に使用されるポリエステルや、太陽電池裏面保護シート用として好適に利用することのできるポリエステルフィルムを構成する、極限粘度の高いポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルを用いることにより、上述の課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ワックス(A)を含有し、カルボキシル基と反応する化合物(B)を含有し、極限粘度(IV)が0.70dl/g以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物に存する。
本発明によれば、ポリエステルフィルムの製造時において押出機負荷を低く抑えられ、妙紙用ドライヤーカンバスの構成素材に使用されるポリエステルや、太陽電池裏面保護シート用として好適に利用することのできるポリエステルフィルムを構成する、極限粘度の高いポリエステル樹脂組成物を提供でき、本発明の工業的価値は高い。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。その中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物中の化合物の量は、蛍光X線分析装置を用いた分析にて、チタン元素、リン元素、アンチモン元素、マンガン元素、各々の含有量を検出することが可能である。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のチタン元素含有量は20ppm以下が好ましく、さらに好ましくは15ppm以下、特に好ましくは9ppm以下である。下限については特に設けないが、実際には2ppm程度が現在の技術では下限となる。チタン化合物の含有量が多すぎるとポリエステルを溶融押出する工程で環状三量体が副生成する不具合が生じる。また、チタン元素を全く含まない場合、ポリエステル原料重合時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られないことがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のリン元素含有量は、通常はリン酸化合物に由来するものであり、ポリエステル原料重合時に添加される。本発明においては、ポリエステル成分中のリン元素量が30ppm以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは20ppm以下の範囲であり、特に好ましくは15ppm以下の範囲である。下限については特に設けないが、実際には3ppm程度が現在の技術では下限となる。リン元素量が多すぎると、ポリエステル樹脂の解重合も起こりやすくなり、環状三量体量が増大しやすい。リン元素量が少なすぎると、重合活性が低くなり、重合レートが低下する傾向がある。
リン酸化合物の例としては、リン酸、亜リン酸あるいはそのエステルホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが該当し、具体例としては、正リン酸、ジメチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、トリプロピルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジアミルフォスフェート、トリアミルフォスフェート、ジヘキシルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、エチルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のアンチモン元素含有量は、通常はポリエステル重合時に使用する重縮合触媒である三酸化アンチモンに由来するものであり、ポリエステル重合時に添加される。三酸化アンチモンを重縮合触媒として用いるときの助触媒は、マンガン化合物が好ましく、特に好ましくは酢酸マンガン・四水和物である。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のアンチモン化合物含有量、およびマンガン化合物量は、熱分解や加水分解を抑制するために、各々元素量として400ppm以下が好ましく、300ppm以下がさらに好ましく、250ppm以下が特に好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物中には、熱分解や加水分解を抑制するために触媒として働きうる金属化合物をできる限り含まないことが好ましいが、フィルムに適用する際、フィルムの生産性を向上すべく溶融時の体積固有抵抗値を低くするため、マグネシウム、カルシウム、リチウムなどの金属を、通常ポリエステル成分中に300ppm以下、好ましくは250ppm以下であれば含有させることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の極限粘度は、0.70dl/g以上であり、好ましくは0.75dl/g以上、さらに好ましくは0.80dl/g以上、特に好ましくは0.90dl/g以上、最も好ましくは1.0dl/g以上である。極限粘度が0.70dl/g未満だと、当該ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルフィルムは、耐加水分解性が低下しやすい。ポリエステル樹脂組成物の極限粘度の上限は特に設けないが、押出機負荷軽減の観点から、通常1.3dl/gである。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて微粒子を含有させても構わない。特にポリエステルフィルム用に供する場合、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で、微粒子が含有されていることが望ましい。この微粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げる事ができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の中では、一時粒子の凝集粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。多孔質シリカ粒子はフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、フィルムの透明性を向上させる特長を有する。
多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子の平均粒径は0.001〜0.1μmの範囲のあることが好ましい。一次粒子の平均粒径が0.001μm未満では、スラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これが凝集体を形成して、ヘーズが高くなる原因となることがある。一方、一次粒子の平均粒径が0.1μmを超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド発生が少ない特長が失われることがある。
さらに、凝集粒子の細孔容積は0.5〜2.0ml/g、さらには0.6〜1.8ml/gの範囲であることが好ましい。細孔容積が0.5ml/g未満では、粒子の多孔性が失われ、ボイドが発生しやすくなり、フィルムの透明性が低下する傾向がある。細孔容積が2.0ml/gより大きいと、解砕、凝集が起こりやすく、粒径の調整を行うことが困難となる場合がある。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造時に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント式ニ混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は末端カルボキシル基量を減じたポリエステルチップを用いることが好ましく、当該目的のためには、固相重合を行ったポリエステルを用いることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、押出機の負荷軽減のために、ワックス(A)を含有することを必須とする。ポリエステル樹脂組成物中のワックス(A)の含有量は0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がさらに好ましい。ポリエステル樹脂組成物のワックス(A)の含有量が0.1重量%未満だと、押出機の負荷は軽減されないことがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のワックス(A)の含有量は3.0重量%未満であることが好ましく、2.0重量%未満がさらに好ましく、1.5重量%未満が特に好ましい。ワックス含有量が3.0重量%以上だと、ポリエステル樹脂組成物製造時に、押出機のダイスからワックス成分が揮発しやすいため、作業者の健康面の観点から好ましくない場合がある。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のワックス(A)は、モンタン酸、モンタン酸エステル、モンタン酸の石鹸(モンタン酸のナトリウム塩やモンタン酸のカルシウム塩)、ポリオレフィンワックス、酸ワックス、からなる群から選定される。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のワックス(A)は、揮発性防止の観点から分子量が高い化合物が好ましい。また、ポリエステル分子の分解を促進させないためにも、アルカリ含有量が低い化合物が好ましい。例えば、そのような性質を有するワックスとして、モンタン酸エステルワックスやポリオレフィンワックスが挙げられ、特に、モンタン酸エステルワックスが好ましい。
モンタン酸エステルワックスは、水酸基を有する化合物とモンタン酸との化合物である。例えば、水酸基を有する化合物とは、2価の水酸基を有するエチレングリコールや、3価の水酸基を有するグリセリンが好ましいが、揮発性の観点から、分子内に10個以上のグリセリン単位を含み、多数の水酸基を有するポリグリセリンがさらに好ましい。即ち、モンタン酸エステルワックスは、モンタン酸とポリグリセリンとのエステル化物が好ましい。
ポリオレフィンワックスは、鎖式飽和炭化水素構造を有し、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、プロピレンとα―オレフィン(C数が2もしくは4以上)の共重合体ワックス、及び、エチレンとα―オレフィン(C数が3以上)の共重合体ワックスである。特に、ポリエチレンワックスもしくはエチレンとα―オレフィン(C数が3以上)の共重合体ワックスを用いることが特に好ましい。ポリエチレンワックスもしくはエチレンとα―オレフィン(C数が3以上)の共重合体ワックスを、以下エチレン系ワックスとする。
エチレン系ワックスは、枝分かれしたもしくは枝なしのポリエチレンプラスチックを熱分解することによるかまたはエチレンを直接重合することにより分子増大方法において製造することができる。適した重合方法の例は、遊離基技術を含み、遊離基技術では、エチレンを高い圧力および温度で反応させて分枝度の一層大きいまたは一層小さいワックスをもたらし、加えて、エチレンを、必要に応じてコモノマーを加えることによって、例えば、オルガノ金属触媒、チーグラーまたはメタロセン触媒を使用して重合させて枝なしのまたは枝分かれしたワックスを形成する通常の方法がある。
エチレン系ワックスは、エチレンのホモポリマーばかりでなく、一種以上のα-オレフィンR−CH=CH(式中、Rは、炭素原子を1〜20個有する直鎖または枝分かれしたアルキルラジカルである)とのエチレンコポリマーもある。ここで、コモノマー含有率は、0.1%〜49重量%になり得る。
ポリオレフィンワックスの140℃における溶融粘度は、3000mPa・s以上であり、好ましくは8000mPa・s以上であり、さらに好ましくは13000mPa・s以上であり、特に好ましくは18000mPa・s以上である。炭化水素化合物の140℃における溶融粘度が、3000mPa・s未満だと、ポリエステル樹脂組成物製造時に、押出機のダイスからワックス化合物が揮発しやすいため、作業者の健康面の観点から好ましくない場合がある。
本発明におけるポリエステル組成物中のポリオレフィンワックスの140℃における溶融粘度の上限は特に設けないが、ポリエステル樹脂との相溶性の観点から通常100000mPa・sであり、50000mPa・sがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基と反応する化合物(B)とは、例えば、エポキシ基、酸無水物基、カルボジイミド基、およびオキサゾリン基から選択される少なくとも1種以上の官能基を含有する化合物(B)であることが好ましい。これらを1種のみの使用でも良いし、2種以上併用しても構わない。
本発明において、エポキシ基を含有する化合物(B)としては、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物を好ましく使用することができる。これらを配合することで、機械特性、成形性、耐熱性および耐久性に優れた成形品を得ることができる。
グリシジルエーテル化合物の例としては、ブチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの縮合反応から得られるビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などを挙げることができる。なかでも、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエステル化合物の例としては、安息香酸グリシジルエステル、p−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バーサティック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレン酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどを挙げることができる。なかでも、安息香酸グリシジルエステルやバーサティック酸グリシジルエステルが好ましい。
グリシジルアミン化合物の例としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−パラアミノフェノール、トリグリシジル−メタアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、ジグリシジルトリブロモアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
グリシジルイミド化合物の例としては、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グリシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミドなどを挙げることができる。なかでも、N−グリシジルフタルイミドが好ましい。
脂環式エポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリイル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミドなどを挙げることができる。また、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化鯨油などのエポキシ変性脂肪酸グリセリド、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノゾラック型エポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明において、酸無水物基を含有する化合物(B)の例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸などを挙げることができる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含む重合体なども挙げることができる。
本発明において、カルボジイミド基を含有する化合物(B)とは、分子内に少なくともひとつの(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適当な触媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反応で製造できる。
カルボジイミド化合物の例としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジ−o−トルイルカルボジイミド、ジ−p−トルイルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−o−トルイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert −ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミド、N,N’−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−トリイルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−トリイルカルボジイミド、N−フェニル−N’−トリイルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−トリイルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミドなどのモノ又はジカルボジイミド化合物、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)、ポリ(1,5-ジイソプロピルフェニレン−2、4−カルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどが挙げられる。
カルボジイミド基を含有する化合物であれば、ポリエステルのカルボキシル基と反応するという観点からは、1分子中に1個または2個以上のカルボジイミド基を有する化合物であればいかなるものでもよいが、極限粘度を向上させる観点からは、2個以上のルボジイミド基を有する化合物であることが好ましい。中でもN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トリイルカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)、ポリ(1,5-ジイソプロピルフェニレン−2、4−カルボジイミド)などの芳香族系のカルボジイミドが脂肪族系のカルボジイミドに対して、耐湿熱性の観点から有利な傾向にあり、特にN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)、ポリ(1,5-ジイソプロピルフェニレン−2、4−カルボジイミド)が好適に用いられる。これらのポリカルボジイミドの2種類以上を併用することも構わない。
本発明において、オキサゾリン基を含有する化合物(B)の例としては、2−メトキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブトキシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オキサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキシ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オキサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾリン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス(2−オキ
サゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−9,9’−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物なども挙げることができる。
本発明において、化合物(B)としては、ブリードアウトを抑制できるという点から、重量平均分子量1,000〜300,000の重合体であることが好ましく、重量平均分子量は5,000〜250,000がより好ましい。このような化合物(B)としては、分子内の主鎖中または側鎖にエポキシ基、酸無水物基、カルボジイミド基、オキサゾリン基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を導入した重合体であることが好ましく、重合体としては、単独重合体でも共重合体でもいずれでもよく、共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などのいずれも用いることができる。
本発明において、耐加水分解性を向上できるという点から、化合物(B)としては、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体であることが好ましい。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を形成する原料モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、p−スチリルカルボン酸グリシジルなどの不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和ポリカルボン酸のモノグリシジルエステルあるいはポリグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの中では、ラジカル重合性の点からアクリル酸グリシジルまたはメタアクリル酸グリシジルが好ましく用いられる。これらは、単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体には、エポキシ基含有ビニル系単位以外のビニル系単位を共重合成分として含むことが好ましく、その選択により重合体の融点、ガラス転移温度などの特性を調節することができる。エポキシ基含有ビニル系単位以外のビニル系単位としては、アクリル系ビニル単位、カルボン酸ビニルエステル単位、芳香族系ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位、不飽和ジカルボン酸系単位、脂肪族系ビニル単位、マレイミド系単位またはその他のビニル系単位などが挙げられる。
アクリル系ビニル単位を形成する原料モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル、メタクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有するアクリル系ビニル単位を形成する原料モノマーなどが挙げられ、中でも、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましく、さらにアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
カルボン酸ビニルエステル系単位を形成する原料モノマーの具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸1−ブテニル、ピバル酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびシクロヘキサンカルボン酸ビニルなどの単官能脂肪族カルボン酸ビニル、安息香酸ビニルおよび桂皮酸ビニルなどの芳香族カルボン酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニルおよびソルビン酸ビニルなどの多官能カルボン酸ビニルなどが挙げられ、中でも、酢酸ビニルが好ましく使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
芳香族系ビニル単位を形成する原料モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、1−ビニルナフタレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなどが挙げられ、中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
不飽和ジカルボン酸無水物系単位を形成する原料モノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸または無水アコニット酸などが挙げられ、中でも、無水マレイン酸が好ましく使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
不飽和ジカルボン酸系単位を形成する原料モノマーとして、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸などが挙げられ、中でも、マレイン酸、イタコン酸が好ましく使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
脂肪族ビニル系単位を形成する原料モノマーとしては、エチレン、プロピレンまたはブタジエンなど、マレイミド系単位を形成する原料モノマーとしては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミドなど、その他のビニル系単位を形成する原料モノマーとしてはN−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレンなどが挙げられ、これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、ハンドリング性に優れるという点から、30〜100℃の範囲であることが好ましく、40〜70℃の範囲であることがより好ましく、50〜65℃の範囲であることが最も好ましい。ガラス転移温度の測定方法は、特に限定されるものではなく、示差走査型熱量計で測定する方法、動的粘弾性試験により測定する方法のいずれも用いることができるが、本発明においては、示差走査型熱量計で測定する方法が好ましい。なお、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体のガラス転移温度は、共重合成分の組成を調節することにより制御することができる。ガラス転移温度は通常、スチレンなどの芳香族系ビニル単位を共重合することにより高くすることができ、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル単位を共重合することにより低くすることができる。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体は、未反応の原料モノマーや溶媒などが残存するために通常、揮発成分を含む。その残部となる不揮発成分量は、特に限定されるものではないが、ガスの発生を抑制するという観点から、不揮発成分量が多い方が好ましい。具体的には、95重量%以上であることが好ましく、中でも97重量%以上であることが好ましく、さらに98重量%以上であることがより好ましく、特に98.5重量%以上であることが最も好ましい。なお、ここでいう不揮発成分とは、試料10gを窒素雰囲気下、110℃で1時間加熱した場合の残量割合を表す。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体は、低分子量体を得るために連鎖移動剤(分子量調整剤)として硫黄化合物を使用することがあるが、その場合には重合体は通常硫黄を含む。ここで、硫黄含有量は、特に限定されるものではないが、不快な臭いを抑制するという観点から、硫黄含有量が少ない方が好ましい。具体的には、硫黄原子として1000ppm以下が好ましく、中でも100ppm以下が好ましく、さらに10ppm以下が好ましく、特に1ppm以下であることが最も好ましい。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体のエポキシ基含有量は、特に限定されないが、耐衝撃性、耐加水分解性、外観性の点で、エポキシ価として、1〜10meq/gが好ましく、2〜7meq/gであることがより好ましく、3〜5meq/gであることがさらに好ましい。ここでいうエポキシ価は、塩酸−ジオキサン法で測定した値である。
本発明において、エポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体の製造方法としては、本発明で規定する条件を満たす限り特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合方法を用いることができる。これらの方法を用いる場合には、重合開始剤、連鎖移動剤および溶媒などを使用することがあるが、これらは最終的に得られるエポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体の中に不純物として残存することがある。これら不純物量は特に限定されるものではないが、耐熱性や耐候性などの低下を抑制するという観点から、不純物量は少ない方が好ましい。具体的には、不純物量が最終的に得られる重合体に対して10重量%以下が好ましく、中でも5重量%以下が好ましく、さらに3重量%以下が好ましく、特に1重量%以下であることが最も好ましい。
以上のような、分子量、ガラス転移温度、不揮発成分量、硫黄含有量、不純物量などを満足させるエポキシ基含有ビニル系単位を含む重合体の製造方法としては、150℃以上の高温で、かつ加圧条件(好ましくは1MPa以上)で、短時間(好ましくは5分〜30分)で連続塊状重合する方法が、重合率が高い点、不純物や硫黄含有の原因となる重合開始剤や連鎖移動剤および溶媒を使用しない点からより好ましい。
本発明において、化合物(B)の配合量は、ポリエステル樹脂組成物に対し、0.01〜30重量部が好ましく、0.05〜20重量部がより好ましく、0.1〜10重量部がさらに好ましく、0.5〜3重量部が特に好ましい。化合物(B)の配合量が0.01重量部未満では、耐加水分解性が不十分な傾向にあり、30重量部を超える場合には、ゲル化などにより、流動性の低下を招く恐れがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、温度が125℃、相対湿度が100%の環境下で72時間暴露したときの極限粘度が0.20dl/g以上であることが好ましく、0.30dl/g以上がより好ましく、0.35dl/g以上がさらに好ましく、0.40dl/g以上が特に好ましく、0.45dl/g以上が最も好ましい。温度が125℃、相対湿度が100%の環境下で72時間暴露したときの極限粘度が0.20未満のポリエステル樹脂組成物は、耐加水分解性に乏しいため、妙紙用ドライヤキャンバスや太陽電池裏面保護シート用として好適に利用することのできるポリエステル樹脂組成物としては不適当な場合がある。
なお、本発明のポリエステル樹脂組成物中には、上述の粒子以外に、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、染料を添加することができる。また、耐候性を向上する目的で、ポリエステル成分に対して0.01重量部〜5.0重量部の範囲で紫外線吸収剤、特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、この実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの諸物性の測定および評価方法を以下に示す。
(1)ポリエステルの極限粘度(dl/g)
ポリエステルチップ、もしくはポリエステル樹脂組成物を粉砕したサンプルを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(2)ポリエステルの末端カルボキシル基量(当量/トン)
ポリエステルチップを粉砕した試料を、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
酸価当量/t=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である〕
なお、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った)。以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
(3)ワックスの滴点
JIS K2220に基づいて評価する。即ち、カップに試料ワックスを押し込み、試料を満たす。次に温度計を差し込み、加熱浴中で加熱し、試料がカップの開口部から滴下した時の温度を滴点とする。
(4)ワックスの酸価
JIS K 2501に基づいて中和滴定法により評価する。即ち、試料を約0.05g量とり、200mLのトールビーカに投入する。次に、 滴定溶剤(キシレン+ジメチルホルムアミド(1+1)150mLを添加する。 ビーカ加熱装置にて液温を80℃に加熱し、試料を溶解させる。4) 液温が80℃で一定になった後、滴定液(0.1mol/L 水酸化カリウム・エタノール溶液 f=1.0)を用いて滴定を行い、酸価を求める。
(5)ワックスのけん化価
JIS K 0070に基づいて評価する。即ち、試料1.5〜2.0gを200mL三角フラスコに採取する。 0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液25.0mLを加えて、三角フラスコに冷却管を取り付ける。 時々振り混ぜながら加熱し、還流するエタノールの環が冷却管の上端に達しないように温度を調節して穏やかに加熱する。30分沸騰させた後直に冷却し内容物が寒天状に固まらないうちにエタノール25mLを加え0.5mol/L塩酸(f=1.006)で滴定する。
空試験(ワックス試料無)を行い、0.5mol/L塩酸の滴定量の平均値を求める。
けん化価(mg/g) = (空試験時の滴定量(mL)−試料の滴定量(mL))×滴定液のファクタ(1.006)×濃度換算係数(28.05mg/mL)/試料採取量(g)
(6)ワックスの溶融粘度(mPa・s)
溶融粘度はJIS K 2283に基づいて回転式粘度計を用いて測定した。即ち、ブルックフィールド社製デジタル粘度計を使用し、サンプル量約8g、測定温度140℃で測定した。
(7)押出機スクリューへの負荷レベル
東洋精機製のラボプラストミル(型式4C150)と二軸押出機(型式2D25S)にて、吐出量2.3(kg/hr)、スクリュー回転数90(rpm)、二軸押出機スクリュー根元からのシリンダー設定温度(℃)、280/300/300/290の条件で溶融押出したときにおける、トルク値(N・m)にて評価した。
SS:7(N・m)未満
S:7(N・m)以上10(N・m)未満
A;10(N・m)以上14(N・m)未満
B:14(N・m)以上17(N・m)未満
C:17(N・m)以上
(8)ポリエステル樹脂組成物の湿熱処理後の極限粘度評価
平山製作所製のパーソナルプレッシャークッカー装置を用いて、ポリエステル樹脂組成物を、温度125℃、相対湿度100%RH環境下に72時間暴露する。72時間暴露後のポリエステル樹脂組成物を、上述の方法で極限粘度(dl/g)を求める。湿熱処理後の極限粘度について、下記のように評価した。
SS:0.45(dl/g)以上
S:0.40(dl/g)以上0.45(dl/g)未満
A:0.30(dl/g)以上0.40(dl/g)未満
B:0.20(dl/g)以上0.30(dl/g)未満
C:0.20(dl/g)未満
<ポリエステル(1)の製造法>
スラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。また、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物を連続的に溶融重縮合槽に移送する際、その移送配管中のエステル化反応生成物に、テトラ−n−ブチルチタネートを、チタン原子の濃度0.15重量%、水分濃度を0.5重量%としたエチレングリコール溶液として、得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が0.084モル/樹脂tとなる量で連続的に添加しつつ、270℃、絶対圧力2.6kPaに設定された第1段目の溶融重縮合槽、次いで、278℃、絶対圧力0.5kPaに設定された第2段目の溶融重縮合槽、次いで、280℃、絶対圧力0.3kPaに設定された第3段目の溶融重縮合槽に連続的に移送して、得られるポリエステル樹脂の極限粘度(dl/g)が0.65となるように各重縮合槽における滞留時間を調整して溶融重縮合させ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口から連続的にストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してチップ状粒状体としたポリエステル(1)を製造した。末端カルボキシル基量は12(当量/トン)であった。
<ポリエステル(2)の製造法>
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度(dl/g)が0.82となるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。末端カルボキシル基量は8(当量/トン)であった。
<モンタン酸エステルワックス>
グリセリンを水酸化ナトリウム触媒環境下で250℃の条件で脱水縮合させ、ポリグリセリンを得る。得られたポリグリセリンと、モンタン酸と直接エステル化させることで、モンタン酸の複合エステルとして、モンタン酸エステル(1)を得た。適点は73−79℃、酸価(mgKOH/g)は13−26、けん化価(mgKOH/g)は170−195、溶融粘度(mPa・s)は150であった。
<ポリオレフィンワックス>
十分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、145℃まで昇温した。次いで、水素を0.7MPa圧入した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.03ミリモルおよびジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.1マイクロモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−G に保ち、150℃で30分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応モノマーをパージした。得られたポリマー懸濁液よりヘキサンを除去した後、さらに120℃、減圧下で12時間乾燥した。その結果、140℃での溶融粘度(mPa・s)が25,000であるポリエチレンワックスとして、ポリオレフィンワックス(1)21.7gを得た。滴点は132−138℃、酸価(mgKOH/g)は0であった。
<モンタン酸ナトリウム塩ワックス>
モンタン酸と水酸化ナトリウムとを合成することで、モンタン酸ナトリウムを得た。酸価(mgKOH/g)は5、滴点は170℃であった。
<モンタン酸カルシウム塩ワックス>
モンタン酸と水酸化カルシウムとを合成することで、モンタン酸カルシウムを得た。酸価(mgKOH/g)は10、滴点は147℃であった。
<エポキシ基含有化合物(1)>
BASF製 ADR4368C
グリシジル基含有アクリル―スチレン共重合体
分子量:6,730、エポキシ当量:285g/mol、Tg=54℃
<エポキシ基含有化合物(2)>
BASF製 ADR4300
グリシジル基含有アクリル―スチレン共重合体
分子量:5,500、エポキシ当量:445g/mol、Tg=55℃
<芳香族系カルボジイミド化合物>
ラインケミ製 スタバクゾールP400
<脂肪族系カルボジイミド化合物>
日清紡製 LA−1
実施例1:
上記ポリエステル(2)を180℃の条件下で3時間乾燥させた。乾燥後のポリエステル(2)、モンタン酸エステルワックス、エポキシ基含有化合物(1)を、98.7:1.0:0.3の比率で混合したポリエステルを原料とし、型式4C150型の東洋精機製ラボプラストミルにて、吐出量2.3(kg/hr)、スクリュー回転数90(rpm)、スクリュー根元からの設定温度(℃)、280/300/300/290の条件で溶融押出を行い、ダイスから押出されたストランドは水冷させた。溶融押出時のスクリュートルク、溶融押出樹脂の極限粘度を評価した。結果を下記表1に示す。
実施例2〜6:
表1に示す原料配合比とすることを除き、実施例1と同様な方法で検討した。
比較例1〜6:
下記表2に示す原料配合比とすることを除き、実施例1と同様な方法で検討した。
Figure 2015199826
Figure 2015199826
本発明は、ポリエステルフィルムの製造時において押出機負荷を低く抑えられ、妙紙用ドライヤーカンバスの構成素材や、太陽電池裏面保護シート用として好適に利用することのできるポリエステルフィルムを構成する、極限粘度の高いポリエステル樹脂組成物として有用である。

Claims (2)

  1. ワックス(A)を含有し、カルボキシル基と反応する化合物(B)を含有し、極限粘度が0.70dl/g以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 化合物(B)が、エポキシ基またはカルボジイミド基を少なくとも1種以上を含有する請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
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