JP2015199784A - 硬化性樹脂組成物及び基板端部保護剤 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び基板端部保護剤 Download PDF

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良隆 国広
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正則 松田
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Abstract

【課題】基板端部の耐衝撃性を向上させる効果に優れる基板端部保護剤を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供する。また、該硬化性樹脂組成物を用いてなる基板端部保護剤を提供する。
【解決手段】チオール基及び/又は炭素−炭素二重結合を有するチオエーテルオリゴマー、前記チオエーテルオリゴマーのチオール基及び/又は炭素−炭素二重結合と反応可能な反応性官能基を1分子中に1個有する単官能重合性単量体、及び、ラジカル重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、基板端部の耐衝撃性を向上させる効果に優れる基板端部保護剤を得ることができる硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物を用いてなる基板端部保護剤に関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイの表面にタッチパネルの機能を設けた入力装置が広く利用されている。
このタッチパネルには、通常、大きな荷重が加えられた場合や、落下した場合等における基板の破損を防止するため、例えば、特許文献1に開示されているような保護フィルムが表面に設けられている。
しかしながら、このような保護フィルムが設けられたタッチパネルは、基板の画像表示部の破損を防止する性能に優れるものの、基板端部の耐衝撃性が充分でなかった。特に、近年の表示装置の薄型化に伴い、基板端部に大きな荷重が加えられた場合や、落下により基板端部が地面と衝突した場合等に破損が生じやすくなっていた。
特開2005−239977号公報
本発明は、基板端部の耐衝撃性を向上させる効果に優れる基板端部保護剤を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物を用いてなる基板端部保護剤を提供することを目的とする。
本発明は、チオール基及び/又は炭素−炭素二重結合を有するチオエーテルオリゴマー、前記チオエーテルオリゴマーのチオール基及び/又は炭素−炭素二重結合と反応可能な反応性官能基を1分子中に1個有する単官能重合性単量体、及び、ラジカル重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、基板端部において破損が生じやすい原因が、基板作製時の原板からの切り出し工程や研磨工程において基板端部に生じた微小な傷が破損の起点となっていることであると考え、該基板端部を衝撃から保護するための材料で覆うことにより、破損を防止することを検討した。そこで本発明者らは鋭意検討した結果、チオール基及び/又は炭素−炭素二重結合を有するチオエーテルオリゴマー、前記チオエーテルオリゴマーのチオール基及び/又は炭素−炭素二重結合と反応可能な反応性官能基を1分子中に1個有する単官能重合性単量体、及び、ラジカル重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物を基板端部保護剤として用いることにより、端部の耐衝撃性に優れる基板を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において、上記「基板端部」とは、基板の縁近傍の部分を意味する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、チオール基及び/又は炭素−炭素二重結合を有するチオエーテルオリゴマー(以下、単に「チオエーテルオリゴマー」ともいう)を含有する。
上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は4万である。上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量が500未満であると、得られる硬化性樹脂組成物の塗工時のムラを防止する効果が充分に発揮されないことがある。上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量が4万を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が、粘度が高くなりすぎて塗工性に劣るものとなることがある。上記チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は1万である。
なお、本明細書において、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記チオエーテルオリゴマーは、1分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物(以下、単に「ポリチオール化合物」ともいう)と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物(以下、単に「ポリエン化合物」ともいう)とを反応させることにより得ることができる。
具体的には、上記チオエーテルオリゴマーは、上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物とを、熱重合開始剤の存在下で加熱して付加重合反応させることにより、反応混合物中に得られる。
上記ポリチオール化合物と、上記ポリチオール化合物に対して当モル量又は過剰量の上記ポリエン化合物との付加重合反応を充分に進めることにより、炭素−炭素二重結合を有し、チオール基を有さないチオエーテルオリゴマーを得ることができ、該付加重合反応の途中で反応を停止させることにより未反応チオール基を有するチオエーテルオリゴマーを得ることができる。
上記ポリチオール化合物としては、例えば、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール等の脂肪族ポリチオールや、トリレン−2,4−ジチオール、キシレンジチオール等の芳香族ポリチオールや、下記式(1)で表される1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物等の環状スルフィド化合物や、エステル結合含有ポリチオール化合物や、ジグリコールジメルカプタン、トリグリコールジメルカプタン、テトラグリコールジメルカプタン、チオジグリコールジメルカプタン、チオトリグリコールジメルカプタン、チオテトラグリコールジメルカプタン、トリス−(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチルイソシアヌレート、テトラエチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオナート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオナート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオナート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブタノアート)、ジペンタエリトリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオナート)、4−(メルカプトメチル)−3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブチラート)、2−(2,4,6−トリオキソ−3,5−ビス(2−(3−メルカプトプロパノイルオキシ)エチル)−1,3,5−トリアジナン−1−イル)エチル−3−メルカプトプロピオナート等のその他のポリチオール化合物等が挙げられる。これらのポリチオール化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2015199784
式(1)中、lは、1〜5の整数を表す。
上記式(1)で表される1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物としては、具体的には例えば、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトエチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトプロピル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトブチル−1,4−ジチアン等が挙げられる。
上記ポリチオール化合物のなかでも、得られる硬化性樹脂組成物が透明性に優れるものとなるため、エステル結合含有ポリチオール化合物が好ましい。
上記エステル結合含有ポリチオール化合物としては、具体的には例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオナート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリトリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオナート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオナート)等が挙げられる。
上記ポリエン化合物としては、例えば、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する化合物であることが好ましく、例えば、アリルアルコール誘導体、(メタ)アクリル化合物、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのポリエン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
上記アリルアルコール誘導体としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリン1,3−ジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。なかでも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
上記(メタ)アクリル化合物としては、メタクリロイル基又はアクリロイル基を1分子中に2個以上有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物のうち、2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエンルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち、3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品や、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記熱重合開始剤としては特に限定されないが、熱ラジカル重合開始剤が好適に用いられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物全体中における上記チオエーテルオリゴマーの含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は95重量%である。上記チオエーテルオリゴマーの含有量が10重量%未満であると、硬化性樹脂組成物が光照射後も充分に硬化せず、耐擦傷性に劣るものとなることがある。上記チオエーテルオリゴマーの含有量が95重量%を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が塗布性に劣るものとなったり、硬化物の耐衝撃性が不充分となったりすることがある。
上記チオエーテルオリゴマーは、未反応の上記ポリエン化合物や未反応の上記ポリチオール化合物が残存した混合物の状態で本発明の硬化性樹脂組成物に用いられてもよい。
上記混合物の状態で上記チオエーテルオリゴマーを用いる場合、本発明の硬化性樹脂組成物全体中における上記ポリエン化合物の含有量の好ましい上限は30重量%である。上記ポリエン化合物の含有量が30重量%を超えると、得られる硬化性樹脂組成物の粘度が低くなりすぎて塗布性が悪くなることがある。上記ポリエン化合物の含有量のより好ましい上限は25重量%である。
また、上記混合物の状態で上記チオエーテルオリゴマーを用いる場合、本発明の硬化性樹脂組成物全体中における上記ポリチオール化合物の含有量の好ましい上限は30重量%である。上記ポリチオール化合物の含有量が30重量%を超えると、得られる硬化性樹脂組成物の粘度が低くなりすぎて塗布性が悪くなることがある。上記ポリチオール化合物の含有量のより好ましい上限は25重量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記チオエーテルオリゴマーのチオール基及び/又は炭素−炭素二重結合と反応可能な反応性官能基を1分子中に1個有する単官能重合性単量体(以下、単に「単官能重合性単量体」ともいう)を含有する。上記単官能重合性単量体と上記チオエーテルオリゴマーとが反応することにより、耐衝撃性に優れる硬化物が得られる。
反応性や得られる硬化性樹脂組成物の接着性等の観点から、上記単官能重合性単量体の有する反応性官能基は、アルケニル基を含む基であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基であることがより好ましい。
上記単官能重合性単量体としては、具体的には例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド付加物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコール−(メタ)アクリル酸−安息香酸エステル、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ビニルピロリドン等が挙げられる。なかでも、より耐衝撃性に優れる硬化物が得られることから、上記単官能重合性単量体は、構造中に芳香環及び/又は窒素原子を有することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物全体中における上記単官能重合性単量体の含有量の好ましい下限は5重量%、好ましい上限は20重量%である。上記単官能重合性単量体の含有量が5重量%未満であると、得られる硬化性樹脂組成物が塗布性に劣るものとなったり、硬化物の耐衝撃性が不充分となったりすることがある。上記単官能重合性単量体の含有量が20重量%を超えると、硬化性組成物の表面硬化性が劣るものとなることがある。上記単官能重合性単量体の含有量のより好ましい下限は6重量%、より好ましい上限は15重量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記チオエーテルオリゴマー、上記ポリチオール化合物、上記ポリエン化合物、及び、上記単官能重合性単量体以外のその他の硬化性化合物を含有してもよい。
上記その他の硬化性化合物としては、光又は熱で硬化反応するものであれば特に限定されず、例えば、上述したエポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合開始剤を含有する。上記ラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤や光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、上述したチオエーテルオリゴマーを作製する際に用いる熱ラジカル重合開始剤と同様のものを用いることができる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、光硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物、α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物、ベンジルケタール骨格を有する化合物、α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物、ベンゾイン骨格を有する化合物、オキシムエステル骨格を有する化合物、チタノセン骨格を有する化合物、及び、オリゴマー化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく、アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物及び/又はオリゴマー化合物であることがより好ましい。
ここで、上記アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物とは、アシルホスフィンオキサイドの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物とは、α−アミノアセトフェノンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記ベンジルケタール骨格を有する化合物とは、α−ジヒドロキシアセトフェノンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物とは、α−モノヒドロキシアセトフェノンの水酸基以外の一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記ベンゾイン骨格を有する化合物とは、ベンゾインの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記オキシムエステル骨格を有する化合物とは、N−アセチルジメチルオキシムの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記チタノセン骨格を有する化合物とは、チタノセンの一部が別の基に置換した化合物を意味する。上記有機過酸化物とは、ペルオキシ基を有する化合物を意味する。上記アゾ化合物とは、アゾ基を有する化合物を意味する。
上記アシルホスフィンオキサイド骨格を有する化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF Japan社製、「LUCILIN TPO」)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(BASF Japan社製、「IRGACURE 819」)等が挙げられる。
上記α−アミノアセトフェノン骨格を有する化合物としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF Japan社製、「IRGACURE 907」)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(BASF Japan社製、「IRGACURE 369」)、1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF Japan社製、「IRGACURE 379」)等が挙げられる。
上記ベンジルケタール骨格を有する化合物としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF Japan社製、「IRGACURE 651」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF Japan社製、「DAROCUR 1173」)等が挙げられる。
上記α−ヒドロキシアセトフェノン骨格を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF Japan社製、「IRGACURE 127」)等が挙げられる。
上記オキシムエステル骨格を有する化合物としては、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF Japan社製、「IRGACURE OXE 01」)、エタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)(BASF Japan社製、「IRGACURE OXE 02」)等が挙げられる。
上記チタノセン骨格を有する化合物としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(BASF Japan社製、「IRGACURE 784」)等が挙げられる。
上記オリゴマー化合物は、アウトガスの発生を低減する観点から、重合度が2〜10のものが好ましく、更に、アウトガスが発生しにくいことから、水酸基やアミノ基等の水酸結合性官能基を有することが好ましい。
具体的には例えば、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパン)(Lamberti社製、「ESACURE KIP 150」、「ESACURE1」)、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、(2−カルボキシメトキシチオキサントン)−(ポリテトラメチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol TX」)、(カルボキシメトキシメトキシベンゾフェノン)−(ポリエチレングリコール250)ジエステル(IGM社製、「Omnipol BP」)等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤の含有量は、上記チオエーテルオリゴマーと上記単官能重合性単量体との合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。上記ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる硬化性樹脂組成物の硬化が充分に進行しないことがある。上記ラジカル重合開始剤の含有量が5重量部を超えると、硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、得られる硬化性樹脂組成物の硬化物が不均一となったりすることがある。上記ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3重量部である。
なお、上記チオエーテルオリゴマーを、未反応の上記ポリエン化合物や未反応の上記ポリチオール化合物が残存した混合物の状態で用いる場合、「上記チオエーテルオリゴマーと上記単官能重合性単量体との合計」は、「上記チオエーテルオリゴマーと上記ポリエン化合物と上記ポリチオール化合物と上記単官能重合性単量体との合計」を意味する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤は、硬化後の硬化物が透明となるものが好ましく、例えば、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤のうち市販されているものとしては、例えば、HN−2200、HN−2000、HN−5500、MHAC−P(以上、日立化成社製)、フジキュアー7000、フジキュアー7001、フジキュアー7002、トーマイド410−N、トーマイド215−70X、トーマイド423、トーマイド437、トーマイドTXC−636−A(以上、T&K TOKA社製)、MEH−8000H、MEH−8005(以上、明和化成社製)等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、接着性付与剤を含有してもよい。
上記接着性付与剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、チタンカップリング剤や、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。これらの接着性付与剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、酸化防止等を目的として安定剤を含有してもよい。
上記安定剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。これらの安定剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、本発明の目的を阻害しない範囲において、充填剤、硬化促進剤、可塑剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収材、有機溶剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、チオエーテルオリゴマーと、単官能重合性単量体と、ラジカル重合開始剤と、必要に応じて添加される接着性付与剤等とを、撹拌機を用いて均一に混合する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、コーンローター式粘度計を用いて、25℃、10rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が300mPa・s、好ましい上限が1万mPa・sである。上記粘度がこの範囲外であると、得られる硬化性樹脂組成物に組成ムラが発生したり、塗布が困難になったりすることがある。上記粘度のより好ましい下限は1000mPa・s、より好ましい上限は5000mPa・sである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、基板端部に塗布し、硬化させることにより、基板端部の耐衝撃性を向上させることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いてなる基板端部保護剤もまた、本発明の1つである。
上記基板としては、例えば、ガラス基板、セラミック基板、樹脂基板等が挙げられ、ガラス基板に好適に用いられる。
本発明の基板端部保護剤は、基板端部全体に塗布することが好ましい。
本発明の基板端部保護剤を基板端部に塗布する方法としては、例えば、(ジェット)ディスペンサー塗布、スプレー塗布、ローラー塗布等が挙げられる。
本発明の基板端部保護剤は、光照射や加熱により硬化させることができる。
本発明の基板端部保護剤を光硬化させる方法としては、例えば、300〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cmの積算光量の光を照射する方法等が挙げられる。
本発明の基板端部保護剤に光を照射するための光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の基板端部保護剤への光の照射手段としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を用いてもよい。
本発明の基板端部保護剤は、上記加熱を行うことで、加熱を行わない場合に比べて、基板に対する接着性をより高めることができる。
本発明の基板端部保護剤を加熱により硬化させる際の温度(加熱温度)の好ましい下限は60℃、好ましい上限は200℃である。上記加熱温度がこの範囲であることにより、悪影響を及ぼすことなく基板端部保護剤を充分に硬化させることができる。上記加熱温度のより好ましい下限は80℃、より好ましい上限は150℃である。
本発明によれば、基板端部の耐衝撃性を向上させる効果に優れる基板端部保護剤を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物を用いてなる基板端部保護剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(チオエーテルオリゴマーAの作製)
ポリエン化合物としてトリアリルイソシアヌレート37重量部と、ポリチオール化合物としてペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブタノアート)63重量部とを加熱撹拌しながら、熱重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2重量部を徐々に添加し、得られた反応混合物を良溶媒に溶解させた後、上澄みを回収し、そこへ貧溶媒を添加し、沈殿したオリゴマーを集め、溶媒を真空下で除去することにより、チオエーテルオリゴマーAを得た。
得られたチオエーテルオリゴマーAについて、カラムとしてShodex LF−804(昭和電工社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてポリスチレン換算による重量平均分子量を測定した。その結果、チオエーテルオリゴマーAの重量平均分子量は、1800であった。
(チオエーテルオリゴマーBの作製)
ポリエン化合物としてトリアリルイソシアヌレート32重量部と、ポリチオール化合物として2−(2,4,6−トリオキソ−3,5−ビス(2−(3−メルカプトプロパノイルオキシ)エチル)−1,3,5−トリアジナン−1−イル)エチル−3−メルカプトプロピオナート68重量部とを加熱撹拌しながら、熱重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2重量部を徐々に添加し、得られた反応混合物を良溶媒に溶解させた後、上澄みを回収し、そこへ貧溶媒を添加し、沈殿したオリゴマーを集め、溶媒を真空下で除去することにより、チオエーテルオリゴマーBを得た。
得られたチオエーテルオリゴマーBについて、カラムとしてShodex LF−804(昭和電工社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてポリスチレン換算による重量平均分子量を測定した。その結果、チオエーテルオリゴマーBの重量平均分子量は、2300であった。
(実施例1〜6、比較例2、3)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌し、脱泡を行うことにより、実施例1〜6、比較例2、3の各硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた硬化性樹脂組成物を基板端部保護剤として、AeroJet(武蔵エンジニアリング社製)によりガラス基板(長さ100mm、幅67mm、厚さ0.7mm)の端部全体に塗布し、高圧水銀ランプによって1500mJ/cm光照射することにより、基板端部保護剤を硬化させ、端部を保護したガラス基板を得た。
(実施例7)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌し、脱泡を行うことにより、実施例7の硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた硬化性樹脂組成物を基板端部保護剤として、AeroJet(武蔵エンジニアリング社製)によりガラス基板(長さ100mm、幅67mm、厚さ0.7mm)の端部全体に塗布し、150℃オーブンにて30分加熱することにより、基板端部保護剤を硬化させ、端部を保護したガラス基板を得た。
(比較例1)
端部を保護していないガラス基板(長さ100mm、幅67mm、厚さ0.7mm)を用意した。
<評価>
実施例1〜7及び比較例2、3で得られた各硬化性樹脂組成物、並びに、実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた各基板について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)粘度
実施例1〜7及び比較例2、3で得られた各硬化性樹脂組成物について、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、25℃、10rpmの条件で粘度を測定した。
(2)耐衝撃性
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた各基板をそれぞれ5枚ずつ用意し、100gの削り出しボール(舟辺精工社製、フック付き)を、端部を保護したガラス基板の端部へ5cmの高さから筒を通じて落下させ、ガラスの状態を目視で観察した。全ての基板にひびや割れが生じなかった場合を「○」、5枚中、1枚の基板にひびや割れが生じた場合を「△」、5枚中、2枚以上の基板にひびや割れが生じた場合を「×」として耐衝撃性を評価した。
(3)表面硬化性
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた各基板を1枚ずつ用意し、粉末状のタルクを入れたアルミトレイに端部を保護したガラス基板の端部をつけ、刷毛を用いてタルクを払い、ガラス基板の端部の状態を目視で観察した。ガラス基板の端部にタルクの付着物が残存しなかった場合(面積換算で1%未満であるもの)を「○」、タルクの付着物の占有面積が1%以上、2%未満であるものを「△」、タルクの付着物の占有面積が2%以上であるものを「×」として表面硬化性を評価した。
Figure 2015199784
本発明によれば、基板端部の耐衝撃性を向上させる効果に優れる基板端部保護剤を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物を用いてなる基板端部保護剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. チオール基及び/又は炭素−炭素二重結合を有するチオエーテルオリゴマー、前記チオエーテルオリゴマーのチオール基及び/又は炭素−炭素二重結合と反応可能な反応性官能基を1分子中に1個有する単官能重合性単量体、及び、ラジカル重合開始剤を含有する
    ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 単官能重合性単量体の有する反応性官能基は、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 単官能重合性単量体は、構造中に芳香環及び/又は窒素原子を有することを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1、2又は3記載の硬化性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする基板端部保護剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016003160A (ja) * 2014-06-17 2016-01-12 日産化学工業株式会社 ガラス保護膜形成用組成物及びガラス保護膜

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