JP2015199438A - シートベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】シートベルトを性能良く通電可能とすることにある。【解決手段】複数のヨコ糸の一部を通電可能な導電糸50に置換するとともに、複数のタテ糸(20e,20g)の一部を導電糸に電力を供給可能な導線30に置換し、導線30を、導線30とは異なる構成糸(50)で覆いながら導電糸50に接触させて電気的につなげる構成とした。【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用シート上の乗員を拘束可能なシートベルト(部分的に発熱可能な帯状の部材)に関する。
この種のシートベルトとして、乗物用シートに装着可能なシートベルトが公知である(特許文献1を参照)。シートベルトは、長尺な帯状部材(織物製)であり、乗物用シートのシートクッションを幅方向に横断して乗員脚部を拘束可能である。そしてシートベルトには、リボン式のヒータ線(例えばニクロム線等を備えた帯状の面材)が組み込まれてシートベルトの略全長にわたって配置する。公知技術では、シートベルトを織製したのち、シートベルトの表面に、リボン式のヒータ線を配置しつつこれらの端部側で縫着する。そしてシートベルトにて乗員脚部を拘束しつつ、ヒータ線に通電することで乗員脚部を加温することができる。
ところで特許文献1の技術では、シートベルト表面にリボン式のヒータ線(面材)が縫着されるため、厚みが極端に増すなどして異物感が生じやすく柔軟性などが損なわれがちであった。そこで特許文献2の技術では、シートベルトの構成糸の一部に、発熱線(導電糸)と、電極線(導線)を用いる。そして絶縁糸と発熱線を交互に配置したのち、絶縁糸と電極線を適宜交絡してシートベルトを織製する。こうして特許文献2の技術では、シートベルトの構成糸の一部に発熱線と電極線を使用することで、シートベルトの厚みを好適に維持することができる。
ところで特許文献2の技術では、電極線(導線)が、絶縁糸と発熱線に交絡しつつシートベルト表面から適宜露出する。このため特許文献2の構成は、シートベルトの性能(耐久性や見栄えなど)を考慮すると、すんなり採用できる構成ではなかった。すなわち電極線が、シートベルト表面から露出することで、他部材との接触などにより破損する危険性が高まる。また電極線は、典型的に他の構成糸と異なる外観を呈することから、シートベルトの見栄えが悪化しがちである。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートベルトを性能良く通電可能とすることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明のシートベルトは、乗物用シート上の乗員を拘束可能な帯状で織物製のシートベルトである。そしてシートベルトが、その構成糸として、シートベルトの長尺方向に向けて配置する複数のタテ糸と、複数のタテ糸の少なくとも一部に交絡しながらシートベルトの長尺方向に向けて蛇行状に配置する複数のヨコ糸とを有する。この種の構成では、シートベルトを性能良く通電可能にできることが望ましい。そこで本発明では、複数のヨコ糸の一部を通電可能な導電糸に置換するとともに、複数のタテ糸の一部を導電糸に電力を供給可能な導線に置換する。そして導線を、導線とは異なる構成糸で覆いながら導電糸に接触させて電気的につなげる構成とした。本発明では、シートベルトの構成糸の一部に導電糸と導線を使用する(シートベルトの厚みが好適に維持される構成である)。また本発明では、他の構成糸にて導線を覆う(外部に極力露出させない)ことで、シートベルトの見栄えを好適に維持しつつ、導線の破損を防止又は低減することができる。
本発明の第1発明によれば、シートベルトを性能良く通電可能とすることができる。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図5を参照して説明する。図1には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DWを付す。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8と、シートベルト10を備える。ここでシートバック6は、シートクッション4に起倒可能に連結しており、ヘッドレスト8は、シートバック6(起立状態)の上部に配設される。そしてシートベルト10(詳細後述)は、乗員CMを拘束可能な帯状部材である。シートベルト10の上側は、乗物室内の壁体内(図示しないリトラクタ)からシートバック6側に向けて引出し可能に配設されており、シートベルト10の下側は、シートクッション4一側に固定される。なお乗員CMとして、大柄な乗員(SAE規格におけるAM95に相当)から小柄な乗員(SAE規格におけるJF05に相当)にかけての体格を備えた乗員を想定できる。
[シートベルト]
シートベルト10は、通電により発熱可能な織物であり、後述する複数の構成糸の一部として導電糸50と導線30を有する(図2を参照)。本実施例では、シートベルト10を、乗物室内の壁体内から引出しつつ、シートバック6肩口からシート上の乗員CMに巻付ける(図1を参照)。この状態でシートベルト10の途中を、シートクッション4他側のバックル(図示省略)に係止して装着することでシート上の乗員CMを拘束できる。そして本実施例では、導線30を介して導電糸50に通電することで、シートベルト10を発熱させるのであるが、この種の構成では、シートベルト10を性能良く発熱(通電)させることが望ましい。そこで本実施例では、後述の構成にて、シートベルト10を性能良く発熱させることとした。以下、各構成について詳述する。
シートベルト10は、通電により発熱可能な織物であり、後述する複数の構成糸の一部として導電糸50と導線30を有する(図2を参照)。本実施例では、シートベルト10を、乗物室内の壁体内から引出しつつ、シートバック6肩口からシート上の乗員CMに巻付ける(図1を参照)。この状態でシートベルト10の途中を、シートクッション4他側のバックル(図示省略)に係止して装着することでシート上の乗員CMを拘束できる。そして本実施例では、導線30を介して導電糸50に通電することで、シートベルト10を発熱させるのであるが、この種の構成では、シートベルト10を性能良く発熱(通電)させることが望ましい。そこで本実施例では、後述の構成にて、シートベルト10を性能良く発熱させることとした。以下、各構成について詳述する。
(構成糸)
シートベルト10は、その構成糸として、タテ糸(20g,20e)と、導線30と、ヨコ糸(40)と、導電糸50と、カラミ糸60と、タック糸62を有する(図2及び図3を参照、なお図2では、便宜上、一部のタテ糸の符号を省略する)。ここでタテ糸(20g,20e)とヨコ糸(40)はそれぞれ絶縁性の糸材であり、後述の比抵抗が108Ω・cmを超えることが望ましい。この種のタテ糸(20g,20e)及びヨコ糸(40)として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混繊糸を例示できる。またカラミ糸60とタック糸62はともに絶縁性の糸材であり、タテ糸(ヨコ糸)で例示の材質で形成できる(図3を参照)。
シートベルト10は、その構成糸として、タテ糸(20g,20e)と、導線30と、ヨコ糸(40)と、導電糸50と、カラミ糸60と、タック糸62を有する(図2及び図3を参照、なお図2では、便宜上、一部のタテ糸の符号を省略する)。ここでタテ糸(20g,20e)とヨコ糸(40)はそれぞれ絶縁性の糸材であり、後述の比抵抗が108Ω・cmを超えることが望ましい。この種のタテ糸(20g,20e)及びヨコ糸(40)として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混繊糸を例示できる。またカラミ糸60とタック糸62はともに絶縁性の糸材であり、タテ糸(ヨコ糸)で例示の材質で形成できる(図3を参照)。
また導電糸50は、通電可能な導電性の線材であり、典型的に比抵抗が100〜10-12Ω・cm(好ましくは10-3〜10-7Ω・cm)である。ここで「比抵抗(体積抵抗率とも呼ぶ)」とは、どのような材料が電気を通しにくいかを比較するために用いられる物性値であり、例えば「JIS C2525 7.2.C 体積抵抗率」に準拠して測定することができる。この種の導電糸50として、金属(銅やアルミニウム等)や合金などの糸材、メッキ線材、炭素繊維のフィラメント、炭素繊維のカバリング糸を例示できる。メッキ線材は、非導電性又は導電性の線材(芯材)と、金属又は合金のメッキ層を有する。また炭素繊維とは、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)やピッチ系炭素繊維である。そして導線30は、導電糸50に電力を供給可能な線材であり、導電糸50よりも比抵抗の小さい線材であることが好ましい。この種の導線30として、金属や合金などの線材やメッキ線材を例示できる。
(構成糸の配置構成)
本実施例では、複数のタテ糸20gにて、シートベルト10中央の一般部GMを形成するとともに、複数のタテ糸20eにて耳部EMを形成する(図2及び図3を参照)。耳部EMは、一般部GMよりもシートベルト10の短尺方向の端部(両端)側に配置する部位であり、耳部EMをなす複数のタテ糸20eの少なくとも一部が導線30に置換される。このように本実施例では、タテ糸の一部が導線30に置換されるとともに、これら複数のタテ糸(20g,20e,30)が、それぞれシートベルト10の長尺方向に向けて配置する。なお一般部GMをなす各タテ糸20gは、シートベルト10の強度を考慮して、1000dtex〜2000dtexの範囲の太さであることが好ましい。また耳部EMをなす各タテ糸20eは、一般部GMよりも径小であることが好ましく、典型的に500dtex〜1100dtexの範囲の太さである。
本実施例では、複数のタテ糸20gにて、シートベルト10中央の一般部GMを形成するとともに、複数のタテ糸20eにて耳部EMを形成する(図2及び図3を参照)。耳部EMは、一般部GMよりもシートベルト10の短尺方向の端部(両端)側に配置する部位であり、耳部EMをなす複数のタテ糸20eの少なくとも一部が導線30に置換される。このように本実施例では、タテ糸の一部が導線30に置換されるとともに、これら複数のタテ糸(20g,20e,30)が、それぞれシートベルト10の長尺方向に向けて配置する。なお一般部GMをなす各タテ糸20gは、シートベルト10の強度を考慮して、1000dtex〜2000dtexの範囲の太さであることが好ましい。また耳部EMをなす各タテ糸20eは、一般部GMよりも径小であることが好ましく、典型的に500dtex〜1100dtexの範囲の太さである。
また本実施例では、複数のヨコ糸として、導電糸50と、他のヨコ糸40(導電糸とは異なる絶縁糸)を用いる(図2及び図3を参照)。このように本実施例では、ヨコ糸の一部が導電糸50に置換されるとともに、これら複数のヨコ糸(40,50)が、複数のタテ糸の少なくとも一部に交絡しながらシートベルト10の長尺方向に向けて蛇行状に配置する。そして導電糸50と他のヨコ糸40が、それぞれシートベルト10の短尺方向に延びつつ同方向の端部側で連結される。例えば本実施例では、カラミ糸60が、他のヨコ糸40と導電糸50の双方に絡まりながらタック糸62(シートベルト10の短尺方向の端部側に配置して長尺方向に延びる糸材)にタックされる(図3を参照)。そして本実施例では、導電糸50が、シートベルト10の短尺方向で見て外側に他のヨコ糸40よりも延長したのち内方に向けてロール状に戻りながら他のヨコ糸40に連結されることとなる(図2を参照)。
(一般部)
一般部GMでは、シートベルト10を平面状に織製する(図2を参照)。このとき一般部GM(複数のタテ糸20g)を、導電糸50と他のヨコ糸40に適宜交絡させた状態とする。なお一般部GMの織組織として、各種の基本組織や変化組織を用いることができるが、典型的にはシートベルト10の長尺方向の剛性に優れる組織(杉綾織組織など)が用いられる。またシートベルト10では、その長尺方向の強度が求められることが多く、典型的に長尺方向(タテ方向)の織密度が、短尺方向(ヨコ方向)の織密度よりも大きくなる。
一般部GMでは、シートベルト10を平面状に織製する(図2を参照)。このとき一般部GM(複数のタテ糸20g)を、導電糸50と他のヨコ糸40に適宜交絡させた状態とする。なお一般部GMの織組織として、各種の基本組織や変化組織を用いることができるが、典型的にはシートベルト10の長尺方向の剛性に優れる組織(杉綾織組織など)が用いられる。またシートベルト10では、その長尺方向の強度が求められることが多く、典型的に長尺方向(タテ方向)の織密度が、短尺方向(ヨコ方向)の織密度よりも大きくなる。
(耳部)
耳部EMでは、タテ糸20eのみを、ロール状とされた導電糸50に適宜交絡させて(ラウンドエッジ構造を形成して)、シートベルト10表面に適宜露出させる(図2を参照)。そして耳部EMを構成する導線30を、ロール状とされた導電糸50内に配置しつつ、導電糸50に接触させて配置する(電気的につなげる)こととした。こうして本実施例では、導線30を、ラウンドエッジ構造(ロール状の導電糸50及びタテ糸20e)にて覆いつつ、同導電糸50に接触して配置することができる。なおラウンドエッジ構造の織組織として各種の基本組織や変化組織を用いることができるが、タテ糸20eが表面に多く露出する組織(例えば平織)とすることが好ましい。こうすることで導線30の露出を好適に阻止できるとともに、導電糸50と導線30の接触部分を増加させることができる。そしてシートベルト10の所望の位置で、その短尺方向両端に配置する各導線30を、接続部材(図示省略)に電気的につなげる。接続部材は、導線30と電源(図示省略)を電気的につなげる部材であり、他の導線、導電テープ、導電化された布体を例示できる。そして接続部材を、それぞれ電源ケーブル(図示省略)などを介して電源に電気的につなげることで、シートベルト10を通電状態とすることができる。
耳部EMでは、タテ糸20eのみを、ロール状とされた導電糸50に適宜交絡させて(ラウンドエッジ構造を形成して)、シートベルト10表面に適宜露出させる(図2を参照)。そして耳部EMを構成する導線30を、ロール状とされた導電糸50内に配置しつつ、導電糸50に接触させて配置する(電気的につなげる)こととした。こうして本実施例では、導線30を、ラウンドエッジ構造(ロール状の導電糸50及びタテ糸20e)にて覆いつつ、同導電糸50に接触して配置することができる。なおラウンドエッジ構造の織組織として各種の基本組織や変化組織を用いることができるが、タテ糸20eが表面に多く露出する組織(例えば平織)とすることが好ましい。こうすることで導線30の露出を好適に阻止できるとともに、導電糸50と導線30の接触部分を増加させることができる。そしてシートベルト10の所望の位置で、その短尺方向両端に配置する各導線30を、接続部材(図示省略)に電気的につなげる。接続部材は、導線30と電源(図示省略)を電気的につなげる部材であり、他の導線、導電テープ、導電化された布体を例示できる。そして接続部材を、それぞれ電源ケーブル(図示省略)などを介して電源に電気的につなげることで、シートベルト10を通電状態とすることができる。
(シートベルトの織製)
本実施例では、ニードル織機を用いて、一般部GMと耳部EMを順次織製することができる(図3を参照)。ここで本実施例のニードル織機(本体の図示は省略)は三段開口の織機であり、一段ニードル1rと、二段ニードル2rと、ベラ針4rを有する。
そして一般部GMの織製に際しては、一般部GM(複数のタテ糸20g)を1段目と3段目で開口させる。この状態で他のヨコ糸40を、一段ニードル1rにて打ち込むとともに、導電糸50を、二段ニードル2rにて打ち込む。こうして一般部GM(複数のタテ糸20g)を、導電糸50と他のヨコ糸40に適宜交絡させつつ筬(図示省略)で目を詰める。そしてベラ針4rを用いて、カラミ糸60を、他のヨコ糸40と導電糸50の双方に絡めながらタック糸62にタックする(他のヨコ糸と導電糸を連結する)。
本実施例では、ニードル織機を用いて、一般部GMと耳部EMを順次織製することができる(図3を参照)。ここで本実施例のニードル織機(本体の図示は省略)は三段開口の織機であり、一段ニードル1rと、二段ニードル2rと、ベラ針4rを有する。
そして一般部GMの織製に際しては、一般部GM(複数のタテ糸20g)を1段目と3段目で開口させる。この状態で他のヨコ糸40を、一段ニードル1rにて打ち込むとともに、導電糸50を、二段ニードル2rにて打ち込む。こうして一般部GM(複数のタテ糸20g)を、導電糸50と他のヨコ糸40に適宜交絡させつつ筬(図示省略)で目を詰める。そしてベラ針4rを用いて、カラミ糸60を、他のヨコ糸40と導電糸50の双方に絡めながらタック糸62にタックする(他のヨコ糸と導電糸を連結する)。
また耳部EMの織製に際しては、耳部EMのタテ糸20eのみを2段目と3段目で開口させるとともに、耳部EMの導線30を2段目で待機させる。こうして耳部EM(複数のタテ糸20e)を、2段目と3段目の間で上下させながら導電糸50に適宜交絡させる。そして導電糸50が、シートベルト10の短尺方向の端部で他のヨコ糸40よりも外方に延長したのち内方に向けてロール状に戻りながら、カラミ糸60等を介して他のヨコ糸40に連結される。このとき導線30(2段目で待機)が、導電糸50に巻き回されながらその内部に配置することとなる。これにより耳部EM(導線30)が、ロール状とされた導電糸50の内部に配置するとともに、複数のタテ糸20eと導電糸50にてラウンドエッジ構造が形成されることとなる。
[シートベルトの使用]
図1を参照して、シートベルト10を引出しつつ、シートバック6肩口からシート上の乗員CMに巻付ける。そして導線30を介して導電糸50に通電して発熱させることにより、シートベルト10にて乗員を加温することができる(図2を参照)。このとき本実施例では、シートベルト10の構成糸の一部に導電糸50と導線30を使用する(シートベルトの厚みが好適に維持される構成である)。そして他の構成糸(導電糸50及びタテ糸20e)からなるラウンドエッジ構造にて導線30を覆いつつ外部に極力露出させない構成とすることで、シートベルト10の見栄えを好適に維持しつつ、導線30の破損(例えば他部材との接触が原因の破損)を防止又は低減することができる。また本実施例では、ラウンドエッジ構造においてシートベルト10の織密度が好適に維持される(例えば後述の袋織に比して織密度が高く維持される)ことから耐摩耗性に優れる構成となる。そして本実施例では、導電糸50をヨコ糸に用いつつタテ糸20g,20eにて覆うことにより、導電糸50の露出を極力抑えた構成(更に見栄えの良い構成)とすることができる。このため本実施例によれば、シートベルト10を性能良く通電(発熱)可能とすることができる。
図1を参照して、シートベルト10を引出しつつ、シートバック6肩口からシート上の乗員CMに巻付ける。そして導線30を介して導電糸50に通電して発熱させることにより、シートベルト10にて乗員を加温することができる(図2を参照)。このとき本実施例では、シートベルト10の構成糸の一部に導電糸50と導線30を使用する(シートベルトの厚みが好適に維持される構成である)。そして他の構成糸(導電糸50及びタテ糸20e)からなるラウンドエッジ構造にて導線30を覆いつつ外部に極力露出させない構成とすることで、シートベルト10の見栄えを好適に維持しつつ、導線30の破損(例えば他部材との接触が原因の破損)を防止又は低減することができる。また本実施例では、ラウンドエッジ構造においてシートベルト10の織密度が好適に維持される(例えば後述の袋織に比して織密度が高く維持される)ことから耐摩耗性に優れる構成となる。そして本実施例では、導電糸50をヨコ糸に用いつつタテ糸20g,20eにて覆うことにより、導電糸50の露出を極力抑えた構成(更に見栄えの良い構成)とすることができる。このため本実施例によれば、シートベルト10を性能良く通電(発熱)可能とすることができる。
[変形例1]
ここで導線30の配設構成は、上述の構成のほか各種の構成をとることができる。例えば本変形例では、シートベルト10aの短尺方向の端部を袋織とする(図4を参照)。そしてシートベルト10aは、その構成糸として、タテ糸(表タテ糸20a,裏タテ糸20b,導線30)と、ヨコ糸(他のヨコ糸40,導電糸50)を有する(図4では、便宜上、タテ糸の一部にのみ符号を付す)。
ここで導線30の配設構成は、上述の構成のほか各種の構成をとることができる。例えば本変形例では、シートベルト10aの短尺方向の端部を袋織とする(図4を参照)。そしてシートベルト10aは、その構成糸として、タテ糸(表タテ糸20a,裏タテ糸20b,導線30)と、ヨコ糸(他のヨコ糸40,導電糸50)を有する(図4では、便宜上、タテ糸の一部にのみ符号を付す)。
本変形例では、シートベルト10aの略全幅に表タテ糸20aと裏タテ糸20bを配置するとともに、シートベルト10aの両側部に導線30を配置する。そしてシートベルト10aの中央を一重組織部W0として、タテ糸(表タテ糸20a,裏タテ糸20b)を、ヨコ糸(導電糸50,他のヨコ糸40)に適宜交絡させる。またシートベルト10aの両側部を二重組織部として、その内部に導線30を配置する。このとき表タテ糸20aとヨコ糸(40,50)を交絡させながら筬(図示省略)でヨコ糸の目をつめることで第一組織部W1を形成する。また同時に裏タテ糸20bとヨコ糸(40,50)を交絡させながら筬でヨコ糸(40,50)の目をつめることで第二組織部W2を形成する。こうして第一組織部W1と第二組織部W2を重ね合わせて織り出すことにより、シートベルト10aの両側部を、それぞれ二重組織部(袋状)で織製できる。そして本変形例では、二重組織部W1,W2の内部に導線30を配置しつつ導電糸50に接触させる。
このように本変形例においても、二重組織部W1,W2(タテ糸及びヨコ糸)にて導線30を覆うことにより、シートベルト10aの見栄えを好適に維持しつつ、導線30の破損を防止又は低減できる。また本変形例では、シートベルト10aが、一重組織部W0と二重組織部W1,W2を通じて同様の柄を呈するため意匠性に優れる構成となる。そして本変形例では、シートベルト10aを比較的シンプルな織機(例えば実施例の織機に比してシンプルな織機)で織製できるため、生産性に優れる構成となる。
[変形例2]
また変形例2では、シートベルト10bの側部において、各タテ糸20gの径を、各導線30の径よりも大きくする(図5を参照)。ここで各タテ糸20gは、単数の糸材(径大)で形成することができ、複数の糸材(径小)を引き揃える又は撚り合わせることで形成することもできる。そしてシートベルト10bの両側部において、中央よりもタテ糸20gの織密度を高めるなどして、タテ糸20g同士を接触又は近接して配置する。そして導線30が、隣り合うタテ糸20gの間に配置してこれらに覆われることとなる。こうして本変形例においても、タテ糸20g(構成糸)にて導線30を覆うことにより、シートベルト10bの見栄えを好適に維持しつつ、導線30の破損を防止又は低減できる。ここでシートベルト10bの織り方は特に限定しない。例えば本変形例では、図3を参照して、耳部EM(タテ糸20g,導線30)を、一般部GMと同様に1段目と3段目で開口させる。こうすることで耳部EM(タテ糸20g,導線30)を、1段目と3段目で上下させながら導電糸50と他のヨコ糸40に適宜交絡させることができる。
また変形例2では、シートベルト10bの側部において、各タテ糸20gの径を、各導線30の径よりも大きくする(図5を参照)。ここで各タテ糸20gは、単数の糸材(径大)で形成することができ、複数の糸材(径小)を引き揃える又は撚り合わせることで形成することもできる。そしてシートベルト10bの両側部において、中央よりもタテ糸20gの織密度を高めるなどして、タテ糸20g同士を接触又は近接して配置する。そして導線30が、隣り合うタテ糸20gの間に配置してこれらに覆われることとなる。こうして本変形例においても、タテ糸20g(構成糸)にて導線30を覆うことにより、シートベルト10bの見栄えを好適に維持しつつ、導線30の破損を防止又は低減できる。ここでシートベルト10bの織り方は特に限定しない。例えば本変形例では、図3を参照して、耳部EM(タテ糸20g,導線30)を、一般部GMと同様に1段目と3段目で開口させる。こうすることで耳部EM(タテ糸20g,導線30)を、1段目と3段目で上下させながら導電糸50と他のヨコ糸40に適宜交絡させることができる。
本実施形態のシートベルト10は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、シートベルト10等の構成(形状、寸法、配設位置など)を例示したが、同部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばシートベルトは、乗員脚部のみを拘束する構成とすることができ、乗員上半身のみを拘束する構成とすることもできる。またシートベルトの引出し箇所は、乗物の構成に応じて、乗物用シートや車室の適宜の位置に設定できる。またシートベルトの両端部が車室に固定されるとともに、シートベルトの途中が乗物用シートに係止(装着)可能な構成とすることもできる。
また本実施形態では、シートベルト10の略全長を通電可能とする例を説明したが、シートベルトの一部(装着状態において乗員に対面する部分)のみを通電可能とすることもできる。また実施例1では、シートベルト10の略全長にわたってラウンドエッジ構造を形成する例を説明した。例えば接続部材と導線の接続箇所において、変形例2で例示の織り方をして導線を表面に露出させることもできる(接続部材に接続容易な構成とすることもできる)。また同様に変形例1において、接続部材と導線の接続箇所においてシートベルトの側部を一重組織部として、導線を表面に露出させることもできる。
また本実施形態では、シートベルト10等を、ヒータとして使用する例を説明したが、静電容量式センサの電極として使用することもできる。また本実施例の構成と各変形例の構成は適宜組み合わせて用いることができる。また変形例の導線は、シートベルトの側部に配置することが望ましいが、静電容量式センサの電極等に用いる場合にはシートベルトの中央に配置することもできる。また本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。なお乗物用シートの構成も適宜変更可能である。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
10 シートベルト
20g,20e タテ糸
30 導線
40 ヨコ糸
50 導電糸
60 カラミ糸
62 タック糸
CM 乗員
GM 一般部
EM 耳部
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
10 シートベルト
20g,20e タテ糸
30 導線
40 ヨコ糸
50 導電糸
60 カラミ糸
62 タック糸
CM 乗員
GM 一般部
EM 耳部
Claims (1)
- 乗物用シート上の乗員を拘束可能なシートベルトであって、その構成糸として、前記シートベルトの長尺方向に向けて配置する複数のタテ糸と、前記複数のタテ糸の少なくとも一部に交絡しながら前記シートベルトの長尺方向に向けて蛇行状に配置する複数のヨコ糸とを有する帯状で織物製のシートベルトにおいて、
前記複数のヨコ糸の一部を通電可能な導電糸に置換するとともに、前記複数のタテ糸の一部を前記導電糸に電力を供給可能な導線に置換し、
前記導線を、前記導線とは異なる前記構成糸で覆いながら前記導電糸に接触させて電気的につなげる構成としたシートベルト。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2014
- 2014-04-09 JP JP2014079921A patent/JP2015199438A/ja active Pending
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