JP6610394B2 - シートベルトウェビング - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルトウェビングに関する。更に詳しくは、ヒータ機能が付与されており、長さ方向に織り込まれた電極用金属線の断線が抑制されたシートベルトウェビングに関する。
従来、乗用車等の衝突時などに、乗員を座席に拘束する装置としてシートベルトが知られている。例えば、3点式シートベルトでは、センターピラーの上部に取り付けられたスルーアンカーにウェビングが挿通され、タングプレートがバックルにロックされて、乗員の肩から胸、腹部にかけてウェビングが掛け渡される。
このように、乗員の安全性を高めるためにシートベルトが用いられているが、近年、安全面のみでなく、例えば、特に冬季、又は寒冷地向け等に、ヒータ機能が付与されたウェビングを備えるシートベルトも開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載されたヒータ付シートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトウェビングと、腰ベルトの乗員側に取り付けられた面状ヒータと、面状ヒータの温度を検知する素子と、温度の実測値に応じて供給電力を制御する制御部とを備え、精度のよい温度制御が可能であり、快適性が向上すると説明されている。
しかしながら、このシートベルト装置におけるヒータ機能は、シートベルトウェビングに別体としての面状ヒータが取り付けられたものであり、この面状ヒータに電極線を接続し、アンカープレートの側まで引き出さなければならず、構造が煩雑であった。
特開2014−151753号公報
シートベルト装置に簡易な構成にてヒータ機能を付与するためには、通電により加熱する導電糸や電極となる金属線等を構成糸として用いた織物から、シートベルトウェビングを構成することが考えられる。
しかしながら、金属線の伸縮性は、ポリエステル系樹脂等の他の構成糸と比較するとかなり低く、全ての構成糸を均一の張力で製織した場合には、生地の屈曲等によって金属線が破損してしまい、導電糸への通電が損なわれ、ヒータ機能が十分に得られないおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ヒータ機能が付与されており、長さ方向に織り込まれた電極用金属線の断線が抑制されたシートベルトウェビングを提供することを課題とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、加熱収縮された織物によって構成されるシートベルトウェビングであって、
前記織物はタテ糸及びヨコ糸で形成されており、
前記タテ糸は前記シートベルトウェビングの長さ方向に沿って織り込まれ、且つ前記ヨコ糸は前記シートベルトウェビングの幅方向に沿って織り込まれており、
前記タテ糸には、少なくとも、熱収縮糸と、一対の電極用金属線とが用いられ、且つ前記ヨコ糸には、少なくとも導電糸が用いられており、
前記導電糸と前記一対の電極用金属線とは接触しており、該電極用金属線を介して前記導電糸に通電可能とされており、
前記一対の電極用金属線は、前記加熱収縮の際における熱収縮差によって、前記シートベルトウェビングの長さ方向において、前記熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部を備えていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の電極用金属線のうちの一方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の一端側に配され、且つ前記一対の電極用金属線のうちの他方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の他端側に配されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記導電糸は、シートベルト装着時、前記シートベルトウェビングが乗員と接触することになる領域のヨコ糸として織り込まれていることを要旨とする。
本発明のシートベルトウェビングでは、その長さ方向において、電極用金属線が熱収縮糸よりも撓んだ状態(即ち、弛んだ状態)で織り込まれており、複数の撓み部が形成されているため、屈曲等により生地が伸ばされた状態となった際に、伸縮性を有していない電極用金属線に過度の負担(張力)が掛かることを抑制することができる。そのため、電極用金属線の破損による断線を十分に防止することができ、ヒータ機能を安定して発現させることができる。
また、一対の電極用金属線のうちの一方をシートベルトウェビングの幅方向の一端側に配し、且つ一対の電極用金属線のうちの他方をシートベルトウェビングの幅方向の他端側に配した場合には、シートベルトウェビングの幅方向において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
更に、導電糸が、シートベルト装着時、シートベルトウェビングが乗員と接触することになる領域のヨコ糸として織り込まれている場合には、乗員との接触領域において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
シートベルトウェビングの構成を説明するための模式図である。 シートベルトウェビングにおける撓み部を説明するための模式図である。 織物の熱収縮を説明するための模式図である。 シートベルトウェビングを用いたシートベルト装置の模式図である。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態に係るシートベルトウェビングは、加熱収縮された織物(2)によって構成されるシートベルトウェビング(1)である。そして、織物はタテ糸及びヨコ糸で形成されている。また、タテ糸はシートベルトウェビング(1)の長さ方向に沿って織り込まれ、且つヨコ糸はシートベルトウェビング(1)の幅方向に沿って織り込まれている。更に、タテ糸には、少なくとも、熱収縮糸と、一対の電極用金属線(4)とが用いられ、且つヨコ糸には、少なくとも導電糸(5)が用いられている。また、導電糸(5)と一対の電極用金属線(4)とは接触しており、電極用金属線(4)を介して導電糸(5)に通電可能である。更に、一対の電極用金属線(4)は、加熱収縮の際における熱収縮差によって、シートベルトウェビング(1)の長さ方向において、熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部(4a)を備えていることを特徴とする(図1〜図2参照)。
また、本実施形態に係るシートベルトウェビングとしては、例えば、一対の電極用金属線(4)のうちの一方(41)は、シートベルトウェビング(1)の幅方向の一端側に配され、且つ一対の電極用金属線(4)のうちの他方(42)は、シートベルトウェビング(1)の幅方向の他端側に配されている形態(例えば、図1参照)を挙げることができる。
この形態の場合、シートベルトウェビングの幅方向において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
また、本実施形態に係るシートベルトウェビングとしては、例えば、導電糸(5)は、シートベルト装着時、シートベルトウェビング(1)が乗員(7)と接触することになる領域(1a)のヨコ糸として織り込まれている形態(例えば、図4参照)を挙げることができる。
この形態の場合、乗員との接触領域において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
上記加熱収縮された織物(2)は、タテ糸及びヨコ糸によって構成されており、原反(タテ糸及びヨコ糸によって構成される加熱収縮前の織物)(2a)を加熱収縮させて得られたものである(図3参照)。
この織物における織り組織は特に限定されず、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等の種々の織り組織を採用することができる。
また、この織物においては、長さ方向(シートベルトウェビングの長さ方向)において、電極用金属線(4)が、原反の加熱収縮の際における他のタテ糸(熱収縮糸)との熱収縮差によって、熱収縮後の熱収縮糸よりも撓んだ状態(即ち、弛んだ状態)で織り込まれており、複数の撓み部(4a)が形成されている。
上記撓み部は、織物の両面に形成されていてもよいし、片面のみに形成されていてもよく、織物の織り組織等によって適宜調整できる。また、撓み部の数は特に限定されず、織物の織り組織等によって適宜調整できる。更に、この撓みの程度は特に限定されず、他のタテ糸として用いられている熱収縮糸との熱収縮差等によって適宜調整できる。
本実施形態のシートベルトウェビングにおいては、屈曲等により生地が伸ばされた状態となった際に、伸縮性を有していない電極用金属線にかかる負担(張力)を、複数の撓み部の存在によって低減させることができる。具体的には、撓み部の撓みが線状に変形していくことで、電極用金属線にかかる過度の張力を吸収することができる。そのため、電極用金属線の破損による断線を十分に抑制することができ、ヒータ機能を安定して発現させることができる。
上記織物を構成する上記タテ糸には、少なくとも、一対の電極用金属線(4)と熱収縮糸とが用いられている。
上記一対の電極用金属線(4)は、正極用の金属線と、負極用の金属線とで正負一対となったものである。電極用金属線は、熱による長さの収縮が殆ど生じず、比抵抗[JIS K 7194に準拠して測定した比抵抗(体積抵抗率)]が、通常、100〜10−12Ω・cmである。
電極用金属線としては、例えば、金、銀、銅、黄銅、白金、鉄、ステンレス鋼及び耐熱鋼等の鋼、亜鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン等の金属からなる線材が用いられる。これらは1種のみ用いられていてもよいし、2種以上が併用されていてもよい。これらのなかでも、優れた耐食性及び強度等を有するという観点から、ステンレス鋼製の金属線が好ましい。ステンレス鋼は特に限定されず、SUS304,SUS316及びSUS316L等が挙げられ、SUS304は汎用性が高く、SUS316及びSUS316Lはモリブデンが含有されており、優れた耐食性を有するため好ましい。
電極用金属線の線径は特に限定されないが、製織のし易さ、強度及び柔軟性の観点から、10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
電極用金属線は、他の絶縁性の構成糸と比べて高い耐熱性を有していることが好ましい。言い換えれば、他の絶縁性の構成糸より高融点であるか、又は燃焼し難いことが好ましい。この燃焼性の指標としては、JIS K 7201及びJIS L 1091(1999) 8.5E−2法に準拠して測定される限界酸素指数(LOI)を用いることができ、LOIが26以上であるものが好ましい。金属線は、一般に、他の構成糸として多用される合成繊維より高融点であって、且つLOIは、通常、26以上であり、例えば、ステンレス鋼繊維のLOIは49.6である。
上記熱収縮糸としては、原反(タテ糸及びヨコ糸によって構成される加熱収縮前の織物)を加熱収縮させた際、熱によって収縮して長さが縮む性質を有するものが用いられている。
熱収縮糸の上記加熱収縮時における熱収縮率(JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法に準拠)は特に限定されないが、150〜200℃で5〜30分間の加熱処理を行った際に、20〜80%であることが好ましく、より好ましくは25〜70%、更に好ましくは30〜60%である。この熱収縮率が上記範囲である場合、原反を加熱収縮した際に、タテ糸として用いられている電極用金属線と熱収縮糸の間に十分な熱収縮差が生じ、加熱収縮された織物において、電極用金属線の撓み部を良好に形成することができる。
熱収縮糸としては、例えば、植物系及び動物系の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成樹脂からなる合成繊維等を用いてなる糸が用いられる。これらは1種のみ用いられていてもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
尚、これらの熱収縮糸は、通常、比抵抗[JIS K 7194に準拠して測定した比抵抗(体積抵抗率)]が10Ω・cmを超え、絶縁性である。
熱収縮糸のなかでも、合成樹脂からなる合成繊維が好ましく、特に合成樹脂からなるフィラメントが多用される。フィラメントとしては、マルチフィラメントとモノフィラメントがあるが、通常、マルチフィラメントを用いることが好ましい。
上記合成樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましく、優れた引張強さを有するポリエステル系樹脂がより好ましい。
熱収縮糸は、加熱により溶融する温度、又は溶融せず燃焼する場合は、燃焼開始温度が電極用金属線より低いことが好ましい。また、溶融せず燃焼する場合は、LOIが26未満であることが好ましい。合成繊維は、電極用金属線より低融点であることが多く、燃焼性は電極用金属線より高いことが多い。例えば、ポリエステル繊維のLOIは18〜20であり、ポリアミド繊維のLOIは20〜22である。
織物における上記ヨコ糸としては、少なくとも導電糸(5)が用いられている。
上記導電糸(5)としては、例えば、炭素繊維のフィラメント、金属線及びめっき線材等が用いられる。これらのなかでも、柔軟性の観点から、炭素繊維のフィラメントが好ましい。尚、これらの導電糸は、通常、比抵抗が100〜10−12Ω・cmである。
上記炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。これらのなかでも、1000℃以上の焼成温度で製造される炭素化繊維、黒鉛化繊維、黒鉛繊維等の炭素繊維が、優れた電気伝導性を有するため好ましい。
上記金属線としては、金、銀、銅、黄銅、白金、鉄、ステンレス鋼及び耐熱鋼等の鋼、亜鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン等からなる線材が挙げられる。ステンレス鋼は特に限定されず、SUS304,SUS316及びSUS316L等が挙げられる。
また、金属線の線径は特に限定されないが、強度及び柔軟性の観点で、10〜150μm、特に20〜60μmであることが好ましい。更に、この金属線は、例えば、ポリエステル繊維等の他の繊維材料を芯糸とし、金属線を鞘糸とし、S及びZのうちの少なくとも一方の撚方向に金属線を巻き付けてなる複合糸の形態で用いることもできる。この場合、線径の小さい金属線を使用すれば、優れた柔軟性を有するとともに、芯糸による十分な引張強度を併せて有する導電糸とすることができる。
上記めっき線材としては、非導電性又は導電性の繊維を芯材とし、この芯材の表面の全面において全長さに亘って形成された、単体金属又は合金からなるめっき層を有する線材を用いることができる。このように芯材の表面にめっき層を形成することで、芯材が非導電性の繊維であっても導電糸とすることができる。一方、芯材が導電性の繊維の場合、めっき層を形成することで耐久性を向上させることができる。
めっき線材の芯材として用いることができる導電性繊維としては、各種の金属繊維等が挙げられる。一方、非導電性繊維としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維及びボロン繊維等が挙げられる。更に、めっき処理に用いられる金属としては、錫、ニッケル、金、銀、銅、鉄、鉛、白金、亜鉛、クロム、コバルト及びパラジウム等の単体金属、並びにニッケル−錫、銅−ニッケル、銅−錫、銅−亜鉛及び鉄−ニッケル等の合金が挙げられる。
導電糸は、上述の電極用金属線と同様に、他の絶縁性の構成糸(熱収縮糸等)と比べて高い耐熱性を有していることが好ましい。言い換えれば、他の絶縁性の構成糸より高融点であるか、又は燃焼し難いことが好ましい。特に、LOIが26以上であるものが好ましい。金属線は、一般に、他の構成糸として多用される合成繊維より高融点であって、且つLOIは、通常、26以上であり、例えば、ステンレス鋼繊維のLOIは49.6である。また、炭素繊維は溶融せず、LOIは60以上である。
織物におけるヨコ糸としては、上述の導電糸以外にも、絶縁性の熱収縮糸等の他の構成糸が用いられていてもよい。熱収縮糸については、上述のタテ糸の説明における熱収縮糸の説明をそのまま適用することができる。
また、本実施形態におけるシートベルトウェビングを製造する方法は特に限定されない。例えば、上述の構成糸を用いて原反を製織する製織工程と、製織された原反を加熱処理することにより、構成糸の一部を熱収縮させる加熱処理工程と、を備える方法により製造することができる。
上記製織工程では、具体的には、タテ糸として少なくとも熱収縮糸及び一対の電極用金属線(4)が用いられ、且つ、ヨコ糸として少なくとも導電糸(5)が用いられて、原反(加熱収縮される前の織物)(2a)が得られる(図3参照)。
また、上記加熱処理工程では、具体的には、製織された原反(2a)が加熱処理されて、電極用金属線(4)と同方向(長さ方向)に織り込まれた熱収縮糸が熱収縮することにより、殆ど熱収縮しない電極用金属線(4)が熱収縮糸よりも弛んだ状態で織り込まれた形態の織物(2)となるとともに、複数の撓み部(4a)が形成される(図3参照)。
上記加熱処理工程における、加熱処理の条件は特に限定されず、熱収縮糸の収縮開始温度及び熱収縮率によって設定することが好ましい。熱収縮糸が合成樹脂を用いてなる糸である場合、その収縮開始温度は、熱収縮糸を溶融紡糸した後、冷却させ、固化させるときの温度により定まり、熱収縮率は紡糸速度等によって定まる。従って、紡糸温度及び紡糸速度等に基づいて加熱収縮時の温度、時間を設定することが好ましい。更に、紡糸後、熱収縮糸の融点未満の温度で冷延伸すれば、収縮開始温度は延伸温度で定まり、熱収縮率は延伸倍率によって定まる。この場合、延伸温度及び延伸倍率に基づいて加熱収縮時の温度、時間を設定することが好ましい。更に、加熱方法も特に限定されず、例えば、原反を所定温度に調温された熱風循環炉に収容し、所要時間加熱する方法が挙げられる。この他、所定温度の加熱水中を通す方法等の加熱方法が挙げられる。
尚、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
(1)シートベルトウェビングの構成
本発明のシートベルトウェビング1を、3点式シートベルト装置10に適用した例を実施例1として説明する(図1〜図4参照)。
3点式シートベルト装置10では、シートベルトウェビング1は、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられたリトラクタ81から引き出される。即ち、シートベルトウェビング1の一端部(又は他端部)にはリトラクタ81が配置されている(図4参照)。
また、シートベルトウェビング1は、スルーアンカー82の挿通孔に挿通されており、他端部(又は一端部)はボディパネルの下部に配置されたアンカー85に取り付けられている。
更に、シートベルトウェビング1にはタングプレート83が挿通されており、タングプレート83は、車両用シート9に取り付けられたバックル84に着脱可能に係合されるようになっている。
また、シートベルトウェビング1は、図1〜図3に示すように、加熱収縮された織物2によって構成されている。
加熱収縮された織物2は、シートベルトウェビング1の長さ方向に沿って織り込まれたタテ糸[熱収縮糸(ポリエステル製フィラメント)(図示せず)及び正負一対の電極用金属線4(ステンレス鋼製金属線)]と、シートベルトウェビング1の幅方向に沿って織り込まれたヨコ糸[導電糸5(炭素繊維製フィラメント)及び熱収縮糸(ポリエステル製フィラメント)(図示せず)]とによって形成されている。
正負一対の電極用金属線4(41、42)は、シートベルトウェビング1の長さ方向において、熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部4aを備えている(図2参照)。
また、正負一対の電極用金属線4のうちの一方41は、シートベルトウェビング1の幅方向の一端側に配されており、電極用金属線4のうちの他方42は、シートベルトウェビング1の幅方向の他端側に配されている。更に、正負一対の電極用金属線4(41、42)の長さ方向における一端は、ワイヤーハーネス等(図示せず)を介してエンジンコントロールユニット(ECU)等(図示せず)に接続されている。
また、導電糸5は、シートベルトウェビング1が乗員7の腹部と接触する領域(図4のヒータ部1a参照)のヨコ糸として用いられている。
(2)シートベルトウェビングの作用効果
本発明のシートベルトウェビング1では、ECUからの信号で電源から電力が供給され、正負一対の電極用金属線4(41、42)を介して、この電極用金属線4に接触している導電糸5が発熱し、シートベルトウェビング1の所定領域(即ち、ヨコ糸として導電糸5が用いられている領域)が昇温することによってヒータ部1aとして機能する。
また、本発明のシートベルトウェビング1では、長さ方向に織り込まれた電極用金属線4に複数の撓み部4aが形成されているため、屈曲等によりシートベルトウェビング1が伸ばされた状態となっても、撓み部4aが線状に変形することによって過度の張力を吸収し、伸縮性を有していない電極用金属線4に過度の負担が掛からない構成となっている。そのため、電極用金属線4の破損による断線を十分に抑制することができ、ヒータ機能を安定して発現させることができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
上記実施例では、電極用金属線として、ステンレス鋼製金属線を用いた例を説明したが、この例に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
また、上記実施例では、熱収縮糸として、ポリエステル製フィラメントを用いた例を説明したが、この例に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
更に、上記実施例では、導電糸として、炭素繊維製フィラメントを用いた例を説明したが、この例に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
また、上記実施例では、導電糸をヨコ糸として特定領域のみに用いた例を説明したが、この例に限定されず、ヒータ機能を発現させたい領域に応じて、適宜、導電糸をヨコ糸として用いることができる。尚、導電糸をヨコ糸として用いる領域はシートベルトウェビングの全面であってもよいし、複数箇所に別れていてもよい。
更に、上記実施例のシートベルトウェビングは、撓み部を保護したり、強度を改善したり、意匠性を向上させるために全面又は部分的にカバーを備えるものとしてもよい。全面にカバーを備える場合には、シートベルトとして必要な強度を、シートベルトウェビングでなく、カバーに持たせることもできる。
前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施形態を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
本発明は、昇温させ、暖めることが必要とされるシートベルト製品に広く利用される。特に、乗員との接触領域(例えば、腹部等の領域)にヒータ機能を有するシートベルト製品において有用である。
1;シートベルトウェビング、10;3点式シートベルト装置、1a;ヒータ部、2;加熱収縮された織物、2a;原反(加熱収縮される前の織物)、4、41、42;電極用金属線、4a;撓み部、5;導電糸、7;乗員、81;リトラクタ、82;スルーアンカー、83;タングプレート、84;バックル、85;アンカー、9;車両用シート。

Claims (3)

  1. 加熱収縮された織物によって構成されるシートベルトウェビングであって、
    前記織物はタテ糸及びヨコ糸で形成されており、
    前記タテ糸は前記シートベルトウェビングの長さ方向に沿って織り込まれ、且つ前記ヨコ糸は前記シートベルトウェビングの幅方向に沿って織り込まれており、
    前記タテ糸には、少なくとも、熱収縮糸と、一対の電極用金属線とが用いられ、且つ前記ヨコ糸には、少なくとも導電糸が用いられており、
    前記導電糸と前記一対の電極用金属線とは接触しており、該電極用金属線を介して前記導電糸に通電可能とされており、
    前記一対の電極用金属線は、前記加熱収縮の際における前記熱収縮糸と前記電極用金属線との熱収縮差によって、前記シートベルトウェビングの長さ方向において、前記熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部を備えていることを特徴とするシートベルトウェビング。
  2. 前記一対の電極用金属線のうちの一方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の一端側に配され、且つ前記一対の電極用金属線のうちの他方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の他端側に配されている請求項1に記載のシートベルトウェビング。
  3. 前記導電糸は、シートベルト装着時、前記シートベルトウェビングが乗員と接触することになる領域のヨコ糸として織り込まれている請求項1又は2に記載のシートベルトウェビング。
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