JP6610394B2 - シートベルトウェビング - Google Patents
シートベルトウェビング Download PDFInfo
- Publication number
- JP6610394B2 JP6610394B2 JP2016077625A JP2016077625A JP6610394B2 JP 6610394 B2 JP6610394 B2 JP 6610394B2 JP 2016077625 A JP2016077625 A JP 2016077625A JP 2016077625 A JP2016077625 A JP 2016077625A JP 6610394 B2 JP6610394 B2 JP 6610394B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seat belt
- yarn
- belt webbing
- heat
- electrode metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
Description
このように、乗員の安全性を高めるためにシートベルトが用いられているが、近年、安全面のみでなく、例えば、特に冬季、又は寒冷地向け等に、ヒータ機能が付与されたウェビングを備えるシートベルトも開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このシートベルト装置におけるヒータ機能は、シートベルトウェビングに別体としての面状ヒータが取り付けられたものであり、この面状ヒータに電極線を接続し、アンカープレートの側まで引き出さなければならず、構造が煩雑であった。
しかしながら、金属線の伸縮性は、ポリエステル系樹脂等の他の構成糸と比較するとかなり低く、全ての構成糸を均一の張力で製織した場合には、生地の屈曲等によって金属線が破損してしまい、導電糸への通電が損なわれ、ヒータ機能が十分に得られないおそれがある。
前記織物はタテ糸及びヨコ糸で形成されており、
前記タテ糸は前記シートベルトウェビングの長さ方向に沿って織り込まれ、且つ前記ヨコ糸は前記シートベルトウェビングの幅方向に沿って織り込まれており、
前記タテ糸には、少なくとも、熱収縮糸と、一対の電極用金属線とが用いられ、且つ前記ヨコ糸には、少なくとも導電糸が用いられており、
前記導電糸と前記一対の電極用金属線とは接触しており、該電極用金属線を介して前記導電糸に通電可能とされており、
前記一対の電極用金属線は、前記加熱収縮の際における熱収縮差によって、前記シートベルトウェビングの長さ方向において、前記熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部を備えていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の電極用金属線のうちの一方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の一端側に配され、且つ前記一対の電極用金属線のうちの他方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の他端側に配されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記導電糸は、シートベルト装着時、前記シートベルトウェビングが乗員と接触することになる領域のヨコ糸として織り込まれていることを要旨とする。
また、一対の電極用金属線のうちの一方をシートベルトウェビングの幅方向の一端側に配し、且つ一対の電極用金属線のうちの他方をシートベルトウェビングの幅方向の他端側に配した場合には、シートベルトウェビングの幅方向において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
更に、導電糸が、シートベルト装着時、シートベルトウェビングが乗員と接触することになる領域のヨコ糸として織り込まれている場合には、乗員との接触領域において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
この形態の場合、シートベルトウェビングの幅方向において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
この形態の場合、乗員との接触領域において、ヒータ機能を十分に発現させることができる。
この織物における織り組織は特に限定されず、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等の種々の織り組織を採用することができる。
また、この織物においては、長さ方向(シートベルトウェビングの長さ方向)において、電極用金属線(4)が、原反の加熱収縮の際における他のタテ糸(熱収縮糸)との熱収縮差によって、熱収縮後の熱収縮糸よりも撓んだ状態(即ち、弛んだ状態)で織り込まれており、複数の撓み部(4a)が形成されている。
上記一対の電極用金属線(4)は、正極用の金属線と、負極用の金属線とで正負一対となったものである。電極用金属線は、熱による長さの収縮が殆ど生じず、比抵抗[JIS K 7194に準拠して測定した比抵抗(体積抵抗率)]が、通常、100〜10−12Ω・cmである。
熱収縮糸の上記加熱収縮時における熱収縮率(JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法に準拠)は特に限定されないが、150〜200℃で5〜30分間の加熱処理を行った際に、20〜80%であることが好ましく、より好ましくは25〜70%、更に好ましくは30〜60%である。この熱収縮率が上記範囲である場合、原反を加熱収縮した際に、タテ糸として用いられている電極用金属線と熱収縮糸の間に十分な熱収縮差が生じ、加熱収縮された織物において、電極用金属線の撓み部を良好に形成することができる。
尚、これらの熱収縮糸は、通常、比抵抗[JIS K 7194に準拠して測定した比抵抗(体積抵抗率)]が108Ω・cmを超え、絶縁性である。
上記合成樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましく、優れた引張強さを有するポリエステル系樹脂がより好ましい。
上記導電糸(5)としては、例えば、炭素繊維のフィラメント、金属線及びめっき線材等が用いられる。これらのなかでも、柔軟性の観点から、炭素繊維のフィラメントが好ましい。尚、これらの導電糸は、通常、比抵抗が100〜10−12Ω・cmである。
また、金属線の線径は特に限定されないが、強度及び柔軟性の観点で、10〜150μm、特に20〜60μmであることが好ましい。更に、この金属線は、例えば、ポリエステル繊維等の他の繊維材料を芯糸とし、金属線を鞘糸とし、S及びZのうちの少なくとも一方の撚方向に金属線を巻き付けてなる複合糸の形態で用いることもできる。この場合、線径の小さい金属線を使用すれば、優れた柔軟性を有するとともに、芯糸による十分な引張強度を併せて有する導電糸とすることができる。
上記製織工程では、具体的には、タテ糸として少なくとも熱収縮糸及び一対の電極用金属線(4)が用いられ、且つ、ヨコ糸として少なくとも導電糸(5)が用いられて、原反(加熱収縮される前の織物)(2a)が得られる(図3参照)。
また、上記加熱処理工程では、具体的には、製織された原反(2a)が加熱処理されて、電極用金属線(4)と同方向(長さ方向)に織り込まれた熱収縮糸が熱収縮することにより、殆ど熱収縮しない電極用金属線(4)が熱収縮糸よりも弛んだ状態で織り込まれた形態の織物(2)となるとともに、複数の撓み部(4a)が形成される(図3参照)。
<実施例1>
(1)シートベルトウェビングの構成
本発明のシートベルトウェビング1を、3点式シートベルト装置10に適用した例を実施例1として説明する(図1〜図4参照)。
3点式シートベルト装置10では、シートベルトウェビング1は、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられたリトラクタ81から引き出される。即ち、シートベルトウェビング1の一端部(又は他端部)にはリトラクタ81が配置されている(図4参照)。
また、シートベルトウェビング1は、スルーアンカー82の挿通孔に挿通されており、他端部(又は一端部)はボディパネルの下部に配置されたアンカー85に取り付けられている。
更に、シートベルトウェビング1にはタングプレート83が挿通されており、タングプレート83は、車両用シート9に取り付けられたバックル84に着脱可能に係合されるようになっている。
加熱収縮された織物2は、シートベルトウェビング1の長さ方向に沿って織り込まれたタテ糸[熱収縮糸(ポリエステル製フィラメント)(図示せず)及び正負一対の電極用金属線4(ステンレス鋼製金属線)]と、シートベルトウェビング1の幅方向に沿って織り込まれたヨコ糸[導電糸5(炭素繊維製フィラメント)及び熱収縮糸(ポリエステル製フィラメント)(図示せず)]とによって形成されている。
正負一対の電極用金属線4(41、42)は、シートベルトウェビング1の長さ方向において、熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部4aを備えている(図2参照)。
また、正負一対の電極用金属線4のうちの一方41は、シートベルトウェビング1の幅方向の一端側に配されており、電極用金属線4のうちの他方42は、シートベルトウェビング1の幅方向の他端側に配されている。更に、正負一対の電極用金属線4(41、42)の長さ方向における一端は、ワイヤーハーネス等(図示せず)を介してエンジンコントロールユニット(ECU)等(図示せず)に接続されている。
また、導電糸5は、シートベルトウェビング1が乗員7の腹部と接触する領域(図4のヒータ部1a参照)のヨコ糸として用いられている。
本発明のシートベルトウェビング1では、ECUからの信号で電源から電力が供給され、正負一対の電極用金属線4(41、42)を介して、この電極用金属線4に接触している導電糸5が発熱し、シートベルトウェビング1の所定領域(即ち、ヨコ糸として導電糸5が用いられている領域)が昇温することによってヒータ部1aとして機能する。
また、本発明のシートベルトウェビング1では、長さ方向に織り込まれた電極用金属線4に複数の撓み部4aが形成されているため、屈曲等によりシートベルトウェビング1が伸ばされた状態となっても、撓み部4aが線状に変形することによって過度の張力を吸収し、伸縮性を有していない電極用金属線4に過度の負担が掛からない構成となっている。そのため、電極用金属線4の破損による断線を十分に抑制することができ、ヒータ機能を安定して発現させることができる。
上記実施例では、電極用金属線として、ステンレス鋼製金属線を用いた例を説明したが、この例に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
また、上記実施例では、熱収縮糸として、ポリエステル製フィラメントを用いた例を説明したが、この例に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
更に、上記実施例では、導電糸として、炭素繊維製フィラメントを用いた例を説明したが、この例に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
更に、上記実施例のシートベルトウェビングは、撓み部を保護したり、強度を改善したり、意匠性を向上させるために全面又は部分的にカバーを備えるものとしてもよい。全面にカバーを備える場合には、シートベルトとして必要な強度を、シートベルトウェビングでなく、カバーに持たせることもできる。
Claims (3)
- 加熱収縮された織物によって構成されるシートベルトウェビングであって、
前記織物はタテ糸及びヨコ糸で形成されており、
前記タテ糸は前記シートベルトウェビングの長さ方向に沿って織り込まれ、且つ前記ヨコ糸は前記シートベルトウェビングの幅方向に沿って織り込まれており、
前記タテ糸には、少なくとも、熱収縮糸と、一対の電極用金属線とが用いられ、且つ前記ヨコ糸には、少なくとも導電糸が用いられており、
前記導電糸と前記一対の電極用金属線とは接触しており、該電極用金属線を介して前記導電糸に通電可能とされており、
前記一対の電極用金属線は、前記加熱収縮の際における前記熱収縮糸と前記電極用金属線との熱収縮差によって、前記シートベルトウェビングの長さ方向において、前記熱収縮糸よりも撓んだ状態で織り込まれており、複数の撓み部を備えていることを特徴とするシートベルトウェビング。 - 前記一対の電極用金属線のうちの一方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の一端側に配され、且つ前記一対の電極用金属線のうちの他方は、前記シートベルトウェビングの幅方向の他端側に配されている請求項1に記載のシートベルトウェビング。
- 前記導電糸は、シートベルト装着時、前記シートベルトウェビングが乗員と接触することになる領域のヨコ糸として織り込まれている請求項1又は2に記載のシートベルトウェビング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016077625A JP6610394B2 (ja) | 2016-04-07 | 2016-04-07 | シートベルトウェビング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016077625A JP6610394B2 (ja) | 2016-04-07 | 2016-04-07 | シートベルトウェビング |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017185956A JP2017185956A (ja) | 2017-10-12 |
JP6610394B2 true JP6610394B2 (ja) | 2019-11-27 |
Family
ID=60045279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016077625A Expired - Fee Related JP6610394B2 (ja) | 2016-04-07 | 2016-04-07 | シートベルトウェビング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6610394B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110775014A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-02-11 | 安闻汽车技术(天津)有限公司 | 座椅安全带加热组件 |
DE102020125367A1 (de) | 2020-09-29 | 2022-03-31 | Zf Automotive Germany Gmbh | Gurtband sowie Sicherheitsgurtsystem |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002231423A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-16 | Tarui Seni Kogyo Kk | 布状ヒータ |
JP5742460B2 (ja) * | 2011-05-18 | 2015-07-01 | トヨタ紡織株式会社 | 布帛 |
JP5928069B2 (ja) * | 2012-03-28 | 2016-06-01 | トヨタ紡織株式会社 | 織物 |
JP2015217879A (ja) * | 2014-05-20 | 2015-12-07 | トヨタ紡織株式会社 | シートベルト |
-
2016
- 2016-04-07 JP JP2016077625A patent/JP6610394B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017185956A (ja) | 2017-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5510302B2 (ja) | 接続部材、その製造方法及び接続構造体 | |
EP1885925B1 (en) | Electrically conductive elastic composite yarn | |
ES2313520T3 (es) | Hilo hibrido elasticamente extensible, electricamente conductor, procedimiento para la fabricacion del mismo y producto textil con un hilo hibrido de esta clase. | |
JP2012087434A (ja) | 発熱糸及びそれを用いた織編物 | |
JP2013211276A (ja) | 平型ヒータ | |
EP1992199B1 (en) | Glass-coated metallic filament cables for use in electrical heatable textiles | |
US20110306259A1 (en) | Cloth material in a raw fabric state, and method for exposing conductive fiber in that cloth material | |
JP2011074538A (ja) | 布材 | |
JP6610394B2 (ja) | シートベルトウェビング | |
JP2015200036A (ja) | 布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シート | |
JP5742460B2 (ja) | 布帛 | |
JP4634636B2 (ja) | 電熱糸及び該電熱糸を用いたヒーター | |
JP2012158848A (ja) | 布材 | |
CN104703306A (zh) | 用于碳纤维板加热元件的电极及其生产方法 | |
KR20160040364A (ko) | 탄소섬유를 이용한 자동차 시트용 발열체 | |
JP2014132128A (ja) | 織物 | |
JP6544203B2 (ja) | ヒータ機能付きシートベルトウェビング | |
JP2015199438A (ja) | シートベルト | |
JP2015217879A (ja) | シートベルト | |
JP2016037680A (ja) | 繊維製品及び糸材の製造方法 | |
JP2016017241A (ja) | 布材 | |
JP5594111B2 (ja) | 導電糸に導電性部材を接続する接続方法 | |
JP2012104447A (ja) | 接続部材 | |
JP6503934B2 (ja) | 布材 | |
CN219891976U (zh) | 用于对电传导母线在电和热方面进行保护的保护套管 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181018 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190723 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190725 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190920 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191001 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191014 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6610394 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |