JP2015197471A - 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにそれらを用いて形成された硬化被膜を有するプリント配線板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにそれらを用いて形成された硬化被膜を有するプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】強靭性に優れた硬化被膜を形成可能であり、かつパターン形成性、及びアルカリ現像液による現像性に優れる硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにそれらを用いて形成された硬化被膜を有するプリント配線板を提供する。
【解決手段】(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂、(B)光塩基発生剤、及び、(C)熱硬化成分、を含有し、パターン状の光照射で前記(A)水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と、前記(C)熱硬化成分とが反応し、アルカリ現像によってネガ型のパターン形成が行われることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、特に強靭性、パターン形成性及び現像性に優れる永久被膜用の硬化性樹脂組成物に関する。
従来、プリント配線板のソルダーレジストに用いられる材料として、アルカリ水溶液により現像が可能な光硬化性樹脂組成物がある。例えば、特許文献1、2には、エポキシ樹脂の変性により誘導されたエポキシアクリレート変性樹脂(以下、エポキシアクリレートと略記する場合がある。)を含む光硬化性樹脂組成物が用いられている。
このような光硬化性樹脂組成物を用いるソルダーレジストの形成方法としては、基材に光硬化性樹脂組成物を塗布及び乾燥して樹脂層を形成し、その樹脂層に対して、パターン状に光照射した後、アルカリ現像液で現像することにより形成する方法がある。
また、特許文献3では、フェノール性水酸基とエポキシ樹脂を、光塩基発生剤に光照射することにより発生する塩基を介して、この光照射部において選択的に硬化させ、光未照射部をアルカリ現像液で現像することによりパターンを形成する方法がある。
特開昭61−243869号公報(特許請求の範囲) 特開平3−250012号公報(特許請求の範囲) 特開2003−344992号公報(特許請求の範囲)
特許文献1及び2のようなカルボキシル基含有樹脂とエポキシ樹脂との組成は、炭酸ナトリウム等のアルカリ現像液で現像されることによりパターン形成性には優れる。しかしながら、フェノール性水酸基と比較してカルボキシル基の反応性が高過ぎるため、露光後のPEB(Post Exposure Bakeの略)時に未露光部の熱硬化反応が進行してしまう。結果として、未露光部の現像性が悪くなるため、光照射により塩基を発生する硬化性樹脂組成物に適応するには困難である。同時に、カルボキシル基を有する樹脂とエポキシ基を有する樹脂から得られる硬化被膜は、フェノール性水酸基を有する樹脂とエポキシ基を有する樹脂から得られる硬化被膜と比較し、強靭性に劣る。
一方、特許文献3のようなフェノール性水酸基とエポキシ樹脂を含む組成では、硬化被膜の強靭性及び絶縁特性は優れるものの、現像工程で水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)/エタノールアミン混合水溶液のような有機溶剤含有の現像液を使用しないと良好なパターンを形成することができない。すなわち、従来、ソルダーレジストに用いられる炭酸ナトリウム水溶液等の無機系の現像液では現像することができず、環境負荷の高い現像液を使用しなければならない。
しかるに、本発明の目的は、強靭性に優れた硬化被膜を形成可能であり、かつパターン形成性、及びアルカリ現像液による現像性に優れる、光照射により塩基を発生して硬化する硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにそれを用いて形成された硬化被膜を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の硬化性樹脂組成物は、
(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂、
(B)光塩基発生剤、及び、
(C)熱硬化成分
を含有し、パターン状の光照射により前記(A)水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と、前記(C)熱硬化成分とが反応し、アルカリ現像によってネガ型のパターン形成が行われることを特徴とするものである。
ここで、パターン形成が行われるとは、パターン状の硬化被膜を形成可能であることを意味する。
本発明では、(A)水酸基及びカルボキシル基含有樹脂の水酸基当量が、100〜1000g/eq.であると好ましく、(A)水酸基及びカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基当量が、100〜2000g/eq.であると好ましい。
(A)水酸基及びカルボキシル基含有樹脂の水酸基当量及びカルボキシル基当量を上記範囲とすることにより、(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と、(C)熱硬化成分との反応性を良好とした上で、優れたパターン形成性と現像性を得ることができる。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルムと、前記キャリアフィルム上に形成された上記硬化性樹脂組成物からなる樹脂層とから構成されることを特徴とする。
本発明の硬化物は、上記硬化性樹脂組成物を光照射後熱硬化させて得られることを特徴とする。
本発明のプリント配線板は、上記硬化性樹脂組成物からなる硬化被膜を有することを特徴とする。
本発明により、パターン形成性と、アルカリ現像液による現像性とに優れ、硬化後の強靭性及び絶縁性においても良好な硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物が得られる。本発明硬化性組成物は、熱硬化成分を主成分として構成されるため、硬化性に優れ、硬化物の硬化収縮ないし反りを抑えることが期待できる。更に、本発明の硬化性樹脂組成物からなる硬化被膜を有するプリント配線板は、優れた電気的特性を有する。
図1は、本発明の硬化性樹脂組成物によるパターン形成方法の説明図である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂、(B)光塩基発生剤、及び、(C)熱硬化成分を含有する硬化性樹脂組成物である。本発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板上に樹脂層として形成され、その樹脂層に対して所望のパターン状の光照射を行うことにより、(B)光塩基発生剤より塩基が発生し、これを介して(A)水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と、(C)熱硬化成分とが付加反応し、光照射部が硬化する。この後、アルカリ現像液による現像を行うと、未硬化部分が除去されて、いわゆるネガ型のパターン形成が行われる。現像により未硬化部分が除去された硬化被膜をパターン層ともいう。
硬化性樹脂組成物からなる樹脂層では、上述の光照射によって樹脂層表面の(B)光塩基発生剤が不安定化して塩基が発生する。表面にて発生した塩基によって、表面以外の光塩基発生剤も不安定化して、さらに塩基が発生する。このように塩基が連鎖的に発生することにより、樹脂層の深部まで化学的に塩基が増殖すると考えられる。そして、塩基が、(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と(C)熱硬化成分が付加反応する際の触媒として作用しながら、深部まで付加反応が進行するので、光照射部では、深部まで樹脂層が硬化する。
従って、硬化性樹脂組成物をパターン状に光照射した後、アルカリ現像することより、未照射部を除去して、パターン形成することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と(C)熱硬化成分とが付加反応により硬化するため、光硬化性樹脂組成物のような光連鎖反応とは異なり、ひずみや硬化収縮の少ないパターン層を得ることができる。
硬化性樹脂組成物は、光未照射の状態では加熱しても硬化せず、光照射して初めて熱による硬化が可能となる組成物であってもよい。
以下、硬化性樹脂組成物の各成分について詳述する。
[(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂]
(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂(以下、樹脂(A)ともいう)としては、フェノール性水酸基およびカルボキシル基の官能基を両方含有し、好ましくはフェノール性水酸基およびカルボキシル基をそれぞれ2個以上有する化合物が挙げられる。フェノール性水酸基とカルボキシル基は、熱硬化成分と付加反応することができる。
(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂としては、(A1)共重合型樹脂、(A2)ポリウレタン型樹脂、(A3)ポリエステル型樹脂(A4)ポリイミド型樹脂などが挙げられる。
(A1)共重合型樹脂
(A1)共重合型のフェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂は、エチレン性不飽和二重結合及びフェノール性水酸基を有する樹脂と、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を有する樹脂との共重合により得ることができる。共重合は、光重合開始剤などを使用することにより行うことができる。
エチレン性不飽和二重結合とフェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、ビニルフェノール、その誘導体などが挙げられる。エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を有する樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、それらの誘導体などが挙げられる。
(A2)ポリウレタン型樹脂
(A2)ポリウレタン型のフェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂は、(A2−1)ポリウレタン型樹脂又は(A2−2)ポリウレタン型樹脂が挙げられる。
(A2−1)ポリウレタン型樹脂は、例えば、カルボキシル基を有するジオールと、ジイソシアネートと、フェノール性水酸基を有するアルコールとを反応させることにより得ることができる。以下に(A2−1)ポリウレタン型樹脂の合成例を記載する。
(A2−1)ポリウレタン型樹脂の合成例
Figure 2015197471
(Rは、3価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。Rは、2価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。Rは、2価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。また、Rは、フェノール性水酸基を有していてもよく、R
はカルボキシル基を有していてもよい。n及びmは、それぞれ、1以上1000以下の整数である。)
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香−脂肪族のジイソシアネート化合物などが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が例示できる。
脂環族ジイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化テトラメチルキシレンジイソシアネート等が例示できる。
芳香族ジイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネートや2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が例示できる。
芳香−脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等が例示できる。
フェノール性水酸基を有するアルコールとしては、例えば、ヒドロキシフェネチルアルコールが挙げられる。
(A2−2)ポリウレタン型樹脂は、例えば、フェノール性水酸基を有するジオールと、カルボキシル基を有するジオールと、ジイソシアネートとを使用することにより得ることができる。以下に(A2−2)ポリウレタン型樹脂の合成例を記載する。
(A2−2)ポリウレタン型樹脂の合成例
Figure 2015197471
(R、及びRは、それぞれ、3価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。Rは、2価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。n及びmは、それぞれ、1以上1000以下の整数である。)
フェノール性水酸基を有するジオールとしては、例えば、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシメチルエタノールが挙げられる。
(A3)ポリエステル型樹脂
(A3)ポリエステル型のフェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂としては、(A3−1)ポリエステル型樹脂、(A3−2)ポリエステル型樹脂、又は(A3−3)ポリエステル型樹脂が挙げられる。
(A3−1)ポリエステル型樹脂は、例えば、複数の酸無水物基を有す多塩基酸無水物と、フェノール性水酸基を有するアルコールとを反応させることにより得ることができる。以下に(A3−1)ポリエステル型樹脂の合成例を記載する。
Figure 2015197471
(R、及びRは、それぞれ2価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。)
複数の酸無水物基を有す多塩基酸無水物としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられ、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(A3−2)ポリエステル型樹脂は、例えば、(A3−1)ポリエステル型樹脂と複数のエポキシ基を有する化合物とを反応させることにより得ることができる。以下に(A3−2)ポリエステル型樹脂の合成例を記載する。
Figure 2015197471
(R、R、及びRは、それぞれ2価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。n、m及びlは、それぞれ、1以上1000以下の整数であり、m≧n≧lである。)
複数のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、多官能フェノール系、ナフタレン系、脂環式系及びアルコール系等のグリシジルエーテル、グリシジルアミン系並びにグリシジルエステル系の化合物(樹脂)などが挙げられ、これらの化合物の2種以上を混合して使用することもできる。
(A3−3)ポリエステル型樹脂は、例えば、上記(A3−2)ポリエステル型樹脂と、2塩基酸無水物とを反応させることにより得ることができる。
以下に(A3−3)ポリエステル型樹脂の合成例を記載する。
Figure 2015197471

(R、R、R、及びR10は、それぞれ、2価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。R10は、1価の有機基であり、脂肪族又は芳香族である。n、m、l、及びoは、それぞれ、1以上1000以下の整数であり、m≧n≧l≧oである。)
2塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。
(A4)ポリイミド型樹脂
(A4)ポリイミド型のフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂は、イミド環、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂である。この(A4)樹脂は、例えば、ポリイミド樹脂を合成する際に、原料として、カルボキシル基の他、フェノール性水酸基を有するアミン成分やイソシアネート成分を用いることによって得ることができる。
具体的には、(A4)ポリイミド型は、カルボン酸無水物とフェノール性水酸基を有するアミンとの反応、カルボン酸無水物とフェノール性水酸基を有するアミンとイソシアネートとの反応などによって得ることができるが、これに限られない。
カルボン酸無水物としては、例えば、4,4’−オキシジフタル酸無水物、トリメリット酸無水物などが挙げられる。
フェノール性水酸基を有するアミンとしては、例えば、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4―(4―アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなど挙げられる。
イソシアネートとしては、例えば、上記の化合物が挙げられる。
また、(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂は、1個以上、好ましくは2個以上のFユニット(フェノールユニット)と、1個以上、好ましくは2個以上のCユニット(カルボキシルユニット)の、直接結合または、二価の有機基を介した結合を有する構造でも良い。
FユニットとCユニットとの結合は、クロスカップリング反応により行うことができる。なお、(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂は、反応性、現像性、強靭性に影響を与えない範囲で、Fユニット、Cユニット以外の構造部分を有していてもよい。
Fユニットとしては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック(Xylok)型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物など公知慣用のフェノール樹脂に由来する構造が挙げられる。
Fユニットとしては、ビフェニル骨格、或いはフェニレン骨格、又はその両方の骨格を有する化合物と、フェノール性水酸基含有化合物としてフェノール、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール等とを用いて合成した、様々な骨格を有するフェノール樹脂を用いることができる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Cユニットとしては、公知のカルボキシル基含有樹脂に由来する構造が挙げられる。Cユニットとして用いることのできるカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。ここで、低級アルキルとは、炭素原子数1〜5のアルキル基を指す。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)上記(2)又は(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上記(2)又は(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)前述するような多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(8)前述するような多官能(固形)エポキシ樹脂に飽和モノカルボン酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(9)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(10)後述するような多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂を含まない非感光性カルボキシル基含有樹脂。
(12)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に飽和モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(13)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(14)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に飽和モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂を含まない非感光性カルボキシル基含有樹脂。
(15)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(16)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(17)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、飽和モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(18)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(19)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(20)上記(1)〜(19)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂。
上記のような(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂(樹脂(A))は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の水酸基とカルボキシル基とを有するため、アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、樹脂(A)のの水酸基当量は、100〜1000g/eq.であることが好ましく、さらに好ましくは、水酸基当量が100〜700g/eq.である。
カルボキシル基当量は、100〜2000g/eq.であることが好ましく、さらに好ましくは、カルボキシル基当量が400〜1300g/eq.である。
水酸基当量及びカルボキシル基当量を上記範囲とすることにより、樹脂(A)の含有量が少ない場合でも、現像が可能となるため好ましい。更に、水酸基当量及びカルボキシル基当量を上記範囲とすることにより、樹脂(A)と(C)熱硬化成分を当モル配合で用いた場合に、(C)熱硬化成分が未反応で残存する可能性を低減し、硬化被膜の強靭性、現像性、パターン形成性を向上することができる。
また、水酸基当量が100g/eq.以上の場合、水酸基の数が適度となるため、パターン形成性が向上する。一方、水酸基当量が1000g/eq.以下の場合、架橋密度を上げて、硬化被膜の強靭性を向上させることができる。
そして、カルボキシル基当量が100g/eq.以上の場合、カルボキシル基の数が適度となるため、現像性が向上する。一方、カルボキシル基当量が2000g/eq.以下の場合、架橋密度を上げて、硬化被膜の強靭性を向上させることができる。
樹脂(A)におけるカルボキシル基数とフェノール性水酸基の平均割合は、100:15〜100:200、特に100:30〜100:150の範囲であると好ましい。カルボキシル基は現像性に寄与し、フェノール性水酸基は強靭性に寄与するため、この範囲では現像性が良好でありながら強靭性に優れた硬化被膜が得られるという効果が得られる。
また、本発明で用いる樹脂(A)の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、1,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が1,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、光照射後の樹脂層の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。
本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[(B)光塩基発生剤]
光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、上記の熱反応性化合物の重合反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。
α―アミノアセトフェノン化合物は分子中にベンゾインエーテル結合を有し、光照射を受けると分子内で開裂が起こり、硬化触媒作用を奏する塩基性物質(アミン)が生成する。α−アミノアセトフェノン化合物の具体例としては、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン(イルガキュア369、商品名、BASFジャパン社製)や4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(イルガキュア907、商品名、BASFジャパン社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(イルガキュア379、商品名、BASFジャパン社製)などの市販の化合物またはその溶液を用いることができる。
オキシムエステル化合物としては、光照射により塩基性物質を生成する化合物をいずれも使用することができる。オキシムエステル化合物としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアー OXE01、イルガキュアー OXE02、アデカ社製N−1919、NCI−831などが挙げられる。また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する化合物も好適に用いることができ、具体的には、下記一般式で表されるカルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。
Figure 2015197471
(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、結合か、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、
4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルで表し、nは0か1の整数である。)
特に、前記一般式中、X、Yが、それぞれメチル基又はエチル基であり、Zはメチル又はフェニルであり、nは0であり、Arは、結合か、フェニレン、ナフチレン、チオフェン又はチエニレンであることが好ましい。
また、好ましいカルバゾールオキシムエステル化合物として、下記一般式で表すことができる化合物を挙げることもできる。
Figure 2015197471
(式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、または、ニトロ基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、または、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、酸素原子または硫黄原子で連結されていてもよく、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル基を表す。Rは、ニトロ基、または、X−C(=O)−で表されるアシル基を表す。Xは、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基、チエニル基、モルホリノ基、チオフェニル基、または、下記式で示される構造を表す。)
Figure 2015197471
アシルオキシイミノ基を有する化合物の具体例としては,O,O’−コハク酸ジアセトフェノンオキシム,O,O’−コハク酸ジナフトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシムアクリレートースチレン共重合体などが挙げられる。
N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基を有する化合物の具体例としては、例えば、ジ−N−(p−ホルミルアミノ)ジフェニルメタン、ジ−N(p−アセエチルアミノ)ジフェニルメラン、ジ−N−(p−ベンゾアミド)ジフェニルメタン、4−ホルミルアミノトルイレン、4−アセチルアミノトルイレン、2,4−ジホルミルアミノトルイレン、1−ホルミルアミノナフタレン、1−アセチルアミノナフタレン、1,5−ジホルミルアミノナフタレン、1−ホルミルアミノアントラセン、1,4−ジホルミルアミノアントラセン、1−アセチルアミノアントラセン、1,4−ジホルミルアミノアントラキノン、1,5−ジホルミルアミノアントラキノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジホルミルアミノビフェニル、4,4’−ジホルミルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基を有する化合物の具体例としては、例えば、ビス{{(2−ニトロベンジル)オキシ}カルボニル}ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジ{{(2−ニトロベンジル)オキシ}トルイレン、ビス{{(2−ニトロベンジルオキシ)カルボニル}ヘキサン−1,6−ジアミン、m−キシリジン{{(2−ニトロ−4−クロロベンジル)オキシ}アミド}などが挙げられる。
光塩基発生剤としては、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。
その他の光塩基発生剤として、
WPBG-018(商品名:9-anthrylmethyl N,N’-diethylcarbamate),WPBG-027(商品名:(E)-1-[3-(2-hydroxyphenyl)-2-propenoyl]piperidine),WPBG-082(商品名:guanidinium2-(3-benzoylphenyl)propionate), WPBG-140 (商品名:1-(anthraquinon-2-yl)ethyl imidazolecarboxylate)等を使用することもできる。
上記光塩基発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化性樹脂組成物中の(B)光塩基発生剤の配合量は、好ましくは(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂100質量部に対して1〜30質量部であり、さらに好ましくは、1〜20質量部である。
[(C)熱硬化成分]
(C)熱硬化成分は、熱による硬化反応が可能な官能基を有する樹脂である。エポキシ樹脂、多官能オキセタン化合物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、エポキシ基(熱硬化性基)を有する樹脂であり、公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ化合物であってもよい。
多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
その他の液状2官能性エポキシ樹脂としては、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキシ樹脂を挙げることができる。ナフタレン基含有エポキシ樹脂は、硬化物の熱膨張を抑えることができるため、好ましい。
エポキシ化合物は、市販の製品を用いることも可能であり、例えばHP4032(DIC社製、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂)、NC3000H、NC3000L(日本化薬社製、ビフェニル型エポキシ化合物)、EPPN501H(日本化薬社製、トリフェニルグリジジルエーテル型エポキシ樹脂)、jER828、jER834、jER1001(三菱化学社、順に液状、半固形、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、DEN 431、DEN438(ダウケミカル社製、エポキシノボラック樹脂)、P201(日本化薬社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、N870(DIC社製、変性ノボラック型樹脂)等を用いることができる。上記のエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記多官能オキセタン化合物は、複数のオキセタニル基(熱硬化性基)を有する樹脂であり、具体例としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
ここで、(C)熱硬化成分がベンゼン骨格を有する場合、耐熱性が向上するので、好ましい。また、硬化性樹脂組成物が白色顔料を含有する場合、熱硬化成分は脂環式骨格であることが好ましい。これにより、反応性を向上できる。
上記(C)熱硬化成分(成分C)の(A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂に対する配合量としては、官能基の当量比、すなわち成分(C)における熱反応性基(エポキシ基、オキセタニル基、又はその総量):樹脂(A)のフェノール性水酸基及びカルボキシル基の総量が、10:20〜10:8であることが好ましく、10:15〜10:9であることがより好ましい。このような配合比の範囲内である場合、現像が良好になる。
[マレイミド化合物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、マレイミド化合物を含んでもよい。マレイミド化合物を用いることにより、硬化性樹脂組成物の硬化性と現像性が向上する。
マレイミド化合物としては、多官能脂肪族/脂環族マレイミド、多官能芳香族マレイミドが挙げられる。2官能以上のマレイミド化合物(多官能マレイミド化合物)が好ましい。多官能脂肪族/脂環族マレイミドとしては、例えば、N,N’−メチレンビスマレイミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと脂肪族/脂環族マレイミドカルボン酸とを脱水エステル化して得られるイソシアヌレート骨格のマレイミドエステル化合物;トリス(カーバメートヘキシル)イソシアヌレートと脂肪族/脂環族マレイミドアルコールとをウレタン化して得られるイソシアヌレート骨格のマレイミドウレタン化合物等のイソシアヌル骨格ポリマレイミド類;イソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)、トリエチレングリコールビス(マレイミドエチルカーボネート)、脂肪族/脂環族マレイミドカルボン酸と各種脂肪族/脂環族ポリオールとを脱水エステル化、又は脂肪族/脂環族マレイミドカルボン酸エステルと各種脂肪族/脂環族ポリオールとをエステル交換反応して得られる脂肪族/脂環族ポリマレイミドエステル化合物類;脂肪族/脂環族マレイミドカルボン酸と各種脂肪族/脂環族ポリエポキシドとをエーテル開環反応して得られる脂肪族/脂環族ポリマレイミドエステル化合物類;脂肪族/脂環族マレイミドアルコールと各種脂肪族/脂環族ポリイソシアネートとをウレタン化反応して得られる脂肪族/脂環族ポリマレイミドウレタン化合物類等がある。
多官能芳香族マレイミドとしては、マレイミドカルボン酸と各種芳香族ポリオールとを脱水エステル化、又はマレイミドカルボン酸エステルと各種芳香族ポリオールとをエステル交換反応して得られる芳香族ポリマレイミドエステル化合物類;マレイミドカルボン酸と各種芳香族ポリエポキシドとをエーテル開環反応して得られる芳香族ポリマレイミドエステル化合物類;マレイミドアルコールと各種芳香族ポリイソシアネートとをウレタン化反応して得られる芳香族ポリマレイミドウレタン化合物類等の芳香族多官能マレイミド類等がある。
多官能芳香族マレイミドの具体例としては、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−2,4−トリレンビスマレイミド、N,N’−2,6−トリレンビスマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチル−ビフェニレン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−s−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕デカン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ジ−s−ブチルベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、4,4’−メチレンビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2−ノニルベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−(1−メチルヘプチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−3−メチルベンゼン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス〔3−メチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジメチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、3,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、4,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、3,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、4,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、1,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタンなどを挙げることができる。
マレイミド化合物の配合量としては、樹脂(A)との当量比(マレイミド基:フェノール性水酸基及びカルボキシル基の総量)が1:0.1〜1:10であることが好ましく、1:0.5〜1:3であることがより好ましい。このような配合比とすることにより、現像が容易になる。
[着色剤]
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、着色剤を配合することができる。 着色剤としては、赤、青、緑、黄、白、黒などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
赤色着色剤:
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
モノアゾ系:PigmentRed 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23, 31, 32, 112, 114,146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269。
ジスアゾ系:PigmentRed 37, 38, 41。
モノアゾレーキ系:Pigment Red 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2,53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1,68。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Red 171、Pigment Red 175、Pigment Red 176、Pigment Red 185、Pigment Red 208。
ぺリレン系:SolventRed 135、Solvent Red 179、PigmentRed 123、Pigment Red 149、PigmentRed 166、Pigment Red 178、PigmentRed 179、Pigment Red 190、PigmentRed 194、Pigment Red 224。
ジケトピロロピロール系:Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、Pigment Red 270、Pigment Red 272。
縮合アゾ系:PigmentRed 220、Pigment Red 144、PigmentRed 166、Pigment Red 214、PigmentRed 220、Pigment Red 221、PigmentRed 242。
アンスラキノン系:Pigment Red 168、Pigment Red 177、Pigment Red 216、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207。
キナクリドン系:PigmentRed 122、Pigment Red 202、PigmentRed 206、Pigment Red 207、PigmentRed 209。
青色着色剤:
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなものを挙げることができる:PigmentBlue 15、Pigment Blue 15:1、PigmentBlue 15:2、Pigment Blue 15:3、PigmentBlue 15:4、Pigment Blue 15:6、PigmentBlue 16、Pigment Blue 60。
染料系としては、SolventBlue 35、Solvent Blue 63、SolventBlue 68、Solvent Blue 70、SolventBlue 83、Solvent Blue 87、SolventBlue 94、Solvent Blue 97、SolventBlue 122、Solvent Blue 136、SolventBlue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
緑色着色剤:
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系があり、具体的にはPigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
黄色着色剤:
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下のものが挙げられる。
アントラキノン系:Solvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202。
イソインドリノン系:Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 139、Pigment Yellow 179、Pigment Yellow 185。
縮合アゾ系:PigmentYellow 93、Pigment Yellow 94、PigmentYellow 95、Pigment Yellow 128、PigmentYellow 155、Pigment Yellow 166、PigmentYellow 180。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181。
モノアゾ系:PigmentYellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104,105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 183。
ジスアゾ系:PigmentYellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174,176, 188, 198。
白色着色剤:
また、本発明においては着色剤として、白色着色剤を用いることもできる。白色着色剤としては、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしてはルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよいが、ルチル型チタンを用いることが好ましい。同じ酸化チタンであるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度が高く、白色顔料としてよく使用されるが、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、特にLEDから照射される光により、絶縁性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど有さないために、酸化チタンの光活性に起因する光による樹脂の劣化(黄変)が顕著に抑制され、また熱に対しても安定である。このため、LEDが実装されたプリント配線板の絶縁層において白色顔料として用いられた場合に、高反射率を長期にわたり維持することができる。
ルチル型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。ルチル型酸化チタンの製造法には、硫酸法と塩素法の2種類あり、本発明では、いずれの製造法により製造されたものも好適に使用することができる。ここで、硫酸法は、イルメナイト鉱石やチタンスラグを原料とし、これを濃硫酸に溶解して鉄分を硫酸鉄として分離し、溶液を加水分解することにより水酸化物の沈殿物を得、これを高温で焼成してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。一方、塩素法は、合成ルチルや天然ルチルを原料とし、これを約1000℃の高温で塩素ガスとカーボンに反応させて四塩化チタンを合成し、これを酸化してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。その中で、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンは、特に熱による樹脂の劣化(黄変)の抑制効果が顕著であり、本発明においてより好適に用いられる。
これらの酸化チタンの中でも、表面が含水アルミナ又は水酸化アルミニウムで処理された酸化チタンを用いることが、組成物中での分散性、保存安定性、難燃性の観点から特に好ましい。
また、酸化チタンを含有する組成物により形成される硬化被膜は、Y値が70以上であることが好ましく、75以上であることがより好ましい。
黒色着色剤:
本発明に用いられる黒色着色剤としては、公知慣用の黒色着色剤を使用することができる。黒色着色剤としては、C.I.Pigmentblack 6、7、9および18等に示されるカーボンブラック系の顔料、C.I.Pigment black 8、10等に示される黒鉛系の顔料、C.I.Pigmentblack 11、12および27,Pigment Brown 35等で示される酸化鉄系の顔料:例えば戸田工業(株)製KN−370の酸化鉄、三菱マテリアル(株)製13Mのチタンブラック、C.I.Pigmentblack 20等で示されるアンスラキノン系の顔料、C.I.Pigment black 13、25および29等で示される酸化コバルト系の顔料、C.I.Pigmentblack 15および28等で示される酸化銅系の顔料、C.I.Pigment black 14および26等で示されるマンガン系の顔料、C.I.Pigmentblack 23等で示される酸化アンチモン系の顔料、C.I.Pigment black 30等で示される酸化ニッケル系の顔料、C.I.Pigmentblack 31、32で示されるペリレン系の顔料、Pigment Black 1で示されるアニリン系の顔料および硫化モリブデンや硫化ビスマスも好適な顔料として例示できる。これらの顔料は、単独で、または適宜組合せて使用される。特に好ましいのは、カーボンブラックであり例えば、三菱化学(株)製のカーボンブラック、M−40、M−45、M−50、MA−8、MA−100、またペリレン系の顔料は有機顔料の中でも低ハロゲン化に有効である。カーボンブラックは、回路の隠蔽性に優れるため、好ましい。
その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色などの着色剤を加えてもよい。
具体的に例示すれば、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet13、36、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.等がある。
本発明の硬化性樹脂組成物中の着色剤の配合量は、(C)熱硬化成分100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。より好ましくは0.8〜10質量部であり、さらに好ましくは、1〜5質量部である。
なお、着色剤が白色の場合、白色着色剤の配合量は、(C)熱硬化成分100質量部に対して、20質量部以上70質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは、20質量部以上60質量部以下である。
[高分子樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物には、得られる硬化物の可撓性、指触乾燥性の向上を目的に慣用公知の高分子樹脂を配合することができる。高分子樹脂としてはセルロース系、ポリエステル系、フェノキシ樹脂系、ポリビニルアセタール系、ポリビニルブチラール系、ポリアミド系、ポリアミドイミド系バインダーポリマー、ブロック共重合体、エラストマー、ゴム粒子等が挙げられる。バインダーポリマーは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
高分子樹脂を配合することにより、硬化性樹脂組成物の溶融粘度が上昇し、露光後加熱時において、スルーホール部分の樹脂の流動性を抑止することができる。その結果、スルーホール上に凹みのみられない平坦な基板を作製できる。
上記高分子樹脂の添加量は、上記(C) 熱硬化成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは1〜30質量部、特に好ましくは、5〜30質量部である。高分子樹脂の配合量が、50質量部を超えた場合、硬化性樹脂組成物の現像性の悪化やデスミア耐性の悪化が懸念されるため好ましくない。
[ブロック共重合体]
ブロック共重合体とは、性質の異なる二種類以上のポリマーが、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体のことである。
本発明で用いるブロック共重合体としてはA−B−A、あるいはA−B−A’型ブロック共重合体が好ましい。A−B−AあるいはA−B−A’型ブロック共重合体のうち、中央のBがソフトブロックでありガラス転移点Tgが低く、好ましくは0℃未満であり、その両外側A又はA’がハードブロックでありTgが高く、好ましくは0℃以上のポリマー単位により構成されているものが好ましい。ガラス転移点Tgは示差走査熱量測定(DSC)により測定される。
また、A−B−AあるいはA−B−A’型ブロック共重合体のうち、A又はA’がTgが50℃以上のポリマー単位からなり、BがTgが−20℃以下であるポリマー単位からなるブロック共重合体がさらに好ましい。
また、A−B−AあるいはA−B−A’型ブロック共重合体のうち、A又はA’が上記(C) 熱硬化成分との相溶性が高いものが好ましく、Bが上記(C) 熱硬化成分との相溶性が低いものが好ましい。このように、両端のブロックがマトリックスに相溶であり、中央のブロックがマトリックスに不相溶であるブロック共重合体とすることで、マトリックス中において特異的な構造を示しやすくなると考えられる。
A又はA’として、ポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)などを含むことが好ましく、Bとしてポリn−ブチルアクリレート(PBA)、ポリブタジエン(PB)などを含むことが好ましい。また、A又はA’成分の一部にスチレンユニット、水酸基含有ユニット、カルボキシル基含有ユニット、エポキシ含有ユニット、N置換アクリルアミドユニット等に代表される前述に記載したマトリックスと相溶性に優れる親水性ユニットを導入し、更に相溶性を向上させることが可能となる。
また本発明に用いるブロック共重合体としては3元以上のブロック共重合体が好ましく、リビング重合法により合成された分子構造が精密にコントロールされたブロック共重合体が本発明の効果を得る上でより好ましい。これは、リビング重合法により合成されたブロック共重合体は分子量分布が狭く、それぞれのユニットの特徴が明確になったためであると考えられる。用いるブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は3以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、更に好ましくは2.0以下である。
上記のような(メタ)アクリレートポリマーブロックを含むブロック共重合体は、例えば、特開2007−516326号、特開2005−515281号明細書記載の方法、特に、下記式(1)〜(4)のいずれかで表されるアルコキシアミン化合物を開始剤としてY単位を重合した後に、X単位を重合することにより好適に得ることができる。
Figure 2015197471
(式中、nは2を表し、Zは、2価の有機基を表し、好ましくは、1,2−エタンジオキシ、1,3−プロパンジオキシ、1,4−ブタンジオキシ、1,6−ヘキサンジオキシ、1,3,5−トリス(2−エトキシ)シアヌル酸、ポリアミノアミン、例えばポリエチレンアミン、1,3,5−トリス(2−エチルアミノ)シアヌル酸、ポリチオキシ、ホスホネートまたはポリホスホネートの中から選択されるものである。Arは2価のアリール基を表す。)
ブロック共重合体の重量平均分子量は好ましくは20,000〜400,000、より好ましくは50,000〜300,000の範囲である。重量平均分子量が20,000未満であると、目的とする強靭性、柔軟性の効果が得られず、硬化性樹脂組成物をドライフィルム化した時や基材に塗布し仮乾燥した時のタック性にも劣る。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、印刷性、加工性が著しく悪くなることがある。重量平均分子量が50000以上であると、外部からの衝撃に対する緩和性において優れた効果が得られる。
ブロック共重合体は、冷熱サイクル時のクラック耐性に優れ、硬化後の反りを抑制できるため好ましい。また、ブロック共重合体は、スルーホール上の凹みを抑制して、表面が平坦な基材を作成できるため特に好ましい。そして、ブロック共重合体と無機充填剤を組み合わせることにより、さらに、冷熱サイクル時のクラック耐性を向上できる。
[エラストマー]
本発明の硬化性樹脂組成物には、官能基を有するエラストマーを添加することができる。官能基を有するエラストマーを加えることで、コーティング性が向上し、硬化被膜の強度も向上することが期待できる。また、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステルウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステルアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等を用いることができる。また、種々の骨格を有するエポキシ樹脂の一部又は全部のエポキシ基を両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリロニトリルゴムで変性した樹脂なども使用できる。さらには、エポキシ含有ポリブタジエン系エラストマー、アクリル含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有イソプレン系エラストマーなども使用することができる。また、これらのエラストマーは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
[ゴム粒子]
ゴム粒子は、架橋構造を有する高分子等の有機物から形成された粒子状のものであればどのようなものでもよいが、例えばアクリロニトリルブタジエンの共重合物として、アクリロニトリルとブタジエンとを共重合した架橋NBR粒子;アクリロニトリルとブタジエンとアクリル酸等のカルボン酸とを共重合したもの;架橋ポリブタジエン、架橋シリコンゴム、又はNBRをコア層とし、架橋アクリル樹脂をシェル層とした、いわゆるコアシェル構造の架橋ゴム粒子(「コア−シェルゴム粒子」ともいう);が挙げられる。
なかでも、分散性の制御、粒子サイズの安定性の点から、コアシェル構造の架橋ゴム粒子が好ましく、架橋アクリル樹脂をシェル層とし、架橋ポリブタジエン又は架橋シリコンゴムをコア層としたコアシェル構造の架橋ゴム粒子がより好ましい。
架橋NBR粒子とは、アクリロニトリル、ブタジエンを共重合させ、かつ共重合する段階で、部分的に架橋させ、粒子状にしたものである。またアクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸を併せて共重合することにより、カルボン酸変性架橋NBR粒子を得ることも可能である。
架橋ブタジエンゴム−架橋アクリル樹脂のコア−シェルゴム粒子は、乳化重合でブタジエン粒子を重合させ、引き続きアクリル酸エステル、アクリル酸等のモノマーを添加して重合を続ける二段階の重合方法で得ることができる。
架橋シリコンゴム−架橋アクリル樹脂のコア−シェルゴム粒子は、乳化重合でシリコン粒子を重合させ、引き続きアクリル酸エステル、アクリル酸等のモノマーを添加して重合を続ける二段階の重合方法で得ることができる。
ゴム粒子の大きさは、一次平均粒子径で1μm以下であり、50nm〜1μmにすることが好ましい。一次平均粒子径で1μmを超えると、接着力の低下や、微細配線での絶縁信頼性を損なってしてしまう。ここでいう「一次平均粒子径」とは、凝集した粒子径、つまり二次粒子径ではなく、凝集していない単体での粒子径をいう。
また、当該一次平均粒子径は、例えば、レーザ回折式粒度分布計により測定して求めることができる。
上記のようなゴム粒子は、単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ゴム粒子の含有量は、樹脂組成物中50質量%以下であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
例えば、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子の市販品としては日本合成ゴム株式会社製のXER−91が挙げられる。ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子はロームアンドハース株式会社製のパラロイドEXL2655やガンツ化成工業株式会社のAC−3832が挙げられる。架橋シリコンゴム−アクリル樹脂のコア−シェルゴム粒子は、旭化成ワッカーシリコーン(株)製GENIOPERL P52が挙げられる。
ゴム粒子を用いることにより、冷熱サイクル時のクラック耐性を向上させることができる。
[無機充填剤]
上記硬化性樹脂組成物は、無機充填剤を含有することが好ましい。無機充填剤は、硬化性樹脂組成物の硬化物の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上させるために使用される。無機充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、無定形シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ノイブルグシリシャスアース等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒径(D50)は1μm以下であることが好ましく、0.7μm以下であることがより好ましく、0.5μmであることがさらに好ましい。平均粒径が1μmを超える場合、パターン層が白濁する恐れがあるため、好ましくない。無機充填剤の平均粒径(D50)の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上である。ここで、平均粒径(D50)とは、平均一次粒径を意味する。
平均粒径(D50)は、レーザー回折/散乱法により測定することができる。平均粒径が上記範囲にあることにより、屈折率が樹脂成分と近くなり、透過性が向上し、光照射による光塩基発生剤からの塩基の発生効率が上昇する。無機充填剤と、アルカリ現像性樹脂との屈折率差は、0.3以下であることが好ましい。屈折率差を0.3以下とすることにより、光の散乱を抑えて、良好な深部硬化性を得ることができる。ここで、無機充填剤の屈折率は、1.4以上1.8以下であることが好ましい。なお、無機充填剤の屈折率は、JIS K 7105に準拠して測定することができる。
無機充填剤の配合割合は、上記硬化性樹脂組成物の全固形分を基準として20質量%以上80質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以上80質量%以下である。無機充填剤の配合割合が80質量%を超えると、組成物の粘度が高くなり、塗布性が低下したり、硬化性樹脂組成物の硬化物が脆くなることがある。
ラジカル反応により、硬化が進行する組成物では、無機充填剤の含有量が増加した場合、解像性が低下するが、本発明では、発生した塩基による硬化反応であるため、無機充填剤の含有量が増加した場合でも、良好な解像性を維持できる。
また、無機充填剤の比重は、3以下であることが好ましく、より好ましくは2.8以下であり、さらにより好ましくは2.5以下である。無機充填剤の比重が3以下であることにより、熱膨張を抑えることができる。3以下の無機充填剤としては、例えば、シリカと水酸化アルミニウムが挙げられ、シリカが特に好ましい。
無機充填剤の形状としては、不定形、針状、円盤状、りん片、球状、中空状などが挙げられる。ここで、組成物中に高い割合で配合可能な点から、球状が好ましい。そして、無機充填剤は耐湿性を向上させるため、シランカップリング剤等の表面処理剤で処理されていることが更に好ましい。
また、無機充填剤を含有することにより、冷熱サイクル時のクラック耐性を向上させることができる。無機充填剤を多量に含有することにより、硬化後の反りを抑制することもできる。
本発明では、硬化物の熱膨張係数(CTE)が、50ppm以下であることが好ましく、より好ましくは、30ppm以下であり、さらにより好ましくは、20ppm以下である。
[有機溶剤]
本発明の硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物の調製のためや、基材やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のために、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
[光重合性モノマー]
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で光重合性モノマーを含んでいてもよい。しかしながら、樹脂組成物硬化後の反りを考慮すると、光重合性モノマーの使用量は最小限とし、できる限り使用しないことが好ましい。
光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンオキシド誘導体のモノ又はジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキシド或いはプロピレンオキシド付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリジジルエーテルの(メタ)アクリレート類;及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
光重合性モノマーの配合量は、硬化性樹脂組成物の溶剤を除く固形分を基準として、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、30質量%以下であり、さらにより好ましくは、15質量%以下である。光重合性モノマーの配合量が50質量%を超える場合、硬化収縮が大きくなるため、反りが大きくなる可能性がある。また、光重合性モノマーが(メタ)アクリレート由来の場合、エステル結合を含む。この場合、デスミア処理によって、エステル結合の加水分解が起こるため、電気特性が低下する可能性がある。
[潜在性塩基]
本発明では、潜在性塩基を配合することができる。潜在性塩基を含有することにより、光照射後の加熱時間を短縮できる。潜在性塩基としては、イミダゾール系が挙げられる。
イミダゾール系化合物(B)としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−sトリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(1B2PZ)、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシ−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシ−1,3,5−トリアジン イソシアヌル酸付加物又はこれらの有機酸塩類などが挙げられる。
潜在性塩基の含有率は、組成物の全固形分100質量部を基準として、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜7質量%である。
なお、本発明においては、上記イミダゾール系化合物以外にも、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミンなどの第3級アミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、有機酸塩類、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類などを用いることができ、これらと共にアミン類、酸無水物、アミノポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三弗化ホウ素アミンコンプレックス、ノボラック樹脂、ジシアンジアミド、酸ヒドラジド、カルボキシル基含有化合物などを組み合わせて使用することができる。
[チオール化合物]
本発明では、チオール化合物を配合することができる。チオール化合物を含有することにより、基板上の銅回路との密着性に優れた硬化膜を得ることができる。
チオール化合部物として、1−ブタンチオール、ブチル−3−メルカプトプロピオネート、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2,2−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4−メチルベンゼンチオール、ドデシルメルカプタン、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、1−オクタンチオール、シクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール、チオグリセロール、4,4−チオビスベンゼンチオール等が挙げられる。
チオール化合物として多官能性メルカプタン系化合物も用いることができる。多官能性メルカプタン系化合物としては、例えば、ヘキサン−1,6−ジチオール、デカン−1,10−ジチオール、ジメルカプトジエチルエーテル、ジメルカプトジエチルスルフィド等の脂肪族チオール類、キシリレンジメルカプタン、4,4’−ジメルカプトジフェニルスルフィド、1,4−ベンゼンジチオール等の芳香族チオール類;エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、ポリエチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、プロピレングリコールビス(メルカプトアセテート)、グリセリントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(メルカプトアセテート)等の多価アルコールのポリ(メルカプトアセテート)類;エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、グリセリントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等の多価アルコールのポリ(3−メルカプトプロピオネート)類;1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリリトールテトラキス(3−メルタプトブチレート)等のポリ(メルカプトブチレート)類等が挙げられる。
これらの市販品としては、例えばBMPA、MPM、EHMP、NOMP、MBMP、STMP、TMMP、PEMP、DPMP、及びTEMPIC(以上、堺化学工業(株)製)、カレンズMT−PE1、カレンズMT−BD1、及びカレンズ−NR1(以上、昭和電工(株)製)等を挙げることができる。
また、チオール化合物としてメルカプト基を有する複素環化合物も用いることができる。メルカプト基を有する複素環化合物としては、例えば、メルカプト−4−ブチロラクトン(別名:2−メルカプト−4−ブタノリド)、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−メトキシ−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−エトキシ−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−メチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−(2−メトキシ)エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−(2−エトキシ)エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−メチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−(2−メトキシ)エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−(2−エトキシ)エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、2−メルカプト−6−ヘキサノラクタム、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットF)、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットDB)、及び2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットAF)等が挙げられる。
特に、硬化性樹脂組成物の現像性を損なうことがないことから、メルカプトベンゾチアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾールが好ましい。これらのチオール化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他、3−メルカプトプロピルメチルメトキシシラン(KBM−802、信越化学社)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学社)でもよい。
チオール化合物の配合量は、(C) 熱硬化成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部がさらにより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じてさらに、メルカプト化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
また、上記の硬化性樹脂組成物には、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、シランカップリング剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
また、硬化性成分として、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の硬化性樹脂等を配合してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板の硬化被膜の形成に有用であり、特に永久被膜の形成に有用であり、中でもソルダーレジスト、カバーレイ、層間絶縁層、スルーホール用穴埋めの材料として有用である。なお、本発明の硬化性樹脂組成物は、ソルダーダムの形成に使用してもよい。
[パターン形成方法]
本発明の硬化性樹脂組成物は、基材に硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程(A)、ネガ型のパターン状の光照射にて硬化性樹脂組成物に含まれる光塩基発生剤を活性化して光照射部を硬化する工程(B)、及び現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(C)により、パターン形成される。すなわち、パターン状の光照射により硬化性樹脂組成物の光照射部内に塩基を発生させることにより、光照射部を硬化させる。その後、アルカリ水溶液にて現像することで、未照射部を除去し、所望の形状のネガ型の硬化被膜が形成される。
ここで、本発明では、工程(B)の後、樹脂層を加熱する工程(B1)を有することが好ましい。これにより、樹脂層を十分に硬化して、さらに硬化特性に優れたパターン層を得ることができる。
[工程(A)]
図1を参照しつつパターン形成方法を説明する。
図1中、工程(A)は、基材1に、基材1に設けられた銅による回路2を覆うように硬化性樹脂組成物からなる樹脂層3を形成した状態を示している。樹脂層の形成は、液状の硬化性樹脂組成物を基材1上に、塗布、乾燥する方法や、硬化性樹脂組成物をドライフィルムにしたものを基材1上にラミネートする方法によることができる。
硬化性樹脂組成物の基材1への塗布方法は、ブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の公知の方法を適宜採用することができる。また、乾燥方法は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等、蒸気による加熱方式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触させる方法、およびノズルより支持体に吹き付ける方法等、公知の方法が適用できる。
基材1としては、予め回路形成されたプリント配線基材やフレキシブルプリント配線基材の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・PPO・シアネート等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基材、セラミック基材、ウエハ基材等を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法及びノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
[工程(B)]
工程(B)は、樹脂層3上に所望の形状を有するフォトマスクを配置し、フォトマスク上部より、矢印X方向に光照射して樹脂層をネガ型のパターン状に硬化する工程である。同工程では、硬化性樹脂組成物に含まれる光塩基発生剤を活性化して光照射部を硬化する。さらに、光照射部で発生した塩基により、光塩基発生剤が不安定化し、さらに塩基が発生すると考えられる。発生した塩基が順次化学的に増殖することにより、光照射部の深部まで十分硬化できる。また、かかる態様においては、接触式(又は非接触方式)により、パターン状のフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくは直接描画装置により直接パターン露光する。
光照射に用いられる光照射機としては、レーザー光、水銀ランプ光、LED光を照射可能な露光もしくは直接描画装置を用いることができる。直接描画装置としては、例えば、日本オルボテック社製、日立ビア、オーク製作所、大日本スクリーン等のものを使用することができ、最大波長が350〜410nmのレーザー光又はUV-レーザー、LEDを発振する装置であればいずれの装置を用いてもよい。
パターン状のフォトマスクは、ネガ型のマスクを用いることができる。
活性エネルギー線としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光又は散乱光を用いることが好ましい。最大波長をこの範囲とすることにより、効率よく硬化性樹脂組成物の熱反応性を向上させることができる。この範囲のレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーのいずれでもよい。また、その光照射量は膜厚等によって異なるが、一般には100〜1500mJ/cm、好ましくは300〜1000mJ/cmの範囲内とすることができる。
[工程(B1)]
上記工程(B)において、光照射により光塩基発生剤より塩基が発生、増殖し、光照射部の深部まで硬化が進んだ後、更に加熱により光照射部を硬化することが好ましい。本願発明ではこれを工程(B1)のPEB(Post Exposure Bake)工程という。
これにより、工程(b)で発生した塩基が硬化剤として(C)熱硬化成分に対して付加反応することより、更に硬化が進むと考えられる。
工程(B1)の加熱温度は、硬化性樹脂組成物のうち光照射部は熱硬化するが、未照射部は熱硬化しない温度であることが好ましい。
例えば、工程(B1)は、未照射の硬化性樹脂組成物の発熱開始温度又は発熱ピーク温度よりも低く、かつ、光照射した硬化性樹脂組成物の発熱開始温度又は発熱ピーク温度よりも高い温度で加熱することが好ましい。このように加熱することにより、光照射部のみを選択的に硬化することができる。
ここで、加熱温度は、例えば、70〜140℃である。加熱温度を70℃以上とすることにより、光照射部を十分に硬化できる。一方、加熱温度を140℃以下とすることにより、光照射部のみを選択的に硬化できる。加熱時間は、例えば、10〜100分である。加熱方法は、上記乾燥方法と同様である。
図1中、工程(B1)として、光照射後、樹脂層3からフォトマスク4を剥離した状態にて示されている。樹脂層3の光照射部3aは硬化し、未照射部3bでは、光塩基発生剤から塩基が発生しないため、熱硬化が抑制されて未硬化である。
[工程(C)]
工程(C)は、現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程である図1では、現像により未照射部3bが既に除去されて、回路2が露出した状態が示されている。
現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等公知の方法によることができる。また、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エタノールアミンなどのアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。
環境への配慮から、本発明の樹脂組成物はpH12未満の現像液により現像可能であることが好ましい。
[工程(D)]
上記パターン形成方法は、工程(C)の後に、さらに、紫外線照射工程(D)を含むことが好ましい。すなわち、工程(C)の後にさらに樹樹脂層上方より矢印X方向に紫外線照射を行うことで、光照射時に活性化せずに残った光塩基発生剤を活性化させて、これを光開始剤として用いることができる。なお、硬化性樹脂組成物調製の段階で、光塩基発生剤の他に、更に別の公知光開始剤を添加しておいてもよい。紫外線照射工程(D)における紫外線の波長および光照射量(露光量)は、工程(B)と同じであってもよく、異なっていてもよい。好適な光照射量(露光量)は、150〜2000mJ/cmである。
[工程(E)]
上記パターン形成方法は、工程(C)の後に、さらに、熱硬化(ポストキュア)工程(E)を含むことが好ましい。
工程(C)の後に工程(D)と工程(E)をともに行う場合、工程(E)は、工程(D)の後に行うことが好ましい。
工程(E)は、工程(B)、または工程(B)および工程(D)により光塩基発生剤から発生した塩基により、パターン層を十分に熱硬化させる。工程(E)の時点では、未照射部3bが既に除去されているため、工程(E)は、未照射の硬化性樹脂組成物の硬化反応開始温度以上の温度で行うことができる。これにより、パターン層を十分に熱硬化させることができる。加熱温度は、例えば、160℃以上である。
[工程(F)]
上記パターン形成方法は、さらに、レーザー加工工程(F)を含んでもよい(図示せず)。レーザー加工により微細な開口部を形成することができる。レーザーは、UVレーザー、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザーなど公知のレーザーを用いることができる。
工程(F)は、工程(C)の後、又は、工程(D)、(E)を含む場合は、工程(D)、(E)の後に行うことが好ましい。
[工程(G)]
本発明のパターン形成方法は、用途によりさらに、工程(F)後、デスミア工程(G)を含むことが好ましい(図示せず)。
工程(G)は、スミアを膨潤させて除去されやすくするためのスミア膨潤工程、スミアを除去する除去工程、および除去工程で使用されたデスミア液から生じるスラッジを中和する中和工程を含む。
膨潤工程は、水酸化ナトリウム等のアルカリ薬液を用いて行うもので、デスミア薬液によるスミア除去を容易にするものである。
除去工程は、重クロム酸や過マンガン酸等の酸化剤を含む酸性薬液を用いてスミアを除去する。
中和工程は、水酸化ナトリウム等のアルカリ薬液を用いて、除去工程で使用した酸化剤を還元、除去する。
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例、比較例によって制限されるものではない。
(実施例1〜17、及び比較例1〜3)
<硬化性樹脂組成物の調製>
下記表1,2に記載の実施例1〜17及び比較例1〜3の組成による材料をそれぞれ配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。表中の値は、特に断りが無い限り、質量部である。
<樹脂層を備えるプリント配線基材(評価基板1)の作製>
銅厚15μmで回路が形成されている板厚0.4mmの両面プリント配線基材を用意し、メック社製、メックエッチボンドCZ−8100を使用して、前処理(マイクロエッチング)を行った。その後、ロールコーター(ファーネス社製)を用い、上記のように前処理を行ったプリント配線基材に実施例1〜13、及び比較例1〜3で得られた硬化性樹脂組成物を乾燥後で20μmになるように両面塗布した。その後、熱風循環式乾燥炉にて80℃/30minにて乾燥し、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。各実施例及び比較例ごとの未硬化サンプルを有する評価基板1が得られた。
この未硬化サンプルに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)にてネガ型のパターン状に照射量を1000mJ/cmの積算光量で光照射した。その後、加熱炉にて80℃、30分の加熱(PEB)を行った。最後に、1.0wt%炭酸ナトリウム水溶液に、サンプルを浸漬して3分間現像を行った。
(i)パターン形成性評価
パターン形成性の評価基準は以下の通りである。
◎…光照射部表面に現像液によるダメージがなく、また未照射部が現像可能な状態。
○…光照射部表面に現像液によるダメージがあるが、未照射部が現像可能な状態。
×…1.0wt%炭酸ナトリウムにて現像不可能な状態。
(ii)現像性評価
現像性の評価基準は以下の通りである。
◎…未照射部に現像残渣が見られない状態。
○…未照射部が膨潤剥離であるが現像可能な状態
×1…現像不可能な状態。
×2…未照射部に現像残渣が発生。
<樹脂層を備える銅箔基板(評価基板2)の作製>
下記表1に記載の実施例1〜17及び比較例1〜3の組成による材料から得られた硬化性樹脂組成物を、銅箔基板上に、スクリーン印刷により乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した。これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。各実施例及び比較例ごとの未硬化サンプルを有する評価基板2が得られた。
これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、80mm×10mmの短冊状のネガマスクを通して露光を行った。その後、加熱炉にて80℃、30分の加熱(PEB)を行った後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターンを得た。更に150℃×60分の条件で加熱して硬化した。
(iii)強靭性評価
上記により得られた評価基板2の硬化被膜を銅箔より剥離し、評価を実施した。測定は、引張試験機(島津製作所社製 機種名:AGS-G 100N)を用いて行い、最大点応力または破断点伸び率について評価を行った。評価基準は以下の通りである。
◎…最大点応力80MPa以上、または破断点伸び率6%以上
○…最大点応力70MPa以上80MPa未満、または破断点伸び率4%以上6%未満
△…最大点応力50MPa以上70MPa未満、破断点伸び率2%以上4%未満
×…最大点応力50MPa未満、または破断点伸び率2%未満
上記(i)〜(iii)の評価結果を表1,2に示す。
Figure 2015197471
Figure 2015197471
※HF−1H60:フェノールノボラック樹脂、明和化成社をシクロヘキサノンで溶解、固形分60%。
※ジョンクリル568H60:スチレンアクリル酸共重合樹脂、ジョンソンポリマー社、シクロヘキサノンで溶解、固形分60%。
※R−2000:カルボキシル基含有感光性樹脂 、DIC 社
※WPBG−082:グアニジニウム2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオネート、和光純薬工業社
※IrgOXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、BASFジャパン社
※Irg907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASFジャパン社
※Irg369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、BASFジャパン社
※DEN431:エポキシノボラック樹脂、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー
※828:Bis−A型液状エポキシ樹脂、三菱化学社
※HP−4032:ナフトール型エポキシ樹脂、DIC社
※EPPN−501HDA80:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬社、DA:ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:、固形分80質量%
樹脂(A)が使用された実施例1〜17では、パターニング性、現像性、及び強靭性のすべてにおいて満足な結果が得られている。一方、本発明の樹脂(A)に代えて、カルボキシル基又はアルコール性水酸基のいずれか一方を有するアルカリ現像性樹脂を用いた比較例1〜3では現像性、パターン形成性、強靭性のすべてを同時に満足できないという結果であった。

Claims (6)

  1. (A)フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂、
    (B)光塩基発生剤、及び
    (C)熱硬化成分、
    を含有し、パターン状の光照射により前記(A)水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂と、前記(C)熱硬化成分とが反応し、アルカリ現像によってネガ型のパターン形成が行われることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)水酸基及びカルボキシル基含有樹脂の水酸基当量が、100〜1000g/eq.である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)水酸基及びカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基当量が、100〜2000g/eq.である請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. キャリアフィルムと、前記キャリアフィルム上に形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層とから構成されることを特徴とするドライフィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を光照射後熱硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項1〜3に記載の硬化性樹脂組成物からなる硬化被膜を有することを特徴とするプリント配線板。
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