JP2015196659A - 共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭バンドギャップ化と高いキャリア移動度を両立させた共役系化合物を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物。【化1】(上記一般式(1)中、R1〜R6は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンの中から選ばれる。mおよびnはチオフェン基の繰り返し数を表し、4以上10以下の整数である。)【選択図】なし
Description
本発明は、共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子に関する。
太陽電池は環境に優しい電気エネルギー源として、現在深刻さを増すエネルギー問題に対して有力なエネルギー源と注目されている。現在、太陽電池の光起電力素子の半導体素材としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機物が使用されている。しかし、無機半導体を用いて製造される太陽電池はコストが高いために、一般家庭に広く普及するには至っていない。コスト高の要因は主として、真空かつ高温下で半導体薄膜を製造するプロセスにある。そこで、製造プロセスの簡略化が期待される半導体素材として、共役系化合物や有機結晶などの有機半導体や有機色素を用いた有機太陽電池が検討されている。
しかし、共役系化合物などを用いた有機太陽電池は、従来の無機半導体を用いた太陽電池と比べて光電変換効率が低いことが最大の課題であり、まだ実用化には至っていない。従来の共役系化合物を用いた有機太陽電池の光電変換効率が低いのは、太陽光の吸収効率が低いことや、太陽光によって生成された電子と正孔が分離しにくいエキシトンという束縛状態が形成されることと、キャリア(電子、正孔)を捕獲するトラップが形成されやすいため生成したキャリアがトラップに捕獲されやすく、キャリアの移動度が遅いことなどによる。
これまでの有機半導体による光電変換素子は、現在のところ、電子供与性有機材料(p型有機半導体)と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型、電子受容性有機材料(n型有機半導体)と電子供与性有機材料(p型有機半導体)を接合させるヘテロ接合型に分類することができる。これらの素子は、接合部の有機層のみが光電流生成に寄与するため光電変換効率が低く、その向上が課題となっている。
光電変換素子の光電変換効率を向上させるための一つの方法として、電子受容性有機材料(n型有機半導体)と電子供与性有機材料(p型有機半導体)を混合することで、光電変換に寄与する接合面を増加させたバルクヘテロ接合型とする方法がある。なかでも、電子供与性有機材料(p型有機半導体)として共役系化合物を用い、電子受容性有機材料としてn型の半導体特性をもつ共役系化合物、C60などのフラーレンやフラーレン誘導体等を用いたバルクへテロ接合型光電変換素子が報告されている。
ところで、太陽光スペクトルの広い範囲にわたる放射エネルギーを効率よく吸収し、光電変換効率を向上させるためには、バンドギャップを狭めた電子供与性有機材料が有用である(例えば、非特許文献1および2参照)。このような狭バンドギャップ電子供与性有機材料を得るための構成骨格として、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール構造は効果的に共役系化合物のバンドギャップを狭めることができると知られており、これまでに多数の誘導体が合成されている(例えば、特許文献1および2、非特許文献3〜7参照)。
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しかしながら、これまでのベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を用いた共役系化合物においては、狭バンドギャップ化によって長波長領域の光を吸収できるようになるものの、キャリア移動度が低いことが問題となっていた。本発明は狭バンドギャップ化と高いキャリア移動度を両立させた共役系化合物を提供することを目的とする。
ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有する共役系化合物の合成を鋭意検討した結果、狭いバンドギャップを保ちながら、キャリア移動度を向上できる化学構造を見出した。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力用素子用材料および光起電力素子である。
(上記一般式(1)中、R1〜R6は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンの中から選ばれる。mおよびnはチオフェン基の繰り返し数を表し、4以上10以下の整数である。)
本発明によれば、バンドギャップが狭く、キャリア移動度が高い共役系化合物が得られ、光起電力素子に適した電子供与性有機材料を提供することができる。
本発明の共役系化合物は一般式(1)で表わされる構造を有する。
上記一般式(1)中、R1〜R6は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンの中から選ばれる。共役系化合物の有機溶媒に対する溶解性を高めるため、R1〜R6はアルキル基であることが望ましい。
ここでアルキル基とは例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基のような飽和脂肪族炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもかまわない。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基やアリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。アルキル基の炭素数は共役系化合物の溶解性向上の観点からは6以上が好ましく、光吸収効率をより高くするためには12以下が好ましい。
また、アルコキシ基とは例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アルコキシ基の好ましい炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、下記アリール基やヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、アリール基とは例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ターフェニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ペリレニル基などの芳香族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アリール基の炭素数は、加工性の観点から6以上が好ましく、15以下が好ましい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基や、下記ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、ヘテロアリール基とは例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリニル基、イソキノリル基、キノキサリル基、アクリジニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾジチオフェン基、シロール基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基などの炭素以外の原子を有する複素芳香環基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ヘテロアリール基の炭素数は、上記アリール基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、アリール基や、下記ハロゲンが挙げられる。
また、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかである。安定性の観点から、フッソが好ましく用いられる。
上記一般式(1)中、mおよびnはチオフェン基の繰り返し数を表し、同じでも異なっていても良く、4以上10以下の整数である。ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格とチオフェン骨格を組み合わせることによって、キノイド型の共鳴構造が形成され、効果的にバンドギャップを狭めることができる。また、チオフェンの繰り返し数を4以上とするオリゴチオフェンとベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を結合することで、高いキャリア移動度も両立させることができる。チオフェンの繰り返し数は、合成の容易さという観点から、4以上6以下が好ましい。
本発明の一般式(1)で表される構造を含む共役系化合物は、狭いバンドギャップと高いキャリア移動度を高度に両立させることができるため、光電変換素子の電子供与性有機材料として好ましく用いられる。
上記一般式(1)で表される構造を含む共役系化合物として、具体的には下記のような構造が挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物は、さらに2価の連結基を含む共重合体であってもかまわない。共役系重合体全体に対して、2価の連結基は40重量%以下であることが、キャリア移動度を保つために好ましい。一般式(1)で表される構造を含む共重合体としては、例えば以下のような構造が挙げられる。
なお、上記中nは重合度を示し、2以上1,000以下の整数を表す。重合度はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定され、ポリスチレンの標準試料に換算した重量平均分子量から求めることができる。
前述のバルクへテロ接合型光起電力素子における電子供与性有機材料には、狭いバンドギャップと高いキャリア移動度が光電変換効率の向上に必要な特性となる。一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物は、狭いバンドギャップと高いキャリア移動度を両立させることができ、バルクヘテロ接合型光起電力素子における電子供与性有機材料として好ましく用いることができる。
なお、一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物は、例えば前記の非特許文献3に記載されている方法に類似した方法によって合成することができる。
一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物はp型半導体特性を示す電子供与性有機材料であり、本発明の光起電力素子用材料は高い光電変換効率を得るために電子受容性有機材料(n型有機半導体)と組み合わせることが好ましい。
n型半導体特性を示す電子受容性有機材料としては、例えば、フラーレン化合物(C60、C70を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル([PC60BM)やフェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル(PC70BM)を例とするフラーレン誘導体)、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)などが挙げられる。中でも、フラーレン化合物は電荷分離速度と電子移動速度が速いため、好ましく用いられる。フラーレン化合物の中でも、C70誘導体(上記PC70BMなど)は光吸収特性に優れ、より高い光電変換効率を得られるために、より好ましい。
本発明の一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物を用いた電子供与性有機材料と電子受容性有機材料を組み合わせた光起電力素子用材料において、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率(重量分率)は特に限定されないが、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率(ドナーアクセプター比)が、1:99〜99:1の範囲であることが好ましく、より好ましくは10:90〜90:10の範囲であり、さらに好ましくは20:80〜60:40の範囲である。
光電変換効率をより向上させるためには、キャリアのトラップとなるような不純物は極力除去することが好ましい。本発明では、一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物を用いた電子供与性有機材料や、電子受容性有機材料の不純物を除去する方法は特に限定されないが、カラムクロマトグラフィー法、再結晶法、昇華法、再沈殿法、ソックスレー抽出法、GPCによる分子量分画法、濾過法、イオン交換法、キレート法等を用いることができる。一般的に低分子有機材料の精製にはカラムクロマトグラフィー法、再結晶法、昇華法が好ましく用いられる。他方、高分子量体の精製には、低分子量成分を除去する場合には再沈殿法やソクスレー抽出法、GPCによる分子量分画法が好ましく用いられ、金属成分を除去する場合には再沈殿法やキレート法、イオン交換法が好ましく用いられる。これらの方法のうち、複数を組み合わせてもよい。
次に、本発明の光起電力素子について説明する。本発明の光起電力素子は、少なくとも正極と負極を有し、これらの間に本発明の光起電力素子用材料を含む。図1は本発明の光起電力素子の一例を示す模式図である。図1において符号1は基板、符号2は正極、符号3は本発明の光起電力素子用材料を含む有機半導体層、符号4は負極である。
有機半導体層3は本発明の光起電力素子用材料を含む。すなわち、一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物を用いた電子供与性有機材料および電子受容性有機材料を含む。光起電力素子の有機発電層である有機半導体層3が電子供与性有機材料と電子受容性材料を含む場合、これらの材料は混合されていても積層されていても良いが、混合されていることが好ましい。電子供与性有機材料と電子受容性有機材料を混合することにより、光電変換に寄与する電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の接合面を増加させるバルクヘテロ接合型光起電力素子はより好ましい。このバルクヘテロ接合型の有機発電層である有機半導体層3においては、一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物を用いた電子供与性有機材料と電子受容性有機材料がナノメートルのサイズで相分離していることが好ましい。この相分離構造のドメインサイズは特に限定されるものではないが、通常1nm以上50nm以下である。
本発明の光起電力素子においては、正極2もしくは負極4のいずれかに光透過性を有することが好ましい。電極の光透過性は、有機半導体層3に入射光が到達して起電力が発生する程度であれば、特に限定されるものではない。ここで、本発明における光透過性は、[透過光強度(W/m2)/入射光強度(W/m2)]×100(%)で求められる値である。電極の厚さは光透過性と導電性とを有する範囲であればよく、電極素材によって異なるが20nm〜300nmが好ましい。なお、もう一方の電極は導電性があれば必ずしも光透過性は必要ではなく、厚さも特に限定されない。
電極素材としては、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、アルミニウム、インジウム、クロム、ニッケル、コバルト、スカンジウム、バナジウム、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、などの金属のほか、インジウム、スズ、モリブデン、ニッケルなどの金属酸化物、複合金属酸化物(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)など)、アルカリ金属やアルカリ土類金属、具体的にはリチウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、なども好ましく用いられる。さらに、上記の金属からなる合金や上記の金属の積層体からなる電極も好ましく用いられる。また、グラファイト、グラファイト層間化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体を含む電極も好ましく用いられる。このとき少なくとも正極、及び、負極の一方が透明又は半透明であることが好ましい。また、上記の電極材料は2種以上の材料から成る混合層、及び、積層構造であってもよい。
ここで、正極2に用いられる導電性素材は、有機半導体層3とオーミック接合するものであることが好ましい。さらに、後述する正孔輸送層を用いた場合においては、正極2に用いられる導電性素材は正孔輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。また、負極4に用いられる導電性素材は、有機半導体層3または電子輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。ここで、接合を改善する方法として、負極に電子取り出し層としてフッ化リチウム(LiF)やフッ化セシウムなどの金属フッ化物を導入する方法が挙げられる。電子取り出し層の導入によって取り出し電流を向上させることが可能である。
基板1は、光電変換材料の種類や用途に応じて、電極材料や有機半導体層が積層できる基板、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミニウム、鉄、銅、およびステンレスなどの合金、等の無機材料、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレンポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂等の有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。また基板側から光を入射して用いる場合は、上記に示した各基板に80%以上の光透過性を持たせておくことが好ましい。
本発明では、正極2と有機半導体層3の間に正孔輸送層を設けてもよい。正孔輸送層を形成する材料としては、ポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール重合体、ポリアニリン重合体、ポリフラン重合体、ポリピリジン重合体、ポリカルバゾール重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(H2Pc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体、アセン系化合物(テトラセン、ペンタセンなど)などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、グラフェンや酸化グラフェンなどの炭素化合物、MoO3などの酸化モリブデン(MoOx)、WO3などの酸化タングステン(WOx)、NiOなどの酸化ニッケル(NiOx)、V2O5などの酸化バナジウム(VOx)、ZrO2などの酸化ジルコニウム(ZrOx)、Cu2Oなどの酸化銅(CuOx)、ヨウ化銅、RuO4などの酸化ルテニウム(RuOx)、Re2O7などの酸化ルテニウム(ReOx)などの無機化合物が好ましく用いられる。特に、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたもの、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステンが好ましく用いられる。また、上記正孔輸送層は単独の化合物から成る層であっても良いし、2種以上の化合物から成る混合層、及び、積層構造であってもよい。また、正孔輸送層は5nmから600nmの厚さが好ましく、より好ましくは10nmから200nmである。
また、本発明の光起電力素子は、有機半導体層3と負極4の間に電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層を形成する材料として、特に限定されるものではないが、n型半導体特性を示す有機材料が好ましく用いられる。
次に、本発明の光起電力素子の製造方法について例を挙げて説明する。基板上にITOなどの透明電極(この場合正極に相当)をスパッタリング法などにより形成する。一般式(1)で表される構造を有する共役系化合物を用いた電子供与性有機材料、および必要により電子受容性有機材料を含む光電変換素子用材料を溶媒に溶解させて溶液を作り、透明電極上に塗布し有機半導体層を形成する。
このとき用いられる溶媒は、有機半導体が溶媒中に適当に溶解、または分散できるものであれば特に限定されないが、有機溶媒が好ましい。
有機半導体層の形成には、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法など何れの方法を用いてもよく、膜厚制御や配向制御など、得ようとする有機半導体層特性に応じて形成方法を選択すればよい。
次に、有機半導体層上にAlなどの金属電極(この場合負極に相当)を真空蒸着法やスパッタ法により形成する。金属電極は、電子輸送層に低分子有機材料を用いて真空蒸着した場合は、引き続き、真空を保持したまま続けて形成することが好ましい。
正極と有機半導体層の間に正孔輸送層を設ける場合には、所望のp型有機半導体材料(PEDOTなど)を正極上にスピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法等で塗布した後、真空恒温槽やホットプレートなどを用いて溶媒を除去し、正孔輸送層を形成する。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた真空蒸着法を適用することも可能である。
有機半導体層と負極の間に電子輸送層を設ける場合には、所望のn型有機半導体材料(フラーレン誘導体など)n型無機半導体材料(酸化チタンゲルなど)を有機半導体層上にスピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法、スプレー法等で塗布した後、真空恒温槽やホットプレートなどを用いて溶媒を除去し、電子輸送層を形成する。フェナントロリン誘導体やC60などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた真空蒸着法を適用することも可能である。
本発明の共役系化合物は、高いキャリア移動度をいかした有機トランジスタへの応用が可能である。また、光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。例えば光電池(太陽電池など)、電子素子(イメージセンサー、光センサー、光スイッチ)、光記録材(光メモリなど)、撮像素子などに有用である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
下記の測定において、1H−NMR測定はFT−NMR装置((株)日本電子製JEOL JNM−EX270)を用いた。
また、光吸収端波長は、ガラス上に約60nmの厚さに形成した薄膜について、日立製作所(株)製のU−4100型分光光度計を用いて測定した薄膜の紫外可視吸収スペクトル(測定波長範囲:300〜1600nm)から得た。
バンドギャップ(Eg)は下式により、光吸収端波長から算出した。なお、薄膜はクロロホルムを溶媒に用いてスピンコート法により形成した。
Eg(eV)=1240/薄膜の光吸収端波長(nm)
合成例1
化合物(A−1)を式1に示す方法で合成した。なお、合成例1記載の化合物(1−b)はオーガニックレターズ(Organic Letters)、2010年、12巻4470−4473頁に記載されている方法を参考に、化合物(1−e)は前述の非特許文献3に記載されている方法を参考に、化合物(1−f)は国際公開第2009/125647号に記載されている方法を参考にして合成した。
Eg(eV)=1240/薄膜の光吸収端波長(nm)
合成例1
化合物(A−1)を式1に示す方法で合成した。なお、合成例1記載の化合物(1−b)はオーガニックレターズ(Organic Letters)、2010年、12巻4470−4473頁に記載されている方法を参考に、化合物(1−e)は前述の非特許文献3に記載されている方法を参考に、化合物(1−f)は国際公開第2009/125647号に記載されている方法を参考にして合成した。
トリフルオロメタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)25g(0.17mol)に発煙硝酸(和光純薬工業(株)製)2.5g(40mmol)を0℃でゆっくり加え、そのまま5分間撹拌した。次いで、反応混合物に4,7‐ジブロモ‐2,1,3‐ベンゾチアジアゾール(東京化成工業(株)製)4.2g(14mmol)をゆっくり加え、0℃で20分間、50℃で12時間撹拌した。反応混合物をゆっくり氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物をろ取した後、水で洗浄することで、化合物(1−b)を薄黄色固体(4.4g、収率82%)として得た。
上記化合物(1−b)3.45g(9.0mmol)および2‐(tributylstannyl)thiophene(Aldrich社製)7.7g(21mmol)のトルエン溶液80mlに、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒(東京化成工業(株)製)120mgを加え、100℃で8時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をメタノール、次いでヘキサンで洗浄した。テトラヒドロフランより再結晶することで、化合物(1−c)を薄黄色固体(2.3g、収率65%)として得た。化合物(1−c)の1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):7.74(d,J=3.8Hz,2H),7.52(d,J=3.8Hz,2H),7.23(t,J=3,8H,2H)ppm。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):7.74(d,J=3.8Hz,2H),7.52(d,J=3.8Hz,2H),7.23(t,J=3,8H,2H)ppm。
上記化合物(1−c)1.8g(4.7mmol)に酢酸(和光純薬工業(株)製)80mlおよび鉄粉(和光純薬工業(株)製)3.5gを加え、80℃で8時間撹拌した。反応混合物を0℃で水酸化ナトリウム水溶液に注ぎ、中和した。次いで、クロロホルム150mlを加え、室温で10分間撹拌した。不溶物をセライトに通してろ別した後、クロロホルムで3回抽出した。得られたクロロホルム溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。生成物をヘキサンで洗浄することで化合物(1−d)を黄茶色固体(1.18g、収率76%)として得た。化合物(1−d)の1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):7.55(d,J=3.8Hz,2H),7.36(d,J=3.8Hz,2H),7.25(t,J=3.8Hz,2H),4.38(s,4H)ppm。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):7.55(d,J=3.8Hz,2H),7.36(d,J=3.8Hz,2H),7.25(t,J=3.8Hz,2H),4.38(s,4H)ppm。
上記化合物(1−d)1.1g(3.3mmol)のピリジン(和光純薬工業(株)製)溶液15mlに、N−チオニルアニリン(東京化成工業(株)製)850mg(6mmol)、次いでクロロトリメチルクロリド(東京化成工業(株)製)600mg(5.4mmol)を加え、12時間還流した。溶媒を減圧留去した後、残渣をメタノール、アセトン、ついで冷クロロホルムで洗浄し、化合物(B−1)を濃青色固体(880mg、収率74%)として得た。
上記化合物(B−1)360mg(1.0mmol)にクロロホルム250mlを加え、50℃に加熱し溶解させたところに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)374mg(2.1mmol)を50℃で加え、50℃で1時間、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、冷クロロホルムで洗浄することで、化合物(1−e)を濃緑固体(470mg)として得た。得られた生成物はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(1−e)200mg(0.38mmol)にトルエン100mlを加え、90℃に加熱し、溶解させたところに、化合物(1−f)580mg(0.43mmol)、1MK2CO3水溶液10ml、Alquat336(Aldrich社製)3滴、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒(東京化成工業(株)製)50mgを加え、90℃で6時間撹拌した。反応終了後、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。生成物をアセトンで洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(A−1)を黒色固体(345mg、収率62%)として得た。化合物(A−1)の1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):7.92(s,2H),7.1(d,J=4.7Hz,2),6.9−6.3(m,14H),2.71(t,J=7.6Hz,4H),2.70(s,4H),1.7−1.2(m,48H),0.90(m,12H)ppm。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):7.92(s,2H),7.1(d,J=4.7Hz,2),6.9−6.3(m,14H),2.71(t,J=7.6Hz,4H),2.70(s,4H),1.7−1.2(m,48H),0.90(m,12H)ppm。
また、化合物(A−1)の光吸収端波長は1280nm、バンドギャップ(Eg)は0.97eVであった。
合成例2
化合物(B−2)を式2に示す方法で合成した。なお、化合物(2−a)はマクロモレキュルズ(Macromolecules)、2007年、40巻、1981−1986頁に記載されている方法を参考に、化合物(B−2)はアドバンスドマテリアルズ(Advanced Materials)、2011年、23巻、3780−3785頁に記載されている方法を参考にして合成した。
化合物(B−2)を式2に示す方法で合成した。なお、化合物(2−a)はマクロモレキュルズ(Macromolecules)、2007年、40巻、1981−1986頁に記載されている方法を参考に、化合物(B−2)はアドバンスドマテリアルズ(Advanced Materials)、2011年、23巻、3780−3785頁に記載されている方法を参考にして合成した。
化合物(1−e)103mg(0.20mmol)および化合物(2−a)146mg(0.20mmol)にトルエン(和光純薬工業(株)製)8ml、ジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)2ml、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)8mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)20mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)すず(東京化成工業(株)製)60mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。得られた固体をクロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物B−2(144mg)を得た。重量平均分子量は13,000、数平均分子量は9,500であった。また、光吸収端波長は1320nm、バンドギャップ(Eg)は0.94eVであった。
合成例3
化合物(B−3)を式3に示す方法で合成した。なお、化合物(B−3)はアドバンスドマテリアルズ(Advanced Materials)、2011年、23巻、3780−3785頁に記載されている方法を参考にして合成した。
化合物(B−3)を式3に示す方法で合成した。なお、化合物(B−3)はアドバンスドマテリアルズ(Advanced Materials)、2011年、23巻、3780−3785頁に記載されている方法を参考にして合成した。
上記化合物(1−a)103mg(0.20mmol)にトルエン10ml、9,9‐ジ(2−エチルヘキシル)フルオレン‐2,7‐ジボロン酸ビス(1,3‐プロパンジオール)エステル(3−a)のトルエン溶液(0.5M、Aldrich社製、)0.4ml(0.20mmol)、濃度1M炭酸カリウム水溶液3ml、Aliquat336(Aldrich社製)3滴およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業(株)製)15mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で8時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)30mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、フェニルボロン酸(東京化成工業(株)製)60mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。得られた固体をクロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物B−3(108mg)を得た。重量平均分子量は16,000、数平均分子量は10,000であった。また、光吸収端波長は1030nm、バンドギャップ(Eg)は1.20eVであった
実施例1
化合物(A−1)を用いて、図2に示すボトムコンタクト型の有機FET(Field Effect Transistor、電界効果型トランジスタ)素子を以下の手順で作製し、キャリア移動度を測定した。
実施例1
化合物(A−1)を用いて、図2に示すボトムコンタクト型の有機FET(Field Effect Transistor、電界効果型トランジスタ)素子を以下の手順で作製し、キャリア移動度を測定した。
まず、リフトオフ法に基づき、金ソース電極7およびドレイン電極8を形成した。なお、基板/ゲート電極5および絶縁層6は熱酸化膜(膜厚300nm)付きのアンチモンドーピングシリコンウエハー(抵抗率0.02Ωcm以下)であり、酸化されていないシリコン部分は基板であると同時に、ゲート電極としても機能し、表面の熱酸化膜は絶縁層6の役割を担う。次に、熱酸化膜付きのシリコンウエハー上にポジ型レジスト溶液を滴下し、スピナーを用いて塗布した後、90℃のホットプレート上で乾燥し、レジスト膜を形成した。次いで露光機を用いて、フォトマスクを介した紫外線照射をおこなった。次いでレジスト膜の付いたウエハーをアルカリ水溶液に浸漬し、紫外線照射部を除去し、櫛形電極が抜けた形状になっているレジスト膜を作製した。レジスト膜付きのウエハー上にクロムを厚み5nmになるように蒸着し、次いで金を厚み45nmとなるように蒸着した。この金/クロムとレジストの付いたウエハーをアセトン中に浸漬し、超音波洗浄機で超音波照射することによって、レジスト上の金/クロムを除去し、ウエハー上に金の両櫛型電極を形成した。なお、ソース・ドレイン両電極の幅(チャネル幅)は0.5cm、両電極の間隔(チャネル長)は20マイクロメートル、電極高さは50ナノメートルとした。次に、電極が形成された基板上に化合物(A−1)のクロロホルム溶液(濃度5mg/ml)を約0.1ml滴下し、スピンコーティング(1000rpsx30sec)によって厚み50nmの有機半導体層9を形成した。このようにして得られたFET素子を測定チャンバーに移動し、大気中でFETキャリア移動度測定をおこなった。
FETキャリア移動度の測定には、ケースレー社製4200‐SCS半導体特性評価システムを用い、Vgを+50Vから−50Vに変化させたときのVsd=−30VにおけるIdの値の変化から飽和領域のキャリア移動度を求めたところ、6.5X10−3cm2V−1S−1となった。ここで、Idはソース・ドレイン間の電流、Vsdはソース・ドレイン間の電圧、Vgはゲート電圧である。
比較例1
化合物(A−1)の代わりに上記化合物(B−1)を用いた他は実施例1と全く同様にしてFET素子を作製し、キャリア移動度を求めたところ、1.3X10−5cm2V−1S−1となった。
化合物(A−1)の代わりに上記化合物(B−1)を用いた他は実施例1と全く同様にしてFET素子を作製し、キャリア移動度を求めたところ、1.3X10−5cm2V−1S−1となった。
比較例2
化合物(A−1)の代わりに上記化合物(B−2)を用いた他は実施例1と全く同様にしてFET素子を作製し、キャリア移動度を求めたところ2.6X10−4cm2V−1S−1となった。
化合物(A−1)の代わりに上記化合物(B−2)を用いた他は実施例1と全く同様にしてFET素子を作製し、キャリア移動度を求めたところ2.6X10−4cm2V−1S−1となった。
比較例3
化合物(A−1)の代わりに上記化合物(B−3)を用いた他は実施例1と全く同様にしてFET素子を作製し、キャリア移動度を求めたところ、4.3X10−4cm2V−1S−1となった。
化合物(A−1)の代わりに上記化合物(B−3)を用いた他は実施例1と全く同様にしてFET素子を作製し、キャリア移動度を求めたところ、4.3X10−4cm2V−1S−1となった。
上記のように、実施例化合物(A−1)と比較例化合物(B−1〜3)においてはキャリア移動度に明確な差が見られ、化合物(A−1)は長波長領域の光を吸収できるバンドギャップ(Eg<1.0eV)を有し、かつ高いキャリア移動度を示すことがわかる。
1:基板
2:正極
3:有機半導体層
4:負極
5:基板/ゲート電極
6:絶縁層
7:ソース電極
8:ドレイン電極:
9:有機半導体層
2:正極
3:有機半導体層
4:負極
5:基板/ゲート電極
6:絶縁層
7:ソース電極
8:ドレイン電極:
9:有機半導体層
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