JP2023031215A - 共役系重合体、共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子 - Google Patents

共役系重合体、共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子 Download PDF

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修平 山本
Shuhei Yamamoto
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Itaru Ozaka
慎彦 斎藤
Masahiko Saito
直哉 中尾
Naoya Nakao
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Abstract

【課題】光電変換効率が高い光起電力素子を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子。TIFF2023031215000035.tif46115(上記一般式(1)中、Ra、Rb及びR3~R6はH、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基又はヘテロアリール基。Ra及びRbは縮環してアリール環又はヘテロアリール環を形成していてもよい。Aはアリーレン基またはヘテロアリーレン基。x及びyは0以上4以下の整数。nは重合度を示し、2以上1,000以下の範囲を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、共役系重合体、共役系化合物、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子に関する。
太陽電池は、循環型社会の実現に貢献するエネルギー源として大きな注目が集まっている。現在、太陽電池などの光起電力素子に用いられる半導体材料としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機物が使用されている。しかしながら、無機半導体を用いて製造される太陽電池は、製造コストが高いことが一つの原因で、広く普及するには至っていない。コスト高の要因は、主として真空かつ高温下で半導体薄膜を形成するプロセスにある。そこで、製造プロセスの簡略化が期待される半導体材料として、共役系高分子や有機結晶などの有機半導体や有機色素を用いた有機太陽電池が開発されている。このような有機太陽電池においては、半導体材料層を塗布法で作製することが可能なため、製造プロセスを大幅に簡略化することができる。
しかし、共役系高分子などを用いた有機太陽電池は、従来の無機半導体を用いた太陽電池と比べて光電変換効率が低いために、まだ実用化には至っていない。有機太陽電池の実用化のためには、さらなる光電変換効率の向上が必須である。
有機太陽電池の光電変換効率を向上させる一つの方法として、電子供与性有機材料(p型有機半導体)と電子受容性有機材料(n型有機半導体)を混合し、光電変換に寄与する接合面をバルクヘテロ接合型とした発電層が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
有機太陽電池の光電変換効率をさらに向上させるためには、太陽電池の素子特性の一つである開放電圧(Voc)を高めることができる電子供与性有機材料が望まれる。開放電圧を高めるためには、電子供与性有機材料は深いHOMO(Highest Occupied Molecular Orgital、最高被占軌道)準位を有することが必要であり、このような深いHOMO準位を有する電子供与性有機材料として、窒素原子や硫黄原子をπ共役系に組み込んで縮環させたヘテロ共役系化合物が報告されている(例えば、特許文献1~2および非特許文献2参照)。
国際公開公報第2011/156478号 国際公開公報第2019/023025号
「ケミカルレビューズ(Chemical Reviews)」、2015年、115巻、12666-12731頁 「アドバンスドマテリアルズ(Advanced Materials)」、2016年、28巻、4734-4739頁
特許文献1~2に記載された、窒素原子を共役系に組み込んだヘテロ共役系化合物を含む電子供与性有機材料により、高い開放電圧値が得られるものの、キャリア移動度が低いことが一つの原因で、短絡電流(Jsc)およびフィルファクター(FF)の値が低く、十分な光電変換効率が得られていない。非特許文献2に記載された硫黄原子を有するチオフェン環誘導体の縮環により共役系を拡張させた電子供与性有機材料においても、十分な光電変換効率は得られていなかった。
本発明は、上記課題に鑑み、高い光電変換効率の光起電力素子を得ることのできる共役系重合体を提供することを目的とする。
平面性を拡張した共役系重合体は、主鎖構造や側鎖構造、置換基の構造によって光電変換効率が大きく変化することが知られている。本発明者らは、高いキャリア移動度と深いHOMO準位の両方の特性を有する共役系重合体によって、光起電力素子の光電変換効率を高めることができると考え、上記目的を達成するためかかる共役系重合体の化学構造を鋭意検討した結果、ベンゾ[1,2-d:4,3-d’]ビスチアゾールを有する共役系重合体が高い光電変換効率の光起電力素子を提供できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体、これを用いた電子供与性有機材料、光起電力素子用材料および光起電力素子を提供する。
Figure 2023031215000001
(上記一般式(1)中、R、RおよびR~Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。RおよびRは縮環してアリール環またはヘテロアリール環を形成していてもよい。Aはアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。xおよびyは同じでも異なっていてもよく、0以上4以下の整数を表す。xまたはyが2以上の場合、x個のRおよびR、y個のRおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。nは重合度を示し、2以上1,000以下の範囲を表す。)
また本発明は、下記一般式(3)で表される構造を有する共役系化合物を提供する。
Figure 2023031215000002
(上記一般式(3)中、R~R10は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
本発明の共役系重合体により、光電変換効率に優れた光起電力素子を提供することができる。
本発明の光起電力素子の一態様を示す概略断面図である。 実施例1において得られた有機薄膜太陽電池の電流密度-電圧曲線グラフである。 実施例1において得られた有機薄膜太陽電池の分光感度特性を示すグラフである。 実施例2において得られた有機薄膜太陽電池の電流密度-電圧曲線グラフである。 実施例2において得られた有機薄膜太陽電池の分光感度特性を示すグラフである。 実施例3において得られた有機薄膜太陽電池の電流密度-電圧曲線グラフである。 実施例3において得られた有機薄膜太陽電池の分光感度特性を示すグラフである。 実施例4において得られた有機薄膜太陽電池の電流密度-電圧曲線グラフである。 実施例4において得られた有機薄膜太陽電池の分光感度特性を示すグラフである。 比較例1において得られた有機薄膜太陽電池の電流密度-電圧曲線グラフである。 比較例1において得られた有機薄膜太陽電池の分光感度特性を示すグラフである。
本発明の共役系重合体は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
一般式(1)において、ベンゼン環に2つチアゾール骨格を縮環させたベンゾ[1,2-d:4,3-d’]ビスチアゾール骨格は平面性が高く、パッキング性が向上することから、薄膜中においてキャリア移動度を高めることができ、短絡電流およびフィルファクターの値を高めることができる。また、ベンゾ[1,2-d:4,3-d’]ビスチアゾール骨格は、高い平面性を保ちながらポリマー主鎖に屈曲構造を導入することができるため、有機溶媒に対する溶解性を向上させることができる。さらに、一般式(1)におけるベンゾビスチアゾール中の窒素原子は共役系重合体のHOMO準位を深める効果があり、光起電力素子の開放電圧を向上させることができる。これらのことから、下記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体は、光起電力素子の光電変換効率を向上させることができる。
Figure 2023031215000003
(上記一般式(1)中、R、RおよびR~Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。RおよびRは縮環してアリール環またはヘテロアリール環を形成していてもよい。Aはアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。xおよびyは同じでも異なっていてもよく、0以上4以下の整数を表す。xまたはyが2以上の場合、x個のRおよびR、y個のRおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。nは重合度を示し、2以上1,000以下の範囲を表す。)
前記一般式(1)で表される構造は、下記一般式(2)で表される構造であってもよい。一般式(2)において、ベンゾビスチアゾール骨格にチオフェンを縮環させたチエノベンゾビスチアゾール骨格は溶解性を高める置換基を導入することが可能であり、高い平面性を保ちながら有機溶媒に対する溶解性をより向上させることができる。
Figure 2023031215000004
上記一般式(2)中、R~Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
本発明におけるアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などの1価の飽和脂肪族炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、後述するアルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンなどが挙げられる。アルキル基の炭素数は、共役系重合体の有機溶媒に対する溶解性をより向上させる観点から、4以上が好ましく、6以上がより好ましい。共役系重合体の有機溶媒に対する溶解性を向上させることにより、スピンコートやスリットコートなどのウエットプロセスに好適に適用することができる。一方、共役系重合体のキャリア移動度をより向上させ、光電変換効率をより向上させる観点から、アルキル基の炭素数は、28以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。なお、本発明において、各基の炭素数には、置換基に含まれる炭素の数は含めないものとする。
本発明におけるアルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのエーテル結合を介した1価の脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、後述のアリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンなどが挙げられる。アルコキシ基の好ましい炭素数の範囲は、上述のアルキル基の場合と同じである。
本発明におけるアルカノイル基とは、ケトン基を介したアルキル基を示す。アルカノイル基の好ましい炭素数の範囲は上記のアルキル基の場合と同じである。
本発明におけるアルコキシカルボニル基とは、エステル結合を介したアルキル基を示す。アルコキシカルボニル基の好ましい炭素数の範囲は上記のアルキル基の場合と同じである。
本発明におけるハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかである。
本発明におけるアリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ターフェニル基などの1価の芳香族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。置換される場合の置換基の例としては、例えば、前述のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、後述のヘテロアリール基などが挙げられる。共役系重合体の溶解性と結晶性をより向上させる観点から、アリール基の炭素数は、6以上12以下が好ましい。
本発明におけるヘテロアリール基とは、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、チエノチエニル基などの炭素以外の原子を有する1価の複素芳香環基を示し、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例は、前述のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、前述のアリール基などが挙げられる。共役系重合体の溶解性と結晶性をより向上させる観点から、ヘテロアリール基の炭素数は、4以上6以下が好ましい
一般式(1)におけるRおよびRは、共役系の平面性を保つために水素、アルキル基、または縮環したヘテロアリール基が好ましい。
一般式(1)~(2)におけるR~Rは、水素またはアルキル基が好ましく、共役系重合体の平面性を保ったまま、有機溶媒に対する溶解性を向上させるために、少なくとも一部はアルキル基であることが好ましい。一般式(2)におけるRは、共役系重合体の平面性を保ったまま、有機溶媒に対する溶解性を向上させる観点から、アルキル基が好ましい。Rは、平面性を保つために原子半径の小さい水素またはハロゲンが好ましく用いられる。R~Rがアルキル基である場合の好ましい炭素数は4以上28以下であり、6以上12以下がより好ましく、7以上10以下が特に好ましい。
上記一般式(1)または(2)中、xおよびyはチオフェン環の数を示し、同じでも異なっていてもよく、0以上4以下の整数を表す。共役系重合体の平面性を高めてキャリアの移動度をより向上させ、光電変換効率をより高めるためには、xおよびyが1であることが好ましい。
上記一般式(1)または(2)中、Aはアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。
本発明におけるアリーレン基とは、2価の芳香族炭化水素基を示し、ヘテロアリーレン基とは、炭素以外の原子を有する2価の複素芳香環基を示す。アリーレン基としては、先に例示したアリール基に対応する2価の基が挙げられ、ヘテロアリーレン基としては、先に例示したヘテロアリール基に対応する2価の基が挙げられる。これらは無置換でも置換されていてもかまわない。共役系重合体の平面性を高めてキャリア移動度を向上させるためには、Aはベンゾジチオフェン環を有するヘテロアリーレン基であることが好ましい。
ベンゾジチオフェン環上の置換基としては、平面性をさらに高めることができるチエニル基が特に好ましく用いられる。ここで、ベンゾジチオフェン環上にチエニル基を有する場合、チエニル基は置換基を有することが好ましく、置換基としてはアルキル基またはハロゲンが挙げられる。アルキル基の炭素数は溶解性と平面性を両立させるために4以上28以下が好ましく、6以上12以下が更に好ましい。ハロゲンは平面性を保つために原子半径の小さなフッ素が好ましく用いられる。ベンゾジチオフェン上の置換基は、合成ステップ数がすくなくなることから、アルキル基のみで置換されたチエニル基が特に好ましく用いられる。
上記一般式(1)または(2)中、nは、重合度を示し、2以上1,000以下の範囲の整数を表す。共役系重合体のキャリア移動度をより向上させ、また、前述のバルクヘテロ接合型の発電層において効果的なキャリアパスをより容易に形成させ、光電変換効率をより向上させる観点から、nは5以上が好ましい。一方、合成上の容易さから、nは200未満が好ましい。ここで、重合度nは、重量平均分子量から求めることができる。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定し、ポリスチレンの標準試料に換算して求めることができる。
上記一般式(1)または(2)で表される構造としては、例えば、下記のような構造が挙げられる。
Figure 2023031215000005
Figure 2023031215000006
Figure 2023031215000007
Figure 2023031215000008
Figure 2023031215000009
Figure 2023031215000010
Figure 2023031215000011
Figure 2023031215000012
なお、一般式(1)または(2)で表される構造を有する共役系重合体は、対応するモノマーから、Stilleカップリング等の重合反応によって合成することができ、例えば、前記特許文献2に記載されている方法に類似した手法により合成することができる。
一般式(2)で表される構造を有する共役系重合体に対応するモノマーとしては、下記一般式(3)で表される構造を有する共役系化合物が挙げられる。
Figure 2023031215000013
上記一般式(3)中、R~R10は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。Rは、一般式(2)におけるRに対応し、Rは、一般式(2)におけるRに対応する。
本発明の電子供与性有機材料は、前記一般式(1)または(2)で表される構造を有する共役系重合体を含む。前記一般式(1)または(2)で表される構造を有する本発明の共役系重合体を用いた電子供与性有機材料は、p型半導体特性を示す。かかる電子供与性有機材料とともに、その他の電子供与性有機材料を含んでいてもよい。
本発明の電子供与性有機材料は、高いキャリア移動度を活かして、有機トランジスタへの応用が可能である。また、光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。例えば、光起電力素子(太陽電池)、電子素子(イメージセンサー、光センサー、光スイッチ)、光記録材(光メモリなど)、撮像素子などに有用であり、光起電力素子用材料として特に好適に用いることができる。
本発明の光起電力素子用材料は、前述の本発明の電子供与性有機材料と、電子受容性有機材料を含む。電子受容性有機材料は、n型有機半導体特性を示すことが好ましい。
n型半導体特性を示す電子受容性有機材料としては、例えば、フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル(PC60BM)やフェニルC71ブチリックアシッドメチルエステル(PC70BM)を例とするフラーレン型の有機材料や2,2’-((2Z,2’Z)-((12,13-bis(2-ethylhexyl)-3,9-diundecyl-12,13-dihydro-[1,2,5]thiadiazolo[3,4-e]thieno[2’’,3’’:4’,5’]thieno[2’,3’:4,5]pyrrolo[3,2-g]thieno[2’,3’:4,5]thieno[3,2-b]indole-2,10-diyl)bis(methanylylidene))bis(5,6-difluoro-3-oxo-2,3-dihydro-1H-indene-2,1-diylidene))dimalononitrile(Y6)や2,2′-[[6,6,12,12-Tetrakis(4-hexylphenyl)-6,12-dihydrodithieno[2,3-d:2′,3′-d′]-s-indaceno[1,2-b:5,6-b′]dithiophene-2,8-diyl]bis[methylidyne(3-oxo-1H-indene-2,1(3H)-diylidene)]]bis[propanedinitrile](ITIC)を例とする非フラーレン型の有機材料が挙げられる。
本発明の電子供与性有機材料は、バンドギャップが1.2eVから1.7eVである非フラーレン型の電子受容性有機材料と組み合わせることが好ましく、フラーレン型の電子受容性有機材料に比べて幅広い波長領域の太陽光エネルギーを吸収できるようになることから、光電変換効率をより向上させることができる。
本発明の光起電力素子用材料において、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率(ドナーアクセプター比)は、1:99~99:1の範囲が好ましく、20:80~60:40の範囲がより好ましい。
光電変換効率をより向上させるためには、キャリアのトラップとなるような不純物は極力除去することが好ましい。本発明において、電子供与性有機材料や電子受容性有機材料の不純物を除去する方法としては、例えば、カラムクロマトグラフィー法、再結晶法、昇華法、再沈殿法、ソックスレー抽出法、GPCによる分子量分画法、濾過法、イオン交換法、キレート法等が挙げられる。これらの方法を2種以上組み合わせてもよい。
次に、本発明の光起電力素子について説明する。本発明の光起電力素子は、少なくとも陽極と陰極を有し、これらの間に本発明の光起電力素子用材料を含む有機半導体層を有する。有機半導体層と陽極の間に正孔輸送層を有してもよいし、有機半導体層と陰極の間に電子輸送層を有してもよい。図1に本発明の光起電力素子の一態様の概略断面図を示す。基板1上に、陽極2、本発明の光起電力素子用材料を含む有機半導体層3、陰極4をこの順に有する。また、図1とは逆に、基板上に、陰極/本発明の光起電力素子用材料を含む有機半導体層/陽極をこの順に有してもよい。
次に、各層について説明する。
有機半導体層は、本発明の光起電力素子用材料を含む。すなわち、一般式(1)または(2)で表される構造を有する共役系重合体を用いた電子供与性有機材料と、電子受容性有機材料とを含む。これらの材料は混合されていても積層されていてもよいが、混合されていることが好ましい。電子供与性有機材料と電子受容性有機材料を混合することにより、光電変換に寄与する電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の接合面を増加させるバルクヘテロ接合型の有機半導体層は、電荷分離能および電荷輸送能により優れるため好ましい。バルクヘテロ接合型の有機発電層である有機半導体層においては、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料がナノメートルのサイズで相分離しており、かつ共連続して電極までのキャリアパスが形成されていることが好ましい。この相分離構造のドメインサイズは特に限定されるものではないが、通常1nm以上50nm以下である。
本発明の光起電力素子においては、陽極または陰極が光透過性を有すること、すなわち、透明または半透明であることが好ましい。電極の光透過性は、有機半導体層に入射光が到達して起電力が発生する程度であれば、特に限定されるものではない。ここで、本発明における光透過性は、[透過光強度(W/m)/入射光強度(W/m)]×100(%)で求められる値である。電極の厚さは光透過性と導電性とを有する範囲であればよく、電極素材によって異なるが、20nm~300nmが好ましい。なお、もう一方の電極は、導電性を有していれば必ずしも光透過性は必要ではなく、厚さも特に限定されない。
電極を形成する導電性素材としては、例えば、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、アルミニウム、インジウム、クロム、ニッケル、コバルト、スカンジウム、バナジウム、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属やこれらの合金;インジウム、スズ、モリブデン、ニッケルなどの金属酸化物;インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)などの複合金属酸化物;リチウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属;グラファイト、グラファイト層間化合物、カーボンナノチューブ、グラフェンなどの炭素を含むもの;ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体などの有機化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよく、これらの積層体からなる電極も好ましく用いられる。
ここで、陽極に用いられる導電性素材は、有機半導体層とオーミック接合するものであることが好ましい。さらに、正孔輸送層を用いた場合においては、陽極に用いられる導電性素材は、正孔輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。また、陰極に用いられる導電性素材は、有機半導体層または電子輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。ここで、陰極に電子取り出し層を導入してもよく、陰極と有機半導体層
または電子輸送層との接合を改善し、取り出し電流を増加させることができる。このため、光電変換効率をより向上させることができる。電子取り出し層を形成する材料としては、例えば、フッ化リチウム(LiF)やフッ化セシウムなどの金属フッ化物などが挙げられる。
基板は、光電変換材料の種類や用途に応じて、電極材料や有機半導体層が積層できる基板、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミニウム、鉄、銅、ステンレスなどの合金等の無機材料;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレンポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等の有機材料などから任意の方法によって作製されたフイルムや板が挙げられる。基板側から光を入射して用いる場合は、基板は80%以上の光透過性を有することが好ましい。
正孔輸送層を形成する材料としては、例えば、ポリチオフェン系重合体、ポリ-p-フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール重合体、ポリアニリン重合体、ポリフラン重合体、ポリピリジン重合体、ポリカルバゾール重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体、アセン系化合物(テトラセン、ペンタセンなど)などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、グラフェンや酸化グラフェンなどの炭素化合物、MoOなどの酸化モリブデン(MoO)、WOなどの酸化タングステン(WO)、NiOなどの酸化ニッケル(NiO)、Vなどの酸化バナジウム(VO)、ZrOなどの酸化ジルコニウム(ZrO)、CuOなどの酸化銅(CuO)、ヨウ化銅、RuOなどの酸化ルテニウム(RuOx)、Re7などの酸化レニウム(ReO)などの無機化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよく、これらを積層してもよい。これらの中でも、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたもの、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステンが好ましく用いられる。また、正孔輸送層の厚さは、10nm以上200nm以下が好ましい。
電子輸送層を形成する材料としては、n型半導体特性を示す材料が好ましく、TiOなどの酸化チタン(TiO)や、ZnOなどの酸化亜鉛(ZnO)を例とする無機材料;PEI(Polyethylenimine)やPDINO(2,9-ビス[3-(ジメチルオキシドアミノ)プロピル]アントラ[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]ジイソキノリン-1,3,8,10(2H,9H)-テトロン)、ポリ[[2,7-ビス(2-エチルヘキシル)-1,2,3,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,3,6,8-テトラオキソベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリン-4,9-ジイル]-2,5-チオフェンジイル[9,9-ビス[3’((N,N-ジメチル)-N-エチルアンモニウム)]-プロピル]-9H-フルオレン-2,7-ジイル]-2,5-チオフェンジイル](PNDIT-F3N-Br)などの有機材料;PEI-Zn(Polyethyleneimine-Zn)などの有機無機ハイブリッド材料が好ましく用いられる。
次に、本発明の光起電力素子の製造方法について例を挙げて説明する。
基板上にITOなどの透明電極(この場合陽極に相当)をスパッタリング法などにより形成する。次に、一般式(1)または(2)で表される構造を有する共役系重合体を用いた電子供与性有機材料、および必要により電子受容性有機材料を含む光起電力素子用材料を、有機溶媒に溶解させた溶液を、透明電極上に塗布し、有機半導体層を形成する。有機溶媒としては、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料が適当に溶解または分散できるものであれば特に限定されないが、取り扱い性の観点から、沸点50℃以上の有機溶媒が好ましい。
有機半導体層の形成方法としては、例えば、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法などの方法が挙げられる。膜厚制御や配向制御など、得ようとする有機半導体層の特性に応じて、形成方法を選択することが好ましい。また、有機半導体層の相分離構造を最適化する任意の添加剤を加えてもよい。好ましい添加剤としては、1,8-ジヨードオクタンや1-クロロナフタレン、1-フェニルナフタレン等が挙げられる。
次に、有機半導体層上に、Alなどの金属電極(この場合陰極に相当)を、真空蒸着法やスパッタ法により形成する。電子輸送層に低分子有機材料を用いて真空蒸着した場合は、引き続き、真空を保持したまま金属電極を続けて形成することが好ましい。
陽極と有機半導体層の間に正孔輸送層を設ける場合には、所望のp型有機半導体材料(PEDOTなど)の溶液を陽極上に塗布した後、溶媒を除去し、正孔輸送層を形成する。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法等が挙げられる。溶媒除去方法としては、例えば、真空恒温槽やホットプレートなどを用いた加熱などが挙げられる。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた真空蒸着法を適用することも可能である。
有機半導体層と陰極の間に電子輸送層を設ける場合には、所望のn型有機半導体材料(フラーレン誘導体など)、n型無機半導体材料(酸化チタンゲルなど)の溶液を、有機半導体層上に塗布した後、溶媒を除去し、電子輸送層を形成する。塗布方法および溶媒除去方法としては、正孔輸送層の形成について例示した方法が挙げられる。フェナントロリン誘導体やC60などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた真空蒸着法を適用することも可能である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また、実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
Jsc:短絡電流密度
Voc:開放電圧
FF:フィルファクター(形状因子)
ITO:インジウム錫酸化物
Y6アクセプター:下記式で表される構造を有する化合物
Figure 2023031215000014
(合成例1)
原料となる2,2’-ビストリイソプロピルシリル-4,4’-ジブロモ-5,5’-ビチアゾール(化合物1)はXugang Guo等著、「ケミストリ オブ マテリアルズ(Chemistry of Materials)」、2018年、30巻、7988-8001頁を参考に合成した。また、2-(2-エチルヘキシル)-5-トリメチルスタニルチオフェン(化合物2)は、Qichun Zhang等著、「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリ C(Journal of Materials Chemistry C)」、2016年、4巻、3809-3814頁を参考に合成した。
Figure 2023031215000015
(化合物3aの合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物1(2.5g,3.93mmol)、2-(2-エチルヘキシル)-5-トリメチルスタニルチオフェン(化合物2)(1.45g,5.89mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業株式会社)(454mg,5.89mmol)、ジメチルホルムアミド(80mL)を加え、90℃で12時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液に水を加え、ヘキサンで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をヘキサン:ジクロロメタン(3:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物3aを淡黄色液体で得た。(2.1g,収率71%)。
得られた化合物3aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.05(d,1H),δ=6.60(d,1H),δ=2.65(d,2H),δ=1.45(m,7H),δ=1.26(m,8H),δ=1.20(d,18H),δ=1.17(d,18H),δ=0.85(m,6H)
(化合物3bの合成)
原料となる2-オクチル-5-トリメチルスタニルチオフェンはQichun Zhang等著、「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリ C(Journal of Materials Chemistry C)」、2016年、4巻、3809-3814頁を参考に合成した。
2-(2-エチルヘキシル)-5-トリメチルスタニルチオフェンを2-オクチル-5-トリメチルスタニルチオフェンに代えること以外は、化合物3aと同様の合成方法で合成を行うことで化合物3bを淡黄色液体で得た。(620mg,収率67%) 得られた化合物3bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.00(d,1H),δ=6.62(d,1H),δ=2.72(t,2H),δ=1.60(m,2H),δ=1.47(m,6H),δ=1.25-1.30(m,10H),δ=1.20(d,18H),δ=1.17(d,18H),δ=0.87(t,3H)
Figure 2023031215000016
(化合物4aの合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物3a(2.1g,2.65mmol)、酢酸パラジウム(II)(東京化成工業株式会社)(30mg,5mol%)、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(東京化成工業株式会社)(98mg,10mol%)、炭酸セシウム(ナカライテスク株式会社)(1.7g,5.3mmol)、1,4-ジオキサン(30mL)を加え、140℃で4時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液に水を加えジクロロメタンで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下留去した。得られた反応混合物をヘキサン:ジクロロメタン(3:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物4aを淡黄色液体で得た。(1.7g,収率95%)
得られた化合物4aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.81(s,1H),δ=2.99(d,2H)δ=1.81(m,1H),δ=1.24(d,18H),δ=1.22(d,18H),δ=1.5-1.6(m,8H),δ=0.80-1.00(m,6H)
(化合物4bの合成)
化合物4aと同様の合成方法で合成を行うことで化合物4bを淡黄色液体で得た。(1.47g,収率87%)
得られた化合物4bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.82(s,1H),δ=3.05(t,2H),δ=1.86(m,2H),δ=1.55(m,6H),δ=1.25-1.35(m,10H),δ=1.23(d,18H),δ=1.21(d,18H),δ=0.87(t,3H)
Figure 2023031215000017
(化合物5aの合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物4a(1.2g,1.78mmol)、テトラヒドロフラン(15mL)を加え、氷浴を用いて0℃まで冷却した。そこへ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(東京化成工業株式会社)(7.12mL,7.12mmol)を滴下し、1時間反応させた。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をヘキサン:酢酸エチル(3:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物5aを淡黄色固体で得た。(490mg,収率76%)
得られた化合物5aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=9.05(s,1H),δ=9.03(s,1H),δ=7.75(s,1H),δ=2.99(d,2H),δ=1.78(m,1H),δ=1.39(m,8H),δ=0.91(m,6H)
(化合物5bの合成)
化合物5aと同様の合成方法で合成を行うことで化合物5bを淡黄色固体で得た。(260mg,収率98%)
得られた化合物5bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=9.09(s,1H),δ=9.06(s,1H),δ=7.79(s,1H),δ=3.06(t,2H),δ=1.86(m,2H),δ=1.20-1.50(m,10H),δ=0.88(t,3H)
Figure 2023031215000018
(化合物6aの合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物5a(200mg,0.55mmol)、1,2-ジブロモ-1,1,2,2,-テトラクロロエタン(東京化成工業株式会社)(465mg,1.43mmol)、テトラヒドロフラン(10mL)を加え、-78℃まで冷却した。そこへ、リチウムヘキサメチルジシラジド(シグマアルドリッチ)(1.1mL,1.1mmol)を滴下し30分反応させた。室温まで昇温後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をヘキサン:クロロホルム(1:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物6aを白色固体で得た。(248mg,収率87%)
得られた化合物6aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.69(s,1H),δ=2.96(d,2H),δ=1,74(m,1H),δ=1.35(m,8H),δ=0.91(m,6H)
(化合物6bの合成)
化合物6aと同様の合成方法で合成を行うことで化合物6bを白色固体で得た。(615mg,収率93%)
得られた化合物6bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.70(s,1H),δ=3.02(t,2H),δ=1.83(m,2H),δ=1.20-1.50(m,10H),δ=0.87(t,3H)
Figure 2023031215000019
(化合物8aの合成)
原料となる3-(2-エチルヘキシル)-5-トリメチルスタニルチオフェン(化合物7a)はQichun Zhang等著、「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリ C(Journal of Materials Chemistry C)」、2016年、4巻、3809-3814頁を参考に合成できる。
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物6a(248mg,0.48mmol)、3-(2-エチルヘキシル)-5-トリメチルスタニルチオフェン(化合物7a)(433mg,1.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業株式会社)(24mg,4.4mol%)、トルエン(5mL)、ジメチルホルムアミド(5mL)を加え90℃で4時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液に水を加えヘキサンで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をヘキサン:酢酸エチル(30:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物8aを黄色液体で得た。(220mg,収率62%)
得られた化合物8aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.75(s,1H),δ=7.51(dd,2H),δ=7.09(s,2H),δ=2.98(d,2H),δ=2.59(d,4H),δ=1.79(m,1H),δ=1.61(m,2H),δ=1.35-1.45(m,24H),δ=0.80-1.00(m,18H)
(化合物8bの合成)
化合物8aと同様の合成方法で合成を行うことで化合物8bを黄色液体で得た。(370mg,収率80%)
得られた化合物8bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.76(d,1H),δ=7.50(t,2H),δ=7.09(s,2H),δ=3.04(t,2H),δ=2.59(d,4H),δ=1.85(m,2H),1.62(m,2H),δ=1.20-1.50(m、26H),0.80-0.95(15H)
Figure 2023031215000020
(化合物9aの合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物8a(100mg,0.13mmol)、クロロホルム(3mL)、酢酸(2.3mL)を加え遮光した後、氷浴を用いて0℃まで冷却した。そこへ、N-ブロモスクシンイミド(東京化成工業株式会社)(48mg,0.26mmol)を加え2時間反応させた。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下留去した。得られた反応混合物をヘキサン:クロロホルム(3:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物9aを黄色固体で得た。(70mg,収率62%)
得られた化合物9aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.71(s,1H),δ=7.33(s,1H),δ=7.32(s,1H),δ=2.98(d,2H),δ=2.55(d,4H),δ=1.78(m,1H),δ=1.68(m,2H),δ=1.30-1.50(m,24H),δ=0.88-0.98(m,18H)
(化合物9bの合成)
化合物9aと同様の合成方法で合成を行うことで化合物9bを黄色固体で得た。(355mg,収率82%)
得られた化合物9bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.72(s,1H),δ=7.32(s,1H),δ=7.31(s,1H),δ=3.04(t,2H),δ=2.55(d,4H),δ=1.85(m,2H),δ=1.67(m,2H),δ=1.20-1.50(m,26H),δ=0.85-0.95(m,15H)
(実施例1)
Figure 2023031215000021
(共役系重合体P1の合成)
反応容器に化合物9a(45.3mg,0.05mmol)、化合物10(45.3mg,0.05mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業株式会社)(1.15mg,2mol%)、トルエン(2.0mL)を加え、マイクロウェーブリアクター(Biotage,Initiator)を用いて200℃で2時間反応させた。室温まで冷却後、反応混合物をメタノール(50mL)に加え2時間攪拌、濾過後メタノール、ヘキサン、ジクロロメタンを溶媒としてソックスレー抽出を行い低分子量成分を取り除いた。残渣をクロロホルムで抽出し、減圧下溶媒を留去した後メタノールを加えろ過することで共役系重合体P1を赤色固体で得た。(59mg,収率89%,数平均分子量:98,400,分子量分散度:5.4)。なお、数平均分子量は東ソー製、HLC-8321GPC/HTを用い、標準ポリスチレン換算分子量として算出した。
(共役系重合体P1を用いた太陽電池素子の評価)
ITO膜がパターンニングされたガラス基板を中性洗剤、イオン交換水、アセトン、イソプロピルアルコールの順に10分間超音波洗浄し、UVオゾン処理を行った。次に、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸)(ヘレウス社(Heraeus)製,Clevios(登録商標) P VP Al 4083)の水分散溶液を5000rpmで30秒間スピンコートした。120℃で10分間基板を加熱することで、正孔取り出し層を形成した。正孔取り出し層を成膜した基板をグローブボックス内に持ち込み、共役系重合体P1及びn型材料であるY6を含むクロロホルム溶液(高分子化合物P1/Y6の重量比=1/1.2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した(膜厚100nm)。なお、Y6はジュール「(Joule)」、2019年、3巻、1140頁を参考に合成して用いた。さらに、活性層上に、電子取り出し層として2,9-ビス[3-(ジメチルオキシドアミノ)プロピル]アントラ[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]ジイソキノリン-1,3,8,10(2H,9H)-テトロンのメタノール溶液(2mg/mL)を3000rpmで30秒スピンコートした。なお、2,9-ビス[3-(ジメチルオキシドアミノ)プロピル]アントラ[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]ジイソキノリン-1,3,8,10(2H,9H)-テトロンは1-Materialから購入して用いた。次いで、電極層として厚さ220nmの銀膜を、抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜し、4mm角の有機薄膜太陽電池素子を作製した。
得られた有機薄膜太陽電池にソーラーシミュレーター(株式会社三永電機製作所(SAN-EI Electric)製,XES-40S1)(AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。図2に電流密度-電圧特性のグラフを、図3に分光感度特性を示す。
得られた図2から短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)、形状因子FFを求めたところ、Jsc=25.3mA/cm、Voc=0.84V、FF=0.69であった。光電変換効率(η)を、式η=(Jsc×Voc×FF)/100より算出したところ、14.9%であった。
(実施例2)
(共役系重合体P2の合成)
共役系重合体P1と同様の合成方法で合成を行うことで共役系重合体P2を赤色固体で得た。(46mg,収率66%,数平均分子量:51,100,分子量分散度:2.3)
(共役系重合体P2を用いた太陽電池素子の評価)
共役系重合体P2及びn型材料であるY6を含むクロロホルム溶液(高分子化合物P2/Y6の重量比=1/1.2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図4に示す電流密度-電圧特性が得られ、Jsc=22.5mA/cm、Voc=0.88V、FF=0.67であった。ηは13.5%であった。また、図5に分光感度特性を示す。
(実施例3)
Figure 2023031215000022
(共役系重合体P3の合成)
共役系重合体P1と同様の合成方法で合成を行うことで共役系重合体P3を赤色固体で得た。(23mg,収率35%,数平均分子量:56,800分子量分散度:3.36)
(共役系重合体P3を用いた太陽電池素子の評価)
共役系重合体P3及びn型材料であるY6を含むクロロホルム溶液(共役系化合物P3/Y6の重量比=1/1.2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図6に示す電流密度-電圧特性が得られ、Jsc=22.6mA/cm、Voc=0.80V、FF=0.64であった。ηは11.6%であった。また、図7に分光感度特性を示す。
(合成例2)
原料となる2,2’-ビストリイソプロピルシリル-4,4’-ジブロモ-5,5’-ビチアゾール(化合物11)はXugang Guo等著、「「ケミストリ オブ マテリアルズ(Chemistry of Materials)」、2018年、30巻、7988-8001頁を参考に合成した。
Figure 2023031215000023
(化合物12の合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物11(3.80g,6.00mmol)、テトラヒドロフラン(72mL)を加え、-78℃まで冷却した。そこへn-ブチルリチウム(東京化成工業株式会社)(11.2mL,18.0mmol)を滴下し、2時間攪拌した。そこへ1-ホルミルピぺリジン(東京化成工業株式会社)(2.13mL,19.2mmol)を加え室温まで昇温しながら一晩攪拌した。反応溶液に水を加え、ヘキサンで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をジクロロメタン溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物12を黄色液体で得た。(2.7g,収率84%)。
得られた化合物12の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHz,CDCl,TMS)δ=10.5(s,2H),δ=1.49(m,6H),δ=1.19(d,36H)
Figure 2023031215000024
(化合物13の合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に亜鉛(東京化成工業株式会社)(3.90g,60.3mmol)、テトラヒドロフラン(200mL)を加え、氷浴を用いて0℃まで冷却した。そこへ、四塩化チタン(ナカライテスク)(3.30mL,30.0mmol)を滴下し、80℃で1時間攪拌した。そこへ化合物12(2.7g,5.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)を滴下し、24時間攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液に炭酸ナトリウム水溶液を加えセライトを用いてろ過を行った。ろ液にヘキサンを加え抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下留去した。得られた反応混合物をジクロロメタン溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物13を黄色固体で得た。(1.77g,収率70%)
得られた化合物13の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHz,CDCl,TMS)δ=8.25(s,2H),δ=1.55(m,6H),δ=1.20(d,36H)
Figure 2023031215000025
(化合物14の合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物13(1.77g,3.50mmol)、テトラヒドロフラン(30mL)を加え、氷浴を用いて0℃まで冷却した。そこへ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(東京化成工業株式会社)(10.5mL,10.5mmol)を滴下し、1時間反応させた。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をクロロホルム:酢酸エチル(7:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物14を白色固体で得た。(505mg,収率75%)
得られた化合物14の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHz,CDCl,TMS)δ=9.06(s,2H),δ=8.26(s,2H)
Figure 2023031215000026
(化合物15の合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物14(100mg,0.52mmol)、1,2-ジブロモ-1,1,2,2,-テトラクロロエタン(東京化成工業株式会社)(390mg,1.20mmol)、テトラヒドロフラン(12mL)を加え、-78℃まで冷却した。そこへ、リチウムヘキサメチルジシラジド(シグマアルドリッチ)(1.04mL,1.04mmol)を滴下し30分反応させた。室温まで昇温後、反応溶液に水を加え、ろ過、エタノール洗浄することで化合物15を白色固体で得た。(168mg,収率92%)
得られた化合物15の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHz,CDCl,TMS)δ=8.06(s,2H)
Figure 2023031215000027
(化合物17の合成)
原料となる3-(2-ブチルオクチル)-5-トリメチルスタニルチオフェン(化合物16)はQichun Zhang等著、「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリ C(Journal of Materials Chemistry C)」、2016年、4巻、3809-3814頁を参考に合成した。
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物15(350mg,1.00mmol)、3-(2-ブチルオクチル)-5-トリメチルスタニルチオフェン(化合物16)(955mg,2.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業株式会社)(50.8mg,4.4mol%)、トルエン(13mL)、ジメチルホルムアミド(13mL)を加え90℃で5時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液に水を加えヘキサンで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物をヘキサン:酢酸エチル(10:1)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物17を黄色液体で得た。(600mg,収率87%)
得られた化合物17の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHz,CDCl,TMS)δ=8.06(s,2H),δ=7.48(d,2H),δ=7.09(d,2H),δ=2.59(d,4H),δ=1.65(m,2H),δ=1.30(m,32H),δ=0.88(m,12H)
Figure 2023031215000028
(化合物18の合成)
アルゴン雰囲気下、反応容器に化合物17(580mg,0.84mmol)、クロロホルム(17mL)、酢酸(11mL)を加え遮光した後、氷浴を用いて0℃まで冷却した。そこへ、N-ブロモスクシンイミド(東京化成工業株式会社)(330mg,1.84mmol)を加え5時間反応させた。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下留去した。得られた反応混合物をヘキサン:クロロホルム(1:2)溶媒を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで化合物18を黄色固体で得た。(600mg,収率84%)
得られた化合物18の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHz,CDCl,TMS)δ=8.04(s,2H),δ=7.30(s,2H),δ=2.54(d,4H),δ=1.70(m,2H),δ=1.30(m,32H),δ=0.88(m,12H)
(実施例4)
Figure 2023031215000029
(共役系重合体P4の合成)
反応容器に化合物18(42.55mg,0.05mmol)、化合物19(45.3mg,0.05mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業株式会社)(1.15mg,2mol%)、トルエン(2.0mL)を加え、マイクロウェーブリアクター(Biotage,Initiator)を用いて200℃で2時間反応させた。室温まで冷却後、反応混合物をメタノール(50mL)に加え2時間攪拌、濾過後メタノール、ヘキサン、ジクロロメタンを溶媒としてソックスレー抽出を行い低分子量成分を取り除いた。残渣をクロロホルムで抽出し、減圧下溶媒を留去した後メタノールを加えろ過することで高分子化合物P4を赤色固体で得た。(60mg,収率95%,数平均分子量:81,300,分子量分散度:1.9)。なお、数平均分子量は東ソー製、HLC-8321GPC/HTを用い、標準ポリスチレン換算分子量として算出した。
(共役系重合体P4を用いた太陽電池素子の評価)
共役系重合体P4及びn型材料であるY6を含むクロロホルム溶液(高分子化合物P4/Y6の重量比=1/1.2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図8に示す電流密度-電圧特性が得られ、Jsc=24.4mA/cm、Voc=0.83V、FF=0.70であった。ηは14.2%であった。また、図9に分光感度特性を示す。
(比較例1)
(共役系重合体P5を用いた太陽電池素子の作製、評価)
市販のp型ポリマーであるP5(FlexPV社製)を用いて太陽電池素子を作製し、評価した。
Figure 2023031215000030
(共役系重合体P5を用いた太陽電池素子の評価)
共役系重合体P5及びn型材料であるY6を含むクロロホルム溶液(共役系重合体P4/Y6の重量比=1/1.2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図10に示す電流密度-電圧特性が得られ、Jsc=24.9mA/cm、Voc=0.78V、FF=0.58であった。ηは11.4%であった。また、図11に分光感度特性を示す。
実施例1~4および比較例1の評価結果を表1にまとめた。一般式(1)または(2)表される構造を有する本発明の共役系重合体(P1-P4)を用いて作製した有機薄膜太陽電池は、共役系重合体P5を用いて得られた有機薄膜太陽電池に比べて、開放電圧および光電変換効率が高く、良好な特性を有していることがわかる。
Figure 2023031215000031
1 基板
2 陽極
3 有機半導体層
4 陰極

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体。
    Figure 2023031215000032
    (上記一般式(1)中、R、RおよびR~Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。RおよびRは縮環してアリール環またはヘテロアリール環を形成していてもよい。Aはアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。xおよびyは同じでも異なっていてもよく、0以上4以下の整数を表す。xまたはyが2以上の場合、x個のRおよびR、y個のRおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。nは重合度を示し、2以上1,000以下の範囲を表す。)
  2. 下記一般式(2)で表される構造を有する請求項1に記載の共役系重合体。
    Figure 2023031215000033
    (上記一般式(2)中、R~Rは同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。Aはアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。xおよびyは同じでも異なっていてもよく、0以上4以下の整数を表す。xまたはyが2以上の場合、x個のRおよびR、y個のRおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。nは重合度を示し、2以上1,000以下の範囲を表す。)
  3. 前記一般式(2)中、R~Rが水素、ハロゲンまたはアルキル基である請求項2に記載の共役系重合体。
  4. 前記一般式(1)中、R、RおよびR~Rが水素、ハロゲンまたはアルキル基である請求項1に記載の共役系重合体。
  5. 前記一般式(1)または(2)中、Aがベンゾジチオフェン構造を有する請求項1~4のいずれかに記載の共役系重合体。
  6. 下記一般式(3)で表される構造を有する共役系化合物。
    Figure 2023031215000034
    (上記一般式(3)中、R~R10は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
  7. 請求項1~5のいずれかに記載の共役系重合体を含む電子供与性有機材料。
  8. 請求項7に記載の電子供与性有機材料および電子受容性有機材料を含む光起電力素子用材料。
  9. 前記電子受容性有機材料が非フラーレン型の電子受容性有機材料を含む請求項8に記載の光起電力素子用材料。
  10. 少なくとも陽極と陰極を有する光起電力素子であって、陽極と陰極の間に請求項8または9に記載の光起電力素子用材料を含む有機発電層を有する光起電力素子。
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