JP2015194731A - 光学材料、光学素子及び複合光学素子 - Google Patents

光学材料、光学素子及び複合光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】広範囲な光学定数を自由に制御することができ、特に高屈折率で大きな正の異常分散性を有する光学材料、並びに該光学材料からなる光学素子及び複合光学素子を提供する。【解決手段】樹脂材料と、該樹脂材料中に分散された無機微粒子とで構成されており、該無機微粒子は、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む光学材料、該光学材料から形成されてなる光学素子、並びに、第1の光学素子と該第1の光学素子の光学面上に積層された第2の光学素子とを備え、該第2の光学素子は前記光学素子である複合光学素子。【選択図】図1

Description

本開示は、光学材料、光学素子及び複合光学素子に関する。
光学特性の幅を広げるために、樹脂等のマトリクス材料中に無機微粒子が分散された光学材料(以下、コンポジット材料ともいう)が知られており、このようなコンポジット材料を用い、異常分散性等の所望の光学特性を実現する技術が知られている。
特許文献1には、Siを含有する微粒子と、非晶質フッ素樹脂を含有する有機高分子材料及び無機成分からなる有機無機複合材料とを含有する組成物を成形してなる光学素子が開示されている。
特許第4217032号公報
本開示は、広範囲な光学定数を自由に制御することができ、特に高屈折率で大きな正の異常分散性を有する光学材料、並びに該光学材料からなる光学素子及び複合光学素子を提供する。
本開示における光学材料は、
樹脂材料と、該樹脂材料中に分散された無機微粒子とで構成されており、
前記無機微粒子は、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む
ことを特徴とする。
本開示における光学素子は、
樹脂材料と該樹脂材料中に分散された無機微粒子とで構成されており、該無機微粒子は少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む光学材料、から形成されてなる
ことを特徴とする。
本開示における複合光学素子は、
第1の光学素子と、該第1の光学素子の光学面上に積層された第2の光学素子とを備え、
前記第2の光学素子は、樹脂材料と該樹脂材料中に分散された無機微粒子とで構成されており、該無機微粒子は少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む光学材料、から形成されてなる光学素子である
ことを特徴とする。
少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む無機微粒子が樹脂材料に分散されたコンポジット材料である、本開示における光学材料は、広範囲な光学定数を自由に制御することができ、特に高屈折率で大きな正の異常分散性を有する。
実施の形態1に係るコンポジット材料の概略図 無機微粒子の実効粒子径を説明するグラフ 実施の形態1における、リン酸ガリウム及びアクリル樹脂の屈折率とアッベ数との関係を示したプロット 実施の形態1における、リン酸ガリウム及びアクリル樹脂の部分分散比とアッベ数との関係を示したプロット、並びに正常分散線 光学素子の一例である、実施の形態2に係るレンズの概略構成図 複合光学素子の一例である、実施の形態2に係るハイブリッドレンズの概略構成図 実施の形態2に係るハイブリッドレンズの製造工程の一例を示す概略説明図 実施例及び比較例における、材料の屈折率とアッベ数との関係を示したプロット 実施例及び比較例における、材料の部分分散比とアッベ数との関係を示したプロット、並びに正常分散線
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を充分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
<実施の形態1>
以下、実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
[1.コンポジット材料]
図1は、実施の形態1に係るコンポジット材料の概略図である。コンポジット材料100は、本開示における光学材料の一例であり、マトリクス材としての樹脂材料10と、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む無機微粒子20とで構成されている。無機微粒子20は、樹脂材料10中に分散されている。コンポジット材料100により、後述する、光学素子の一例であるレンズや複合光学素子の一例であるハイブリッドレンズが形成される。
[2.無機微粒子]
無機微粒子20は、凝集粒子、非凝集粒子のいずれであってもよく、一般に、一次粒子20aと、該一次粒子20aが複数個凝集してなる二次粒子20bとを含んで構成されている。無機微粒子20の分散状態は、マトリクス材である樹脂材料10中に無機微粒子20が存在する限り、所望の効果を得ることができるという点から特に限定はないが、無機微粒子20が樹脂材料10中に均一に分散されていることが有益である。ここで、「無機微粒子20が樹脂材料10中に均一に分散されている」とは、無機微粒子20の一次粒子20a及び二次粒子20bがコンポジット材料100内の特定の位置に偏在することなく、実質的に均一に分散していることを意味する。光学用材料として透光性を損なわないためには、粒子の分散性が良好であることが有益である。そのためには、無機微粒子20は一次粒子20aのみで構成されていることが有益である。
少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む無機微粒子20を樹脂材料10中に分散させたコンポジット材料100の透光性を確保するためには、無機微粒子20の粒子径が重要である。無機微粒子20の粒子径が光の波長よりも充分小さい場合は、無機微粒子20が樹脂材料10中に分散されているコンポジット材料100を、屈折率のばらつきがない均質な媒体とみなすことができる。したがって、無機微粒子20の粒子径は、可視光の波長以下の大きさであることが有益である。可視光は400〜700nmの範囲の波長を有するので、無機微粒子20の最大粒子径は400nm以下であることが有益である。なお、無機微粒子20の最大粒子径は、無機微粒子20の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、最も大きな無機微粒子20の粒子径(二次粒子の場合は二次粒子径)を測定することにより求めることができる。
無機微粒子20の粒子径が光の波長の1/4よりも大きい場合は、レイリー散乱によってコンポジット材料100の透光性が損なわれるおそれがある。そのため、可視光域において高い透光性を実現するためには、無機微粒子20の実効粒子径は100nm以下であることが有益である。ただし、無機微粒子20の実効粒子径が1nm未満であると、無機微粒子20が量子的な効果を発現する材料からなる場合に蛍光を生じることがあり、これがコンポジット材料100から形成された光学部品の特性に影響を及ぼす場合がある。
以上の観点から、無機微粒子20の実効粒子径は1〜100nmの範囲内であることが有益であり、1〜50nmの範囲内であることがより有益である。特に、無機微粒子20の実効粒子径を20nm以下とすると、レイリー散乱の影響が非常に小さくなり、コンポジット材料100の透光性が特に高くなるので、さらに有益である。
ここで、無機微粒子の実効粒子径について図2を用いて説明する。図2において、横軸は無機微粒子の粒子径を示し、縦軸は横軸の各粒子径に対する無機微粒子の累積頻度を示す。横軸の粒子径は、無機微粒子が凝集している場合には、凝集した状態での二次粒子径である。実効粒子径とは、図2のような無機微粒子の各粒子径における累積頻度分布図において、累積頻度が50%となる中心粒子径(メジアン径:d50)を意味する。実効粒子径の精度を向上させるには、例えば、無機微粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、200個以上の無機微粒子について、その粒子径を測定して求めることが有益である。
上述のように、本実施の形態1に係るコンポジット材料100は、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む無機微粒子20を樹脂材料10中に分散させることにより構成されている。このように構成されたコンポジット材料100は、広範囲な光学定数を自由に制御することができ、特に高屈折率で大きな正の異常分散性を有する。
図3は、リン酸ガリウム及びアクリル樹脂(光硬化性アクリレートモノマーの重合体)の、d線(波長587.6nm)における屈折率ndと、波長分散性を示すアッベ数νdとの関係を示したプロットである。なお、アッベ数νdは、以下の式(1)により定義される値である。
νd=(nd−1)/(nF−nC) ・・・(1)
ここで、
nd:d線における材料の屈折率、
nF:F線(波長486.1nm)における材料の屈折率、
nC:C線(波長656.3nm)における材料の屈折率
である。
図4は、リン酸ガリウム及び前記アクリル樹脂の、g線(波長435.8nm)及びF線の分散性を示す部分分散比PgFと、波長分散性を示すアッベ数νdとの関係を示したプロット、並びに正常分散線である。なお、部分分散比PgFは、以下の式(2)により定義される値である。
PgF=(ng−nF)/(nF−nC) ・・・(2)
ここで、
ng:g線における材料の屈折率、
nF:F線における材料の屈折率、
nC:C線における材料の屈折率
である。
異常分散性ΔPgFは、材料のνdに対応する正常部分分散ガラスの標準線上の点と、その材料のPgFとの偏差である。本開示においては、HOYA(株)の基準に基づく、正常部分分散ガラスの標準線として硝種C7(nd:1.51、νd:60.5、PgF:0.54)と硝種F2(nd:1.62、νd:36.3、PgF:0.58)との座標を通る直線(図4における正常分散線)を用いてΔPgFを算出している。
図3及び4に示すとおり、リン酸ガリウムは、屈折率nd:1.59、アッベ数νd:52.8、部分分散比PgF:0.66という光学特性を有する。また、リン酸ガリウムの異常分散性ΔPgFは0.11と大きな正の値である。これは異常分散材料として知られているフッ化カルシウム(CaF)の異常分散性ΔPgF:0.06よりも大きい。このことから、リン酸ガリウムは、正の異常分散性が極めて大きい特性を有する材料であることが分かった。
このように、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む無機微粒子を用いたコンポジット材料は、アッベ数、屈折率、部分分散比等の光学特性を広範囲に制御することができ、結果として、特に高屈折率で正の異常分散性が極めて大きいという特性が付与される。したがって、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む無機微粒子を用いたコンポジット材料は、光学部品設計の自由度を従来よりも拡大することができる。
[3.樹脂材料]
樹脂材料10としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エネルギー線硬化性樹脂等の樹脂の中から、透光性が高い樹脂を用いることができる。例えば、アクリル樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のメタクリル樹脂;エポキシ樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン等のポリエステル樹脂;ポリスチレン等のポリスチレン樹脂;ポリプロピレン等のオレフィン樹脂;ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド樹脂;ポリビニルアルコール;ブチラール樹脂;酢酸ビニル樹脂;脂環式ポリオレフィン樹脂;シリコーン樹脂;非晶性フッ素樹脂等を用いることができる。また、ポリカーボネート、液晶ポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、非晶性ポリオレフィン等のエンジニアリングプラスチックを用いてもよい。さらに、これらの混合体や共重合体、及びこれらの変性樹脂を用いることもできる。
これらの中でも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂及びポリカーボネートは、透明性が高く、成形性も良好であるので有益である。これらの樹脂は、所定の分子骨格を選択することによって、屈折率ndを1.4〜1.7の範囲とすることができる。
樹脂材料10のd線におけるアッベ数νdには特に限定はないが、マトリクス材となる樹脂材料10のアッベ数νdが高いほど、無機微粒子20を分散して得られるコンポジット材料100のd線におけるアッベ数νdCOMも向上することは言うまでもない。特に、樹脂材料10としてアッベ数νdが45以上の樹脂を使用することにより、アッベ数νdCOMが40以上の、レンズ等の光学部品への応用に充分な光学特性を有するコンポジット材料を得ることが可能となるので、有益である。アッベ数νdが45以上の樹脂としては、例えば、脂環式炭化水素基を骨格に有する脂環式ポリオレフィン樹脂、シロキサン構造を有するシリコーン樹脂、主鎖にフッ素原子を有する非晶性フッ素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[4.コンポジット材料の光学特性]
コンポジット材料100の屈折率は、無機微粒子20の屈折率及び樹脂材料10の屈折率から、例えば以下の式(3)で表されるマックスウェル−ガーネット理論により推定することができる。式(3)より、d線、F線及びC線におけるコンポジット材料100の屈折率をそれぞれ推定し、さらに前記式(1)より、コンポジット材料100のアッベ数νdを推定することも可能である。逆にこの理論に基づく推定から、樹脂材料10と無機微粒子20との重量比を決定してもよい。
Figure 2015194731
ここで、
nλCOM:特定波長λにおけるコンポジット材料100の平均屈折率、
nλ:特定波長λにおける無機微粒子20の屈折率、
nλ:特定波長λにおける樹脂材料10の屈折率、
P:コンポジット材料100全体に対する無機微粒子20の体積比
である。
無機微粒子20が光を吸収する場合や無機微粒子20が金属を含む場合には、式(3)の屈折率を複素屈折率として計算する。なお、式(3)は、nλ≧nλの場合に成立するので、nλ<nλの場合は、以下の式(4)を用いてコンポジット材料100の屈折率を推定する。
Figure 2015194731
ここで、nλCOM、nλ、nλ及びPは、各々式(3)と同じである。
コンポジット材料100の実際の屈折率の評価は、調製したコンポジット材料100を各測定法に適した形状に成膜又は成型し、エリプソメトリ法、アベレス法、光導波路法、分光反射率法等の分光測定法や、プリズムカプラ法等で実測することによって行うことができる。
前記マックスウェル−ガーネット理論を用いて推定したコンポジット材料100の光学特性について説明する。ここでは、無機微粒子20としてリン酸ガリウム微粒子を用い、樹脂材料10としてアクリル樹脂(光硬化性アクリレートモノマーの重合体)を用いた場合を例に挙げる。
図3及び4は、前記のとおり、リン酸ガリウム及びアクリル樹脂の光学特性を示すプロットであり、さらに図3及び4には、これら2つのプロットを結んだ破線が示されている。コンポジット材料100に含まれるリン酸ガリウムとアクリル樹脂との割合を調整することで、コンポジット材料100は、図3及び4に示す破線上の光学特性を実現することができる。リン酸ガリウムの割合が多い場合は、コンポジット材料100の光学特性はリン酸ガリウムの光学特性に近い値となる。逆にアクリル樹脂の割合が多い場合は、コンポジット材料100の光学特性はアクリル樹脂の光学特性に近い値となる。すなわち、リン酸ガリウムとアクリル樹脂との割合を調整することで、所望の光学特性を有するコンポジット材料100を形成することができる。
実際のところ、コンポジット材料100中の無機微粒子20の含有量が少なすぎると、無機微粒子20による光学特性の調整効果が充分に得られないおそれがあるので、無機微粒子20の含有量は、コンポジット材料(光学材料)100全体の1重量%以上、さらには5重量%以上、特に10重量%以上であることが有益である。一方、コンポジット材料100中の無機微粒子20の含有量が多すぎると、コンポジット材料100の流動性が低下して光学素子への成形が困難になる場合や、無機微粒子20の樹脂材料10への充填自体が困難になる場合があるので、無機微粒子20の含有量は、コンポジット材料(光学材料)100全体の80重量%以下、さらには60重量%以下、特に40重量%以下であることが有益である。
[5.コンポジット材料の製造方法]
まず、無機微粒子20の形成方法について説明する。無機微粒子20は、共沈法、ゾルゲル法、金属錯体分解法等の液相法又は気相法により形成することができる。また、ボールミルあるいはビーズミルによる粉砕法により、バルク体を微粒子化することで無機微粒子20を形成してもよい。なお、無機微粒子20に少なくとも含まれるリン酸ガリウムは、例えば、硝酸ガリウム(III)水和物とリン酸との水熱反応によって得ることができる。
次に、コンポジット材料100の調製方法について説明する。例えば前記方法にて形成された無機微粒子20を、マトリクス材としての樹脂材料10に分散させてコンポジット材料100を調製する方法には特に限定はなく、物理的な方法を採用してもよいし、化学的な方法を採用してもよい。例えば、以下の(1)〜(4)いずれかの方法でコンポジット材料100を調製することができる。
(1)樹脂又は樹脂を溶解した溶液と無機微粒子とを、機械的、物理的に混合する方法。
(2)樹脂の原料である単量体やオリゴマー等と無機微粒子とを、機械的、物理的に混合して混合物を得た後、樹脂の原料である単量体やオリゴマー等を重合する方法。
(3)樹脂又は樹脂を溶解した溶液と無機微粒子の原料とを混合した後、無機微粒子の原料を反応させ、樹脂中で無機微粒子を形成する方法。
(4)樹脂の原料である単量体やオリゴマー等と無機微粒子の原料とを混合した後、無機微粒子の原料を反応させて無機微粒子を形成する工程と、樹脂の原料である単量体やオリゴマー等を重合して樹脂を合成する工程とを行う方法。
前記(1)及び(2)の方法では、予め形成された種々の無機微粒子を用いることができ、また、汎用の分散装置によってコンポジット材料を調製することができるという利点がある。一方、前記(3)及び(4)の方法では、化学的な反応を行う必要があるため、使用する材料にある程度の制限が生じる。しかし、これらの方法は、原料を分子レベルで混合するので、無機微粒子の分散性を高めることができるという利点を有する。
なお、前記方法において、無機微粒子又は無機微粒子の原料と、樹脂又は樹脂の原料である単量体やオリゴマー等とを混合する順序に特に限定はなく、場合に応じて適宜順序を決定すればよい。例えば、一次粒子径が実質1〜100nmの範囲内にある無機微粒子を分散した溶液に、樹脂、樹脂の原料又はこれらを溶解した溶液を加えて機械的、物理的に混合してもよい。コンポジット材料100の製造方法は、本開示における効果が得られる限り、特に限定はない。
また、コンポジット材料100は、本開示における効果が得られる限り、無機微粒子20及びマトリクス材である樹脂材料10以外の成分を含んでもよい。例えば、図示していないが、樹脂材料10における無機微粒子20の分散性を向上させる分散剤や界面活性剤、特定範囲の波長の電磁波を吸収する染料や顔料等がコンポジット材料100中に共存していてもよい。
<実施の形態2>
以下、実施の形態2について図面を参照しながら説明する。実施の形態2は、実施の形態1に係るコンポジット材料100を用いて形成される光学素子に係る実施の形態である。
光学素子としては、例えば、レンズ、プリズム、光学フィルター、回折光学素子等が挙げられ、これらの中ではレンズ及び回折光学素子が有益である。以下、本実施の形態2に係る光学素子がレンズである場合について具体的に説明する。
本実施の形態2に係る光学素子の一例として、図5の概略構成図に示すレンズが挙げられる。図5に示すレンズ200は、実施の形態1に係るコンポジット材料100を用い、公知の方法に従って製造することができる。例えば、コンポジット材料100を公知の方法に従って成型する方法、コンポジット材料100のバルクを研磨する方法、無機微粒子20を混合した樹脂材料10の原料(単量体やオリゴマー等)を型に入れて重合させる方法等を採用して製造することができる。
なお、図5に示すレンズ200は、両面が凸形状であるが、例えば少なくとも一方の面が凹形状であってもよく、その形状に特に限定はない。レンズ200は、所望の光学特性に応じて適宜設計される。
本実施の形態2に係る光学素子の別の一例として、図6の概略構成図に示すハイブリッドレンズが挙げられる。ハイブリッドレンズ300は、基材となる第1レンズ310と、該第1レンズ310の光学面上に積層された第2レンズ320とで構成されている。ハイブリッドレンズ300は、光学素子の中でも複合光学素子の一例である。
第1レンズ310は、第1の光学素子で、ガラスレンズの一例である。第1レンズ310は、ガラス材料から形成されており、両凸形状のレンズである。
第2レンズ320は、第2の光学素子で、樹脂レンズの一例である。第2レンズ320は、コンポジット材料から形成されており、該コンポジット材料として、実施の形態1に係るコンポジット材料100が用いられる。
なお、図6に示すハイブリッドレンズ300は、両面が凸形状であるが、例えば少なくとも一方の面が凹形状であってもよく、その形状に特に限定はない。ハイブリッドレンズ300は、所望の光学特性に応じて適宜設計される。また、図6に示すハイブリッドレンズ300では、第2レンズ320は、第1レンズ310の一方の光学面上に積層されているが、第1レンズ310の両光学面上に積層されていてもよい。
ハイブリッドレンズ300の製造方法には特に限定がなく、公知の方法にて製造すればよいが、例えば、以下の図7に示す方法を採用することができる。なお、ここでは、コンポジット材料100を構成する樹脂材料10をアクリル樹脂(光硬化性アクリレートモノマーの重合体)とする。
図7は、実施の形態2に係るハイブリッドレンズ300の製造工程の一例を示す概略説明図である。まず、第1レンズ310を成形する。ガラスレンズの一例である第1レンズ310には特に限定がなく、第1レンズ310は、レンズ研磨、射出成形、プレス成形等の公知の製造方法を用いて成形される。
図7(a)に示すように、ディスペンサー40を用い、成形型41の成形面にコンポジット材料100を吐出する。
次に、図7(b)に示すように、コンポジット材料100の上方から第1レンズ310を載せ、コンポジット材料100が所定の厚みになるまで押し広げる。
そして、図7(c)に示すように、第1レンズ310の上方から光源42にて紫外線を照射し、コンポジット材料100を硬化させることにより、第1レンズ310の光学面上に、第2レンズ320が積層された、複合光学素子であるハイブリッドレンズ300が得られる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
硝酸ガリウムn水和物を純水に溶解させて、濃度0.05Mの硝酸ガリウム水溶液を調製した。これにリン酸を、純水100重量部に対して21重量部の割合で添加した。さらに、これにヘキサン酸を、硝酸ガリウム1モルに対して30モルの割合で添加した。このようにして調製した混合物をリアクターに移し、撹拌しながら300℃に加熱して10分間反応させた後、急冷して反応を停止させた。なお、加熱時の圧力は約30MPaに達した。
得られた液体から遠心分離により微粒子を沈降させ、微粒子をエタノールで洗浄したものを乾燥させた。これを焼成炉にて350℃で60分間焼成させ、GaPOによる結晶性を含有するリン酸ガリウム微粒子を得た。なお、リン酸ガリウム微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)写真を撮影して求めた、最大粒子径は100nm、最小粒子径は25nm、実効粒子径は55nmであった。
溶媒である酢酸エチル中で、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名「DISPERBYK−2155」)とリン酸ガリウム微粒子とを、重量比で3:1となるように混合し、リン酸ガリウム微粒子を分散させて、リン酸ガリウム微粒子の酢酸エチルスラリーを得た。
得られたリン酸ガリウム微粒子の酢酸エチルスラリーを、光硬化性アクリレートモノマー(東亞合成(株)製、商品名「M−8060」)及び重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア754」)と混合し、真空下で脱溶媒した。これに紫外線を照射して硬化させ、コンポジット材料を得た。コンポジット材料中のリン酸ガリウム微粒子の含有量は、8.0重量%であった。
〔比較例1〕
実施例1で用いたものと同じ光硬化性アクリレートモノマー及び重合開始剤の混合物に紫外線を照射し、得られた硬化物を比較材料とした。
実施例及び比較例の材料について、プリズムカップラ屈折計(メトリコン社製)を用いて、g線、F線、d線及びC線における屈折率(ng、nF、nd及びnC)を測定し、前記式(1)よりアッベ数νdを算出し、前記式(2)より部分分散比PgFを算出した。また、算出したPgFより異常分散性ΔPgFを求めた。これらの結果を表1、並びに図8及び9に示す。
Figure 2015194731
表1、並びに図8及び9に示す結果から、実施例のコンポジット材料では、その光学特性がリン酸ガリウムの光学特性の影響を受けて、樹脂材料単独とした比較例の材料よりも、アッベ数が高く、正の異常分散性が大きくなっていることがわかる。したがって、無機微粒子としてリン酸ガリウム微粒子を使用することにより、低分散で、かつ大きな正の異常分散性という光学特性を有する光学材料を得ることが可能であることがわかる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、レンズ、プリズム、光学フィルター、回折光学素子等の光学素子に好適に使用することができる。
10 樹脂材料
20 無機微粒子
20a 一次粒子
20b 二次粒子
100 コンポジット材料
200 レンズ
300 ハイブリッドレンズ
310 第1レンズ
320 第2レンズ

Claims (3)

  1. 樹脂材料と、該樹脂材料中に分散された無機微粒子とで構成されており、
    前記無機微粒子は、少なくともリン酸ガリウム微粒子を含む、光学材料。
  2. 請求項1に記載の光学材料から形成されてなる、光学素子。
  3. 第1の光学素子と、該第1の光学素子の光学面上に積層された第2の光学素子とを備え、
    前記第2の光学素子は、請求項2に記載の光学素子である、複合光学素子。
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