JP2015194511A - 眼鏡レンズを製造するための装置、方法及びプログラム並びに眼鏡レンズの製造方法及びレンズ供給システム - Google Patents

眼鏡レンズを製造するための装置、方法及びプログラム並びに眼鏡レンズの製造方法及びレンズ供給システム Download PDF

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【課題】処方された眼鏡レンズを介したものの見え方に対する不満が人によって異なる等の問題がある。【解決手段】レンズフロント角を有する眼鏡フレームに取り付けられる処方度数を持つ眼鏡レンズを製造するための装置であって、処方度数を持つ処方度数レンズを介してものを見たときの眼鏡装用者のボヤケに対する感じやすさを示すボヤケ感度を求めるボヤケ感度求め手段と、ボヤケ感度求め手段により求められたボヤケ感度に基づいて処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する調整手段と、調整手段により調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する設計手段とを備える装置を提供する。【選択図】図6

Description

本発明は、眼鏡レンズを製造するための装置、方法及びプログラム並びに眼鏡レンズの製造方法及びレンズ供給システムに関する。
ラップアラウンド型眼鏡がスポーツ分野等において広く利用されている。ラップアラウンド型眼鏡は、顔を覆うように、横幅が広く顔面に沿ってカーブしている。装用者は、このようなフレームのそり角が大きい眼鏡を装用することにより、視界の拡大、風除け、横方向からの入射光制御などの効果を享受することができる。
ラップアラウンド型眼鏡フレームには、屈折度数を有さない眼鏡レンズだけでなく、屈折度数を有する眼鏡レンズである単焦点眼鏡レンズが取り付けられることがある。ここで、ラップアラウンド型眼鏡フレームのようなそり角の大きい眼鏡フレームに、そり角を全く考慮せずに設計された度付きの単焦点眼鏡レンズをそのまま枠入れして眼鏡として用いる場合を考える。この場合、そり角が無い又は極僅かな通常の眼鏡フレームに眼鏡レンズを枠入れする場合と比べて、プリズム作用、非点収差、度数誤差(パワーエラー)等が変化する。そのため、装用者が大きな違和感を覚えることがある。ここで、そり角は、眼鏡フレームもしくは眼鏡のフロント部の平面と、右のレンズシェイプの平面あるいは左のレンズシェイプの平面との間のなす角である。右あるいは左のレンズシェイプの平面の鼻側が眼鏡のフロント部の平面よりも顔から離れていて、右あるいは左のレンズシェイプの平面の耳側が眼鏡のフロント部の平面よりも顔に近い場合に、右あるいは左のそり角は、正の角とする。
例えば、眼鏡レンズに大きなそり角がつくことによって耳側と鼻側で異なる量の収差(非点収差及び度数誤差)が発生するため、左右眼で知覚される像の明瞭さが異なる。すなわち、装用者は、眼鏡装用時に左右で視力が異なるため、左右の一方又は両方において充分な視力が得られない。そこで、特許文献1に、眼鏡レンズの後面(凹面)の形状補正や非球面化を行うことにより、この種の収差の発生を抑える方法が記載されている。この方法を採用することにより、装用者は、左右で良好な視力が得られるため、違和感が軽減される。
しかし、特許文献1に記載の方法を採用してもなお、装用者によっては違和感を強く覚えることがある。そこで、特許文献2では、特許文献1に記載の方法を採用しても装用者の違和感が解消できない原因について視線方向が検討されている。
特許文献2では、特許文献1に記載の方法ではプリズム作用分布の左右の不均衡(以下、便宜上、「プリズム不均衡」と記す。)を軽減させることについて考慮されていない点に着目し、このプリズム不均衡こそが装用者に違和感を与える原因であると捉えられている。具体的には、特許文献2には、プリズム不均衡を軽減させるため、光学設計上想定される眼の回旋中心を通る光線であって正面視方向及び正面視以外の方向を含む複数の光線がレンズフロント角を有した状態の初期レンズによって受けるプリズム作用分布を、レンズフロント角を有さない状態の初期レンズによって受けるプリズム作用分布に一致させる又は近付けるように、レンズ後面(凹面)の形状データを補正する方法が記載されている。この方法を採用することにより、プリズム不均衡に起因して左右それぞれのレンズを通して左右の眼に見えるものの方向が異なるという問題が抑えられるため、特許文献1に記載の方法ではなし得なかった装用者の違和感の軽減が達成される。本明細書のそり角は、特許文献2の眼鏡フレームのフロント角と同じものである。レンズフロント角は、レンズが無い状態で遠方を正面視したときの眼の回旋中心を通る視線と、フィッティングポイントにおけるレンズ前面(凸面)の法線とがなす水平方向の角度である。眼鏡フレームのそり角(フロント角)が大きい場合には、レンズフロント角も大きくなる傾向がある。レンズフロント角は、そり角(眼鏡フレームのフロント角)とレンズの凸面及び凹面の形状と装用者の左右のフィッティングポイントの位置から算出することができる。
特開2005−284059号公報 特許第5389155号公報
しかし、特許文献2に記載の方法では、プリズム作用分布を補正する代償として、収差(非点収差及び度数誤差)が増加する。そのため、特許文献2に記載の方法を採用した場合、装用者は左右で良好な視力を得られない虞がある。本発明者は、このような事情を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、装用者によっては、収差を改善してよりクリアに見えることが望ましかったり、プリズム不均衡を改善して左右それぞれのレンズを通して左右の眼に見える物の方向をフロント角の無い眼鏡と一致させるあるいは近づけることが望ましかったりする場合があり、プリズム作用分布と収差について装用者毎に適正なバランスが存在するとの知見を得た。
本発明の実施形態に係る眼鏡レンズを製造するための装置は、レンズフロント角を有する眼鏡フレームに取り付けられる処方度数を持つ眼鏡レンズを製造するための装置であり、処方度数を持つ処方度数レンズを介してものを見たときの眼鏡装用者のボヤケに対する感じやすさを示すボヤケ感度を求めるボヤケ感度求め手段と、ボヤケ感度求め手段により求められたボヤケ感度に基づいて処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する調整手段と、調整手段により調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する設計手段とを備える。
本発明の実施形態によれば、人によって異なるボヤケ感度に応じて眼鏡レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を適切に調整することにより、プリズム作用分布と収差について装用者毎に適正なバランスを持つ眼鏡レンズが設計される。
眼鏡レンズを製造するための装置は、眼鏡レンズの装用シーンに関する情報の入力を要求する装用シーン入力部を備える構成としてもよい。この場合、調整手段は、装用シーン入力部を介して入力された装用シーンに関する情報にも基づき、処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する。
ボヤケ感度求め手段は、眼鏡装用者の完全矯正値と処方度数の値との関係に基づいてボヤケ感度を求める構成としてもよい。
眼鏡レンズを製造するための装置は、完全矯正値及び処方度数の値の入力を要求する度数入力部を備える構成としてもよい。この場合、ボヤケ感度求め手段は、度数入力部を介して入力された完全矯正値、及び度数入力部を介して入力された処方度数の値との関係に基づいてボヤケ感度を求める。
本発明の実施形態に係る眼鏡レンズを供給するためのレンズ供給システムは、上記の眼鏡レンズを製造するための装置と、該装置と所定のネットワークを介して接続された入力装置とを備える。入力装置は、眼鏡レンズを設計するための情報の入力を要求する入力部と、入力部を介して入力された情報を装置に送信する送信手段とを有する。また、ボヤケ感度求め手段は、送信手段より送信された情報に基づいてボヤケ感度を求める。調整手段は、ボヤケ感度求め手段により求められたボヤケ感度に基づいて処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する。設計手段は、調整手段により調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する。
入力部は、眼鏡レンズの装用シーンに関する情報の入力を要求する構成としてもよい。この場合、調整手段は、送信手段より送信される装用シーンに関する情報にも基づき、処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する。
入力部は、眼鏡装用者の完全矯正値及び処方度数の値の入力を要求する構成としてもよい。また、ボヤケ感度求め手段は、送信手段により送信された完全矯正値、及び送信手段により送信された処方度数の値との関係に基づいてボヤケ感度を求める構成としてもよい。
また、本発明の実施形態に係る眼鏡レンズを供給するためのレンズ供給システムは、上記の眼鏡レンズを製造するための装置と、提示画像の鮮明度に応じた眼鏡装用者の生体信号を計測する生体信号計測装置とを備える。ボヤケ感度求め手段は、生体信号計測装置にて計測される生体信号に基づいてボヤケ感度を求める。
本発明の実施形態に係る眼鏡レンズを製造するための方法は、レンズフロント角を有する眼鏡フレームに取り付けられる処方度数を持つ眼鏡レンズを製造するための方法であり、処方度数を持つ処方度数レンズを介してものを見たときの眼鏡装用者のボヤケに対する感じやすさを示すボヤケ感度を求めるボヤケ感度求めステップと、ボヤケ感度求めステップにて求められたボヤケ感度に基づいて処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する調整ステップと、調整ステップにて調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する設計ステップとを含む。
本発明の実施形態に係る眼鏡レンズを製造方法は、上記の眼鏡レンズを製造するための方法を実施することにより設計された眼鏡レンズを製造するステップを含む。
本発明の実施形態に係るプログラムは、上記の眼鏡レンズを製造するための方法をコンピュータに実行させるためのものである。
本実施形態によれば、ラップアラウンド型眼鏡等の眼鏡レンズを装用したときの装用者の違和感を軽減させるため、装用者毎に適した眼鏡レンズを供給することが可能なレンズ供給システム及び眼鏡レンズの製造方法並びにこのような眼鏡レンズを製造するための装置、方法及びプログラムが提供される。
本発明の実施形態の眼鏡レンズ製造システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の眼鏡店に備えられた店頭コンピュータに表示される眼鏡セレクタアプリの画面例を示す図である。 本発明の実施形態の眼鏡レンズ製造工場内での眼鏡レンズの製造工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施形態の眼鏡セレクタアプリによるラップアラウンド型眼鏡レンズの選択フローを示す図である。 収差とプリズム作用分布との補正比率が異なる複数タイプの基本設計レンズを並べた基本設計レンズ群を示す図である。 ラップアラウンド型眼鏡レンズの設計ポイントとして第8の基本設計ポイントDES8及び第9の基本設計ポイントDES9を導入したことによる効果を説明するための図である。 ラップアラウンド型眼鏡レンズの設計ポイントとして第8の基本設計ポイントDES8及び第9の基本設計ポイントDES9を導入したことによる効果を説明するための図である。 ラップアラウンド型眼鏡レンズの設計ポイントとして第8の基本設計ポイントDES8及び第9の基本設計ポイントDES9を導入したことによる効果を説明するための図である。 提示画像の鮮明度に応じた被検者(装用予定者)のエントロピーを示すグラフである。 提示画像の鮮明度に応じた被検者(装用予定者)のエントロピーを示すグラフである。 提示画像の鮮明度に応じた被検者(装用予定者)のエントロピーを示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る眼鏡レンズ製造システムについて説明する。
[眼鏡レンズ製造システム1]
図1は、本実施形態の眼鏡レンズ製造システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、眼鏡レンズ製造システム1は、顧客(装用予定者)に対する処方に応じた眼鏡レンズを発注する眼鏡店10と、眼鏡店10からの発注を受けて眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造工場20を有している。眼鏡レンズ製造工場20への発注は、インターネット等の所定のネットワークやFAX等によるデータ送信を通じて行われる。発注者には眼科医や一般消費者を含めてもよい。
[眼鏡店10]
眼鏡店10には、店頭コンピュータ100が備えられている。店頭コンピュータ100は、例えばタブレット端末やスマートフォン、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC等であり、装用予定者に適した眼鏡を選択するアプリケーション(以下、「眼鏡セレクタアプリ」と記す。)102がインストールされている。
図2(a)〜図2(d)は、店頭コンピュータ100に表示される眼鏡セレクタアプリ102の画面例を示す。図2(a)及び図2(b)は、レンズデータやフレームデータの入力画面例を示す。レンズデータには、例えば、処方値(球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸方向、プリズム屈折力、プリズム基底方向、加入度数、瞳孔間距離(PD:Pupillary Distance)等)、レンズ材質、屈折率、光学設計の種類、レンズ外径、レンズ厚、コバ厚、偏心、ベースカーブ、眼鏡レンズの装用条件(角膜頂点間距離、前傾角、フレームのそり角)、眼鏡レンズの種類(単焦点球面、単焦点非球面、多焦点(二重焦点、累進)、コーティング(染色加工、ハードコート、反射防止膜、紫外線カット等))、装用予定者の要望に応じたレイアウトデータ等が含まれる。フレームデータには、装用予定者により選択されたフレームの形状データが含まれる。また、図2(a)に示されるように、眼鏡セレクタアプリの情報取得項目には、上記の一般的なレンズデータやフレームデータに加えて、完全矯正値(球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸方向、加入度数)、処方度数による左右の遠方視力及び近方視力並びに完全矯正値による左右の視力がある。
なお、本実施形態では、眼鏡セレクタアプリ102により、ラップアラウンド型眼鏡レンズについて複数の設計タイプの中から、装用予定者に適した光学性能を持つタイプが選択される例を説明する。ラップアラウンド型眼鏡レンズには、スポーツグラスだけでなく、例えば、ファッション性を出すためにレンズフロント角が付けられたサングラスが含まれる。ラップアラウンド型眼鏡レンズには、屈折度数を有さない度無しレンズだけでなく、屈折度数を有する度付きレンズがあり、例えば、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進レンズがある。
図2(c)は、ラップアラウンド型眼鏡を装用するシーンに関する情報を取得するための画面例を示す。この情報取得の項目には、例えば、装用予定者がプレイするスポーツ(テニス、ベースボール、ゴルフ、バドミントン、スキー、スノーボード、マウンテンバイク、ウォーキング、ロードサイクリング、ドライブ、ランニング・ジョギング、トレッキング・登山、フィッシング等)を問うものや、スポーツ以外での装用を予定しているシーン(ショッピング等)を問うものが挙げられる。
検査員によって検眼レンズ等を用いた検眼作業が行われる。次いで、眼鏡店10の店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面や装用シーンを問う画面等の各画面に対する検査員又は装用予定者による入力が行われる。店頭コンピュータ100は、眼鏡レンズの設計に必要な全ての画面に対する入力を全て受け付けると、所定の基本設計レンズ群(図5参照。詳しくは後述する。)の中から少なくとも一つの基本設計レンズを選定し、選定された基本設計レンズを画面に表示する(図2(d)参照)。店頭コンピュータ100は、画面に表示された基本設計レンズが装用予定者の装用する眼鏡レンズとして選択操作されると、発注データ(レンズデータ及びフレームデータ)を例えばインターネット経由で眼鏡レンズ製造工場20に送信する。
なお、眼鏡セレクタアプリ102は、ネットワーク上に配置されたサーバ(不図示)にインストールされていてもよい。この場合、眼鏡セレクタアプリ102は、例えば店頭コンピュータ100の汎用ブラウザをGUI(Graphical User Interface)として又は店頭コンピュータ100にインストールされた専用のGUIアプリを介してサーバ上で実行される。店頭コンピュータ100とサーバとの通信は、例えばブラウザ上に表示された各種データの入力画面や装用シーンを問う画面等の各画面(サーバ(眼鏡セレクタアプリ102)からネットワークを介してダウンロードされるもの)が遷移するタイミング等で逐次行われる。発注データは、ブラウザ等に表示された基本設計レンズが装用予定者の装用する眼鏡レンズとして選択された時点でサーバから眼鏡レンズ製造工場20に送信される。
[眼鏡レンズ製造工場20]
眼鏡レンズ製造工場20には、ホストコンピュータ200を中心としたLAN(Local Area Network)が構築されており、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202や眼鏡レンズ加工用コンピュータ204をはじめ多数の端末装置が接続されている。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は一般的なPCであり、それぞれ、眼鏡レンズ設計用のプログラム、眼鏡レンズ加工用のプログラムがインストールされている。ホストコンピュータ200には、店頭コンピュータ100からインターネット経由で送信された発注データが入力される。ホストコンピュータ200は、入力された発注データを眼鏡レンズ設計用コンピュータ202に送信する。
[眼鏡レンズ製造工場20内での眼鏡レンズの製造]
[図3のS11(眼鏡レンズの設計)]
図3は、眼鏡レンズ製造工場20内での眼鏡レンズの製造工程を示すフローチャートである。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、受注に応じた眼鏡レンズを設計するためのプログラムがインストールされており、発注データ(レンズデータ)に基づいてレンズ設計データを作成し、発注データ(フレームデータ)に基づいて玉型加工データを作成する。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、作成されたレンズ設計データ及び玉型加工データを眼鏡レンズ加工用コンピュータ204に転送する。
[図3のS12(眼鏡レンズの製造)]
眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202から転送されたレンズ設計データ及び玉型加工データを読み込み、加工機206を駆動制御する。
例えば、注型重合法によりプラスチック眼鏡レンズを製造する場合を考える。この場合、加工機206は、レンズ設計データに従って例えば金属、ガラス、セラミックス等の材料を研削・研磨することにより、レンズの外面(凸面)、内面(凹面)の各面に対応する成形型を製作する。製作された一対の成形型は、眼鏡レンズの厚みに対応する間隔をもって対向配置され、両成形型の外周面が粘着テープで巻き付けられて、成形型間が封止される。一対の成形型は、眼鏡レンズ用成形装置208にセットされると、粘着テープの一部に孔が開けられ、この孔を通じてレンズ原料液がキャビティ(成形型間の封止空間)に注入される。キャビティに注入され充填されたレンズ原料液は、熱や紫外線照射等によって硬化される。これにより、一対の成形型の各転写面形状及び粘着テープによる周縁形状が転写された眼鏡レンズ基材が得られる。硬化によって得られた眼鏡レンズ基材は、成形型から取り外される。離型された眼鏡レンズ基材には、アニール処理による残留応力の除去が行われる。この後、染色加工、ハードコート加工、反射防止膜、紫外線カット等の各種コーティングが施される。これにより、眼鏡レンズが完成して眼鏡店10に納品される。
また、眼鏡レンズ製造工場20には、生産性を向上させるため、全製作範囲の度数を複数のグループに区分し、各グループの度数範囲に適合した凸面カーブ形状(例えば球面形状、非球面形状など)とレンズ径を有するセミフィニッシュトレンズブランク群が眼鏡レンズの注文に備えて予め用意されていてもよい。セミフィニッシュトレンズブランクは、例えば樹脂ブランク又はガラスブランクであり、凸面、凹面が夫々、光学面(完成面)、非光学面(未完成面)である。この場合、レンズデータに基づいて最適なセミフィニッシュトレンズブランクが選択され、選択されたセミフィニッシュトレンズブランクが加工機206にセットされる。加工機206は、セットされたセミフィニッシュトレンズブランクの凹面をレンズ設計データに従って研削・研磨することにより、アンカットレンズを製作する。凹面形状製作後のアンカットレンズには、染色加工、ハードコート加工、反射防止膜、紫外線カット等の各種コーティングが施される。各種コーティング後のアンカットレンズは、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202により作成される玉型加工データに基づいて外周面が周縁加工される。玉型形状に加工された眼鏡レンズは眼鏡店10に納品される。また、眼鏡レンズ製造工場20では、セミフィニッシュトレンズブランクに代えて、凸面及び凹面が両面とも球面に成形されたレンズブランクスを用いて眼鏡レンズが製造加工されてもよい。
[眼鏡レンズを介したものの見え方に関する説明]
人がボヤケた画像やシャープな画像を見たときにどのように知覚するか(ボヤケに対する感じやすさを示すボヤケ感度)は、個々人で異なっており、知覚される画像の質によって決まる。知覚される画像の質は、眼鏡レンズの処方度数の値、瞳孔径の大きさ、眼球内の透光体の透明度、脳内で処理されて形成される知覚画像等によって決まるものと考えられる。
知覚画像を脳内で形成する能力には個人差がある。例えば、人に僅かにボヤケた画像を見せた場合を考える。この場合、見せた画像は、人によって、脳内の処理で改善されてボヤケの無い画像として知覚されたり、脳内の処理でも改善されずそのままボヤケを伴う画像として知覚されたりする。
(既存の方法で決定される処方度数について)
眼鏡店等において眼鏡を作成する際、装用予定者が眼鏡を装用したときのものの見え方を改善させるため、眼鏡レンズの処方度数の測定が行われる。例として、処方測定を行う検査員は、オートレフラクトメータ等の眼の屈折度数を他覚的に測定する装置を用いて暫定的な処方度数を測定する。検査員は、次いで、フォロプターやテストフレームを用いて装用予定者の眼前に、測定結果(暫定的な処方度数)を参考にして検眼レンズを選択して配置し、配置された検眼レンズを介して装用予定者にテスト指標を視認させる。検査員は、視認させたテスト指標がどのように見えているかを装用予定者に訊き、その結果に応じて検眼レンズを差し替えるという作業を繰り返す。この検眼作業は、最も高い視力が得られる度数の値(完全矯正値)が判るまで続けられる。なお、検眼レンズを用いた検眼作業では、最も高い視力が得られる度数の内の最もプラス寄りの度数が完全矯正値とみなされる。
検査員は、装用予定者の完全矯正値が判ると、完全矯正値もしくは、完全矯正値に調整を加えた値を暫定的な処方度数とした検眼レンズを嵌めたテストフレームを装用予定者に一定時間掛けさせる。これにより、暫定的な処方度数の眼鏡を快適に掛け続けられるかどうかを装用予定者に判断させる。装用予定者は、暫定的な処方度数の眼鏡を一定時間掛けた結果、例えば、装用予定者がクリアに見え過ぎることで却って眼に負担が掛かることから度数を少し弱めてほしいと注文したり、もっときれいに見える度数にしてほしいなどの理由から更に度数を少し強めてほしいと注文したりすることがある。検査員は、装用予定者の注文や自身の経験的判断等を考慮しながら検眼作業を続ける。検眼作業は、装用予定者の注文等が無くなって最終的な処方度数が決定されるまで続けられる。
このように、検査員によって行われる検眼作業(処方度数の測定及び決定)では、検査員が装用予定者に対して検眼レンズを介したものの見え方を訊き、装用予定者がそれに返答するという形式で行われる。しかし、検眼レンズの度数が最適に近い度数になると、装用予定者は、その度数付近において何れの検眼レンズを介したものの見え方が良好であるかを判断することが難しくなり、返答に困ることがある。すなわち、装用予定者の返答には、ある程度の不正確性が残る。
また、上述したように、検眼作業にて決定された処方度数は、装用予定者自身の要望や検査員の経験的判断等に応じて調整されることがある。しかし、眼鏡レンズの注文時、眼鏡レンズメーカには、度数について眼鏡店等で最終的に決定された処方度数の値が通知されるだけであり、処方度数がどのような値なのか(例えば完全矯正値なのか、完全矯正値から幾つ調整された値なのか等)という情報については通知されない。このように、眼鏡レンズメーカには、処方度数が完全矯正値からどのように調整された値なのかという情報が無いため、装用予定者が非球面レンズのようにレンズ全体に屈折力が変化するタイプのレンズを掛けた時にどのように見えるかを知得することができない。
(ボヤケ感度について)
本発明者は、上記の情報を知得することができない状態で製造された眼鏡レンズでは、そのものの見え方について装用予定者が不満を感じることがあるという考えを想起した。
例えば、近視を補正するためのマイナス度数の眼鏡レンズとして単焦点の非球面設計レンズが注文された場合を考える。注文された処方度数が完全矯正値で且つ装用予定者の視力レベルを良好なレベルに改善させるものであるとき、非球面設計によって収差(非点収差及び度数誤差)が改善されていることから、一般的な球面設計レンズと比べてボヤケが少なくなる。一方、注文された処方度数が例えば完全矯正値からプラス度数側に調整された(マイナス度数を弱める調整がされた)ものであるとき、非球面設計によるレンズ周辺の収差改善に伴いレンズ周辺で平均屈折力が強まることが抑えられるため、レンズ周辺を介した遠方視では、かえってものが若干ボヤケて見える。寧ろ、マイナス度数を弱めた処方度数では、収差補正されずにレンズ周辺での平均屈折力がマイナス側に強くなっている球面設計レンズの方が、レンズ周辺を介した遠方視時にものがクリアに見えることがある。このようなケースを鑑みると、処方度数がどのような値なのかがレンズ設計にフィードバックされていれば、装用予定者の上記不満を和らげることが可能な眼鏡レンズを設計することが可能になるものと考えられる。
更なる例として、遠近両用累進レンズを挙げる。例えば、遠方視があまり重要でない装用予定者(車の運転が必要でない者や主に室内で行動する生活スタイルの者)にとっては、遠用部を広く確保する必要性が低い。寧ろ、累進帯部の両側に発生する収差を抑えると共に遠近両用累進レンズ特有の欠点である像の歪みや揺れの発生を抑える目的で、遠用部を狭くする代わりに累進帯部のクリアに見える幅を広くしたり、周辺の非点収差や度数誤差を抑えた設計が好適である。
遠用部がやや狭く設計された遠近両用累進レンズの場合、レンズの上部中央領域(遠用部の中央領域)には処方度数に近い屈折力が分布している。そのため、遠用部の中央領域を介して遠方視したときには、ものがクリアに見える。一方、レンズの上部中央から鼻側又は耳側にずれた遠用部の周辺領域では収差(非点収差やプラス度数寄りの度数誤差)が発生している。そのため、遠用部の周辺領域を介して遠方視したときには、注文された処方度数が完全矯正値であったとしても、処方度数に対して発生している収差の分だけ屈折力が処方度数からずれていることから、ものがボヤケて見える。但し、主に室内等で行動する生活スタイルの者は、基本的に視距離が室内等の範囲に限られる。そのため、遠用部の周辺領域を介して室内の遠方を見た場合にも、ものがクリアに見え、実質的に問題にはならない。
しかし、注文された処方度数が完全矯正値に対してプラス度数寄りに調整されたものである場合、遠用部の中央領域を介した遠方視時には、調整度数分だけボヤケて見える。遠用部の周辺領域を介した遠方視時には、周辺領域に分布している収差(特にプラス度数寄りの度数誤差)と調整度数分の収差とが重畳されることから更にボヤケて見える。後者の場合、室内での遠方視であってもボヤケて見えるという虞がある。
以上のことから、検眼作業にて決定された完全矯正値と検眼作業にて調整等がされて決定された処方度数の値との関係は、装用予定者が眼鏡レンズを介してものを見たときに知覚するボヤケ具合(ボヤケ感度)と密接に関連するものと考えられる。そこで、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、検眼作業にて決定された完全矯正値と検眼作業にて調整等がされて決定された処方度数の値との関係(差異)から装用予定者のボヤケ感度を推定することができ、推定されたボヤケ感度に基づいて適切な眼鏡レンズの設計傾向を判断することができるとの知見を得た。
[眼鏡セレクタアプリ102によるラップアラウンド型眼鏡レンズの選択方法]
図4は、眼鏡セレクタアプリ102によるラップアラウンド型眼鏡レンズについて、予め設計バリエーションとして用意されている基本設計レンズ群の中から装用予定者に適した基準設計のラップアラウンド型眼鏡レンズを選択するフローを示す。
[図4のS21(ラップアラウンド型眼鏡レンズのタイプ)]
本処理ステップS21では、設計対象のレンズが個別設計タイプの累進レンズであるか否かが判定される。設計対象のレンズが個別設計タイプの累進レンズ以外(例えば単焦点レンズ、多焦点レンズ、汎用設計タイプの累進レンズ等)の場合(S21:NO)、例えば、処方度数に応じた汎用設計レンズがラップアラウンド型眼鏡レンズの基本設計レンズとして決定されて、本フローの処理が処理ステップS25(プリズム不均衡の除去率の算出)に進む。
[図4のS22(各基本設計ポイントDES1〜DES7の計算)]
本処理ステップS22は、処理ステップS21(ラップアラウンド型眼鏡レンズのタイプ)にて設計対象のレンズが個別設計タイプの累進レンズであると判定された場合(S21:YES)に実行される。本処理ステップS22では、基本設計ポイントDES1〜DES7が計算される。ここでは、基本設計ポイントDES1〜DES7について概説的に説明する。基本設計ポイントDES1〜DES7の詳細な説明については、特許第5094968号公報にて参照することができる。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面を通じて入力された左右の遠用球面屈折力SPH、円柱屈折力CYL及び乱視の軸方向AXに基づいて左右の平均値MPWを計算し、計算された平均値MPWに基づいて第1の基本設計ポイントDES1を計算する。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面を通じて入力された左右の加入度数ADDに基づいて第2の基本設計ポイントDES2を計算する。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面を通じて入力されたフレーム情報(レンズの前傾角PA)に基づいて第3の基本設計選択ポイントDES3を計算する。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面を通じて入力されたフレーム情報(左右のレンズ裏面と左右の眼球角膜頂点との距離VDL、VDR)に基づいて平均頂間距離MVDを計算し、計算された平均頂間距離MVDに基づいて第4の基本設計選択ポイントDES4を計算する。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される生活スタイルを問う画面を通じて入力された各生活シーン(テレビ鑑賞、パソコン、楽器演奏、料理、ガーデニング、ダンス・フィットネス)に対する重要度A1〜A6、各生活シーン(ショッピング、会食・パーティー、旅行・リゾート、風景写真撮影、ランニング、ウォーキング)に対する重要度B1〜B6及び各生活シーン(ドライブ、バイク・ツーリング・スタジアム観戦、ゴルフ、登山・ハイキング、劇場・映画鑑賞)に対する重要度C1〜C6に基づいて第5の基本設計選択ポイントDES5を計算する。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面を通じて入力された重視度FWT(装用予定者の遠方視に対する重要度)に基づいて第6の基本設計選択ポイントDES6を計算する。
眼鏡セレクタアプリ102は、店頭コンピュータ100に表示される各種データの入力画面を通じて入力されたタイプ情報KBtp(累進レンズ・多焦点レンズ・その他短焦点レンズなど、装用予定者が前回使用していた眼鏡のレンズ種の情報)、前回使用していた眼鏡の満足度SAT及び平均値MPWp並びにMPWに基づいて第7の基本設計選択ポイントDES7を計算する。
[図4のS23(基本設計ポイントDESの計算)]
本処理ステップS23では、DESTT(=DES1+DES2+DES3+DES4+DES5+DES6+DES7)、CURD(前回使用眼鏡のタイプの指標)及び満足度SATに基づいて基本設計ポイントDESが計算される。なお、基本設計ポイントDESの計算の詳細は、特許第5094968号公報にて参照することができる。
[図4のS24(基本設計レンズの選定)]
本処理ステップS24では、処理ステップS23(基本設計ポイントDESの計算)にて計算された基本設計ポイントDESに基づいて、所定の基本設計レンズ群の中から、少なくとも一つの基本設計レンズが装用予定者に装用されるラップアラウンド型眼鏡レンズの基本設計レンズとして選定される。
[図4のS25(プリズム不均衡の除去率の算出)]
ラップアラウンド型眼鏡レンズでは、レンズフロント角に由来する収差(非点収差及び度数誤差)の発生により充分な視力が得られない問題と、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡により左右のそれぞれの眼で見たときのものの見える方向や形状が通常のレンズフロント角の無い又はレンズフロント角の小さい眼鏡と大きく異なる問題とがトレードオフの関係で発生する。すなわち、レンズフロント角に由来する収差を補正すると、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡が大きくなり、また、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡を補正すると、レンズフロント角に由来する収差が増加する。
そこで、本処理ステップS25では、第8の基本設計ポイントDES8及び第9の基本設計ポイントDES9が計算される。次いで、計算された第8の基本設計ポイントDES8と第9の基本設計ポイントDES9とが加算されることにより、処理ステップS21(ラップアラウンド型眼鏡レンズのタイプ)にて決定された基本設計レンズ又は処理ステップS24(基本設計レンズの選定)にて選定された基本設計レンズに対するプリズム不均衡の除去率(収差とプリズム作用分布との補正比率と言い換えてもよい。)が決定される。プリズム不均衡の除去率が決定された基本設計レンズの情報は、店頭コンピュータ100の画面に表示される。
第8の基本設計ポイントDES8の値は、プリズム不均衡の除去率(単位:%)を示すものであり、店頭コンピュータ100に表示される装用シーン(装用予定者が行うスポーツやその他の装用シーン)を問う画面を通じて入力された情報に応じて変わる。
ここで、例えば、テニスでは、プレイヤは、コート内を走りながらボールの移動方向やボールとの距離を瞬時に正確に捉える必要がある。また、ゴルフでは、プレイヤは、特にパットを行う際にグリーンの傾斜や形状を正確に把握する必要がある。また、スキーやスノーボードでは、プレイヤは、高速で滑りながら斜面の形状や方向を瞬時に判断する必要がある。これらのスポーツでは、ものを細かいところまでクリアに見ることよりも、ものの方向や形状を正確に捉えることが重視される。そのため、これらのスポーツでの装用が予定される場合は、レンズフロント角に由来する収差の発生を抑えるよりも、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡を抑える設計が好適である。
一方、ドライブやウォーキング等では、ものの方向や形状を正確に捉えることが重要ではあるが、ものが広い範囲でボヤケずにクリアに見えることがより重要である。そのため、この場合は、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡を抑えるよりも、レンズフロント角に由来する収差の発生を抑える設計が好適である。
第8の基本設計選択ポイントDES8の値が変わることにより、プリズム不均衡の除去率(収差とプリズム作用分布との補正比率)が変わる。例えば装用シーンを問う画面でテニスが選択されると、プリズム不均衡の除去率が上昇(プリズム作用分布の補正比率が上昇)し、ウォーキングが選択されると、プリズム不均衡の除去率が低下(収差の補正比率が上昇)する。
第9の基本設計ポイントDES9の値もプリズム不均衡の除去率(単位:%)を示す。第9の基本設計ポイントDES9の値は、装用予定者のボヤケ感度に応じて例えば±20%の範囲内で変化する。例えば、装用予定者のボヤケ感度が低いと推定されると、プリズム不均衡の除去率が上昇(プリズム作用分布の補正比率が上昇)し、装用予定者のボヤケ感度が高いと推定されると、プリズム不均衡の除去率が低下(収差の補正比率が上昇)する。
次に、ラップアラウンド型眼鏡レンズの設計ポイントとして第8の基本設計ポイントDES8及び第9の基本設計ポイントDES9を導入したことによる効果を説明する。図5に、処理ステップS21(ラップアラウンド型眼鏡レンズのタイプ)にて決定された基本設計レンズ又は処理ステップS24(基本設計レンズの選定)にて選定された基本設計レンズについて、プリズム不均衡の除去率(収差とプリズム作用分布との補正比率)が異なる複数タイプを並べて示す。図5中、右側の基本設計レンズほどプリズム不均衡の除去率が低く(収差の補正比率が高く)、左側の基本設計レンズほどプリズム不均衡の除去率が高い(プリズム作用分布の補正比率が高い)。
収差補正を重視する設計タイプ(以下、「収差補正重視タイプ」と記す。)は、主に、像のボヤケが気になりやすい条件(ドライブやウォーキングが趣味、ボヤケ感度が高い等)の装用予定者に適しており、標準タイプに対して収差の補正が強くプリズム作用分布の補正が弱い。ここで、標準タイプとは、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡の除去率が50%となるようにプリズム作用分布が補正されたレンズタイプをいう。また、プリズム作用分布の補正を重視する設計タイプ(以下、「プリズム補正重視タイプ」と記す。)は、主に、像のボヤケが気になりにくい条件(テニスやゴルフ、スキーが趣味、ボヤケ感度が低い等)の装用予定者に適しており、標準タイプに対してプリズム作用分布の補正が強く収差の補正が弱い。
図6〜図8を参照して、第8の基本設計ポイントDES8及び第9の基本設計ポイントDES9に基づいて眼鏡レンズの設計傾向(収差補正重視タイプ、プリズム補正重視タイプ等)が変更されるケースを複数例説明する。なお、図6〜図8の各例において、便宜上、処理ステップS21(ラップアラウンド型眼鏡レンズのタイプ)にて決定された基本設計レンズ又は処理ステップS24(基本設計レンズの選定)にて選定された基本設計レンズの、初期的な(処理ステップS25(プリズム不均衡の除去率の算出)の実行前の)プリズム不均衡の除去率を50%(標準タイプ)とする。また、第8の基本設計ポイントDES8により変化されたプリズム不均衡の除去率を基準とする設計タイプの選定範囲に符号SDLを付す。また、第9の基本設計ポイントDES9により更に変化されたプリズム不均衡の除去率を基準とする設計タイプの選定範囲に符号SDL’を付す。範囲SDL’に一部でも含まれる設計タイプの基本設計レンズが装用予定者に装用されるラップアラウンド型眼鏡レンズの基本設計レンズとして選定される。
[装用ケース1:ものの方向や形状を正確に捉えることが重視されるシーンでの装用]
図6(a)〜図6(c)は、装用ケース1における設計タイプを説明するための図である。装用ケース1は、テニスなど、ものの方向や形状を正確に捉えることが重視されるシーンでの装用を想定している。そのため、設計タイプは、第8の基本設計選択ポイントDES8の影響でプリズム補正重視タイプにシフトされている(図6(a)中、範囲SDL参照)。なお、この種のシーンとして、テニス以外では、ベースボール、ゴルフ、バドミントン、スキー、スノーボード、マウンテンバイク等が挙げられる。
(装用ケース1a:処方度数が完全矯正値又はそれに近似する値)
装用ケース1aでは、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが少ない。そのため、設計傾向を多少変えたとしても、ボヤケが知覚されにくい。従って、装用予定者は、ボヤケに対して鈍く、ボヤケ感度が低いものと推定される。附言するに、ボヤケ感度は、処方度数と完全矯正値とが近いほど低いものと推定される。なお、通常は意図して行われることは無いと考えられるが、もし、処方度数が完全矯正よりも僅かにマイナス寄りに処方されただけの場合もボヤケ感度は低いものと推定される。
処方度数と完全矯正値との関係(差異)は、図2(a)の画面を介して入力された処方度数と完全矯正値に基づいて把握される。第9の基本設計ポイントDES9の値は、完全矯正値と処方度数の値との関係(差異)から推定される装用予定者のボヤケ感度に基づいて決定される。装用ケース1aでは、装用予定者のボヤケ感度が低いと推定されることから、装用予定者にはレンズ介してものを見たときのボヤケを許容する余地が大きいと考えられる。そのため、設計タイプは、第9の基本設計選択ポイントDES9の影響で図6(a)の設計タイプから更にプリズム補正重視タイプにシフトされる(図6(b)中、範囲SDL’参照)。図6(b)に示される設計タイプでは、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡が実質的にゼロ(除去率100%)となるようにプリズム作用分布が補正される。
なお、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡を除去する具体的補正方法は、例えば特許文献2にて参照される。特許文献2にて参照される補正方法によれば、補正対象レンズについて、光学設計上想定される眼の回旋中心を通る光線であって正面視方向及び正面視以外の方向を含む複数の光線がレンズフロント角を有した状態の補正対象レンズ形状のレンズによって受けるプリズム作用の分布を、レンズフロント角を有さない状態の補正対象レンズ形状のレンズによって受けるプリズム作用の分布に一致させるようにレンズ後面の形状データを補正することにより、プリズム不均衡が実質的にゼロに抑えられた眼鏡レンズが得られる。
(装用ケース1b:処方度数が完全矯正値からプラス度数側に離れた値に調整)
装用ケース1bでは、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが若干大きい。そのため、例えば設計傾向を更にプラス度数側に変えると、ボヤケがかなり大きくなる虞がある。従って、装用予定者は、処方度数ではボヤケに対して敏感で、ボヤケ感度が高いものと推定される。附言するに、ボヤケ感度は、処方度数と完全矯正値とが離れているほど高いものと推定される。
装用ケース1bでは、装用予定者のボヤケ感度が高いと推定されることから、装用予定者にはレンズ介してものを見たときのボヤケを許容する余地が少ないと考えられる。そこで、設計タイプは、収差によるボヤケを抑えるべく、第9の基本設計選択ポイントDES9の影響で図6(a)の設計タイプから収差補正重視タイプにシフトされる(図6(c)中、範囲SDL’参照)。図6(c)に示される設計タイプでも依然として、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡の補正が重視されており、具体的にはプリズム不均衡の除去率が70%となるようにプリズム作用分布が補正される。装用ケース1bは、装用ケース1aよりもプリズム不均衡の除去率が低い分だけ収差が補正されているため、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが小さくなっている。そのため、ボヤケ感度が高い装用予定者に適している。
[装用ケース2:ものが広い範囲でボヤケずにクリアに見えることが重視されるシーンでの装用]
図7(a)〜図7(c)は、装用ケース2における設計タイプを説明するための図である。装用ケース2は、ドライブなど、ものが広い範囲でボヤケずにクリアに見えることが重視されるシーンでの装用を想定している。そのため、設計タイプは、第8の基本設計選択ポイントDES8の影響で収差補正重視タイプにシフトされている(図7(a)中、範囲SDL参照)。なお、この種のシーンとして、ドライブ以外では、ウォーキング、ロードサイクリング等が挙げられる。
(装用ケース2a:処方度数が完全矯正値又はそれに近似する値)
装用ケース2aでは、装用ケース1aと同様に、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが少ない。従って、装用予定者は、ボヤケに対して鈍く、ボヤケ感度が低いものと推定される。
装用ケース2aでは、装用ケース1aと同様に、装用予定者のボヤケ感度が低いと推定されることから、装用予定者にはレンズ介してものを見たときのボヤケを許容する余地が大きいと考えられる。そのため、設計タイプは、第9の基本設計選択ポイントDES9の影響で図7(a)の設計タイプからプリズム補正重視タイプにシフトされる(図7(b)中、範囲SDL’参照)。但し、図7(b)に示される設計タイプでは、依然として収差補正が重視されており、具体的にはプリズム不均衡の除去率が40%となるようにプリズム作用分布が補正される。
(装用ケース2b:処方度数が完全矯正値からプラス度数側に離れた値に調整)
装用ケース2bでは、装用ケース1bと同様に、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが若干大きい。従って、装用予定者は、処方度数ではボヤケに対して敏感で、ボヤケ感度が高いものと推定される。
装用ケース2bでは、装用ケース1bと同様に、装用予定者のボヤケ感度が高いと推定されることから、装用予定者にはレンズ介してものを見たときのボヤケを許容する余地が少ないと考えられる。そこで、設計タイプは、収差によるボヤケを抑えるべく、第9の基本設計選択ポイントDES9の影響で図7(a)の設計タイプから更に収差補正重視タイプにシフトされる(図7(c)中、範囲SDL’参照)。図7(c)に示される設計タイプでは、装用ケース2aよりも収差補正が重視されており、具体的にはプリズム不均衡の除去率が20%となるようにプリズム作用分布が補正される。装用ケース2bは、装用ケース2aよりもプリズム不均衡の除去率が低い分だけ収差が補正されているため、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが小さくなっている。そのため、ボヤケ感度が高い装用予定者に適している。
[装用ケース3:ものの方向や形状を正確に捉えることと、ものが広い範囲でボヤケずにクリアに見えることの両方が重視されるシーンでの装用]
図8(a)〜図8(c)は、装用ケース3における設計タイプを説明するための図である。装用ケース3は、ランニングやジョギングなど、ものの方向や形状を正確に捉えることと、ものが広い範囲でボヤケずにクリアに見えることの両方が重視されるシーンでの装用を想定している。そのため、設計タイプは、第8の基本設計選択ポイントDES8の影響を特に受けることなく標準タイプのままである(図8(a)中、範囲SDL参照)。なお、この種のシーンとして、ランニングやジョギング以外では、トレッキング、登山、フィッシング等が挙げられる。
(装用ケース3a:処方度数が完全矯正値又はそれに近似する値)
装用ケース3aでは、装用ケース1aと同様に、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが少ない。従って、装用予定者は、ボヤケに対して鈍く、ボヤケ感度が低いものと推定される。
装用ケース3aでは、装用ケース1aと同様に、装用予定者のボヤケ感度が低いと推定されることから、装用予定者にはレンズ介してものを見たときのボヤケを許容する余地が大きいと考えられる。そのため、設計タイプは、第9の基本設計選択ポイントDES9の影響で図8(a)の設計タイプからプリズム補正重視タイプにシフトされる(図8(b)中、範囲SDL’参照)。図8(b)に示される設計タイプでは、レンズフロント角に由来するプリズム不均衡の補正が重視されており、具体的にはプリズム不均衡の除去率が60%となるようにプリズム作用分布が補正される。
(装用ケース3b:処方度数が完全矯正値からプラス度数側に離れた値に調整)
装用ケース3bでは、装用ケース1bと同様に、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが若干大きい。従って、装用予定者は、処方度数ではボヤケに対して敏感で、ボヤケ感度が高いものと推定される。
装用ケース3bでは、装用ケース1bと同様に、装用予定者のボヤケ感度が高いと推定されることから、装用予定者にはレンズ介してものを見たときのボヤケを許容する余地が少ないと考えられる。そこで、設計タイプは、収差によるボヤケを抑えるべく、第9の基本設計選択ポイントDES9の影響で図8(a)の設計タイプから収差補正重視タイプにシフトされる(図8(c)中、範囲SDL’参照)。図8(c)に示される設計タイプでは、装用ケース3aよりも収差補正が重視されており、具体的にはプリズム不均衡の除去率が40%となるようにプリズム作用分布が補正される。装用ケース3bは、装用ケース3aよりもプリズム不均衡の除去率が低い分だけ収差が補正されているため、レンズを介してものを見たときに装用予定者が知覚する像のボヤケが小さくなっている。そのため、ボヤケ感度が高い装用予定者に適している。
[発注データの作成]
図4の処理ステップS25(プリズム不均衡の除去率の算出)にて決定されたプリズム不均衡の除去率を基準とする選定範囲SDL’の中から1つの設計タイプが選択操作されると、眼鏡セレクタアプリ102は、選択された設計タイプの基本設計レンズに基づいて、装用予定者の処方度数や身体的特徴に合わせて最終的な光学的設計を行い、装用予定者の使用状況及び処方度数に適したラップアラウンド型眼鏡レンズの発注データ(レンズデータ及びフレームデータ)を作成して眼鏡レンズ製造工場20に送信する。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施例や変形例又は自明な実施例や変形例を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
上記の実施形態では、検眼作業にて決定された完全矯正値と検眼作業にて調整等がされて決定された処方度数の値との関係(差異)から装用予定者のボヤケ感度が推定されているが、別の実施形態では、NIRS(Near-infrared spectroscopy)脳計測装置を用いてボヤケ感度が測定されてもよい。
NIRS脳計測装置を用いたボヤケ感度の測定方法についての詳細は、例えば国際公開第2014/22926号パンフレット(以下、「国際公開公報1」と記す。)に開示されている。一例として、装用予定者は、NIRS脳計測装置を用いてボヤケ感度を測定するに当たり、検眼作業にて決定された処方度数の検眼レンズを装用する。また、装用予定者の前頭部にNIRS脳計測装置のプローブがセットされる(例えば国際公開公報1の図3参照)。プローブがセットされた装用予定者に対して、鮮明度(Image Clarity Level)の異なる複数枚の画像がランダムに提示される。なお、検眼レンズの度数は、装用予定者と提示画像との距離に応じて適宜調整される。複数枚の提示画像には、鮮明度が調節されていないオリジナル画像並びにオリジナル画像に対して鮮明化された(sharpened)画像及びぼやかされた(blurred)画像が含まれる。複数枚の提示画像の具体例は、国際公開公報1の図22や図25等にて参照される。
図9〜図11に、国際公開公報1の図23A〜図23Cを引用して示す。図9〜図11はそれぞれ、提示画像の鮮明度に応じた被検者(装用予定者)毎のエントロピーを例示するグラフである。図9〜図11中、縦軸は、相対エントロピー(Relative Entropy)を示しており、オリジナル画像を見たときの装用予定者のエントロピーの値を基準(エントロピーがゼロ)としている。横軸は、提示画像の鮮明度(Image Clarity Level(slope index))を示している。図9〜図11において、オリジナル画像の鮮明度はゼロであり、オリジナル画像に対して鮮明化された画像の鮮明度はゼロより大きく(プラスの値であり)、オリジナル画像に対してぼやかされた画像の鮮明度はゼロより小さい(マイナスの値)。図9〜図11において、相対エントロピーは、NIRS脳計測装置にて計測される生体信号(脳内血流(酸化ヘモグロビンの量))から決定される。国際公開公報1のNIRS脳計測装置を用いたボヤケ感度の測定方法においては、図9〜図11のグラフの傾きが大きいほど(画像が僅かに鮮明化された(sharpened)又は僅かにぼやかされた(blurred)ときにおける装用予定者の脳の反応が高いほど)ボヤケ感度が高いと評価される。すなわち、本測定方法を採用することにより、装用予定者のボヤケ感度が脳内血流に基づいて客観的に評価される。
ここで、ボヤケ感度の高低を判断するための判断基準の一例を説明する。判断基準は、例えば20名程度の被検者に対する測定の結果に基づいて決定される。具体的には、オリジナル画像(slope index=0)を基準としてslope indexが±0.1刻みで変化され、被検者が画像処理によって鮮明化された(sharpened)又はぼやかされた(blurred)画像を見たときの相対エントロピーが測定される。次いで、これらの被検者に対する測定の結果から、相対エントロピーの平均的な変化具合(図9〜図11のグラフでいうところの傾き)が求められる。以下、説明の便宜上、相対エントロピーの平均的な変化具合を「基準変化具合」と記す。装用予定者について相対エントロピーが測定されその変化具合が求められると、基準変化具合との比較判断が行われる。装用予定者の相対エントロピーの変化具合が基準変化具合よりも大きい(例えば装用予定者の相対エントロピーの低下が平均的な相対エントロピーの低下よりも大きい)場合にボヤケ感度が高いと判断され、基準変化具合よりも小さい(例えば装用予定者の相対エントロピーの低下が平均的な相対エントロピーの低下よりも小さい)場合にボヤケ感度が低いと判断される。
判断基準(基準変化具合)を求めるための測定は被検者が多いほど好ましいが、20名程度の被検者を測定すれば適切かつ妥当な基準変化具合が求まる。但し、各被検者は、提示画像に対して十分に視力が出ていることが必要である。そのためには、眼鏡レンズなどによる適切な視力補正をしたうえで測定を行う必要がある。また、基準変化具合を求めるときに、被検者への提示画像の大きさや提示画像自体によって相対エントロピーの変化する程度や範囲が変わることから、基準変化具合を求める時の提示画像と、装用予定者の測定を行う時の提示画像は同じものを使用することが望ましい。
また、オリジナル画像(slope index=0)よりも鮮明化された(sharpened)画像(slope index>0)に対する反応の高さ(装用予定者の相対エントロピーの変化具合)や、オリジナル画像(slope index=0)よりもぼやかされた(blurred)画像(slope index<0)に対する反応の高さ(装用予定者の相対エントロピーの変化具合)から、(1)処方度数が完全矯正値に近い値であるかどうか、(2)処方度数が完全矯正値よりもプラス度数側に調整されているかどうか、(3)装用予定者のボヤケ感度が高いか低いか、のそれぞれを評価することもできる。この評価では、オリジナル画像(slope index=0)を中心にslope indexが±0.05刻みで変化された画像が装用予定者に提示される。評価は、画像を僅かに鮮明化させる(sharpened)又は僅かにぼやかせる(blurred)範囲内で行われる。
オリジナル画像に対して鮮明化された(sharpened)画像に対するエントロピーの上昇が小さいほど(装用予定者の相対エントロピーの変化具合が小さいほど)、装用予定者は処方された度数のレンズを装用し且つ鮮明化された(sharpened)画像を充分に知覚できている状態にあると考えられる。また、オリジナル画像に対してぼやかされた(blured)画像に対するエントロピーの低下が小さいほど(装用予定者の相対エントロピーの変化具合が小さいほど)、装用予定者は処方された度数のレンズを装用し且つぼやかされた(blured)画像をあまりぼやけていない画像として知覚できている状態にあると考えられる。この場合、処方度数が完全矯正値に近い状態であると評価される(上記(1))。これとは逆に、オリジナル画像に対して鮮明化された(sharpened)画像に対するエントロピーの上昇が大きいほど(装用予定者の相対エントロピーの変化具合が大きいほど)、装用予定者は処方された度数のレンズを装用し且つより鮮明化された(sharpened)画像を求めている状態にあると考えられる。また、オリジナル画像に対してぼやかされた(blured)画像に対するエントロピーの低下が大きいほど(装用予定者の相対エントロピーの変化具合が大きいほど)、装用予定者は処方された度数のレンズを装用し且つよりぼやかされた(blured)画像を大きくぼやけた画像として知覚している状態にあると考えられる。この場合、処方度数が完全矯正値よりもプラス度数側に調整されていると評価される(上記(2))。また、上記(3)について、オリジナル画像に対してぼやかされた(blurred)画像に対する反応が小さければ、装用予定者のボヤケ感度が低いと評価され、オリジナル画像に対してぼやかされた(blurred)画像に対する反応が大きければ、装用予定者のボヤケ感度が高いと評価される。
次に、例えば、装用ケース1において、提示画像に対する装用予定者のボヤケ感度が低いと評価された場合を考える。この場合、選定される基本設計レンズの範囲は上記の装用ケース1aと同じく、図6(b)に示されるように、範囲SDLからプリズム補正重視タイプ側の範囲SDL’にシフトされる。
次に、例えば、装用ケース1において、提示画像に対する装用予定者のボヤケ感度が高いと評価された場合を考える。この場合、選定される基本設計レンズの範囲は上記の装用ケース1bと同じく、図6(c)に示されるように、範囲SDLから収差補正重視タイプ側の範囲SDL’にシフトされる。
1 眼鏡レンズ製造システム
10 眼鏡店
20 眼鏡レンズ製造工場
100 店頭コンピュータ
102 眼鏡セレクタアプリ
200 ホストコンピュータ
202 眼鏡レンズ設計用コンピュータ
204 眼鏡レンズ加工用コンピュータ
206 加工機
208 眼鏡レンズ用成形装置

Claims (16)

  1. レンズフロント角を有する眼鏡フレームに取り付けられる処方度数を持つ眼鏡レンズを製造するための装置であって、
    処方度数を持つ処方度数レンズを介してものを見たときの眼鏡装用者のボヤケに対する感じやすさを示すボヤケ感度を求めるボヤケ感度求め手段と、
    前記ボヤケ感度求め手段により求められたボヤケ感度に基づいて前記処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する調整手段と、
    前記調整手段により調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて前記眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する設計手段と、
    を備える、
    眼鏡レンズを製造するための装置。
  2. 前記眼鏡レンズの装用シーンに関する情報の入力を要求する装用シーン入力部
    を備え、
    前記調整手段は、
    前記装用シーン入力部を介して入力された装用シーンに関する情報にも基づき、前記処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する、
    請求項1に記載の眼鏡レンズを製造するための装置。
  3. 前記ボヤケ感度求め手段は、
    前記眼鏡装用者の完全矯正値と前記処方度数の値との関係に基づいて前記ボヤケ感度を求める、
    請求項1又は請求項2に記載の眼鏡レンズを製造するための装置。
  4. 前記完全矯正値及び前記処方度数の値の入力を要求する度数入力部
    を備え、
    前記ボヤケ感度求め手段は、
    前記度数入力部を介して入力された完全矯正値、及び該度数入力部を介して入力された処方度数の値との関係に基づいて前記ボヤケ感度を求める、
    請求項3に記載の眼鏡レンズを製造するための装置。
  5. 請求項1に記載の眼鏡レンズを製造するための装置と、
    前記装置と所定のネットワークを介して接続された入力装置と、
    を備え、
    前記入力装置は、
    前記眼鏡レンズを設計するための情報の入力を要求する入力部と、
    前記入力部を介して入力された情報を前記装置に送信する送信手段と、
    を有し、
    前記ボヤケ感度求め手段は、
    前記送信手段より送信された情報に基づいて前記ボヤケ感度を求め、
    前記調整手段は、
    前記ボヤケ感度求め手段により求められたボヤケ感度に基づいて前記処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整し、
    前記設計手段は、
    前記調整手段により調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて前記眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する、
    眼鏡レンズを供給するためのレンズ供給システム。
  6. 前記入力部は、
    前記眼鏡レンズの装用シーンに関する情報の入力を要求し、
    前記調整手段は、
    前記送信手段より送信される装用シーンに関する情報にも基づき、前記処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する、
    請求項5に記載の眼鏡レンズを供給するためのレンズ供給システム。
  7. 前記入力部は、
    前記眼鏡装用者の完全矯正値及び前記処方度数の値の入力を要求し、
    前記ボヤケ感度求め手段は、
    前記送信手段より送信された完全矯正値、及び該送信手段より送信された前記処方度数の値との関係に基づいて前記ボヤケ感度を求める、
    請求項5又は請求項6に記載の眼鏡レンズを供給するためのレンズ供給システム。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の眼鏡レンズを製造するための装置と、
    提示画像の鮮明度に応じた眼鏡装用者の生体信号を計測する生体信号計測装置と、
    を備え、
    前記ボヤケ感度求め手段は、
    前記生体信号計測装置にて計測される生体信号に基づいて前記ボヤケ感度を求める、
    眼鏡レンズを供給するためのレンズ供給システム。
  9. レンズフロント角を有する眼鏡フレームに取り付けられる処方度数を持つ眼鏡レンズを製造するための方法であって、
    処方度数を持つ処方度数レンズを介してものを見たときの眼鏡装用者のボヤケに対する感じやすさを示すボヤケ感度を求めるボヤケ感度求めステップと、
    前記ボヤケ感度求めステップにて求められたボヤケ感度に基づいて前記処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率を調整する調整ステップと、
    前記調整ステップにて調整されたプリズム作用分布と収差との補正比率に基づいて前記眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズを設計する設計ステップと、
    を含む、
    眼鏡レンズを製造するための方法。
  10. 前記眼鏡レンズの装用シーンに関する情報の入力を要求する装用シーン入力ステップ
    を含み、
    前記調整ステップにて、
    前記装用シーン入力ステップにて入力された装用シーンに関する情報にも基づき、前記処方度数レンズに与えられるプリズム作用分布と収差との補正比率が調整される、
    請求項9に記載の眼鏡レンズを製造するための方法。
  11. 前記ボヤケ感度求めステップにて、
    前記眼鏡装用者の完全矯正値と前記処方度数の値との関係に基づいて前記ボヤケ感度が求められる、
    請求項9又は請求項10に記載の眼鏡レンズを製造するための方法。
  12. 前記完全矯正値及び前記処方度数の値の入力を要求する度数入力ステップ
    を含み、
    前記ボヤケ感度求めステップにて、
    前記度数入力ステップにて入力された完全矯正値、及び該度数入力ステップにて入力された処方度数の値との関係に基づいて前記ボヤケ感度が求められる、
    請求項11に記載の眼鏡レンズを製造するための方法。
  13. 提示画像の鮮明度に応じた眼鏡装用者の生体信号を計測する生体信号計測ステップ
    を含み、
    前記ボヤケ感度求めステップにて、
    前記生体信号計測装置にて計測される生体信号に基づいて前記ボヤケ感度が求められる、
    請求項9又は請求項10に記載の眼鏡レンズを製造するための方法。
  14. 請求項9から請求項13の何れか一項に記載の方法を実施することにより設計された眼鏡レンズを製造するステップ
    を含む、
    眼鏡レンズの製造方法。
  15. 請求項9から請求項12の何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 請求項9又は請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記ボヤケ感度は、
    所定の生体信号計測装置にて計測される、提示画像の鮮明度に応じた眼鏡装用者の生体信号に基づいて求められる、
    プログラム。
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