JP2009098622A - 眼鏡レンズの設計方法及び眼鏡 - Google Patents

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【課題】眼球側の光学凹部に施される処方にかかわらず種々の誤差が生じにくい眼鏡レンズの設計方法を提供する。
【解決手段】光学凹面12の正面視線Pに当たる点を設計基準点Piとし、この設計基準点Piにおける接線Cと、正面視線Pと直交する平面Qとのなすレンズ傾き角度θを用いて眼鏡レンズ1を設計する。光学凹面12が処方によって複雑な非球面形状であっても、平均度数誤差、非点収差、プリズム誤差が生じることがなくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラップアラウンド型の眼鏡フレーム等のそり角が大きい眼鏡フレームに取り付けられる眼鏡レンズを設計する方法及び眼鏡に関する。
近年、主にスポーツ用のサングラスとして、ラップアラウンド型の眼鏡フレームが用いられるようになってきている。このラップアラウンド型の眼鏡フレームは、そり角が大きく顔に沿うように曲がっているため、顔の側面までレンズがあり、視野が広いという特長がある。そのため、スポーツ時の保護眼鏡、眼球保護などの眼鏡としてスポーツ選手に愛用されている。
ラップアラウンド型の眼鏡レンズは、物体側に光学凸面が形成され、眼球側に近光学凹面が配置されるものであり、正面視線に対して傾いて眼鏡フレームに取り付けられている(特許文献1)。
眼鏡レンズの光学凹面には使用者の視力の程度によって近視や遠視等が処方されている。そのため、眼鏡レンズは複数種類設計されるが、この眼鏡レンズに取り付けられる眼鏡フレームは共通化されているものが多い。
従来、眼鏡フレームの外形を基準とし、この外形に沿うように物体側に位置する光学凸面を当てはめて眼鏡レンズを眼鏡フレームに取り付けている。
特開2005−284059号公報
眼鏡レンズでは、物体側から入射した光が光学凸面で屈折し、レンズ中を直進した後、光学凹面で再度屈折して使用者の瞳孔に入射する。
ここで、眼球側の光学凹面は使用者の視力等に応じて処方されているので、その面は眼球レンズ毎に相違する。
従来の眼鏡レンズは、眼鏡フレームの外形を基準として取り付けているだけなので、眼球側の光学凹面は、光学凹部に施される処方によっては眼鏡フレームに対して適正な角度とはならないという課題がある。
光学凹面が適正な角度より傾いている状態では、平均度数誤差、非点収差、プリズム誤差が生じる。このような誤差は使用者にとって目の疲れ等を生じさせることにもなる。
本発明の目的は、眼球側の光学凹部に施される処方にかかわらず種々の誤差が生じにくい眼鏡レンズを設計する方法及び眼鏡を提供することにある。
本発明は、光学凹面が適切な角度に対して傾いた状態で眼鏡レンズを眼鏡フレームに取り付けると、平均度数誤差等の種々の誤差が生じることに着目してなされたものである。
具体的には、本発明の眼鏡レンズの設計方法は、物体側に配置される球面の光学凸面と眼球側に配置される処方に対応した光学曲面の光学凹面とが形成され、正面視線に対して傾いて眼鏡フレームに取り付けられる眼鏡レンズを設計する方法であって、前記光学凹面の前記正面視線に当たる点を設計基準点とし、この設計基準点における接線と前記正面視線と直交する平面とのなす角度で規定されるレンズ傾き角度θを用いることを特徴とする。
この構成の発明では、レンズ傾き角度θを各眼鏡レンズについて求めておき、レンズ傾き角度θに応じて眼鏡レンズを眼鏡フレームに取り付ける。
このため、光学凹面の傾きを、レンズ傾き角度θを設定することで適正なものにできるので、近視・遠視等の処方にかかわらず光学凹面が適切な角度となるように眼鏡レンズを眼鏡フレームに取り付けることができる。従って、平均度数誤差、非点収差、プリズム誤差が減少し、眼鏡使用者に目の疲れ等を生じさせない。
本発明では、前記光学凹面は非球面である構成が好ましい。
この構成の発明では、平均度数誤差、非点収差、プリズム誤差をさらに減少させることができる。
本発明では、前記レンズ傾き角度θは、瞳孔間距離と、前記眼鏡レンズの玉幅と、この玉幅を規定する前記光学凸面側の互いに反対側に形成される周縁を結ぶ直線と前記正面視線に直交する直交平面とのなす角度からなるフロント反り角度と、隣り合う前記眼鏡レンズの間の寸法から規定されるブリッジ長さと、前記光学凸面の曲率半径からなるフロント曲率と、前記眼鏡レンズの中心厚さとから求める構成が好ましい。
この構成の発明では、レンズ傾き角度θを規定するためのパラメータが処方によって形状が異なる光学凹面にかかわらず設定されているので、レンズ傾き角度θを容易に求めることができる。
さらに、前記眼鏡レンズの玉幅、前記フロント反り角、前記ブリッジ長さ、前記フロント面の曲率から前記眼鏡レンズの光学凸面の球面の式を求め、この球面の前記正面視線と平行な直線と交差する点における接線の式を求め、この接線の式に瞳孔に入射する複数の光線の条件を設定するとともにこれらの条件で出射する光線が瞳孔を通る光線を演算して適切な入射光線を選定し、この選定された入射光線における接線と前記直交平面とのなす角度をレンズ傾き角度θとする構成が好ましい。
この構成の発明では、物体側に位置する光学凸面の球面の式と、正面視線と平行な直線とから当該直線の球面と接する接線の式を求め、この接線の式に複数の光線の条件を設定するとともにこれらの条件で出射する光線が瞳孔を通る光線を演算する。
この演算に際しては、眼鏡レンズの物体側の光学凸面と眼球側の光学凹面とは互いに平行な2つの平行面を有する板状のプリズムと近似する。この板材のプリズムの物体側面に入射した光線は板材の内部で一度屈折して直進した後、眼球側面から再度屈折して眼球側に出射するが、この板材の入射面及び出射斜面と前記正面視線と直交する平面とのなす角度は入射する光線の位置により相違するので、複数の入射光線毎に出射する位置をシミュレーションで求めておき、この出射する位置が正面視線と一致する入射光線を、例えば、収束演算法で求める。
正面視線と出射光線が一致した入射光線の入射面と直交平面とのなす角度をレンズ傾き角度θとする。
従って、本発明では、処方にかかわらず、光学凹面の傾きを前述のパラメータを用いて演算により求めることができるから、より正確なレンズ傾き角度θを設定することができる。
本発明の眼鏡は、前述の構成の眼鏡レンズの設計方法により設計された眼鏡レンズを前記眼鏡フレームに取り付けるものである。
この構成の発明では、前述の効果を奏することができる眼鏡を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態にかかる眼鏡レンズの設計方法について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態の眼鏡の概略水平断面図である。
図1において、眼鏡は、2個の眼鏡レンズ1がそれぞれ正面視線Pに対して傾いて眼鏡フレーム2に取り付けられている。
眼鏡レンズ1は、物体側に配置された光学凸面11と、眼球側に配置された光学凹面12とを有するメニスカスレンズである。光学凸面11の曲率半径、つまり、フロント曲率rが所定寸法の球面状に形成されている。
眼鏡フレーム2は、200°以上のそり角が大きいラップアラウンド型等の眼鏡フレームである。この眼鏡フレーム2は、その正面側が略球面状に湾曲形成され鼻をかけるためのブリッジ21と、耳をかけるためのテンプル22と、眼鏡レンズ1を装着するための縁部23とが一体に形成されている。
眼鏡レンズ1の光学凸面11は、球面に形成され、その球面が眼鏡フレーム2の正面部分の球面に形成された湾曲部分と対応するように眼鏡レンズ1が眼鏡フレーム2に装着されている。
光学凹面12は、近視や遠視等の必要な処理が施されているため、非球面形状である。
眼鏡には互いに平行な2本の正面視線Pが規定されており、これらの正面視線Pの間隔は瞳孔間距離PDとされる。この瞳孔間距離PDは使用者によって数値が異なる。
眼鏡フレーム2のブリッジ21は、鼻幅寸法がブリッジ長さLとして規定されている。このブリッジ長さLは、正面視線Pを含む平面内におけるブリッジ21の正面側の直線寸法である。ブリッジ長さLは隣り合う眼鏡レンズ1の光学凸面11の端縁同士の寸法でもある。
図2には眼鏡レンズ1の拡大概略図が示されている。
図2において、眼鏡レンズ1は、その玉幅がWであり、そのフロント反り角度がαである。玉幅Wは、光学凸面11の正面視線Pを含む平面内における互いに離れた端縁11A,11Bの間の寸法であり、フロント反り角度αは、2本の正面視線Pを含む平面内における光学凸面11の端縁11A,11Bを結ぶ直線Sと、正面視線Pと直交する平面Qとのなす角度で規定される。
光学凹面12の正面視線Pに当たる点を設計基準点Piとし、この設計基準点Piにおける水平面内、つまり、2本の正面視線Pを含む平面内での接線Cと正面視線Pと直交する平面Qとのなす角度がレンズ傾き角度θである。
また、眼鏡レンズ1の設計基準点Piにおける厚み寸法が中心厚tとされている。
次に、本実施形態にかかる眼鏡レンズの設計方法について図3を用いて説明する。
図3は眼鏡レンズ1の設計方法を説明するための概略図である。
まず、眼鏡レンズの光学凸面11の球面の式を眼鏡レンズ1の玉幅W、フロント反り角α、ブリッジ長さL、フロント曲率rから求める。
光学凸面11の球面の式は(X−Xo)+(Y−Yo)+(Z−Zo)=rとなる。
ここで、Xo、Yo、Zoを球面の中心位置の座標とすると、この中心位置を眼鏡レンズ1の玉幅W、フロント反り角α、ブリッジ長さLから求める。
そして、球面の正面視線Pと平行な光線Pnと交差する点における接線Cnの式を求める。
この接線Cnの式に瞳孔に入射する複数の光線Pn(n=1,2,3…)の条件を設定するとともにこれらの条件で出射する光線Pnが瞳孔Iを通る光線を収束演算法で演算して適切な入射光線を選定する(図3参照)。
この演算に際しては、眼鏡レンズ1の物体側の光学凸面11と眼球側の光学凹面12とを、互いに平行な2つの接線Cnと近似する。そして、眼鏡レンズ1を、2つの接線Cnの間の距離が眼鏡レンズ1の中心厚tと同じ寸法とする。換言すれば、傾斜角度が異なる光学凹面12と球面の光学凸面11とを有する眼鏡レンズ1を互いに平行な入射面と出射面とを有する板状のプリズムとして扱う。
物体側面に入射した光線Pnは内部で一度屈折して直進した後、眼球側面から再度屈折して眼球側に出射して光線Pn’となる。
入射面である接線Cnと正面視線Pに直交する平面Qnとのなす角度θnは入射する光線Pnの水平面内での位置により相違する。
例えば、図3に示される通り、入射する光線Pnが最も右側に位置する光線Pである場合、この光線Pは入射側の接線Cで屈折し、出射側の接線Cで再度屈折して出射光P’となる。この場合、平面Qと接線Cとのなす角度はθである。
これに対して、入射する光線Pnが最も左側に位置する光線Pである場合、この光線Pは入射側の接線Cで屈折し、出射側の接線Cで再度屈折して出射光P’となる。この場合、平面Qと接線Cとのなす角度はθである。角度θはθより大きい。
そのため、複数の入射光線Pn毎に出射する光線Pn’をシミュレートする。
入射光線Pnのうち眼鏡レンズ1を介して出射する光線Pn’の位置が正面視線Pと一致する入射光線Pnを、例えば、収束演算法で求める。
まず、1番目の光線Pを出射し、この光線Pの出射光P’と正面視線Pとの距離(図3のY軸方向の寸法)を求める。この距離が例えばプラスであるとしたら、2番目の光線Pをマイナス方向から出射し、光線Pの出射光P’と正面視線Pとの距離を求める。この距離が例えばマイナスであるとしたら、光線PとPとの間の位置で3番目の光線Pを出射する。このシミュレーションを繰り返し、出射光線Pn’が正面視線Pと一致するまで行い、一致した入射光線Pn、例えば、入射光線Pの入射面である接線Cと直交平面Qとのなす角度θがレンズ傾き角度θとなる。
なお、本実施形態では必要に応じてプリズム補正がされる。
次に、本実施形態の設計方法で設計された眼鏡レンズ1を製造する方法を図4に基づいて説明する。本実施形態では、眼鏡レンズ1をセミフィニッシュトレンズブランクの注型成形で成形する。
図4(a)〜(d)は、眼鏡レンズ1の製造工程を示す概略断面図である。
まず、図4(a)に示される通り、本実施形態では、第1成形型110と第2成形型120の2つの成形型を用いる。第1成形型110は、セミフィニッシュトレンズブランクの凹面側を成形する凸面111と非成形面の下面112とを有する。第2成形型120は、セミフィニッシュトレンズブランクの凸面側を成形する凹面121と非成形面の上面122とを有する。
第1成形型110は、凸面111の成形面と下面112とが共に球面に形成され、厚みがほぼ均一で、凸面111だけでなく下面112も光学面に形成されているガラス型である。凸面111の球面の中心と下面112の球面の中心は共に幾何学中心線上に存在し、凸面111の成形面と下面112がそれぞれ幾何学中心線を対称軸とする回転対称面である。
第2成形型120は、凹面121の成形面と上面122とが共に球面に形成され、凹面121だけでなく上面122も光学面に形成されているガラス型である。上面122の球面の中心は幾何学中心線上にあり、そのため幾何学中心線を対称軸とする回転対称面である。凹面121の中心は幾何学中心線から耳側へずれている傾斜した球面である。そのため、第2成形型120の厚みは均一ではなく、厚みに偏りがある。両面が球面で構成され、厚みに偏りがあると、レンズの幾何学中心線上においては、プリズム屈折力が生じる。基準点としてレンズの前面上に設定されるフィッティングポイントは、第2成形型120の凹面121の幾何学中心から離れた位置で第2成形型120の厚みが増している側の所定の位置に設定されている。また、第2成形型120の凹面121には、図示しないが基準のフィッティングポイントの位置を知らせるための隠しマークが例えばフィッティングポイントから等距離にある一直線上の両側に刻印され、セミフィニッシュトレンズブランク3の凸面31に転写されるようになっている(図4(c)参照)。
図4(b)に示される通り、第1成形型110と第2成形型120とを、第1成形型110の凸面111と第2成形型120の凹面121とを対向させて所定距離離間させた状態で両方の型110,120の外形基準で側面が一致するように配置する。そして、第1成形型110と第2成形型120の位置を保ったままこれらの側面に跨るように粘着テープ130を巻き付け、第1成形型110と第2成形型120との間の空隙を粘着テープ130で封止してキャビティ140が形成され、レンズ注型用の成形型150が組み立てられる。
このように組み立てられた成形型150は、第1成形型110の下面112と凸面111及び第2成形型120の上面122が幾何学中心線上に中心を有する球面であり、第2成形型120の凹面121の球面のみが幾何学中心線上に中心が一致しない傾斜した球面である。
次に、成形型150の第1成形型110と第2成形型120と粘着テープ130によって囲まれた密封空間のキャビティ140にレンズ原料を充填し、光エネルギー又は熱エネルギーでレンズ原料を重合硬化させる。
重合硬化後、粘着テープ130を剥がし、第1成形型110と第2成形型120とを離隔して、図4(c)に示される通り、セミフィニッシュトレンズブランク3を得る。このセミフィニッシュトレンズブランク3は、凸面31と凹面32がそれぞれ球面であり、幾何学中心線上においてプリズム屈折力を有し、幾何学中心からフィッティングポイントが鼻側へ偏位している偏心レンズである。
図4(d)に示される通り、得られたセミフィニッシュトレンズブランク3の凹面側(眼球側)32が切削・研削され、鏡面研磨されることによって光学凹面12となる。
このように製造された眼鏡レンズ1を眼鏡フレーム2に取り付ける。この際、眼鏡レンズ1の選定にあたり、レンズ傾き角度θも基準とする。
従って、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
(1)光学凹面12の正面視線Pに当たる点を設計基準点Piとし、この設計基準点Piにおける接線Cと正面視線Pと直交する平面Qとのなすレンズ傾き角度θを用いて眼鏡レンズ1を設計するから、光学凹面12が処方によって複雑な非球面形状であっても、平均度数誤差、非点収差、プリズム誤差が生じることがなくなる。
(2)レンズ傾き角度θは、瞳孔間距離PD、眼鏡レンズの玉幅W、フロント反り角度α、ブリッジ長さL、フロント曲率r、及び眼鏡レンズ1の中心厚さtから求められる。そのため、これらのパラメータは、処方によって形状が異なる光学凹面12の非球面形状にかかわらず設定されているので、レンズ傾き角度θを、コンピュータ等を用いたシミュレーションで容易に求めることができる。
(3)眼鏡レンズ1の玉幅W、フロント反り角α、ブリッジ長さL、フロント面の曲率rから眼鏡レンズの光学凸面の球面の式を求め、この球面の正面視線Pと平行な光線Pnと交差する点における接線Cnの式を求め、この接線Cnの式に瞳孔Iに入射する複数の光線Pnの条件を設定するとともにこれらの条件で出射する光線Pn’が瞳孔Iを通る正面視線Pを演算して適切な入射光線を選定し、この選定された入射光線における接線と直交平面とのなす角度をレンズ傾き角度θとする構成とした。そのため、眼鏡レンズ1の物体側の光学凸面11と眼球側の光学凹面12とを互いに平行な2つの平行面であると近似して演算を容易にしたので、処方にかかわらず、レンズ傾き角度θを収束演算法等により求めることができるから、より正確なレンズ傾き角度θを設定することができる。
(4)球面の光学凸面111を有する第1成形型110と球面の光学凹面121を有する第2成形型120とを、これらの幾何学中心を一致させ、かつ成形しようとするセミフィニッシュトレンズブランクが幾何学中心線上においてプリズム屈折力を有するように光学凸面111と光学凹面121とを対向配置して成形することにより、両面が球面で構成されて幾何学中心線上においてプリズム屈折力を有するセミフィニッシュトレンズブランク3を製造した。そのため、通常の眼鏡レンズ用の径のセミフィニッシュトレンズブランクでラップアラウンド型の眼鏡フレームに適合する眼鏡レンズの玉型形状を確保することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、レンズ傾き角度θを収束演算法等により求めたが、本発明では、レンズ傾き角度θを求める手法は収束演算法に限定されるものではなく、例えば、数学で多用されている種々の演算法を用いることができる。
また、本発明では、レンズブランクの両面を研磨等して眼鏡レンズ1を製造するものでもよい。
さらに、本発明では、光学凹面12は球面であってもよい。
本発明は、ラップアラウンド型の眼鏡フレームに組み込むための眼鏡レンズに利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる眼鏡の概略水平断面図。 眼鏡フレームに組み込まれた眼鏡レンズの拡大概略図。 眼鏡レンズの設計方法を説明するための概略図。 (a)〜(d)は眼鏡レンズの製造工程を示す概略断面図。
符号の説明
1…眼鏡レンズ、11…光学凸面、12…光学凹面、2…眼鏡フレーム、21…ブリッジ、θ…レンズ傾き角度、PD…瞳孔間距離、W…玉幅、α…フロント反り角度、L…ブリッジ長さ、r…フロント曲率、t…眼鏡レンズの中心厚さ

Claims (5)

  1. 物体側に配置される球面の光学凸面と眼球側に配置される処方に対応した光学曲面の光学凹面とが形成され、正面視線に対して傾いて眼鏡フレームに取り付けられる眼鏡レンズを設計する方法であって、
    前記光学凹面の前記正面視線に当たる点を設計基準点とし、この設計基準点における接線と前記正面視線と直交する平面とのなす角度で規定されるレンズ傾き角度θを用いることを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  2. 請求項1に記載された眼鏡レンズの設計方法において、
    前記光学凹面は非球面であることを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された眼鏡レンズの設計方法において、
    前記レンズ傾き角度θは、瞳孔間距離と、前記眼鏡レンズの玉幅と、この玉幅を規定する前記光学凸面側の互いに反対側に形成される周縁を結ぶ直線と前記正面視線に直交する直交平面とのなす角度からなるフロント反り角度と、隣り合う前記眼鏡レンズの間の寸法から規定されるブリッジ長さと、前記光学凸面の曲率半径からなるフロント曲率と、前記眼鏡レンズの中心厚さとから求めることを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  4. 請求項3に記載された眼鏡レンズの設計方法において、
    前記眼鏡レンズの玉幅、前記フロント反り角、前記ブリッジ長さ、前記フロント面の曲率から前記眼鏡レンズの光学凸面の球面の式を求め、
    この球面の前記正面視線と平行な直線と交差する点における接線の式を求め、
    この接線の式に瞳孔に入射する複数の光線の条件を設定するとともにこれらの条件で出射する光線が瞳孔を通る光線を演算して適切な入射光線を選定し、
    この選定された入射光線における接線と前記直交平面とのなす角度をレンズ傾き角度θとすることを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された眼鏡レンズの設計方法により設計された眼鏡レンズを前記眼鏡フレームに取り付けることを特徴とする眼鏡。
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