JP2012198257A - 累進屈折力レンズの設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装着者の視線移動を最大限妨げない累進屈折力レンズを提供する。
【解決手段】遠用部11、近用部12および中間部13を有する眼鏡用の累進屈折力レンズの設計方法であって、装着者の遠方視、中間視および近方視に適した遠用部11の明視幅w1、中間部13の明視幅w2および近用部12の明視幅w3を含む装着者の明視幅の仮仕様Wを取得するステップ100と、加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズ10の複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様Siの中から、遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、仮仕様Wとの距離が最も近い候補仕様Siを探索するステップ200とを累進屈折力レンズの設計方法を提供する。
【選択図】図3
【解決手段】遠用部11、近用部12および中間部13を有する眼鏡用の累進屈折力レンズの設計方法であって、装着者の遠方視、中間視および近方視に適した遠用部11の明視幅w1、中間部13の明視幅w2および近用部12の明視幅w3を含む装着者の明視幅の仮仕様Wを取得するステップ100と、加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズ10の複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様Siの中から、遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、仮仕様Wとの距離が最も近い候補仕様Siを探索するステップ200とを累進屈折力レンズの設計方法を提供する。
【選択図】図3
Description
本発明は、眼鏡用の累進屈折力レンズの設計方法に関するものである。
特許文献1には、眼鏡レンズの使用状況に関する装用者の特性を考慮した、縁厚の薄い、眼鏡レンズの設計方法を提供することが記載されている。特許文献1の眼鏡レンズの設計方法は、眼鏡装用者の処方データに基づいて、眼鏡レンズの物体側の曲率半径と眼球側の曲率半径とを定め、前記眼鏡レンズの少なくとも一方の面において、眼鏡装用者の使用頻度が高い第1の領域と、眼鏡装用者の使用頻度が低い第2の領域とを眼鏡装用者の眼球の回旋角に基づいて定める。さらに、この設計方法は、前記第2の領域における曲率半径を、前記処方データに基づいて定めた曲率半径に対し、レンズの縁厚が薄くなる方向に周辺部に向かって連続的に変化させて修正することを特徴とする。
特許文献2には、装着者により多くの満足を与えるレンズを提供することが記載されている。特許文献2の発明は、一対の眼鏡レンズを決定する方法に関し、着用者の標準矢状面に対する近方視のための矢状面の偏位を測定することによる。次いで、その測定した偏位の関数として最適化目標を選ぶ。その選んだ目標での最適化によってレンズを決定する。こうして、着用者の知覚する近方視野が、正中線に対して対称であるレンズが得られる。こうして、変位した矢状面平面を持つ着用者は、より大きな近方視野を得て、その結果、両眼視が容易になり視力が向上することが記載されている。
特許文献3には、眼用レンズを着用者に処方および/または調製するシステムおよび方法が開示されている。特許文献3の方法は、頭の動きおよび/または目の動きの点から、少なくとも着用者の個々の視覚動作パターンを判定する段階と、これらのパターンを、公知の頭の動きおよび/または目の動きの特性と使用可能な眼用レンズとの所定の関係に関して処理し、この処理により、眼用レンズを着用者に推奨するのに使用することのできる、頭の動きまたは目の動きのカテゴリに、着用者を分類する段階とを含む。このシステムは、トランスミッタ・ユニットと、インターフェースにデータを提供する、装着者着用のレシーバとを含む。テスト中、標準の1組のフレームを使用し、近位および中位距離読書面を使用する。
特許文献4には個人の視覚動作に対応し、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズの設計方法およびその製造方法を提供することが記載されている。特許文献の設計方法では、裸眼の対象者が物体を見た際に動かす頭部の回転角度を測定し、裸眼での視覚動作指数を算出する。次に、得られた視覚動作指数に基づいてレンズを仮設計し、仮設計されたレンズを介して物体が見える方向をシミュレートする。そして、得られた角度に基づいて視覚動作指数を補正する。この補正は、視覚動作指数が収束するまで実行される。
累進屈折力レンズは、遠方の像を見る遠方視を提供する遠用部と、近傍の像を見る近方視を提供する近用部と、遠方視と近方視との間の距離の像を見る中間視を提供する中間部とを含む。累進屈折力レンズは、遠用部、中間部および近用部のそれぞれが、装着者(ユーザー)の遠方視、中間視、近方視の視線移動を最大限妨げないような十分な広さの明視幅を備えていることが望ましい。この明細書において明視幅とは、不要な非点収差が規定値以下になるレンズ上の水平方向の幅(距離)を意味する。
しかしながら、累進屈折力レンズの設計においてはMinkwitzの法則が公知であり、この法則によるとレンズのY軸方向(垂直軸方向)に累進帯を設けた場合、主子午線近傍ではX軸方向(水平方向)に累進帯の屈折力勾配の2倍の割合で非点収差が発生する。しかし、主子午線から離れた位置では側方の非点収差量を制御することが可能であり、遠用部および近用部の明視幅を広げれば中間部の明視幅は狭くなり、中間部の明視幅を広げるには遠用部および近用部の明視幅を狭めなければならない。上記の特許文献には、遠用部、中間部および近用部のそれぞれが、装着者の遠方視、中間視、近方視の視線移動を最大限妨げないような十分な広さの明視幅を備えた累進屈折力レンズの設計方法は開示されていない。
本発明の一態様は、目視度数の異なる遠用部および近用部と、遠用部および近用部の間に位置する中間部とを有する眼鏡用の累進屈折力レンズの設計方法であって、以下のステップを有する。
1.遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を含む装着者の明視幅の仮仕様を取得する。
2.加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズの複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様の中から、遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、仮仕様との距離が最も近い候補仕様を探索する。
1.遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を含む装着者の明視幅の仮仕様を取得する。
2.加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズの複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様の中から、遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、仮仕様との距離が最も近い候補仕様を探索する。
遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を座標軸として含む3次元以上の探索空間(明視幅空間)内において、仮仕様との距離が最も近い候補仕様を求めることにより、仮仕様に含まれる各部の明視幅の組み合わせを実現することが、基本仕様を満足する累進屈折力レンズでは難しい場合であっても、仮仕様に最も近い仕様で基本仕様を満足する累進屈折力レンズを設計できる仕様が得られる。したがって、基本仕様を満足する累進屈折力レンズであって、装着者(ユーザー)の遠方視、中間視、近方視の視線移動を最大限妨げないような十分な広さの明視幅を遠用部、中間部および近用部が備えた累進屈折力レンズを設計し、提供できる。
候補仕様を探索するステップは、複数の設計済み仕様の少なくとも一部から補間された設計可能な仕様を含む複数の候補仕様を生成することと、複数の候補仕様の中から仮仕様に最も近い候補仕様を求めることと、求められた候補仕様に基づき累進屈折力レンズを設計することとを含むことが望ましい。設計済みの仕様(設計データ)から補間生成された候補仕様を設計可能な仕様として候補仕様に含めることが可能であり、仮仕様にさらに距離が近い候補仕様を得ることができる。したがって、装着者の視線移動をいっそう妨げにくい累進屈折力レンズを設計し、提供できる。
この設計方法には、探索される候補仕様に、設計済みの仕様に加え、設計可能な仕様が含まれる。したがって、探索により求められた候補仕様で累進屈折力レンズを実際に設計し、性能を確認することが望ましい。
設計可能な仕様を含む複数の候補仕様を生成する方法の1つは、複数の設計済み仕様の少なくとも一部を含む仕様選択可能面を探索空間内に配置することである。候補仕様を求めるステップにおいては、仮仕様に最も近い仕様選択可能面上の点を、求められた候補仕様として選択することができる。探索空間に選択可能な面を形成することにより、いっそう仮仕様に距離が近い候補仕様を提供できる。
また、仮仕様を取得するステップは、装着者の視線の方向および/または頭の移動から遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布を求めることと、遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布をそれぞれ統計処理して仮仕様の遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を求めることとを含むことが望ましい。
本発明の異なる他の態様の1つは、上記の設計方法により設計された累進屈折力レンズを製造することを含む、累進屈折力レンズの製造方法である。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、目視度数の異なる遠用部および近用部と、遠用部および近用部の間に位置する中間部とを有する眼鏡用の累進屈折力レンズを設計するユニットを含む装置である。設計するユニットは、遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を含む装着者の明視幅の仮仕様を取得する機能または手段(仮仕様取得ユニット)と、加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズの複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様の中から、遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、仮仕様との距離が最も近い候補仕様を探索する機能または手段(探索ユニット)とを含む。
この装置により、仮仕様に最も近い仕様で基本仕様を満足する累進屈折力レンズを設計できる。したがって、基本仕様を満足する累進屈折力レンズであって、装着者(ユーザー)の遠方視、中間視、近方視の視線移動を最大限妨げないような十分な広さの明視幅を遠用部、中間部および近用部が備えた累進屈折力レンズを設計し、提供できる。
候補仕様を探索する機能は、複数の設計済み仕様の少なくとも一部から補間された設計可能な仕様を含む前記複数の候補仕様を生成する機能(候補仕様生成ユニット)と、複数の候補仕様の中から仮仕様に最も近い候補仕様を求める機能(仕様取得ユニット)とを含むことが望ましい。複数の候補仕様を生成する機能は、複数の設計済み仕様の少なくとも一部を含む仕様選択可能面を探索空間内に配置する機能(仕様選択可能面配置ユニット)を含み、候補仕様を求める機能は、仮仕様に最も近い仕様選択可能面上の点を、求められた候補仕様として選択する機能(仕様選択ユニット)を含んでいてもよい。
また、仮仕様を取得する機能は、装着者の視線の方向および/または頭の移動から遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布を求める機能(分布解析ユニット)と、遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布をそれぞれ統計処理して仮仕様の遠用部の明視幅、中間部の明視幅および近用部の明視幅を求める機能(明視幅取得ユニット)とを含むことが望ましい。
また、装置は、設計ユニットにより設計された累進屈折力レンズを通して見た様子をシミュレーションするユニットを有することが望ましい。上記の方法により設計された累進屈折力レンズで通して見える像をシミュレーションにより装着者に見せることにより販売促進が図れる。
図1は、眼鏡の一例を斜視図にて示している。図2(a)は、本発明の実施形態の1つの累進屈折力レンズの一方のレンズを平面図にて模式的に示している。図2(b)は、その累進屈折力レンズの一方のレンズを断面図にて模式的に示している。
本例では、ユーザー側(装着者側、着用者側、眼球側)からみて、左側を左、右側を右として説明する。この眼鏡1は、左眼用および右眼用の左右一対の眼鏡用レンズ10Lおよび10Rと、レンズ10Lおよび10Rをそれぞれ装着した眼鏡フレーム20とを有する。眼鏡用レンズ10Lおよび10Rは、それぞれ、累進多焦点レンズ(累進屈折力レンズ)である。レンズ10Lおよび10Rの基本的な形状は物体側に凸のメニスカスレンズである。したがって、レンズ10Lおよび10Rは、それぞれ、物体側の面(以下外面ともいう)19Aと、眼球側の面(以下内面ともいう)19Bとを含む。
図2(a)は右眼用レンズ10Rを示している。このレンズ10Rは、上方に遠距離の物を見る(遠方視の)ための視野部である遠用部11を含み、下方に遠用部11と異なる度数(目視度数、屈折力)の近距離の物を見る(近方視の)ための視野部である近用部12を含む。さらに、レンズ10Rは、これら遠用部11と近用部12とを目視度数(屈折力)が変化するように連結する中間部(中間視のための部分、累進部、累進帯)13を含む。また、レンズ10Rは、遠方視・中間視・近方視をするときに視野の中心となるレンズ上の位置を結んだ主注視線14を含む。この眼鏡用レンズ10Rにおいては、フレーム枠に合わせて外周を成形し枠入れする際のレンズ上の基準点であるフィッティングポイントFPは遠用部11のほぼ下端に位置する。
以下において、このフィッティングポイントFPをレンズの座標原点とし、フィッティングポイントFPを通る水平基準線Xの水平方向の座標をx座標、主注視線14上の座標をy座標とする。主注視線14は、フィッティングポイントFPを通る垂直基準線(主子午線)Yに対してフィッティングポイントFPを過ぎたあたりから鼻側に曲がる。主注視線14と垂直基準線Yとの間隔を内寄せと称する。
なお、以下において眼鏡用レンズとして右眼用の眼鏡用レンズ10Rを中心に説明するが、眼鏡用レンズ、眼鏡レンズまたはレンズは左眼用の眼鏡用レンズ10Lであってもよく、左眼用の眼鏡用レンズ10Lは、左右の眼の眼鏡仕様の差を除けば基本的には右眼用の眼鏡用レンズ10Rと左右対称の構成となる。また、以下においては、右眼用および左眼用の眼鏡用レンズ10Rおよび10Lを共通して眼鏡用レンズ(またはレンズ)10と称する。
図3に、累進屈折力レンズを設計および製造する過程をフローチャートにより示している。本例の累進屈折力レンズの設計は、装着者の遠方視、中間視および近方視に適した遠用部11の明視幅w1、中間部13の明視幅w2および近用部の明視幅w3を含む装着者の明視幅の仮仕様W(w1,w2,w3)を取得するステップ100と、加入度Addを含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズ10の複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様Si(s1i,s2i,s3i)の中から、遠用部11の明視幅、中間部13の明視幅および近用部12の明視幅を座標軸X、YおよびZとして含む探索空間内において、仮仕様W(w1,w2,w3)との距離Dが最も近い候補仕様Si(s1i,s2i,s3i)を探索するステップ200とを含む。ただし、iは1からnの整数であり、i番目の候補仕様Siは、遠用部11の明視幅s1i、中間部13の明視幅s2iおよび近用部の明視幅s3iを含む。
仮仕様Wを取得するステップ100は、装着者の視線の方向および/または頭の移動から遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布を求めるステップ101と、遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布をそれぞれ統計処理して仮仕様Wの遠用部の明視幅w1、中間部の明視幅w2および近用部の明視幅w3を求めるステップ102とを含む。
図4に、遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布を求める一例を示している。図4(a)は遠方視の分布を測定する方法を示している。この方法では、遠用屈折力の単焦点レンズ31を用意し、フィッティングポイントFPより下側を遮蔽39で覆った状態で装着者(装用者、ユーザー)に遠方視を行ってもらい、視線方向を複数回測定する。視線方向は、アイマークレコーダーで測定できる。また、頭部の動きが伴うときは頭部の回旋角度を測定することにより視線方向を測定することができる。
図4(b)は中間視の分布を測定する方法を示している。この方法では、遠用屈折力に加入屈折力の1/2を加えた屈折力の単焦点レンズ32を用意し、フィッティングポイントFPより上半分と、フィッティングポイントFPから累進帯長分よりも下側が見えないように遮蔽39で覆った状態で装着者(装用者、ユーザー)に中間視を行ってもらい、視線方向を複数回測定する。
図4(c)は近方視の分布を測定する方法を示している。この方法では、近用屈折力の単焦点レンズ33を用意し、フィッティングポイントFPから累進帯長分より下側以外が見えないように遮蔽39で覆った状態で装着者に近方視を行ってもらい、視線方向を複数回測定する。
視線方向は測定装置によって両眼の平均を測定するもの、左右のそれぞれの方向を測定するものがあるが、いずれであってもよい。また、測定装置の配置上、レンズの遮蔽が難しい場合はレンズの遮蔽を行わず、視線の鉛直方向から遠方視、中間視、近方視に対応する視線方向のデータを取得してもよい。また、単焦点レンズの代わりに累進屈折力レンズを用い、両眼の視線の向きから視線方向の距離を判断してもよいが、累進屈折力レンズであると明視幅が限られるので装着者の視線移動が限られる可能性がある。
物を見る際に頭部または眼を回転させる程度は装着者により異なる。また、レンズにはプリズム作用があるため、実際の物体の方向とは異なる方向に物体が見える。したがって、裸眼での視覚動作とレンズ着用時の視覚動作とにはずれが生じるが、上記の方法であれば、装着者(対象者)がレンズを着用した際の視覚動作に応じた視線方向の分布が得られる。
図5は、遠方視の視線方向の分布の一例を示している。図6は、中間視の視線方向の分布の一例を示している。図7は、近方視の視線方向の分布の一例を示している。これらの図の縦軸は頻度を示し、横軸は垂直基準線yからの水平方向の角度を示している。ステップ102においては、遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布をそれぞれ統計処理して仮仕様Wの遠用部の明視幅w1、中間部の明視幅w2および近用部の明視幅w3を求める。具体的には、遠方視の視線方向の分布の測定結果は、平均が−1.13度、標準偏差σが12.5である。この平均値および標準偏差σを用いて遠方視の視線方向の分布を正規分布に近似し、頻度ρが0.05になる角度wfa1およびwfa2を求める。この例では、角度wfa1およびwfa2は−21.7度と19.4度である。
同様に、中間視の視線方向の分布の測定結果は、平均が0.856度、標準偏差σが6.54であり、頻度ρになる角度wma1およびwma2は−9.9度と11.6度である。近方視の視線方向の分布の測定結果は、平均が1.83度、標準偏差σが5.61であり、頻度ρになる角度wna1およびwna2は−7.4度と11.1度である。
図8に示すように、遠方視を例に説明すると、眼球2とレンズ31との距離l1およびl2が分かれば、垂直基準線Yから水平方向の明視幅wf1およびwf2は以下のように計算できる。
wf1=l1tan(wfa1)・・・(1)
wf2=l2tan(wfa2)・・・(2)
w1=wf1+wf2 ・・・(3)
wf1=l1tan(wfa1)・・・(1)
wf2=l2tan(wfa2)・・・(2)
w1=wf1+wf2 ・・・(3)
図5〜図7に示した分布によれば、遠方視の明視幅wf1およびwf2は10mm、8.8mmであり仮の明視幅w1は18.8mmである。ただし、距離l1およびl2は25mmである。同様に、中間視の明視幅wm1およびwm2は4.4mm、5.1mmであり仮の明視幅w2は9.5mmであり、近方視の明視幅wn1およびwn2は3.2mm、4.9mmであり仮の明視幅w3は8.1mmである。このようにして、特定の装着者の明視幅の仮仕様W(w1,w2,w3)を得ることができる。
なお、上記の処理は、統計的な処理の一例であり、必ずしも正規分布に近統する必要はなく、他の分布を仮定してもよい。また、得られた分布から偏差値などにより各視野の明視幅を求めてもよい。
仮仕様Wを取得するステップ100と同時に、または前後して、探索対象となる候補仕様Siを取得する。まず、ステップ301において、探索対象となる累進屈折力レンズを新たに設計する必要があるか否かを判断する。新たに設計する必要があればステップ302において基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づいて適当な明視幅s1、s2およびs3を持つ累進屈折力レンズを設計し、設計済み仕様を候補仕様Sとして生成する。既存設計が使用できるのであれば、ステップ303において、既存の累進屈折力レンズの仕様を候補仕様Sとして選択する。既存設計の仕様と、新たに設計した設計済み仕様とを候補仕様Sに含めることも可能である。
図9に、ステップ302において採用可能な新しい累進面の設計手順の一例を示している。ステップ304において基本仕様を設定する。基本仕様には、累進屈折力レンズの基材、外面累進または内面累進、処方度数(遠用度数(Sph)、加入度数(Add)、乱視度数(C)、乱視軸(Ax))、累進帯長、累進帯長の位置、遠用部11の明視幅の位置、中間部13の明視幅の位置、近用部12の明視幅の位置、明視幅の非点収差、側方の最大非点収差、主注視線14の内寄せ量などが含まれる。
以降において基本仕様は以下のように設定する。
1)基材はセイコーエプソン社製累進屈折力レンズ「セイコースーパーP−1」Aタイプ(屈折率1.67)を用いる。
2)外面19Aが球面で内面19Bに累進面を有する内面屈折力レンズとする。
3)処方度数の遠用度数(Sph)は0.00(D)、加入度数(Add)は1.50(D)、乱視度数(C)は0.00(D)とし、乱視軸(Ax)は設けない。
4)累進帯長は14mm、累進帯長の位置はフィッティングポイントFPを開始点とする。
5)遠用部11の明視幅の位置はフィッティングポイントFPより3mm上、中間部13の明視幅の位置はフィッティングポイントFPより7mm下(すなわち、累進帯の中央)、近用部12の明視幅の位置はフィッティングポイントFPより17mm下(すなわち、累進帯終了点より3mm下)とする。
6)明視幅の非点収差は最大で0.50(D)、側方の最大非点収差は1.50(D)とする。
7)内寄せ量は2.2mmで固定する。
1)基材はセイコーエプソン社製累進屈折力レンズ「セイコースーパーP−1」Aタイプ(屈折率1.67)を用いる。
2)外面19Aが球面で内面19Bに累進面を有する内面屈折力レンズとする。
3)処方度数の遠用度数(Sph)は0.00(D)、加入度数(Add)は1.50(D)、乱視度数(C)は0.00(D)とし、乱視軸(Ax)は設けない。
4)累進帯長は14mm、累進帯長の位置はフィッティングポイントFPを開始点とする。
5)遠用部11の明視幅の位置はフィッティングポイントFPより3mm上、中間部13の明視幅の位置はフィッティングポイントFPより7mm下(すなわち、累進帯の中央)、近用部12の明視幅の位置はフィッティングポイントFPより17mm下(すなわち、累進帯終了点より3mm下)とする。
6)明視幅の非点収差は最大で0.50(D)、側方の最大非点収差は1.50(D)とする。
7)内寄せ量は2.2mmで固定する。
基本仕様を設定した後、ステップ305において、遠用部11の明視幅s1iと、中間部13の明視幅s2iと、近用部12の明視幅s3iとを設定する。本例においては、図10に示すように、遠用部11の明視幅s1に対応する範囲41に遠用度数の球面を円弧状に設定し、近用部12の明視幅s3に対応する範囲42に近用度数の球面を円弧状に設定する。なお、球面の範囲の設定方法は円弧状に限られず、明視幅に設定した範囲が全て球面範囲に含まれていればよい。
次に、ステップ306において、遠用部11の球面範囲41と近用部12の球面範囲42との間を滑らかに繋ぐ。ステップ307において、図11に示すように、非点収差0.50Dの等値線45の幅と、明視幅s1i、s2iおよびs3iとを比較し、狙い通りの明視幅が得られているか否かを確認する。図11においては、中間部13の明視幅s2iが確保できていない。このような場合は、ステップ305に戻り、遠用部11の範囲41および近用部12の範囲42の円弧の角度を少し落とした上で、再度ステップ306を繰り返す。
このようにして、設定した明視幅s1i、s2iおよびs3iを満足する設計ができると、ステップ308において、明視幅s1、s2およびs3を満足する設計済みの仕様FSiとして出力する。図3のフローチャートに示したステップ303の既存設計も、明視幅s1i、s2iおよびs3iを満足する設計済みの仕様FSiである。
候補仕様Siを探索するステップ200は、複数の候補仕様Siを探索空間に配置(マッピング)するステップ201と、マッピングされた候補仕様Siの中から仮仕様Wに最も近い候補仕様Siを探索するステップ202とを含む。
探索空間に候補仕様Siを配置するステップ201は、さらに、設計済みの仕様FSiから補間により候補仕様Siの数を増加させるか否かを判断するステップ203と、設計済みの仕様FSiから補間により候補仕様Siを生成するステップ204とを含む。設計済みの仕様FSiから補間により生成された仕様は、設計可能であると想定される仕様ASiである。しかしながら、設計可能な仕様ASiではあっても、実際にはその設計可能な仕様ASiで累進面が設計されていない。したがって、後述するように、設計可能な仕様ASiを含む候補仕様Siを含めて探索する場合には、探索された候補仕様Siにより累進面を実際に設計する必要がある。設計済みの仕様FSiから設計可能な仕様ASiを求める補間方法としては、最小二乗法、双三次スプライン法などを挙げることができる。
探索対象となる複数の候補仕様Siが選択または生成されると、ステップ205において、候補仕様Siを探索空間にマッピングする。仮仕様Wに対し最短の候補仕様Siをマッピングする方法の1つは、ステップ204において設計済みの仕様FSiを含む探索空間内の面(仕様選択可能面)Qを最小二乗法などにより求め、ステップ205において探索空間に仕様選択可能面Qを設定(マッピング)することである。
図12に、遠用部11の明視幅をX軸、中間部13の明視幅をY軸、近用部12の明視幅をZ軸として含む探索空間50に幾つかの候補仕様S1〜S5をマッピングした様子を示している。探索空間50における、遠用部11、中間部13および近用部12のそれぞれの明視幅s1i、s2iおよびs3iを持つ候補仕様Siと、遠用部11、中間部13および近用部12のそれぞれの明視幅w1、w2およびw3を持つ仮仕様Wとの距離(ユークリッド距離)Dは以下の式(4)により得られる。
D=√((w1−s1i)2+(w2−s2i)2+(w3−s3i)2)・・・(4)
D=√((w1−s1i)2+(w2−s2i)2+(w3−s3i)2)・・・(4)
したがって、図12においては、仮仕様Wに最も近い候補仕様Siを探索するステップ202において、候補仕様S5が探索される。候補仕様S5が設計済みの仕様FSであれば、候補仕様S5の遠用部11、中間部13および近用部12のそれぞれの明視幅s15、s25およびs35を備えた累進屈折力レンズ10は製造可能であり、仮仕様Wに最も近い明視幅の広さを備えた累進屈折力レンズ10を提供できる。
図13に、探索空間50に仕様選択可能な面Qをマッピングした様子を示している。面Qは平面であっても曲面であってもよい。この例においては、上述した基本仕様1)〜7)が共通する累進屈折力レンズ10であって、遠用部11、中間部13および近用部12のそれぞれの明視幅s1i、s2iおよびs3iがそれぞれ異なる複数の設計済みの候補仕様Siを生成し、最小二乗法により補間して仕様選択可能な面Qの各座標における点を求める。
図14(a)に、設計済みの候補仕様S11〜S15の遠用部11、中間部13および近用部12のそれぞれの明視幅s1i、s2iおよびs3iを表により示し、図14(b)に明視幅s1i、s2iおよびs3iの位置を示している。また、図15に、仕様選択可能な面QのX−Z座標におけるY軸の値を表により示している。
したがって、図13においては、候補仕様Siを探索するステップ202の仕様選択可能面Qとの距離を求めるステップ206において、仮仕様Wに最も近い仕様選択可能面Q上の点SPが最も仮仕様Wに近い候補仕様Siとして選択される。
ステップ202において、探索空間50において仮仕様Wに最も近い(最も距離が短い)候補仕様Siが求められると、ステップ401において、求められた候補仕様Siにより累進屈折力レンズ10を設計するか否かを判断する。探索空間50に配置された候補仕様Siが設計済みの仕様FSiであれば、すでに設計済みなので求められた候補仕様Siにより累進屈折力レンズ10を製造することができる。
一方、探索空間50に配置された候補仕様Siが補間された設計可能な仕様ASiを含むのであれば、候補仕様Siに含まれる明視幅s1i、s2iおよびs3iを備え、基本仕様を満足する累進屈折力レンズ10が設計できない可能性がある。したがって、ステップ402において、求められた候補仕様Siに基づいて累進屈折力レンズ10を設計する。ステップ402において累進屈折力レンズ10を設計する方法としては、図9に基づき説明した方法、すなわち、ステップ302と同じ方法を採用することができる。
本例においては、図5〜図7に示した分布により仮仕様W(18.8,9.5,8.1)が得られる。そして、図15に示した仕様選択可能面Qの中で仮仕様Wに最も近い点SPとしてSP(18.7,7.6,6.1)が得られる。したがって、求められた点SPの値を候補仕様Siとし、ステップ402において累進屈折力レンズ10を設計する。
次に、ステップ500において、上記にて設計された内外面を有する眼鏡用の累進屈折力レンズ10を製造する。
以上に説明した設計および製造方法においては、ステップ100において、装着者毎に、遠方視、中間視および近方視の分布を求め、遠用部11、中間部13および近用部12の明視幅w1、w2およびw3を含む明視幅の仮仕様Wを取得する。したがって、仮仕様Wには、装着者固有の物を見る際の動き、すなわち、視線移動を最大限反映された明視幅の情報が含まれる。このため、仮仕様Wは累進屈折力レンズとして提供できないような明視幅w1、w2およびw3の組み合わせを備えている可能性がある。
ステップ200においては、遠用部11、中間部13および近用部12の各明視幅を座標軸とする探索空間50に、累進屈折力レンズ10を設計可能な明視幅s1i、s2iおよびs3iを備えた候補仕様Siを配置し、仮仕様Wに最も距離が近い候補仕様Siを探索する。したがって、探索された(求められた)候補仕様Siは、仮仕様Wに最も近く、かつ、実際に累進屈折力レンズ10により実現できる明視幅s1i、s2iおよびs3iを備えた仕様となる。このため、装着者(装用者)の自然な視線移動を最大限妨げない、遠用部11、中間部13および近用部12の明視幅を備えた累進屈折力レンズ10を設計および製造し、装着者に提供できる。
図16に、眼鏡用レンズの設計装置70の一例の概略構成を示している。この設計装置70は、CPUおよびメモリなどのコンピュータとして通常含まれるハードウェア資源を有するパーソナルコンピュータあるいは他の情報処理装置により実現される。設計装置70は、遠用部11、中間部13および近用部12を有する眼鏡用の累進屈折力レンズ10を設計する設計ユニット71と、設計ユニット71により設計された眼鏡用の累進屈折力レンズ10Lおよび10Rを、装着者(ユーザー)が通して見た様子をシミュレーションするユニット80とを含む装置である。
設計ユニット71は、上述した仮仕様Wを取得するステップ100の処理を行う機能を備えた取得ユニット72と、仮仕様Wに最も近い候補仕様Siを探索するステップ200の処理を行う機能を備えた探索ユニット73と、基本仕様および明視幅を含む眼鏡仕様に基づいて累進屈折力レンズ10を具体的に設計する個別設計ユニット74と、個別設計された設計済みの仕様FSiおよび設計済みの仕様FSiから補間された設計可能な仕様ASiなどを蓄積する仕様ライブラリ75とを含む。
探索ユニット73は、さらに、複数の設計済み仕様FSiの少なくとも一部から補間された設計可能な仕様ASiを含む複数の候補仕様Siを生成する候補仕様生成ユニット76と、複数の候補仕様Siの中から仮仕様Wに最も近い候補仕様Siを求める仕様取得ユニット77とを含む。さらに、候補仕様生成ユニット76は、候補仕様Siを探索空間50にマッピングするマッピングユニット78を含む。マッピングユニット78は、生成された複数の候補仕様Siを点として探索空間50に配置したり、複数の候補仕様Siを含む仕様選択可能面Qを探索空間50にマッピングする機能(仕様選択可能面を配置する機能)も備えている。
また、仕様取得ユニット77は、探索空間50にマッピングされた候補仕様Siの中から仮仕様Wに最も距離が近い候補仕様Siを選択する機能に加え、仮仕様Wに最も近い仕様選択可能面Q上の点を、求められた候補仕様として選択する仕様選択ユニット79を含む。
また、取得ユニット72は、装着者の視線の方向および/または頭の移動から遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布を求める分布解析ユニット72aと、遠方視の分布、中間視の分布および近方視の分布をそれぞれ統計処理して仮仕様Wの遠用部11の明視幅w1、中間部13の明視幅w2および近用部12の明視幅w3を求める明視幅取得ユニット72bとを含む。
この設計装置(設計システム)70により、図3に基づき説明した設計方法を用い、装着者の視線移動を最大限妨げないような遠・中・近の明視幅を備えた累進屈折力レンズ10を設計できる。そして、設計された眼鏡用レンズ10Lおよび10Rを通して見た様子を、シミュレーションユニット80を介して装着者に提供できる。シミュレーションユニット80の一例は画像表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイなどを用いて左右の明視幅が確保された矯正視力を仮想的に装着者に体験させることができる。
この設計装置70を用いることにより、ユーザーは、眼鏡の販売店において、装着者の視線移動が最大限妨げられない、快適な視野を仮想的に体験できる。
以上に説明した累進屈折力レンズ10の設計方法および設計装置70においては、探索空間50として、遠用部11の明視幅、中間部13の明視幅、近用部12の明視幅を座標軸として備えた3次元の空間を例に説明しているが、他の要素を軸として加えた4次元以上の空間であってもよい。たとえば、上記の説明においては固定している主注視線14の内寄せを装着者毎に測定して仮仕様Wに含め、内寄せを含めては、遠用部11の明視幅、中間部13の明視幅、近用部12の明視幅が装着者の視線移動を最大限妨げないような累進屈折力レンズを設計および製造し、提供することも可能である。
また、上述した基本仕様などの仕様および設計データは、本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明は上記の仕様および設計データに限定されるものではない。
1 眼鏡、 10、10L、10R 眼鏡用レンズ
11 遠用部、 12 近用部、 13 中間部(累進部)
19A 物体側の面、 19B 眼球側の面
20 フレーム
11 遠用部、 12 近用部、 13 中間部(累進部)
19A 物体側の面、 19B 眼球側の面
20 フレーム
Claims (11)
- 目視度数の異なる遠用部および近用部と、前記遠用部および前記近用部の間に位置する中間部とを有する眼鏡用の累進屈折力レンズの設計方法であって、
前記遠用部の明視幅、前記中間部の明視幅および前記近用部の明視幅を含む装着者の明視幅の仮仕様を取得することと、
加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズの複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様の中から、前記遠用部の明視幅、前記中間部の明視幅および前記近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、前記仮仕様との距離が最も近い候補仕様を探索することとを含む、累進屈折力レンズの設計方法。 - 請求項1において、
前記候補仕様を探索することは、前記複数の設計済み仕様の少なくとも一部から補間された設計可能な仕様を含む前記複数の候補仕様を生成することと、
前記複数の候補仕様の中から前記仮仕様に最も近い候補仕様を求めることとを含む、累進屈折力レンズの設計方法。 - 請求項2において、
前記候補仕様を生成することは、前記複数の設計済み仕様の少なくとも一部を含む仕様選択可能面を前記探索空間内に配置することを含み、
前記候補仕様を求めることは、前記仮仕様に最も近い前記仕様選択可能面上の点を、候補仕様として求めることを含む、累進屈折力レンズの設計方法。 - 請求項2または3において、求められた候補仕様により累進屈折力レンズを設計することを含む、累進屈折力レンズの設計方法。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記仮仕様を取得することは、前記装着者の視線の方向および/または頭の移動から前記遠方視の分布、前記中間視の分布および前記近方視の分布を求めることと、
前記遠方視の分布、前記中間視の分布および前記近方視の分布をそれぞれ統計処理して前記仮仕様の前記遠用部の明視幅、前記中間部の明視幅および前記近用部の明視幅を求めることとを含む、累進屈折力レンズの設計方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の設計方法により設計された累進屈折力レンズを製造することを含む、累進屈折力レンズの製造方法。
- 目視度数の異なる遠用部および近用部と、前記遠用部および前記近用部の間に位置する中間部とを有する眼鏡用の累進屈折力レンズを設計するユニットを含む装置であって、
前記設計するユニットは、前記遠用部の明視幅、前記中間部の明視幅および前記近用部の明視幅を含む装着者の明視幅の仮仕様を取得する機能と、
加入度を含む基本仕様が共通する眼鏡仕様に基づき設計された累進屈折力レンズの複数の設計済み仕様を含む複数の候補仕様の中から、前記遠用部の明視幅、前記中間部の明視幅および前記近用部の明視幅を座標軸として含む探索空間内において、前記仮仕様との距離が最も近い候補仕様を探索する機能とを含む、装置。 - 請求項7において、
前記候補仕様を探索する機能は、前記複数の設計済み仕様の少なくとも一部から補間された設計可能な仕様を含む前記複数の候補仕様を生成する機能と、
前記複数の候補仕様の中から前記仮仕様に最も近い候補仕様を求める機能とを含む、装置。 - 請求項8において、
前記候補仕様を生成する機能は、前記複数の設計済み仕様の少なくとも一部を含む仕様選択可能面を前記探索空間内に配置する機能を含み、
前記候補仕様を求める機能は、前記仮仕様に最も近い前記仕様選択可能面上の点を候補仕様として求める機能を含む、装置。 - 請求項7ないし9のいずれかにおいて、
前記仮仕様を取得する機能は、前記装着者の視線の方向および/または頭の移動から前記遠方視の分布、前記中間視の分布および前記近方視の分布を求める機能と、
前記遠方視の分布、前記中間視の分布および前記近方視の分布をそれぞれ統計処理して前記仮仕様の前記遠用部の明視幅、前記中間部の明視幅および前記近用部の明視幅を求める機能とを含む、装置。 - 請求項7ないし10のいずれかにおいて、前記設計するユニットにより設計された累進屈折力レンズを通して見た様子をシミュレーションするユニットを有する、装置。
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JP2011060472A JP2012198257A (ja) | 2011-03-18 | 2011-03-18 | 累進屈折力レンズの設計方法 |
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---|---|---|---|---|
CN107957779A (zh) * | 2017-11-27 | 2018-04-24 | 海尔优家智能科技(北京)有限公司 | 一种利用眼部动作控制信息搜索的方法及装置 |
WO2023119914A1 (ja) * | 2021-12-21 | 2023-06-29 | 株式会社ニコン・エシロール | 眼鏡レンズの製造方法、眼鏡レンズの設計装置、および計測モジュール |
WO2024195453A1 (ja) * | 2023-03-20 | 2024-09-26 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | 累進屈折力レンズの決定方法 |
WO2024195454A1 (ja) * | 2023-03-20 | 2024-09-26 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | 累進屈折力レンズの決定方法 |
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2011
- 2011-03-18 JP JP2011060472A patent/JP2012198257A/ja not_active Withdrawn
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