JP2015193692A - インクジェットインク組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散染料由来の異物、及び、気液界面での異物の発生を抑制でき、耐ブリード性を有するインク組成物、およびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含み、前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量に対するナトリウムイオン濃度の比(Na(ppm)/NSF(質量%))が、75〜550である、インクジェットインク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインク組成物及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、インク組成物保存安定性等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、初期状態だけでなく温度変化や経時変化があってもインクが接触する材料からの溶出物と反応して不溶物をつくることなく、常にクリーンでしかもインク経路中でインクの流動を変化させたり妨げたりしない記録用インクを提供することを目的として、ナトリウムイオンの総和がインク全量に対し、0.2重量%以下である記録用インクが開示されている。
特公平07−51687号公報
しかしながら、空気導入口を有するインク収容容器を備えるインク連続供給システムにこのような従来のインク組成物を用いた場合、ナトリウムイオンの含有量が少なすぎると、インク組成物の気液界面で異物が発生し、ノズル詰まりを誘発するという問題がある。
また、単にナトリウムイオンの含有量を規定するのみでは、色材の分散安定性が十分ではなく、ひいては得られる記録物にブリードが生じる。また、色材の分散安定性が低下すると、色材として分散染料を用いた場合、分散染料の凝集に由来する異物や分散染料が再結晶することに由来する異物が発生する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、分散染料の凝集に由来する異物及び分散染料が再結晶することに由来する異物(以下、「分散染料由来の異物」ともいう。)、及び、気液界面での異物の発生を抑制でき、耐ブリード性を有するインク組成物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、ナトリウムイオンと分散剤の比率を制御することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含み、
前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量に対するナトリウムイオン濃度の比(Na(ppm)/NSF(質量%))が、75〜550である、インクジェットインク組成物。
〔2〕
陽イオン交換膜によって陽イオンを除去する脱陽イオン処理工程を経て作製された、前項〔1〕に記載のインクジェットインク組成物。
〔4〕
前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量が、前記分散染料の固形分濃度100質量部に対して、10〜300質量部である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェットインク組成物。
〔5〕
大気開放系記録装置で用いられる、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
〔6〕
シリコーン系界面活性剤をさらに含み、
該シリコーン系界面活性剤の含有量が、前記分散染料の固形分100質量部に対して、5.0〜45質量部である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
〔7〕
保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤をさらに含み、
前記分散染料と、前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含む混合液に、前記シリコーン系界面活性剤を混合して、分散液を得る分散工程と、
前記分散液を60℃以上に加熱して、25℃以下に冷却する熱処理工程と、
該熱処理工程後の前記分散液に、前記保湿剤、前記キレート剤、及び前記pH調整剤を混合して、濾過処理する仕上げ工程と、を経て作製された、前項〔5〕に記載のインクジェットインク組成物。
〔8〕
分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含む混合液に、シリコーン系界面活性剤を混合して、分散液を得る分散工程と、
前記分散液を60℃に加熱して、25℃に冷却する熱処理工程と、
該熱処理工程後の前記分散液に、保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤を混合して、濾過処理する仕上げ工程と、を有する、インクジェットインク組成物の製造方法。
インク収容容器の一例の断面の模式図。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔インクジェットインク組成物〕
本実施形態のインクジェットインク組成物(以下、「インク組成物」ともいう。)は、分散染料と、分散剤であるナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含み、前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量に対するナトリウムイオン濃度の比(Na(ppm)/NSF(質量%))が、75〜550である。
分散染料を含有するインク組成物においては、保存温度などの保存環境の変化や、大気開放系など乾燥しうる環境下で保存した場合に特に、分散染料が凝集又は再結晶化することに由来する異物が生じやすい。また、分散剤の溶解性が低下することによる異物、必要に応じて含まれ得る界面活性剤が膜化することに由来する異物も生じやすい。インク組成物中にこのような異物が生じると、ノズル詰まりを誘発する。また、記録物作製時に、各色インク組成物間で分散染料の分散安定性の程度にばらつきがあると、記録物にブリードが生じやすいという問題がある。
これに対して、本実施形態のインク組成物は、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量とナトリウムイオン濃度との関係を調整することにより、保存環境が変化した場合、または保存によりインク組成物が乾燥するなど、インク組成物の組成が変化した場合であっても、分散剤による分散染料の分散安定性を高く維持することができる。そのため、各異物の発生を抑制でき、また耐ブリード性にも優れる。
〔分散染料〕
分散染料としては、以下のようなものが挙げられる。
イエロー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232が挙げられる。
オレンジ分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142が挙げられる。
レッド分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328が挙げられる。
バイオレット分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77が挙げられる。
グリーン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースグリーン9が挙げられる。
ブラウン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19が挙げられる。
ブルー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースブルー3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333が挙げられる。
ブラック分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ディスパースブラック1、3、10、24が挙げられる。
分散染料の含有量は、インク組成物の総量100質量部に対して、好ましくは1.0〜10質量部であり、より好ましくは1.0〜7.5質量部であり、さらに好ましくは2.5〜7.5質量部である。分散染料の含有量が1.0質量部以上であることにより、発色性がより向上する傾向にある。また、分散染料の含有量が10質量部以下であることにより、分散染料由来の異物や、気液界面の異物がより生じにくい傾向にある。
〔分散剤〕
本実施形態のインク組成物は、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を分散剤として含むことにより、気液界面での異物の発生を抑制できる。
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物としては、特に限定されないが、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウム、クレゾールスルホン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸ナトリウム、β−ナフトールスルホン酸ナトリウム、メチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムとβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムとの混合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムとの混合物、リグニンスルホン酸等のナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量は、インク組成物の総量100質量部に対して、好ましくは0.10〜17.5質量部であり、より好ましくは0.50〜15質量部であり、さらに好ましくは1.0〜12.5質量部である。分散剤の含有量が0.10質量部以上であることにより、分散染料由来の異物、及び、気液界面での異物の発生をより抑制できる傾向にある。また、分散剤の含有量が17.5質量部以下であることにより、耐ブリード性がより向上する傾向にある。
また、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量は、分散染料の固形分濃度100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部であり、より好ましくは30〜200質量部であり、さらに好ましくは50〜150質量部である。ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量が10質量部以上であることにより、耐ブリード性がより向上する傾向にある。また、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量が300質量部以下であることにより、分散染料由来の異物の発生をより抑制できる傾向にある。
本実施形態のインク組成物は、その他の分散剤を含んでもよい。その他の分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ノニオン系分散剤、高分子分散剤が挙げられる。
ノニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
〔ナトリウムイオン〕
インク組成物におけるナトリウムイオンの含有量は、インク組成物の総量100質量%に対して、好ましくは350〜2500ppmであり、より好ましくは500〜2000ppmである。ナトリウムイオンの含有量が350ppm以上であることにより、気液界面の異物がより生じにくい傾向にある。また、ナトリウムイオンの含有量が2500ppm以下であることにより、分散染料由来の異物の発生をより抑制できる傾向にある。ナトリウムイオンの含有量は実施例に記載の方法により測定することができる。また、ナトリウムイオンの含有量は、後述する脱陽イオン処理工程により制御することができる。
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量に対するナトリウムイオン濃度の比A(Na(ppm)/NSF(質量%))は、75〜550であり、好ましくは75〜500であり、より好ましくは100〜400である。比Aが75以上であることにより、分散剤(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)の溶解性がより向上し、分散染料の周囲に存在しない遊離の分散剤が気液界面で異物となることをより抑制することができる。また、比Aが75以上であることにより、分散剤(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)による分散染料の分散性がより向上し、耐ブリード性がより向上する。さらに、比Aが550以下であることにより、分散剤(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)の溶解度が向上しすぎることなく、分散染料の分散性向上に寄与する分散剤の量がより向上するため、分散染料由来の異物の発生をより抑制できる。
分散染料の含有量に対するナトリウムイオン濃度の比B(Na(ppm)/分散染料(質量%))は、好ましくは75〜550であり、より好ましくは75〜500であり、さらに好ましくは100〜400である。比Bが75以上であることにより、気液界面の異物がより生じにくい傾向にある。また、比Bが550以下であることにより、分散染料由来の異物の発生をより抑制できる傾向にある。
〔界面活性剤〕
インク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びアセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
これらの中でも、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系界面活性剤がより好ましい。このような界面活性剤を用いることにより、界面活性剤に由来する気液界面の異物の発生をより抑制するできる傾向にある。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズ、オルフィンPD002W等のPDシリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤の含有量は、分散染料の固形分100質量部に対して、好ましくは5.0〜45質量部であり、より好ましくは8.0〜40であり、さらに好ましくは10〜36質量部である。シリコーン系界面活性剤の含有量が5.0質量部以上であることにより、分散染料由来の異物の発生をより抑制でき、気液界面の異物がより生じにくい傾向にある。また、シリコーン系界面活性剤の含有量が45質量部以下であることにより、耐ブリード性がより向上する傾向にある。
〔保湿剤〕
インク組成物は、保湿剤をさらに含んでもよい。インク組成物が保湿剤を含むことにより、インク連続供給システム等の大気開放系において、インク組成物が空気に触れている状態で保存しても、分散染料由来の異物の発生や、気液界面での異物の発生をより抑制できる傾向にある。
保湿剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、及びペンタエリスリトールが挙げられる。保湿剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔キレート剤〕
インク組成物は、キレート剤をさらに含んでもよい。キレート剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、エデト酸二塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グルコン酸が挙げられる。キレート剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
〔pH調整剤〕
インク組成物は、pH調整剤をさらに含んでもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)が挙げられる。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
〔防腐剤〕
インク組成物は、防腐剤をさらに含んでもよい。防腐剤としては、特に限定されないが、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類(メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、プロピルパラベン及びイソプロピルパラベン等)、クロロブタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、安息香酸ナトリウムが挙げられる。防腐剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
〔その他の添加剤〕
インク組成物は、さらに必要に応じて、防黴剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、又は溶解助剤、その他、通常のインクにおいて用いることができる各種添加剤を含んでもよい。なお、各種添加剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔大気開放系記録装置用〕
本実施形態のインク組成物は、大気開放系記録装置で用いられるものであることが好ましい。「大気開放系記録装置」とは、インク組成物と大気とが接するような構造を有するインク収容容器を備える記録装置をいう。さらに言えば、大気開放系記録装置は、インク組成物を液体で補充できるような開放系(常に新鮮な空気に触れている)であり、従来のインクカートリッジのようにインク組成物の補充ができない機構になっている(完全に密閉系になっているか、もしくは空気層はあるが体積的には極めて小さく、かつ直接的な空気の出入りがない状態のもの)とは区別される。大気開放系記録装置では、インク組成物と大気とが接するため、インクの乾燥などにより、特に気液界面で異物が発生しやすい。そのため、本発明が特に有用となる。大気開放系記録装置としては、特に限定されないが、例えば、インク連続供給システムを備える記録装置が挙げられる。
「インク連続供給システム」とは、空気導入口を有するインク収容容器(インクタンク)と、インク収容容器内の上記インク組成物を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、上記インク収容容器及び上記記録ヘッドを接続し、上記インク収容容器から上記記録ヘッドへ上記インク組成物を供給するインク供給路と、を備えるものをいう。
大気開放系記録装置の備え得るインク収容容器について以下説明する。図1は、インク収容容器200の断面の模式図である。インク収容容器200は、記録ヘッド300に対してインク供給路400によって接続される。
インク収容容器200は、空気導入口212を有するインク収容室214を備え、該イ
ンク収容室214に収容されたインク組成物中に空気導入口212から空気が導入される
ことで、インク組成物中に気泡が発生するようになっている。また、インク収容容器20
0中では、大気とインク組成物とが接触可能な構造を有する。なお、空気導入口212か
ら空気が導入されることで、インク組成物中に気泡が発生するように、インク収容室21
4にインクが収容された状態において、そのインク組成物と空気導入口212が接する構
造を有していてもよい。
図示しないが、記録装置は、複数のインク収容容器200を有すること
ができる。またインク供給路400は、合成ゴム等の可撓性を有する部材で形成すること
ができ、ホース又はチューブとすることができる。
図1に示すインク組成物供給の手法は、簡潔に言えばマリオット瓶の原理を利用するも
のであり、記録ヘッド300及びインク収容容器200が、インク供給路400を介して
接続され、インク収容容器200から記録ヘッド300へインク組成物を吸引し供給する
というものである。
図1では、インク収容容器200が記録装置に使用状態で装着された様
子を示している。記録装置は、水平面sf上に設置されている。なお「イ
ンクジェット記録装置が使用状態にある」とは、媒体に対してインク組成物を吐出して正
常に付着できる状態にあることを意味しており、必ずしも水平面に設置された状態に限ら
ない。インク収容容器200のインク導出部216と記録ヘッド300とは、インク供給
路400を介して接続されている。
インク収容容器200の外面は、第1壁270C1と、第2壁(上面壁)270C2と
、底面壁270C3と、からなる。インク収容容器200は、その内部に、空気導入流路
及びインク流路を有する。当該空気導入流路は、大気開放口217から、図示しない大気
流路を介して大気導入口218を通り、インク収容室214へ空気を導入するための流路
である。インク流路インク注入口204は、当該インク流路インク注入口204からイン
ク収容室214へインク組成物の充填を行うための開閉機構を有する開口である。
空気導入流路は、上述の空気導入動作において用いられる流路である。空気導入流路は
、外部(大気)に向かって開口する大気開放口217と、大気導入口218を一端とし且
つ空気室側開口251を他端とする空気収容室230と、空気室側開口251を一端とし
且つ空気導入口212を他端とするインク室連通路250と、で構成される。大気開放口
217は大気に連通し、空気収容室230は一端である大気導入口218で開口し、大気
開放口217及び大気導入口218は図示しない流路を介して連通している。つまり、空
気収容室230は外部(大気)と連通している。インク室連通路250は、一端である空
気室側開口251が空気収容室230で開口し、他端である空気導入口212がインク収
容室214で開口している。つまり、空気収容室230はインク収容室214と連通して
いる。なお、インク室連通路250は、メニスカス(液面架橋)を形成可能な程度に流路
断面積が小さいことが好ましい。
このように、上記の空気導入流路は、一端である空気導入口212がインク収容室21
4で開口し、他端である大気開放口217が外部に向かって開口している。つまり、イン
ク収容容器200の使用状態において、インク室連通路250(詳細には、空気導入口2
12近傍)には、大気と直接に接する液面が形成され、空気導入口212からインク収容
室214のインク中に空気(気泡)を導入することでインク収容室214に空気(気泡G
)を導入するものである。これによりインク収容容器200から記録ヘッド300へ安定
してインク組成物を供給することができる。
これらインク供給動作は、記録ヘッド300からの吐出動作に起因したインク収容容器
200のインク貯蔵量の減少に伴って行われるとともに、上記の空気導入動作により安定
的に行われる。
インク収容容器200には、使用状態と注入状態とがある。「使用状態」とは、インク
ジェット記録装置の使用状態におけるインク収容容器200の状態である。インク収容容
器200はその使用状態では、インク注入口204が水平方向に向かって開口している(
ここで、開口は栓部材202によって塞がれている。)。図1は、使用状態におけるイン
ク収容容器200を示している。また、使用状態においては、インク収容室214と空気
収容室230とが水平方向に並んでいる。さらに、使用状態においては、空気導入口21
2が、インク収容室214に収容されたインク組成物の液面より下方に位置する。
一方、インク収容容器200の「注入状態」とは、インク注入口204が上方に向かっ
て開口するように設置された状態である。注入状態においては、インク収容室214と空
気収容室230とが鉛直方向に並んでいる。さらに、注入状態においては、空気導入口2
12が、使用状態においてインク収容室214に収容されたインク組成物の液面が直線L
M1(「第1状態表示線LM1」(図1参照))にあるときの液量がインク収容室214
に収容されている場合に、インク収容室214に収容されたインク組成物の液面より上方
に位置している。
インク収容容器200の注入状態において、利用者は、インク組成物の液面が注入状態
において水平となる直線LM2(「第2状態表示線LM2」(図1参照))の近傍に到達
した場合に、インクの充填を停止すればよい。このようにしてインク注入口204からイ
ンク組成物をインク収容室214に注入された後に、インク注入口204を栓部材202
で密封する。さらに、記録ヘッド300からインク収容室214のインクが吸引されるこ
とでインク収容室214は負圧となる。
インク収容容器200の使用状態において、空気導入口212は、第1状態表示線LM
1よりも下側に位置する。図1において空気導入口212は、インク収容室214を区画
形成する容器本体211のうち、使用状態においてインク収容室214を挟んで下側に位
置する底面壁370C3に形成されている。これにより、インク収容室214のインクが
消費され、インク収容室214内のインク組成物の液面が低下しても、大気と接する液面
(大気接触液面)LAが長時間(インク組成物の液面が第1状態表示線LM1に達する程
度の時間)に亘り一定の高さに維持される。また、使用状態において、空気導入口212
は、記録ヘッド300のノズル孔(図示せず)の形成された位置よりも鉛直方向において
低い位置になるように配置される。
インク組成物が記録ヘッド300によって吸引されることで負圧を生じ、所定の負圧に
なると、インク収容室214のインク組成物がインク供給路400を介して記録ヘッド3
00に供給される。
インク収容室214のインクが消費されると、空気収容室230の空気がインク室連通
路250を介してインク収容室214に気泡Gとして導入される。これによりインク収容
室214のインク液面LFは低下する。一方、大気と接する大気接触液面LAの高さは一
定に維持される。
〔インクジェットインク組成物の製造方法〕
本実施形態のインクジェットインク組成物の製造方法は、分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含む混合液に、シリコーン系界面活性剤を混合して、分散液を得る分散工程と、分散液を60℃以上に加熱して、25℃以下に冷却する熱処理工程と、該熱処理工程後の分散液に、保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤を混合して、濾過処理する仕上げ工程と、を有する。
熱処理工程における加熱温度は、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは60℃以上である。熱処理工程における加熱温度が60℃以上であることにより、分散染料及び分散剤の分散安定性がより向上する傾向にある。
熱処理工程における冷却温度は、好ましくは30℃以下であり、より好ましくは25℃以下である。熱処理工程における加熱温度が25℃以下であることにより、長期的な分散性安定性がより向上する傾向にある。
本実施形態のインク組成物は、保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤をさらに含み、上記のような製造方法により製造されたインク組成物が好ましい。上述の分散工程及び熱処理工程を経ることにより、分散染料の分散安定性がより向上し、乾燥状態や高温状態にインク組成物が置かれた場合であっても異物の発生を抑制でき、分散染料由来の異物の発生をより抑制できる傾向にある。また、分散染料の分散安定性が向上することにより、耐ブリード性がより向上する傾向にある。
本実施形態のインクジェットインク組成物の製造方法は、陽イオン交換膜によって陽イオンを除去する脱陽イオン処理工程を有することが好ましい。言い換えれば、本実施形態のインクジェット組成物は、陽イオン交換膜によって陽イオンを除去する脱陽イオン処理工程を経て作製されたインク組成物であると好ましい。脱陽イオン処理工程は、分散工程の後に分散液から上記のようにして陽イオン(例えば、ナトリウムイオン)を除去する工程であってもよく、熱処理工程の後の分散液から上記のようにして陽イオンを除去する工程であってもよく、又は仕上げ工程の後のインク組成物から上記のようにして陽イオンを除去する工程であってもよい。
仕上げ工程は、熱処理工程後の分散液に、保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤を混合して、濾過処理する工程である。濾過はインク組成物をフィルターに通過させることにより行うことができる。これにより、異物を除去することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔分散染料〕
C.I.ディスパースレッド60
〔分散剤〕
ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物
スチレン−アクリル酸共重合物
〔界面活性剤〕
BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミー社製)
オルフィンPD002W(アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業社製)
〔保湿剤〕
グリセリン
トリエチレングリコール
〔pH調整剤〕
トリエタノールアミン
〔キレート剤〕
EDTA・2Na
〔防腐剤〕
プロキセルGXL(Arch Chemicals社製)
[実施例1〜13、比較例1〜4]
[インク組成物の調製]
分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、水と、を含む混合液に、界面活性剤を混合して、分散液を調製した。その後、各インク組成物に対し脱陽イオン処理工程を行った。得られた分散液を60℃に加熱して、25℃に冷却した。次いで、得られた分散液に、保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤を混合して、濾過処理し、各インク組成物を得た。ただし、実施例13では、上記の加熱及び冷却を行わなかった。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔ナトリウムイオンの含有量の測定〕
ナトリウムイオンの含有量の測定は、インク組成物を水分希釈したサンプルを下記装置を用いて測定することにより行った。
ICP発光分光分析装置(ICP−AES)型式:ICPS−7500
・メーカー:島津製作所製
シーケンシャルタイプ
・波長範囲:160〜850nm
・周波数:27.120MH
〔インク組成物中の異物確認試験〕
上記のようにして得られたインク組成物(10mL)を、インクパックに空気層がないように密閉状態で封入し、60℃で、5日間放置した。その後、インク組成物を金属メッシュフィルター(口径10μm)で濾過し、金属メッシュフィルターに残留した異物の1mm四方あたりの個数を数えた。得られた個数に基づいて、下記評価基準により、インク組成物中の異物の発生を評価した。
(評価基準)
A:1mm四方あたりの結晶異物個数が5個未満であった。
B:1mm四方あたりの結晶異物個数が5個以上30未満であった。
C:1mm四方あたりの結晶異物個数が30個以上50個未満であった。
D:1mm四方あたりの結晶異物個数が50個以上であった。
〔インク組成物の気液界面における異物確認試験〕
上記のようにして得られたインク組成物(10mL)を、ガラス瓶にて気液界面が存在する状態で、60℃、5日間放置した。その後、インク組成物を金属メッシュフィルター(口径10μm)で濾過し、金属メッシュフィルターに残留した異物の1mm四方あたりの個数を数えた。得られた個数に基づいて、下記評価基準により、インク組成物の気液界面における異物の発生を評価した。
(評価基準)
A:1mm四方あたりの結晶異物個数が5個未満であった。
B:1mm四方あたりの結晶異物個数が5個以上30未満であった。
C:1mm四方あたりの結晶異物個数が30個以上50個未満であった。
D:1mm四方あたりの結晶異物個数が50個以上であった。
〔耐ブリード性〕
インク連続供給システムを有するインクジェット式記録装置(セイコーエプソン社製)を用い、被記録媒体に、上記インク組成物を用いてDuty100%で記録を行った。その記録領域に直接接するように、色材としてDisperse Yellow 54を用いたこと以外は、実施例1と同様の組成により調整したイエローインク組成物を用いて、Duty100%で記録を行い、2色の記録領域が直接接する記録物を得た。この記録領域の色の境界を目視にて観察した。記録後のブリード程度(色のはみ出し量)に基づいて、下記評価基準により、耐ブリード性を評価した。
(評価基準)
A:色のはみ出し量が0.1cm未満であった。
B:色のはみ出し量が0.1cm以上0.2cm未満であった。
C:色のはみ出し量が0.2cm以上0.3cm未満であった。
D:色のはみ出し量が0.3cm以上であった。
Figure 2015193692
※1 NSF:ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物
※2 分散染料の固形分100質量部に対するナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量
※3 分散染料の固形分100質量部に対するシリコーン系界面活性剤の含有量
200…インク収容容器、202…栓部材、204…インク注入口、211…容器本体、212…空気導入口、214…インク収容室、216…インク導出部、217…大気開放口、218…大気導入口、230…空気収容室、250…インク室連通路、251…空気室側開口、270C1…第1壁、270C2…第2壁、270C3…底面壁、300…記録ヘッド、400…インク供給路、sf…水平面、G…気泡

Claims (7)

  1. 分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含み、
    前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量に対するナトリウムイオン濃度の比(Na(ppm)/NSF(質量%))が、75〜550である、インクジェットインク組成物。
  2. 陽イオン交換膜によって陽イオンを除去する脱陽イオン処理工程を経て作製された、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  3. 前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量が、前記分散染料の固形分濃度100質量部に対して、10〜300質量部である、請求項1又は2に記載のインクジェットインク組成物。
  4. 大気開放系記録装置で用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  5. シリコーン系界面活性剤をさらに含み、
    該シリコーン系界面活性剤の含有量が、前記分散染料の固形分100質量部に対して、5.0〜45質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
  6. 保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤をさらに含み、
    前記分散染料と、前記ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含む混合液に、前記シリコーン系界面活性剤を混合して、分散液を得る分散工程と、
    前記分散液を60℃以上に加熱して、25℃以下に冷却する熱処理工程と、
    該熱処理工程後の前記分散液に、前記保湿剤、前記キレート剤、及び前記pH調整剤を混合して、濾過処理する仕上げ工程と、を経て作製された、請求項5に記載のインクジェットインク組成物。
  7. 分散染料と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物と、を含む混合液に、シリコーン系界面活性剤を混合して、分散液を得る分散工程と、
    前記分散液を60℃に加熱して、25℃に冷却する熱処理工程と、
    該熱処理工程後の前記分散液に、保湿剤、キレート剤、及びpH調整剤を混合して、濾過処理する仕上げ工程と、を有する、インクジェットインク組成物の製造方法。
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