JP2015192992A - ノズル及び塗液の排出方法 - Google Patents

ノズル及び塗液の排出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015192992A
JP2015192992A JP2015024185A JP2015024185A JP2015192992A JP 2015192992 A JP2015192992 A JP 2015192992A JP 2015024185 A JP2015024185 A JP 2015024185A JP 2015024185 A JP2015024185 A JP 2015024185A JP 2015192992 A JP2015192992 A JP 2015192992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating liquid
manifold
nozzle
flow path
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015024185A
Other languages
English (en)
Inventor
西野 聡
Satoshi Nishino
聡 西野
善章 冨永
Yoshiaki Tominaga
善章 冨永
阿部 哲也
Tetsuya Abe
哲也 阿部
和幸 獅野
Kazuyuki Shishino
和幸 獅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toray Industries Inc
Toray Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc, Toray Engineering Co Ltd filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2015024185A priority Critical patent/JP2015192992A/ja
Publication of JP2015192992A publication Critical patent/JP2015192992A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】供給される塗液に突発的に異物が含まれていても、異物起因のストライプ状の塗膜の欠損と塗膜厚さの変動を起こさず、かつ均一で同じ厚さの良品製造を高い生産性を維持したまま継続できるストライプ状塗膜形成用のノズルを提供する。
【解決手段】塗液が供給される供給口16と、供給された塗液を拡幅する第1マニホールド21及び第2マニホールド22と、これら第1マニホールド21、22を連通する連絡流路13と、最下流に位置する第2マニホールド22内の塗液を分配して塗液を外部に吐出するための複数の吐出流路11とを備えている。連絡流路13における前記塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第1仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値が、吐出流路11における前記塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第2仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値以下となるように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばカラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、有機EL、プラズマディスプレイ等のディスプレイ用部材を製造する分野に加えて、光学フィルター、プリント基板、集積回路、半導体等の製造分野にも使用されるものであり、詳しくは、ガラス基板等の被塗布部材の表面に塗膜を形成するために、塗液を吐出するノズルに関する。また、このノズルにおける塗液の排出方法に関する。
例えば、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、有機EL等の製造には、ガラス基板等の被塗布部材上に等ピッチに配置された隔壁(バンク)間に塗液を充填して、直線ストライプ状の塗膜を形成する工程が含まれる。
このようなストライプ状の塗膜を被塗布部材上に形成するための手段として、複数(多数)の吐出流路がストライプ状の塗膜の配置ピッチにあわせて長手方向に配置されているノズルがある(例えば、特許文献1)。このノズルの各吐出流路から塗液を吐出しながら、被塗布部材を一方向に移動させると、被塗布部材上にストライプ状の塗膜を形成することができる。
特開2007−187948号公報
図15(A)は、従来のノズル90の断面図であり、図15(B)は、このノズル90により塗液95が塗布された被塗布部材96の説明図である。前記のとおり、全ての吐出流路91から塗液95が吐出されれば、所望のストライプ状の塗膜97を被塗布部材96上に形成することができる。しかし、ノズル90に供給される塗液95に、塗液の固化物や塵等の異物Gが突発的にわずかに含まれることがあり、その際、この異物Gが、図15(A)に示すように、1本の吐出流路91を塞いでしまうと、その吐出流路91からは塗液95が吐出されなくなる。また、続けてノズル90に供給される塗液95は、異物Gで塞がれていない5本の吐出流路91を流れることになるので吐出流量が増え、ストライプ状の塗膜97の厚さも大きくなる。よって、この場合の被塗布部材96は、図15(B)に示すように、1つのストライプ状の塗膜97が欠損し、残りのストライプ状の塗膜97の厚さも本来とは異なるという、2重の意味での不良品となってしまう。実際のノズル90には、多数の吐出流路91が設けられているが、塗液に突発的に含まれる異物によりたった一つの吐出流路91でこのような塗液95の吐出不能が起こっても、ストライプ状の塗膜の欠損と塗膜厚さの変動が発生して、被塗布部材96は不良品となってしまう。
したがって、塗液に突発的に含まれる異物に対応する手段をもたず、不良品を発生させ続けてしまうと、歩留まり及び生産数量の低下と製品ロスの拡大の他に、不良品を発生するノズルを正常ノズルに交換して製品生産を再開するまでの稼働時間ロスも発生し、生産性とコストに莫大な損失をもたらす。
通常は、このような不良品の発生を防止するために、ノズルに供給される塗液に問題となる異物が含まれないよう、ノズルの上流側にフィルターを設ける。しかしフィルターからノズルまでの流路中に残存する異物、塗液の含有成分のフィルター通過後の凝集物、形を変えてフィルターを通過するゲル状物、フィルター下流側に付着する異物等が、上記の塗液に突発的に含まれる異物になってしまい、不良品の発生率を多少は低下できても、皆無にすることはできない。またフィルターを使用すると、ポンプ等のノズルへの塗液供給装置に対する圧力損失が大きくなって、塗液供給装置の応答性低下を招く。それによって応答性を必要としない低速度での塗膜形成しか行えず、塗液に突発的に含まれるわずかな異物のために、生産性を高められないという問題もある。
すなわち、ストライプ状の塗膜を形成するノズルに対して、供給される塗液に突発的にわずかに含まれる異物に対応して、それに起因するストライプ状の塗膜の欠損と塗膜厚さの変動を防いで、不良品の発生を皆無にするとともに、高い生産性を維持することが可能な有効な手段はないのが実状である。
そこで、本発明の目的は、供給される塗液に突発的に異物が含まれていても、異物起因のストライプ状の塗膜の欠損と塗膜厚さの変動を起こさず、かつ均一で同じ厚さの良品製造を高い生産性を維持したまま継続できるストライプ状塗膜形成用のノズルを提供することにある。また、このノズルにおける塗液の排出方法を提供する。
本発明のノズルは、塗液が供給される供給口と、供給された塗液を拡幅する複数のマニホールドと、塗液の上下流方向で隣り合う前記マニホールドを連通する連絡流路と、最下流に位置する前記マニホールド内の塗液を分配して塗液を外部に吐出するための複数の吐出流路と、を備え、前記連絡流路における前記塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第1仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値が、前記吐出流路における前記塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第2仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値以下となるように構成されている。
本発明によれば、前記連絡流路における前記横断長さの最小値が、前記吐出流路における前記横断長さの最小値以下となることから、吐出流路を通過不能であって当該吐出流路を塞ぐような大きさの異物は、連絡流路も通過不能となって連絡流路の上流側で捕捉される。このため、前記異物を、最下流に位置するマニホールドへ流れないようにすることができ、この最下流に位置するマニホールドに繋がっている吐出流路を異物が塞いでストライプ状塗膜の欠損が起こるのを防ぐことが可能となる。また、塗液に突発的にわずかに含まれる異物で連絡流路の一部が通過不能となっても、それ以外の連絡流路の部分を通過した塗液が最下流に位置するマニホールドで長手方向に均一に分配されるので、塗液が各吐出流路から均等に、本来の吐出流量で吐出されて、均一で同じ厚さのストライプ状の塗膜を継続して形成することができる。
しかも、塗液が上記の通過可能な連絡流路を通過する時の通過流量の増加もわずかなために圧力損失の増加もわずかであり、それによって塗液供給装置の応答性が損なわれず、高速での塗膜形成が可能となる。
なお、連絡流路を通過可能である大きさの異物は、吐出流路を通過可能となるため、連絡流路の上流側で捕捉されなくてもよい。
また、ノズルがマニホールドを三つ以上有しており、連絡流路が二段以上設けられる場合、少なくとも一段の連絡流路における前記横断長さの最小値が、吐出流路における前記横断長さの最小値以下となるように構成されていればよい。
また、前記ノズルは、前記ノズル長手方向に沿った対向面を各々備えている第1ブロックと第2ブロックとを有し、前記第1ブロックの前記対向面及び前記第2ブロックの前記対向面の一方又は双方に、前記マニホールド、前記連絡流路及び前記吐出流路を形成するための凹部が設けられているのが好ましい。
この場合、前記対向面に連絡流路等を形成するための凹部を形成することで、連絡流路の上流側で異物を捕捉するための構成を容易に得ることが可能となる。
または、前記ノズルは、前記ノズル長手方向に沿った対向面を各々備えている第1ブロックと第2ブロックと、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に介在するシムと、有し、前記第1ブロックの前記対向面及び前記第2ブロックの前記対向面の一方又は双方に、前記マニホールドを形成するための凹部が設けられ、前記シムに前記連絡流路又は前記吐出流路を形成するためのスリットが設けられているのが好ましい。
この場合、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に前記シムを介在させることで、連絡流路の上流側で異物を捕捉するための構成を容易に得ることが可能となる。そして、例えば異物の大きさに応じて、異なる寸法のスリットを有するシムを交換することで、連絡流路や吐出流路の断面形状が変更可能となる。
また、前記ノズルには、さらに前記最下流に位置するマニホールドから外部に通じて、塗液の流出を行うための流出流路が設けられているのが好ましい。
この場合、何らかの理由で、塗液が供給される前に最下流に位置するマニホールドに初期異物が存在しても、追加して設けられた流出流路を通じて排出することが可能になる。
また、本発明の塗液の排出方法は、前記ノズルの前記最下流に位置するマニホールドから、前記流出流路を通じて塗液を排出する塗液の排出方法であって、前記最下流に位置するマニホールドへの塗液の供給を行いながら、前記流出流路を通じて塗液を排出するものである。
ここで、前記最下流に位置するマニホールドへの塗液の供給は、(1)前記供給口から塗液を供給して行う手段、(2)前記吐出流路を通じて塗液を供給して行う手段、(3)外部から最下流に位置するマニホールドに通じる流入流路を通じて塗液を供給して行う手段、のいずれも好ましい。そのいずれの場合であっても、最下流に位置するマニホールドに塗液が供給されるので、何らかの理由で最下流に位置するマニホールドに初期異物が残存していても、この初期異物を供給される塗液と共に、流出流路を通じて外部に確実に排出することが可能となる。
本発明によれば、吐出流路を塞ぐ原因となるような異物が、供給される塗液に突発的にわずかに含まれていても、異物が、吐出流路よりも横断長さの最小値が小さい連絡流路の一部で捕捉される。これによって、異物が最下流に位置するマニホールドへ流れないようにすることができ、この最下流に位置するマニホールドに繋がっている吐出流路を異物が塞いでストライプ状塗膜の欠損を起こすのを防ぐことが可能となる。
さらに、供給される塗液に突発的に含まれる異物で連絡流路の一部が通過不能となっても、それ以外の連絡流路の部分を通過した塗液が、最下流に位置するマニホールドで長手方向に均一に分配されるので、塗液が各吐出流路から均等に同じ吐出流量で吐出されて、均一で同じ厚さのストライプ状の塗膜を、変わりなく形成することが可能となる。
しかも、塗液が上記の通過可能な連絡流路を通過する時の通過流量の増加もわずかなために圧力損失の増加もごくわずかであり、それによって塗液供給装置の応答性が損なわれず、高速での塗膜形成が可能となり、高い生産性を維持できる。
その結果、吐出流路を塞ぐ原因となるような異物が、供給される塗液に突発的に含まれることがあっても、ストライプ状の塗膜の欠損と塗膜厚さの変動を起こさず、かつ均一で同じ厚さの良品となるストライプ状塗膜を継続して、高い生産性を維持して形成することが可能となる。
さらに、最下流に位置するマニホールドから外部に通じて、塗液の流出を行うための流出流路が設けられたノズルを用いれば、最下流に位置するマニホールドに、何らかの理由で塗液が供給される前に初期異物が存在あるいは残存する場合でも、この最下流に位置するマニホールドに塗液を供給しながら、流出流路を通じて外部にその塗液を排出することにより、塗液と共に初期異物も外部に排出することが可能となる。これにより、いかなる場合であっても、最下流に位置するマニホールドに繋がっている吐出流路を異物が塞いでストライプ状塗膜の欠損を起こすのを、防ぐことが可能となる。この結果、どのような状況下であっても、良品となるストライプ状塗膜を継続して高い生産性を維持しながら形成することが可能となる。
本発明のノズルを備えている塗布装置を示す概略構成図である。 ノズルをX方向から見た場合の断面図である。 ノズルをY方向から見た場合の断面図である。 (A)は、図2に示すノズルが有する一つ連絡流路を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図であり、(B)は、当該ノズルが有する一つの吐出流路を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図である。 (A)は、他の形態のノズルが有する一つ連絡流路を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図であり、(B)は、当該ノズルが有する一つの吐出流路を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図である。 他の形態のノズルをX方向から見た場合の断面図である。 (A)は、図6に示すノズルが有する連絡流路を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図であり、(B)は、当該ノズルが有する一つの吐出流路を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図である。 図2に示すノズルを分解した状態を示す斜視図である。 図6に示すノズルを分解した状態を示す斜視図である。 図2に示すノズルがシムを有して構成される場合の分解斜視図である。 図10に示すノズルの変形例を示す分解斜視図である。 図6に示すノズルがシムを有して構成される場合の分解斜視図である。 他の形態のノズルをX方向から見た場合の断面図である。 他の形態のノズルをX方向から見た場合の断面図である。 (A)は、従来のノズルの断面図であり、(B)は被塗布部材の説明図である。 他の形態のノズルをX方向から見た場合の断面図である。 他の形態のノズルにおける塗液の供給と排出の状況を示すX方向から見た場合の断面図である。 他の形態のノズルをX方向から見た場合の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔塗布装置の構成について〕
図1は、本発明のノズル3を備えている塗布装置1を示す概略構成図である。この塗布装置1は、ガラス等の基板(被塗布部材)Wを載せるステージ2と、このステージ2上の基板Wに対して塗液を吐出するノズル3と、塗液を溜めるタンク9と、このタンク9の塗液をノズル3に送るポンプ8と、ステージ2上の基板Wとノズル3との内の一方を他方に対して移動させる駆動装置4とを備えている。本実施形態の駆動装置4は、固定状態にあるノズル3に対してステージ2を水平方向に移動させるアクチュエータを備えている。更に、駆動装置4は、ノズル3を垂直方向に移動させるアクチュエータも有している。また、塗布装置1は、各部の動作を制御する制御装置5を備えている。
ポンプ8とノズル3とは、塗液の流路を構成する配管17によって繋がっている。なお、本実施形態では、基板Wとノズル3との相対的な水平移動方向をX方向、このX方向に直交する水平方向であってノズル3の長手方向をY方向と定義する。Z方向は、X方向及びY方向に直交する垂直方向(高さ方向)となる。そして、ノズル3はY方向に長く構成されており、ノズル3の長手方向(以下、ノズル長手方向ともいう。)がY方向となる。また、このY方向に基板Wの幅方向が一致するようにして、基板Wはステージ2上に載せられる。
ノズル3は、後にも説明するが、複数(多数)の吐出流路11を有しており、各吐出流路11から塗液が吐出される。
以上の構成を有する塗布装置1によれば、タンク9内の塗液をポンプ8によりノズル3へ供給することで、ノズル3の吐出流路11の下端(先端)である吐出口12から塗液を吐出させる吐出動作を行うことができる。そして、吐出口12と基板Wとの間に平行な間隙を形成した状態で、前記吐出動作に合わせて駆動装置4により基板WをX方向に移動させることで、基板W上に塗液によるストライプ状の塗膜Mを形成することができる。
〔ノズル3について(その1)〕
図2は、ノズル3をX方向から見た場合の断面図である。図3は、ノズル3をY方向から見た場合の断面図である。このノズル3は、金属製やセラミック製等のブロックからなり、塗液が供給される供給口16、第1マニホールド21、第2マニホールド22、連絡流路13及び吐出流路11を備えている。
供給口16は、ノズル3のY方向中央位置に設けられており、図1に示す配管17が接続されている。供給口16は、上流側の第1マニホールド21において開口している。
第1マニホールド21は、Y方向に長い空間部からなり、供給口16から供給された塗液をY方向両側及びX方向に拡幅する。つまり、供給口16から第1マニホールド21に供給された塗液は、この第1マニホールド21内で広がる。
連絡流路13は、塗液の上下流方向で隣り合うマニホールドを連通する流路であり、本実施形態では、第1マニホールド21と第2マニホールド22とを繋ぐ流路である。図2に示す連絡流路13は、細い流路により構成されている。
第2マニホールド22も、Y方向に長い空間部からなり、連絡流路13から供給された塗液をY方向及びX方向に拡幅する。つまり、連絡流路13から第2マニホールド22に供給された塗液は、この第2マニホールド22内で広がる。
なお、本実施形態では、第1マニホールド21と第2マニホールド22とは同じ形状であるが、異なっていてもよい。
吐出流路11は、ノズル3の下端において、Y方向に並んで複数(図2では5個)設けられている。これら吐出流路11は、最下流に位置する第2マニホールド22で長手方向に均等に分配された塗液を外部に吐出するための流路である。ノズル3の下端には、被塗布部材7側へ突出している複数の突出部15が設けられている。突出部15は吐出流路11と同数設けられており、一つの突出部15内に一つの吐出流路11が設けられている。そして、吐出流路11の下端(先端)が、吐出口12となっている。
なお、図2に示す実施形態では、説明を容易とするために吐出流路11が5個設けられている場合を説明しているが、実際のノズル3には、多数(例えば2000個)の吐出流路11が形成されている。
図4(A)は、図2に示すノズル3が有する一つの連絡流路13を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図であり、図4(B)は、当該ノズル3が有する一つの吐出流路11を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図である。本実施形態では、複数の連絡流路13はすべて同じ断面形状とされており、また、複数の吐出流路11はすべて同じ断面形状とされている。
ここで、本発明において、連絡流路13の前記断面(流れ方向に直交する断面)を、あらゆる方向から一対の仮想平行線により挟み、この一対の仮想平行線の間隔が最小となる場合の当該間隔を、この連絡流路13の前記断面における横断長さの最小値という。そこで、図4(A)に示す連絡流路13の場合、この連絡流路13の断面をX方向から一対の仮想平行線L1−1、L1−2により挟んだ場合のX方向の間隔が、連絡流路13の前記断面における横断長さの最小値Dx1となる。
また、吐出流路11の前記断面(流れ方向に直交する断面)を、あらゆる方向から一対の仮想平行線により挟み、この一対の仮想平行線の間隔が最小となる場合の当該間隔を、この吐出流路11の前記断面における横断長さの最小値という。そこで、図4(B)に示す吐出流路11の場合、この吐出流路11の断面をX方向から一対の仮想平行線L2−1、L2−2により挟んだ場合のX方向の間隔が、吐出流路11の前記断面における横断長さの最小値Dx2となる。
そして、連絡流路13における前記横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における前記横断長さの最小値Dx2以下(Dx1≦Dx2)となるように構成されている。なお、本実施形態では、連絡流路13における前記横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における前記横断長さの最小値Dx2よりも小さくなっている(Dx1<Dx2)。
この図4に示す実施形態では、連絡流路13に関する一対の仮想平行線L1−1、L1−2と、吐出流路11に関する一対の仮想平行線L2−1、L2−2とが、共にY方向に沿った直線(平行線)である場合について説明したが、連絡流路13に関する一対の仮想平行線L1−1、L1−2と、吐出流路11に関する一対の仮想平行線L2−1、L2−2とは、異なる方向(ねじれの関係を有する方向)であってもよい。
例えば、図5(A)は、他の形態のノズル3が有する一つの連絡流路13を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図であり、図5(B)は、当該ノズル3が有する一つの吐出流路11を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図である。
図5(A)に示す連絡流路13の前記断面を、X方向及びY方向に対して共に傾斜する方向から、一対の仮想平行線L1−1、L1−2により挟んだ場合の間隔が、この連絡流路13における横断長さの最小値Dx1となる。
また、図5(B)に示す吐出流路11の前記断面をY方向から一対の仮想平行線L2−1、L2−2により挟んだ場合のY方向の間隔が、この吐出流路11における横断長さの最小値Dx2となる。
そして、連絡流路13における前記横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における前記横断長さの最小値Dx2以下(Dx1≦Dx2)となるように構成されている。
このように、図4及び図5に示す実施形態それぞれにおいて、連絡流路13における横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における横断長さの最小値Dx2以下となるように構成されていることから、吐出流路11を通過不能でありこの吐出流路11を塞ぐような大きさの異物Gは、図2に示すように、連絡流路13も通過不能であり連絡流路13の上流側で捕捉される。このため、前記異物Gは、最下流に位置する第2マニホールド22へ流れないようにすることができ、この第2マニホールド22に繋がっている吐出流路11を異物Gが塞いでしまうのを防ぐことが可能となる。なお、連絡流路13を通過可能である大きさの異物gは、吐出流路11を通過可能となるため、連絡流路13の上流側で捕捉されなくてもよい。
なお、図5に示すように、連絡流路13及び吐出流路11の断面形状は、矩形以外であってもよく、楕円や台形等であってもよい。
〔ノズル3について(その2)〕
図6は、他の形態のノズル3をX方向から見た場合の断面図である。図6に示すノズル3と、図2に示すノズル3とを比較すると、連絡流路13が異なるが、その他は同じである。図6に示すノズル3の連絡流路13は、第1マニホールド21と第2マニホールド22とを繋ぐ流路が、一つの帯状の流路(スリット)により構成されている。なお、図6に示すノズル3をY方向から見た断面は、図3に示す断面と同じである。
図7(A)は、図6に示すノズル3が有する帯状の連絡流路13を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図であり、図7(B)は、当該ノズル3が有する一つの吐出流路11を、塗液の流れ方向から見た場合の断面の説明図である。本実施形態では、複数の吐出流路11はすべて同じ断面形状とされている。
ここで、本発明において、連絡流路13の前記断面(流れ方向に直交する断面)を、あらゆる方向から一対の仮想平行線により挟み、この一対の仮想平行線の間隔が最小となる場合の当該間隔を、この連絡流路13の前記断面における横断長さの最小値という。そこで、図7(A)に示す連絡流路13の場合、この連絡流路13の断面をX方向から一対の仮想平行線L1−1、L1−2により挟んだ場合のX方向の間隔が、連絡流路13の前記断面における横断長さの最小値Dx1となる。
また、吐出流路11の前記断面(流れ方向に直交する断面)を、あらゆる方向から一対の仮想平行線により挟み、この一対の仮想平行線の間隔が最小となる場合の当該間隔を、この吐出流路11の前記断面における横断長さの最小値という。そこで、図7(B)に示す吐出流路11の場合、この吐出流路11の断面をX方向から一対の仮想平行線L2−1、L2−2により挟んだ場合のX方向の間隔が、吐出流路11の前記断面における横断長さの最小値Dx2となる。
そして、連絡流路13における前記横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における前記横断長さの最小値Dx2以下(Dx1≦Dx2)となるように構成されている。なお、本実施形態では、連絡流路13における前記横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における前記横断長さの最小値Dx2よりも小さくなっている(Dx1<Dx2)。
このように、連絡流路13における前記横断長さの最小値Dx1が、吐出流路11における前記横断長さの最小値Dx2以下となるように構成されていることから、吐出流路11を通過不能でありこの吐出流路11を塞ぐような大きさの異物Gは、図6に示すように、連絡流路13も通過不能となって連絡流路13の上流側で捕捉される。このため、前記異物Gは、最下流に位置する第2マニホールド22へ流れないようにすることができ、この第2マニホールド22に繋がっている吐出流路11を異物Gが塞いでしまうのを防ぐことが可能となる。なお、連絡流路13を通過可能である大きさの異物gは、吐出流路11を通過可能となるため、連絡流路13の上流側で捕捉されなくてもよい。
また、図6に示す実施形態の場合、連絡流路13のY方向長さ寸法B3は、第1マニホールド21のY方向長さ寸法B1、及び、第2マニホールド22のY方向長さ寸法B2よりも小さく設定されており、第1マニホールド21と第2マニホールド22との間のY方向の両側部では、これら第1マニホールド21と第2マニホールド22とが連絡流路13により繋がっておらず、壁部23、24が設けられている。
また、図6に示す実施形態では、連絡流路13は一つの帯状の流路から構成されているが、これ以外として、図示しないが、連絡流路13は、複数の帯状の流路(スリット)から構成されていてもよい。
〔ノズル3の構成について〕
図8は、図2に示すノズル3を分解した状態を示す斜視図である。このノズル3は、第1ブロック31と第2ブロック32とを有しており、これら第1ブロック31と第2ブロック32とは、分割可能であり、Y方向及びZ方向に沿った対向面31a、32aを有している。つまり、これら対向面31a、32aが接触するようにして第1ブロック31と第2ブロック32とを組み合わせることでノズル3は構成される。
そして、本実施形態では、第1ブロック31の対向面31aに、第1マニホールド21を形成するための凹部21a、第2マニホールド22を形成するための凹部22a、連絡流路13を形成するための凹部13a、及び、吐出流路11を形成するための凹部11aが設けられている。凹部13a及び凹部11aはZ方向に細長い溝からなる。
これに対して、第2ブロック32の対向面32aは、平坦面となっており、この対向面32aと対向面31aとを合わせることで、前記各凹部と前記平坦面とによって囲まれた領域により、第1マニホールド21、第2マニホールド22、連絡流路13及び吐出流路11が形成される。
図9は、図6に示すノズル3を分解した状態を示す斜視図である。このノズル3は、第1ブロック31と第2ブロック32とを有しており、これら第1ブロック31と第2ブロック32とは、分割可能であり、Y方向及びZ方向に沿った対向面31a、32aを有している。つまり、これら対向面31a、32aが接触するようにして第1ブロック31と第2ブロック32とを組み合わせることでノズル3は構成される。
そして、本実施形態では、第1ブロック31の対向面31aに、第1マニホールド21を形成するための凹部21a、第2マニホールド22を形成するための凹部22a、連絡流路13を形成するための凹部13a、及び、吐出流路11を形成するための凹部11aが設けられている。凹部13aは、Y方向に広い溝からなり、凹部11aはY方向に狭くZ方向に細長い溝からなる。
これに対して、第2ブロック32の対向面32aは、平坦面となっており、この対向面32aと対向面31aとを合わせることで、前記各凹部と前記平坦面とによって囲まれた領域により、第1マニホールド21、第2マニホールド22、連絡流路13及び吐出流路11が形成される。
図8及び図9に示す形態のように、ノズル3は、Y方向及びZ方向に沿った対向面31a、32aを有する第1ブロック31と第2ブロック32とを有し、第1ブロック31の対向面31aに、マニホールド21、22、連絡流路13及び吐出流路11を形成するための凹部21a、22a、13a、11aが設けられていることで、これらブロック31、32を組み合わせることにより、図2に示すように、連絡流路13の上流側である第1マニホールド21で異物Gを捕捉するための構成を容易に得ることが可能となる。
なお、図8及び図9に示す形態において、凹部21a、22a、13a、11aのうちの一部が第1ブロック31の対向面31aに形成され、残りが第2ブロック32の対向面32aに形成されていてもよい。つまり、第1ブロック31と第2ブロック32との内の一方又は双方の対向面(31a、32a)に、第1マニホールド21等を形成するための凹部21a等が設けられていてもよい。
図8と図9に示す各形態のように、ノズル3を第1ブロック31と第2ブロック32とを組み合わせて構成する以外に、これらブロック31、32の間に板状部材であるシム33を介在させてもよい(図10、図11、図12参照)。
図10は、図2に示すノズル3がシム33を有して構成される場合の分解斜視図である。このノズル3は、Y方向及びZ方向に沿った対向面31a、32aを有する第1ブロック31と第2ブロック32の他に、これら第1ブロック31と第2ブロック32との間に介在するシム33を有している。そして、第1ブロック31の対向面31aに、第1マニホールド21を形成するための凹部21a及び第2マニホールド22を形成するための凹部22aが設けられており、シム33に連絡流路13を形成するためのスリット13b及び吐出流路11を形成するためのスリット11bが設けられている。
このように、シム33には複数(本実施形態では5本)のスリット14が形成されており、各スリット14の一部が、連絡流路13用のスリット13bとなり、このスリット14の他部が、吐出流路11用のスリット11bとなっている。
第1ブロック31の対向面31aは、凹部21a、22aを除いて平坦面からなり、図8に示す第1ブロック31よりも構成を簡略化できる。
図11は、図10に示すノズル3の変形例を示す分解斜視図である。図11に示すノズル3では、第1ブロック31の対向面31aに、第1マニホールド21を形成するための凹部21a、第2マニホールド22を形成するための凹部22a、及び、連絡流路13を形成するための凹部13aが設けられている。そして、シム33には、吐出流路11を形成するためのスリット11bが設けられている。なお、図示しないが、シム33に連絡流路13を形成するためにスリットが設けられており、第1ブロック31の対向面31aに吐出流路11を形成するための凹部が形成されていてもよい。
図12は、図6に示すノズル3がシム33を有して構成される場合の分解斜視図である。このノズル3は、第1ブロック31と第2ブロック32の他に、これら第1ブロック31と第2ブロック32との間に介在するシム33を有している。そして、第1ブロック31の対向面31aに、第1マニホールド21を形成するための凹部21a、第2マニホールド22を形成するための凹部22a、及び、連絡流路13を形成するための凹部13aが設けられており、シム33に吐出流路11を形成するためのスリット11bが設けられている。なお、図示しないが、シム33に連絡流路13を形成するための孔が設けられており、第1ブロック31の対向面31aに吐出流路11を形成するための凹部が形成されていてもよい。
図10、図11、図12に示す各形態によれば、第1ブロック31と第2ブロック32との間にシム33を介在させることで、図2及び図6に示すように、連絡流路13の上流側である第1マニホールド21で異物Gを捕捉するための構成を容易に得ることが可能となる。
更に、異物Gの大きさに応じて、異なる厚さのシム33に交換することで、連絡流路13や吐出流路11の断面形状(X方向寸法)が変更可能となる。また、異物Gの大きさに応じて、異なる寸法(Y方向寸法)のスリット14を有するシム33に交換することで、連絡流路13や吐出流路11の断面形状(Y方向寸法)を変更することが可能となる。
例えば、図10において、シム33の厚さ方向がX方向となることから、シム33の厚さtが、連絡流路13用のスリット13bのスリット幅(Y方向の寸法)y1以下である場合(t≦y1)、連絡流路13の断面におけるX方向の横断長さが、当該断面の最小値となり、吐出流路11の断面におけるX方向の横断長さが、当該断面の最小値となり、これら最小値同士は、シム33の厚さtと等しくなる。したがって、異物Gの大きさに応じて、異なる厚さt寸法を有するシム33に交換することで、連絡流路13及び吐出流路11それぞれにおける横断長さの最小値を変更することが可能となる。
また、シム33が厚く、連絡流路13用のスリット13bのスリット幅(Y方向の寸法)y1、及び、吐出流路11用のスリット11bのスリット幅(Y方向の寸法)y2が、それぞれの断面における横断長さの最小値となる場合、異物Gの大きさに応じて、これらスリット幅y1、y2が異なるシム33に交換することで、連絡流路13及び吐出流路11それぞれにおける横断長さの最小値を変更することが可能となる。
また、前記各形態において、連絡流路13における塗液の流れ方向に直交する断面の総面積A1は、吐出流路11における塗液の流れ方向に直交する断面の総面積A2よりも大きくなるように構成されている(A1>A2)。なお、図2に示す形態の場合、前記A1>A2の関係を得るために、例えば、連絡流路13の数を、吐出流路11の数よりも多くなるようにすればよい。
これにより、連絡流路13の圧力損失を吐出流路11の圧力損失よりも小さくすることができる。なお、このような関係を有するように圧力損失を設定するためには、前記のとおりA1>A2とする他に、連絡流路13における塗液の流れ方向長さ(流路長)を、吐出流路11における塗液の流れ方向長さ(流路長)よりも短くすればよい。
また、前記各形態では、連絡流路13は、塗液の流れ方向に沿って断面形状が変化しない直線状の流路となっているが、塗液の流れ方向の上流側から下流側に向かって断面(断面積)が小さくなる流路や、これとは反対に塗液の流れ方向の上流側から下流側に向かって断面(断面積)が大きくなる流路であってもよい。
以上、各形態のノズル3によれば、吐出流路11を塞ぐ原因となるような異物Gが、供給される塗液に突発的にわずかに含まれていても、横断長さの最小値Dx2を有する吐出流路11よりも小さな横断長さの最小値Dx1を有する連絡流路13のいずれかで異物Gが捕捉されるので、最下流に位置する第2マニホールド22へ異物Gが流れないようにすることができ、最下流に位置する第2マニホールド22に繋がっている吐出流路11を異物Gが塞いで、ストライプ状塗膜の欠損を起こすのを防ぐことが可能となる。
さらに上記の異物Gで連絡流路13のいずれかで塗液が通過不能となっても、残りの通過可能な連絡流路13や連絡流路13の一部分を通過した塗液が、最下流に位置する第2マニホールドで長手方向(Y方向)に均一に分配されるので、塗液がすべての吐出流路11から均一に同じ吐出流量で吐出されて、均一で同じ厚さのストライプ状の塗膜を継続して形成することが可能となる。
しかも、塗液が上記の通過可能な連絡流路13を通過する時の流量の増加はわずかであり、それに伴い圧力損失の増加もわずかとなるので、塗液供給装置である図1のポンプ8の応答性が損なわれず、高速でのストライプ状の塗膜形成が可能となり、高い生産性を維持できる。
図2に示す実施形態では、連絡流路13が直線的な流路により構成されている場合について説明したが、連絡流路13は直線形状以外に、湾曲した形状であってもよい。例えば図13に示すようにクランク形状であってもよく、また、このクランク形状の場合、図13に示すように、折れ曲がった曲がり部19が含まれる以外に、図示しないが、円弧状の曲がり部が含まれていてもよい。このように連絡流路13が湾曲した形状である場合、細長い異物の捕捉性能を高めることが可能となる。
〔ノズル3について(その3)〕
図16は、より好ましい他の形態のノズル3をX方向から見た場合の断面図である。図16に示すノズル3は、最下流に位置する第2マニホールド22から外部に通じて、塗液の流出を行うための流出流路40が追加して設けられている他は、図2に示すノズル3と全く同じである。追加して設けられた流出流路40については、流出流路40における横断長さの最小値Dx3が、連絡流路13における横断長さの最小値Dx1と、吐出流路11における横断長さの最小値Dx2に対して、はるかに大きくなるように構成されている(Dx3>>Dx2>Dx1)。これによって、何らかの理由で最下流に位置する第2マニホールド22に初期異物G’が存在し、これが大きなサイズで連絡流路13はもちろんのこと、吐出流路11を通じても外部に排出できない場合であっても、流出流路40を通じて塗液と共にノズル3の外部に排出することが可能となる。
ここで、流出流路40における横断長さの最小値Dx3については、連絡流路13における横断長さの最小値Dx1、吐出流路11における横断長さの最小値Dx2と同様に上記したとおりに、定義される。
なお、そのような大きなサイズの初期異物G’が第2マニホールド22に存在あるいは残存する理由としては、ノズル3の組立時における混入が挙げられる。例えば、図3と図8に示されているように、ノズル3は第2マニホールド22のあるブロック31ともう一つのブロック32を、各々の対向面31a、32aを対向させて組み立てられる。この際、空気中に漂う塵や、他の部分から移動してきた異物が、第2マニホールド22に閉じ込められることがある。さらに洗浄不足で第2マニホールド22にある異物が除去されずにそのまま残存することもある。このように第2マニホールド22に初期異物G’が存在あるいは残存することは、実際にはたびたびある。この初期異物G’はそのまま放置されると、吐出流路11を塞いでしまうので、ストライプ状の塗膜の欠損を生じさせる。したがって、良品となるストライプ状塗膜を高い生産性を維持して形成するには、この初期異物G’をあらかじめ第2マニホールド22の外部に排出することが必要となる。
ノズル3の最下流に位置する第2マニホールド22から流出流路40を通じて、初期異物G’を外部に排出するための塗液の排出方法は、図16に示すノズル3の最下流に位置する第2マニホールド22から、流出流路40を通じて、塗液を排出する塗液の排出方法であって、最下流に位置する第2マニホールド22への塗液の供給を行いながら、流出流路40を通じて塗液を排出する。初期異物G’単体では移動できないために、キャリアーとなる塗液と共に排出することが必要となる。すなわち、第2マニホールド22に塗液の供給を行いながら、流出流路40を通じて塗液を排出すると、塗液と一緒に初期異物G’が移動するので、最終的に初期異物G’が外部に排出されることになる。
第2マニホールド22への塗液の供給の第1の方法は、通常のように供給口16から塗液を供給して行う方法である。このように供給された塗液は、さらに下流に位置する連絡流路13を通じて、第2マニホールド22に供給される。この塗液の供給によって、第2マニホールド22内の塗液は流出流路40と吐出流路11の両方からノズル3の外部に排出されるが、上記のように流出流路40の横断長さの最小値Dx3が、吐出流路11の横断長さの最小値Dx2よりもはるかに大きいため、供給された塗液の大半は流出流路40を通じて排出され、それと一緒に初期異物G’も流出流路40を通じて外部に排出される。なおこの時、吐出流路11の下端である吐出口12に蓋をして、第2マニホールド22に供給される塗液の全量が、流出流路40を通じて、外部に排出されるようにしても良い。
第2マニホールド22への塗液の供給の第2の方法は、図17に示すように吐出流路11を通じて塗液を供給して行う方法である。図17はノズル3で塗液の供給と排出状況を示すX方向から見た場合の断面図である。図17では、吐出流路11を通じて塗液を供給できるよう、吐出口12が浸される塗液43を貯蔵する塗液槽42をさらに設けていることが示されている。具体的には、供給口16を閉鎖した状態で、流出流路40に繋がる図示しない真空ポンプを作動させると、第2マニホールド22が減圧されるので、そこに吐出流路11を通じて塗液槽42から塗液43が供給されると共に、第2マニホールド22にある塗液が流出流路40を通じて外部に排出される。したがって、塗液と一緒に第2マニホールド22にある初期異物G’も外部に排出される。また減圧の代わりに、吐出口12から加圧した塗液を、吐出流路11を通じて第2マニホールド22に供給しても良い。
さらに、吐出流路11を通じて第2マニホールド22に塗液を供給することにより、初期異物G’が吐出流路11を塞ぐ確率をさらに低下させる相乗効果も生じる。
第2マニホールド22への塗液の供給の第3の方法は、図18に示すように、外部から、最下流に位置する第2マニホールド22に通じる流入流路41を通じて、塗液を供給して行う方法である。なお、流入流路41は、流出流路40と別に設けられたものである。
図18は、他の形態のノズル3をX方向から見た場合の断面図であり、図16に示すノズル3に対して、第2マニホールド22に通じる流入流路41が追加して設けられている。なお、流入流路41は図18に示すように、第2マニホールド22の流出流路40とはY方向の逆側端部に設けられていることが好ましい。
このように、第2マニホールド22の一端に設けられた流入流路41を通じて塗液を供給することにより、第2マニホールド22内の塗液は吐出流路11と流出流路40の両方から排出される。そして、上記したように流出流路40の横断長さの最小値Dx3は、吐出流路11の横断長さの最小値Dx2よりもはるかに大きいため、供給された塗液の大半は流出流路40を通じて排出され、それと共に初期異物G’も流出流路40を通じて外部に排出される。この時、第2マニホールド22では図18に矢印で示した方向に塗液の大半が向かう流れが生じて流速が大きくなるので、初期異物G’が第2マニホールド22のどこにあっても確実に排出することが可能となる。
さらに、吐出流路11の下端である吐出口12に蓋をして、第2マニホールド22に供給される塗液の全量が流出流路40を通じて、外部に排出されるようにしても良い。
これにより、第2マニホールド22に供給される塗液の全量が、流出流路40を通じて排出されるため、この塗液と共に初期異物G’を外部に排出することが可能となる。一方、吐出流路11からは塗液が全く排出されないため、初期異物G’が吐出流路11を塞ぐ確率を一層低下させることが可能となる。なお、吐出口12への蓋として、吐出口12をしっかりとシールできるように、柔らかなゴムやスポンジなどの部材を適用することが好ましい。
なお、前記の初期異物G’を外部に排出する動作(排出動作)は、ノズル3(吐出流路11)から吐出する塗液を基板Wへ塗布する塗布動作に対して、独立して行われる。つまり、例えば排出動作は塗布動作の前に行われて、排出動作を行う際には塗布動作は行われず、また、塗布動作を行う際には排出動作は行われない。
また、流出流路40の下流側には図外のバルブが設けられており、前記塗布動作の際には、このバルブが閉じた状態にある。そして、前記排出動作を行う際に、このバルブが開かれる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、前記各形態では、ノズル3は二つの第1マニホールド21、第2マニホールド22を有する場合について説明したが、マニホールドの数は三つ以上であってもよい。例えば、図14に示すように、三つの第1マニホールド21、第2マニホールド22、第3マニホールド25が設けられている場合、塗液の上下流方向で隣り合うマニホールド間をそれぞれ連通するように、二段の連絡流路13−1、13−2が設けられる。
さらに、この場合、最も上流側に位置する連絡流路13−1における塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第1仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値Dy0が、最も下流側に位置する第3マニホールド25に繋がっている吐出流路11における塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第2仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値Dy2以下となるように構成されてもよく、又は、最も下流側に位置する連絡流路13−2における前記横断長さの最小値Dy1が、第3マニホールド25に繋がっている吐出流路11における前記横断長さの最小値Dy2以下となるように構成されてもよい。
なお、ノズル3に複数段の連絡流路13−1、13−2が設けられている場合、最も下流側に位置する連絡流路13−2における前記横断長さの最小値Dy1を、第3マニホールド25に繋がっている吐出流路11における前記横断長さの最小値Dy2以下とし、更に、この最も下流側に位置する第3マニホールド25の容積を、これよりも上流側に位置する第1マニホールド21、第2マニホールド22の容積よりも小さくする、つまり、最も下流側に位置する第3マニホールド25の容積を最小とするのが好ましい。
これにより、最も下流側に位置する第3マニホールド25内部での塗液の滞留時間が短くなり、塗液の含有成分が凝集して問題となる大きさの凝集物(異物)に成長する時間的余裕を与えなくなるので、吐出流路11における凝集物の詰まり防止をより一層効果的に行うことが可能になる。
また連絡流路13については、図6に示す流路のY方向長さ寸法B3を大きくして1本の流路にしてもよいし、Y方向長さ寸法B3が小さい多数本の流路にしてもよい。ただし、Y方向長さ寸法B3が異物の長さ寸法よりも大きいと、塗液は連絡流路13の入口にある異物により一旦分離されてから連絡流路13に入り込み、異物の下流側で合流するので、粘度の高い塗液では合流した痕跡がストライプ状の塗膜の表面に表れることがある。そのような不都合をなくし、幅広い特性の塗液に本発明のノズル3を適用できるように、連絡流路13は流路のY方向長さ寸法B3を小さくして複数設けることがより好ましい。
さらに連絡流路13のY方向長さ寸法B3が小さい場合、より多数の連絡流路13を設ける方がより好ましい。これは、異物がいくつかの連絡流路の塗液の流れを阻止する時に、他の連絡流路での流量の増大がごくわずかになって、圧力損失増もごくわずかになるので、塗液供給装置であるポンプ8の応答性を高いまま維持することができ、高速度でのストライプ状の塗膜形成が可能となるためである。
また流出流路40(流入流路41)については、流出流路40(流入流路41)における横断長さの最小値Dx3が、連絡流路13における横断長さの最小値Dx1と、吐出流路11における横断長さの最小値Dx2に対して、はるかに大きくなるように構成されていればよく、流出流路40(流入流路41)の断面形状は特に限定されない。例えば、矩形や円形、台形であってもよい。
さらにまた前記実施態様では、流出流路40(流入流路41)が第2マニホールド22の一端に1つだけ設けられている例を示したが、流出流路40(流入流路41)は第2マニホールド22に複数設けられていてもよい。流出流路40(流入流路41)が設けられる位置も第2マニホールド22の端部に限定されず、例えば、第2マニホールド22の中央部に設けられていてもよい。
1:塗布装置 2:ステージ 3:ノズル
4:駆動装置 5:制御装置 7:被塗布部材
8:ポンプ 9:タンク 11:吐出流路
11a:凹部 11b:スリット 12:吐出口
13、13−1、13−2:連絡流路 13a:凹部
13b:スリット 14:スリット 15:突出部
16:供給口 17:配管 19:曲がり部
21:第1マニホールド 21a:凹部 22:第2マニホールド
22a:凹部 23、24:壁部 25:第3マニホールド
31:第1ブロック 31a:対向面 32:第2ブロック
32a:対向面 33:シム 40:流出流路
41:流入流路 42:塗液槽 43:塗液
L1−1、L1−2:仮想平行線 L2−1、L2−2:仮想平行線
Dx1:間隔 Dx2:間隔 W:基板 M:塗膜

Claims (8)

  1. 塗液が供給される供給口と、
    供給された塗液をノズル長手方向に拡幅する複数のマニホールドと、
    塗液の上下流方向で隣り合う前記マニホールドを連通する連絡流路と、
    最下流に位置する前記マニホールド内の塗液を分配して塗液を外部に吐出するための複数の吐出流路と、
    を備え、
    前記連絡流路における前記塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第1仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値が、前記吐出流路における前記塗液の流れ方向に直交する断面を一対の第2仮想平行線で挟んだ場合の間隔である横断長さの最小値以下となるように構成されていることを特徴とするノズル。
  2. 前記ノズル長手方向に沿った対向面を各々備えている第1ブロックと第2ブロックとを有し、
    前記第1ブロックの前記対向面及び前記第2ブロックの前記対向面の一方又は双方に、前記マニホールド、前記連絡流路及び前記吐出流路を形成するための凹部が設けられている請求項1に記載のノズル。
  3. 前記ノズル長手方向に沿った対向面を各々備えている第1ブロックと第2ブロックと、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に介在するシムと、有し、
    前記第1ブロックの前記対向面及び前記第2ブロックの前記対向面の一方又は双方に、前記マニホールドを形成するための凹部が設けられ、
    前記シムに前記連絡流路又は前記吐出流路を形成するためのスリットが設けられている請求項1に記載のノズル。
  4. さらに前記最下流に位置するマニホールドから外部に通じて、塗液の流出を行うための流出流路が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のノズル。
  5. 請求項4に記載のノズルの前記最下流に位置するマニホールドから、前記流出流路を通じて塗液を排出する塗液の排出方法であって、前記最下流に位置するマニホールドへの塗液の供給を行いながら、前記流出流路を通じて塗液を排出することを特徴する塗液の排出方法。
  6. 前記最下流に位置するマニホールドへの塗液の供給は、前記供給口から塗液を供給して行う請求項5に記載の塗液の排出方法。
  7. 前記最下流に位置するマニホールドへの塗液の供給は、前記吐出流路を通じて塗液を供給して行う請求項5に記載の塗液の排出方法。
  8. 前記最下流に位置するマニホールドへの塗液の供給は、外部から最下流に位置するマニホールドに通じる流入流路を通じて塗液を供給して行う請求項5に記載の塗液の排出方法。
JP2015024185A 2014-03-20 2015-02-10 ノズル及び塗液の排出方法 Pending JP2015192992A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015024185A JP2015192992A (ja) 2014-03-20 2015-02-10 ノズル及び塗液の排出方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014058291 2014-03-20
JP2014058291 2014-03-20
JP2015024185A JP2015192992A (ja) 2014-03-20 2015-02-10 ノズル及び塗液の排出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015192992A true JP2015192992A (ja) 2015-11-05

Family

ID=54432558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015024185A Pending JP2015192992A (ja) 2014-03-20 2015-02-10 ノズル及び塗液の排出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015192992A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136512A (ja) * 2016-02-01 2017-08-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 液体吐出装置
WO2018025960A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 積水化学工業株式会社 ダイコーター、色素増感太陽電池の製造装置、及び電池の製造方法
CN114618747A (zh) * 2020-12-10 2022-06-14 显示器生产服务株式会社 流体喷射装置
CN115069487A (zh) * 2021-03-15 2022-09-20 株式会社东芝 涂敷头
KR102452819B1 (ko) * 2021-05-13 2022-10-07 한국기술교육대학교 산학협력단 회전형 슬롯 다이 헤드

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136512A (ja) * 2016-02-01 2017-08-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 液体吐出装置
WO2018025960A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 積水化学工業株式会社 ダイコーター、色素増感太陽電池の製造装置、及び電池の製造方法
CN114618747A (zh) * 2020-12-10 2022-06-14 显示器生产服务株式会社 流体喷射装置
CN115069487A (zh) * 2021-03-15 2022-09-20 株式会社东芝 涂敷头
KR102452819B1 (ko) * 2021-05-13 2022-10-07 한국기술교육대학교 산학협력단 회전형 슬롯 다이 헤드

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015192992A (ja) ノズル及び塗液の排出方法
RU2498866C2 (ru) Средство для нанесения покрытия, предназначенное для нанесения жидкой пленки на подложку
TWI533935B (zh) A film-like coating nozzle, a coating apparatus, and a coating method
TWI673110B (zh) 塗佈裝置、塗佈方法、及顯示器用構件之製造方法
JP6068271B2 (ja) 塗布器、及び塗布装置
TWI496625B (zh) 塗佈模組
JP4835003B2 (ja) スリットノズル及びスリットノズルの気泡排出方法並びに塗布装置
JP6361658B2 (ja) 塗布装置及び塗布装置の制御方法
JP2006334483A (ja) 塗布装置
JP2008178818A (ja) スリットダイ及びシム
JP2019089008A (ja) ノズルおよび塗布装置
JP2017035668A (ja) 塗工装置
JP5395592B2 (ja) 電極形成装置および電極形成方法
JP5041827B2 (ja) 塗布装置
KR20080062547A (ko) 노즐 코팅 장치 및 이를 이용한 컬러필터 기판의 제조 방법
KR101360220B1 (ko) 슬릿 노즐
KR20150045591A (ko) 기판 코터 장치용 슬릿 노즐 및 이를 구비한 기판 코터 장치
JP4573550B2 (ja) 塗工装置
JP3808728B2 (ja) 塗布装置
CN115245889B (zh) 模头
JP2013099738A (ja) カーテンコーター
JP5248847B2 (ja) マイクロパッチコーティング方法
KR102017258B1 (ko) 프린팅 장치
KR20080017767A (ko) 포토 레지스트 도포 장치
JP5486266B2 (ja) 塗布装置