JP2015191956A - 結晶成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】HVPE法によって幅の広い基板上にIII族窒化物を成長させる場合に、成長膜厚の均一性を向上させることが可能な結晶成長装置を提供する。
【解決手段】 基板を回転可能に支持する支持台を反応域に有する反応器と、III族ハロゲン化物ガス供給手段と、窒素源ガス供給手段とを有し;III族ハロゲン化物ガス供給手段は、III族ハロゲン化物ガスを支持台の側上方から支持台の上方へ向けて吹き出すように配設されており、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口と、第1の吹き出し口を取り囲んで配設されバリアガスが流出する第2の吹き出し口とを有し;第1の吹き出し口は、水平方向における最大幅aが鉛直方向における最大幅bよりも大きく且つ支持台の最大幅Dとの比a/Dが0.05以上2以下である形状を有する、結晶成長装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応容器内に配置された基板を加熱しながら、III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、III族窒化物結晶を基板上に気相成長させる結晶成長装置に関する。
窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウムといったIII族窒化物半導体結晶は広範囲のバンドギャップエネルギーの値を有しており、それらのバンドギャップエネルギーは、それぞれ6.2eV程度、3.4eV程度、0.7eV程度である。これらのIII族窒化物半導体は任意の組成の混晶半導体をつくることが可能であり、その混晶組成によって、上記のバンドギャップの間の値を取ることが可能である。
したがって、III族窒化物半導体結晶を用いることにより、原理的には赤外光から紫外光までの広範囲な発光素子を作ることが可能となる。特に、近年ではアルミニウム系III族窒化物半導体(主に窒化アルミニウムガリウム混晶)を用いた発光素子の開発が精力的に進められている。アルミニウム系III族窒化物半導体を用いることにより紫外領域の短波長発光が可能となり、白色光源用の紫外発光ダイオード、殺菌用の紫外発光ダイオード、高密度光ディスクメモリの読み書きに利用できるレーザー、通信用レーザー等の発光光源が製造可能になる。
III族窒化物半導体(例えばアルミニウム系III族窒化物半導体)を用いた発光素子は、従来の半導体発光素子と同様に基板上に厚さが数ミクロン程度の半導体単結晶の薄膜(具体的にはn型半導体層、発光層、p型半導体層となる薄膜)を順次積層することにより形成可能である。このような半導体単結晶の薄膜の形成は、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属気相エピタキシー(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法等の結晶成長方法を用いて行うことが可能であり、III族窒化物半導体発光素子についてもこのよう方法を採用して発光素子として好適な積層構造を形成することが試みられている。
現在、III族窒化物半導体発光素子の製造にあたっては、基板としての結晶品質、紫外光透過性、量産性やコストの観点からサファイア基板が一般的に採用されている。しかし、サファイア基板上にIII族窒化物を成長させた場合、サファイア基板と半導体積層膜を形成するIII族窒化物(例えば窒化アルミニウムガリウム等)との間の格子定数や熱膨張係数等の違いに起因して、結晶欠陥(ミスフィット転位)やクラック等が生じ、素子の発光性能を低下させる原因になる。
これらの問題を解決するためには、半導体積層膜の形成にあたり、格子定数が半導体積層膜の格子定数に近く、および熱膨張係数が半導体積層膜の熱膨張係数に近い基板を採用することが望ましい。III族窒化物半導体薄膜を形成する基板としては、III族窒化物単結晶基板が最も適しているといえる。例えばアルミニウム系III族窒化物半導体薄膜を形成する基板としては、窒化アルミニウム単結晶基板や窒化アルミニウムガリウム単結晶基板が最適である。したがって大面積かつ均質なIII族窒化物単結晶基板を量産できる方法の開発が望まれている。
III族窒化物単結晶を基板として用いるには、機械的強度の観点から少なくとも100μm以上の厚さが必要であるところ、上記のMBE法やMOVPE法は成膜速度が遅いという問題がある。成膜速度の速いIII族窒化物単結晶の成長方法としては、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法が知られている(特許文献1〜3参照)。HVPE法はMBE法やMOVPE法と比較すると膜厚を精密に制御することには適していない一方で、結晶性の良好な単結晶を速い成膜速度で成長させることが可能であるため、単結晶基板の量産に適しているといえる。HVPE法によるIII族窒化物単結晶の成長は、III族元素源ガスであるIII族ハロゲン化物ガス(例えばハロゲン化アルミニウムガス等)と、窒素源ガス(例えばアンモニアガス)とを反応器中に供給し、両者のガスを加熱された基板上で反応させることにより行われる。
例えば特許文献3には、HVPE法によるアルミニウム系III族窒化物の製造方法として、ハロゲン化アルミニウムガスを含むIII族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応域に保持された基板上で反応させることにより、基板上に気相成長させてアルミニウム系III族窒化物を製造する方法において、該III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとの間にバリアガスを介在させて両反応ガスを反応域に流出せしめ、次いで基板上で両反応ガスを接触させて反応させることが開示されている。
特開2003−303774号公報 特開2006−073578号公報 特開2006−114845号公報
しかしながら本発明者らがさらに検討したところ、従来公知の気相成長装置を用いて幅の広い(径の大きい)基板上にHVPE法でIII族窒化物単結晶を成長させる場合には、基板の中心部と端部との間で成長速度に大きな差が生じることが判明した。中心部と端部の間で成長速度に大きな差があると、中心部と端部の間で単結晶基板の品質に差が生じるおそれがある。また成長後の単結晶において中心部と端部の間の厚みの差が大きいと、その後の加工に悪影響を及ぼすおそれもある。
本発明は、HVPE法によって幅の広い基板上にIII族窒化物を成長させる場合に、成長膜厚の均一性を向上させることが可能な結晶成長装置を提供することを課題とする。また該結晶成長装置を用いたIII族窒化物の製造方法を提供する。
本発明の第1の態様は、
III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物を成長させる反応域を有する反応器と、
反応域に前記III族ハロゲン化物ガスを供給する、III族ハロゲン化物ガス供給手段と、
反応域に前記窒素源ガスを供給する、窒素源ガス供給手段と
を有する結晶成長装置において、
反応器は、基板を回転可能に支持する支持台を反応域に有し、
III族ハロゲン化物ガス供給手段は、III族ハロゲン化物ガスを支持台の側上方から支持台の上方へ向けて吹き出すように配設されており、
III族ハロゲン化物ガス供給手段は、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口とを有し、該第2の吹き出し口は、第1の吹き出し口を取り囲んで配設されており、
第1の吹き出し口は、Y方向における最大幅が鉛直方向における最大幅よりも大きい形状を有し、該Y方向は、水平方向であって上面視において該第1の吹き出し口の一方の最外端と他方の最外端とを結ぶ線分の中点および支持台上面の回転中心を通る直線と直交する方向であり、当該一方の最外端及び他方の最外端はそれぞれ上面視において、上記回転中心を通る直線が第1の吹き出し口の最も外側の開口部に対して外側から接する接点であり、
第1の吹き出し口のY方向における最大幅aと、支持台の最大幅Dとの比a/Dが、0.05以上2以下であることを特徴とする、結晶成長装置である。
本発明の第2の態様は、III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、加熱された基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる、III族窒化物の製造方法であって、本発明の第1の態様に係る結晶成長装置を用いてIII族窒化物単結晶を製造することを特徴とする、III族窒化物の製造方法である。
本発明の第1の態様に係る結晶成長装置によれば、HVPE法によって幅の広い基板上にIII族窒化物を成長させる場合において成長膜厚の均一性を向上させることが可能である。
本発明の第2の態様に係るIII族窒化物の製造方法によれば、幅の広い基板上にIII族窒化物を成長させる場合においても成長膜厚の均一性を向上させることが可能である。
本発明の一の実施形態に係る結晶成長装置100を模式的に説明する図である。 図1のA−A’矢視図である。 図1のB−B’矢視図であり、III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズル部分をX方向正面から見た図である。 本発明の他の一の実施形態において、図2に対応する図である。 本発明の他の一の実施形態において、図3に対応する図である。 本発明の他の一の実施形態において、図3に対応する図である。 本発明の他の一の実施形態において、図3に対応する図である。 本発明の他の一の実施形態において、図3に対応する図である。 本発明の他の一の実施形態において、図3に対応する図である。 本発明の他の一の実施形態において、図3に対応する図である。 比較例1で使用した従来型のIII族ハロゲン化物ガス供給手段のノズル部分を正面から見た図であり、図3に対応する図である。 実施例1〜2及び比較例1の結果をプロットしたグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図では、符号を一部省略することがある。本明細書において、数値A及びBについて「A〜B」は、特に別途規定されない限り、「A以上B以下」を意味する。該表記において数値Aの単位を省略する場合には、数値Bに付された単位が数値Aの単位として適用されるものとする。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。
<1.結晶成長装置>
本発明の第1の態様に係る結晶成長装置について説明する。図1は、本発明の一の実施形態に係る結晶成長装置100の模式図である。結晶成長装置100は、III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物を成長させる反応域20を有する反応器10と、反応域20にIII族ハロゲン化物ガスを供給する、III族ハロゲン化物ガス供給手段30と、反応域20に窒素源ガスを供給する、窒素源ガス供給手段40とを有する。
反応器10は、外チャンバ11と、外チャンバ11の内側に形成された内チャンバ12とを有しており、内チャンバ12は、内チャンバ12内部に反応域20を有している。反応域20には支持台(サセプタ)22が設置されており、該支持台22は基板21を回転可能に支持するために、回転駆動軸23に連結されている。回転駆動軸23は、電動機(不図示)からの動力を支持台22に伝達し、支持台22を適切な回転速度で回転させる。反応器10はさらに、支持台22を加熱するための、高周波コイル等の加熱手段24を有する。なお加熱手段24としては、支持台22を適切に加熱できる限りにおいて、高周波コイル以外にも、抵抗式ヒータその他の公知の加熱手段を採用可能である。
III族ハロゲン化物ガス供給手段30は、III族ハロゲン化物ガスを支持台22の側上方から支持台22の上方へ向けて吹き出すように配設されている。III族ハロゲン化物ガス供給手段30は、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32とを有する。第2の吹き出し口32は、第1の吹き出し口を取り囲んで設けられている。
窒素源ガス供給手段40は、支持台22の側上方かつIII族ハロゲン化物ガス供給手段30の第1の吹き出し口31及び第2の吹き出し口32の上方から支持台22の上方へ向けて窒素源ガスを吹き出すように配設されている。
窒素源ガス供給手段40をIII族ハロゲン化物ガス供給手段30よりも上方に配設することにより、支持台22上に均一に窒素源ガスを供給することができる。また、窒素源ガス供給手段40は、III族ハロゲン化物ガス供給手段30よりも上方に配設することが好ましいが、窒素源ガスとしてアンモニアガスを使用する場合には、アンモニアガスは比較的拡散し易いため、窒素源ガス供給手段40をIII族ハロゲン化物ガス供給手段30の下方に配設することもできる。
本実施形態において、反応器10の内チャンバ12は、反応域20を内部に有することから、石英ガラス、アルミナ、サファイア、耐熱ガラス等の耐熱性および耐酸性の非金属材料で構成されることが好ましく、III族ハロゲン化物ガス供給手段30及び窒素源ガス供給手段40も同様の材質で構成されることが好ましい。外チャンバ11は、内チャンバ12と同様の材質で構成してもよい。ただし外チャンバ11は反応域20に直接には接していないので、一般的な金属材料、たとえばステンレス鋼等で構成することも可能である。
図1において、紙面左右方向がX方向であり、紙面上下方向がZ方向であり、紙面に垂直な方向がY方向である。第1の吹き出し口31は、Y方向における最大幅が鉛直方向(すなわちZ方向)における最大幅よりも大きい形状を有している。図2は、図1においてIII族ハロゲン化物ガス供給手段30及び支持台22を上面視で示した図(図1のA−A’矢視図)である。図2においては説明の便宜のため、III族ハロゲン化物ガス供給手段30のうち第1の吹き出し口31及びIII族ハロゲン化物ガスの流路のみを図示し、第2の吹き出し口32およびバリアガスの流路は図から省略している。図2を参照しつつ、Y方向についてさらに説明する。
図2において、第1の吹き出し口31の一方の最外端Pは、支持台22の回転中心Cを通る直線が第1の吹き出し口31の一方の最も外側の開口部31aに対して外側(図2において回転中心Cを通る直線がX方向となす角度の絶対値が大きくなる側)から接する接点である。また第1の吹き出し口31の他方の最外端Qは、支持台22の回転中心Cを通る直線が第1の吹き出し口31の他方の最も外側の開口部31bに対して外側から接する接点である。
図2においてY方向は、線分PQの中点M及び支持台22の回転中心Cを通る直線MCと直交する方向である。図2においてY方向は紙面上下方向と同一になっており、図1においてY方向は紙面に垂直な方向と同一になっている。
第1の吹き出し口31のY方向における最大幅a、及び、支持台22の最大幅Dを、図2に併せて示している。本発明の結晶成長装置100において、比a/Dの値は0.05〜2であることが必要であり、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上であり、また好ましくは1.8以下、より好ましくは1.5以下である。
上記比a/Dの値が0.05〜2であることにより、支持台22上に均一にIII族ハロゲン化物ガスを供給することができる。
図3は、図1のB−B’矢視図であり、III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズルをX方向の正面から見た図である。図3を参照しつつ、III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズルについてさらに説明する。
III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズルは、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32とを有する。第1の吹き出し口31は、隔壁31w、31wによって画定され且つY方向に離隔された、III族ハロゲン化物ガスが流出する2つの開口部31a、31bを有している。2つの開口部31a、31bは、上面視(Z方向)において重複する部分を有していない。2つの開口部31a、31b、及び隔壁31w、31wを外壁30wが取り囲むことにより、外壁30wと隔壁31w、31wとの間に、第2の吹き出し口32が第1の吹き出し口31を取り囲むように設けられている。すなわち、第2の吹き出し口32は、第1の吹き出し口31の全周を取り囲むように設けられた一の開口部により構成されている。第1の吹き出し口31は、Y方向における最大幅aが、鉛直方向(Z方向)における最大幅bよりも大きい形状を有している。
図3において、第1の吹き出し口31が有する隣接する2つの開口部31a、31bについて、該2つの開口部31a、31bが水平方向(Y方向)に離隔している距離dabと、該2つの開口部31a、31bのそれぞれの水平方向(Y方向)の最大幅c及びcとの比:dab/c及びdab/cの値が、いずれも0.1〜10であることが好ましい。その下限はより好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.5以上であり、その上限はより好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
開口部31a、31bから排出されたIII族ハロゲン化物ガスは、放射状に広がって排出されるため、上記比(dab/c及びdab/c)の値が0.1〜10であることにより、III族ハロゲン化物ガスを効率よく支持台22上に(基板21上に)供給することができる。
なお、III族ハロゲン化物ガス供給手段30は、単一のIII族ハロゲン化物ガス供給管30aを有し、第1の吹き出し口31の複数の開口部31a、31bのいずれにも、単一のIII族ハロゲン化物ガス供給管30aを通じてIII族ハロゲン化物ガスが導かれるように構成されている(図2参照)。このような構成によれば、装置の構成を単純化することができる。
本発明の結晶成長装置によれば、HVPE法によって幅の広い基板上にIII族窒化物を成長させる場合において成長膜厚の均一性を向上させることが可能であるが、本発明者らはその理由を次のように推測している。すなわち、III族ハロゲン化物ガス供給手段のノズルが扁平かつ上記所定のa/D比を有することにより、基板の成長表面におけるIII族ハロゲン化物ガスの供給量と、基板の成長表面における窒素源ガスの供給量との両方がより均一になり、その結果基板上の位置によるIII族窒化物の生成速度のムラが低減されるものと考えている。
そのため、本発明の結晶成長装置は、径の大きな基板上、例えば、20mm以上の最長径を有する基板上へ結晶成長させる場合に好適に用いることができる。また、本発明の結晶成長装置は、支持台22上に複数の基板を配置して、それぞれの基板上へ結晶成長させる場合にも好適に用いることができる。
本発明に関する上記説明では、図2に示したように、III族ハロゲン化物ガス供給手段30が単一のIII族ハロゲン化物ガス供給管30aを有し、第1の吹き出し口31の複数の開口部31a、31bのいずれにも、単一のIII族ハロゲン化物ガス供給管30aを通じてIII族ハロゲン化物ガスが導かれる形態の結晶成長装置100を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。III族ハロゲン化物ガス供給手段が、第1のIII族ハロゲン化物ガス供給管と第2のIII族ハロゲン化物ガス供給管とを含む複数のIII族ハロゲン化物ガス供給管を有し、第1の吹き出し口の複数の開口部が、第1のIII族ハロゲン化物ガス供給管を通じてIII族ハロゲン化物ガスが導かれる第1の開口部と、第2のIII族ハロゲン化物ガス供給管を通じてIII族ハロゲン化物ガスが導かれる第2の開口部とを少なくとも有する形態とすることも可能である。そのような他の実施形態における図2に対応する図を図4に示す。図4において、第1の吹き出し口31の第1の開口部31aには第1のIII族ハロゲン化物ガス供給管30aを通じてIII族ハロゲン化物ガスが導かれ、第2の開口部31bには第2のIII族ハロゲン化物ガス供給管30bを通じてIII族ハロゲン化物ガスが導かれる。このような形態によれば、複数のIII族ハロゲン化物ガス供給管30a、30bのそれぞれについて流量制御装置を個別に設けることにより、基板上におけるIII族ハロゲン化物ガスの供給量の均一性を高めることが容易になる。
本発明に関する上記説明では、III族ハロゲン化物ガス供給手段30が有する第1の吹き出し口31の複数の開口部31a、31bが、上面視において重複する部分を有しない形態の結晶成長装置100(図3参照)を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。III族ハロゲン化物ガス供給手段が有する第1の吹き出し口の複数の開口部が、上面視において重複する部分を有する形態の結晶成長装置とすることも可能である。そのような他の一の実施形態における、III族ハロゲン化物ガス供給手段30’のノズルをX方向の正面から見た図を図5に示す。図5は図3に対応する図である。図5に示すIII族ハロゲン化物ガス供給手段30’のノズルは、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31’と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32’とを有する。第1の吹き出し口31’は、隔壁31w’、31w’によって画定され且つY方向に離隔された、III族ハロゲン化物ガスが流出する2つの開口部31a’、31b’を有している。2つの開口部31a’、31b’は、上面視(Z方向)において重複する部分を有している。2つの開口部31a’、31b’、及び隔壁31w’、31w’を外壁30w’が取り囲むことにより、外壁30w’と隔壁31w’、31w’との間に、第2の吹き出し口32’が第1の吹き出し口31’を取り囲むように設けられている。このような形態の第1の吹き出し口31’及び第2の吹き出し口32’を有するIII族ハロゲン化物ガス供給手段を備える結晶成長装置によっても本発明の効果を奏することが可能である。
本発明に関する上記説明では、III族ハロゲン化物ガス供給手段30が有する第1の吹き出し口31の複数の開口部、すなわち第1の開口部31aと第2の開口部31bとが、分離した2つの隔壁31w及び31wによって隔てられている形態の結晶成長装置100を主に例示したが、本発明は当該形態に限定されない。第1の吹き出し口の複数の開口部を隔てる隔壁が一体に形成されている形態の結晶成長装置とすることも可能である。そのような他の一の実施形態におけるIII族ハロゲン化物ガス供給手段30''のノズルをX方向の正面から見た図を図6に示す。図6は図3に対応する図である。図6において、III族ハロゲン化物ガス供給手段30''のノズルは、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31''と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32''とを有する。第1の吹き出し口31''は、単一の一体型の隔壁31wabによって画定され且つY方向に離隔された、III族ハロゲン化物ガスが流出する2つの開口部31a''、31b''を有している。2つの開口部31a''、31b''は、上面視(Z方向)において重複する部分を有していない。2つの開口部31a''、31b''、及び隔壁31wabを外壁30w''が取り囲むことにより、外壁30w''と隔壁31wabとの間に、第2の吹き出し口32''が第1の吹き出し口31''を取り囲むように設けられている。なお図6に示すように、第1の吹き出し口の各開口部(31a''、31b'')のY方向の最大幅(c、c)は、第1の吹き出し口(31'')の鉛直方向(Z方向)における最大幅(b)と異なっていてもよい。このような形態によれば、反応域20において、窒素源ガスとIII族ハロゲン化物ガスが混合しやすくなり反応効率が向上する。
本発明に関する上記説明では、第2の吹き出し口32が、第1の吹き出し口31の全周を取り囲むように設けられた一の開口部により構成されている形態の結晶成長装置100を主に例示したが、本発明は当該形態に限定されない。III族ハロゲン化物ガス供給手段の第2の吹き出し口が、第1の吹き出し口の複数の開口部のそれぞれを取り囲むように離隔して設けられた、バリアガスが流出する複数の開口部により構成されている形態の結晶製造装置とすることも可能である。そのような他の一の実施形態における、III族ハロゲン化物ガス供給手段30'''のノズルをX方向の正面から見た図を図7に示す。図7は図3に対応する図である。図7において、III族ハロゲン化物ガス供給手段30'''のノズルは、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31'''と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32'''とを有する。第1の吹き出し口31'''は、隔壁31w'''、31w'''によって画定され且つY方向に離隔された、III族ハロゲン化物ガスが流出する2つの開口部31a'''、31b'''を有している。2つの開口部31a'''、31b'''は、上面視(Z方向)において重複する部分を有していない。第1の吹き出し口31'''の開口部31a'''及び隔壁31w'''を外壁30w'''が取り囲むことにより、外壁30w'''と隔壁31w'''との間に、第2の吹き出し口32'''の開口部32a'''が第1の吹き出し口31'''の開口部31a'''を取り囲むように設けられている。また第1の吹き出し口31'''の開口部31b'''及び隔壁31w'''を外壁30w'''が取り囲むことにより、外壁30w'''と隔壁31w'''との間に、第2の吹き出し口32'''の開口部32b'''が第1の吹き出し口31'''の開口部31b'''を取り囲むように設けられている。第2の吹き出し口32'''の2つの開口部32a'''及び32b'''は、隔壁30w'''及び30w'''によりY方向に離隔して設けられている。このようにして、第2の吹き出し口32'''は、第1の吹き出し口31'''の複数の開口部31a'''、31b'''のそれぞれを取り囲むように離隔して設けられた、バリアガスが流出する複数の開口部32a'''、32b'''により構成されている。
本発明に関する上記説明では、III族ハロゲン化物ガス供給手段30の第1の吹き出し口31が2つの開口部31a、31bを有する形態の結晶成長装置100を主に例示したが、本発明は当該形態に限定されない。III族ハロゲン化物ガス供給手段の第1の吹き出し口が、III族ハロゲン化物ガスが流出する開口部を3つ以上有する形態の結晶成長装置とすることも可能である。そのような他の一の実施形態におけるIII族ハロゲン化物ガス供給手段30(4)のノズルをX方向の正面から見た図を図8に示す。図8は図3に対応する図である。図8において、III族ハロゲン化物ガス供給手段30(4)のノズルは、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31(4)と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32(4)とを有する。第1の吹き出し口31(4)は、隔壁31w (4)、31w (4)、31w (4)によって画定され且つY方向に離隔された3つの開口部31a(4)、31b(4)、31c(4)を有している。3つの開口部31a(4)、31b(4)、31c(4)は、上面視(Z方向)において重複する部分を有していない。3つの開口部31a(4)、31b(4)、31c(4)及び隔壁31w (4)、31w (4)、31w (4)を外壁30w(4)が取り囲むことにより、外壁30w(4)と隔壁31w (4)、31w (4)、31w (4)との間に、第2の吹き出し口32(4)が第1の吹き出し口31(4)を取り囲むように設けられている。
図8において、第1の吹き出し口31(4)が有する複数の開口部31a(4)、31b(4)、31c(4)のうち隣接する2つの開口部の組(すなわち31a(4)と31b(4)の組、及び、31b(4)と31c(4)の組)のいずれについても、該隣接する2つの開口部が上面視においてY方向に離隔している距離d(すなわちdab、dbc)と、該隣接する2つの開口部のそれぞれのY方向の最大幅c及びcとの比d/c及びd/cの両方(すなわちdab/c及びdab/cの両方、並びに、dbc/c及びdbc/cの両方。言い換えれば、dab/c、dab/c、dbc/c、dbc/cの全て)が0.1以上10以下であることが好ましく、その下限はより好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.5以上であり、その上限はより好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
なお、第1の吹き出し口31(4)が有する、III族ハロゲン化物ガスが流出する開口部の数は、本発明の効果を損ねないために8以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
本発明に関する上記説明では、III族ハロゲン化物ガス供給手段30の第1の吹き出し口31が、1以上の隔壁31w、31wによってY方向に離隔された、III族ハロゲン化物ガスが流出する2つの開口部31a、31bを有する形態の結晶成長装置100を主に例示したが、本発明は当該形態に限定されない。III族ハロゲン化物ガス供給手段の第1の吹き出し口が、III族ハロゲン化物ガスの流路を狭めるように設けられた突出部を、少なくとも第1の吹き出し口の開口部において有し、第1の吹き出し口の開口部が、第1の領域と、該第1の領域からY方向に離隔した第2の領域と、第1の領域及び第2の領域を連結し且つ第1の領域及び第2の領域よりも鉛直方向の幅が狭い第3の領域とを含む形態の結晶成長装置とすることも可能である。そのような他の一の実施形態におけるIII族ハロゲン化物ガス供給手段30(5)のノズルをX方向の正面から見た図を図9に示す。図9は図3に対応する図である。図9において、III族ハロゲン化物ガス供給手段30(5)のノズルは、III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口31(5)と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口32(5)とを有する。第1の吹き出し口31(5)は、一体の隔壁31w(5)によって第2の吹き出し口32(5)と隔てられており、外壁30w(5)が隔壁31w(5)を取り囲むことによって、第2の吹き出し口32(5)が第1の吹き出し口31(5)の全周を取り囲むように設けられている。隔壁31w(5)は、第1の吹き出し口31(5)の開口部において、III族ハロゲン化物ガスの流路を狭めるように設けられた突出部31p、31pを有している。該突出部31p、31pの存在により、第1の吹き出し口31(5)の開口部は、第1の領域31R1と、第1の領域31R1からY方向に離隔した第2の領域31R2と、第1の領域31R1及び第2の領域31R2を連結し且つ第1の領域31R1及び第2の領域31R2よりも鉛直方向(Z方向)の幅が狭い第3の領域31R3とを有している。このような形態によっても、本発明の効果を奏することが可能である。かかる形態においては、第1の吹き出し口31(5)の開口部において、その鉛直方向(Z方向)における最大幅bに対して鉛直方向(Z方向)における幅が80%(図9中のbth)以下である部分のY方向の幅をcnarrowとするとき、cnarrowは第1の吹き出し口31(5)の開口部のY方向の最大幅aの10〜90%であることが好ましい。さらに、cnarrowが第1の吹き出し口31(5)の開口部のY方向の最大幅aの10〜90%を満足する場合には、第3の領域31R3は、図9に示した通り1箇所であってもよいし、図10に示すように複数箇所あってもよい。図10は図9に対応する図であり、図10中の隔壁31w(6)は、第1の吹き出し口31(6)の開口部において、III族ハロゲン化物ガスの流路を狭めるように設けられた突出部31p’、31p’、31p’、31p’(以下単に「31p’」ということがある。)を有している。該突出部31p’の存在により、第1の吹き出し口31(6)の開口部は、第1の領域31R1’と、第1の領域31R1’からY方向に離隔した第2の領域31R2’と、第1の領域31R1’及び第2の領域31R2’を連結し且つ第1の領域31R1’及び第2の領域31R2’よりも鉛直方向(Z方向)の幅が狭い第3の領域31R3’と、第2の領域31R2’からY方向に離隔したさらなる第1の領域31R1''と、第1の領域31R1''及び第2の領域31R2’を連結し且つ第1の領域31R1''及び第2の領域31R2’よりも鉛直方向(Z方向)の幅が狭い第3の領域31R3''と、を有している。図10におけるように第3の領域が複数箇所(例えば図10においては31R3’、31R3'')存在する場合には、cnarrowは、それらの合計幅(例えば図10においてはcnarrow +cnarrow )とする。また、第3の領域が複数箇所存在する場合には、第3の領域以外の領域(すなわち第1の領域および/または第2の領域)が3つ以上存在することになるが、この場合、第3の領域以外の領域の数(すなわち、第3の領域の数+1。例えば図9においては2であり、図10においては3である。)は、本発明の効果を損なわないために8以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
なお図9及び図10においては突出部31pを隔壁31w(5)、31w(6)の内壁の上下両方に設けているが、片方のみに設けてもよい。
図1〜図10で本発明の形態を例示したが、その中でも、III族ハロゲン化物ガス供給手段30の第1の吹き出し口31および第2の吹き出し口32は左右対称(すなわちYZ平面への正射影がZ軸について対称)となることが好ましい。具体的には、III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズル部分をX方向正面から見た図(すなわちYZ平面への正射影)において、図3、図6、図7、図8、図9、図10のように、III族ハロゲン化物ガス供給手段30の第1の吹き出し口31および第2の噴出し口32が左右対称(すなわちZ軸について対称)となることが好ましい。第1の吹き出し口31及び第2の吹き出し口32を左右対称とすることによって、III族ハロゲン化物ガスおよび窒素源ガスを支持台22上へ(基板21上へ)より均一に供給することが可能となる。
<2.III族窒化物の製造方法>
本発明の第2の態様に係るIII族窒化物の製造方法について説明する。本発明のIII族窒化物の製造方法は、HVPE法によってIII族窒化物を製造する方法であって、上記本発明の第1の態様に係る結晶成長装置を用いてIII族窒化物単結晶を成長させることを特徴とする。
結晶成長装置100(図2)においてIII族ハロゲン化物ガス供給手段30から流出させるIII族ハロゲン化物ガスとしては、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム;三塩化ガリウム、一塩化ガリウム等のハロゲン化ガリウム;三塩化インジウム等のハロゲン化インジウム、等のIII族ハロゲン化物ガスを特に制限なく使用可能である。混晶を製造する場合には、複数のIII族ハロゲン化物ガスを含有する混合ガスを使用する。なお一般に、反応速度の速いハロゲン化アルミニウムガスを使用する場合には特に基板上の場所に依存して成長速度にムラが生じやすいことから、本発明の結晶成長装置はIII族元素としてアルミニウムを含むIII族窒化物(以下「Al系III族窒化物」ということがある。)の単結晶を成長させる場合に特に好ましく用いることができ、窒化アルミニウムの単結晶を成長させる場合に最も好ましく用いることができる。この観点から、本発明のIII族窒化物の製造方法においては、III族ハロゲン化物ガスがハロゲン化アルミニウムガスを含むことが好ましく、III族ハロゲン化物ガスがハロゲン化アルミニウムガスであることが特に好ましい。
結晶成長装置100においてIII族ハロゲン化物ガス供給手段30から流出させるバリアガスとしては、不活性である点、及び、分子量が大きいためにIII族ハロゲン化物ガスや窒素源ガスのバリアガスへの拡散が遅い(バリア効果が高い)点で、窒素ガス若しくはアルゴンガス、又はこれらの混合ガスを好ましく用いることができる。ただしバリアガスの効果を調整するために、窒素ガス若しくはアルゴンガス又はこれらの混合ガスに、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の、不活性な(すなわち、III族ハロゲン化物ガス及び窒素源ガスと反応しない)低分子量ガスを混合してもよい。
III族窒化物単結晶を析出させる基板21の材質としては、例えばサファイア、シリコン、シリコンカーバイド、酸化亜鉛、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、ガリウムヒ素、ホウ素化ジルコニウム、ホウ素化チタニウム等を特に制限なく採用できる。
III族ハロゲン化物ガス供給手段30から反応域20に供給されたIII族ハロゲン化物ガスを窒化してIII族窒化物単結晶を得るために、窒素源ガス供給手段40から窒素源ガスを流出させる。この窒素源ガスは通常キャリアガスによって希釈した状態で供給する。窒素源ガスとしては、窒素を含有する反応性ガスを特に制限なく採用可能であるが、コストと取扱の容易性の点で、アンモニアガスを好ましく用いることができる。キャリアガスとしては、水素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、若しくはアルゴンガス、又はこれらの混合ガスを特に制限なく用いることができ、水素ガスを含むキャリアガスを用いることが好ましい。
III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させる前に、基板21に付着している有機物を除去するため、反応域20に水素ガスを含むキャリアガスを流通しながら基板21を支持台22を介して加熱することにより、サーマルクリーニングを行うことが好ましい。基板21としてサファイア基板を用いる場合、一般的には1100℃で10分間程度保持する。その後、III族ハロゲン化物ガス供給手段30からIII族ハロゲン化物ガスを反応域20に供給し、窒素源ガス供給手段40から窒素源ガスを反応域20に供給しながら、好ましくは1000〜1700℃に加熱された基板21上にIII族窒化物単結晶を成長させる。本発明におけるIII族窒化物の成長は通常大気圧付近の圧力下で行われる。
III族ハロゲン化物ガスの供給量は、標準状態における体積流量により管理しても良いが、分圧により決定すると理解し易い。すなわち、基板上に供給される全ガス(キャリアガス、III族ハロゲン化物ガス、窒素源ガス、バリアガス)の標準状態における体積の合計に対するIII族ハロゲン化物ガスの標準状態における体積の割合がIII族ハロゲン化物ガスの供給分圧とされる。
III族ハロゲン化物ガスの供給分圧は1Pa〜1000Paの濃度範囲が選択される。窒素源ガスの供給量は特に制限されるものではないが、一般的には、供給する上記III族ハロゲン化物ガスの0.5〜500倍の供給量が好適に選択される。成長時間は所望の成長膜厚が達成されるように適宜調節される。一定時間結晶成長を行った後、III族ハロゲン化物ガスの供給を停止することにより結晶成長を終了する。その後基板21を室温まで降温する。以上の操作により、基板21上にIII族窒化物単結晶を成長させることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明についてさらに詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1の結晶成長装置100により、サファイア単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させた。支持台22に保持した最大径48mmの正方形状の基板を10回転/分の速度で回転しながら、III族ハロゲン化物ガス供給手段30から塩化アルミニウムガスを供給し、窒素源ガス供給手段40からアンモニアガスを供給して、20分間成長させた。なお支持台22の平面形状は基板と同一であった(すなわちD=48mm)。III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズル形状は、図6において、a=15mm、b=c=c=5mm、dab=5mm、a/D=0.31、dab/c=dab/c=1である形状とした。成長終了後、基板の中心から4mm毎に成長膜厚を測定し、成長速度を評価した。結果を図12に示す。
<実施例2>
III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズル形状を、図6においてa=20mm、b=c=c=5mm、dab=10mm、a/D=0.42、dab/c=dab/c=2である形状とした以外は実施例1と同様にして、サファイア単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させた。結果を図12に示す。
<比較例1>
III族ハロゲン化物ガス供給手段30のノズル形状を、図11に示す従来型の形状であってa=c=b=7.5mm、d=0mm、a/D=0.16、d/c=0である形状とした以外は実施例1と同様にして、サファイア単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させた。結果を図12に示す。
<評価結果>
図12に示すように、従来型の形状を有するノズルから塩化アルミニウムガスを供給する形態の結晶成長装置によって窒化アルミニウムを成長させた比較例1に対し、本発明に係る結晶成長装置によって窒化アルミニウムを成長させた実施例1及び2では、基板中心からの距離による成長速度の違いが緩和されていた。
以上の結果から、本発明によれば、HVPE法によって幅の広い基板上にIII族窒化物を成長させる場合に、成長膜厚の均一性を向上できることが示された。
100 結晶成長装置
10 反応器
11 外チャンバ
12 内チャンバ
20 反応域
21 基板
22 支持台(サセプタ)
23 回転駆動軸
24 加熱手段
30 III族ハロゲン化物ガス供給手段
30a、30b III族ハロゲン化物ガス供給管
30w 外壁
31 (III族ハロゲン化物ガスが流出する)第1の吹き出し口
31a、31b (III族ハロゲン化物ガス供給手段の)開口部
31w、31w、31w 隔壁
31p 突出部
31R1 (III族ハロゲン化物ガス供給手段の開口部の)第1の領域
31R2 (III族ハロゲン化物ガス供給手段の開口部の)第2の領域
31R3 (III族ハロゲン化物ガス供給手段の開口部の)第3の領域
32 (バリアガスが流出する)第2の吹き出し口
40 窒素源ガス供給手段
50 排気口

Claims (12)

  1. III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物を成長させる反応域を有する反応器と、
    前記反応域に前記III族ハロゲン化物ガスを供給する、III族ハロゲン化物ガス供給手段と、
    前記反応域に前記窒素源ガスを供給する、窒素源ガス供給手段と
    を有する結晶成長装置において、
    前記反応器は、前記基板を回転可能に支持する支持台を前記反応域に有し、
    前記III族ハロゲン化物ガス供給手段は、前記III族ハロゲン化物ガスを前記支持台の側上方から前記支持台の上方へ向けて吹き出すように配設されており、
    前記III族ハロゲン化物ガス供給手段は、前記III族ハロゲン化物ガスが流出する第1の吹き出し口と、バリアガスが流出する第2の吹き出し口とを有し、該第2の吹き出し口は、前記第1の吹き出し口を取り囲んで配設されており、
    前記第1の吹き出し口は、Y方向における最大幅が鉛直方向における最大幅よりも大きい形状を有し、前記Y方向は、水平方向であって上面視において該第1の吹き出し口の一方の最外端と他方の最外端とを結ぶ線分の中点および前記支持台上面の回転中心を通る直線と直交する方向であり、前記一方の最外端及び他方の最外端はそれぞれ上面視において、前記回転中心を通る直線が前記第1の吹き出し口の最も外側の開口部に対して外側から接する接点であり、
    前記第1の吹き出し口の前記Y方向における最大幅aと、前記支持台の最大幅Dとの比a/Dが、0.05以上2以下である、結晶成長装置。
  2. 前記第1の吹き出し口が、1以上の隔壁によって前記Y方向に離隔された複数の開口部を有する、
    請求項1に記載の結晶成長装置。
  3. 前記第1の吹き出し口の前記複数の開口部が、上面視において重複する部分を有しない、
    請求項2に記載の結晶成長装置。
  4. 前記第1の吹き出し口の前記複数の開口部のうち隣接する2つの開口部の組のいずれについても、該2つの開口部が上面視において水平方向に離隔している距離dと、該2つの開口部のそれぞれの水平方向の最大幅c及びcとの比d/c及びd/cの両方が0.1以上10以下である、
    請求項2又は3に記載の結晶成長装置。
  5. 前記III族ハロゲン化物ガス供給手段が単一のIII族ハロゲン化物ガス供給管を有し、
    前記第1の吹き出し口の前記複数の開口部のいずれにも、前記単一のIII族ハロゲン化物ガス供給管を通じて前記III族ハロゲン化物ガスが導かれる、
    請求項2〜4のいずれかに記載の結晶成長装置。
  6. 前記III族ハロゲン化物ガス供給手段が、第1のIII族ハロゲン化物ガス供給管と第2のIII族ハロゲン化物ガス供給管とを含む複数のIII族ハロゲン化物ガス供給管を有し、
    前記第1の吹き出し口の前記複数の開口部は、前記第1のIII族ハロゲン化物ガス供給管を通じて前記III族ハロゲン化物ガスが導かれる第1の開口部と、第2のIII族ハロゲン化物ガス供給管を通じて前記III族ハロゲン化物ガスが導かれる第2の開口部とを少なくとも有する、
    請求項2〜4のいずれかに記載の結晶成長装置。
  7. 前記第2の吹き出し口が、前記第1の吹き出し口の全周を取り囲むように設けられた一の開口部により構成されている、
    請求項1〜6のいずれかに記載の結晶成長装置。
  8. 前記第2の吹き出し口が、前記第1の吹き出し口の前記複数の開口部のそれぞれを取り囲むように離隔して設けられた複数の開口部により構成されている、
    請求項2〜6のいずれかに記載の結晶成長装置。
  9. 前記第1の吹き出し口が、前記III族ハロゲン化物ガスの流路を狭めるように設けられた突出部を、少なくとも前記第1の吹き出し口の開口部において有し、
    前記第1の吹き出し口の開口部が、第1の領域と、該第1の領域から前記Y方向に離隔した第2の領域と、前記第1の領域及び前記第2の領域を連結し且つ前記第1の領域及び前記第2の領域よりも鉛直方向の幅が狭い第3の領域とを含む、
    請求項1に記載の結晶成長装置。
  10. 前記窒素源ガス供給手段は、前記支持台の側上方かつ前記第1の吹き出し口及び前記第2の吹き出し口の上方から前記支持台の上方へ向けて前記窒素源ガスを吹き出すように配設されている、請求項1〜9のいずれかに記載の結晶成長装置。
  11. 前記III族ハロゲン化物ガスが、ハロゲン化アルミニウムガスであり、
    前記バリアガスが窒素ガス又はアルゴンガスを含み、
    前記窒素源ガスがアンモニアガスであり、
    前記III族窒化物単結晶が、窒化アルミニウム単結晶である、
    請求項1〜10のいずれかに記載の結晶成長装置。
  12. III族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させることにより、加熱された基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる、III族窒化物の製造方法であって、
    請求項1〜11のいずれかに記載の結晶成長装置を用いてIII族窒化物単結晶を製造することを特徴とする、III族窒化物の製造方法。
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