JP2015191866A - 全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シート、ならびに電池用電極シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シート、ならびに電池用電極シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体二次電池において、活物質層と無機固体電解質層との加圧によらずに高いイオン伝導度を実現し、さらに良好な折曲げ耐久性及び材料の結着性を実現した全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シート、ならびに電池用電極シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池であって、上記正極活物質層、負極活物質層、および固体電解質層の少なくともいずれかが周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質とバインダーとを含み、上記バインダーが環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物を含む全固体二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シート、ならびに電池用電極シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法に関する。
現在、汎用されているリチウムイオン電池には、電解液が用いられているものが多い。この電解液を固体電解質に置き換え、構成材料を全て固体にする試みが進められている。なかでも、無機の固体電解質を利用する技術の利点としてまず挙げられるのが信頼性である。リチウムイオン二次電池に用いられる電解液には、その媒体として、カーボネート系溶媒など、可燃性の材料が適用されている。様々な対策が採られているものの、過充電時などに備えたさらなる対応が望まれる。その解決手段として、電解質を不燃性のものとしうる無機化合物からなる全固体二次電池が位置づけられる。また、高分子電解質に比し、無機固体電解質は高いイオン伝導性を示すのも利点である。
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン二次電池として、その開発は精力的に進められている(非特許文献1)。一方で、無機系の全固体二次電池においては、その電解質が硬質の固体であるために不利な点もある。例えば、固体粒子間の界面抵抗が大きくなることが挙げられる。これを改善するために、特定の高分子化合物をバインダーとして用いた例がある。具体的に特許文献1は、ポリオキシエチレン鎖を有する界面活性剤を利用する。特許文献2は水素化ブタジエン共重合体の利用を開示する。
特開2013−008611号公報 特開2011−134675号公報
NEDO技術開発機構,燃料電池・水素技術開発部,蓄電技術開発室「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013」(2013年8月)
上記特許文献の技術により、全固体二次電池における界面抵抗の増大はそれなりに改善されるかもしれない。しかしながら、上記文献に開示された高分子化合物からなるバインダーでは昨今の高い要求レベルを満足することができず、さらなる改善を図りたい。
そこで本発明は、全固体二次電池において、活物質層と無機固体電解質層との加圧によらずに高いイオン伝導度を実現し、さらに良好な折曲げ耐久性及び材料の結着性を実現した全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シート、ならびに電池用電極シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法の提供を目的とする。
上記の課題は、以下の手段により解決された。
〔1〕正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池であって、上記正極活物質層、負極活物質層、および固体電解質層の少なくともいずれかが周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質とバインダーとを含み、上記バインダーが環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物を含む全固体二次電池。
〔2〕上記環状分子がシクロデキストリンまたはその誘導体である〔1〕に記載の全固体二次電池。
〔3〕上記線状分子がポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリウレア、ヘテロ環を主鎖に有するポリマー、又はポリエン構造を含む化合物である〔1〕または〔2〕に記載の全固体二次電池。
〔4〕上記線状分子の分子量が10,000以上である〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔5〕上記環状分子または線状分子が下記反応性置換基(A)および下記反応性連結基(B)の少なくともいずれか1つ又はその反応性置換基もしくは反応性連結基を介した架橋構造を有する〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
反応性置換基(A)
アミノ基、チオール基、テトラヒドロフリル基、オキセタン基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、 アルケニル基含有基
反応性連結基(B)
イミノ基、アルケニレン基含有基
〔6〕上記線状分子の末端にかさ高い置換基を有する〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔7〕上記環状分子が下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される構造を有する〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
Figure 2015191866
は先の連結基である。
Arは環状構造基である。
A1〜RA4は水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基である。
環αはXA1を一つ以上含む環状構造基あり、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、カルボニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基またはこれらの組み合わせで環構造を形成している。
A1、XA2はそれぞれ独立にヘテロ原子含有連結基を表す。
〔8〕上記環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物において、上記線状分子が複数の単量体を有する高分子化合物であり、線状分子と環状分子の割合が、線状分子を構成する単量体単位のモル数:環状分子の数の比で、100:0.1〜100:70である〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔9〕上記線状分子が下記式(1−1)〜(1−5)のいずれかで表される構造を含む化合物である〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
Figure 2015191866
はアルキレン基またはアルケニレン基である。Lは、連結基である。R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。R41、R42、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。分子内に複数あるL、L、R31、R32、R41、R42、R51、R52は互いに同じでも異なっていてもよい。
〔10〕上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである〔5〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
官能基
チオール基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルケニル基含有基
〔11〕上記バインダーを上記固体電解質100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下で含有させた〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔12〕上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである〔5〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
官能基
カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基
〔13〕上記無機固体電解質が酸化物系の無機固体電解質である〔1〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔14〕上記無機固体電解質が下記式の化合物から選ばれる〔13〕に記載の全固体二次電池。
・LiLaTiO
x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7
・LiLaZr12
・Li3.5Zn0.25GeO
・LiTi12
・Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)−xSi−yO12
0≦x≦1、0≦y≦1
・LiPO
・LiPON
・LiPOD
Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAu
から選ばれた少なくとも1種
・LiAON
Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた
少なくとも1種
〔15〕全固体二次電池用の固体電解質組成物であって、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質と環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物を含むバインダーを含む固体電解質組成物。
〔16〕さらに分散媒体を含有する〔15〕に記載の固体電解質組成物。
〔17〕上記分散媒体が、アルコール化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒、およびニトリル化合物溶媒から選ばれる〔16〕に記載の固体電解質組成物。
〔18〕さらにラジカル重合開始剤および/または架橋剤を含む〔15〕〜〔17〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
〔19〕上記バインダーを上記固体電解質100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下で含有させた〔15〕〜〔18〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
〔20〕上記環状分子がシクロデキストリンまたはその誘導体である〔15〕〜〔19〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
〔21〕上記線状分子がポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリウレア、ヘテロ環を主鎖に有するポリマー又はポリエン構造を含む化合物である〔15〕〜〔20〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
〔22〕上記環状分子または線状分子が下記反応性置換基(A)および下記反応性連結基(B)の少なくともいずれか1つ又はその反応性置換基を介した架橋構造を有する〔15〕〜〔21〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
反応性置換基(A)
アミノ基、チオール基、テトラヒドロフリル基、オキセタン基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸、アルケニル基含有基
反応性連結基(B)
イミノ基、アルケニレン基含有基
〔23〕上記線状分子の末端にかさ高い置換基を有する〔15〕〜〔22〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
〔24〕上記線状分子が下記式(1−1)〜(1−5)のいずれかで表される構造を含む化合物である〔15〕〜〔23〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
Figure 2015191866
はアルキレン基またはアルケニレン基である。Lは、連結基である。R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。R41、R42、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。分子内に複数あるL、L、R31、R32、R41、R42、R51、R52は互いに同じでも異なっていてもよい。
〔25〕上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである〔24〕に記載の固体電解質組成物。
官能基
チオール基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルケニル基含有基
〔26〕上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである〔25〕に記載の固体電解質組成物。
官能基
カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基
〔27〕〔15〕〜〔26〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
〔28〕〔15〕〜〔27〕のいずれか1つに記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜する電池用電極シートの製造方法。
〔29〕上記製膜した固体電解質組成物を80℃以上で加熱する〔28〕に記載の電池用電極シートの製造方法。
〔30〕〔28〕または〔29〕に記載の電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基が複数あるとき、あるいは複数の置換基等(置換基数の規定も同様)を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに結合したり縮合したりして環を形成していてもよい。
本発明の全固体二次電池は、活物質層と無機固体電解質層との加圧によらずに高いイオン伝導度を実現し、さらに折曲げ耐久性及び材料の結着性に優れる。
本発明の固体電解質組成物、電池用電極シート、電池用電極シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法によれば、上記の電池用電極シートおよび全固体二次電池を好適に製造することができる。
本発明の好ましい実施形態に係る全固体リチウムイオン二次電池を模式化して示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係るポリロタキサン化合物の架橋物を模式的に示した分子構造図である。 実施例で利用した試験装置を模式的に示す断面図である。
本発明の全固体二次電池は、正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備し、そのいずれかの層が、イオン伝導性を有する無機固体電解質と特定のバインダーとを含有する。以下、図面を参照してその好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、無機固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、その順で有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。本発明の固体電解質組成物は、上記負極活物質層、正極活物質層、無機固体電解質層の構成材料として用いることが好ましく、中でも、無機固体電解質層および正極活物質層、負極活物質層のすべての構成材料として、用いることが好ましい。
正極活物質層4、負極活物質層3の厚さは、目的とする電池容量に応じて定めることができる。一般的な素子の寸法を考慮すると、1μm以上であることが好ましく、3μmであることがより好ましい。上限としては、1000μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
一方、無機固体電解質層3は正負極の短絡を防止しつつ、できる限り薄いことが望ましい。さらに、本発明の効果が顕著に発現することが好ましく、具体的には、1μm以上であることが好ましく、3μmであることがより好ましい。上限としては、1000μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
<固体電解質組成物>
本発明における固体電解質組成物とは、無機固体電解質を含む組成物のことを言う。本発明の全固体二次電池の無機固体電解質層、正極活物質層、負極活物質層の少なくともいずれかを形成する材料として用いられる。固体電解質組成物は固体に限らず、液状やペースト状であってもよい。
(無機固体電解質)
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことである。本明細書において、固体電解質というときには、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことを意味する。この観点から、後記電解質塩(支持電解質)との区別を考慮し、無機固体電解質を、イオン伝導性無機固体電解質と呼ぶことがある。無機固体電解質のイオン伝導度は特に限定されないが、リチウムイオンにおいて、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましく、1×10−4S/cm以上であることがさらに好ましく、1×10−3S/cm以上とすることが特に好ましい。上限は特にないが、1S/cm以下が実際的である。イオン伝導度の測定方法は、特に断らない限り、後記実施例で測定した非加圧条件によるものとする。
無機固体電解質は、高分子化合物や錯塩などの有機物は含まないことから、有機固体電解質(PEOなどに代表される高分子電解質、LiTFSIなどに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態で非解離性の固体であるため、液中でも、カチオンおよびアニオンに解離または遊離しない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離する無機電解質塩(LiPF、LiBF,LiFSI,LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第一族または第二族に属する金属のイオン(好ましくはリチウムイオン)の伝導性を有する一方で、電子伝導性は有さないものが一般的である。
本発明においては、電解質層ないし活物質層に周期律表第一族または第二族に属する金属のイオン(好ましくはリチウムイオン)伝導性の無機固体電解質を含有させる。上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質は(i)硫化物系無機固体電解質と(ii)酸化物系無機固体電解質が代表例として挙げられる。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物固体電解質は、硫黄(S)を含有し、かつ、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。例えば下記式(1)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。

Li (1)

(式中、Mは、B、Zn、Si、Cu、Ga及びGeから選択される元素を示す。a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dはそれぞれ1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。)
式(1)において、Li、M、P及びSの組成比は、好ましくはbが0であり、より好ましくはb=0で且つa、c及びdの比(a:c:d)がa:c:d=1〜9:1:3〜7であり、さらに好ましくはb=0で且つa:c:d=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。各元素の組成比は、下記するように、硫化物系固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは65:35〜85:15、より好ましくは68:32〜75:25である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。
具体的な化合物例としては、例えばLiSと、第13族〜第15族の元素の硫化物とを含有する原料組成物を用いてなるものを挙げることができる。具体的には、LiS−P、LiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Al、LiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12などが挙げられる。その中でも、LiS−P、LiS−GeS−Ga、LiSGeS−P、LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPOからなる結晶質およびまたは非晶質の原料組成物が高いリチウムイオン伝導性を有するので好ましい。このような原料組成物を用いて硫化物固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法および溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリング法が好ましい。常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系固体電解質は、酸素(O)を含有し、かつ、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。
具体的な化合物例としては、例えばLiLaTiO〔x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7〕(LLT)、LiLaZr12(LLZ)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)−xSi−yO12(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)、ガーネット型結晶構造を有する上記LiLaZr12等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
その中でも、Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)−xSi−yO12(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)は、高いリチウムイオン伝導性を有し、化学的に安定して取り扱いが容易であり好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウムイオン伝導性の酸化物系無機固体電解質としてのイオン伝導度は、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましく、5×10−5S/cm以上であることが特に好ましい。
本発明においては、なかでも酸化物系の無機固体電解質を用いることが好ましい。酸化物系の無機固体電解質は総じてより硬度が高いため、全固体二次電池において界面抵抗の上昇を生じやすく、本発明を適用することにより、その対応として効果がより顕著になる。とくに、酸化物系の無機固体電解質と下記特定のバインダーとが作用し、より好適な吸着状態を形成することが想定される。この観点からも、酸化物系の無機固体電解質を用いることが特に好ましい。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機固体電解質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
無機固体電解質の固体電解質組成物中での濃度は、電池性能と界面抵抗の低減・維持効果の両立を考慮したとき、固形成分100質量%において、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが特に好ましい。ただし、後記正極活物質または負極活物質とともに用いるときには、その総和が上記の濃度範囲であることが好ましい。
(特定のバインダー)
本発明においては環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物を上記無機固体電解質のバインダーとして用いる。この化合物は、擬ロタキサン、ポリ擬ロタキサンと呼ばれ、末端をかさ高い置換基で封鎖して環状分子が線状分子から抜けないようにした化合物はロタキサン、ポリロタキサンなどと呼ばれることがある。本明細書においては、その架橋物を含め、これらを総称してポリロタキサン化合物と称する。本発明の好ましいポリロタキサン化合物を模式的に図2に示している。本実施形態のポリロタキサン化合物は線状分子21に環状分子22が複数挿通した構造を有している。その末端は末端置換基24により封止され、環状分子が抜け落ちない構造とされている。隣接するポリロタキサン化合物20どうしは、架橋鎖(反応性基による連結鎖)23により連結されている。このようにして、本実施形態においては、ポリロタキサン化合物の架橋物200で構成されたバインダーをなしている。このようにポリロタキサン化合物の環状分子を架橋点として用いることで可動性の架橋点を持つ架橋物となり、ポリマー間のテンションを均一にするという効果があり特異的な力学特性を示すようになる。このようなポリロタキサン化合物をバインダーとして用いることで良好な結着性を発現する。なお、このような架橋構造は、あらかじめ架橋したものを添加してもよく、あるいは、固体電解質組成物のペーストの状態で形成しても、これを電極シートにした後に架橋させてもよい。本明細書においては、広義にバインダーとは未架橋のポリロタキサン化合物とその架橋物の両者を含む意味に用いる。区別するときには、未架橋のバインダー(未架橋ポリロタキサン化合物)、架橋されたバインダー(架橋ポリロタキサン化合物)とそれぞれ呼称する。
・線状分子
上記線状分子は、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリウレア、ヘテロ環を主鎖に有するポリマー、又はポリエン構造を含む化合物であることが好ましい。
ポリオレフィンは下記式(1−1)で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。
Figure 2015191866
はアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)またはアルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が特に好ましい)である。分子中に複数あるLは互いに異なっていてもよい。Lはさらに置換基Tを有していてもよい。この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ポリエーテルは下記式(1−2)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
は、連結基であり、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜4が特に好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、あるいはこれらの組み合わせに係る基であることが好ましい。上記の連結基は、さらに置換基Tを有していてもよい。分子内に複数あるLは互いに同じでも異なっていてもよい。また、上記の連結基(アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基)は、ヘテロ原子を含む連結基を介在してもよい。ヘテロ原子を含む連結基の例としては、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)、アンモニウム連結基(NR ・M)、カルボニル基が挙げられる。ここでRは、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2または3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11が特に好ましい)であることが好ましい。Mは対アニオンであり、PF を例示できる。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ポリシロキサンは下記式(1−3)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2または3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11が特に好ましい)である。このアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基はさらに置換基Tを有していてもよい。分子内に複数あるR31およびR32は互いに同じでも異なっていてもよい。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ポリエン構造を含む化合物は下記式(1−4)または(1−5)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
41、R42、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜18がより好ましく、7〜12が特に好ましい)である。このアルキル基、アリール基、アラルキル基はさらに置換基Tを有していてもよい。分子内に複数あるR41、R42、R51、R52は互いに同じでも異なっていてもよい。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ポリエステルは下記式(1−6)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
はLと同義の基である。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリウレアは下記式(1−7)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
はLと同義の基である。X、Yはそれぞれ独立にOまたはNRである。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ポリアクリレートは下記式(1−8)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
はLと同義の基である。R81は水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基である。R82はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2または3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜18がより好ましく、7〜12が特に好ましい)、ポリエーテル基(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドが好ましい)である。このアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基はさらに置換基Tを有していてもよい。分子内に複数あるR81およびR82は互いに同じでも異なっていてもよい。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
ヘテロ環を主鎖に有するポリマーは、下記式(1−9)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015191866
Arは、ヘテロ環基であり、ヘテロ脂肪族環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)、ヘテロ芳香族環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)が好ましい。ヘテロ環基は、カチオンになっていてもよく、対アニオンを伴う構造となっていてもよい。ヘテロ環の例としては、チオフェン環、ピリジン環(ピリジニウム環でもよい)、ピロール環(ピロリニウム環でもよい)、フラン環、ピラジン環(ピラジニウム環でもよい)、ピリミジン環(ピリミジニウム環でもよい)、ピペリジン環(ピペリジニウム環でもよい)、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ピロリジン環(ピロリジニウム環でもよい)、イミダゾール環(イミダゾリニウム環でもよい)、ピラゾール環(ピラゾリニウム環でもよい)、モルホリン環(モルホリニウム環でもよい)が挙げられる。上記ヘテロ脂肪族環基、ヘテロ芳香族環基のヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかまたはその組合せであることが好ましい。ヘテロ環基は連結基Lを介してまたは介さずに置換基Tを有していてもよい。
Zは単結合、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、O、S、NR、CO、またはこれらの組み合わせであることが好ましく、単結合またはアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)がより好ましい。
この繰り返し単位は分子中にモル比で、50%以上存在することが好ましく、60%以上存在することがより好ましく、70%以上存在することが特に好ましい。上限は100%である。
線状分子としては、中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランなどのポリエーテル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、ポリアンモニウム塩類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリチオフェン類、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸などのポリアクリレート類、ポリエステル類、ポリカーボネート類を好ましいものとしてあげることができる。さらに、ポリアクリレート類、ポリシロキサン類、ポリカーボネート類、ポリエーテル類が好ましく、ポリエーテル類が特に好ましい。なお、本明細書においてアクリレートとは、α位の炭素に任意の置換基を有していてもよい意味であり、その例としては上記R81が挙げられる。
本発明において好適に採用される線状分子の構造単位の例を以下に示すが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
Figure 2015191866
線状分子の重量平均分子量は1,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることが特に好ましい。上限としては、1,000,000以下であることが好ましく、500,000以下であることがより好ましく、300,000以下であることが特に好ましい。この範囲とすることで、環状分子(包接化合物)が線状分子上で自由に動け好ましい。本明細書において分子量は、特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
環状分子を構成する構造単位は、たとえば、ヘテロ原子を有する連結基(酸素原子、NR、硫黄原子、COが好ましい)、ヘテロ脂肪族環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、ヘテロ芳香族環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2または3が特に好ましい)、芳香族基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)およびこれらの組み合わせが挙げられる。上記ヘテロ脂肪族環基、ヘテロ芳香族環基のヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかであることが好ましい。上記ヘテロ脂肪族環基、ヘテロ芳香族環基は4員〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。上記の各連結基は置換基Tを有していてもよい。
・環状分子
環状分子は複数の構造単位が連結して環をなした構造であることが好ましく、環状分子内の構造単位は同一でも異なっていてもよい。
上記環状分子の構造単位は下記式のいずれかで表されることが好ましい。なお下記の式は、構造(c)を構造単位とするもののように、二重の環状構造であってもよく、さらに三重、四重といった多重の環状構造であってもよい。そのときには、各式の構造単位が多重構造をとるものして解釈すればよい。
Figure 2015191866
は先のLと同義の基である。
Figure 2015191866
Arは環状構造基であり、ヘテロ脂肪族環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、ヘテロ芳香族環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、芳香族基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)であることが好ましい。上記ヘテロ脂肪族環基、ヘテロ芳香族環基のヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかであることが好ましい。上記ヘテロ脂肪族環基、ヘテロ芳香族環基は4員〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。環状分子は、上記又は下記の構造単位の他に連結基を有していてもよく、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)、カルボニル基、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、またはこれらの組み合わせであることが好ましい。
A1〜RA4はR81と同義の基である。
環αはXA1を一つ以上含む環状構造基であり、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)、カルボニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基またはこれらの組み合わせで環構造を形成している。中でも炭素数2〜12のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、イミノ基またはこれらの組み合わせであることが好ましく、炭素数3〜6のアルキレン基、酸素原子の組み合わせであることが特に好ましい。環αとしては、3員環〜8員環が挙げられ、中でも5員環または6員環が好ましい。具体的にはグルコース環、フルクトース環、ガラクトース環、マンノース環などが挙げられる。上記で例示の環状基はいずれもさらに単結合または連結基Lを介してまたは介さずに任意の置換基Tをともなっていてもよい。
A1、XA2はそれぞれ独立にヘテロ原子含有連結基を表し、酸素原子、硫黄原子、イミノ基(NR)のいずれかであることが好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
環αは下記式(d)であることが好ましい。Xd2、Xd3、Xd6はそれぞれ独立に水素原子またはR82と同義の基である。Ld2、Ld3、Ld6はそれぞれ独立に単結合、カルボニル基、またはイミノ基(NR)である。
Arとしては、下記式(a)〜(d)のいずれかであることが好ましい。
Figure 2015191866
環状分子としては、中でも、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリンや、クラウンエーテル類、ククルビットウリル類、シクロファン類、カリックスアレーン類が好ましい。さらに、シクロデキストリンが好ましい。
環状分子において、構造単位の数は特に限定されないが、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、4個以上が特に好ましい。上限は、30個以下が好ましく、20個以下がより好ましく、15個以下が特に好ましい。
環状分子の好ましいものを下記に例示するが、本発明がこれに限定して解されるものではない。
Figure 2015191866
・末端基
上記のポリロタキサン化合物は、その末端にかさ高い置換基(末端基)を有することが好ましい。このようにすることで、線状分子から環状分子がはずれないように固定することができる。末端基の分子量は特に限定されないが、70以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。上限は1000以下であることが実際的である。末端基のかさ高さは、環状分子の環の大きさとの関係で定めればよく、環状分子が抜け出ない大きさであればよい。環状分子の連結原子数に対して、末端基の分子量>連結原子数×3という関係で末端基の分子量を設定することができる。末端基の分子量>連結原子数×5が好ましく、末端基の分子量>連結原子数×8がさらに好ましい。上限としては、末端基の分子量<連結原子数×100が実際的である。連結原子数とは環を構成する連結に関与する原子の数であり、化合物A−1は30、A−4は21、A−5も21、A−12は28である。
バインダーの線状分子の両末端に置換基を導入する場合、環状分子が線状分子から抜け落ちることを防ぐためかさ高いものが好ましい。末端基は、環状分子の開口部の大きさにより異なり環状分子が抜けない程度の大きさの置換基が適宜選択されることが好ましい。具体的には、フェニル基含有基、シクロデキストリン構造含有基、アダマンタン構造含有基が挙げられる。なかでも、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、2,4,6−トリニトロフェニル基などのニトロフェニル基類;トリフェニルメチル基(トリチル基)、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−tertブチルフェニル基、アダマンチル基、ピレン基、ナフタレン基、フルオレセイン基、シクロデキストリン基などを含む基が挙げられる。
線状分子の末端をかさ高い置換基で置換する方法は特に限定されない。例えば、線状分子としてポリエチレングリコールの両末端にアミノ基を有するポリマーを用い、両末端のアミノ基を2,4−ジニトロフェニルフルオライドと反応させることにより、上記かさ高い封鎖基としての2,4−ジニトロフェニル基で末端を置換することができる。また、上記の2,4−ジニトロフェニルフルオライドの代わりに、トリチルブロマイド、2,4,6−トリニトロフェニルフルオライド、3,5−ジメチル安息香酸クロライド、3,5−tertブチル安息香酸クロライド、1−フロオロピレン等を使用すれば、それぞれトリチル基、2,4,6−トリニトロフェニル基、ピレン基で末端を置換することができる。
また線状分子としてポリエチレングリコールの両末端にカルボキシル基を有するポリマーを用い、両末端のカルボン酸基にアダマンチルアミン、シクロデキストリンを反応させることでそれぞれアダマンチル基、シクロデキストリンを導入することができる。
環状分子に線状分子を串刺し状に包接させる方法は特に限定はなく、公知の方法が適用できる。環状分子としてα−、β−またはγ−シクロデキストリンを用い、線状分子としてポリエーテル類を用いる場合は、両成分を水性媒体中で攪拌・混合して、反応させることで得られる。特に線状分子としてポリプロピレングリコールを用いる場合は、これが分散状態であることがあるので、超音波攪拌するのが好ましい。
バインダーにおける線状分子と環状分子の割合は、上記線状分子が複数の単量体を有する高分子化合物であるとき、(線状分子を構成する単量体単位のモル数):(環状分子の数)の比で、好ましくは100:0.1〜100:70、より好ましくは100:0.5〜100:50、特に好ましくは100:1〜100:40である。線状分子と環状分子の割合は、1H−および13C−NMRスペクトル、光吸収、元素分析などにより測定できる。
ポリロタキサン化合物については公知の文献を適宜参照して本発明に適用することができる。例えばポリロタキサンの製造方法についてはWO08/108411、無溶媒でのポリロタキサンの製造方法についてはWO10/024431、光架橋性ポリロタキサンについてはWO11/105532、ポリロタキサンのポリマー電解質についてはWO06−090819、特開2003−257236、特開2004−327271などを参照することができる。
・反応性基(官能基)
上記環状分子または線状分子は反応性基を有することが好ましく、なかでも環状分子が反応性基を有することが好ましい。反応性基は加熱等の処理を施すことにより、ポリロタキサン化合物を連結し架橋する作用を有することが好ましい。このとき、上述のように環状分子同士が連結して架橋することが好ましい。反応性基はヘテロ原子を有する連結基(O、S、CO、NR等)や前記のLを介在して線状分子や環状分子に導入されていてもよい。
反応性基は、ヘテロ原子(B、O、S、N、P等)または不飽和結合を有する置換基または連結基であることが好ましい。なかでも、下記反応性置換基(A)および下記反応性連結基(B)の少なくともいずれか1つを有することが好ましい。
反応性置換基[官能基](A)
アミノ基(NR )、チオール基(スルフィド基)(SH)、テトラヒドロフリル基、オキセタン基、エポキシ基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシル基、アルケニル基含有基(ビニル基、アリル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ等)
反応性連結基[官能基](B)
イミノ基(NR)、アルケニレン基含有基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2または3が特に好ましい)
なかでも、反応性基は、ヒドロキシル基、アルケニル基含有基(ビニル基、アリル基)、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基、チオール基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基が好ましい。なお本明細書において、アクリルもしくはアクリロイルと称するときには、α位の炭素に所定の置換基を有していてもよい意味である。たとえば、α位にR81の基を有するものを含む意味である。例えば、メタアクリロイル基、メタアクリロイルオキシ基が含まれる。
反応性基は、さらに、チオール基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルケニル基含有基が好ましく、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基が特に好ましい。
反応性基の好ましいものを下記に例示するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
Figure 2015191866
反応性基導入の条件も公知の方法を採用できる。
例えば、環状分子としてα−シクロデキストリンを用い、線状分子として両末端が置換されたポリエチレングリコールを用いた包接化合物に反応性基を新たに導入する場合は包接化合物をジメチルスルホキシドに溶解させ、この溶液に2−イソシアナトエチルメタクリレート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)を加え、反応させることで反応性基M−4を導入することができる。同様の方法で2−イソシアナトエチルメタクリレートの代わりに2−イソシアナトエチルアクリレートを用いることでM−3を導入することができる。DMF中でメタクリル酸クロリドやアクリル酸クロリドを反応させることでM−1、M−2を導入することができる。エタノール・水中で3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランを反応させることでM−6を導入することができる。同様の方法でM−7〜M−11を導入することが出来る。ジメチルスルホキシド中で無水コハク酸を反応させることでM−12を導入することが出来る。
環状分子としてクラウンエーテルを用いる場合はヒドロキシル基を導入したクラウンエーテル誘導体をジメチルスルホキシドに溶解させ、この溶液に2−イソシアナトエチルメタクリレート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)を加え、反応させることで反応性基M−4を導入することができる。その他の環状分子についても同様にヒドロキシル基を導入後に2−イソシアナトエチルメタクリレート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)を加え、反応させることで反応性基M−4を導入することができる。
本発明の固体電解質組成物にはラジカル重合開始剤を含有させることが好ましい。
ラジカル重合開始剤は上記の反応性基を反応させる目的で添加されることが好ましい。
ラジカル重合開始剤は常用されているものを採用すればよいが熱によって開裂して開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びm−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン及び2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びジブチルペルオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート及び1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサンなどのパーオキシカーボネート類;1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン及び(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
アゾ系(AIBN等)の重合開始剤として使用するアゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等が挙げられる(特開2010−189471など参照)。あるいは、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピネート)(商品名 V−601、和光純薬社製)なども好適に用いられる。
ラジカル重合開始剤として、上記の熱ラジカル重合開始剤の他に、光、電子線又は放射線で開始ラジカルを生成するラジカル重合開始剤を用いることができる。
このようなラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔IRGACURE651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔IRGACURE184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔DAROCUR1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔IRGACURE2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン〔IRGACURE127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モノホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔IRGACURE379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〔DAROCUR TPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〔IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム〔IRGACURE784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]〔IRGACURE OXE 01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)〔IRGACURE OXE 02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕などを挙げることができる。
ラジカル重合開始剤の量は特に限定されないが、組成物中で0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
ラジカル重合開始剤は一種で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリロタキサン化合物の架橋物は、上記のポリロタキサン化合物中の環状分子を架橋点として架橋して得られるものが好ましい。架橋形態は特に限定されず、反応性基(官能基)同士が反応して架橋してもよく、反応性基とその他の反応性基が反応してもよく、反応性基と架橋剤が反応して架橋しても良い。架橋剤としては公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリメシン酸クロリド、テレフタル酸クロリドなどの多官能カルボン酸クロライド類、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、塩化シアヌルなどの反応性ハロゲン原子を有する分子、グルタールアルデヒドなどの多官能アルデヒド類、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの多官能イソシアネート類、1,1’−カルボニルジイミダゾール多官能イミダゾール類、ジビニルスルホン、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能ビニル類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシラン類などを挙げることができる。
架橋反応の条件も公知の方法を採用できる。例えば、環状分子としてα−シクロデキストリンを用い、反応性基としてM−4を用い、線状分子として両末端が置換されたポリエチレングリコールを用いた包接化合物を架橋する場合は、包接化合物をジメチルホルムアミドに溶解させ、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピネート)を加え80℃で加熱して反応させることで架橋反応を行うことができる。同様にM−1〜M−3、M−8〜M−10についても架橋反応を行うことができる。またさらにトリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの架橋剤を加えても同様に架橋反応させることができる。
環状分子としてα−シクロデキストリンを用い、反応性基としてM−6を用い、線状分子として両末端が置換されたポリエチレングリコールを用いた包接化合物を架橋する場合は、包接化合物をジメチルホルムアミドに溶解させ、トリエチレングリコールジビニルエーテルなどの多官能ビニル化合物を加え、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピネート)を加え80℃で加熱して反応させることで架橋反応を行うことができる。
環状分子としてα−シクロデキストリンを用い、線状分子として両末端が置換されたポリエチレングリコールを用いた包接化合物を架橋する場合は、包接化合物をアルカリ水溶液に溶解し、この水溶液にエピクロルヒドリンまたは塩化シアヌルを添加し、室温で攪拌することにより、架橋反応を行うことができる。また、溶媒としてジメチルスルホキシドを用い、架橋剤として1,1’−カルボニルジイミダゾールまたはトリレンジイソシアネートを用いても、同様に架橋反応を行うことができる。
本明細書において架橋構造というときには前記反応性置換基が反応して形成された連結構造部を意味する。架橋構造は多様であり、前記のように反応性基同士が反応して架橋してもよく、反応性基とその他の反応性基が反応してもよく、反応性基と架橋剤が反応して架橋しても良い。架橋構造を構成する原子は、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、水素原子等が挙げられる。架橋構造をなす原子の原子数は1〜2000が好ましく、1〜1000がより好ましい。
バインダーの架橋は任意の方法で行うことができるが、加熱する方法、光を照射する方法、架橋促進剤を添加する方法等が挙げられる。加熱による場合には、60℃以上で加熱することが好ましく、80℃以上で加熱することがより好ましい。上限は200℃以下が実際的であり、150℃以下がより実際的である。加熱時間は1分以上であることが好ましく、3分以上であることがより好ましく、5分以上であることが特に好ましい。上限は24時間以下であることが実際的である。
バインダーの配合量は、上記無機固体電解質(活物質を用いる場合はこれを含む)100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが特に好ましい。上限としては、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
固体電解質組成物に対しては、その固形分中、バインダーが0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。バインダーを上記の範囲で用いることにより、一層効果的に無機固体電解質の固着性と界面抵抗の抑制性とを両立して実現することができる。
バインダーは一種を単独で用いても、複数の種類のものを組み合わせて用いてもよい。また、他の粒子と組み合わせて用いてもよい。
本発明においてバインダーは、粒子形状であってもよい。粒子の平均粒径は1,000nm以下が好ましく、750nm以下がより好ましく、500nm以下がさらに好ましく、300nm以下がさらに好ましく、200nm以下が特に好ましい。下限値は10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上がさらに好ましく、50nm以上が特に好ましい。
無機固体電解質が粒子状であるときには、無機固体電解質の平均粒径より、上記バインダーの粒径が小さいことが好ましい。
なお、作成された全固体二次電池からの測定は、例えば、電池を分解し電極を剥がした後、その電極材料について後述のバインダーの粒径測定の方法に準じてその測定を行い、あらかじめ測定していたバインダー以外の粒子の粒径の測定値を排除することにより行うことができる。
なお、本明細書において化合物の表示(例えば、化合物と末尾に付して呼ぶとき)については、上記化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、置換基を導入するなど一部を変化させた誘導体を含む意味である。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ホスホン酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。このとき、アルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基はヘテロ原子を含む基(例えば、O、S、CO、NR等)を介在していても、これを伴って環構造を形成していてもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
(電解質塩[支持電解質])
本発明に係る固体電解質組成物には、電解質塩(支持電解質)を含有さてもよい。電解質塩としてはリチウム塩が好ましい。リチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)が好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf、Rfはそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
リチウム塩の含有量は、無機固体電解質100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。上限としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
なお、電解液に用いる電解質は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
(分散媒体)
本発明に係る固体電解質組成物においては、上記の各成分を分散させる分散媒体を用いてもよい。全固体二次電池を作製する際、固体電解質組成物を均一に塗布して製膜する観点から、固体電解質組成物に分散媒体を加えてペースト状にすることが好ましい。全固体二次電池の固体電解質層を形成する際には、分散媒体は乾燥によって除去される。
分散媒体としては、例えば、水溶性または非水溶性の有機溶媒が挙げられる。具体例としては、下記のものが挙げられる。
・アルコール化合物溶媒
メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなど
・エーテル化合物溶媒(水酸基含有エーテル化合物を含む)
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)など
・アミド化合物溶媒
N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなど
・ケトン化合物溶媒
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
・芳香族化合物溶媒
ベンゼン、トルエンなど
・脂肪族化合物溶媒
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタンなど
・ニトリル化合物溶媒
アセトニトリル
本発明においては、なかでも、エーテル化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒を用いることが好ましい。分散媒体は常圧(1気圧)での沸点が50℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。上限は220℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがさらに好ましい。上記分散媒体は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、固体電解質組成物における分散媒体の量は、固体電解質組成物の粘度と乾燥負荷とのバランスで任意の量とすることが出来る。一般的に、固体電解質組成物中、20〜99質量%であることが好ましい。
(正極活物質)
固体電解質組成物には正極活物質を含有させて、正極活物質層を形成する組成物としてもよい。それにより、正極材料用の組成物とすることができる。正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、中でも、遷移元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。この、遷移金属酸化物として例えば、下記式(MA)〜(MC)のいずれかで表されるものを含む特定遷移金属酸化物、あるいはその他の遷移金属酸化物としてV、MnO等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活物質を用いてもよい。具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、上記特定遷移金属酸化物を用いるのが好ましい。
遷移金属酸化物としては、上記遷移元素Mを含む酸化物等が好適に挙げられる。このとき混合元素M(好ましくはAl)などを混合してもよい。混合量としては、遷移金属の量に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Mのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
〔式(MA)で表される遷移金属酸化物(層状岩塩型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下式で表されるものが好ましい。
Li ・・・ (MA)
式中、Mは上記Maと同義である。aは0〜1.2(0.2〜1.2が好ましい)を表し、0.6〜1.1であることが好ましい。bは1〜3を表し、2であることが好ましい。Mの一部は上記混合元素Mで置換されていてもよい。上記式(MA)で表される遷移金属酸化物は典型的には層状岩塩型構造を有する。
本遷移金属酸化物は下記の各式で表されるものであることがより好ましい。
(MA−1) LiCoO
(MA−2) LiNiO
(MA−3) LiMnO
(MA−4) LiCoNi1−j
(MA−5) LiNiMn1−j
(MA−6) LiCoNiAl1−j−i
(MA−7) LiCoNiMn1−j−i
ここでgは上記aと同義である。jは0.1〜0.9を表す。iは0〜1を表す。ただし、1−j−iは0以上になる。kは上記bと同義である。上記遷移金属化合物の具体例を示すと、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.01Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)である。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、一部重複するが、表記を変えて示すと、下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(i)LiNiMnCo(x>0.2,y>0.2,z≧0,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
LiNi1/2Mn1/2
(ii)LiNiCoAl(x>0.7,y>0.1,0.1>z≧0.05,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
〔式(MB)で表される遷移金属酸化物(スピネル型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下記式(MB)で表されるものも好ましい。
Li ・・・ (MB)
式中、Mは上記Maと同義である。cは0〜2(0.2〜2が好ましい)を表し、0.6〜1.5であることが好ましい。dは3〜5を表し、4であることが好ましい。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は下記の各式で表されるものであることがより好ましい。
(MB−1) LiMn
(MB−2) LiMnAl2−p
(MB−3) LiMnNi2−p
mはcと同義である。nはdと同義である。pは0〜2を表す。上記遷移金属化合物の具体例を示すと、LiMn、LiMn1.5Ni0.5である。
式(MB)で表される遷移金属酸化物はさらに下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(a) LiCoMnO
(b) LiFeMn
(c) LiCuMn
(d) LiCrMn
(e) LiNiMn
高容量、高出力の観点で上記のうちNiを含む電極が更に好ましい。
〔式(MC)で表される遷移金属酸化物〕
リチウム含有遷移金属酸化物としてはリチウム含有遷移金属リン酸化物を用いることも好ましく、中でも下記式(MC)で表されるものも好ましい。
Li(PO ・・・ (MC)
式中、eは0〜2(0.2〜2が好ましい)を表し、0.5〜1.5であることが好ましい。fは1〜5を表し、0.5〜2であることが好ましい。
上記MはV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択される一種以上の元素を表す。上記Mは、上記の混合元素Mのほか、Ti、Cr、Zn、Zr、Nb等の他の金属で置換していてもよい。具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
なお、Liの組成を表す上記a,c,g,m,e値は、充放電により変化する値であり、典型的には、Liを含有したときの安定な状態の値で評価される。上記式(a)〜(e)では特定値としてLiの組成を示しているが、これも同様に電池の動作により変化するものである。
正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。正極活物質を所定の粒子サイズにするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
正極活物質の濃度は特に限定されないが、固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、20〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。
上記正極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(負極活物質)
固体電解質組成物には負極活物質を含有させて、負極活物質層の形成用組成物としてもよい。それにより、負極材料用の組成物とすることができる。負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が信頼性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
負極活物質として適用される金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
上記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
負極活物質の平均粒子サイズは、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
上記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
負極活物質はチタン原子を含有することが好ましい。より具体的にはLiTi12がリチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、電極の劣化が抑制されリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる点で好ましい。特定の負極と更に特定の電解液を組合せることにより、様々な使用条件においても二次電池の安定性が向上する。
負極活物質の濃度は特に限定されないが、固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。
なお、上記の実施形態では、固体電解質組成物に正極活物質ないし負極活物質を含有させる例を考慮して示したが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。例えば、上記バインダーを含まない組成物として正極活物質ないし負極活物質を含むペーストを調製してもよい。また、正極および負極の活物質層には、適宜必要に応じて導電助剤を含有させてもよい。一般的な電子伝導性材料として、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの炭素繊維や金属粉、金属繊維、ポリフェニレン誘導体などを含ませることができる。
上記負極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<集電体(金属箔)>
正・負極の集電体としては、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられることが好ましい。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
上記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。上記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
<全固体二次電池の作製>
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、上記固体電解質組成物を集電体となる金属箔上に塗布し、塗膜を形成した電池用電極シートとする方法が挙げられる。例えば、正極集電体である金属箔上に正極材料となる組成物を塗布後、乾燥し、正極層を形成する。次いでその電池用正極シート上に、固体電解質組成物を塗布後、乾燥し、固体電解質層を形成する。さらに、その上に、負極材料となる組成物を塗布後、乾燥し、負極層を形成する。その上に、負極側の集電体(金属箔)を重ねることで、正極層と負極層の間に、固体電解質層が挟まれた全固体二次電池の構造を得ることができる。なお、上記の各組成物の塗布方法は常法によればよい。このとき、正極活物質層をなす組成物、無機固体電解質層をなす組成物(固体電解質組成物)、及び負極活物質層をなす組成物のそれぞれの塗布の後に、乾燥処理を施しても良いし、重層塗布した後に乾燥処理をしても良い。乾燥温度は特に限定されないが、30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、分散媒体を除去し、固体状態とさせることができる。これにより、全固体二次電池において、良好な結着性と非加圧でのイオン伝導性を得ることができる。
<全固体二次電池の用途>
本発明に係る全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様は特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
なかでも、高容量且つ高レート放電特性が要求されるアプリケーションに適用されることが好ましい。例えば、今後大容量化が予想される蓄電設備等においては高い信頼性が必須となりさらに電池性能の両立が要求される。また、電気自動車などは高容量の二次電池を搭載し、家庭で日々充電が行われる用途が想定され、過充電時に対して一層の信頼性が求められる。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下のような各応用形態が導かれる。
・周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な活物質を含んでいる固体電解質組成物(正極または負極の電極用組成物)。
・上記固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
・正極活物質層と負極活物質層と無機固体電解質層とを具備する全固体二次電池であって、上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかを上記固体電解質組成物で構成した層とした全固体二次電池。
・上記固体電解質組成物を金属箔上に配置し、これを製膜する電池用電極シートの製造方法。
・上記電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、上記のLLTやLLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に高分子化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質粒子のバインダーとして高分子化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがあるが、上記のイオン輸送材料としての電解質と区別するときにはこれを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては例えばLiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド)が挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
以下に本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。なお、配合量や濃度の表示において部、%としたときには、特に断らない限り、質量基準によるものとする。
ポリロタキサン合成例・・・B−1
水300g中に重量平均分子量20000のポリエチレングリコールビスアミン10g(特表2009−507943に従って合成)とα−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)35gを加え、80℃に加熱し溶解させた。その溶液を2時間攪拌した後5℃に冷却し8時間静置した。生成した沈殿を乾燥し、2,4−ジニトロフルオロベンゼン(和光純薬工業株式会社製)25gとジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社製)100gの溶液に加えて室温で12時間攪拌した。その反応物にジメチルスルホキシド(DMSO)500gを加え溶解した後、濃度0.1%の食塩水10kgに注いで生成物を析出させ、分取した。析出物を水とメタノールで各5回ずつ洗浄後、50℃で8時間真空乾燥した。このようにして、ポリエチレングリコールビスアミンにα−シクロデキストリンが貫通され、かつ両末端アミノ基に2,4−ジニトロフェニル基が結合したポリロタキサン化合物30gを得た。H−NMRから算出した包接化合物の組成比はエチレンオキシド単位のモル数:α―シクロデキストリン分子のモル数の比で100:17であった(表1の反応性基M−13は、シクロデキストリンの水酸基である)。
官能基導入例(M−4アルケニル基含有基)・・・B−2
上記で得られたポリロタキサン5g、2−イソシアナトエチルメタクリレート3g(和光純薬工業株式会社製)、ビスマストリス(2−エチルへキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU−600)0.03gをジメチルスルホキシド30gに溶解させ、60℃に加熱し3時間攪拌した。得られた溶液を濃度0.1%の食塩水500gに注いで生成物を析出させ、分取することでM−4が環状分子に導入されたポリロタキサンを得た。
官能基導入例(M−6チオール基)・・・B−3
上記で得られたポリロタキサン5gを水3g、エタノール27gの混合溶液に加え、さらに3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)3g加え、50℃で1時間攪拌した。析出物を分取することでM−6が環状分子に導入されたポリロタキサンを得た。同様の方法でM−7も導入することができる。
官能基導入例(M−12カルボン酸基)・・・B−4
上記で得られたポリロタキサン5gをジメチルスルホキシド30gに溶解させ、トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)1.1g、無水コハク酸(和光純薬工業株式会社製)2.3gを加えて40℃で5時間攪拌した。得られた溶液を濃度0.1%の食塩水500gに注いで生成物を析出させ、分取することでM−12が環状分子に導入されたポリロタキサンを得た。
その他のバインダー(ポリロタキサン化合物)についても、上記の合成法を参考に、同様にして調製した。
(固体電解質組成物の調製例)
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、無機固体電解質LLT(豊島製作所製)9.7g、バインダーB−1を0.3g(固形分重量)、分散媒として、N−メチルピロリドン15.0gを投入した後に、フリッチュ社製遊星ボールミルに容器をセットし、回転数300rpmで2時間混合を続け、固体電解質組成物S−1を得た。
(二次電池正極用組成物の調製例)
プラネタリーミキサー(TKハイビスミックス、PRIMIX社製)に、下表記載の正極活物質100部(平均粒径 10μm)、アセチレンブラック5部、上記により得られた固体電解質組成物S−1 75部、N−メチルピロリドン270部を加え、40rpmで一時間撹拌をおこなった。
(二次電池負極用組成物の調製例)
プラネタリーミキサー(TKハイビスミックス、PRIMIX社製)に、下表記載の負極活物質100部(平均粒径 6μm)、アセチレンブラック5部、上記で得られた固体電解質組成物S−1 75部、N−メチルピロリドン270部を加え、40rpmで一時間撹拌をおこなった。
(二次電池用正極の作製例)
上記で得られた二次電池正極用組成物を厚み20μmのアルミ箔上に、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃で2時間乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用正極を得た。
(二次電池用電極シートの作製例)
上記で得られた二次電池用正極上に、上記で得られた固体電解質組成物を、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃ 2時間加熱し、乾燥させた。
その後、上記で得られた二次電池負極用組成物をさらに塗布し、80℃ 2時間加熱し、乾燥させた。負極層上に厚み20μmの銅箔を合わせ、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用電極シートを得た。
(複合固体電解質シートの作製例)
上記により得られた固体電解質組成物S−1を厚み20μmのアルミ箔上に、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃で2時間乾燥させた。その後、厚み20μmの銅箔を合わせ、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、複合固体電解質シートを得た。
<分子量の測定>
本発明においてポリマーの分子量については、特に断らない限り、重量平均分子量をいい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を計測する。測定方法としては、下記条件1の方法により測定した値とする。ただし、ポリマー種によっては適宜適切な溶離液を選定して用いればよい。
(条件1)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−Hをつなげる
キャリア:10mMLiBr/N−メチルピロリドン
<結着性の評価>
二次電池用電極シート作製工程において、負極用組成物を塗布する前の状態(固体電解質組成物を乾燥させた状態)の電極シートを用いて結着性の評価を行った。硬化させた固体電解質組成物表面に粘着テープ(セロハンテープ(「CT24」,ニチバン(株)製))を貼り、一定速度で引き剥がした際に、剥離した面積を目視で確認した。剥離しなかった部分の面積の比率を下記のように評価した。
5: 0%
4: 0%超5%未満
3: 5%以上20%未満
2: 20%以上50%未満
1: 50%以上
<折り曲げ耐久性の評価>
電極シート(複合固体電解質シート、二次電池用電極)を4cm角に打ち抜き、太さの異なるSUS棒に巻きつけ、電極シートから各組成物がはがれる際の棒の半径で評価した。
5: はがれず
4: 0mm以上2mm未満
3: 2mm以上5mm未満
2: 5mm以上30mm未満
1: 50mm以上
<イオン伝導度の測定>
上記で得られた電極シート(複合固体電解質シート、二次電池用電極シート)を直径14.5mmの円板状に切り出し、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケースに入れてコイン電池を作製した。コイン電池の外部より、電極間に圧力をかけることができるジグに挟み、各種電気化学的測定に用いた。電極間の圧力は500kgf/cmとした。
上記で得られたコイン電池を用いて、30℃の恒温槽中、交流インピーダンス法により求めた。このとき、電池の加圧には図3に示した試験体を用いた。11が上部支持板、12が下部支持板、13がコイン電池、14がコインケース、15が電極シート(固体電解質シートまたは二次電池電極シート)、Sがネジである。
固体電解質シートの電極結着性、加圧および非加圧状態でのイオン伝導度の測定結果を表3に示す。このとき加圧状態での測定とは、コイン電池を前記ジグで挟んだ状態で測定した場合であり、非加圧状態での測定は、コイン電池をそのまま測定したことを表す。
Figure 2015191866
導入量:環状分子の導入量・・・線状分子のモノマー単位のモル数を100としたときの環状分子のモル数
末端基は2,4−ジニトロフェニル基とした。
分子量は上記GPC測定により求め1000以下の値は四捨五入した。
Figure 2015191866
<表の注釈>
表中数字は質量比(%)
化合物の番号は上記例示化合物の例示を参照
LLT :Li0.33La0.55TiO
LLZ :LiLaZr2O12
NMP :N−メチルピロリドン
PA :下記の合成方法で得たポリマー粒子
オートクレーブに、アクリル酸n−ブチル700部、スチレン200部、メタクリル酸5部、ジビニルベンゼン10部、乳化剤としてのポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王社製、エマルゲン108、非イオン性界面活性剤、アルキル基の炭素数12、HLB値12.1)25部、イオン交換水1500部、重合開始剤としてのアゾビスブチロニトリル15部を仕込み、十分攪拌した。その後、80℃に加温して重合を行なった。そして、重合開始後、冷却して重合反応を停止することで、ポリマー粒子のラテックスを得た。
HBR:下記の合成方法で得たポリマー
オートクレーブにシクロヘキサン30部、ブタジエン10部を加え、n−ブチルリチウム14%テトラヒドロフラン溶液を30部加える。70℃に昇温し、転化率が100%になったところでさらにブタジエン30部、テトラヒドロフラン120部を加え、70℃で反応を行う。転化率が100%になった時点でジクロロシラン20%テトラヒドロフラン溶液を30部加え、20分間反応させることでトリブロック重合体を得た。その後、反応液を70℃にし、n−ブチルリチウム3部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3部とビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド1部およびジエチルアルミニウムクロライド2部を加え、水素圧10kg/cm で1時間反応させ、留去し、乾燥させることでブロックポリマーを得た。
Figure 2015191866
<表の注釈>
化合物の番号は上記例示化合物の例示を参照
TDI :トリレンジイソシアナート
V−601 :ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)
TEGDV :トリエチレングリコールジビニルエーテル
TAC :テレフタル酸クロライド
ECH :エピクロロヒドリン
添加量:添加剤の添加量・・・バインダー重量を100としたときの質量%
Figure 2015191866
<表の注釈>
LMO:LiMn マンガン酸リチウム
LTO:LiTi12 チタン酸リチウム
(商品名「エナマイトLT−106」、石原産業株式会社製)
LCO:LiCoO コバルト酸リチウム
NMC:Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O
ニッケル、マンガン、コバルト酸リチウム
黒鉛:日本黒鉛工業製の球状化黒鉛粉末
添加量:添加剤の添加量・・・バインダー重量を100としたときの質量%
上記の試験102で使用したポリロタキサン化合物B−1に代え、下記の化合物を合成して使用した。その結果、折り曲げ耐久性、結着性、イオン伝導度ともに、c11〜c13よりも良好な性能が得られることを確認した。
Figure 2015191866
導入量:環状分子の導入量・・・線状分子のモノマー単位のモル数を100としたときの環状分子のモル数
分子量は上記GPC測定により求め1000以下の値は四捨五入した。
末端基:2,4−ジニトロフェニル基
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 無機固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池

Claims (30)

  1. 正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池であって、上記正極活物質層、負極活物質層、および固体電解質層の少なくともいずれかが周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質とバインダーとを含み、上記バインダーが環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物を含む全固体二次電池。
  2. 上記環状分子がシクロデキストリンまたはその誘導体である請求項1に記載の全固体二次電池。
  3. 上記線状分子がポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリウレア、ヘテロ環を主鎖に有するポリマー、又はポリエン構造を含む化合物である請求項1または2に記載の全固体二次電池。
  4. 上記線状分子の分子量が10,000以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  5. 上記環状分子または線状分子が下記反応性置換基(A)および下記反応性連結基(B)の少なくともいずれか1つ又はその反応性置換基もしくは反応性連結基を介した架橋構造を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    反応性置換基(A)
    アミノ基、チオール基、テトラヒドロフリル基、オキセタン基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、 アルケニル基含有基
    反応性連結基(B)
    イミノ基、アルケニレン基含有基
  6. 上記線状分子の末端にかさ高い置換基を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  7. 上記環状分子が下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される構造を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    Figure 2015191866
    は先の連結基である。
    Arは環状構造基である。
    A1〜RA4は水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基である。
    環αはXA1を一つ以上含む環状構造基あり、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、カルボニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基またはこれらの組み合わせで環構造を形成している。
    A1、XA2はそれぞれ独立にヘテロ原子含有連結基を表す。
  8. 上記環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物において、上記線状分子が複数の単量体を有する高分子化合物であり、線状分子と環状分子の割合が、線状分子を構成する単量体単位のモル数:環状分子の数の比で、100:0.1〜100:70である請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  9. 上記線状分子が下記式(1−1)〜(1−5)のいずれかで表される構造を含む化合物である請求項1〜8のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    Figure 2015191866
    はアルキレン基またはアルケニレン基である。Lは、連結基である。R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。R41、R42、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。分子内に複数あるL、L、R31、R32、R41、R42、R51、R52は互いに同じでも異なっていてもよい。
  10. 上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである請求項5〜9のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    官能基
    チオール基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルケニル基含有基
  11. 上記バインダーを上記固体電解質100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下で含有させた請求項1〜10のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  12. 上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである請求項5〜11のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    官能基
    カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基
  13. 上記無機固体電解質が酸化物系の無機固体電解質である請求項1〜12のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  14. 上記無機固体電解質が下記式の化合物から選ばれる請求項13に記載の全固体二次電池。
    ・LiLaTiO
    x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7
    ・LiLaZr12
    ・Li3.5Zn0.25GeO
    ・LiTi12
    ・Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)−xSi−yO12
    0≦x≦1、0≦y≦1
    ・LiPO
    ・LiPON
    ・LiPOD
    Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
    Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAu
    から選ばれた少なくとも1種
    ・LiAON
    Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた
    少なくとも1種
  15. 全固体二次電池用の固体電解質組成物であって、周期律表第一族または第二族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質と環状分子に線状分子が貫通した構造を有する化合物を含むバインダーを含む固体電解質組成物。
  16. さらに分散媒体を含有する請求項15に記載の固体電解質組成物。
  17. 上記分散媒体が、アルコール化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒、およびニトリル化合物溶媒から選ばれる請求項16に記載の固体電解質組成物。
  18. さらにラジカル重合開始剤および/または架橋剤を含む請求項15〜17のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  19. 上記バインダーを上記固体電解質100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下で含有させた請求項15〜18のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  20. 上記環状分子がシクロデキストリンまたはその誘導体である請求項15〜19のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  21. 上記線状分子がポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリウレア、ヘテロ環を主鎖に有するポリマー又はポリエン構造を含む化合物である請求項15〜20のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  22. 上記環状分子または線状分子が下記反応性置換基(A)および下記反応性連結基(B)の少なくともいずれか1つ又はその反応性置換基を介した架橋構造を有する請求項15〜21のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
    反応性置換基(A)
    アミノ基、チオール基、テトラヒドロフリル基、オキセタン基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸、アルケニル基含有基
    反応性連結基(B)
    イミノ基、アルケニレン基含有基
  23. 上記線状分子の末端にかさ高い置換基を有する請求項15〜22のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  24. 上記線状分子が下記式(1−1)〜(1−5)のいずれかで表される構造を含む化合物である請求項15〜23のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
    Figure 2015191866
    はアルキレン基またはアルケニレン基である。Lは、連結基である。R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。R41、R42、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。分子内に複数あるL、L、R31、R32、R41、R42、R51、R52は互いに同じでも異なっていてもよい。
  25. 上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである請求項24に記載の固体電解質組成物。
    官能基
    チオール基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルケニル基含有基
  26. 上記反応性置換基(A)が下記官能基の少なくともいずれか1つである請求項25に記載の固体電解質組成物。
    官能基
    カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基
  27. 請求項15〜26のいずれか1項に記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
  28. 請求項15〜27のいずれか1項に記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜する電池用電極シートの製造方法。
  29. 上記製膜した固体電解質組成物を80℃以上で加熱する請求項28に記載の電池用電極シートの製造方法。
  30. 請求項28または請求項29に記載の電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
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