JP2015190675A - 冷凍空調装置および吸入乾き度推定方法 - Google Patents

冷凍空調装置および吸入乾き度推定方法 Download PDF

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和広 遠藤
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勉 井本
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亮一 高藤
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Abstract

【課題】圧縮機の吸入乾き度を高精度に推定することができる冷凍空調装置および吸入乾き度推定方法を提供する。【解決手段】空気調和機は、制御装置の演算手段が、圧縮機の吐出温度と、凝縮器の凝縮温度と、蒸発器の蒸発温度と、冷媒の流量と、圧縮機の消費電力とを検知し、検知した吐出温度、凝縮温度、蒸発温度、冷媒流量、圧縮機消費電力に基づいて圧縮機効率ηcを算出する。そして、演算手段は、算出した圧縮機効率ηcに基づいて圧縮機の吸入乾き度Xsを推定する。【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍空調装置および冷凍空調装置などの圧縮機の冷媒の吸入乾き度推定方法に関する。
特許文献1には、圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と凝縮器での凝縮温度と蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段にて推定された圧縮機の冷媒の吸入乾き度(以下、単に吸入乾き度という)に基づいて前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備える冷凍空調装置が記載されている。
特開2001−221526号公報
特許文献1記載の冷凍空調装置では、凝縮温度、蒸発温度が同じであり、かつ圧縮機の出入口圧力が同じである場合、吸入乾き度が異なっても圧縮機の効率はほぼ同一あると仮定して、吸入乾き度を推定している。しかしながら、吸入乾き度が異なると、実際には圧縮機効率も変化するため、吸入乾き度を高精度に推定するのは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、圧縮機の吸入乾き度を高精度に推定することができる冷凍空調装置および吸入乾き度推定方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍空調装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷凍サイクルを備え、前記圧縮機の吐出温度と、前記凝縮器の凝縮温度と、前記蒸発器の蒸発温度と、冷媒の流量と、前記圧縮機の圧縮機消費電力とを検知し、前記吐出温度、前記凝縮温度、前記蒸発温度、前記冷媒の流量、前記圧縮機消費電力に基づいて前記圧縮機の吸入乾き度を推定することを特徴とする。
また、本発明の吸入乾き度推定方法は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷凍サイクルを有し、前記圧縮機の吐出温度と、前記凝縮器の凝縮温度と、前記蒸発器の蒸発温度と、冷媒の流量と、前記圧縮機の圧縮機消費電力とを検知する工程と、前記吐出温度、前記凝縮温度、前記蒸発温度、前記冷媒の流量、前記圧縮機消費電力に基づいて前記圧縮機効率を算出する工程と、前記圧縮機効率に基づいて前記圧縮機の吸入乾き度を推定する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機の吸入乾き度を高精度に推定することができる冷凍空調装置および吸入乾き度推定方法を提供する。
本発明の第1実施形態に係る空気調和機の冷媒回路を示す系統図である。 上記第1実施形態に係る空気調和機の圧縮機の吸入及び吐出エンタルピの関係を示す圧力−エンタルピ線図(P−h線図)である。 上記第1実施形態に係る空気調和機の吸入乾き度を推定する演算方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る空気調和機の冷媒回路を示す系統図である。 吸入乾き度0.85時の圧縮機効率が吸入乾き度1時の圧縮機効率と同じと仮定した場合の推定吸入乾き度の実験結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(原理説明)
まず、本発明を導入するための技術的背景について説明する。
特許文献1記載の冷凍空調装置では、凝縮温度、蒸発温度が同じであり、かつ圧縮機の出入口圧力が同じである場合、吸入乾き度が異なっても圧縮機の効率はほぼ同一あるとして、吸入乾き度を推定している。しかしながら、発明者らの行った実験では、吸入乾き度が1から0.85に変化すると、圧縮機効率は約2割と大幅に低下することが判明した。これは、吸入乾き度が低下するほど、圧縮室内の液冷媒量が増加し、潤滑油に溶解する冷媒量が増加して粘度が低下するため、圧縮室のシール性が低下し、漏れ損失が増加するためであると考えられる。このため、圧縮機効率をほぼ一定として吸入乾き度を推定した場合、吸入乾き度を正しく推定することができない。
図5は、吸入乾き度0.85時の圧縮機効率が吸入乾き度1時の圧縮機効率と同じと仮定した場合の推定吸入乾き度の実験結果を示す図である。図5は、吸入乾き度0.85の時の圧縮機効率が実際の値と異なると仮定した場合の推定吸入乾き度を比率として表す。発明者らの行った実験では、吸入乾き度が1から0.85に変化すると、圧縮機効率は約2割(17%)減少と大幅に低下する。つまり、吸入乾き度0.85の圧縮機効率は、吸入乾き度1の圧縮機効率より17%低下する。このため、吸入乾き度0.85の圧縮機効率を吸入乾き度1の圧縮機効率と同じと仮定すると、吸入乾き度は実際より6%大きく見積もられる。すなわち、0.85×1.06=0.9となり、吸入乾き度を高精度に推定することができない。
本実施形態の吸入乾き度推定方法は、圧縮機の吐出温度と、圧縮機の吐出圧力と、圧縮機の吸入圧力と、冷媒の流量と、圧縮機の消費電力とを実際に検知(実測)する。そして、実際に検知した実測値である吐出温度、吐出圧力、吸入圧力、冷媒流量、および圧縮機消費電力から圧縮機効率を算出し、算出した圧縮機効率に基づいて圧縮機入口の吸入乾き度を推定する。特に、本実施形態の吸入乾き度推定方法は、圧縮機効率を一定とせず、実測値から圧縮機効率を算出し、圧縮機の実際の吸入状態を示す圧縮機入口における吸入乾き度を推定する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機S1(冷凍空調装置)の冷媒回路を示す系統図である。本実施形態は、空気調和機S1に冷媒:HFC32(R32)を用いる場合について説明する。
図1に示すように、空気調和機S1は、熱源側で室外(非空調空間)に設置される室外ユニットUoと、利用側で室内(空調空間)に設置される室内ユニットUiと、を備えている。
また、空気調和機S1の冷媒回路は、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器3と、膨張弁4と、室内熱交換器5と、が環状に配管aで接続されている。ちなみに、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、及び膨張弁4は室外ユニットUoに設置され、室内熱交換器5は室内ユニットUiに設置されている。
空気調和機S1は、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、膨張弁4および室内熱交換器5を環状に接続して冷房および暖房が可能な冷凍サイクルを構成している。
圧縮機1は、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒にして吐出する。圧縮機1の吸入側は、吸入管1aを介して容器本体に接続され、圧縮機1の吐出側は、吐出管1bを介して四方弁2に接続されている。なお、圧縮機1として、例えば、ロータリ式、スクロール式、レシプロ式の圧縮機を用いることができる。
四方弁2は、冷房運転と暖房運転とで室内熱交換器5を通流する冷媒の向きを切り替える。つまり、暖房運転時には、圧縮機1から吐出される高温高圧の冷媒が室内熱交換器5に流入するように切替手段(図示せず)が切り替わる(図1の実線矢印参照)。一方、冷房運転時には、膨張弁4から流入する低温低圧の冷媒が室内熱交換器5に流入するように切替手段(図示せず)が切り替わる(図1の破線矢印参照)。
室外熱交換器3は、室外ファン3fから送られてくる空気(室外空気)と冷媒との熱交換を行う。
膨張弁4は、冷媒を減圧する減圧装置として機能する。
室内熱交換器5は、室内ファン5fから送られてくる空気(室内空気)と冷媒との熱交換を行う。
室外熱交換器3の空気入口側には、室外温度センサ32が備えられ、室内熱交換器5の空気入口側には室内温度センサ33が備えられている。
また、圧縮機1の周りには、各センサが設けられる。すなわち、圧縮機1の吸入側配管1aには、圧縮機吸入圧力サンサ20が設けられる。圧縮機1の出口側配管1bには、圧縮機吐出圧力センサ21と、吐出温度センサ30と、冷媒質量流量センサ40と、が設けられる。圧縮機1の周囲温度は、圧縮機周囲温度センサ31により検知される。
また、圧縮機1は、インバータ電源装置10により電源供給される。インバータ電源装置10は、圧縮機消費電力演算手段10aを有し、圧縮機消費電力演算手段10aは、インバータ電源装置10に流れる電圧と電流から圧縮機1の消費電力を演算する。
上記各センサにより検知または演算された温度、圧力、流量、消費電力の信号は、制御装置50に入力される。制御装置50は、リモコン(図示せず)や入力された信号に基づいて、圧縮機1、四方弁2、室外ファン3f、室内ファン5f、および膨張弁4の各動作を制御するとともに、後記する圧縮機1の吸入乾き度を推定する演算手段50aと、吸入乾き度等のデータを記憶する記憶手段50bと、吸入乾き度等のデータの通信を行う通信手段50cを備える。
以下、上述のように構成された空気調和機S1の暖房運転及び冷房運転時の動作について説明する。
[暖房運転時の動作]
まず、暖房運転時の動作について説明する。
図1において、暖房運転時の冷媒流れ方向を実線矢印で、冷房運転時の冷媒流れ方向を破線矢印で示す。図1の実線矢印に示すように、圧縮機1で圧縮され高温高圧となったガス冷媒は、四方弁2を通って、凝縮器として機能する室内熱交換器5に流入する。室内熱交換器5を流通する高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器5において、室内ファン5fにより送られてくる室内空気により冷却され凝縮し、液化する。この時、室内空気は加熱され暖房が行われる。この高圧の液冷媒は、膨張弁4で減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室外熱交換器3において、室外ファン3fにより送られてくる室外空気により加熱され蒸発し、低圧のガス冷媒または液冷媒を含んだ湿りガス冷媒となる。この冷媒は、四方弁2を通って、再び圧縮機1に戻る。
[冷房運転時の動作]
次に、冷房運転時の動作について説明する。
図1の破線矢印に示すように、圧縮機1で圧縮され高温高圧となったガス冷媒は、四方弁2を通って、室外熱交換器3に流入する。高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器3において、室内ファン3fにより送られてくる室外空気により冷却され凝縮し、液化する。この高圧の液冷媒は、膨張弁4で減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、室内熱交換器5において、室内ファン5fにより送られてくる室内空気により加熱され蒸発し、低圧のガス冷媒または液冷媒を含んだ湿りガス冷媒となる。この時、室内空気は冷却され冷房が行われる。この冷媒は、四方弁2を通って、再び圧縮機1に戻る。
[圧縮機1及び膨張弁4の制御動作]
次に、圧縮機1及び膨張弁4の制御について説明する。
図1に示す制御装置50は、室内温度センサ33で検知した室内温度が、リモコン(図示せず)により設定された室内温度目標値となるように圧縮機1の回転速度制御を行う。室内温度と目標値との差が大きい場合には、能力を増加させるため、圧縮機回転速度を増加させ、差が小さい場合には、能力を減少させるため、圧縮機回転速度を減少させる。
また、制御装置50は、圧縮機吐出温度センサ30で検知した吐出温度が予め設定された所定の目標値となるように膨張弁4の開度制御を行う。
[圧縮機1の吸入乾き度推定方法]
次に、圧縮機1の吸入乾き度を推定する方法について説明する。
図2は、圧縮機1の吸入及び吐出エンタルピの関係を示す圧力−エンタルピ線図(P−h線図)(モリエル線図)である。図2中、符号SLは、飽和液線であり、符号SVは、飽和蒸気線であり、符号CPは臨界点である。また、図2の符号sは圧縮機の実際の吸入状態、符号dは圧縮機の実際の吐出状態、符号dthは圧縮機吸入sの時の等エントロピ変化時の吐出状態、符号d’は圧縮機吸入sの時の圧縮機からの放熱が無いと仮定した場合の吐出状態を示す。
本実施形態の吸入乾き度推定方法は、圧縮機の吐出温度と、圧縮機の吐出圧力と、圧縮機の吸入圧力と、冷媒の流量と、圧縮機の消費電力とを実際に検知(実測)する。そして、実際に検知した吐出温度、吐出圧力、吸入圧力、冷媒流量、および圧縮機消費電力から圧縮機効率を算出し、算出した圧縮機効率に基づいて圧縮機入口の吸入乾き度Xsを推定する。本実施形態では、圧縮機効率を一定とせず、実測値から圧縮機効率を算出し、圧縮機の実際の吸入状態を示す圧縮機入口における吸入乾き度を推定する。
ちなみに、特許文献1では、圧縮機の出入口圧力が同じである場合は圧縮機の効率は同一であると仮定していたため、圧縮過程の変化は吸入乾き度が1である場合の圧縮過程を平行移動したものとしていた。このため、特許文献1では、実際の圧縮機入口の吸入乾き度は求めていない。また、吸入乾き度が異なると、実際には圧縮機効率も変化するため、吸入乾き度を高精度に推定できない。
これに対して、本実施形態の吸入乾き度推定方法は、前記実測値から圧縮機効率を算出し、圧縮機の実際の吸入状態sを示す圧縮機入口における吸入乾き度を推定する。図2のP-h線図において、圧縮機に関するエネルギバランスを適用して、圧縮機吸入sと、圧縮機吸入sの時の等エントロピ変化時の吐出状態dthと、圧縮機吸入sの時の圧縮機からの放熱が無いと仮定した場合の吐出状態d’との関係を実測値から算出される圧縮機効率を用いて表す(後述する式(3))。また、圧縮機吸入sの時の圧縮機からの放熱が無いと仮定した場合の吐出状態d’と実際の吐出状態dとの関係を圧縮機の放熱量Qaを用いて表す(後述する式(5))。これらの関係式を用いて、吸入乾き度を推定する。
図3は、吸入乾き度Xsを推定する演算方法を示すフローチャートである。図中、Sはフローの各ステップを示す。本フローは制御装置50の演算手段50a(図1参照)の制御プログラムとして所定タイミング毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、制御装置50の演算手段50aは、圧縮機吸入圧力センサ20で検知した吸入圧力Ps、圧縮機吐出圧力センサ21で検知した吐出圧力Pd、吐出温度センサ30で検知した吐出温度Td、冷媒質量流量センサ40で検知した冷媒質量流量Gr、圧縮機消費電力演算手段10aで算出した圧縮機消費電力Wc、および圧縮機周囲温度センサ31で検知した圧縮機周囲温度Taを入力する。
ステップS12では、演算手段50aは、「圧力と温度からエンタルピを算出する関数」fhを用いて、吐出圧力Pd,吐出温度Tdから吐出エンタルピhを算出する。
ステップS13では、演算手段50aは、圧縮機1の吸入乾き度Xsを仮定する。
ステップS14では、演算手段50aは、吸入エンタルピhをエンタルピと吸入乾き度との関係を表す次式(1)を用いて算出する。
=h’+Xs(h”−h’) …(1)
但し、h’:飽和液のエンタルピ、h”:飽和ガスのエンタルピ
ステップS15では、演算手段50aは、圧縮機効率ηcを次式(2)を用いて算出する。
ηc=Gr(hdth−h)/Wc …(2)
但し、hdth:hから等エントロピ変化を仮定した場合の吐出エンタルピ
ステップS16では、演算手段50aは、圧縮機1の放熱が無いと仮定した場合の吐出エンタルピh’を、圧縮機1のエネルギバランスから、圧縮機効率ηcを用いて、次式(3)により算出する。
’=h+(hdth−h)/ηc …(3)
ステップS17では、演算手段50aは、圧縮機1の放熱量Qaを次式(4)を用いて算出する。
Qa=KAc(Td−Ta) …(4)
但し、KAc:圧縮機1の放熱KA値で予め与えられた所定値
ステップS18では、演算手段50aは、吸入乾き度Xsを仮定した時の吐出エンタルピhd2を、次式(5)を用いて算出する。
d2=h’−Qa/Gr …(5)
ステップS19では、演算手段50aは、上記ステップS18で求めたhd2と上記ステップS12で求めたhとが同じか(hd2=hか)否かを判別する。
d2≠hの場合(ステップS19:No)、上記ステップS13に戻って、吸入乾き度Xsの仮定値を変更し、ステップS14〜S19の繰り返し計算を行う。
d2=hの場合(ステップS19:Yes)、演算手段50aは、吸入乾き度Xsが同定できたと判断して、ステップS20で記憶手段50bは、吸入乾き度Xsを日時とともに記憶して本フローを終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る空気調和機S1は、制御装置50の演算手段50aが、圧縮機1の吐出温度と、圧縮機の吐出圧力と、圧縮機の吸入圧力と、冷媒の流量と、圧縮機1の消費電力とを検知し、検知した吐出温度、吐出圧力、吸入圧力、冷媒流量、圧縮機消費電力に基づいて圧縮機効率ηcを算出する。そして、演算手段50aは、算出した圧縮機効率ηcに基づいて圧縮機1の吸入乾き度Xsを推定する。
このように、本実施形態の吸入乾き度推定方法では、圧縮機効率ηcを一定とせず、実際に検知した実測値から前記式(2)に従って圧縮機効率ηcを算出しているので、吸入乾き度の変化による圧縮機効率ηcの変化を考慮して、圧縮機入口における吸入乾き度Xsを高精度に推定できる。また、比較的簡易かつ高精度で吸入乾き度Xsを推定することができる。
圧縮機の吸入状態は、圧縮機の信頼性に大きく関係する。すなわち、液冷媒を含む湿り蒸気を吸入した場合、圧縮室内で蒸発しきらない液冷媒を圧縮し、液冷媒の非圧縮性により圧縮機に過大な負荷が発生したり、潤滑油に溶解する冷媒量が増加し、粘度が低下し軸受の信頼性を低下させたりする。したがって、制御装置50の記憶手段50bが、空気調和機S1の運転履歴として、圧縮機吸入状態として吸入乾き度Xsを記憶することにより、万が一、圧縮機が故障した際、原因を特定するための有益な運転履歴データを提供することができる。また、推定した吸入乾き度Xsを予兆診断に役立てることができる。よって、実運転時の圧縮機吸入状態の高精度なモニタリングによる信頼性の向上や性能の向上を図ることができる。
また、通信手段50cが空気調和機S1の遠隔監視センター(図示せず)に、吸入乾き度Xsを含んだデータを送信してもよい。例えば、圧縮機1の吸入乾き度Xsが低い状態で運転され、遠隔監視センター側で、信頼性に問題があると判断した場合は、制御装置50に予め設定された圧縮機吐出温度の目標値を高く変更し、吸入乾き度Xsを増加させる。これにより、信頼性の高い空気調和機S1を提供することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機S2(冷凍空調装置)の冷媒回路を示す系統図である。図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図4に示すように、空気調和機S2の冷媒回路は、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器3と、膨張弁4と、室内熱交換器5と、が環状に配管aで接続されている。圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、および膨張弁4は室外ユニットUoに設置され、室内熱交換器5は室内ユニットUiに設置されている。
空気調和機S2の冷媒回路は、図1の空気調和機S2の圧縮機吸入圧力センサ20、圧縮機吐出圧力センサ21、および冷媒質量流量センサ40の代わりに温度センサ34〜38を設け、これらの温度センサ34〜38を用いて、吸入圧力Ps、吐出圧力Pd、および冷媒質量流量Grの推定を行うことを特徴とする。
図4に示すように、室外熱交換器3の冷媒伝熱管(図示省略)の流路中間部には、室外熱交換器3の冷媒中間部温度センサ34が設けられる。また、室内熱交換器5の冷媒伝熱管(図示省略)の流路中間部には、室内熱交換器5の冷媒中間部温度サンサ35が設けられる。冷媒中間部温度センサ34,35は、冷媒伝熱管の流路中間部に設けられたことにより、凝縮器として働く時には凝縮温度、蒸発器として働く時には蒸発温度を検知する。
また、室内熱交換器5の冷媒入口には、冷媒入口温度を検知する室内熱交換器5の入口温度センサ36が設置される。室内熱交換器5の冷媒出口には、冷媒出口温度を検知する室内熱交換器5の出口温度センサ37が設置される。さらに、室内熱交換器5の空気出口には、空気出口温度を検知する室内熱交換器5の空気出口温度センサ38が設置される。
上記各温度センサ34〜38により検知された温度は、制御装置50に出力される。
以下、上述のように構成された空気調和機S2の動作について説明する。暖房運転時の動作の場合を例に採る。
暖房運転時の吸入圧力Ps、吐出圧力Pd、および冷媒質量流量Grの推定方法について説明する。
暖房運転時、室外熱交換器3は蒸発器として働き、冷媒中間部温度センサ34は蒸発温度を検知する。制御装置50の演算手段50aは、この蒸発温度から飽和圧力を算出し、室外熱交換器3と圧縮機1との間の配管の圧力損失を考慮した分を差し引くことにより、吸入圧力Psを推定する。また、この時、室内熱交換器5は凝縮器として働き、冷媒中間部温度センサ35は凝縮温度を検知する。演算手段50aは、この凝縮温度から飽和圧力を算出し、室内熱交換器5と圧縮機1との間の配管の圧力損失を考慮した分を加えることにより、吐出圧力Pdを推定する。
冷媒質量流量Grは、次のように推定される。
まず、演算手段50aは、室内熱交換器5の空気入口温度サンサ35と空気出口温度センサ38の値から算出される空気温度差Δtと、予め設定された相関式を用いて室内ファン5fの回転速度から算出される風量Vと、空気密度ρと比熱Cpとの積から能力Q=ρCpVΔtを算出する。
次に、冷媒中間部温度センサ35の凝縮温度から飽和圧力である凝縮圧力を算出し、この凝縮圧力と室内熱交換器5の入口温度センサ36と出口温度センサ37の冷媒入口出口温度から、冷媒入口出口エンタルピ差Δhを算出する。これらの値を用いて、冷媒質量流量Gr=Q/Δhを算出する。
以上のように算出された吸入圧力Ps、吐出圧力Pd、および冷媒質量流量Grと、吐出温度センサ30で検知した吐出温度Tdと、圧縮機消費電力演算手段10aで算出した圧縮機消費電力Wcと、圧縮機周囲温度センサ31で検知した圧縮機周囲温度Taを用いて、図3のフローチャートと同様に圧縮機1の吸入乾き度Xsを推定することができる。
なお、冷房運転時については省略するが、室外熱交換器3に室外熱交換器5と同様に、さらに室外熱交換器3の冷媒入口及び出口温度を検知する温度センサ、空気出口を検知する温度センサを設けることにより、暖房運転時と同様に圧縮機1の吸入乾き度Xsを推定することができる。
このように、本実施形態では、圧力サンサや冷媒質量流量センサの代わりに安価な温度センサを用いて、圧縮機1の吸入乾き度を推定したので、低コストで圧縮機1の吸入乾き度Xsを高精度に推定する演算手段50aを備えた空気調和機S2を提供することができる。
また、圧力センサと冷媒質量流量センサ両方を温度センサに代えるのではなく、圧力センサまたは冷媒質量流量センサの片側のみ温度センサに代えてもよい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る空気調和機(冷凍空調装置)は、凝縮器に空気を供給するファンのファン消費電力又はファン回転数を検知し、凝縮温度、冷媒入口温度、冷媒出口温度、空気入口温度、ファン消費電力又はファン回転数および空気出口温度から冷媒の流量を推定する例である。ファン消費電力から空気風量を算出する方法には、下記の2つのパターンがある。
<パターン1>
本実施形態に係る空気調和機は、図1に示す空気調和機S1と同一構成である。ただし、制御装置50の記憶手段50bは、さらに、凝縮器として機能する室内熱交換器5に空気を供給する室内ファン5fのファン消費電力に対応したファン回転数テーブル(図示省略)を予め備える。制御装置50の演算手段50aは、記憶手段50bに格納された前記ファン回転数テーブルを参照して、室内ファン5fのファン消費電力からファン回転数を算出し、このファン回転数を基に空気風量を算出する。
<パターン2>
制御装置50の記憶手段50bは、前記ファン回転数テーブルに代えて、室内ファン5fのファン消費電力に対応した空気風量テーブル(図示省略)を予め備える。制御装置50の演算手段50aは、記憶手段50bに格納された前記空気風量テーブルを参照して、室内ファン5fのファン消費電力から空気風量を算出する。
このように、本実施形態に係る空気調和機は、凝縮器として機能する室内熱交換器5に空気を供給する室内ファン5fを備え、制御装置50の演算手段50aが、圧縮機1の吐出温度と、凝縮器の凝縮温度と、蒸発器の蒸発温度と、凝縮器の冷媒入口温度と、凝縮器の冷媒出口温度と、凝縮器の空気入口温度と、凝縮器の空気出口温度と、圧縮機1の圧縮機消費電力と、室内ファン5fのファン消費電力又はファン回転数を検知し、凝縮温度および蒸発温度から圧縮機1の吐出圧力および吸入圧力を推定する。そして、演算手段50aは、凝縮温度、冷媒入口温度、冷媒出口温度、空気入口温度、ファン消費電力又はファン回転数および空気出口温度から冷媒の流量を推定し、吐出温度、吸入温度、吐出圧力、吸入圧力、冷媒の流量、圧縮機消費電力に基づいて圧縮機の吸入乾き度を推定する。
本実施形態の吸入乾き度推定方法にあっても、図3の場合と同様に、実測値から圧縮機効率を算出して、圧縮機1の実際の吸入状態を示す圧縮機入口における吸入乾き度を高精度で推定することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜その構成を変更することができる。
例えば、空気調和機について説明したが、物体を低温に冷却する冷凍機、液体を冷却するチラー、水を加熱する給湯機にも適用することができる。
上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 圧縮機
3 室外熱交換器
5 室内熱交換器
10 インバータ電源装置
10a 圧縮機消費電力演算手段
20 圧縮機吸入圧力センサ
21 圧縮機吐出圧力センサ
34,35 冷媒中間部温度センサ
36 入口温度センサ
37 出口温度センサ
38 空気出口温度センサ
40 質量流量センサ
50 制御装置
50a 演算手段
50b 記憶手段
50c 通信手段
S1,S2 空気調和機(冷凍空調装置)

Claims (5)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷凍サイクルを備え、
    前記圧縮機の吐出温度と、前記凝縮器の凝縮温度と、前記蒸発器の蒸発温度と、冷媒の流量と、前記圧縮機の圧縮機消費電力とを検知し、
    前記吐出温度、前記凝縮温度、前記蒸発温度、前記冷媒の流量、前記圧縮機消費電力に基づいて前記圧縮機の吸入乾き度を推定することを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷凍サイクルを備え、
    前記圧縮機の吐出温度と、前記圧縮機の吐出圧力と、前記圧縮機の吸入圧力と、冷媒の流量と、前記圧縮機の圧縮機消費電力とを検知し、
    前記吐出温度、前記吐出圧力、前記吸入圧力、前記冷媒の流量、前記圧縮機消費電力に基づいて前記圧縮機の吸入乾き度を推定することを特徴とする冷凍空調装置。
  3. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷凍サイクルと、
    前記凝縮器に空気を供給するファンとを備え、
    前記圧縮機の吐出温度と、前記凝縮器の凝縮温度と、前記蒸発器の蒸発温度と、前記凝縮器の冷媒入口温度と、前記凝縮器の冷媒出口温度と、前記凝縮器の空気入口温度と、前記凝縮器の空気出口温度と、前記圧縮機の圧縮機消費電力と、前記ファンのファン消費電力又はファン回転数を検知し、
    前記凝縮温度および前記蒸発温度から前記圧縮機の吐出圧力および吸入圧力を推定するとともに、
    前記凝縮温度、前記冷媒入口温度、前記冷媒出口温度、前記空気入口温度、前記ファン消費電力又は前記ファン回転数および前記空気出口温度から冷媒の流量を推定し、
    前記吐出温度、前記吸入温度、前記吐出圧力、前記吸入圧力、前記冷媒の流量、前記圧縮機消費電力に基づいて前記圧縮機の吸入乾き度を推定することを特徴とする冷凍空調装置。
  4. 前記吸入乾き度を記憶する記憶手段、および/または、前記吸入乾き度を外部に送信する通信手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷凍空調装置。
  5. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷凍サイクルを有し、
    前記圧縮機の吐出温度と、前記凝縮器の凝縮温度と、前記蒸発器の蒸発温度と、冷媒の流量と、前記圧縮機の圧縮機消費電力とを検知する工程と、
    前記吐出温度、前記凝縮温度、前記蒸発温度、前記冷媒の流量、前記圧縮機消費電力に基づいて前記圧縮機効率を算出する工程と、
    前記圧縮機効率に基づいて前記圧縮機の吸入乾き度を推定する工程と、を有することを特徴とする吸入乾き度推定方法。
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CN112432341A (zh) * 2020-12-08 2021-03-02 合肥美的暖通设备有限公司 空调系统的控制方法、空调系统和可读存储介质

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