JP2015190333A - 燃焼圧センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のエンジン用燃焼圧センサでは、燃焼状態、特に、燃焼起点を把握することはできず、また、そのデータを基に、前述のインジェクションパラメータや吸排気バルブパラメータの最適化を図り、燃焼状態を改善することもできず、上記燃焼の不具合を解消することはできなかった。
【解決手段】中心軸を基準として周方向の所定位置に配置され、それぞれが気筒内の燃焼圧を測定する、少なくとも3つ以上のセンサ素子と、基準時間と、前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間とに基づいて、前記気筒内の燃焼起点情報を算出する演算回路とを備えることを特徴とする燃焼圧センサ。
【選択図】図9

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室の圧力を測定して燃焼起点を算出することができる燃焼圧センサに関する。
一般に、エンジンの燃焼室に挿入することにより気筒の圧力を検出するエンジン用燃焼圧センサは知られているが、この種の燃焼圧センサは、気筒の所定位置に形成した貫通孔に高い気密性構造により独立して取付ける必要がある。このため、燃焼圧センサをリング形に構成し、エンジンに付設する他の機能部品である点火プラグの先端部外周面に一体に取り付け可能に構成して、当該点火プラグと一緒に気筒に取付けできるようにした気筒燃焼圧センサも知られている。
従来、このようなリング形に構成した燃焼圧センサとしては、特許文献1で開示される圧力センサ内蔵スパークプラグが知られている。また、特許文献2では振動による割れを防ぐために圧力検出素子を受圧リングブロックに分割した燃焼圧センサが開示されている。
特許文献1の圧力センサ内蔵スパークプラグは、内燃機関に取付けた際に、内燃機関に設けられたプラグ取り付け面と対向する座部と、この座部に内蔵されており、座部の内壁面の周方向に所定の間隔ごとに複数の圧電素子が保持された収容部材と、この収容部材に対応した平板形状に形成されているとともに、切り込みを入れた部分を上方へ折り曲げた端子が形成されており、その折り曲げにより形成された切り欠き部が圧電素子と重ならない状態で収容部材の上面に設けられた電極板と、この電極板に対応した平板形状に形成されているとともに、切り欠き部が形成されており、その切り欠き部から電極板の端子を上方へ突出させた状態で電極板の上面に設けられた絶縁板と、この絶縁板の切り欠き部から突出した端子に接続されており、圧電素子の出力を取り出す取出部材と、を備えている。
特許文献2には、センサ筐体軸方向の中間部に軸方向の弾性を有する弾性部位を形成してなる外筒部及び内筒部からなるハウジングユニットと、弾性部位の前方に位置する外筒部と内筒部間に気密に固定し、かつ当該弾性部位を通して弾性部位の後方に臨ませるとともに、前面が受圧面となる受圧リングブロック部と、この受圧リングブロック部の後面に設けた一方の電極部に接し、かつ受圧リングブロック部から燃焼圧が付与されるとともに、周方向の所定位置に配した少なくとも一つ以上の圧力検出素子と、外筒部と内筒部間に固定し、かつ前面が圧力検出素子を支持する支持面になるとともに、他方の電極を兼ねた支持リングブロック部とを備えることを特徴とするセンサが開示されている。
特開2000−277233号公報 WO2012/132450号公報
従来のガソリンエンジンSI(Spark Ignition:火花着火)やディーゼルエンジンCI(Compression Ignition:圧縮着火)及び次世代エンジンと考えられるHCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition:予混合圧縮着火)エンジンなどは、燃焼時の気筒内の燃焼状態は常に安定しているというわけでなく、その変動要因のポイントとなる燃焼起点が一定ではなく、サイクル毎の混合ガス状態や気流の状態によって常に変化していることが、高速度カメラによる燃焼時の撮影により分かってきている。
ガソリンエンジンSIの場合、燃焼起点の空間位置は、スパークプラグのプラグギャップ中心とその周辺近傍の混合ガス濃度との相対位置、混合ガスの移動速度等により変動する。従って燃焼起点の空間位置の変動は、インジェクタの燃料噴射条件、吸排気バルブのタイミング・リフト量、エンジンの回転数に依存するが、何れもある周期をもって変動するパラメータである為、燃焼起点の空間位置もランダムに変動するのではなく、ある周期をもって変動する。その結果、筒内圧力の変動もサイクル毎にランダムに上下変動するのではなく、ある長周期をもって変動する。
ディーゼルエンジンCIの場合は、燃焼起点の空間位置は、インジェクタからの噴射燃料と空気との混合ガス濃度、混合ガスの移動速度により変動する。従って燃焼起点の空間位置の変動はインジェクタの燃料噴射条件、吸排気バルブのタイミング・リフト量、エンジンの回転数に依存するが、何れもある周期をもって変動するパラメータである為、燃焼起点の空間位置もランダムに変動するのではなく、ある周期をもって変動する。その結果、筒内圧力の変動もサイクル毎にランダムに上下するのではなく、ある長周期をもって変動する。
HCCIの場合は、燃焼起点の空間位置は、インジェクタからの噴射燃料と空気との混合ガス濃度及びガス濃度の均一性、混合ガスの移動速度により変動する。従って燃焼起点の空間位置の変動はインジェクタの燃料噴射条件、吸排気バルブのタイミング・リフト量、エンジンの回転数に依存するが、何れもある周期をもって変動するパラメータである為、燃焼起点の空間位置もランダムに変動するのではなく、ある周期をもって変動する。その結果、筒内圧力の変動もサイクル毎にランダムに上下変動するのではなく、ある長周期をもって変動する。
特にCIエンジンにおいては、圧力と温度の上昇によって着火するため、原理的にもその変動幅は大きくなる。本来、燃焼室のピストン移動方向の中心軸上に常に燃焼起点がある状態が理想状態である。しかしながら、上述の様に燃焼噴射の条件、すなわち、噴射量、噴射時間、タイミング、噴射長さ、噴射方向、ノズル形状や噴射圧力、吸排気バルブのタイミング、バルブの開閉量により混合ガスの状態、気流の変動によりインジェクタから噴射された燃料が気筒内側面に多量に付着したり、ピストン上面に多量に付着したりして燃料の微粒化が阻害されてしまう。その為、気筒内の燃焼状態が不均一、不安定となり、異常燃焼が多発したり、多くの未燃成分の一酸化炭素や炭化水素、soot(すす)のような有害物質PM2.5を排出したりしてしまう。また、燃焼効率も著しく低下してしまう。
また、HCCIエンジンは、通常のガソリンエンジンの燃焼に比べ、低温燃焼形態をとるため、NOxがほとんど発生せず、また内燃機関最大の熱効率ポテンシャルを有するため、大幅なCO2削減効果も見込めて、次世代エンジンとして期待されているが、安定した燃焼領域が限られており、前述のインジェクションパラメータや吸排気バルブパラメータの最適化によりこの領域を広げることが大きな課題である。
さらに、今日、インジェクタにおいても燃焼効率を向上させるためにデュアルインジェクションシステムの様な技術革新が進んでおり、これら新機能を十分に発揮させるためにも気筒内の燃焼状態を把握し、燃焼起点の空間位置を検知し、インジェクタの噴射量、噴射時間、タイミング、噴射長さ、噴射方向、噴射圧力、吸排気バルブのタイミング、バルブの開閉量にフィードバックすることが非常に重要である。
従来のエンジン用燃焼圧センサでは、燃焼状態、特に、燃焼起点を把握することはできず、また、そのデータを基に、前述のインジェクションパラメータや吸排気バルブパラメータの最適化を図り、燃焼状態を改善することもできず、上記燃焼の不具合を解消することはできなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、エンジンの気筒内の燃焼起点を算出可能な燃焼圧センサを提案することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、中心軸を基準として周方向の所定位置に配置され、それぞれが気筒内の燃焼圧を測定する、少なくとも3つ以上のセンサ素子と、基準時間と前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間とに基づいて、前記気筒内の燃焼起点情報を算出する演算回路とを備えることを特徴とする。
センサ素子は、中心軸を基準として周方向の所定位置に配置され、それぞれが気筒内の燃焼圧を測定する、少なくとも3つ以上配置されているので、少ない素子数でコストを抑え、より精度良く燃焼起点情報を算出できる。
基準時間と前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間とに基づいて、前記気筒内の燃焼起点情報を算出する演算回路とを備えることによって燃焼が気筒のどこから発生したかという情報を得ることができる。
本発明の望ましい態様としては、前記3つ以上のセンサ素子は、扇形状に配置されていることが好ましい。
この3つ以上のセンサ素子が扇形状に配置されていると、中央にインジェクタを配置した場合、センサ素子の出力を最大限にすること可能であるだけでなく、センサ素子感圧エリアが中心軸から等距離に存在することになり、中心軸近傍の燃焼起点において、圧力変動によりシャープな出力ピークを得ることができる。
更に本発明では、3つ以上のセンサ素子は、前記中心軸を基準として周方向にリング状に配置されると共に、径方向に複数配置されていることが好ましい。
3つ以上のセンサ素子が、中心軸を基準として周方向にリング状に配置されると共に、径方向に複数配置されていると、中心軸近傍の燃焼起点の位置情報をより精度良く算出できる。
更に本発明では、基準時間はクランク角が基準角度に一致したときの時間であることが好ましい。
この基準時間はクランク角が基準角度に一致したときの時間とすることにより、サイクル毎に基準時間がイニシャライズされるので正確で安定した燃焼起点情報を得ることができる。
更に本発明では、前記圧力ピークの時間及び前記燃焼起点情報は、データ格納部に蓄積され、蓄積された時間及び前記燃焼起点情報に基づき、長周期燃焼起点の変動を算出する。
圧力ピークの時間及び前記燃焼起点情報を蓄積することにより、長周期的な圧力ピーク時間の変動及び燃焼起点の変動を把握することができ、燃焼起点の変動要因を特定することができる。その結果、燃焼起点を中心軸に近づける様にインジェクタ信号を出力することができる。
更に本発明では、前記演算回路は、前記基準時間と、前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間とに基づいて前記中心軸を法線とする面内の燃焼起点方向を算出し、前記燃焼起点情報として前記燃焼起点方向を示すデータを出力することを特徴とする。
これにより速く適切な燃焼起点方向のデータが得られ、この燃焼起点方向のデータを基に燃焼起点を中心軸に近づけるように燃料噴射を制御すれば、より速く良好なエンジン燃焼を維持できるという効果が得られる。
更に本発明では、前記演算回路は、前記基準時間と、前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間と、火炎伝搬速度とを基に火炎伝搬距離を求め、前記火炎伝搬距離に基づいて気筒内の燃焼起点位置を算出し、前記燃焼起点情報として前記燃焼起点位置を示すデータを出力する。
これにより、より精度の高い燃焼起点位置データを基に、燃焼起点を中心軸に近づけるように燃料噴射を制御すれば、良好なエンジン燃焼を維持できるという効果が得られる。
また、前記3つ以上のセンサ素子は前記中心軸を基準として回転対称の位置に配置されていることを特徴とする。
前記3つ以上のセンサ素子は前記中心軸を基準として回転対称の位置に配置されているので、より少ないセンサ素子数で、中心軸から等距離に配置されている為、燃焼起点の算出が容易で、燃焼起点情報を、より精度良く算出できる。
本発明により、エンジンの気筒内の燃焼起点情報を算出可能な燃焼圧センサが得られる。
図1は、本発明の最良実施形態に係る燃焼圧センサをインジェクタに適用する場合の概略斜視図である。 図2は、本発明の燃焼圧センサの検出部の斜視図である。 図3は、本発明の燃焼圧センサの素子部の拡大断面の概略図である。 図4は、複数のセンサ素子の配置例1の図である。 図5は、複数のセンサ素子の配置例2の図である。 図6は、複数のセンサ素子の配置例3の図である。 図7は、複数のセンサ素子の配置例4の図である。 図8は、気筒内燃焼の模式図である。 図9は、異なる3箇所のセンサ素子による圧力の時間変化を示した図である。 図10は、平面内の燃焼起点算出方法の一例を示した図である。 図11は、燃焼起点算出方法の一例を示した斜視図である。 図12は、本実施形態による燃焼圧センサの構成を示すブロック図である。
次に、本発明に係る最良実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。まず、本実施形態に係る燃焼圧センサ2の構成について、図1ないし図12を参照して説明する。
図1は、最良実施形態に係る燃焼圧センサ2をインジェクタ1に適用する場合の概略斜視図である。インジェクタ1の先端に燃焼圧センサ2を設置し気筒内に挿入することで燃焼圧を検知する。図2は燃焼圧センサの検出部の斜視図である。
図3は燃焼圧センサの素子部の拡大断面の概略図である。気筒内燃焼ガスに直接曝されるダイアフラム6の受圧面の裏面に下部電極としての電極21を形成し、その上に圧電薄膜22が形成され、さらにその上に上部電極としての電極23が形成される。圧電薄膜22と電極21または電極23が繰り返し形成され、積層圧電薄膜から成るセンサ素子24が複数作製される。このセンサ素子形状は、円形でも方形でも扇形でもかまわない。また、これら形状の組み合わせでもかまわない。また、ダイアフラム6の受圧面の裏面と下部電極としての電極21の間、または電極21と圧電薄膜22の間、または圧電薄膜22と上部電極としての電極23の間の各薄膜の結晶性を向上させるためのバッファ層を形成してもよい。
図3は圧電薄膜3層構造を示しているが、単層でも、さらに多層でもかまわない。これらはハウジング3内に納められ密閉され、気密が保たれている。
これらセンサ素子24は、エンジンの燃焼時に受ける中心軸5方向の圧力に対してダイアフラム6が歪むと同時に裏面のセンサ素子24も同様に歪み、その歪み量に応じた電荷を発生する。発生した電荷はリード線7を通じてインジェクタ頭頂部4に設けられた増幅回路で増幅出力される。
エンジンECUからのクランク角情報を基に基準時間を設定し、各センサ素子24からの出力の時間差を後述する演算回路で算出する。
図4ないし図7は燃焼圧センサの素子配置例を示す図である。図4は中心軸5を基準として回転対称の位置に扇形状のセンサ素子24を3個、図5は中心軸5を基準として回転対称の位置に扇形状のセンサ素子24を8個配置した図である。
図6は中心軸5を基準として回転対称の位置にセンサ素子24を8個配置し、尚かつ中心軸を基準として径方向にも複数配置した図である。具体的には、中心軸5を基準として周方向にリング状に8個のセンサ素子24が配置されると共に、径方向に複数(この例では2重)配置されている。センサ素子24を複数個配置することにより燃焼起点情報を、より精度良く算出できる。特に径方向に複数配置することにより、燃焼起点が中心軸5近傍にあった場合により精度良く算出できる。
図7は中心軸5を基準として回転対称の位置に円形状のセンサ素子24を3個配置した図である。センサ素子形状は扇形、リング形状に限らない。
センサ素子の感度を上げるにはダイアフラム6に対するセンサ素子24の専有面積を上げれば良い。また、燃焼起点情報の測定精度を上げるには、図7に示すように各センサ素子形状を円状にして、間隔を大きくすることも有効である。
ダイアフラム6の裏面にこれら複数個のセンサ素子24を各図の様に配置することによって燃焼起点を特定することができる。すなわち、火炎伝搬速度は、エンジンの回転数によって大きく変化する。表1は一般的なエンジンの回転数と火炎伝搬速度の関係を示した表である。
Figure 2015190333
表1に示す様にエンジン回転数に比例して火炎伝搬速度は速くなる。このことは、燃焼はマクロ的には直進性が高いことを意味する。そのため、非常に短い時間で圧力を測定することにより、燃焼起点からセンサ素子までの時間差をすなわち経路差を測定することができる。圧力測定箇所を3個以上にすることにより、中心軸を法線とする面内の燃焼起点方向を算出することができる。また、エンジンの回転数から火炎伝搬速度を割り出すことにより、気筒内の燃焼起点をより精度良く、3次元的に特定することができる。
なお、回転数と火炎伝搬速度との関係情報は、後述するデータ格納部に記憶されており、回転数情報から火炎伝搬速度が求められるようになされている。
図8は気筒内の燃焼を模式的に示した図である。気筒8、ピストン9、吸気弁10、排気弁11、中心軸に取り付けたインジェクタ1からなる。インジェクタ1の先端には燃焼圧センサ2が取り付けられている。例えばディーゼルエンジンの場合、圧縮行程で燃焼を噴射して温度と圧力が増加して着火が行われる。この際、図8の位置Aが燃焼起点となった場合、インジェクタ1の先端に取り付けた複数のセンサ素子間の圧力変化に燃焼起点からの経路B1と経路B2の差分だけ遅れが生じる。
図9は配置が異なる3箇所のセンサ素子24が検知した圧力の時間変化を示した図である。燃焼起点から、より近い燃焼圧センサ素子の出力C1、それより経路の長い位置でのセンサ素子の出力C2、さらに経路の長い位置でのセンサ素子の出力C3である。クランク角が基準角度に一致したときの時間すなわち基準時間(図中の時間ゼロの時点)から圧力が最大となるピークまでのピーク時間を算出し、各ピーク時間差から中心軸を法線とする面内の燃焼起点方向を算出することができる。さらにエンジンの回転数から火炎伝搬速度を求めれば、燃焼起点を3次元で立体的に算出することができる。
図10はセンサ素子24を3つにした場合の燃焼起点方向の算出方法を示した図である。図9に示したようにクランク角の基準点から各センサ素子の出力C1、出力C2、出力C3のピーク値までの時間t1、t2、t3を算出し、任意の係数をkとすると、各時間パラメータk・t1、k・t2、k・t3となる。ここで、時間パラメータを用いた理由は、エンジンECUからのエンジン回転数の情報がない場合、前記火炎伝搬速度が分からず、燃焼起点からの火炎伝搬経路距離が算出できないため、任意の係数kを乗じて時間パラメータを用いた。
燃焼各センサ素子24の搭載位置(重心)の座標を中心として前記各時間パラメータk・t1,k・t2、k・t3を半径とする円D1、円D2、円D3を描き、各々円の交点の座標を求める。円D1と円D2、円D2と円D3、円D3と円D1の各々交点同士を線E1、E2、E3で結んだ際の交点をA′とすると、A′と中心軸5を結ぶ線分Fが中心軸を法線とする面内の燃焼起点方向である。
図11はセンサ素子を3つにした場合の燃焼起点算出方法を示した斜視図である。図9に示したようにクランク角の基準点から各センサ素子の出力C1、出力C2、出力C3のピーク値までの時間t1、t2、t3を算出し、エンジンの回転数から火炎伝搬速度を求め、前記時間と火炎伝搬速度から火炎伝搬距離L1、L2、L3(図示せず)を求める。各センサ素子の搭載位置(重心)の座標を中心として前記火炎伝搬距離L1、L2、L3を半径とした球G1、球G2、球G3を描く。これら3つの球を描いたときの各球の交点が燃焼起点Aである。
図12はセンサ素子24からの圧力検出信号19を増幅回路12で信号を増幅し、演算回路13でピーク時間差及び燃焼起点方向の算出し、ピーク時間差及び燃焼起点情報は、データ格納部14に送られ記録され、インジェクタECU15で最適なインジェクタ条件を算出し、インジェクタ信号30を出力するまでの一連のブロック図である。
エンジン圧縮行程で気筒内に発生した燃焼による圧力上昇を燃焼圧センサ2内の配置位置の違う各センサ素子24が検知し電荷を発生し検出信号19を発し、リード線7を通じて回路基板内の増幅回路12で電圧変換・増幅され増幅信号20を出力する。
更にクランクシャフトポジションセンサ17からのクランクシャフト位置信号25を基にエンジンECU16で算出したクランク角信号26及び増幅信号20を基に回路基板内の演算回路13により各センサ素子のピーク時間、基準時間および基準時間に対する各ピーク時間差が算出され、燃焼起点方向のデータが算出される。このピーク時間及び燃焼起点方向のデータは燃焼起点情報信号27としてデータ格納部14に記録される。
燃焼起点情報信号27は、必要に応じてデータ格納部14から読取り燃焼起点情報信号28として読み取られ、演算回路13で長周期的な燃焼起点の変動の算出に用いられ、長周期的な燃焼起点の変動を把握することができる。
長周期的な燃焼起点の変動も考慮した燃焼起点方向のデータは、燃焼起点方向信号29として出力する。燃焼起点方向信号29はインジェクタECU15に送られ、インジェクタECU15において、燃焼起点が中心軸上になるように最適インジェクタ条件を算出しインジェクタ信号30をインジェクタに送りフィードバックする。
更にはクランクシャフトポジションセンサ17からのクランクシャフト位置信号25を基にエンジンECU16で算出したクランク角信号26、回転数信号31及び増幅信号20を基に回路基板内の演算回路13により、各センサ素子の圧力ピーク時間、基準時間、火炎伝搬速度および基準時間に対する各ピーク時間差が算出され、これらから火炎伝搬距離を求めて燃焼起点の位置データが算出され、燃焼起点信号32として出力する。燃焼起点信号32はインジェクタECU15に送られ、インジェクタECU15において、燃焼起点が中心軸上になるように最適インジェクタ条件を算出しインジェクタ信号30をインジェクタに送る。
燃焼起点信号32はエンジンECU16に送られてもかまわない。エンジンECUでは燃焼起点信号32とクランクシャフトポジションセンサ17からのクランクシャフト位置信号25及びカムシャフトポジションセンサ18からのカムシャフト位置信号33を基にエンジン状態を把握し、エンジン状態信号34をインジェクタECU15に送る。インジェクタECU15では最適な燃料の噴射タイミング、噴射時間、噴射角度、噴射圧力を算出し、燃焼起点を中心軸に近づけるインジェクタ信号30を送信する。また、最適な吸排気バルブ開閉タイミングにするためのカムシャフト信号35を送信したりしてフィードバックする。
センサ素子は薄膜でもバルクでも可能であることは言うまでもない。
以上のように、燃焼圧センサ2においては、中心軸5を基準として周方向の所定位置に配置され、それぞれが気筒内の燃焼圧を測定する、少なくとも3つ以上のセンサ素子24と基準時間と、3つ以上のセンサ素子24から出力される圧力ピークの時間とに基づいて、気筒内の燃焼起点情報を算出する演算回路13とを備える。これにより気筒内における燃焼起点を算出することが可能となる。
また燃焼圧センサ2においては、センサ素子24を3つ以上有し、演算回路13は、基準時間と、3つ以上のセンサ素子24から出力される圧力ピークの時間とに基づいて中心軸5を法線とする面内の燃焼起点方向を算出し、燃焼起点情報として燃焼起点方向を示すデータを出力する。これにより速く適切な燃焼起点方向のデータが得られる。
更に燃焼圧センサ2において、センサ素子24を3つ以上有し、演算回路13は、基準時間と、3つ以上のセンサ素子24から出力される圧力ピークの時間と、火炎伝搬速度とを基に火炎伝搬距離を求め、火炎伝搬距離に基づいて気筒内の燃焼起点位置を算出し、燃焼起点情報として燃焼起点位置を示すデータを出力する。これにより燃焼起点の位置データを容易に得ることができる。
以上のように、本発明に係る気筒燃焼圧センサは、自動車のエンジンで代表される内燃機関をはじめ、他の各種用途における内燃機関を構成する気筒の燃焼圧を検出する際に有用である。
1 インジェクタ
2 燃焼圧センサ
21 下部電極
22 圧電薄膜
23 上部電極
24 センサ素子
24A センサ素子
24B センサ素子
24C センサ素子
3 ハウジング
4 インジェクタ頭頂部
5 中心軸
6 ダイアフラム
7 リード線
8 気筒
9 ピストン
10 吸気弁
11 排気弁
A 燃焼起点
A′ 線E1、E2、E3の交点
B1 燃焼起点Aからの火炎伝搬経路
B2 燃焼起点Aからの火炎伝搬経路
C1 センサ素子24Aの出力
C2 センサ素子24Bの出力
C3 センサ素子24Cの出力
D1 センサ素子24Aを中心とし時間パラメータk・t1を半径とする円
D2 センサ素子24Bを中心とし時間パラメータk・t2を半径とする円
D3 センサ素子24Cを中心とし時間パラメータk・t3を半径とする円
E1 センサ素子24A中心円とセンサ素子24B中心円の交点を結ぶ直線
E2 センサ素子24B中心円とセンサ素子24C中心円の交点を結ぶ直線
E3 センサ素子24C中心円とセンサ素子24A中心円の交点を結ぶ直線
F 燃焼起点方向
G1 センサ素子24Aを中心とし火炎伝搬距離を半径とする球
G2 センサ素子24Bを中心とし火炎伝搬距離を半径とする球
G3 センサ素子24Cを中心とし火炎伝搬距離を半径とする球
k 任意係数
t1 クランク角の基準点からセンサ素子24Aの出力C1のピーク値までの時間
t2 クランク角の基準点からセンサ素子24Bの出力C2のピーク値までの時間
t3 クランク角の基準点からセンサ素子24Cの出力C3のピーク値までの時間
12 増幅回路
13 演算回路
14 データ格納部
15 インジェクタECU
16 エンジンECU
17 クランクシャフトポジションセンサ
18 カムシャフトポジションセンサ
19 検出信号
20 増幅信号
25 クランクシャフト位置信号
26 クランク角信号
27 燃焼起点情報信号
28 読取り燃焼起点情報信号
29 燃焼起点方向信号
30 インジェクタ信号
31 回転数信号
32 燃焼起点信号
33 カムシャフト位置信号
34 エンジン情報信号
35 カムシャフト信号

Claims (8)

  1. 中心軸を基準として周方向の所定位置に配置され、それぞれが気筒内の燃焼圧を測定する少なくとも3つ以上のセンサ素子と、
    基準時間と、前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間とに基づいて、前記気筒内の燃焼起点情報を算出する演算回路とを備える
    ことを特徴とする燃焼圧センサ。
  2. 前記3つ以上のセンサ素子は、扇形状に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧センサ。
  3. 前記3つ以上のセンサ素子は、前記中心軸を基準として周方向にリング状に配置されると共に、径方向に複数配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼圧センサ。
  4. 前記基準時間は、クランク角が基準角度に一致したときの時間であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃焼圧センサ。
  5. 前記圧力ピークの時間及び前記燃焼起点情報は、データ格納部に蓄積され、
    前記演算回路は、蓄積された前記時間及び前記燃焼起点情報に基づき、長周期燃焼起点の変動を算出する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃焼圧センサ。
  6. 前記演算回路は、前記基準時間と、前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間とに基づいて前記中心軸を法線とする面内の燃焼起点方向を算出し、
    前記燃焼起点情報として前記燃焼起点方向を示すデータを出力する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃焼圧センサ。
  7. 前記演算回路は、
    前記基準時間と、前記3つ以上のセンサ素子から出力される圧力ピークの時間と、火炎伝搬速度を基に火炎伝搬距離を求め、前記火炎伝搬距離に基づいて気筒内の燃焼起点位置を算出し、
    前記燃焼起点情報として前記燃焼起点位置を示すデータを出力する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃焼圧センサ。
  8. 前記3つ以上のセンサ素子は前記中心軸を基準として回転対称の位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の燃焼圧センサ。
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