JP2013156114A - 圧力検出装置および内燃機関用部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝送電線を介して伝送される電気信号に重畳されるノイズを抑制する。
【解決手段】圧力検出装置は、燃焼室内の圧力変化を検出する圧電素子群と、圧電素子群によって検出された電気信号を外部に伝送する伝送電線51とを備える。伝送電線51は、錫メッキ軟銅線を撚ることによって構成され、圧電素子群16と電気的に接続された導体部51aと、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)によって構成され、導体部51aの外周面を覆う樹脂絶縁層51bと、カーボンを含むPFAによって構成され、樹脂絶縁層51bの外周面を覆うとともに外部に露出する樹脂半導電層51cとを有しており、樹脂半導電層51cは、金属にて構成され、圧電素子群16等を収容する筐体と電気的に接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力検出装置および内燃機関用部品に関する。
従来、例えば内燃機関に装着されて燃焼室内の圧力を検出するために、圧電素子を使用した圧力検出装置が提案されている。そして、圧電素子を使用した圧力検出装置には、圧電素子から出力される電気信号を、圧力検出装置の外部に伝送するための伝送電線が取り付けられる。
この種の伝送電線として、導体部(中心導体)の周囲に樹脂からなる絶縁層を形成し、絶縁層の周囲に例えば金属編組からなる遮へい層(外部導体)を形成し、さらに遮へい層の周囲に樹脂からなる保護層を形成した同軸ケーブルが知られている。
また、例えば特許文献1には、上述したケーブル構造において、金属編組に代えて、絶縁層の周囲に電解金属メッキ層を被覆してなる同軸ケーブルが記載されている。
さらに、例えば特許文献2には、中心導体の外周に樹脂からなる絶縁被膜を形成し、絶縁層の外周に無電解およびまたは電解金属メッキにてシールド導体を形成した同軸ケーブルが記載されている。
特開2007−48719号公報 特開2005−149892号公報
ところで、内燃機関等で使用される圧力検出装置は、燃焼室内での圧力変化に伴って振動する。そして、このような振動が圧力検出装置に設けられた伝送電線に作用した場合に、金属メッキにて形成される遮へい層に割れや剥がれが発生し、結果として導体部に対する遮へい性能が低下するおそれがあった。
本発明は、伝送電線を介して伝送される電気信号に重畳されるノイズを抑制することを目的とする。
本発明の圧力検出装置は、圧電体を用いて圧力の変動を検出する圧電素子と、前記圧電素子から出力される電気信号を外部に伝送する伝送電線とを備え、前記伝送電線は、導電性を有する導体で構成され、前記圧電素子と電気的に接続される導体部と、絶縁性を有する樹脂で構成され、前記導体部の外周面を覆うことで当該導体部を外部から絶縁する樹脂絶縁層と、導電性を有する樹脂で構成され、前記樹脂絶縁層の外周面を覆うとともに外部に露出することで、前記導体部を外部から遮へいする樹脂導電層とを含むことを特徴とする。
この圧力検出装置において、導電性を有するとともに前記圧電素子を内部に収容する筐体をさらに備え、前記筐体は、前記樹脂導電層を介して前記伝送電線を保持するとともに、当該筐体と当該樹脂導電層とを電気的に接続する保持部を有していることが好ましい。これにより、簡易な構成で、伝送電線における遮へい性能を高めることができる。
また、前記樹脂絶縁層と前記樹脂導電層とが、共通のフッ素樹脂を含むことが好ましい。これにより、樹脂絶縁層および樹脂導電層における伸縮のずれを抑制することができる。
さらに、前記伝送電線の最外径が、0.3mm以下であることが好ましい。これにより、伝送電線を狭い空間に収容することが可能になる。
また、他の観点から捉えると、本発明の圧力検出装置は、一方から他方に向かう開口部が形成される筐体と、前記筐体の内部に、前記開口部の周方向に沿って配置される複数の圧電素子と、前記筐体の内部と前記筐体の外部とに跨って設けられ、複数の前記圧電素子のそれぞれから出力される電気信号を、まとめて外部に伝送する伝送電線とを備え、前記伝送電線は、導電性を有する導体で構成され、複数の前記圧電素子と電気的に接続される導体部と、絶縁性を有する樹脂で構成され、前記導体部の外周面を覆うことで当該導体部を外部から絶縁する樹脂絶縁層と、導電性を有する樹脂で構成され、前記樹脂絶縁層の外周面を覆うとともに外部に露出することで、前記導体部を外部から遮へいする樹脂導電層とを含むことを特徴とする。
この圧力検出装置において、前記伝送電線における前記導体部は、前記筐体の内部において複数の前記圧電素子と電気的に接続され、前記伝送電線における前記樹脂導電層は、前記筐体の外部において当該筐体と電気的に接続されることが好ましい。これにより、導体部に混入するノイズをさらに抑制することができる。
また、前記筐体における前記一方の端部には、外部から圧力を受けるとともに当該圧力を複数の前記圧電素子に伝達する伝達部材が取り付けられ、前記筐体における前記他方の端部から、前記伝送電線が突出して取り付けられることが好ましい。これにより、圧力検出装置において開口部と交差する径方向のサイズが大きくなるのを抑制することができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明の内燃機関用部品は、内燃機関の燃焼室内における燃料の燃焼動作において機能する機能部品と、前記機能部品において前記燃焼室と対向する部位に取り付けられ、当該燃焼室内の圧力を検出する圧力検出装置とを備え、前記圧力検出装置は、前記燃焼室に向かう一方から当該燃焼室から遠ざかる他方に向かう開口部が形成され、当該開口部の内側に前記機能部品の一部を収容する筐体と、前記筐体の内部に、前記開口部の周方向に沿って配置される複数の圧電素子と、前記筐体の内部と前記筐体の外部とに跨って設けられ、複数の前記圧電素子のそれぞれから出力される電気信号を、まとめて外部に伝送する伝送電線とを備え、前記伝送電線は、導電性を有する導体で構成され、複数の前記圧電素子と電気的に接続される導体部と、絶縁性を有する樹脂で構成され、前記導体部の外周面を覆うことで当該導体部を外部から絶縁する樹脂絶縁層と、導電性を有する樹脂で構成され、前記樹脂絶縁層の外周面を覆うとともに外部に露出することで、前記導体部を外部から遮へいする樹脂導電層とを含むことを特徴とする。
この内燃機関用部品において、前記機能部品と前記圧力検出装置とが電気的に接続されるとともに、前記機能部品の外周面には、前記伝送電線のうち前記筐体の外側に位置する部位を収容するための溝が形成されることが好ましい。これにより、内燃機関用部品を小型化できるとともに、伝送電線における断線の発生を抑制することができる。
また、前記機能部品は、前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射装置であることが好ましい。これにより、所謂直噴方式を採用した内燃機関において、燃焼室との間に形成する貫通孔の数を削減することができる。
本発明によれば、伝送電線を介して伝送される電気信号に重畳されるノイズを抑制することができる。
本実施の形態に係る内燃機関の概略構成図である。 圧力検出装置の斜視図である。 図2におけるIII−III断面図である。 図3におけるIV−IV断面図である。 図3におけるV部の拡大図である。 図3におけるVI部の拡大図である。 口出し加工が施された伝送電線の構成を説明するための図である。 伝送電線を含む伝送ユニットの構成を説明するための図である。 圧力検出装置から伝送電線を介して出力される電荷信号の波形を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関1の概略構成図である。
この内燃機関1は、シリンダ2aを有するシリンダブロック2と、シリンダ2a内を往復動するピストン3と、シリンダブロック2に締結されてシリンダ2aおよびピストン3などとともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド4とを備えている。また、内燃機関1は、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内の混合気を爆発させるための点火を行う点火プラグ5と、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内に燃料を噴射し且つ燃焼室C内の圧力を検出するインジェクタユニット6とを、さらに備えている。なお、シリンダヘッド4には、燃焼室Cと外部とを連通する連通孔が2つ設けられており、一方の連通孔には点火プラグ5が、他方の連通孔にはインジェクタユニット6が、それぞれ貫通した状態で取り付けられている。
内燃機関用部品の一例としてのインジェクタユニット6は、燃焼室C内に燃料を噴射する燃料噴射装置7と、燃料噴射装置7に取り付けられるとともに、燃焼室C内の圧力を検出する圧力検出装置8とを有している。ここで、機能部品の一例としての燃料噴射装置7は、燃焼室Cの外部に配置される本体部71と、本体部71から外方に向かって延びる円柱状の先端部72とを備えている。一方、圧力検出装置8は、燃料噴射装置7の先端部72における先端側に取り付けられている。圧力検出装置8のうち、燃料噴射装置7の先端部72における先端側に取り付けられる部位は、後述するように貫通孔を有する円筒状の形状を備えている。このため、燃料噴射装置7の先端部72における先端すなわち燃料を噴射するためのノズルの形成部位は、貫通孔を介して燃焼室C内に露出している。なお、この燃料噴射装置7の先端部72には、長手方向に沿う溝72aが形成されている。
次に、インジェクタユニット6を構成する圧力検出装置8の構成について説明する。
図2は、圧力検出装置8の斜視図である。また、図3は、図2におけるIII−III断面図である。さらに、図4は、図3におけるIV−IV断面図である。さらにまた、図5は、図3におけるV部の拡大図である。そして、図6は、図3におけるVI部の拡大図である。なお、以下の説明においては、燃料噴射装置7とともにインジェクタユニット6を構成した際に、圧力検出装置8のうち、燃焼室Cを向く側を『前面側』と称し、燃焼室Cとは反対を向く側を『背面側』と称する。
圧力検出装置8は、圧力を検出する機能を備えたセンサユニット10と、センサユニット10で検出された圧力を電気信号として外部に伝送する伝送ユニット50とを備える。
これらのうち、センサユニット10は、上述したように全体として円筒形状を呈しており、前面側から背面側に貫通し、図1に示す燃料噴射装置7における先端部72の先端側を収容する開口部10aが設けられている。なお、以下の説明においては、円柱形状を有する開口部10aの中心線方向(図3に一点鎖線で示す)を、単に中心線方向と称する。
これに対し、伝送ユニット50は、中心線方向に沿って延びるとともに、前面側における端部がセンサユニット10内に収容され、背面側となる他端側がセンサユニット10における背面側の端面から後方に向かって突出して配置される伝送電線51と、この伝送電線51をセンサユニット10に取り付けるための取り付け機構とを有している。
最初に、センサユニット10の構成について説明する。
センサユニット10は、円筒状の形状を有するフロント外側筐体11と、円筒状の形状を有し且つフロント外側筐体11の内側にフロント外側筐体11と同心状に配置されるフロント内側筐体12と、円筒状の形状を有し、フロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の背面側に取り付けられるリア筐体13と、環状の形状を有するとともにフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の前面側に取り付けられ、外部からの圧力を受ける受圧リング14とを備えている。また、このセンサユニット10には、これらフロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13および受圧リング14によって囲まれる部位に、円筒状の内部空間10bが形成されている。そして、このセンサユニット10は、この内部空間10bにおいて、環状の形状を有するとともに受圧リング14の背面側に配置され、受圧リング14からの圧力をさらに背面側に伝達する圧力伝達リング15と、圧力伝達リング15の背面側とリア筐体13における前面側の端面との間に配置され、圧力伝達リング15から受けた圧力を電気信号(この例では電荷信号)に変換する圧電素子群16とをさらに備えている。この例における圧電素子群16は、圧力伝達リング15の背面側において周方向に120°間隔で設けられた、第1圧電素子161と、第2圧電素子162と、第3圧電素子163とを含んでいる。
なお、本実施の形態では、第1圧電素子161、第2圧電素子162、第3圧電素子163が、複数の圧電素子としての機能を有しており、また、それぞれが圧電素子としての機能を有している。また、本実施の形態では、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13および受圧リング14を組み立てたものが、筐体としての機能を有している。
以下、センサユニット10の構成部材について詳述する。
フロント外側筐体11は、上述したように円筒状の形状を有しており、その前面側の端部内側には、受圧リング14における受圧部14a(詳細は後述する)の外側端部をはめ込むための切り欠きが形成されている。
フロント内側筐体12は、上述したように円筒状の形状を有しており、その外径は、上述したフロント外側筐体11の内径よりも小さい。また、フロント内側筐体12の前面側における端部外側には、受圧リング14における受圧部14aの内側端部をはめ込むための切り欠きが形成され、フロント内側筐体12の背面側における端部外側には、リア筐体13における前面側の端部内側をはめ込むための切り欠きが形成されている。
リア筐体13は、上述したように全体として円筒状の形状を有するリア筐体本体13aと、リア筐体本体13aにおいて前面側となる端面に設けられ、圧電素子群16の接地電極として機能する接地電極層13bとを備えている。ここで、リア筐体本体13aは、前面側においてフロント外側筐体11の内径とほぼ同じ外径に設定された前段部131と、前段部131の背面側においてフロント外側筐体11の外径とほぼ同じ外径に設定された中段部132と、中段部132の背面側においてフロント外側筐体11の内径とほぼ同じ外径に設定された後段部133とを有している。そして、上述した接地電極層13bは、リア筐体本体13aの前段部131における前面側の端面に、ほぼ一周にわたって形成されている。また、リア筐体本体13aの前段部131の前面側における端部外側には、中段部132とによって、フロント外側筐体11における背面側の端部外側をはめ込むための凹部が形成され、リア筐体本体13aの前段部131の前面側における端部内側には、フロント内側筐体12における背面側の端部外側に設けられた切り欠きにはめ込むための突出部が設けられている。
さらに、リア筐体本体13aの前段部131および中段部132には、中心線方向に沿ってリア筐体本体13aを貫通するフロント側貫通孔13cが1つ形成されており、リア筐体本体13aの後段部133には、中心線方向に沿ってリア筐体本体13aを貫通するリア側貫通孔13dが1つ形成されている。ここで、フロント側貫通孔13cおよびリア側貫通孔13dは、中心線方向からみたときに両者が重なる位置に設けられており、しかも、フロント側貫通孔13cは、上述した圧力伝達リング15および圧電素子群16を収容するための内部空間10bと繋がっている。そして、リア筐体本体13aにおける後段部133の外周面において、フロント側貫通孔13cの形成部位とリア側貫通孔13dの形成部位との間には、直方体状の凹部13eが設けられている。
リア筐体13に設けられる接地電極層13bは、導電性の高い金属薄膜を、リア筐体本体13aに対し単層あるいは複数層積層して構成されている。このような接地電極層13bとしては、リア筐体本体13a上に例えば密着強化層としてTiを用いた内層を積層し、内層の上に例えば拡散防止層としてPtを用いた中間層を積層し、中間層の上となる最上層に、例えばAuを用いた接合層を積層したものを使用することができる。
ここで、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12およびリア筐体13(リア筐体本体13a)は、高温となり得る燃焼室Cに面する位置または燃焼室Cに近い位置に存在することになるため、少なくとも、−40℃〜350℃の使用温度環境に耐える材料を用いて製作することが望ましい。また、この例では、後述するように、センサユニット10を構成する圧電素子群16および伝送電線51の接地対象としてリア筐体13(リア筐体本体13a)を使用することから、少なくともリア筐体本体13aについては、導電性を有する材料を用いて製作することが望ましい。具体的には、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12およびリア筐体13(リア筐体本体13a)を、耐熱性が高く且つ導電性があるステンレス鋼材、例えばJIS規格のSUS630、SUS316、SUS430等を用いて構成するとよい。
そして、フロント外側筐体11における背面側の端部は、リア筐体本体13aの前面側における端部外側に設けられた切り欠きにはめ込まれた状態で、一周にわたってレーザ溶接が施されることで固定されている。また、フロント内側筐体12における背面側の端部は、リア筐体本体13aの前面側における端部内側に設けられた突出部がはめ込まれた状態で、一周にわたってレーザ溶接が施されることで固定されている。
受圧リング14は、同心状に配置したフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12が前面側において形成する環状の隙間を、塞ぐように設けられる。この受圧リング14は、外部すなわち燃焼室C(図1参照)側に露出することで外部からの圧力を受ける受圧部14aと、受圧部14aの背面側において受圧部14aが受けた圧力を圧力伝達リング15に伝達する伝達部14bとを、一体化して構成されている。そして、受圧リング14の受圧部14aにおける外側端部は、フロント外側筐体11の前面側における端部内側に設けられた切り欠きにはめ込まれた状態で、一周にわたってレーザ溶接が施されることで固定されている。また、受圧リング14の受圧部14aにおける内側端部は、フロント内側筐体12の前面側における端部外側に設けられた切り欠きにはめ込まれた状態で、一周にわたってレーザ溶接が施されることで固定されている。そして、受圧リング14に設けられた伝達部14bは、フロント外側筐体11の内周面およびフロント内側筐体12の外周面の両者に接触しないように、これら両者に対する位置決めがなされる。なお、受圧リング14を構成する材料としては、高温であり且つ高圧となる燃焼室C内に露出することを考慮し、弾性が高く、且つ、耐久性、耐熱性、耐食性に優れる合金製であることが望ましく、例えばSUH660等を用いることができる。
圧力伝達リング15は、上述したように環状の形状を有する圧力伝達リング本体15aと、圧力伝達リング本体15aにおいて背面側となる端面に設けられ、圧電素子群16からの電荷信号を出力するための出力電極として機能する出力電極層15bとを備える。そして、出力電極層15bは、圧力伝達リング本体15aにおける背面側の端面に、一周にわたって形成されている。
ここで、圧力伝達リング本体15aの断面は矩形状であり、圧力伝達リング本体15aの外径はフロント外側筐体11の内径よりも小さく、圧力伝達リング本体15aの内径はフロント内側筐体12の外径よりも大きい。なお、この例において、圧力伝達リング本体15aは、耐熱性および絶縁性を有する、アルミナ等のセラミック材料で構成されている。
また、圧力伝達リング15に設けられる出力電極層15bは、導電性の高い金属薄膜を、圧力伝達リング本体15aに対し単層あるいは複数層積層して構成されている。このような出力電極層15bとしては、圧力伝達リング本体15a上に例えば密着強化層としてTiを用いた内層を積層し、内層の上に例えば拡散防止層としてPtを用いた中間層を積層し、中間層の上となる最上層に、例えばAuを用いた接合層を積層したものを使用することができる。また、出力電極層15bとして、接合層の上にさらに例えばAu−Snを含んだ、圧電素子群16の位置を調整するためのアライメント調整層を形成してもかまわない。
なお、本実施の形態では、これら受圧リング14および圧力伝達リング15の両者が、伝達部材として機能している。
圧電素子群16は、上述したように、第1圧電素子161と、第2圧電素子162と、第3圧電素子163とを備える。ここで、第1圧電素子161〜第3圧電素子163は共通の構成を有しており、それぞれが、直方体状に加工された圧電体16aと、圧電体16aにおける前面側の端面に形成されたフロント側電極16bと、圧電体16aにおける背面側の端面に形成されたリア側電極16cとを備えている。
圧電素子10は、圧電縦効果の圧電作用を示す圧電体を有している。圧電縦効果とは、圧電体の電荷発生軸と同一方向の応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生する作用をいう。本実施形態に係る圧電素子10は、中心線方向が応力印加軸の方向となるようにハウジング30内に収納されている。
次に、圧電素子10に圧電横効果を利用した場合を例示する。圧電横効果とは、圧電体の電荷発生軸に対して直交する位置にある応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生する作用をいう。薄板状に薄く形成した圧電体を複数枚積層して構成しても良く、このように積層することで、圧電体に発生する電荷を効率的に集めてセンサの感度を上げることができる。圧電体としては、圧電縦効果及び圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、LGTA)や水晶、ガリウムリン酸塩などを使用することを例示することができる。なお、本実施形態の圧電素子10には、圧電体としてランガサイト単結晶を用いている。
一方、フロント側電極16bおよびリア側電極16cは、導電性の高い金属薄膜を、圧電体16aの前面側の端面およびリア側の端面に対し、単層あるいは複数層積層して構成されている。このようなフロント側電極16bおよびリア側電極16cとしては、圧電体16a上に例えば密着強化層としてTiを用いた内層を積層し、内層の上に例えば拡散防止層としてPtを用いた中間層を積層し、中間層の上となる最上層に、例えばAuを用いた接合層を積層したものを使用することができる。
第1圧電素子161〜第3圧電素子163のそれぞれにおいて、各フロント側電極16bは、圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bと接触し、各リア側電極16cは、リア筐体13に設けられた接地電極層13bと接触する。また、この例では、第1圧電素子161〜第3圧電素子163が、各フロント側電極16bを介して、出力電極層15bに接合されており、結果として、圧力伝達リング15と圧電素子群16とが一体化している。
続いて、伝送ユニット50の構成について説明する。
図7は、口出し加工が施された伝送電線51の構成を説明するための図である。図8は、伝送電線51を含む伝送ユニット50の構成を説明するための図である。ここで、図8(a)は、組み立てがなされた伝送ユニット50の全体構成を例示しており、図8(b)は、組み立てがなされる前の伝送ユニット50の各構成要素を例示している。以下では、図1〜図6に加え、図7および図8も参照しつつ、伝送ユニット50について説明を行う。
伝送ユニット50は、センサユニット10から燃料噴射装置7(図1参照)に向けて電荷信号を伝送する伝送電線51と、伝送電線51よりも前面側に設けられ、センサユニット10の圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bと電気的に接続される接続端子52と、伝送電線51よりも前面側且つ接続端子52よりも背面側に設けられ、伝送電線51および接続端子52を電気的に接続する接続パイプ53とを備えている。また、伝送ユニット50は、接続パイプ53の外周面を保護する保護チューブ54と、保護チューブ54よりも前面側において接続端子52の外周面を覆うとともに接続端子52の位置決めに用いられる位置決めチューブ55と、位置決めチューブ55よりも前面側において接続端子52の外周面に巻き回され、接続端子52を前面側に向けて押すコイルスプリング56とを備えている。さらに、伝送ユニット50は、保護チューブ54よりも前面側且つ位置決めチューブ55よりも背面側において接続端子52の外周面に取り付けられ、且つ、リア筐体本体13aの中段部132に設けられたフロント側貫通孔13cの内壁面に接触することで、接続端子52における前面側を外部から封止する封止部57と、保護チューブ54よりも背面側において伝送電線51の外周面に取り付けられ、且つ、リア筐体本体13aの後段部133に設けられたリア側貫通孔13dの内壁面に接触することで、センサユニット10に対して伝送電線51を固定する固定リング58とを備えている。
以下、伝送ユニット50の構成部材について詳述する。
伝送電線51は、例えば図7に示すように、所謂同軸構造を有する絶縁電線にて構成される。より具体的に説明すると、伝送電線51は、金属線の撚り線からなる導体部51aと、絶縁性を有する樹脂からなり導体部51aの外周を被覆する樹脂絶縁層51bと、半導電性を有する樹脂からなり樹脂絶縁層51bの外周を被覆する樹脂半導電層51cとを備えている。そして、樹脂半導電層51cは、伝送電線51の最外層に配置されており、導体部51aにて伝送される電荷信号に対する、外部からのノイズの混入を抑制する遮へい層として機能している。
これらのうち、導体部51aは、直径0.03mmの7本の錫メッキ軟銅線(金属線の一例)を撚り合わせることで構成されている。なお、導体部51aについては、錫メッキ軟銅線に代えて錫メッキ銅合金線で構成してもかまわない。
また、樹脂絶縁層51bは、導体部51aの外周面に、押し出し法にて、厚さ0.075mmのペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)を被覆することで構成されている。
さらに、樹脂導電層の一例としての樹脂半導電層51cは、樹脂絶縁層51bの外周面に、押し出し法にて、厚さ0.01mmの、カーボンを含有させたPFAを被覆することで構成されている。ただし、樹脂半導電層51cの導電性は、導体部51aの導電性よりも低くなっている。
また、伝送電線51の外径(最外径)は、0.26mm強程度(0.3mm以下)である。
ここで、伝送電線51における一端側は、導体部51a、樹脂絶縁層51bおよび樹脂半導電層51cのそれぞれを、順次外部に露出させる口出し加工が施された状態で、伝送ユニット50の他の構成部材に取り付けられる。一方、伝送電線51における他端側は、上述した口出し加工が施された状態でBNCコネクタ等の接続部品(図示せず)に取り付けられ、この接続部品を介して燃料噴射装置7(図1参照)に接続される。
接続端子52は耐熱性および導電性を有する金属製の棒状体で構成されており、最も前面側に位置することで圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bに突き当たる突き当て部52aと、突き当て部52aの背面側に位置する柱状部52bと、柱状部52bの背面側に位置する接続部52cとを、一体化して構成されている。そして、接続端子52において、突き当て部52aの外径は、内部空間10bにおける径方向の長さよりも小さく、柱状部52bの外径は、突き当て部52aの外径よりも小さく、接続部52cの外径は、柱状部52bの外径よりも小さい。
接続パイプ53は耐熱性および導電性を有する金属製の筒状体で構成されており、接続パイプ53に設けられた貫通孔の内径は、伝送電線51における導体部51aの外径および接続端子52における接続部52cの外径よりも大きい。また、接続パイプ53には、貫通孔の背面側から伝送電線51における導体部51aの前面側の端部が、貫通孔の前面側から接続端子52における接続部52cの背面側の端部が、それぞれ挿入されている、そして、この状態で、接続パイプ53を外周面側からかしめることで、接続パイプ53が、導体部51aと接続端子52とを、電気的に接続するとともに固定している。
保護チューブ54はPFA製の筒状体で構成されており、接続パイプ53のすべての外周面と、接続端子52における柱状部52bの後端側端部の外周面と、伝送電線51における樹脂絶縁層51bの前面側端部の外周面とを覆っている。ここで、保護チューブ54としては、例えば熱収縮チューブ等を用いることができる。
位置決めチューブ55はアルミナセラミック製の筒状体で構成されており、前面側に位置するフロント側筒状部55aと、フロント側筒状部55aの背面側に位置するリア側筒状部55bとを有している。ここで、位置決めチューブ55におけるフロント側筒状部55aの外径は、リア側筒状部55bの外径よりも大きく、内部空間10bにおける径方向の長さよりも小さい。また、位置決めチューブ55の内径は、接続端子52における柱状部52bの外径よりも大きい。
コイルスプリング56は、接続端子52における突き当て部52aの背面側端面と、位置決めチューブ55のフロント側筒状部55aにおける前面側の端面との間に配置される。ここで、コイルスプリング56は耐熱性を有する金属で構成されており、前面側の端部が接続端子52における突き当て部52aの背面側端面に突き当たり、背面側の端部が位置決めチューブ55のフロント側筒状部55aにおける前面側の端面に突き当たる。また、コイルスプリング56の内径は、接続端子52における柱状部52bの外径とほぼ等しい。
封止部57は、位置決めチューブ55におけるリア側筒状部55bの背面側に位置するフロント側Oリング57aと、フロント側Oリング57aの背面側且つ保護チューブ54の前面側に位置するリア側Oリング57bとを備える。ここで、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bは、ともにPFAで構成されている。ここで、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bの外径は、リア筐体本体13aに設けられたフロント側貫通孔13cの内径よりも大きく設定され、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bの内径は、接続端子52における柱状部52bの外径よりも小さく設定される。
固定リング58は耐熱性を有する金属製の筒状体で構成されており、その前面側の端部には、逆テーパ加工が施されている。そして、固定リング58の外径は、リア筐体13に設けられたリア側貫通孔13dの内径よりもわずかに大きく設定され、固定リング58の内径は、伝送電線51の外径(樹脂半導電層51cを含む外径)とほぼ等しいか、わずかに小さく設定される。
続いて、伝送ユニット50の各構成部材とセンサユニット10との位置関係について説明する。
接続端子52は、前面側には突き当て部52aを、背面側には接続部52cを、それぞれ位置させた状態で、内部空間10b、フロント側貫通孔13cおよび凹部13eに跨って配置される。このとき、突き当て部52aは内部空間10b内に、接続部52cは凹部13e内に、それぞれ配置され、柱状部52bは、内部空間10b、フロント側貫通孔13cおよび凹部13eを跨いで配置される。
位置決めチューブ55は、前面側にはフロント側筒状部55aを、背面側にはリア側筒状部55bを、それぞれ位置させ、且つ、その貫通孔内に接続端子52の柱状部52bを貫通させた状態で、内部空間10bおよびフロント側貫通孔13cに跨って配置される。このとき、フロント側筒状部55aが内部空間10b内に、また、リア側筒状部55bがフロント側貫通孔13c内に、それぞれ配置される。そして、位置決めチューブ55におけるフロント側筒状部55aとリア側筒状部55bとの境界における段差部が、リア筐体本体13aにおける中段部132の前面側に突き当たることにより、位置決めチューブ55が位置決めされる。
コイルスプリング56は、その内側に接続端子52の柱状部52bを貫通させた状態で、内部空間10b内に配置される。このとき、コイルスプリング56における前面側の端部は、接続端子52の突き当て部52aにおける背面側の端面に、また、コイルスプリング56における背面側の端部は、位置決めチューブ55のフロント側筒状部55aにおける前面側の端面に、それぞれ突き当たる。また、このとき、コイルスプリング56は、元の状態よりも圧縮された状態に設定される。ここで、位置決めチューブ55は、リア筐体13によって背面側への移動が規制されていることから、接続端子52は、コイルスプリング56によって前面側に押されることになる。その結果、接続端子52の突き当て部52aにおける前面側の端面が、圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bに突き当たる。
封止部57を構成するフロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bは、その内側に接続端子52の柱状部52bを貫通させた状態で、フロント側貫通孔13c内に配置される。このとき、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bの各内周面は、ともに接続端子52における柱状部52bの外周面に接触し、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bの各外周面は、ともにフロント側貫通孔13cの内壁面に接触する。このため、装着後のフロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bは、ともに径方向に圧縮されて潰れた状態となる。
接続パイプ53は、前面側から接続端子52における接続部52cが挿入され、背面側から伝送電線51における導体部51aが挿入され、さらに、外周面側からかしめが施された状態で、凹部13e内に配置される。
また、保護チューブ54は、接続端子52の接続部52cおよび伝送電線51の導体部51aを内部に収容した接続パイプ53と、接続端子52の柱状部52bにおける背面側の端部と、伝送電線51の樹脂絶縁層51bにおける前面側の端部と、を貫通させた状態で、凹部13e内に配置される。
固定リング58は、その貫通孔内に樹脂半導電層51cまでが被覆された伝送電線51を貫通させた状態で、リア側貫通孔13d内に配置される。このとき、固定リング58の外周面がリア側貫通孔13dの内壁面に接触し、固定リング58の内周面が伝送電線51における樹脂半導電層51cの外周面に接触する。ここで、伝送電線51における樹脂半導電層51cは、固定リング58の内周面と接触する領域に存在し、且つ、固定リング58よりも前面側に存在しないように、固定リング58に対する伝送電線51の取り付けがなされている。
なお、燃料噴射装置7に圧力検出装置8を装着してインジェクタユニット6を構成する際、圧力検出装置8において伝送ユニット50を構成する伝送電線51のうち外部に露出する部位は、燃料噴射装置7の先端部72に設けられた溝72aの内側に収容される。したがって、インジェクタユニット6において、圧力検出装置8に設けられた伝送電線51は、インジェクタユニット6の外側に飛び出し難い構成となっている。
ではここで、上述した圧力検出装置8における電気的な接続構造について説明しておく。
まず、圧電素子群16を構成する第1圧電素子161〜第3圧電素子163の前面側に設けられた各圧電体16aの背面側の端面は、それぞれに設けられたリア側電極16cを介して、リア筐体13に設けられた接地電極層13bと電気的に接続される。ここで、リア筐体13を構成するリア筐体本体13aと接地電極層13bとは、電気的に接続された状態にある。
これに対し、圧電素子群16を構成する第1圧電素子161〜第3圧電素子163の前面側に設けられた各圧電体16aの前面側の端面は、それぞれに設けられたフロント側電極16bを介して、圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bと電気的に接続される。ここで、圧力伝達リング15を構成する圧力伝達リング本体15aと出力電極層15bとは、電気的に絶縁された状態にある。また、出力電極層15bは、突き当て部52aを介して接続端子52と電気的に接続される。さらに、接続端子52は、その接続部52cから接続パイプ53を介して、伝送電線51における導体部51aと電気的に接続される。そして、接続端子52から接続パイプ53を介して導体部51aへと至る電荷信号の伝送経路は、それぞれが絶縁体で構成された、内部空間10b、位置決めチューブ55、封止部57、保護チューブ54および伝送電線51における樹脂絶縁層51bによって、金属にて構成されるとともに相互に電気的に接続された、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12およびリア筐体13(より具体的にはリア筐体本体13a)と電気的に絶縁される。なお、接続端子52における、接続部52cを含む前面側は、位置決めチューブ55によって位置が規制されていることから、接続端子52は、フロント外側筐体11における外周面およびフロント内側筐体12における内周面には接触しない。
また、伝送電線51では、樹脂絶縁層51bによって導体部51aと樹脂半導電層51cとが電気的に絶縁される。そして、伝送電線51を構成する樹脂半導電層51cは、金属製の固定リング58を介して、リア筐体13におけるリア筐体本体13aと電気的に接続される。
なお、燃料噴射装置7および圧力検出装置8を用いて構成したインジェクタユニット6を、図1に示すシリンダヘッド4に取り付けた際、少なくともフロント外側筐体11が、金属製のシリンダヘッド4と電気的に接続される。このシリンダヘッド4は、電気的に設置された状態にあるため、圧力検出装置8では、リア筐体13(リア筐体本体13a)およびフロント外側筐体11を介して、第1圧電素子161〜第3圧電素子163のそれぞれにおける前面側と伝送電線51における樹脂半導電層51cとが、それぞれ接地されることになる。
次に、図1に示す内燃機関1に装着されたインジェクタユニット6における、圧力検出装置8の圧力検出動作について説明する。
燃焼室C内に発生した燃焼圧の変動が、受圧リング14および圧力伝達リング15を介して、リア筐体13と圧力伝達リング15とに挟まれた圧電素子群16に作用する。このとき、燃焼圧の変動に伴って発生する振動は、最大で数kHz程度の周波数成分を含むものである。この例において、圧電素子群16は、周方向に等間隔に配置された第1圧電素子161〜第3圧電素子163を備えており、第1圧電素子161〜第3圧電素子163には、それぞれ、燃焼圧の変動に応じた電荷が発生する。そして、第1圧電素子161〜第3圧電素子163を構成する各圧電体16aに発生した電荷は、各圧電体16aにおける前面側の端面から、各フロント側電極16bを介して、圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bに伝達される。その後、出力電極層15bに伝達された電荷信号は、接続端子52から接続パイプ53を介して、伝送電線51の導体部51aに伝達され、さらに、導体部51aを介して、電荷信号として燃料噴射装置7に伝送される。なお、燃料噴射装置7に伝送された電荷信号は、さらに、内燃機関1の作動を制御する制御装置(図示せず)に伝送される。
このとき、圧電素子群16を構成する第1圧電素子161〜第3圧電素子163における背面側の端面は、リア筐体13(接地電極層13bおよびリア筐体本体13a)とフロント外側筐体11とを介してシリンダヘッド4に接続されており、第1圧電素子161〜第3圧電素子163のそれぞれから出力される電荷に対するノイズ分の混入を抑制している。
また、このとき、伝送電線51における樹脂半導電層51cは、固定リング58およびリア筐体13(リア筐体本体13a)とフロント外側筐体11とを介してシリンダヘッド4に接続されており、導体部91によって伝送される電荷信号に対するノイズ分の混入を抑制している。
そして、この例では、伝送電線51における導体部51aの遮へい層として、銅メッキ等による金属薄膜ではなく、樹脂半導電層51cを用いているため、伝送電線51は、高い可撓性を有することになる。また、遮へい層として樹脂半導電層51cを用いることで、繰り返し曲げや振動等を受けた際に伝送電線51から遮へい層が剥がれにくくなる、という利点がある。特に、本実施の形態では、伝送電線51を有する圧力検出装置8が、内燃機関1から長期にわたって振動を受けることになるが、上述した理由により、伝送電線51から樹脂半導電層51cが割れにくく且つ剥がれにくくなるために、長期にわたって電荷信号に対するノイズの混入(重畳)を抑制することが可能となる。
続いて、本発明者が行った実験および実験結果について説明を行う。
本発明者は、図2等に示す圧力検出装置8において、伝送電線51として図7に示す構成を有するものを用いた場合(以下では実験例と称する)と、伝送電線51として、図7に示す構成において、樹脂半導電層51cに代えて銅メッキ層を設けたものを用いた場合(以下では比較例と称する)とで、導体部51aを介して出力される電荷信号に混入するノイズの大きさの違いについて検討を行った。なお、この実験は、実験例および比較例の両者において、圧力検出装置8における受圧リング14に振動を与えない状態で、圧電素子群16から伝送電線51を介して出力される電荷信号の波形を、オシロスコープを用いて観測することによって行った。
図9は、上述した実験において、圧力検出装置8から伝送電線51を介して出力される電荷信号の波形を示す図である。ここで、図9(a)は前者の実験例における観測結果であり、図9(b)は後者の比較例における観測結果である。なお、図9(a)、(b)のそれぞれにおいて、横軸は時間(sec)であり、縦軸は出力される電荷信号を積分して得られた出力電圧(V)である。なお、今回の実験では、受圧リング14に振動を与えていないことから、電荷信号は発生しないことになり、理想的には、出力電圧が±0Vで一定となる。
図9(a)と図9(b)とを比較すると、後者の比較例と比べて、前者の実験例では、出力電圧の振幅が小さくなっていることがわかる。ここで、実験例と比較例との違いは、伝送電線51の構成、より具体的には、伝送電線51における遮へい層の構成の違いだけである。したがって、伝送電線51の遮へい層を銅メッキ層ではなく樹脂半導電層51cとすることで、伝送電線51におけるノイズ分の混入が抑制されていることが理解される。
例えば伝送電線51における遮へい層として銅メッキ層を採用した場合において、この伝送電線51に繰り返し振動を与えると、樹脂絶縁層51bと銅メッキ層51cとの密着性が低いために、樹脂絶縁層51bから銅メッキ層51cが剥離してしまう懸念がある。また、遮へい層として銅メッキ層を有する伝送電線51に繰り返し振動を与えると、銅メッキ層に亀裂が発生したり、発生した亀裂の進展に伴って伝送電線51から銅メッキ層51cが剥がれ落ちたりする懸念もある。そして、このような不具合が生じた部位では、銅メッキ層による遮へいが不十分となって、導体部51a内を伝送される電荷信号に、ノイズ分が混入しやすくなってしまう。
一方、本実施の形態のように、伝送電線51における遮へい層として樹脂半導電層51cを採用した場合には、上述した比較例よりも、樹脂絶縁層51bと樹脂半導電層51cとの密着性が高く、また、銅メッキ層よりも樹脂半導電層51cは伸縮性が高いことから、樹脂半導電層51cには亀裂や剥がれ落ちも生じ難い。このため、実験例では、比較例に比べて、出力電圧(電荷信号)に対するノイズ分の混入が抑制されたものと考える。
なお、本実施の形態では、伝送電線51における樹脂半導電層51cを、カーボンを含有させたPFAで構成していたが、これに限られるものではなく、例えばカーボンを含有させたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂を用いることができる。また、フッ素樹脂に限らず、例えばカーボンを含有させたシリコーンゴムを用いることもできる。さらに、本実施の形態では、樹脂等の絶縁性の基体に、導電性を有するカーボンを含有させることで、樹脂半導電層51cに導電性を持たせるようにしていたが、これに限られるものではなく、カーボンに代えて例えば金属粉等を含有させるようにしてもかまわない。
また、本実施の形態では、圧力検出装置8に設けられる圧電素子群16を、3個の圧電素子で構成していたが、これに限られるものではなく、複数個であればよい。また、本実施の形態では、圧電素子群16を構成する複数個の圧電素子を、周方向に等間隔で配置していたが、これに限られるものではなく、非等間隔であってもよい。
さらに、本実施の形態では、圧力検出装置8を燃料噴射装置7と組み合わせることによって、内燃機関用部品の一例としてのインジェクタユニット6を構成する場合を例として説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、上述した圧力検出装置8を、図1に示す点火プラグ5と組み合わせることによって、内燃機関用部品の一例としての点火プラグユニットを構成するようにしてもかまわない。
1…内燃機関、2…シリンダブロック、2a…シリンダ、3…ピストン、4…シリンダヘッド、C…燃焼室、5…点火プラグ、6…インジェクタユニット、…燃料噴射装置、8…圧力検出装置、10…センサユニット、10a…開口部、11…フロント外側筐体、12…フロント内側筐体、13…リア筐体、14…受圧リング、15…圧力伝達リング、16…圧電素子群、50…伝送ユニット、51…伝送電線、52…接続端子、53…接続パイプ、54…保護チューブ、55…位置決めチューブ、56…コイルスプリング、57…封止部、58…固定リング

Claims (10)

  1. 圧電体を用いて圧力の変動を検出する圧電素子と、
    前記圧電素子から出力される電気信号を外部に伝送する伝送電線とを備え、
    前記伝送電線は、
    導電性を有する導体で構成され、前記圧電素子と電気的に接続される導体部と、
    絶縁性を有する樹脂で構成され、前記導体部の外周面を覆うことで当該導体部を外部から絶縁する樹脂絶縁層と、
    導電性を有する樹脂で構成され、前記樹脂絶縁層の外周面を覆うとともに外部に露出することで、前記導体部を外部から遮へいする樹脂導電層と
    を含むことを特徴とする圧力検出装置。
  2. 導電性を有するとともに前記圧電素子を内部に収容する筐体をさらに備え、
    前記筐体は、前記樹脂導電層を介して前記伝送電線を保持するとともに、当該筐体と当該樹脂導電層とを電気的に接続する保持部を有していること
    を特徴とする請求項1記載の圧力検出装置。
  3. 前記樹脂絶縁層と前記樹脂導電層とが、共通のフッ素樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2記載の圧力検出装置。
  4. 前記伝送電線の最外径が、0.3mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の圧力検出装置。
  5. 一方から他方に向かう開口部が形成される筐体と、
    前記筐体の内部に、前記開口部の周方向に沿って配置される複数の圧電素子と、
    前記筐体の内部と前記筐体の外部とに跨って設けられ、複数の前記圧電素子のそれぞれから出力される電気信号を、まとめて外部に伝送する伝送電線とを備え、
    前記伝送電線は、
    導電性を有する導体で構成され、複数の前記圧電素子と電気的に接続される導体部と、
    絶縁性を有する樹脂で構成され、前記導体部の外周面を覆うことで当該導体部を外部から絶縁する樹脂絶縁層と、
    導電性を有する樹脂で構成され、前記樹脂絶縁層の外周面を覆うとともに外部に露出することで、前記導体部を外部から遮へいする樹脂導電層と
    を含むことを特徴とする圧力検出装置。
  6. 前記伝送電線における前記導体部は、前記筐体の内部において複数の前記圧電素子と電気的に接続され、
    前記伝送電線における前記樹脂導電層は、前記筐体の外部において当該筐体と電気的に接続されること
    を特徴とする請求項5記載の圧力検出装置。
  7. 前記筐体における前記一方の端部には、外部から圧力を受けるとともに当該圧力を複数の前記圧電素子に伝達する伝達部材が取り付けられ、
    前記筐体における前記他方の端部から、前記伝送電線が突出して取り付けられること
    を特徴とする請求項5または6記載の圧力検出装置。
  8. 内燃機関の燃焼室内における燃料の燃焼動作において機能する機能部品と、
    前記機能部品において前記燃焼室と対向する部位に取り付けられ、当該燃焼室内の圧力を検出する圧力検出装置とを備え、
    前記圧力検出装置は、
    前記燃焼室に向かう一方から当該燃焼室から遠ざかる他方に向かう開口部が形成され、当該開口部の内側に前記機能部品の一部を収容する筐体と、
    前記筐体の内部に、前記開口部の周方向に沿って配置される複数の圧電素子と、
    前記筐体の内部と前記筐体の外部とに跨って設けられ、複数の前記圧電素子のそれぞれから出力される電気信号を、まとめて外部に伝送する伝送電線とを備え、
    前記伝送電線は、
    導電性を有する導体で構成され、複数の前記圧電素子と電気的に接続される導体部と、
    絶縁性を有する樹脂で構成され、前記導体部の外周面を覆うことで当該導体部を外部から絶縁する樹脂絶縁層と、
    導電性を有する樹脂で構成され、前記樹脂絶縁層の外周面を覆うとともに外部に露出することで、前記導体部を外部から遮へいする樹脂導電層と
    を含むことを特徴とする内燃機関用部品。
  9. 前記機能部品と前記圧力検出装置とが電気的に接続されるとともに、
    前記機能部品の外周面には、前記伝送電線のうち前記筐体の外側に位置する部位を収容するための溝が形成されることを特徴とする請求項8記載の内燃機関用部品。
  10. 前記機能部品は、前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射装置であることを特徴とする請求項8または9記載の内燃機関用部品。
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JP2018169255A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 シチズンファインデバイス株式会社 圧力検出装置、圧力検出装置の製造方法

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