JP6937148B2 - 圧力検出装置、圧力検出装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このような圧力検出装置において、前記筐体を内部に収容するとともに一端側には前記受圧部材が取り付けられ、当該筐体との間には複数の前記検出素子が配置される筒状の他の筐体と、前記受圧部材の全周にわたり前記他の筐体の内側と外側とに跨って設けられ、当該受圧部材と当該他の筐体とを接合する他の接合部とをさらに含むことを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明は、受けた圧力に応じた検出信号を出力する検出素子と、筒状の筐体と、前記筐体の一端側に取り付けられ、外部からの圧力を受けるとともに受けた圧力を前記検出素子に伝達する受圧部材とを備えた圧力検出装置の製造方法であって、前記受圧部材の全周にわたり前記筐体の内側と外側とに跨って当該受圧部材と当該筐体とを溶接する工程を有することを特徴としている。
このような圧力検出装置の製造方法において、前記受圧部材と前記筐体とを溶接する工程では、当該受圧部材と当該筐体との間に存在する隙間を埋めるように溶接を行うことを特徴とすることができる。
また、前記圧力検出装置は、前記筐体を内部に収容するとともに一端側には前記受圧部材が取り付けられ、当該筐体との間には複数の前記検出素子が配置される筒状の他の筐体をさらに備え、前記受圧部材の全周にわたり前記他の筐体の内側と外側とに跨って当該受圧部材と当該他の筐体とを溶接する工程をさらに有することを特徴とすることができる。
さらに、前記受圧部材と前記他の筐体とを溶接する工程では、当該受圧部材と当該他の筐体との間に存在する隙間を埋めるように溶接を行うことを特徴とすることができる。
[内燃機関の構成]
図1は、本実施の形態に係る内燃機関1の概略構成図である。
この内燃機関1は、シリンダ2aを有するシリンダブロック2と、シリンダ2a内を往復動するピストン3と、シリンダブロック2に締結されてシリンダ2aおよびピストン3などとともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド4とを備えている。また、内燃機関1は、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内の混合気を爆発させるための点火を行う点火プラグ5と、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内に燃料を噴射し且つ燃焼室C内の圧力を検出するインジェクタユニット6とをさらに備えている。なお、シリンダヘッド4には、燃焼室Cと外部とを連通する連通孔が2つ設けられており、一方の連通孔には点火プラグ5が、他方の連通孔にはインジェクタユニット6が、それぞれ貫通した状態で取り付けられている。
インジェクタユニット6は、燃焼室C内に燃料を噴射する燃料噴射装置7と、燃料噴射装置7に取り付けられるとともに、燃焼室C内の圧力を検出する圧力検出装置8とを有している。ここで、燃料噴射装置7は、燃焼室Cの外部に配置される本体部71と、本体部71から外方に向かって延びる円柱状の先端部72とを備えている。一方、圧力検出装置8は、燃料噴射装置7の先端部72における先端側に取り付けられている。圧力検出装置8のうち、燃料噴射装置7の先端部72における先端側に取り付けられる部位は、後述するように貫通孔を有する円筒状の形状を備えている。このため、燃料噴射装置7の先端部72における先端すなわち燃料を噴射するためのノズルの形成部位は、貫通孔を介して燃焼室C内に露出している。なお、この燃料噴射装置7の先端部72には、長手方向に沿う溝72aが形成されている。
次に、インジェクタユニット6における圧力検出装置8の構成について説明する。
図2は、圧力検出装置8の斜視図である。また、図3は、図2におけるIII−III断面図である。さらに、図4は、図3におけるIV−IV断面図である。さらにまた、図5は、図3におけるV部の拡大図である。また、図6は、図3におけるVI部の拡大図である。さらに、図7は、図3におけるVII部の拡大図である。なお、以下の説明においては、燃料噴射装置7とともにインジェクタユニット6を構成した際に、圧力検出装置8のうち、燃焼室Cを向く側(図2における奥側、図3における下側)を『前面側』と称し、燃焼室Cとは反対を向く側(図2における手前側、図3における上側)を『背面側』と称する。
これらのうち、センサユニット10は、上述したように全体として円筒形状を呈しており、前面側から背面側に貫通し、図1に示す燃料噴射装置7における先端部72の先端側を収容する開口部10a(貫通孔)が設けられている。なお、以下の説明においては、円柱形状を有する開口部10aの中心線方向(図3に一点鎖線で示す)を、単に中心線方向と称する。
これに対し、伝送ユニット50は、中心線方向に沿って延びるとともに、前面側における端部がセンサユニット10内に収容され、背面側となる他端側がセンサユニット10における背面側の端面から後方に向かって突出して配置される伝送電線51と、この伝送電線51をセンサユニット10に取り付けるための取り付け機構とを有している。
最初に、センサユニット10の構成について説明する。
センサユニット10は、円筒状の形状を有するフロント外側筐体11と、円筒状の形状を有し且つフロント外側筐体11の内側にフロント外側筐体11と同心状に配置されるフロント内側筐体12とを有している。また、センサユニット10は、円筒状の形状を有し、フロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の背面側に取り付けられるリア筐体13と、環状の形状を有するとともにフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の前面側に取り付けられ、外部からの圧力を受ける受圧リング14とを備えている。このセンサユニット10には、これらフロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13および受圧リング14によって囲まれる部位に、円筒状の内部空間10bが形成されている。そして、このセンサユニット10は、この内部空間10bにおいて、環状の形状を有するとともに受圧リング14の背面側に配置され、受圧リング14からの圧力をさらに背面側に伝達する圧力伝達リング15を備えている。また、センサユニット10は、内部空間10bにおいて、圧力伝達リング15の背面側とリア筐体13における前面側の端面との間に配置され、圧力伝達リング15から受けた圧力を、検出信号の一例としての電気信号(この例では電荷信号)に変換する圧電素子群16を備えている。ここで、この例における圧電素子群16は、圧力伝達リング15の背面側において周方向に120°間隔で設けられた、第1圧電素子161と、第2圧電素子162と、第3圧電素子163とを含んでいる。また、センサユニット10は、全体が円筒状を呈し且つ断面がL字状となる形状を有し、フロント内側筐体12の前面側の内周面に取り付けられる内部リング17を備えている。さらに、センサユニット10には、フロント外側筐体11の前面側においてフロント外側筐体11と受圧リング14との溶接により形成される外側溶接部18と、フロント内側筐体12の前面側においてフロント内側筐体12と受圧リング14と内部リング17との溶接により形成される内側溶接部19とが設けられている。
(フロント外側筐体)
他の筐体の一例としてのフロント外側筐体11は、上述したように円筒状の形状を有しており、その前面側の端部内側には、受圧リング14における外側突出部14c(詳細は後述する)の背面側端部をはめ込むための切り欠きが形成されている(後述する図8(a)も参照)。
筐体の一例としてのフロント内側筐体12は、上述したように円筒状の形状を有しており、その外径は、上述したフロント外側筐体11の内径よりも小さい。また、フロント内側筐体12の前面側における端部外側には、受圧リング14における内側突出部14d(詳細は後述する)の背面側端部をはめ込むための切り欠きが形成され、フロント内側筐体12の背面側における端部外側には、リア筐体13における前面側の端部内側をはめ込むための切り欠きが形成されている(後述する図8(a)も参照)。
リア筐体13は、上述したように全体として円筒状の形状を有するリア筐体本体13aと、リア筐体本体13aにおいて前面側となる端面に設けられ、圧電素子群16の接地電極として機能する接地電極層13bとを備えている。ここで、リア筐体本体13aは、前面側においてフロント外側筐体11の内径とほぼ同じ外径に設定された前段部131と、前段部131の背面側においてフロント外側筐体11の外径とほぼ同じ外径に設定された中段部132と、中段部132の背面側においてフロント外側筐体11の内径とほぼ同じ外径に設定された後段部133とを有している。そして、上述した接地電極層13bは、リア筐体本体13aの前段部131における前面側の端面に、ほぼ一周にわたって形成されている。また、リア筐体本体13aの前段部131の前面側における端部外側には、中段部132とによって、フロント外側筐体11における背面側の端部外側をはめ込むための凹部が形成され、リア筐体本体13aの前段部131の前面側における端部内側には、フロント内側筐体12における背面側の端部外側に設けられた切り欠きにはめ込むための突出部が設けられている。
ここで、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12およびリア筐体13(リア筐体本体13a)は、高温となり得る燃焼室Cに面する位置または燃焼室Cに近い位置に存在することになるため、少なくとも、−40℃〜350℃の使用温度環境に耐える材料を用いて製作することが望ましい。また、この例では、後述するように、センサユニット10を構成する圧電素子群16および伝送電線51の接地対象としてリア筐体13(リア筐体本体13a)を使用することから、少なくともリア筐体本体13aについては、導電性を有する材料を用いて製作することが望ましい。具体的には、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12およびリア筐体13(リア筐体本体13a)を、耐熱性が高く且つ導電性があるステンレス鋼材、例えばJIS規格のSUS630、SUS316、SUS430等を用いて構成するとよい。
受圧部材の一例としての受圧リング14は、同心状に配置したフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12が前面側において形成する環状の隙間を、塞ぐように設けられる。この受圧リング14は、円環状を呈し且つ外部すなわち燃焼室C(図1参照)側に露出することで外部からの圧力を受ける受圧部14aと、受圧部14aの背面側において受圧部14aが受けた圧力を圧力伝達リング15に伝達する伝達部14bと、円環状を呈し且つ受圧部14aの外側の周縁から背面側に突出する外側突出部14cと、円環状を呈し且つ受圧部14aの内側の周縁から背面側に突出する内側突出部14dとを有している(後述する図8(a)も参照)。なお、図3および図7は、溶接によって外側溶接部18および内側溶接部19を形成した後の状態を示しているため、受圧部14aと外側突出部14cとが、外側溶接部18(より具体的には後述する第2外側溶接部182)によって分断されており、受圧部14aと内側突出部14dとが、内側溶接部19(より具体的には後述する第2内側溶接部192)によって分断されている。
圧力伝達リング15は、上述したように環状の形状を有する圧力伝達リング本体15aと、圧力伝達リング本体15aにおいて背面側となる端面に設けられ、圧電素子群16からの電荷信号を出力するための出力電極として機能する出力電極層15bとを備える。そして、出力電極層15bは、圧力伝達リング本体15aにおける背面側の端面に、一周にわたって形成されている。
圧電素子群16は、上述したように、第1圧電素子161と、第2圧電素子162と、第3圧電素子163とを備える。ここで、第1圧電素子161〜第3圧電素子163は共通の構成を有しており、それぞれが、直方体状に加工された圧電体16aと、圧電体16aにおける前面側の端面に形成されたフロント側電極16bと、圧電体16aにおける背面側の端面に形成されたリア側電極16cとを備えている。
内部リング17は、上述したように円筒状の形状を有しており、その断面がL字状を呈するようになっている。そして、内部リング17は、燃料噴射装置7に圧力検出装置8を取り付けることによってインジェクタユニット6を構成した場合に、圧力検出装置8におけるセンサユニット10の開口部10aと、燃料噴射装置7の先端部72との間に存在する隙間を埋めるようになっている。
外側溶接部18は、フロント外側筐体11における前面側の端面と、受圧リング14の外側突出部14cにおける背面側の端面との対向部位を溶接してなる第1外側溶接部181と、第1外側溶接部181よりも前面側においてフロント外側筐体11と受圧リング14とを溶接してなる第2外側溶接部182とを有している。ここで、他の接合部の一例としての第2外側溶接部182は、フロント外側筐体11の前面側と、受圧リング14における受圧部14aの外側端部および外側突出部14cの前面側とを溶接して構成されている。この例において、第2外側溶接部182は、フロント外側筐体11の内側と外側とに跨って(貫通して)いる。そして、本実施の形態における外側溶接部18は、溶接棒(ワイヤ)等を使用せず、レーザ光を照射することで母材を溶融、凝固させるレーザ溶接によって形成されている。このため、外側溶接部18は、フロント外側筐体11の構成材料と受圧リング14の構成材料とによって形成されている。
内側溶接部19は、フロント内側筐体12における前面側の端面と、受圧リング14の内側突出部14dにおける背面側の端面との対向部位を溶接してなる第1内側溶接部191と、第1内側溶接部191よりも前面側においてフロント内側筐体12と受圧リング14と内部リング17とを溶接してなる第2内側溶接部192とを有している。ここで、接合部の一例としての第2内側溶接部192は、フロント内側筐体12の前面側と、受圧リング14における受圧部14aの内側端部および内側突出部14dの前面側と、内部リング17の前面側とを溶接して構成されている。この例において、第2内側溶接部192は、フロント内側筐体12の内側と外側とに跨って(貫通して)いる。そして、本実施の形態における内側溶接部19は、溶接棒(ワイヤ)等を使用せず、レーザ光を照射することで母材を溶融、凝固させるレーザ溶接によって形成されている。このため、内側溶接部19は、フロント外側筐体11の構成材料と受圧リング14の構成材料と、内部リング17の構成材料とによって形成されている。
続いて、伝送ユニット50の構成について説明する。
伝送ユニット50は、センサユニット10から燃料噴射装置7(図1参照)に向けて電荷信号を伝送する伝送電線51と、伝送電線51よりも前面側に設けられ、センサユニット10の圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bと電気的に接続される接続端子52と、伝送電線51よりも前面側且つ接続端子52よりも背面側に設けられ、伝送電線51および接続端子52を電気的に接続する接続パイプ53とを備えている。また、伝送ユニット50は、接続パイプ53の外周面を保護する保護チューブ54と、保護チューブ54よりも前面側において接続端子52の外周面を覆うとともに接続端子52の位置決めに用いられる位置決めチューブ55と、位置決めチューブ55よりも前面側において接続端子52の外周面に巻き回され、接続端子52を前面側に向けて押すコイルスプリング56とを備えている。さらに、伝送ユニット50は、保護チューブ54よりも前面側且つ位置決めチューブ55よりも背面側において接続端子52の外周面に取り付けられ、且つ、リア筐体本体13aの中段部132に設けられたフロント側貫通孔13cの内壁面に接触することで、接続端子52における前面側を外部から封止する封止部57と、保護チューブ54よりも背面側において伝送電線51の外周面に取り付けられ、且つ、リア筐体本体13aの後段部133に設けられたリア側貫通孔13dの内壁面に接触することで、センサユニット10に対して伝送電線51を固定する固定リング58とを備えている。
(伝送電線)
伝送電線51は、所謂同軸構造を有する絶縁電線にて構成される。より具体的に説明すると、伝送電線51は、金属線の撚り線からなる導体部51aと、絶縁性を有する樹脂からなり導体部51aの外周を被覆する樹脂絶縁層51bと、半導電性を有する樹脂からなり樹脂絶縁層51bの外周を被覆する樹脂半導電層51cとを備えている。
接続端子52は耐熱性および導電性を有する金属製の棒状体で構成されており、最も前面側に位置することで圧力伝達リング15に設けられた出力電極層15bに突き当たる突き当て部52aと、突き当て部52aの背面側に位置する柱状部52bと、柱状部52bの背面側に位置する接続部52cとを、一体化して構成されている。そして、接続端子52において、突き当て部52aの外径は、内部空間10bにおける径方向の長さよりも小さく、柱状部52bの外径は、突き当て部52aの外径よりも小さく、接続部52cの外径は、柱状部52bの外径よりも小さい。
接続パイプ53は耐熱性および導電性を有する金属製の筒状体で構成されており、接続パイプ53に設けられた貫通孔の内径は、伝送電線51における導体部51aの外径および接続端子52における接続部52cの外径よりも大きい。また、接続パイプ53には、貫通孔の背面側から伝送電線51における導体部51aの前面側の端部が、貫通孔の前面側から接続端子52における接続部52cの背面側の端部が、それぞれ挿入されている。そして、この状態で、接続パイプ53を外周面側からかしめることで、接続パイプ53が、導体部51aと接続端子52とを、電気的に接続するとともに固定している。
保護チューブ54はPFA製の筒状体で構成されており、接続パイプ53のすべての外周面と、接続端子52における柱状部52bの後端側端部の外周面と、伝送電線51における樹脂絶縁層51bの前面側端部の外周面とを覆っている。
位置決めチューブ55はアルミナセラミック製の筒状体で構成されており、前面側に位置するフロント側筒状部55aと、フロント側筒状部55aの背面側に位置するリア側筒状部55bとを有している。ここで、位置決めチューブ55におけるフロント側筒状部55aの外径は、リア側筒状部55bの外径よりも大きく、内部空間10bにおける径方向の長さよりも小さい。また、位置決めチューブ55の内径は、接続端子52における柱状部52bの外径よりも大きい。
コイルスプリング56は、接続端子52における突き当て部52aの背面側端面と、位置決めチューブ55のフロント側筒状部55aにおける前面側の端面との間に配置される。ここで、コイルスプリング56は耐熱性を有する金属で構成されており、前面側の端部が接続端子52における突き当て部52aの背面側端面に突き当たり、背面側の端部が位置決めチューブ55のフロント側筒状部55aにおける前面側の端面に突き当たる。また、コイルスプリング56の内径は、接続端子52における柱状部52bの外径とほぼ等しい。
封止部57は、位置決めチューブ55におけるリア側筒状部55bの背面側に位置するフロント側Oリング57aと、フロント側Oリング57aの背面側且つ保護チューブ54の前面側に位置するリア側Oリング57bとを備える。ここで、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bは、ともにPFAで構成されている。ここで、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bの外径は、リア筐体本体13aに設けられたフロント側貫通孔13cの内径よりも大きく設定され、フロント側Oリング57aおよびリア側Oリング57bの内径は、接続端子52における柱状部52bの外径よりも小さく設定される。
固定リング58は耐熱性を有する金属製の筒状体で構成されており、その前面側の端部には、逆テーパ加工が施されている。そして、固定リング58の外径は、リア筐体13に設けられたリア側貫通孔13dの内径よりもわずかに大きく設定され、固定リング58の内径は、伝送電線51の外径(樹脂半導電層51cを含む外径)とほぼ等しいか、わずかに小さく設定される。
ではここで、本実施の形態の圧力検出装置8における電気的な接続構造について説明しておく。
まず、圧電素子群16を構成する第1圧電素子161〜第3圧電素子163の前面側に設けられた各圧電体16aの背面側の端面は、それぞれに設けられたリア側電極16cを介して、リア筐体13に設けられた接地電極層13bと電気的に接続される。ここで、リア筐体13を構成するリア筐体本体13aと接地電極層13bとは、電気的に接続された状態にある。
次に、内燃機関1に装着されたインジェクタユニット6における、圧力検出装置8の圧力検出動作について説明する。
では、圧力検出装置8における前面側の筐体構造の製造方法について説明を行う。ここで、本実施の形態における『前面側の筐体構造』は、フロント外側筐体11とフロント内側筐体12と受圧リング14と内部リング17とを、溶接によって接合することで一体化したものをいう。
図8は、前面側の筐体構造の製造方法を説明するための図である。
図8(a)は、最初に実行される、受圧リング装着工程を説明するための図である。
受圧リング装着工程では、まず、フロント外側筐体11とフロント内側筐体12とを、同心円状に(フロント内側筐体12の外側にフロント外側筐体11を)配置する。このとき、フロント外側筐体11に設けられた受圧リング14(外側突出部14c)用の切り欠き、および、フロント内側筐体12に設けられた受圧リング14(内側突出部14d)用の切り欠きを、上方に向けて配置する。そして、この状態で、フロント外側筐体11とフロント内側筐体12とを、図示しない治具で固定する。
図8(b)は、上記受圧リング装着工程に続いて実行される、第1溶接工程を説明するための図である。
第1溶接工程では、まず、フロント外側筐体11の上方に位置する切り欠きの前面側の端面と、受圧リング14の外側突出部14cの背面側の端面との対向部位に対し、フロント外側筐体11からみて外部側方から、全周(一周以上)にわたってレーザ光を照射する。すると、この部位には、レーザ照射に伴う溶融および凝固により、全周にわたって第1外側溶接部181が形成される。この例における第1外側溶接部181の溶け込み深さは、フロント外側筐体11の厚さ未満となっている。すなわち、第1外側溶接部181は、フロント外側筐体11を貫通していない。
なお、ここでは、第1外側溶接部181を形成した後に第1内側溶接部191を形成しているが、逆順であってもかまわない。
図8(c)は、上記第1溶接工程に続いて実行される、内部リング装着工程を説明するための図である。
内部リング装着工程では、上述した手順で得られたフロント筐体部の、受圧リング14における内側突出部14dの内側に内部リング17をはめ込む。そして、図示しない治具を用いて、フロント筐体部に対して内部リング17を位置決めする。
図8(d)は、上記内部リング装着工程に続いて実行される、第2溶接工程を説明するための図である。
第2溶接工程では、まず、フロント筐体部の受圧リング14における外側突出部14c(第1外側溶接部181よりも前面側)に対し、受圧リング14からみて外側且つ斜め上方から、全周(一周以上)にわたってレーザ光を照射する。また、このときのレーザ光の単位面積あたりの照射量(照射パワー×照射時間)は、第1外側溶接部181を形成したときよりも多くする。すると、この部位には、レーザ照射に伴う溶融および凝固により、全周にわたって第2外側溶接部182が形成される。このとき、第2外側溶接部182は、受圧リング14とフロント外側筐体11とに跨って形成される。また、第2外側溶接部182は、フロント外側筐体11の前面側の端部と、受圧リング14における受圧部14aおよび外側突出部14cによる湾曲部との間に存在していた隙間を埋めるように形成される。この例における第2外側溶接部182の溶け込み深さは、フロント外側筐体11の厚さとなっている。すなわち、第2外側溶接部182は、フロント外側筐体11の外側から内側を貫通して(跨って)設けられる。これにより、フロント筐体部の前面側且つ外側(フロント外側筐体11側)には、第1外側溶接部181と第2外側溶接部182とを含む外側溶接部18が形成されることになる。
また、ここでは、外側溶接部18において第1外側溶接部181と第2外側溶接部182とが分離した構造となっているが、これらが一体化していてもかまわない。さらに、ここでは、内側溶接部19において第1内側溶接部191と第2内側溶接部192とが分離した構造となっているが、これらが一体化していてもかまわない。
圧力検出装置8の受圧リング14には、内燃機関1の燃焼室Cから、燃焼に伴い、圧力に加えて熱が伝達される。すると、受圧リング14には、熱の伝達に伴って熱膨張が生じる。そして、受圧リング14に熱膨張が生じると、受圧リング14および圧力伝達リング15とリア筐体13とに挟み込まれている、圧電素子群16(第1圧電素子161〜第3圧電素子163)に加わる予荷重に変化が生じる。このようにして、圧電素子群16に加わる予荷重が変化すると、受圧リング14および圧力伝達リング15を介して圧電素子群16が受ける圧力にも変化が生じる。その結果、圧電素子群16から出力される電荷の量が、本来出力されるべき量とは異なるものとなってしまい、得られる圧力の値に誤差が生じる。
なお、本実施の形態では、圧力検出装置8に設けられる圧電素子群16を、3個の圧電素子で構成していたが、これに限られるものではなく、複数個であればよい。また、本実施の形態では、圧電素子群16を構成する複数個の圧電素子を、周方向に等間隔で配置していたが、これに限られるものではなく、非等間隔であってもよい。また、本実施の形態では、複数(ここでは3個)の圧電素子(第1圧電素子161〜第3圧電素子163)にて圧電素子群16を構成するようにしていたが、単数の圧電素子を用いてもよい。この場合には、環状の圧電素子を用いることが望ましい。
そして、本実施の形態では、圧力検出装置8による圧力の検出対象を内燃機関1としていたが、これに限られるものではなく、内燃機関1以外であってもかまわない。
Claims (8)
- 受けた圧力に応じた検出信号を出力する検出素子と、
筒状の筐体と、
前記筐体の一端側に取り付けられ、外部からの圧力を受けるとともに受けた圧力を前記検出素子に伝達する受圧部材と、
前記受圧部材の全周にわたり、前記筐体の厚さに相当する溶け込み深さとなる溶接により当該筐体の内側と外側とに跨って設けられ、当該受圧部材と当該筐体とを接合する接合部と
を含む圧力検出装置。 - 前記筐体の前記一端側に切り欠きが形成され、
前記受圧部材の前記筐体と取り付けられる側に突出部が形成されており、
前記突出部は前記切り欠きにはめ込まれ、
前記接合部は、前記切り欠きが形成された前記筐体の端部と、前記受圧部材において当該筐体の端部と対向する部位との間に形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力検出装置。 - 前記突出部の端部と前記切り欠きとは、前記接合部と異なる他の接合部を備え、
前記他の接合部は、前記筐体の厚さ未満の溶け込み深さとなる溶接によることを特徴とする請求項2記載の圧力検出装置。 - 前記筐体を内部に収容するとともに一端側には前記受圧部材が取り付けられ、当該筐体との間には複数の前記検出素子が配置される筒状の他の筐体と、
前記受圧部材の全周にわたり、前記他の筐体の厚さに相当する溶け込み深さとなる溶接により当該他の筐体の内側と外側とに跨って設けられ、当該受圧部材と当該他の筐体とを接合する他の接合部と
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の圧力検出装置。 - 受けた圧力に応じた検出信号を出力する検出素子と、
筒状の筐体と、
前記筐体の一端側に取り付けられ、外部からの圧力を受けるとともに受けた圧力を前記検出素子に伝達する受圧部材と
を備えた圧力検出装置の製造方法であって、
前記受圧部材の全周にわたり、前記筐体の厚さに相当する溶け込み深さとなるように当該筐体の内側と外側とに跨って溶接することにより、当該筐体と当該筐体の前記一端側に位置する当該受圧部材とを溶接する工程を有することを特徴とする圧力検出装置の製造方法。 - 前記受圧部材は、外部からの圧力を受ける受圧部位と、周縁から前記筐体側へ突出する突出部とを有し、
前記受圧部材と前記筐体とを溶接する工程では、当該受圧部材の前記突出部の先端が当該筐体の前記一端側に当たることにより、前記受圧部位と当該筐体との間に存在する隙間を埋めるように溶接を行うことを特徴とする請求項5記載の圧力検出装置の製造方法。 - 前記圧力検出装置は、前記筐体を内部に収容するとともに一端側には前記受圧部材が取り付けられ、当該筐体との間には複数の前記検出素子が配置される筒状の他の筐体をさらに備え、
前記受圧部材の全周にわたり、前記他の筐体の厚さに相当する溶け込み深さとなるように当該他の筐体の内側と外側とに跨って溶接することにより、当該他の筐体と当該他の筐体の前記一端側に位置する当該受圧部材とを溶接する工程をさらに有することを特徴とする請求項5または6記載の圧力検出装置の製造方法。 - 前記受圧部材は、周縁から前記他の筐体側へ突出する他の突出部とを有し、
前記受圧部材と前記他の筐体とを溶接する工程では、当該受圧部材の前記他の突出部の先端が当該他の筐体の前記一端側に当たることにより、前記受圧部位と当該他の筐体との間に存在する隙間を埋めるように溶接を行うことを特徴とする請求項7記載の圧力検出装置の製造方法。
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