JP2015190270A - 橋梁のモニタリングシステム、モニタリング方法、及びプログラム - Google Patents

橋梁のモニタリングシステム、モニタリング方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】測定系を簡素化して橋梁の健全性を判定する。【解決手段】橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を測定する複数のセンサ部と、橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データを生成するデータ編成部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁のモニタリングシステム、モニタリング方法、及びプログラムに関する。
橋梁の状態を掌握するために目視による点検が行われている。この目視による点検方法では橋梁の健全性を定量的に判定することは困難である。橋梁の健全性を定量的に判定するためには、複数のセンサ等を橋梁に設置して橋梁の状態を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、構造物(橋脚)に起振機とセンサとを設置し、このセンサにより振動データを取得して構造物の固有振動数を算出し、同構造物の健常時の固有振動数(基準固有振動数)と比較することにより構造物の健全度を判定する手法が提案されている。
ところで、従来、鉄道車両の台車や車体の床面等に加速度センサを設置し、走行中の異常振動を捉えることで走行装置部品の不具合検知を行う手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、営業運転を行う列車の走行中の列車動揺値を測定する営業車両動揺測定計により、列車が通過している鉄道橋梁における変状を検知する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2009−229070号公報 特開2011−51518号公報
「信頼される鋼橋の実現に向けて健全度評価の現状と未来」、土木学会平成25年度全国大会、土木学会鋼構造委員会、[online]、平成25年9月4日、[平成26年3月12日検索]、<http://committees.jsce.or.jp/steel/system/files/2013%E5%B9%B4%E7%A0%94%EF%BC%91%EF%BC%98%E9%85%8D%E4%BB%98%E8%B3%87%E6%96%99.pdf>
上述した特許文献2の方法は、鉄道車両の台車や車体の床面等に加速度センサを配置して鉄道車両の状態をモニタリングするものであり、軌道側の状態をモニタリングするものではない。また、非特許文献1の営業車両動揺測定計によるモニタリングは、鉄道橋梁における変状を検知するものである。この営業車両動揺測定計により変状を検知した場合は、変状を検知した箇所における鉄道橋梁に複数のセンサを設置して、複数のセンサによる橋梁の状態のモニタリングを行い、変状の原因について分析することが必要とされている。このように、非特許文献1に記載の方法により、鉄道橋梁における変状を検知することができても、鉄道橋梁に生じた異常までを特定することまではできなかった。
上記の何れの方法を選択したとしても、橋梁の異状を検出する場合には、特許文献1のように、損傷個所の細かい特定を行うためのセンサ等を橋梁に設置して橋梁の状態を測定することが必要とされ、容易に橋梁の健全性を判定することができなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、測定系を簡素化して橋梁の健全性を判定できる、橋梁のモニタリングシステム、モニタリング方法、及びプログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の橋梁のモニタリングシステムは、橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を測定する複数のセンサ部と、橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データを生成するデータ編成部と、を備えることを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、複数のセンサ部は、前記移動体の移動方向と直交する方向を含む前記予め定められた方向の振動を測定することを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、複数のセンサ部は、上下方向の振動を測定することを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記所定の時間範囲は、前記センサ部の配置間隔と、前記移動体の移動速度と、に基づいて設定されることを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記移動体は、前記複数のセンサ部のそれぞれにより測定された振動の測定値の時刻歴データを、前記複数のセンサ部からそれぞれ収集するデータ収集部と、前記センサ部の位置を検出して、当該検出した位置に応じて前記センサ部の位置情報を出力する位置計測部と、を備え、前記データ収集部は、前記振動の測定値のデータとともに、前記センサ部の位置情報を収集し、前記データ編成部は、前記センサ部の位置情報に基づいて、前記被評価対象位置における振動の時刻歴データを生成することを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記生成された被評価対象位置における振動の時刻歴データに基づいて、前記橋梁の健全性を判定する健全性判定部を備えることを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記橋梁の橋桁を支持する橋脚に、当該橋脚における振動を検出する橋脚振動センサ部を配置して、前記データ収集部は、前記移動体側のセンサ部で測定した振動の測定値の時刻歴データとともに、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データを収集し、前記データ編成部は、前記移動体側のセンサ部で測定した振動の測定値の時刻歴データに基づいて、前記被評価対象位置における振動の時刻歴データを生成し、前記健全性判定部は、前記データ編成部により生成された前記被評価対象位置における振動の時刻歴データと、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データと、に基づいて、前記橋桁に損傷が発生しているか否かを判定することを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記健全性判定部は、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データと、前記被評価対象位置における振動の時刻歴データとに基づいて、前記橋脚と前記被評価対象位置との間の伝達関数を算出する伝達関数算出部と、前記伝達関数に基づいて前記橋梁の固有周期を検出する固有周期検出部と、を備え、前記固有周期の経時的な変化を検出し、この検出結果に基づいて、前記橋梁の健全性を判定することを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記健全性判定部は、以前に検出した橋梁の固有周期と、今回検出した橋梁の固有周期とを比較し、前記今回検出した橋梁の固有周期が、前記以前に検出した橋梁の固有周期に対して、前記橋桁に損傷が発生した場合に変化すると予め予測される変化量以上に変化している場合に、当該橋桁に損傷が発生していると判定することを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記移動体は、複数の車両で編成された列車であり、前記複数のセンサ部は、前記編成された列車の少なくとも一部の前記複数の車両に分散して搭載されることを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記複数のセンサ部は、前記複数の車両に対応付けて搭載されることを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記橋梁の前記橋桁の主桁方向の中央部に前記被評価対象位置を定めることを特徴とする。
また、上記橋梁のモニタリングシステムにおいて、前記橋梁の支間又は径間の中央部に前記被評価対象位置を定めることを特徴とする。
また、本発明の橋梁のモニタリング方法は、橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を複数のセンサ部が測定するステップと、橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データをデータ編成部が生成するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、橋梁のモニタリングシステムのコンピュータに、橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を複数のセンサ部に測定させるステップと、橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データをデータ編成部が生成するステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、測定系を簡素化して橋梁の健全性を判定できる。
本発明の実施形態に係わる橋梁のモニタリングシステム100の概要を示す説明図である。 被評価対象位置に対する加速度測定値の時刻歴データの生成方法を示す説明図である。 鉄道橋梁10の健全性の判定例を示す説明図である。 橋脚振動センサ部701の位置と被評価対象位置601との間の伝達関数を示すグラフである。 橋脚振動センサ部701の位置と被評価対象位置602との間の伝達関数を示すグラフである。 鉄道車両200と橋脚11に配置される振動計測装置の構成例を示すブロック図である。 モニタリング装置101の構成例を示すブロック図である。 モニタリング装置101における健全性判定処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる橋梁のモニタリングシステム100の概要を示す説明図である。本実施形態の橋梁のモニタリングシステム100は、移動する列車の鉄道車両201、202、203、204、205、206、・・・、20nのそれぞれにおいて、所定の計測点(例えば、台車の上部)に、上下方向の振動を計測するセンサ部501、502、503、504、505、506、・・・、50nを配置する。なお、以下の説明において、鉄道車両201、202、203、204、205、206、・・・、20nを総称する場合に、「鉄道車両200」と記載することがある。また、センサ部501、502、503、504、505、506、・・・、50nを総称する場合に、「センサ部500」と記載することがある。
そして、鉄道車両200内に配置されたセンサ部500は、鉄道車両200とともに鉄道橋梁10上を鉄道車両200の進行方向(例えば、主桁の延伸方向)に移動して、移動中の振動を検出する。例えば、センサ部500は、主桁の延伸方向と直交する方向の振動の計測を行う。以下の説明では、上下方向の振動を検出する場合を例に挙げて説明する。センサ部500は、移動中に継続して振動の計測を行う。
モニタリング装置101は、データ収集部105により、各センサ部500から加速度測定値の時刻歴データを収集する。
ここで、鉄道橋梁10の主桁の延伸方向の任意の位置に被評価対象位置(例えば、鉄道橋梁10上の被評価対象位置601)を定める。被評価対象位置によって、鉄道橋梁10の主桁の延伸方向の任意の位置を特定する。以下の説明では、説明を簡略化するため、鉄道橋梁10の振動を上下方向の振動としてモデル化することにより、主桁の延伸方向と直交する面が鉄道橋梁10と交差する位置を、主桁の延伸方向の位置を示す点としてとらえる場合がある。
また、モニタリング装置101のデータ編成部106は、各センサ部500により測定された時刻歴データのそれぞれから、被評価対象位置601を通過する際の前後に測定された所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、この抽出した時刻歴データを順次に繋ぎ合わせることにより被評価対象位置601における加速度測定値の時刻歴データを近似的に生成する。なお、被評価対象位置601に対する時刻歴データの生成方法の詳細については、後述する。
そして、健全性判定部107は、データ編成部106により生成された被評価対象位置601の近似的な時刻歴データに基づいて、鉄道橋梁10の健全性を判定する。モニタリング装置101は、他の被評価対象位置602、603、・・・、60nについても同様にして、被評価対象位置に対する近似的な時刻歴データの生成と、健全性の判定を行う。なお、この健全性判定部107において行われる健全性の判定方法の詳細については、後述する。
また、以下の説明において、被評価対象位置601、602、・・・、60nを総称する場合に「被評価対象位置600」と記載することがある。
このように、モニタリング装置101は、データ編成部106により、鉄道橋梁10の任意の被評価対象位置600において、この被評価対象位置600を通過する際の各センサ部500の時刻歴データを抽出し、この抽出した時刻歴データを順次に繋ぎ合わせることにより、長時間の時刻歴データを近似的に得ることができる。つまり、モニタリング装置101は、複数の鉄道車両200に搭載されるセンサ部500の配置間隔と個数と鉄道車両200の移動速度とに応じて、被評価対象位置600における長時間の時刻歴データを仮想的に得ることができる。
これにより、橋梁のモニタリングシステム100は、鉄道橋梁10上には振動センサ等を配置せずに、鉄道車両200に配置された複数のセンサ部500により計測された時刻歴データに基づいて、鉄道橋梁10の任意の被評価対象位置600における加速度測定値の時刻歴データを近似的に生成することができる。
そして、モニタリング装置101では、健全性判定部107により、被評価対象位置600に対して生成された時刻歴データを用いて、鉄道橋梁10の振動特性(例えば、固有周期、減衰、振動モードなど)を求めることができる。
例えば、健全性判定部107は、鉄道橋梁10の振動特性の変化を長期的にモニタリングすることにより、鉄道橋梁10の損傷の有無を判定することができる。また、被評価対象位置600に対して連続した長時間の時刻歴データを得ることができるため、健全性判定部107は、長周期の固有周期を持つ鉄道橋梁10の健全性を評価することができる。
このように、実施形態の橋梁のモニタリングシステム100では、鉄道橋梁10の全体の健全性、変状の有無、変状の部位等を大がかりな調査を行うことなく、鉄道車両200の日常の運行の際に得られた加速度測定値のデータを利用して判定することができる。
なお、図1に示す例では、鉄道車両200のそれぞれに、センサ部500を搭載した例を示しているが、鉄道車両200の内の予め選択した車両のみにセンサ部500を搭載するようにしてもよい。
図2は、被評価対象位置に対する加速度測定値の時刻歴データの生成方法を示す説明図である。この図2に示す例は、6個のセンサ部501から506により計測された加速度測定値の時刻歴データから、被評価対象位置601に対する時刻歴データを生成する例である。
この図2においては、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、センサ部506により計測された時刻歴データD6と、センサ部505により計測された時刻歴データD5と、センサ部504により計測された時刻歴データD4と、センサ部503により計測された時刻歴データD3と、センサ部502により計測された時刻歴データD2と、センサ部501により計測された時刻歴データD1と、鉄道橋梁上の601点を被評価対象位置として生成された時刻歴データD10と、を並べて示している。
なお、時刻歴データD1からD6は、時刻歴データを模式的に示したものであり、より正確には、破線で囲まれる部分Aで示すような振動波形である。また、被評価対象位置601に対して生成された時刻歴データD10についても同様であり、時刻歴データD10は、破線で囲まれる部分Bで示すような振動波形である。
また、センサ部501から506を搭載した鉄道車両201から206は、図1に示すように、矢印Aの方向に進行し、最初にセンサ部506を搭載した鉄道車両206が、被評価対象位置601上を通過し、次に、センサ部505を搭載した鉄道車両205が、被評価対象位置601上を通過し、以下、降順に、鉄道車両204から201が、被評価対象位置601上を順番に通過するものとしている。
そして、図2に示すように、センサ部506を搭載した鉄道車両206は、時刻t1からt2の期間T(所定の時間範囲)にかけて被評価対象位置601上を通過し、時刻t1と時刻t2の中間の時刻t1bにおいて、センサ部501が被評価対象位置b1の真を通過する。
なお、鉄道車両200の移動速度をVとし、鉄道車両200の1両の長さをLとした場合に、1台の鉄道車両が、被評価対象位置b1を通過する期間Tは、T=L/v、で与えられる。つまり、時刻t1は、センサ部501が被評価対象位置601の真上を通過する時刻t1bのT/2期間だけ前の時刻であり、時刻t2は、センサ部501が被評価対象位置601の真上を通過する時刻t1bのT/2期間だけ後の時刻である。
同様にして、センサ部505を搭載した鉄道車両205は、時刻t2からt3にかけて被評価対象位置601上を通過し、時刻t2と時刻t3の中間の時刻t2bにおいて、センサ部505が被評価対象位置601の真上を通過する。以下、鉄道車両204のセンサ部504が、時刻t3bにおいて被評価対象位置601の真上を通過し、鉄道車両203のセンサ部503が、時刻t4bにおいて被評価対象位置601の真上を通過し、鉄道車両202のセンサ部502が、時刻t5bにおいて被評価対象位置601の真上を通過し、鉄道車両201のセンサ部501が、時刻t6bにおいて被評価対象位置601の真上を通過する。
そして、データ編成部106は、センサ部501から506において計測された時刻歴データD1からD6のそれぞれから、被評価対象位置601を通過する際の前後±T/2の時間範囲(期間T)の時刻歴データを抽出し、この抽出した期間Tの時刻歴データを繋ぎ合わせて、被評価対象位置601における時間長6Tの時刻歴データD10を生成する。
この図2に示す例において、データ編成部106は、時刻t1から時刻t2の期間Tにかけて計測されるセンサ部506の時刻歴データを抽出して、時刻歴データD10における区間T1の時刻歴データとする。
また、データ編成部106は、時刻t2から時刻t3の期間Tにかけて計測されるセンサ部505の時刻歴データを抽出して、時刻歴データD10における区間T2の時刻歴データとする。
また、データ編成部106は、時刻t3から時刻t4の期間Tにかけて計測されるセンサ部504の時刻歴データを抽出して、時刻歴データD10における区間T3の時刻歴データとする。
また、データ編成部106は、時刻t4から時刻t5の期間Tにかけて計測されるセンサ部503の時刻歴データを抽出して、時刻歴データD10における区間T4の時刻歴データとする。
また、データ編成部106は、時刻t5から時刻t6の期間Tにかけて計測されるセンサ部502の時刻歴データを抽出して、時刻歴データD10における区間T5の時刻歴データとする。
また、データ編成部106は、時刻t6から時刻t7の期間Tにかけて計測されるセンサ部501の時刻歴データを抽出して、時刻歴データD10における区間T6の時刻歴データとする。
このように、データ編成部106は、センサ部501から506が被評価対象位置601を通過する際の期間Tの時刻歴データを抽出して、被評価対象位置601における時刻歴データD10を生成する。これにより、データ編成部106は、区間T1から区間T6までの長い時間長6Tの時刻歴データを得ることができる。例えば、各センサ部501から506のそれぞれから1秒長さの時刻歴データを抽出する場合は、被評価対象位置601に対して6秒長さの時刻歴データを得ることができる。
これにより、橋梁のモニタリングシステム100では、鉄道橋梁10の長周期の振動特性を検出することが可能になる。
なお、各センサ部501から506のそれぞれから抽出した区間T1から区間T6の時刻歴データを順に繋ぎ合わせる場合に、繋ぎ合わせる区間同士の境界点を挟んで、境界点を挟むそれぞれのデータの値が連続になることが望まれる。ただし、繋ぎ合わせる区間同士の境界点を挟んで、境界点を挟むそれぞれのデータの値が異なり、単に繋ぎ合わせるだけではデータにギャップ(不連続点)が生じる場合がある。このような場合、データ編成部106は、例えば、前後の区間の抽出データの一部をオーバラップさせて、オーバラップさせた部分のデータの平均値をとるようにすることにより、連続した信号を得ることができる。なお、オーバラップさせた部分のそれぞれのデータに対して、境界点からの距離に応じて重みづけした加重平均処理を行い、その結果を用いてもよい。
また、例えば、データ編成部106は、ハニングウィンドウ等の低減特性を持つ時間窓を用いて、各区間における最初と最後のデータの値を0にする前処理を施すことにより、連続した信号を得ることができる。このように窓関数をかけることにより、データを切り替える境界点毎に値が0になる周期性信号が生じることになるが、この周期性信号は、信号の切り替え周期に依存することから、鉄道橋梁10の振動を検出した信号成分から分離することができる。
また、図3は、鉄道橋梁10の健全性の判定例を示す説明図である。この図3に示す例において、データ編成部106は、4台の鉄道車両201から204のそれぞれに搭載されたセンサ部501から504で計測された時刻歴データから、鉄道橋梁10の橋桁12Aの中央部の被評価対象位置601における時刻歴データを近似的(仮想的)に生成する。また、データ編成部106は、橋桁12Bの中央部の被評価対象位置602における時刻歴データを近似的に生成する。また、鉄道橋梁10の橋脚11には、橋脚11における上下方向に振動を計測する橋脚振動センサ部701が設備される。
つまり、データ編成部106は、破線で囲む部分Aに示す鉄道車両側のセンサ部501から504の計測データから、破線で囲む部分Bに示す被評価対象位置601における加速度測定値の時刻歴データを近似的に得る。また、データ編成部106は、破線で囲む部分Aに示す鉄道車両側のセンサ部501から504の計測データから、橋桁12B側の被評価対象位置602における加速度測定値の時刻歴データ(不図示)を近似的に得る。なお、以下の説明において、橋桁12Aと橋桁12Bとを総称する場合は、「橋桁12」と呼ぶ。
上記構成において、健全性判定部107は、橋脚振動センサ部701の位置と被評価対象位置601の位置と間(701→601)の伝達関数H1を算出する。また、健全性判定部107は、橋脚振動センサ部701の位置と被評価対象位置602との間(701→602)の伝達関数H2を算出する。
例えば、図4Aは、橋脚振動センサ部701の位置と被評価対象位置601との間の伝達関数H1を示すグラフである。また、例えば、図4Bは、橋脚振動センサ部701の位置と被評価対象位置602との間の伝達関数H2を示すグラフである。
この図4A及び図4Bに示す伝達関数において、横軸は振動の周期Tsを示し、縦軸は、振幅を示している。また、符号2014で示す伝達関数は、西暦2014年において算出された伝達関数H1を示し、また、符号2015で示す伝達関数H1は、西暦2015年において算出された伝達関数を示している。
そして、図4Aに示す「伝達関数H1(701→601)」の場合は、2014年の伝達関数H1と、2015年の伝達関数H1がほぼ一致している。なお、伝達関数H1におけるピーク点P1は、鉄道車両200の固有周期を示し、ピーク点P2は、鉄道橋梁10の橋桁12Aの固有周期を示している。
この図4Aに示すように、鉄道橋梁10の橋桁12Aの固有周期P2に変化が見られない場合、健全性判定部107は、鉄道橋梁10の区間1の橋桁12Aにおいて、損傷が発生していないと判定する。
一方、図4Bに示す「伝達関数H2(701→602)」の場合は、2014年の伝達関数H2の固有周期P1と、2015年の伝達関数H2の固有周期P1とが変化している。この図4Bに示すように、鉄道橋梁10の固有周期P2に変化が見られる場合、つまり、固有周期P2が、鉄道橋梁10の橋桁12Bに損傷が発生した場合に変化すると予め予測される変化量以上に変化している場合に、健全性判定部107は、鉄道橋梁10の区間2の橋桁12Bにおいて、2014年から2015年の間に何らかの損傷が発生していると判定する。なお、鉄道車両200と鉄道橋梁10の固有周期は明らかに異なるため、仮に鉄道車両200に損傷がある場合でも、損傷部位の切り分けを容易に行うことが可能である。
このように、橋梁のモニタリングシステム100では、以前に検出した鉄道橋梁10の固有周期と、今回検出した鉄道橋梁10の固有周期とを比較し、今回検出した鉄道橋梁10の固有周期が、以前に検出した鉄道橋梁10の固有周期に対して、橋桁12に損傷が発生した場合に変化すると予め予測される変化量以上に変化している場合に、当該橋桁12に損傷が発生していると判定することができる。
なお、図3に示した例では、橋脚11に橋脚振動センサ部701を配置し、健全性判定部107が、橋脚振動センサ部701により計測される時刻歴データと、被評価対象位置601及び602において生成された仮想的な時刻歴データとに基づいて、鉄道橋梁10の健全性を判定しているが、橋脚11に橋脚振動センサ部701を配置しない構成とすることも可能である。
この橋脚11に橋脚振動センサ部701を配置しない場合、データ編成部106は、鉄道車両200のセンサ部501から504により計測された時刻歴データに基づいて、橋脚11の橋脚振動センサ部701が配置されていた位置における振動の時刻歴データを近似的に生成することになる。例えば、橋脚11の橋脚振動センサ部701に最も近い鉄道橋梁10上の位置に被評価対象位置600を選び、その被評価対象位置600の振動の時刻歴データを生成する。このようにして生成した被評価対象位置600の振動の時刻歴データを、橋脚振動センサ部701が配置されていた位置における振動の時刻歴データとして近似してもよい。
このように、橋脚11の橋脚振動センサ部701を省略することにより、鉄道橋梁10にはセンサ部を一切配置せずに、鉄道車両200に搭載されたセンサ部500のみより、鉄道橋梁10の健全性を判定することができる。
次に、鉄道車両201と橋脚11に設備される振動計測装置の構成例について説明する。なお、以下の説明では、鉄道車両201の構成について説明するが、センサ部が搭載される他の鉄道車両200についても同様な構成である。
図5は、鉄道車両201と橋脚11に配置される振動計測装置の構成例を示すブロック図である。鉄道車両201に配置されるセンサ部501は、振動計測装置210内に設備される。また、橋脚11に配置される橋脚振動センサ部701は、振動計測装置20内に設備される。
そして、鉄道車両201に設備される振動計測装置210は、センサ部501で計測された加速度測定値のデータを、無線通信によりモニタリング装置101に送信する。また、橋脚11に設備される振動計測装置20は、橋脚振動センサ部701で計測された加速度測定値のデータを、無線通信によりモニタリング装置101に送信する。
この加速度測定値のデータをモニタリング装置101に無線で送信する場合に、振動計測装置210及び振動計測装置20は、測定された加速度測定値のデータをオンラインでモニタリング装置101に送信するようにしてもよく、或いは、定期的にまとめて送信するようにしてもよい。
又、例えば、鉄道車両201で測定された一定期間の加速度測定値のデータを記憶部213に記憶しておき、この記憶部213に記憶された加速度測定値のデータを後で回収して処理を行うようにしてもよい。橋脚11の振動計測装置20についても同様である。
また、橋脚11の振動計測装置20とモニタリング装置101との間の通信は、有線通信で行うようにしてもよい。
以下、図5に示す例について詳細に説明する。
この図5に示す例において、鉄道車両201には振動計測装置210が設備される。この振動計測装置210は、センサ部501と、GPS(Global Positioning System)計測部211と、送信部212と、記憶部213と、を備えている。
センサ部501は、鉄道車両201の所定の計測点(例えば、台車の上部)に配置され、鉄道車両201の上下方向の振動を加速度測定値として検出する。また、振動計測装置210は、センサ部501により検出された加速度測定値のデータを、記憶部213のデータ記憶部214に記憶するとともに、計測した加速度測定値のデータを送信部212を介してモニタリング装置101に無線で送信する。
例えば、GPS計測部211は、センサ部501の周辺など、センサ部501から比較的近い位置に配置され、センサ部501の位置を計測し、計測した位置の位置情報を出力する。振動計測装置210は、GPS計測部211により計測された位置情報を、記憶部213のデータ記憶部214に記憶するとともに、送信部212を介してモニタリング装置101に無線で送信する。
送信部212は、センサ部501が測定した加速度測定値(振動の測定値)の情報(データ)と、GPS計測部211から通知されたセンサ部501の位置情報とを、アンテナ部220を通して、モニタリング装置101へ無線で送信する。
また、振動計測装置210は、加速度測定値のデータ及び測定位置を示す位置情報をモニタリング装置101へ無線で送信する際に、記憶部213に記憶された当該鉄道車両201の属性情報215を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、当該鉄道車両201の属性情報215には、列車の種別を示す列車種別識別情報や、列車を構成する車両の構造や大きさ等を示す車両の属性情報等の情報が含まれていてもよい。また、振動計測装置210は、通常の鉄道車両が備える移動速度計で検出される列車の移動速度vの情報を、モニタリング装置101に送信するようにしてもよい。なお、鉄道車両の移動速度vは、センサ部501の位置情報の時間的な変化に基づいて、モニタリング装置101側で算出することもできる。
また、GPS計測部211は、センサ部500を配置した全ての鉄道車両200に搭載する必要はなく、モニタリング装置101は、1つの鉄道車両200に配置されたGPS計測部から得られるセンサ部500の位置情報と、編成される鉄道車両200の台数と、鉄道車両200の進行方向の長さの情報とに基づいて、各センサ部500の位置を算出することもできる。
次に、橋脚11側に設備される振動計測装置20にについて説明する。
橋脚11には振動計測装置20が設備される。この振動計測装置20は、橋脚振動センサ部701と、送信部21と、記憶部22と、を備えている。
橋脚振動センサ部701は、橋脚11の所定の計測点に配置され、橋脚11の上下方向の振動を加速度測定値として検出する。振動計測装置20は、橋脚振動センサ部701により検出された加速度測定値のデータを、記憶部22のデータ記憶部23に記憶するとともに、加速度測定値のデータを送信部21を介してモニタリング装置101に無線で送信する。
送信部21は、橋脚振動センサ部701が測定した加速度測定値の時刻歴データを、アンテナ部30を通して、モニタリング装置101へ無線で送信する。また、振動計測装置20は、モニタリング装置101へ加速度測定値のデータを無線で送信する際に、当該橋脚11の属性情報24として、例えば、鉄道橋梁10の構造や、橋脚11の位置情報、建設日時等の属性情報を、合わせて送信するようにしてもよい。
なお、橋脚11の振動計測装置20に、GPS計測部(不図示)を設け、振動計測装置20は、このGPS計測部により計測された橋脚11の位置情報を、モニタリング装置101に送信するようにしてもよい。
次に、モニタリング装置101の構成例について説明する。
図6は、モニタリング装置101の構成例を示すブロック図である。この図6に示すように、モニタリング装置101は、制御部102と、入出力インタフェース103と、無線受信部104と、データ収集部105と、データ編成部106と、健全性判定部107と、伝達関数算出部108と、固有周期検出部109と、車両位置検出部110と、表示情報生成部111と、データベース115と、を備える。また、このモニタリング装置101には、表示部121と、端末装置122と、が接続される。
制御部102は、モニタリング装置101内の各部を制御し、モニタリング装置101の全体を統括して制御することにより、モニタリング装置101に必要とされる処理機能を実現する。入出力インタフェース103は、モニタリング装置101に接続される表示部121や、端末装置122とのインタフェースとなる処理部であり、表示部121や、端末装置122との間でデータの送受信を行う。
無線受信部104は、鉄道車両200の振動計測装置210と、橋脚11の振動計測装置20とから無線で送信される信号を受信して復調し、それぞれ変調して送信される前の元のデータに復元する。データ収集部105は、各鉄道車両200のセンサ部500により計測された加速度測定値のデータや位置情報等を、無線受信部104を介して収集する。また、データ収集部105は、橋脚11の橋脚振動センサ部701により計測された加速度測定値のデータ等を、無線受信部104を介して収集する。また、データ収集部105は、各鉄道車両200の振動計測装置210や、橋脚11の振動計測装置20から収集した加速度測定値等のデータをデータベース115のデータ記憶部116に記憶する。
データ編成部106は、各センサ部500により測定された加速度測定値の時刻歴データのそれぞれから、被評価対象位置600を通過する際の時刻歴データを抽出し、この抽出した時刻歴データを順次に繋ぎ合わせることにより、被評価対象位置600における加速度測定値の時刻歴データを生成する。データ編成部106は、被評価対象位置600に対して生成した時刻歴データをデータベース115のデータ記憶部116に記憶する。
健全性判定部107は、データ編成部106により生成された被評価対象位置600の加速度測定値の時刻歴データに基づいて、鉄道橋梁10の健全性を判定する。
健全性判定部107内の伝達関数算出部108は、鉄道橋梁10上の被評価対象位置600と橋脚11の計測点との間の伝達関数を算出する。
固有周期検出部109は、鉄道橋梁10上の被評価対象位置600と橋脚11の計測点との間の伝達関数に基づいて、鉄道橋梁10の固有振動数を検出する。
そして、例えば、健全性判定部107は、以前に検出した鉄道橋梁10の固有振周期と、今回検出した鉄道橋梁10の固有周期とを比較し、今回検出した鉄道橋梁10の固有周期が、以前に検出した鉄道橋梁10の固有周期に対して、橋桁12に損傷が発生した場合に変化すると予め予測される変化量以上に変化している場合に、当該橋桁12に損傷が発生していると判定する。
また、健全性判定部107は、鉄道橋梁10に損傷が発生していると判定した場合に、損傷した鉄道橋梁10の情報と、損傷の程度(例えば、固有周期の変化の程度)を示す損傷情報をデータベース115のデータ記憶部116に記憶する。また、健全性判定部107は、この損傷情報を表示情報生成部111に出力する。
車両位置検出部110は、鉄道車両200のGPS計測部211から受信した位置情報に基づいて、鉄道車両200の位置及び鉄道車両200に配置されたセンサ部500の位置を検出する。例えば、車両位置検出部110は、GPS計測部211から受信した位置情報に基づいて、鉄道車両200が鉄道橋梁10に差し掛かったこと、及び、列車が鉄道橋梁10を通過したことを検出する。また、例えば、車両位置検出部110は、センサ部500が鉄道橋梁10の被評価対象位置600の真上を通過していることを検出する。
なお、車両位置検出部110は、センサ部501の位置の時間的な変化に基づいて、鉄道車両200の移動速度vを算出することができる。
表示情報生成部111は、健全性判定部107から損傷情報を受け取った場合に、この損傷情報を、表示部121に視覚的に表示させるための画像情報を生成する。また、表示情報生成部111は、健全性判定部107から鉄道橋梁10に損傷が発生していないことを示す健全情報を受け取った場合に、この健全情報を、表示部121に視覚的に表示させるための画像情報を生成する。例えば、表示部121は、図3に示すような鉄道橋梁10の構造モデルの画像を表示し、損傷が発生している区間を、周辺の健全な区間と色を違えて表示することができる。また、表示部121は、図4Bに示すような伝達関数を周波数応答特性のグラフにして表示することもできる。
また、データベース115のデータ記憶部116には、センサ部500で測定された加速度測定値のデータや、橋脚11の橋脚振動センサ部701で測定された加速度測定値のデータや、伝達関数算出部108により算出された伝達関数や、固有周期検出部109により検出された固有周期のデータ等が記憶される。また、データベース115は、このモニタリング装置101において参照する各種データを記憶する。例えば、データベース115は、損傷探知の対象となる鉄道橋梁10の構造、それぞれの部位・部材・材料等の個別仕様の情報を橋梁データ117として記憶する。
表示部121は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等であり、表示情報生成部111によって生成された損傷情報等の画像データを表示情報生成部111から受信する。表示部121は、受信した画像データに基づいて、例えば、鉄道橋梁10の構造モデルに、損傷した区間の情報を重ねて合わせて表示する。端末装置122は、ユーザによって入力された情報を検出する入力デバイスであり、例えば、キーボード、又は、マウス等である。
また、図7は、モニタリング装置101における健全性判定処理の流れを示すフローチャートである。この図7に示すフローチャートは、図3及び図4において説明したように、伝達関数算出部108が、被評価対象位置600に対して生成された時刻歴データと、橋脚11の橋脚振動センサ部701で計測された時刻歴データと、により伝達関数を算出して健全性を判定する場合の処理の流れを示している。以下、この図7に示すフローチャートを参照して、モニタリング装置101における健全性判定処理の流れについて説明する。
最初に、モニタリング装置101の車両位置検出部110により、列車が鉄道橋梁10に差し掛かかったことが検出されると、このモニタリング装置101における健全性判定処理が開始される(ステップS100)。
続いて、ステップS100において健全性判定処理が開始されると、データ収集部105は、列車が鉄道橋梁10上を移動する際に、各鉄道車両200のセンサ部500から、それぞれの鉄道車両200における上下方向の加速度測定値の時刻歴データと、センサ部500の位置情報等を含む情報とを収集する。データ収集部105は、このセンサ部500から収集した加速度測定値の時刻歴データ等を、データベース115のデータ記憶部116に記憶する(ステップS110)。また、データ収集部105は、列車が鉄道橋梁10上を移動する際に、橋脚11の加速度測定値の時刻歴データを、橋脚振動センサ部701から収集する。データ収集部105は、この橋脚振動センサ部701から収集した時刻歴データをデータベース115のデータ記憶部116に記憶する(ステップS120)。
続いて、車両位置検出部110は、列車が鉄道橋梁10上を移動中であるか否かを判定する(ステップS130)。
そして、ステップS130において、列車が鉄道橋梁10を移動中であると判定された場合(ステップS130:YES)、ステップS110の処理に戻り、データ収集部105は、センサ部500及び橋脚振動センサ部701から送信される加速度測定値等のデータの収集処理を継続する。
一方、ステップS130において、列車が鉄道橋梁10を移動中でないと判定された場合、つまり、列車が鉄道橋梁10を通過したと判定された場合(ステップS130:NO)、ステップS140の処理に移行する。データ編成部106は、データ記憶部116に記憶されたセンサ部500の時刻歴データに基づいて、被評価対象位置600における時刻歴データを生成する(ステップS140)。
続いて、健全性判定部107は、伝達関数算出部108により算出された伝達関数に基づいて、固有周期検出部109によって鉄道橋梁10の固有周期を検出する。例えば、伝達関数算出部108は、橋脚11の橋脚振動センサ部701から収集した加速度測定値の時刻歴データと、被評価対象位置600(例えば、橋桁12の中央部)に対して生成された時刻歴データとに基づいて、橋脚11の計測点と被評価対象位置600との間の伝達関数を算出する(ステップS150)。
続いて、健全性判定部107は、以前に検出した鉄道橋梁10の固有周期と、今回検出した固有周期とを比較し、固有周期が以前に比べて変化したか否かを判定する(ステップS160)。
そして、ステップS160において、固有周期が以前に比べて所定の値以上に変化したと判定された場合(ステップS160:YES)、健全性判定部107は、鉄道橋梁10に損傷が発生していると判定する(ステップS170)。健全性判定部107は、判定の結果に応じて損傷情報を表示情報生成部111に出力する(ステップS180)。表示情報生成部111は、健全性判定部107から受け取った損傷情報に基づいて、損傷状態を視覚的に表示するための表示情報を生成して表示部121に表示する。
そして、ステップS180の処理を実行した後に、モニタリング装置101は、この健全性判定処理を終了する(ステップS210)。
一方、ステップS160において、固有周期が以前に比べて変化していないと判定された場合(ステップS160:NO)、健全性判定部107は、鉄道橋梁10に損傷が発生していないと判定する(ステップS190)。健全性判定部107は、判定の結果に応じて鉄道橋梁10に損傷が発生していないことを示す健全情報を表示情報生成部111に出力する(ステップS200)。表示情報生成部111は、健全性判定部107から受け取った健全情報に基づいて、健全状態を視覚的に表示するための表示情報を生成して表示部121に表示する。
そして、ステップS200の処理を実行した後に、モニタリング装置101は、この健全性判定処理を終了する(ステップS210)。
このように、モニタリング装置101は、鉄道車両200に配置された複数のセンサ部500により計測された時刻歴データに基づいて、鉄道橋梁10の任意の被評価対象位置600における加速度測定値の時刻歴データを近似的に生成する。そして、モニタリング装置101は、橋脚11に配置した橋脚振動センサ部701により計測した時刻歴データと、被評価対象位置600における近似的な時刻歴データとに基づいて、橋脚11と被評価対象位置との間の伝達関数を算出して、鉄道橋梁10の健全性を判定する。
これにより、橋梁のモニタリングシステム100では、鉄道橋梁10の全体の健全性、変状の有無、変状の部位等を、大がかりな調査を行うことなく、鉄道車両200の日常の運行の際に得られた加速度測定値のデータを利用して判定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、図6に示す橋梁のモニタリングシステム100のモニタリング装置101は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS等も含むものとする。
そして、モニタリング装置101内の制御部102、入出力インタフェース103、データ収集部105、データ編成部106、健全性判定部107、伝達関数算出部108、固有周期検出部109、車両位置検出部110、及び表示情報生成部111における各処理の全部又は一部の処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。勿論、図6に示すモニタリング装置101を構成する各処理部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
なお、ここで、本発明と上記実施形態との対応関係について補足して説明する。上記実施形態において、本発明における橋梁のモニタリングシステムは、橋梁のモニタリングシステム100が対応し、この橋梁のモニタリングシステム100は、列車の鉄道車両200に搭載されるセンサ部500と、モニタリング装置101と、で構成される。また、本発明における位置計測部は、GPS計測部211が対応する。また、本発明における鉄道車両のセンサ部は、センサ部501、502、503、・・・、50nが対応し、センサ部501、502、503、・・・、50nは、センサ部500で総称される。また、本発明における被評価対象位置は、被評価対象位置601、602、・・・、60nが対応し、被評価対象位置601、602、・・・、60nは、被評価対象位置600で総称される。
(1)そして、上記実施形態において、橋梁のモニタリングシステム100は、輝堂橋梁10(橋梁)の橋桁12上を主桁方向に移動する鉄道車両200(移動体)に、鉄道車両200(移動体)の移動方向に距離を隔てて搭載され、搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を測定する複数のセンサ部500と、輝堂橋梁10の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該輝堂橋梁10の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、各センサ部500により測定された時刻歴データのそれぞれから、センサ部500が被評価対象位置600を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより被評価対象位置600における振動の測定値の時刻歴データを生成するデータ編成部106と、を備える
このような構成の橋梁のモニタリングシステム100では、輝堂橋梁10の橋桁12上を主桁方向に移動する鉄道車両200(移動体)にセンサ部500を搭載しておき、鉄道車両200が鉄道橋梁10の上を移動中に予め定められた方向の振動を測定する。そして、輝堂橋梁10の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該輝堂橋梁10の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、データ編成部106は、前記各センサ部500により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部500が被評価対象位置600を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出する。また、データ編成部106は、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより被評価対象位置600における振動の測定値の時刻歴データを生成する。
このように、橋梁のモニタリングシステム100では、鉄道橋梁10にセンサ部を配置することなく、鉄道車両200に搭載されたセンサ部500により計測された時刻歴データから、鉄道橋梁10の任意の被評価対象位置600に対する長時間の加速度測定値の時刻歴データを近似的(仮想的)に生成することができる。
このため、橋梁のモニタリングシステム100では、測定系を簡素化して鉄道橋梁10の健全性を判定できる。
(2)また、上記実施形態において、複数のセンサ部500は、鉄道車両200(移動体)の移動方向と直交する方向を含む前記予め定められた方向の振動を測定する。
このような構成の橋梁のモニタリングシステム100は、鉄道車両200(移動体)の移動方向と直交する方向を含む前記予め定められた方向の振動を測定する。これにより、モニタリングシステム100は、鉄道車両200(移動体)の移動時の加速減速の影響を低減して、鉄道車両200(移動体)の移動方向と直交する方向を含む前記予め定められた方向の振動を測定することができる。
(3)また、上記実施形態において、複数のセンサ部は、上下方向の振動を測定する。
このような構成の橋梁のモニタリングシステム100は、上下方向の振動を測定することにより、鉄道車両200(移動体)の移動時の加速減速の影響や風による影響を低減して、上下方向の振動を測定することができる。
(4)また、上記実施形態において、前記所定の時間範囲は、前記センサ部500の配置間隔と、鉄道車両200(移動体)の移動速度と、に基づいて設定される。
このような構成の橋梁のモニタリングシステム100において、データ編成部106は、複数のセンサ部500の時刻歴データから、被評価対象位置600における時刻歴データを近似的に得る場合に、各センサ部500の時刻歴データから抽出する時刻歴データの時間範囲Tを、センサ部500の配置間隔Lと、列車の移動速度vと、に基づいて設定する。例えば、データ編成部106は、時間範囲Tを「T=L/v」で設定する。
これにより、データ編成部106は、各センサ部500から同じ時間範囲Tの時刻歴データを抽出して、被評価対象位置600における長時間の時刻歴データ得ることができるとともに、被評価対象位置600における時刻歴データを連続して切れ目が生じないようして取得することができる。
(5)また、上記実施形態において、鉄道車両200(移動体)は、データ収集部105とGPS計測部211(位置計測部)とを備える。データ収集部105は、複数のセンサ部500のそれぞれにより測定された振動の測定値の時刻歴データを、複数のセンサ部500からそれぞれ収集する。GPS計測部211(位置計測部)は、センサ部500の位置を検出して、当該検出した位置に応じてセンサ部500の位置情報を出力する。
このような構成の橋梁のモニタリングシステム100では、複数の鉄道車両200に、センサ部500の位置情報を検出するGPS計測部211(位置計測部)とデータ収集部105とを設ける。
これにより、橋梁のモニタリングシステム100において、データ編成部106は、各センサ部500の加速度測定値の時刻歴データごとに、被評価対象位置600を通過する際の前後の時間範囲Tの時刻歴データを抽出して、被評価対象位置600における長時間の時刻歴データ生成することができる。
(6)また、上記実施形態において、データ編成部106により生成された被評価対象位置600における振動の時刻歴データに基づいて、鉄道橋梁10の健全性を判定する健全性判定部107を備える。
このような構成の橋梁のモニタリングシステム100において、健全性判定部107は、被評価対象位置600に対して生成された加速度測定値の時刻歴データ用いて、鉄道橋梁10の振動特性(固有周期、減衰、振動モードなど)を求めることが可能となり、鉄道橋梁10の振動特性の変化を長期的にモニタリングすることにより損傷の有無を判定することができる。また、被評価対象位置600において連続した比較的長時間の時刻歴データが得られるため、健全性判定部107は、長周期の鉄道橋梁10を評価することができる。
(7)また、上記実施形態において、鉄道橋梁10の橋桁12を支持する橋脚に、当該橋脚における振動を検出する橋脚振動センサ部701を配置して、データ収集部105は、前記移動体側のセンサ部で測定した振動の測定値の時刻歴データとともに、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データを収集し、データ編成部106は、前記移動体側のセンサ部で測定した振動の測定値の時刻歴データに基づいて、被評価対象位置における振動の時刻歴データを生成し、前記健全性判定部107は、前記データ編成部により生成された被評価対象位置における振動の時刻歴データと、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データと、に基づいて、橋桁12に損傷が発生しているか否かを判定できる。
(8)また、上記実施形態において、健全性判定部107は、伝達関数算出部108と固有周期検出部109と、を備える。伝達関数算出部108は、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データと、被評価対象位置600における振動の時刻歴データとに基づいて、前記橋脚と被評価対象位置600との間の伝達関数を算出する。固有周期検出部109は、前記伝達関数に基づいて輝堂橋梁10の固有周期を検出する。このような健全性判定部107は、前記固有周期の経時的な変化を検出し、この検出結果に基づいて、鉄道橋梁10の健全性を判定する。
(9)また、上記実施形態において、健全性判定部107は、以前に検出した輝堂橋梁10の固有周期と、今回検出した輝堂橋梁10の固有周期とを比較し、前記今回検出した輝堂橋梁10の固有周期が、前記以前に検出した輝堂橋梁10の固有周期に対して、前記橋桁に損傷が発生した場合に変化すると予め予測される変化量以上に変化している場合に、当該橋桁に損傷が発生していると判定する。
(10)また、上記実施形態において、移動体は、複数の車両で編成された列車であり、複数のセンサ部500は、編成された列車の少なくとも一部の複数の車両に分散して搭載されるようにした。
このように、編成された列車の少なくとも一部の複数の車両にセンサ部500を分散して配置することにより、全ての車両に搭載するまでもなく、長時間の時刻歴データを生成することができ、解析が容易になる。
(11)また、上記実施形態において、複数のセンサ部500は、複数の車両に対応付けて搭載されるようにした。
このようにセンサ部500を分散して配置することにより、長時間の時刻歴データを生成することができ、解析が容易になる。
(12)また、上記実施形態において、鉄道橋梁10の橋桁12の主桁方向の中央部に被評価対象位置を定めるようにしてもよい。
これにより、対となる橋脚(または橋台)によって支持される橋桁12の場合の鉄道橋梁10状態を判定することができる。
(13)また、上記実施形態において、鉄道橋梁10の支間又は径間の中央部に被評価対象位置を定めるようにしてもよい。
これにより、複数の橋脚によって支持される橋桁12の場合においても、当該支間又は径間の範囲における鉄道橋梁10状態を、支間又は径間ごとに判定することができる。
これにより、橋梁のモニタリングシステム100において、データ編成部106は、各センサ部500の加速度測定値の時刻歴データごとに、被評価対象位置600を通過する際の前後の時間範囲Tの時刻歴データを抽出して、被評価対象位置600における長時間の時刻歴データ生成することができる。
なお、上記の実施の形態において、橋梁のモニタリングシステム100は、鉄道橋梁10の健常性を判定するものとしたが、道路用の橋梁の健常性の判定に適用することができる。この場合、列車の鉄道車両200に代えて、自動車などの移動体を用いる。例えば、自動車に複数のセンサ部500を設ける方法として、車体が連結されたバスなどを用いてもよい。或いは、車間距離が一定になるように制御された複数の自動車を用いて、それぞれの自動車にセンサ部500を設けるようにしてもよい。或いは、複数の自動車間の距離が一定でない場合であっても、自動車の位置、即ちセンサ部のそれぞれの位置がGPSなどを用いて検出できれば、自動車の互いの位置を利用してデータを切り換えるタイミングを調整することができる。このように、橋梁のモニタリングシステム100は、道路用の橋梁の健常性を判定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の橋梁のモニタリングシステム100及びモニタリング装置101は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
10・・・鉄道橋梁、11・・・橋脚、12A,12B・・・橋桁、
20・・・振動計測装置、100・・・モニタリングシステム、
101・・・モニタリング装置、104・・・無線受信部、105・・・データ収集部、
106・・・データ編成部、107・・・健全性判定部、108・・・伝達関数算出部、
109・・・固有周期検出部、110・・・車両位置検出部、
111・・・表示情報生成部、115・・・データベース、
116・・・データ記憶部、121・・・表示部、
201,202,203,204,205,206,20n・・・鉄道車両、
210・・・振動計測装置、211・・・GPS計測部(位置計測部)、
501,502,503,504,505,506,50n・・・センサ部、
601,602,60n・・・被評価対象位置、701・・・橋脚振動センサ部701、
D1,D2,D3,D4,D5,D6・・・時刻歴データ、
D10・・・被評価対象位置601に対して生成された時刻歴データ、
H1,H2・・・伝達関数

Claims (15)

  1. 橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を測定する複数のセンサ部と、
    橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データを生成するデータ編成部と、
    を備えることを特徴とする橋梁のモニタリングシステム。
  2. 複数のセンサ部は、
    前記移動体の移動方向と直交する方向を含む前記予め定められた方向の振動を測定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  3. 複数のセンサ部は、
    上下方向の振動を測定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  4. 前記所定の時間範囲は、前記センサ部の配置間隔と、前記移動体の移動速度と、に基づいて設定される
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  5. 前記移動体は、
    前記複数のセンサ部のそれぞれにより測定された振動の測定値の時刻歴データを、前記複数のセンサ部からそれぞれ収集するデータ収集部と、
    前記センサ部の位置を検出して、当該検出した位置に応じて前記センサ部の位置情報を出力する位置計測部と、
    を備え、
    前記データ収集部は、
    前記振動の測定値のデータとともに、前記センサ部の位置情報を収集し、
    前記データ編成部は、
    前記センサ部の位置情報に基づいて、
    前記被評価対象位置における振動の時刻歴データを生成する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  6. 前記生成された被評価対象位置における振動の時刻歴データに基づいて、前記橋梁の健全性を判定する健全性判定部を
    備えることを特徴とする請求項5に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  7. 前記橋梁の橋桁を支持する橋脚に、当該橋脚における振動を検出する橋脚振動センサ部を配置して、
    前記データ収集部は、
    前記移動体側のセンサ部で測定した振動の測定値の時刻歴データとともに、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データを収集し、
    前記データ編成部は、
    前記移動体側のセンサ部で測定した振動の測定値の時刻歴データに基づいて、前記被評価対象位置における振動の時刻歴データを生成し、
    前記健全性判定部は、
    前記データ編成部により生成された前記被評価対象位置における振動の時刻歴データと、前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データと、に基づいて、前記橋桁に損傷が発生しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  8. 前記健全性判定部は、
    前記橋脚の振動の測定値の時刻歴データと、前記被評価対象位置における振動の時刻歴データとに基づいて、前記橋脚と前記被評価対象位置との間の伝達関数を算出する伝達関数算出部と、
    前記伝達関数に基づいて前記橋梁の固有周期を検出する固有周期検出部と、
    を備え、
    前記固有周期の経時的な変化を検出し、この検出結果に基づいて、前記橋梁の健全性を判定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  9. 前記健全性判定部は、
    以前に検出した橋梁の固有周期と、今回検出した橋梁の固有周期とを比較し、
    前記今回検出した橋梁の固有周期が、前記以前に検出した橋梁の固有周期に対して、前記橋桁に損傷が発生した場合に変化すると予め予測される変化量以上に変化している場合に、当該橋桁に損傷が発生していると判定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  10. 前記移動体は、複数の車両で編成された列車であり、
    前記複数のセンサ部は、
    前記編成された列車の少なくとも一部の前記複数の車両に分散して搭載される
    ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  11. 前記複数のセンサ部は、
    前記複数の車両に対応付けて搭載される
    ことを特徴とする請求項10に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  12. 前記橋梁の前記橋桁の主桁方向の中央部に前記被評価対象位置を定める
    ことを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  13. 前記橋梁の支間又は径間の中央部に前記被評価対象位置を定める
    ことを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の橋梁のモニタリングシステム。
  14. 橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を複数のセンサ部が測定するステップと、
    橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データをデータ編成部が生成するステップと、
    を含むことを特徴とする橋梁のモニタリング方法。
  15. 橋梁のモニタリングシステムのコンピュータに、
    橋梁の橋桁上を主桁方向に移動する移動体に、前記移動体の移動方向に距離を隔てて搭載され、前記搭載されたそれぞれの位置で、予め定められた方向の振動を複数のセンサ部に測定させるステップと、
    橋梁の主桁の延伸方向の特定の位置に、当該橋梁の評価対象の位置である被評価対象位置を定め、前記各センサ部により測定された時刻歴データのそれぞれから、前記センサ部が前記被評価対象位置を通過する時刻に係る所定の時間範囲の時刻歴データを抽出するとともに、前記抽出した時刻歴データを時系列に応じた順に繋ぎ合わせることにより前記被評価対象位置における振動の測定値の時刻歴データをデータ編成部が生成するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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