JP2017075821A - 交通路を走行する車両の重量を特定するための装置、方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

交通路を走行する車両の重量を特定するための装置、方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】交通路の複数の車線の各々を同時に走行した車両の各々の車重を特定する手段を提供する。【解決手段】車重特定装置14は、道路9が有する複数の車線の各々に応じて配置された歪み計11および歪み計12により計測された歪み計測値の経時変化に基づき、複数の車線の各々を通過した車両の速度を特定する。また、車重特定装置14は、複数の車線の各々に応じて配置された歪み計13により計測された歪み計測値の経時変化と、通過した車両の速度とに基づき、通過した車両の重量を特定する。車重特定装置14は、或る車線を走行する車両の重量と速度と、当該或る車線と隣接する車線に配置された歪み計13により計測される歪み計測値との関係を用いて、同じ期間に隣接する複数の車線の各々を車両が通過した場合であっても、通過した車両の個々の重量を特定する。【選択図】図2

Description

本発明は、交通路を走行する車両の重量を特定するための技術に関する。
道路や線路等の交通路に対する交通荷重を継続的に測定することができれば、交通路を構成する構造物(以下、「交通路構造物」という)の劣化の程度が推定され、交通路構造物の維持管理のための資源の配分や交通路構造物の補強等を合理的に行うことができる。
交通荷重を継続的に測定する手法として、車両が交通路の所定区間を通過する際に生じる交通路構造物の部材の歪みを計測し、計測した歪みに基づき通過した車両の重量を算出するW.I.M.(Weigh-In-Motion)と呼ばれる手法がある。
W.I.M.を用いて交通荷重を継続的に測定する技術を開示した文献として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、鈑桁橋梁の下フランジ、鋼床版箱桁橋梁の横リブ下フランジ等に配置された重量算出用ひずみセンサと、鈑桁橋梁の鉛直スティフナの上フランジ側、鋼床版箱桁橋梁のトラフリブの頂部等の、複数の車線の各々に応じた位置に配置された軸検知用ひずみセンサとにより計測される歪みに基づき、各車線を走行する車両の軸重を算出するシステムが記載されている。
特開2006−084404号公報
特許文献1に記載の発明によれば、W.I.M.を用いた交通荷重の継続的な計測において、複数の車線を走行する車両の各々の重量を特定することができる。
本発明は、特許文献1に記載の発明とは異なるアプローチにより、交通路の複数の車線の各々を同時に走行した車両の各々の車重を特定する手段を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得する関係データ取得手段と、前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得
する計測データ取得手段と、前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定する重量特定手段とを備える車重特定装置を提供する。
好ましい態様において、前記関係データ取得手段は、前記第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、当該車両の重量と前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みに応じて当該非走行車線に関する前記第1の関係に従い特定される車両の重量との関係とを示す前記関係データを取得する、という構成が採用されてもよい。
また、本発明は、交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、装置が、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得するステップと、前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記装置が、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得するステップと、前記装置が、前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定するステップとを備える車重を特定する方法を提供する。
また、本発明は、コンピュータに、交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得する処理と、前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得する処理と、前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定する処理とを実行させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、コンピュータに、交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車
両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得する処理と、前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得する処理と、前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定する処理とを実行させるためのプログラムを持続的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明によれば、交通路の複数の車線の各々を同時に走行した車両の各々の重量が特定される。
一実施形態にかかる車重特定システムの全体構成を示した図。 一実施形態にかかる車重特定システムの全体構成を示した図。 一実施形態にかかる車軸検知用の歪み計が計測する歪み計測値の経時変化を例示したグラフ。 一実施形態にかかる車軸検知用の歪み計が計測する歪み計測値の経時変化を例示したグラフ。 一実施形態にかかる車重特定用の歪み計が計測する歪み計測値の経時変化を例示したグラフ。 一実施形態にかかる車重特定用の歪み計が、複数の車線の各々を車両が同時に走行した場合に計測した歪み計測値の経時変化を例示したグラフ。 一実施形態にかかる車重特定用の歪み計が、複数の車線の各々を車両が同時に走行した場合に計測した歪み計測値の経時変化を例示したグラフ。 一実施形態にかかる車重特定装置のハードウェアとして用いられるコンピュータの基本構成を示した図。 一実施形態にかかる車重特定装置の機能構成を示した図。 一実施形態にかかる車重特定装置に記憶されている試験結果テーブルのデータ構成を例示した図。 一実施形態にかかる車重特定装置に記憶されている試験結果テーブルのデータ構成を例示した図。
以下に本発明の一実施形態に係る車重特定システム1を説明する。車重特定システム1は、複数の車線を持つ道路の所定区間において、複数の車線の各々を同時に走行する車両の車重を個別に特定するシステムである。
図1および図2は、車重特定システム1の全体構成を示した図である。図1および図2に例示の車重特定システム1は、道路9の上を走行する車両の重量を特定する。図1は道路9を側方から見た図であり、図2は道路9を上から見た図である。図1に示されるように、道路9は複数の橋脚91と、複数の橋脚91の上に配置された橋桁92と、橋桁92の上に配置された床版93と、床版93の上に配置された舗装94を備える。橋桁92は隣接する橋脚91同士を橋渡しするように配置された板状体である下フランジ921、下フランジ921の上に配置された上方に延伸する複数の板状体であるウェブ922、ウェ
ブ922の上に配置された板状体である上フランジ923を備える。図2に示すように、道路9は片側2車線の道路である。例えば、図2に示される車線951と車線952は上り車線であり、車線953と車線954は下り車線である。
車重特定システム1は、まず、道路9の歪みを継続的に計測する複数の歪み計を備える。具体的には、車重特定システム1は、道路9のうち計測事業者等により選択された隣接する2つの橋脚91の間の区間(以下、「歪み計設置区間」という)の上フランジ923に設置された歪み計11−1〜11−4(以下、「歪み計11」と総称する)および歪み計12−1〜12−4(以下、「歪み計12」と総称する)と、歪み計設置区間の下フランジ921に設置された歪み計13−1〜13−4(以下、「歪み計13」と総称する)を備える。
歪み計11および歪み計12は道路9の歪み計設置区間を走行する車両の車軸を検出するために用いられる。歪み計11−1〜11−4は各々、車線951〜車線954に対応している。同様に、歪み計12−1〜12−4は各々、車線951〜車線954に対応している。歪み計11と歪み計12の各々は、道路9の横断方向(車両の進行方向に対する左右方向)において、対応する車線の、例えば左側の車輪が通常通過する位置に配置されている。また、同じ車線に対応する歪み計11と歪み計12は、歪み計11が車両の進行方向の後側、歪み計12が車両の進行方向の前側となるように、所定の間隔をあけて配置されている。
歪み計13は道路9の歪み計設置区間を走行する車両の重量を特定するために用いられる。歪み計13−1〜13−4は各々、車線951〜車線954に対応している。歪み計13の各々は、車両の進行方向において、歪み計設置区間の概ね中央位置に配置されている。また、歪み計13の各々は、道路9の横断方向(車両の進行方向に対する左右方向)において、対応する車線の概ね中央位置に配置されている。
図3A、図3Bおよび図3Cは、歪み計設置区間の車線951のみを或る車両が通過した際に、歪み計11−1、歪み計12−1および歪み計13−1が計測する歪み計測値の経時変化をそれぞれ例示したグラフである。図3Aのグラフに現れている3つのピークは各々、歪み計11−1の位置を車両の車軸が通過したときに上フランジ923に生じた歪みを示している。同様に、図3Bのグラフに現れている3つのピークは各々、歪み計12−1の位置を車両の車軸が通過したときに上フランジ923に生じた歪みを示している。従って、例えば図3Aのグラフの最初のピークの出現タイミングから、図3Bのグラフの最初のピークの出現タイミングまでの時間Tは、歪み計11−1と歪み計12−1の間の距離Lを車両が走行するために要した時間を示す。従って、距離Lを時間Tで除算することにより、車両の速度Vが特定される。
歪み計13−1は部材の影響線長が長いため、図3Cに示されるグラフには、車両の車軸の各々に応じたピークが明確に現れることはない。図3Cに示されるグラフは、車両の重量を特定するために用いられる。具体的には、図3Cに示されるグラフとX軸との間の面積、すなわち、歪み計13−1により計測された歪み計測値の時間積分値に対し、車両の速度Vを乗じた値は、車両の重量Wに応じた値を示す。以下、歪み計13により計測された歪み計測値の時間積分値に対し、車両の速度Vを乗じた値を「車重指標値」と呼ぶ。
例えば、重量が10トンの試験車両を50km/時の速度で車線951を走行させた際の歪み計13−1の歪み計測値の時間積分値が35.0であったとする。この場合、重量が未知の車両が通過した際に歪み計11−1、歪み計12−1および歪み計13−1により計測された歪み計測値が示す車重指標値が1750という値であれば、通過した車両の重量は10トンである、と特定されることになる。重量が異なる複数の試験車両を用いて
同様の試験計測を行い、それらの計測結果から得られる車重指標値と車両の重量との関係を、例えば多項式近似等により求めた関係式または対応表として記録しておく。その後、未知の重量の車両が歪み計設置区間の車線951を通過した際、歪み計11−1、歪み計12−1および歪み計13−1により計測された歪み計測値が示す重量指標値に応じた重量を、予め記録しておいた関係式または対応表に従い特定することで、通過した車両の重量を特定することができる。
図3A〜図3Cを用いて車線951に関し上述した車両の重量を特定する方法は、車線951以外の車線に関しても同様に用いられる。
図3Cは、上述したように、車線951のみを或る車両が通過した際に、歪み計13−1が計測する歪み計測値の経時変化を例示したグラフである。実際には、同時期に、歪み計設置区間の複数の車線の各々を異なる重量の車両が走行する場合も生じる。図4Aは、例として、同時期に、歪み計設置区間の車線951と車線952の各々を異なる重量の車両が走行した場合に歪み計11−1が計測した歪み計測値の経時変化を例示したグラフである。また、図4Bは、図4Aに示される歪みが車線951に応じた歪み計13−1により計測される間に、車線952に応じた歪み計13−2が計測した歪み計測値の経時変化を例示したグラフである。なお、図4Aに示される歪みが歪み計13−1により計測される間に歪み計11−1および歪み計12−1が計測した歪み計測値に基づき、車線951を走行した車両Aの速度VAは特定されている。同様に、図4Bに示される歪みが歪み計13−2により計測される間に歪み計11−2および歪み計12−2が計測した歪み計測値に基づき、車線952を走行した車両Bの速度VBは特定されている。
図4Aにおいて、歪み計13−1が計測した歪み計測値の経時変化は、曲線O(1,A+B)により示される。曲線O(1,A+B)により示される歪み計測値の経時変化は、図4Aにおいて曲線T(1,A)で示される、車線951を車両Aが速度VAで走行した際に歪み計13−1が計測する歪み計測値の経時変化と、図4Aにおいて曲線F(1,B)で示される、車線952を車両Bが速度VBで走行した際に歪み計13−1が計測する歪み計測値の経時変化とを合算したものである。従って、この場合、歪み計13−1に示される歪み計測値の時間積分値に対し、車線951を走行した車両Aの速度VAを乗じて得られる車重指標値は、車両Aの重量に応じた値とはならない。
同様に、図4Bにおいて、歪み計13−2が計測した歪み計測値の経時変化は、曲線O(2,A+B)により示される。曲線O(2,A+B)により示される歪み計測値の経時変化は、図4Aにおいて曲線T(2,B)で示される、車線952を車両Bが速度VBで走行した際に歪み計13−2が計測する歪み計測値の経時変化と、図4Bにおいて曲線F(2A)で示される、車線951を車両Aが速度VAで走行した際に歪み計13−2が計測する歪み計測値の経時変化とを合算したものである。従って、この場合、歪み計13−2に示される歪み計測値の時間積分値に対し、車線952を走行した車両Bの速度VBを乗じて得られる車重指標値は、車両Bの重量に応じた値とはならない。
車重特定システム1は、図4Aおよび図4Bに例示される複数の歪み計13の各々が計測した歪み計測値を用いて、歪み計設置区間の複数の車線の各々を同時期に車両が走行した場合でも、それらの個々の車線を走行した車両の重量を特定する車重特定装置14を備える。車重特定装置14は、有線または無線により歪み計11〜歪み計13の各々と接続されており、歪み計11〜歪み計13の各々から出力される歪み計測値を示すデータ(以下、歪み計測値の経時変化を示すデータを「歪みデータ」という)を取得して、車両の重量の特定に用いる。
図5は、車重特定装置14のハードウェアとして用いられるコンピュータ10の基本構
成を示した図である。コンピュータ10は、各種データを記憶するメモリ101、メモリ101に記憶されているプログラムに従う各種データ処理を行うプロセッサ102、歪み計11〜歪み計13の各々との間でデータ通信を行うIF(Interface)である通信IF103、ユーザに対し画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置104、ユーザの操作を受け付けるキーボード等の操作装置105を備える。なお、コンピュータ10に内蔵される表示装置104に代えて、もしくは加えて、コンピュータ10に接続される外付けの表示装置が用いられてもよい。また、コンピュータ10に内蔵される操作装置105に代えて、もしくは加えて、コンピュータ10に接続される外付けの操作装置が用いられてもよい。
図6は、車重特定装置14の機能構成を示した図である。すなわち、コンピュータ10はメモリ101に記憶されている車重特定装置14用のアプリケーションプログラムに従う各種データ処理を行うことにより、図6に示される構成部に応じた機能を備えた車重特定装置14として動作する。以下に図6に示される車重特定装置14の構成部を説明する。
記憶手段141は各種データを記憶する。記憶手段141に記憶されているデータには、車線951〜車線954の各々に関し、試験車両の走行(試験走行)に伴い歪み計11〜歪み計13により計測された歪み計測値に基づき特定された車両の速度等を格納している試験結果テーブルH1〜H4(以下、「試験結果テーブルH」と総称する)が含まれる。なお、試験走行においては、1台の試験車両が車線951〜車線954のいずれかを走行し、同時に複数の試験車両が走行することはない。
図7Aおよび図7Bは、記憶手段141に記憶されている試験結果テーブルH1および試験結果テーブルH2のデータ構成を例示した図である。試験結果テーブルH1は車線951を用いた試験走行の各々に応じたレコードの集まりである。試験結果テーブルH1の各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
[車重]:試験車両の重量を格納する。
[車速]:試験走行の速度を格納する。
[歪み積分値(第1車線)]:歪み計13−1の歪み計測値の時間積分値を格納する。
[車重指標値(第1車線)]:[車速]の値と[歪み積分値(第1車線)]の値の積を格納する。
[歪み積分値(第2車線)]:歪み計13−2の歪み計測値の時間積分値を格納する。
[車重指標値(第2車線)]:[車速]の値と[歪み積分値(第2車線)]の値の積を格納する。
試験結果テーブルH2は車線952を用いた試験走行の各々に応じたレコードの集まりである。試験結果テーブルH2の各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
[車重]:試験車両の重量を格納する。
[車速]:試験走行の速度を格納する。
[歪み積分値(第2車線)]:歪み計13−2の歪み計測値の時間積分値を格納する。
[車重指標値(第2車線)]:[車速]の値と[歪み積分値(第2車線)]の値の積を格納する。
[歪み積分値(第1車線)]:歪み計13−1の歪み計測値の時間積分値を格納する。
[車重指標値(第1車線)]:[車速]の値と[歪み積分値(第1車線)]の値の積を格納する。
[歪み積分値(第3車線)]:歪み計13−3の歪み計測値の時間積分値を格納する。
[車重指標値(第3車線)]:[車速]の値と[歪み積分値(第3車線)]の値の積を格納する。
図7Aおよび図7Bに示されるように、試験結果テーブルHは対応する車線に応じた歪み計13の歪み計測値の時間積分値と当該時間積分値に車速を乗じて得られる車重指標値に加え、隣接する車線に応じた歪み計13の歪み計測値の時間積分値と当該時間積分値に車速を乗じて得られる車重指標値を格納する。車線953および車線954に応じた試験結果テーブルH3および試験結果テーブルH4も、試験結果テーブルH1および試験結果テーブルH2と同様のデータ構成を備える。
記憶手段141には、試験結果テーブルHに格納されているデータに基づき予め特定された以下の関係式を示す関係データが格納されている。
Figure 2017075821
式1は、車線951のみを重量が未知の車両が走行した場合、歪み計13−1の歪み計測値の経時変化を示す曲線D1と、当該車両の速度V1に基づき、当該車両の重量W1を導出する関数式である。式2〜式4は車線952〜車線954に応じた同様の関数式である。
また、記憶手段141には、試験結果テーブルHに格納されているデータに基づき予め特定された以下の関係式を示す関係データも格納されている。
Figure 2017075821
式5は、車線952のみを重量W2の車両が走行した場合、歪み計13−1が計測する歪み計測値に応じた重量W1を、重量W2に基づき導出する関数式である。すなわち、式5は、車線952のみを重量W2の車両が走行した場合に歪み計13−1が計測する歪み計測値は、車線951のみを重量W1の車両が走行した場合に歪み計13−1が計測する歪み計測値と同じである、という関係を示している。言い換えれば、式5は、車両の走行により歪み計13−2の計測位置において道路9に加えられた力が歪み計13−1の計測位置へと伝達する間にどれだけ減衰するかを表している。
式5に示される関係は、試験結果テーブルH1(図7A)と試験結果テーブルH2(図7B)から以下のように特定される。例えば、図7Bに例示される試験結果テーブルH2の第1のレコードは、車線952のみを車重が10トン(W2の一例)の車両が50km/時の車速で走行した場合、走行車線である車線952とは異なる車線(非走行車線)である車線951に応じた歪み計13−1の歪み計測値の時間積分値が10.2であり、当
該時間積分値に車速50km/時を乗じた車重指標値が510であることを示している。試験結果テーブルH1(図7A)から特定された式1に示される関係に従い、車重指標値が510である場合の、車重(W1の一例)が特定される。このように、試験結果テーブルH2の第1のレコードに示される車重(W2の一例)に応じた、車線951(非走行車線)に関する車重(W1の一例)が特定される。多数のレコードの各々に関し、同様に当該レコードに示される車重(W2の一例)に応じた、車線951(非走行車線)に関する車重(W1の一例)が特定される。このように特定される多数のW2とW1の組み合わせに基づき、例えば多項式近似等の既知の手法により、式5が特定される。
同様に、式6は車線951のみを重量W1の車両が走行した場合、歪み計13−2が計測する歪み計測値に応じた重量W2を、重量W1に基づき導出する関数式である。
また、式7は車線953のみを重量W3の車両が走行した場合、歪み計13−2が計測する歪み計測値に応じた重量W2を、重量W3に基づき導出する関数式である。
また、式8は車線952のみを重量W2の車両が走行した場合、歪み計13−3が計測する歪み計測値に応じた重量W3を、重量W2に基づき導出する関数式である。
また、式9は車線954のみを重量W4の車両が走行した場合、歪み計13−3が計測する歪み計測値に応じた重量W3を、重量W4に基づき導出する関数式である。
また、式10は車線953のみを重量W3の車両が走行した場合、歪み計13−4が計測する歪み計測値に応じた重量W4を、重量W3に基づき導出する関数式である。
なお、本実施形態において、例えば車線952を車両が走行した場合、当該車両の走行は、隣接する車線951および車線953に応じた歪み計13−1および歪み計13−3により計測される歪み計測値に影響を与えるが、隣接しない車線954に応じた歪み計13−4により計測される歪み計測値には影響を与えない(または、無視できる程度の小さい影響しか与えない)ことが仮定されている。
図6に戻り、車重特定装置14の構成部の説明を続ける。関係データ取得部142は、記憶手段141から式1〜式10を示す関係データを読み出すことにより取得する。
計測データ取得部143は、歪み計11〜歪み計13の各々から継続的に歪み計測値を取得する。計測データ取得部143は取得した歪み計測値を示すデータを時系列に並べて記憶する。計測データ取得部143により記憶されるデータは、歪み計測値の経時変化を示す歪みデータである。計測データ取得部143は歪みデータに基づき車両の速度を特定する速度特定手段1431を備える。速度特定手段1431は、図3Aおよび図3Bを用いて説明した方法により、歪み計設置区間の各車線を通過した車両の速度を特定する。
計測データ取得部143は、歪み計13の各々により計測された歪み計測値の経時変化が示す山なりの形状の曲線を切り出し、切り出した曲線に応じた期間に、切り出した曲線に応じた車線および当該車線に隣接する車線を通過した車両の有無を判定する。計測データ取得部143は、車両の通過が有った、と判定した車線に関し、当該車線を通過した車両の速度を特定する。
例えば、歪み計設置区間の車線951と車線952の各々を同じ時期に車両が通過し、車線953と車線954には車両の通過がなかったとする。この場合、歪み計13−1により計測された歪み計測値の経時変化は、図4Aにおいて曲線O(1,A+B)で示されるような山なりの形状を示す。また、歪み計13−2により計測された歪み計測値の経時変化は、図4Bにおいて曲線O(2,A+B)で示されるような山なりの形状を示す。計測データ取得部143はこれらの山なりの形状の曲線を切り出す。
続いて、計測データ取得部143は曲線O(1,A+B)に応じた車線951(または、曲線
(2,A+B)に応じた車線952に隣接する車線951)と、曲線O(2,A+B)に応じた車線952(または、曲線O(1,A+B)に応じた車線951に隣接する車線952)と、曲線O(2,A+B)に応じた車線952に隣接する車線953の各々に関し、曲線O(1,A+B)および曲線O(2,A+B)に応じた期間において、歪み計11−1〜11−3および歪み計12−1〜12−3により計測された歪み計測値の経時変化に車軸の通過を示すピークが現れているか否かに基づき、これらの車線を通過した車両の有無を特定する。この場合、車線951と車線952においては車両の通過が有り、車線953においては車両の通過が無い、と判定される。
計測データ取得部143は、車両の通過が有った、と判定した車線951と車線952に関し、速度特定手段1431により、これらの車線を通過した車両の各々の速度を特定する。この場合、計測データ取得部143は車線951を通過した車両の速度VAと、車線952を通過した車両の速度VBを特定する。
計測データ取得部143は、上記のように切り出した曲線を示す歪みデータと、上記のように特定した車両の速度を示す速度データとを以下に説明する重量特定手段144に引き渡す。
重量特定手段144は、計測データ取得部143から歪みデータと速度データを受け取ると、受け取った歪みデータと速度データに基づき、歪み計設置区間を通過した車両の重量を特定する。
重量特定手段144は、いずれか1つの車線に関する歪みデータと、当該車線を通過した車両の速度を示す速度データを計測データ取得部143から受け取った場合、式1〜式4のいずれかに従い、当該車両の重量を特定する。例えば、重量特定手段144が車線951に関する歪みデータと、車線951を通過した車両の速度を示す速度データとを計測データ取得部143から受け取った場合、式1に従い車線951を通過した車両の重量を特定する。
重量特定手段144は、複数の車線の各々に関する歪みデータと、これらの複数の車線およびそれらの車線に隣接する車線の各々を通過した車両の速度を示す速度データを計測データ取得部143から受け取った場合、式1〜式10のうち、車両の通過のあった車線に関する式を用いて、それらの車両の重量を特定する。
例えば、同時期に車線951と車線952を車両が通過し、車線953と車線954には車両の通過がなかった場合、重量特定手段144は計測データ取得部143から、歪み計13−1により計測された歪み計測値の経時変化である曲線O(1,A+B)を示す歪みデータと、歪み計13−2により計測された歪み計測値の経時変化である曲線O(2,A+B)を示す歪みデータと、車線951を通過した車両Aの速度VAを示す速度データと、車線952を通過した車両Bの速度VBを示す速度データを受け取る。
この場合、重量特定手段144は以下の式11に示される方程式を解くことにより、車両Aの重量W1(T(1,A),VA)を特定する。
Figure 2017075821
また、重量特定手段144は以下の式12に示される方程式を解くことにより、車両Bの重量W2(T(2,B),VB)を特定する。
Figure 2017075821
以下に、式11および式12が成り立つ理由を説明する。まず、歪み計13−1により計測された歪み計測値が示す曲線O(1,A+B)について、車線951を単独で車両が速度VAで通過した際に得られた曲線であるとみなした場合の当該車両の重量W1(O(1,A+B),VA)は以下の式13のように、車線951を通過した車両の影響を示す成分と車線952を通過した車両の影響を示す成分とに分けて表現することができる。
Figure 2017075821
式13の重量W1(F(1,B),VA)は、本当は車線952を通過した車両による歪み計測値の経時変化を、車線951を通過した車両による歪み計測値の経時変化とみなした場合の当該車両の重量である。
同様に、歪み計13−2により計測された歪み計測値が示す曲線O(2,A+B)について、車線952を単独で車両が速度VBで通過した際に得られた曲線であるとみなした場合の当該車両の重量W2(O(2,A+B),VB)は以下の式14のように、車線952を通過した車両の影響を示す成分と車線951を通過した車両の影響を示す成分とに分けて表現することができる。
Figure 2017075821
式14の重量W2(F(2,A),VB)は、本当は車線951を通過した車両による歪み計測値の経時変化を、車線952を通過した車両による歪み計測値の経時変化とみなした場合の当該車両の重量である。
一般的に、以下の式15および式16に示される等式が成立する。
Figure 2017075821
式15を式13に代入すると、以下の式17となる。また、式16を式14に代入すると、以下の式18となる。
Figure 2017075821
上述した式5、式1および式2から、以下の式19が導かれる。また、上述した式6、式2および式1から、以下の式20が導かれる。
Figure 2017075821
式20を式17に代入すると、以下の式21となる。また、式19を式18に代入すると、以下の式22となる。
Figure 2017075821
式22は以下の式23に変形できる。また、式21は以下の式24に変形できる。
Figure 2017075821
式23を式21に代入すると、上述した式11が得られる。また、式24を式22に代入すると、上述した式12が得られる。以上が、式11および式12が成り立つ理由の説
明である。
例えば、式19および式20が、以下の式25および式26のように単純である場合を考える。ただし、αは0<α<1を満たす定数、βは0<β<1を満たす定数である。
Figure 2017075821
この場合、式23および式24は以下の式27で表現することができる。
Figure 2017075821
車両Aの重量W1(T(1,A),VA)および車両Bの重量W2(T(2,B),VB)が式27のように単純な数式で表される場合、重量特定手段144は直接的にこれらの重量を算出することができる。
一方、式19および式20が複雑な関係を示す場合、重量特定手段144は式11および式12を、例えば数値解析的な手順で解くことにより、車両Aおよび車両Bの重量を特定する。すなわち、重量特定手段144は、重量W1(T(1,A),VA)の推定値を式11に代入し、等式が成立するか否かを判定し、等式が成立しない場合は重量W1(T(1,A),VA)の推定値を所定の規則に従い変化させた後、式11に代入して、等式が成立するか否かを判定する、という処理を、等式が成立するまで繰り返す。重量特定手段144は式12に関しても同様の処理を行う。
重量特定手段144は、式11および式12に従い特定した車両Aの重量および車両Bの重量を示す重量データを、例えば記憶手段141に記憶させる。記憶手段141に記憶された重量データは、例えば表示装置104に表示されてユーザに通知される。また、重量特定手段144により生成された重量データが、通信IF103を介して外部の装置に送信されて、外部の装置において利用されてもよい。
以上説明したように、車重特定システム1によれば、歪み計設置区間の複数の車線の各々を同じ期間に車両が通過した場合であっても、通過した車両の個々の重量が特定される。
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下の2以上の変形例が組み合わされてもよい。
(1)上述した実施形態において、車重特定システム1により交通荷重の計測が行われる道路として例示した道路9の構造は、上述した構造に限られない。また、歪み計11〜歪み計13の設置位置も、上述した位置に限られない。
(2)上述した実施形態において、車重特定システム1は橋梁の上に車両の走行面を有する道路における交通荷重の計測に用いられる。車重特定システム1が用いられる道路は橋梁を伴う道路に限られない。例えば、高架橋上に走行面を有する道路における交通荷重が車重特定システム1により測定されてもよい。
(3)上述した実施形態において、走行する車両は自動車であるものとしたが、走行する車両は自動車に限られず、鉄道車両等であってもよい。
(4)上述した実施形態において、式1〜式10で表される関係は、予め特定されて関係データとして記憶手段141に記憶されており、関係データ取得部142は記憶手段141から式1〜式10を表す関係データを読み出して重量特定手段144に引き渡す。これに代えて、関係データ取得部142が試験結果テーブルHに格納されているデータを関係データとして読み出して重量特定手段144に引き渡し、重量特定手段144が式1〜式10の特定を行って用いる構成が採用されてもよい。
(5)上述した実施形態において、式1〜式10で表される数値間の関係は、対応表の形式で表されてもよい。
(6)上述した実施形態の説明においては、2つの隣接する車線の各々を同じ期間に車両が走行した場合を例として、重量特定手段144がこれらの車両の重量を個別に特定する方法を説明した。3以上の車線の各々を同じ期間に車両が走行する場合も、2つの車線の各々を同じ期間に車両が走行する場合と同様に、車両の重量を個別に算出するための式を特定することができる。従って、重量特定手段144は、そのように特定された式に従い、3以上の車線の各々を同じ期間に走行する車両の重量を個別に算出することもできる。
例えば、車線951、車線952、車線953の3本の車線の各々を同じ期間に1台ずつ車両が走行した場合、重量特定手段144は、当該期間に歪み計13−1、13−2および13−3に計測された歪み計測値と、これらの車両の各々の車速と、上述した式1〜式3および式5〜式8とに基づき、これらの車両の各々の車重を特定する。
なお、上述した実施形態においては、隣接しない車線における車両の走行は歪み計13の歪み計測値に影響を与えない(または無視できる程度の小さい影響しか与えない)ことが仮定されている。この仮定は便宜的な仮定であって、車重特定システム1において、隣接しない車線における車両の走行の影響が考慮されてもよい。この場合、試験結果テーブルH(図7Aおよび図7Bに例示)は、隣接する車線に関する歪み積分値および歪み指標値に加え、隣接しない車線に関する歪み積分値および歪み指標値を格納するように構成される。また、記憶手段141には、上述した式5〜式10に加え、以下の関係式を示す関係データも格納される。
Figure 2017075821
そして、例えば、車線951、車線952、車線954の3本の車線の各々を同じ期間に1台ずつ車両が走行した場合、重量特定手段144は、当該期間に歪み計13−1、13−2および13−4に計測された歪み計測値と、これらの車両の各々の車速と、上述した式1、式2、式4、式5、式6、式29、式30、式32、式33とに基づき、これらの車両の各々の車重を特定する。
なお、上記の式28〜式33の左辺が0である場合、上述した実施形態となる。
(7)上述した実施形態において、車重特定装置14は一般的なコンピュータがプログラムに従った処理を実行することにより実現される。これに代えて、車重特定装置14が、いわゆる専用装置として構成されてもよい。
(8)上述した実施形態において、コンピュータ10が車重特定装置14を実現するために実行するプログラムは、例えばインターネット等のネットワークを介してコンピュータ10にダウンロードされてもよいし、記録媒体に持続的に記録されて配布され、当該記録媒体からコンピュータ10に読み取られてもよい。
1…車重特定システム、9…道路、10…コンピュータ、11…歪み計、12…歪み計、13…歪み計、14…車重特定装置、91…橋脚、92…橋桁、93…床版、94…舗装、101…メモリ、102…プロセッサ、103…通信IF、104…表示装置、105…操作装置、141…記憶手段、142…関係データ取得部、143…計測データ取得部、144…重量特定手段、921…下フランジ、922…ウェブ、923…上フランジ、951…車線、952…車線、953…車線、954…車線、1431…速度特定手段

Claims (5)

  1. 交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得する関係データ取得手段と、
    前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得する計測データ取得手段と、
    前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定する重量特定手段と
    を備える車重特定装置。
  2. 前記関係データ取得手段は、前記第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、当該車両の重量と前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みに応じて当該非走行車線に関する前記第1の関係に従い特定される車両の重量との関係とを示す前記関係データを取得する
    請求項1に記載の車重特定装置。
  3. 交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、装置が、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得するステップと、
    前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記装置が、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得するステップと、
    前記装置が、前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定するステップと
    を備える車重を特定する方法。
  4. コンピュータに、
    交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の
    1以上の車線を非走行車線とするとき、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得する処理と、
    前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得する処理と、
    前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定する処理と
    を実行させるためのプログラム。
  5. コンピュータに、
    交通路が有するn本(nは2≦nを満たす自然数)の車線のうち第i番目の車線(iは1≦i≦nを満たす自然数)を走行車線とし、前記n本の車線のうち前記走行車線以外の1以上の車線を非走行車線とするとき、各々のiに関し、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記交通路を構成する構造物の歪みと当該車両の速度と当該車両の重量との関係である第1の関係と、前記交通路の或る区間において前記走行車線のみを車両が走行する場合の、前記走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みと前記1以上の非走行車線の各々に関し当該非走行車線に応じた位置における前記構造物の歪みとの関係である第2の関係とを示す関係データ、または前記第1の関係および前記第2の関係に基づき導き出される関係を示す関係データを取得する処理と、
    前記交通路の前記或る区間において、同じ期間に、前記n本の車線のうち任意に選択されたm本の車線(mは2≦m≦nを満たす自然数)の各々を1台ずつ車両が走行した場合に、前記m本の車線の各々に応じた位置において計測された前記構造物の歪みを示す歪みデータと、前記m本の車線の各々を走行した車両の速度の計測値を示す速度データとを取得する処理と、
    前記関係データ、前記歪みデータおよび前記速度データに基づき、前記m本の車線の各々を走行した車両の重量を特定する処理と
    を実行させるためのプログラムを持続的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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