JP5388390B2 - Pq測定処理装置及びpq測定処理プログラム - Google Patents

Pq測定処理装置及びpq測定処理プログラム Download PDF

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Description

この発明は、車輪の輪重及び/又は横圧を測定処理するPQ測定処理装置及びPQ測定処理プログラムに関する。
鉄道では、車両の新造時又は線路敷設時に、車両の運動性能に関わる脱線及び転覆に対する走行安全性試験が実施されている。このような車両の走行安全性試験では、車両の車輪とレールとの接触点に作用する垂直方向の力(以下、輪重Pという)と、この接触点に作用する水平方向の力(以下、横圧Qという)を測定する輪重・横圧測定装置(PQ測定装置)が使用されている。従来のPQ測定装置では、輪重P及び横圧Qの測定に使用される輪軸(PQ測定用輪軸)の車輪に歪みゲージを貼り付けてロードセルを構成し、車輪及び車軸に測定配線用の穴を加工して、測定用スリップリング又はテレメータなどを取り付けている。このような従来のPQ測定装置には、輪重P及び横圧Qを間欠的に測定する間欠輪重・間欠横圧方式と、輪重Pを間欠的に測定し横圧Qを連続的に測定する間欠輪重・連続横圧方式と、輪重P及び横圧Qを連続的に測定する連続輪重・連続横圧方式の三種類の輪重・横圧測定方式が存在する。
従来のPQ測定装置は、輪重Pを検出する輪重検出部と、横圧Qを検出する横圧検出部と、輪重検出部が検出した時系列輪重データ及び横圧検出部が検出した時系列横圧データを格納する格納手段と、格納手段に格納された時系列輪重データ及び時系列横圧データを解析するデータ処理装置などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来のPQ測定装置では、線路の起点から終点に向かっての線路延長を表すキロ程を横軸に表示し、このキロ程に対応させて時系列列輪重データ及び時系列横圧データなどを縦軸に表示しており、これらの時系列列輪重データ及び時系列横圧データをグラフにして表示している。また、この従来のPQ測定装置では、時系列横圧データがしきい値を越えたときに車両が曲線区間を走行していると判断している。
特開2003-344202号公報
鉄道では、高架化又はトンネルの新設などによって線路が付け替えられて線路延長が変更されることがある。この場合に、線路延長が長くなるときにはキロ程を重複(重キロ)させ、線路延長が短くなるときにはキロ程を中断(短キロ)させて、キロ程の変更が線路全体に及ばないようにしている。このため、例えば、レールの長手方向の形状が変化する軌道変位(軌道狂い)が発生して輪重値又は横圧値が大きくなったときには、測定後の輪重値又は横圧値と線路図とを照合して軌道変位箇所を特定する必要がある。しかし、従来のPQ測定装置では、キロ程及び走行速度以外の線路情報がなかったために、測定後の輪重値及び横圧値と線路情報とを照合することが困難であった。このため、従来のPQ測定装置では、キロ程をインデックスとして軌道変位箇所を正確に特定することが困難であり、軌道変位を整正するための軌道保守時に軌道変位箇所を作業員が現場で特定することが困難になり、作業に手間がかかる問題点がある。また、従来のPQ測定装置では、時系列横圧データがしきい値を越えている区間を曲線区間であると認識している。このため、従来のPQ測定処理装置では、実際には曲線区間を走行しているにもかかわらず時系列横圧データがしきい値を下回るときには、曲線区間を走行していないと誤って評価される問題点がある。
この発明の課題は、輪重及び/又は横圧と線路情報との照合が容易になるようにこれらの情報を表示させることができるPQ測定処理装置及びPQ測定処理プログラムを提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図3、図5及び図13に示すように、車輪(W1)の輪重(P)及び/又は横圧(Q)を測定処理するPQ測定処理装置であって、前記輪重及び/又は前記横圧を測定するPQ測定部(19)と、前記車両の角速度を検出する角速度検出装置(4)が出力する角速度検出信号(Wω)に基づいてこの車両の角速度を演算する角速度演算部(12)と、前記輪重を検出する輪重検出装置(2R,2L)が出力する輪重検出信号(WP1,WP2)に基づいてこの車両の走行速度を演算する走行速度演算部(13)と、前記車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を演算する走行曲線半径演算部(15)と、前記走行曲線半径演算部の演算結果と前記PQ測定部の測定結果とを対応させて表示する画像を生成する画像生成部(22)とを備え前記走行速度演算部は、前記輪重検出装置が車輪の回転に応じて出力する位相の異なる複数の輪重検出信号を合成して生成される輪重合成信号(W P )のゼロクロス点(t 01 ,t 02 ,…)の間隔で前記車輪の1/4の長さを除算して前記車両の走行速度を演算すること特徴とするPQ測定処理装置(8)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のPQ測定処理装置において、前記走行曲線半径演算部は、前記走行曲線半径及び/又はこの走行曲線半径の逆数を演算することを特徴とするPQ測定処理装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項に記載のPQ測定処理装置において、前記PQ測定部は、前記横圧を前記輪重で除算した脱線係数(Q/P)を測定することを特徴とするPQ測定処理装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のPQ測定処理装置において、図13に示すように、前記画像生成部は、前記走行曲線半径演算部の演算結果と前記PQ測定部の測定結果とを前記車両の走行距離に対応させて表示する画像を生成することを特徴とするPQ測定処理装置である。
請求項5の発明は、請求項に記載のPQ測定処理装置において、前記画像生成部は、前記走行曲線半径演算部の演算結果と前記PQ測定部の測定結果とを線路のキロ程に対応させて表示する画像を生成することを特徴とするPQ測定処理装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のPQ測定処理装置において、図13に示すように、前記画像生成部は、前記PQ測定部の測定結果と前記走行曲線半径演算部の演算結果とを擬似的な連続データとして表示する画像を生成することを特徴とするPQ測定処理装置である。
請求項7の発明は、図2、図3、図5、図13及び図18に示すように、車輪(W1)の輪重(P)及び/又は横圧(Q)を測定処理するためのPQ測定処理プログラムであって、前記輪重及び/又は前記横圧を測定するPQ測定手順(S120)と、前記車両の角速度を検出する角速度検出装置(4)が出力する角速度検出信号(Wω)に基づいてこの車両の角速度を演算する角速度演算手順(S130)と、前記輪重を検出する輪重検出装置(2R,2L)が出力する輪重検出信号(WP1,WP2)に基づいてこの車両の走行速度を演算する走行速度演算手順(S140)と、前記車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を演算する走行曲線半径演算手順(S150)と、前記走行曲線半径演算手順における演算結果と前記PQ測定手順における測定結果とを対応させて表示する画像を生成する画像生成手順(S250)とをコンピュータに実行させ、前記走行速度演算手順は、前記輪重検出装置が車輪の回転に応じて出力する位相の異なる複数の輪重検出信号を合成して生成される輪重合成信号(W P )のゼロクロス点(t 01 ,t 02 ,…)の間隔で前記車輪の1/4の長さを除算して前記車両の走行速度を演算する手順を含むこと特徴とするPQ測定処理プログラムである。
請求項8の発明は、請求項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、前記走行曲線半径演算手順は、前記走行曲線半径及び/又はこの走行曲線半径の逆数を演算する手順を含むことを特徴とするPQ測定処理プログラムである。
請求項9の発明は、請求項又は請求項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、前記PQ測定手順は、前記横圧を前記輪重で除算した脱線係数(Q/P)を測定する手順を含むことを特徴とするPQ測定処理プログラムである。
請求項10の発明は、請求項から請求項までのいずれか1項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、図13に示すように、前記画像生成手順は、前記走行曲線半径演算手順における演算結果と前記PQ測定手順における測定結果とを前記車両の走行距離に対応させて表示する画像を生成する手順を含むことを特徴とするPQ測定処理プログラムである。
請求項11の発明は、請求項10に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、前記画像生成手順は、前記走行曲線半径演算手順における演算結果と前記PQ測定手順における測定結果とを線路のキロ程に対応させて表示する画像を生成する手順を含むことを特徴とするPQ測定処理プログラムである。
請求項12の発明は、請求項から請求項11までのいずれか1項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、図13に示すように、前記画像生成手順は、前記PQ測定手順における測定結果と前記走行曲線半径演算手順における演算結果とを擬似的な連続データとして表示する画像を生成する手順を含むことを特徴としているPQ測定処理プログラムである。
この発明によると、輪重及び/又は横圧と線路情報との照合が容易になるようにこれらの情報を表示させることができる。
この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムを概略的に示す構成図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を概略的に示す構成図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの輪重検出装置及び横圧測定装置の設置状態を概略的に示す模式図であり、(A)は車輪の正面側から見た模式図であり、(B)は車輪の側面側から見た模式図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のオフセット補正部の補正動作を説明するための図であり、(A)はオフセット補正前の輪重検出信号の波形図であり、(B)はオフセット補正後の輪重検出信号の波形図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の輪重合成信号生成部の生成動作を説明するための図であり、(A)は輪重検出部P1+,P1-が出力するオフセット補正後の輪重検出信号の波形図であり、(B)は輪重検出部P2+,P2-が出力するオフセット補正後の輪重検出信号の波形図であり、(C)は輪重合成信号生成部が出力する合成後の輪重合成信号の波形図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のPQ測定部の構造を説明するための構成図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のドリフト補正部の補正動作を説明するための図であり、(A)はドリフト補正前の横圧検出信号の波形図であり、(B)はドリフト補正前の横圧検出信号の波形図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の横圧測定部の測定動作を説明するための波形図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のデータ記憶部の構造を説明するための構成図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の画像生成部の構造を説明するための構成図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の表示画面の構成を示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の波形モニタ画面を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の処理データ画面を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の超過データ画面を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の曲線解析処理画面を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置のヒストグラム画面を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の電圧モニタ画面を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの輪重検出装置及び横圧測定装置の設置状態を概略的に示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムを概略的に示す構成図である。図2は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を概略的に示す構成図である。図3は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの輪重検出装置及び横圧測定装置の設置状態を概略的に示す模式図であり、図3(A)は車輪の正面側から見た模式図であり、図3(B)は車輪の側面側から見た模式図である。なお、図3では車両の進行方向右側の車輪を図示し、車両の進行方向左側の車輪については図示を省略する。
図3に示す線路Rは、車両が走行する通路(軌道)である。線路Rは、左右一対の車輪W1をそれぞれ案内する左右一対のレールR1などを備えており、レールR1は車輪W1を直接支持する頭頂面(頭部上面)R2と、この頭頂面R2と連続する内側頭側面(レール頭部の軌間内側の頭頂面(ゲージコーナー部))R3などを備えている。輪軸Wは、輪重P及び横圧Qを測定するためのPQ軸(PQ測定用輪軸)であり、左右一対の車輪W1と車軸W2とによって一体に組み立てられている。輪軸Wは、左右一対のレールR1とそれぞれ回転接触する左右一対の車輪W1と、車輪W1が圧入されて車輪W1と一体となって回転する車軸W2などを備えている。車輪W1は、レールR1の頭頂面R2と接触して摩擦抵抗を受ける車輪踏面W3と、車両が急曲線を通過するときに外軌側(曲線外側)のレールR1の内側頭側面R3と接触して摩擦抵抗を受けるフランジ面W4などを備えている。図3(A)に示す輪重Pは、レールR1と車輪W1との接触点Sに作用する力のうち、レールR1の長さ方向に対して垂直な面内にある垂直方向成分の分力である。横圧Qは、この接触点Sに作用する力のうち、レールR1の長さ方向に対して垂直な面内にある左右方向(車軸方向(輪重Pと直交する方向))成分の分力であり、車輪W1のフランジ面W4がレールR1から押される向きを正としている。
図1に示すPQ測定システム1は、図3に示すレールR1と車輪W1との間に作用する輪重P及び/又は横圧Qを測定するシステムである。PQ測定システム1は、図1に示す輪重検出装置2R,2Lが出力する輪重検出信号WP1,WP2、横圧検出装置3R,3Lが出力する横圧検出信号WQ、及び角速度検出装置4が出力する角速度検出信号WωなどをPQ測定装置5が所定の信号処理をして輪重P、横圧Q及び角速度などを測定するシステムである。PQ測定システム1は、輪重検出装置2R,2Lと、横圧検出装置3R,3Lと、角速度検出装置4と、PQ測定装置5と、入力装置27と、補助入力装置28と、外部記憶装置29と、印刷装置30と、表示装置31などを備えている。
輪重検出装置2Rは、右側の車輪W1と右側のレールR1との間に作用する輪重Pを検出する装置であり、輪重検出装置2Lは左側の車輪W1と左側のレールR1との間に作用する輪重Pを検出する装置である。輪重検出装置2R,2Lは、いずれも同一構造であり、以下では一方の輪重検出装置2Rを例に挙げて説明し、他方の輪重検出装置2Lについては詳細な説明を省略する。輪重検出装置2Rは、図3(B)に示すように輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-を備えている。
輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-は、車輪W1の周方向の4つの検出位置で輪重Pを検出する手段である。輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-は、車輪W1の板部に形成された検出用穴に装着されており、車輪2aの半径方向の歪みを検出して、輪重Pの大きさに応じた電気信号を出力する歪みゲージなどのセンサである。輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-は、図3(B)に示すように、車輪W1の中心(車軸W2の中心)に対して90°ずれた検出位置で輪重Pを検出可能なように、車輪W1の周方向に等間隔で配置されている。輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-は、4つの検出位置のうち車輪W1の中心に対して対称な検出位置毎に輪重Pを検出して輪重検出信号WP1,WP2を出力する。輪重検出部P1+,P1-は、車輪W1の中心に対して180°ずれた検出位置(車輪W1の中心に対して対称な検出位置)で輪重Pを検出する。輪重検出部P2+,P2-は、車輪W1の中心に対して180°ずれた検出位置(車輪W1の中心に対して対称な検出位置)であって、かつ、輪重検出部P1+,P1-の検出位置よりも車輪W1の中心に対して90°ずれた検出位置で輪重Pを検出する。輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-は、車輪W1が1回転すると位相の異なる4つの出力信号を発生し、それぞれ接触点Sに最も接近する最下位に位置するときに各検出位置で輪重Pを検出する。輪重検出部P1+,P1-は、各検出位置における検出結果を1つの輪重検出信号(輪重検出データ)WP1として図1に示す増幅装置6に出力し、輪重検出部P2+,P2-は各検出位置における検出結果を1つの輪重検出信号(輪重検出データ)WP2として増幅装置6に出力する。
図1に示す横圧検出装置3Rは、右側の車輪W1と右側のレールR1との間に作用する横圧Qを検出する装置であり、横圧検出装置3Lは左側の車輪W1と左側のレールR1との間に作用する横圧Qを検出する装置である。横圧検出装置3R,3Lは、いずれも同一構造であり、以下では一方の横圧検出装置3Rを例に挙げて説明し、他方の横圧検出装置3Lについては詳細な説明を省略する。横圧検出装置3R,3Lは、例えば、図3(B)に示すように横圧検出部Q1〜Q8を備えている。
横圧検出部Q1〜Q8は、複数の検出位置で横圧Qを検出する手段である。横圧検出部Q1〜Q8は、車輪W1の板部に装着されており、車輪W1に作用する曲げ応力を検出して、横圧Qの大きさに応じた電気信号を出力する歪みゲージなどのセンサである。横圧検出部Q1〜Q8は、図3(B)に示すように、車輪W1の中心(車軸W2の中心)に対して45°ずれた検出位置で横圧Qを検出可能なように、車輪W1の周方向に等間隔に配置されている。横圧検出部Q1〜Q8は、車輪W1が1回転すると位相の異なる8つの出力信号を発生し、それぞれ接触点Sに最も接近する最下位に位置するときに各検出位置で横圧Qを検出する。横圧検出部Q1〜Q8は、各検出位置における検出結果を1つの横圧検出信号(横圧検出データ)WQとして図1に示す増幅装置6に出力する。
図1に示す角速度検出装置4は、車両の角速度を検出する装置である。角速度検出装置4は、例えば、PQ測定用輪軸を備える車両が曲線に進入してこの車両が左右方向に回転(ヨーイング)したときにこの車両の角速度を検出する角速度センサ(ヨーセンサ)などである。角速度検出装置4は、車両の曲線進入及び曲線の方向を検出し、この検出結果を角速度検出信号(角速度検出データ)Wωとして増幅装置6に出力する。
PQ測定装置5は、レールR1と車輪W1との間に作用する輪重P及び横圧Qを測定する装置である。PQ測定装置5は、輪重検出装置2R,2Lが検出した輪重Pの時間変化を表す輪重検出信号WP1,WP2、横圧検出装置3R,3Lが検出した横圧Qの時間変化を表す横圧検出信号WQ、及び角速度検出装置4が検出した角速度の時間変化を表す角速度検出信号Wωなどを所定の信号処理し、輪重P及び横圧Qなどを測定する装置である。PQ測定装置5は、増幅装置6と、A/D変換装置7と、PQ測定処理装置8などを備えており、これらを筐体内に収容している。
増幅装置6は、輪重検出装置2R,2L、横圧検出装置3R,3L及び角速度検出装置4の出力信号を増幅する装置である。増幅装置6は、輪重検出装置2R,2Lが出力する輪重検出信号WP1,WP2、横圧検出装置3R,3Lが出力する横圧検出信号WQ、及び角速度検出装置4が出力する角速度検出信号Wωをそれぞれ増幅してA/D変換装置7に出力する絶縁アンプなどである。増幅装置6は、輪重検出装置2R,2L、横圧検出装置3R,3L及び角速度検出装置4の出力電圧を、予め設定されたスケール係数及びオフセットによってスケーリングする。
A/D変換装置7は、増幅装置6の出力信号をA/D変換する装置である。A/D変換装置7は、増幅装置6が出力する増幅後の輪重検出信号WP1,WP2、横圧検出信号WQ及び角速度検出信号Wωなどのアナログ信号をサンプリングしてディジタル信号に変換しPQ測定処理装置8に出力する。
PQ測定処理装置8は、輪重P及び/又は横圧Qを測定処理する装置である。PQ測定処理装置8は、A/D変換装置7が出力するA/D変換後の輪重検出信号WP1,WP2、横圧検出信号WQ及び角速度検出信号Wωを所定の信号処理をして輪重P、横圧Q及び角速度などを演算するCPUユニットなどである。PQ測定処理装置8は、例えば、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、PQ測定処理プログラムに従って所定の処理を実行する。PQ測定処理装置8は、図2に示すように、データ入力部9と、オフセット補正部10と、輪重合成信号生成部11と、角速度演算部12と、走行速度演算部13と、走行距離演算部14と、走行曲線半径演算部15と、曲線区間検出部16と、曲線方向検出部17と、曲線持続距離演算部18と、PQ測定部19と、ドリフト補正部20と、データ記憶部21と、画像生成部22と、プログラム記憶部23と、データ出力部24と、制御部25と、通信部26などを備えている。
図2に示すデータ入力部9は、種々の検出データを入力させる手段である。データ入力部9には、A/D変換装置7が出力するA/D変換後の輪重検出信号(輪重検出データ)WP1,WP2、横圧検出信号(横圧検出データ)WQ及び角速度検出信号(角速度検出データ)Wωが入力し、データ入力部9はこれらの検出データを制御部25に出力する。
図4は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のオフセット補正部の補正動作を説明するための図であり、図4(A)はオフセット補正前の輪重検出信号の波形図であり、図4(B)はオフセット補正後の輪重検出信号の波形図である。ここで、図4に示すグラフは、縦軸が輪重Pであり、横軸が時間tである。
図2に示すオフセット補正部10は、輪重検出信号WP1,WP2をオフセット補正する手段である。オフセット補正部10は、輪重検出信号WP1,WP2の平均値に基づいてこれらの輪重検出信号WP1,WP2をオフセット補正する。オフセット補正部10は、例えば、輪重検出部P1+,P1-の歪みゲージの温度変動などによって、図4(A)に示すように輪重検出信号WP1がオフセット量Poffsetを含むときには、検出開始から現在までのこの輪重検出信号WP1の全てのサンプリング値(全ての輪重検出データ)を平均化してオフセット量Poffsetを同定する。オフセット補正部10は、図4(A)に示す輪重検出信号WP1からオフセット量Poffsetを減算して、図4(B)に示すようにオフセット補正後の輪重検出信号WP1を生成する。オフセット補正部10は、オフセット補正後の輪重検出信号WP1,WP2を輪重検出データとして制御部25に出力する。
図5は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の輪重合成信号生成部の生成動作を説明するための図であり、図5(A)は輪重検出部P1+,P1-が出力するオフセット補正後の輪重検出信号の波形図であり、図5(B)は輪重検出部P2+,P2-が出力するオフセット補正後の輪重検出信号の波形図であり、図5(C)は輪重合成信号生成部が出力する合成後の輪重合成信号の波形図である。ここで、図5に示すグラフは、縦軸が輪重Pであり、横軸が時間tである。
図5(A)に示す輪重検出信号WP1は、図3(B)に示す車輪W1の回転に応じて正負が交互に逆転した波形であり、プラス側が輪重検出部P1+によって検出された測定データに相当し、マイナス側が輪重検出部P1-によって検出された測定データに相当する。図5(A)に示す輪重検出信号WP1は、輪重検出部P1+が接触点Sに最も近づき最下位に位置したときに輪重Pが上側のピーク値P1maxを示し、車輪W1がさらに180°回転して輪重検出部P1-が接触点Sに最も近づき最下位に位置したときに輪重Pが下側のピーク値P1minを示す。図5(B)に示す輪重検出信号WP2は、図3(B)に示す車輪W1の回転に応じて正負が交互に逆転した波形であり、プラス側が輪重検出部P2+によって検出された測定データに相当し、マイナス側が輪重検出部P2-によって検出された測定データに相当する。図5(B)に示す輪重検出信号WP1は、輪重検出部P2+が接触点Sに最も近づき最下位に位置したときに輪重Pが上側のピーク値P2maxを示し、車輪W1がさらに180°回転して輪重検出部P2-が接触点Sに最も近づき最下位に位置したときに輪重Pが下側のピーク値P2minを示す。
図2に示す輪重合成信号生成部11は、輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-が車輪W1の回転に応じて出力する位相の異なる複数の輪重検出信号WP1,WP2を合成して輪重合成信号WPを生成する手段である。輪重合成信号生成部11は、図3(B)に示す4つの検出位置のうち車輪W1の中心に対して対称な検出位置毎に輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-が出力する2つの輪重検出信号WP1,WP2を合成する。例えば、輪重合成信号生成部11は、図3(B)に示す車輪W1の中心に対して対称な検出位置で輪重Pを検出する輪重検出部P1+,P1-が出力する図5(A)に示すようなオフセット補正後の輪重検出信号WP1と、図3(B)に示す輪重検出部P1+,P1-とは異なる対称な検出位置で輪重Pを検出する輪重検出部P2+,P2-が出力する図5(B)に示すようなオフセット補正後の輪重検出信号WP2とを合成して、図5(C)に示すような輪重合成信号WPを生成する。輪重合成信号生成部11は、以下の数1によって輪重合成信号WPを生成し、この輪重合成信号WPを制御部25に出力する。
図5(C)に示す輪重合成信号WPは、図3(B)に示す車輪W1の回転に応じて正負が交互に逆転した波形であり、プラス側が輪重検出部P1+,P2+が検出した測定データに相当し、マイナス側が輪重検出部P1-,P2-が検出した測定データに相当する。図5(C)に示す輪重検出信号WP1は、波形が時間軸と交差して輪重Pがゼロとなるゼロクロス点t01,t02,…が図3(B)に示す車輪W1の中心に対して検出位置の左右±45°に相当する。輪重合成信号生成部11は、例えば、図5(B)(C)に示すような車輪W1が1/4回転する毎に発生する輪重検出信号WP1,WP2の波形のピーク値P1max,P1min,P2max,P2minの両肩部分(裾の部分)の二点鎖線で示すような微小な立ち上がりを、2つの輪重検出信号WP1,WP2を合成することによって除去し平滑化する。
図2に示す角速度演算部12は、角速度検出装置4が出力する角速度検出信号Wωに基づいて車両の角速度を演算する手段である。角速度演算部12は、演算後の車両の角速度を角速度データとして制御部25に出力する。
走行速度演算部13は、輪重合成信号生成部11が出力する輪重合成信号WPに基づいて車両の走行速度を演算する手段である。走行速度演算部13は、図5(C)に示す輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02,…に基づいて車両の走行速度を演算する。走行速度演算部13は、例えば、車輪W1の円周が略一定であり、かつ、ゼロクロス点t01,t02,…間の時間と車輪W1が1/4回転する時間とが同一であることから、車輪W1の円周の1/4の長さをゼロクロス点t01,t02,…の間隔で除算して車両の走行速度を演算する。走行速度演算部13は、演算後の車両の走行速度を走行速度データとして制御部25に出力する。
走行距離演算部14は、車両の走行距離を演算する手段である。走行距離演算部14は、例えば、車輪W1の円周が略一定であり、かつ、ゼロクロス点t01,t02,…間の時間と車輪W1が1/4回転する時間とが同一であることから、車輪W1の円周の1/4の長さをゼロクロス点t01,t02,…の数で乗算して車両の走行距離を演算する。走行距離演算部14は、演算後の車両の走行距離を走行距離データとして制御部25に出力する。
走行曲線半径演算部15は、車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を演算する手段である。走行曲線半径演算部15は、角速度演算部12が演算した車両の角速度と、走行速度演算部13が演算したこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径、この走行曲線半径の逆数及び走行曲線半径の最小値(最小曲線半径)を演算する。走行曲線半径演算部15は、車両の走行速度をこの車両の角速度で除算して、この車両が走行する曲線の半径、この曲線の半径の逆数及び最小曲線半径を演算し、この演算結果を走行曲線半径データとして制御部25に出力する。
曲線区間検出部16は、車両の角速度に基づいてこの車両が走行する曲線区間を検出する手段である。曲線区間検出部16は、走行曲線半径演算部15の演算結果に基づいて、車両の曲線区間の進入及び退出を検出する。曲線区間検出部16は、例えば、走行曲線半径演算部15が演算した走行曲線半径が所定値(例えば、曲線半径3000m程度)を超えるときには、車両が直線区間を走行していると判定し、走行曲線半径が所定値以下であるときには、車両が曲線区間を走行していると判定する。曲線区間検出部16は、車両が曲線区間に進入したときには曲線区間進入信号を制御部25に出力し、この車両が曲線区間から退出したときには曲線区間退出信号を制御部25に出力する。
曲線方向検出部17は、車両の角速度に基づいてこの車両が走行する曲線区間の曲線方向を検出する手段である。曲線方向検出部17は、角速度検出装置4が出力する角速度検出信号Wωに基づいて車両の曲線区間の曲線方向が右方向であるか左方向であるかを検出する。曲線方向検出部17は、曲線区間検出部16が車両の曲線区間の進入を検出して曲線区間進入信号を出力したときに、この曲線区間の曲線方向を右方向又は左方向であるか検出し、この検出結果を曲線方向データとして制御部25に出力する。
曲線持続距離演算部18は、車両が走行する曲線区間の持続距離を演算する手段である。曲線持続距離演算部18は、曲線区間検出部16が車両の曲線区間の進入を検出してからこの曲線区間の退出を検出するまでに、輪重検出装置2Rが出力する輪重検出信号WP1,WP2に基づいて、この曲線区間の持続距離(曲線長)を演算する。曲線持続距離演算部18は、走行距離演算部14と同様の演算方法によって、曲線区間が始まる開始キロ程と、この曲線区間が終わる終了キロ程と、終了キロ程から開始キロ程を減算した持続距離とを演算し、この演算結果を曲線持続距離データとして制御部25に出力する。
図6は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のPQ測定部の構造を説明するための構成図である。
図2及び図6に示すPQ測定部19は、輪重P及び横圧Qを測定する手段である。PQ測定部19は、図6に示すように、輪重測定部19aと、横圧測定部19bと、脱線係数測定部19cと、輪重減少率測定部19dなどを備えている。PQ測定部19は、例えば、輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P及び輪重減少率Dなどを測定するとともに、輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P及び輪重減少率Dなどの最大値及び最小値を測定し、これらの測定結果をPQデータとして制御部25に出力する。ここで、脱線係数Q/Pとは、横圧Qを輪重Pで除した値であり、この値が脱線限界(脱線の始まる限界値)を下回るときには脱線が起こらず、脱線限界以上のときには脱線する可能性がある。また、輪重減少率(輪重抜け割合)Dとは、平坦な線路上で車両が停止状態又は低速走行状態であるときに測定した左右の車輪W1の輪重の平均値である静止輪重P0から、車両が走行状態であるときに輪重測定部19aが測定した輪重Pを減算した値ΔPを、この静止輪重P0で除した値ΔP/P0である。輪重減少率Dは、脱線に関する安全性の補助的な評価指標として脱線係数Q/Pと併用される。
輪重測定部19aは、輪重Pを測定する手段である。輪重測定部19aは、例えば、図5(A)(B)に示すように、輪重検出信号WP1,WP2の波形のピーク値P1max,P1min,P2max,P2minを輪重値として特定する。輪重測定部19aは、輪重検出信号WP1,WP2に基づいて輪重値を測定し、この測定結果を輪重データ(PQデータ)として制御部25に出力する。
図7は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のドリフト補正部の補正動作を説明するための図であり、図7(A)はドリフト補正前の横圧検出信号の波形図であり、図7(B)はドリフト補正前の横圧検出信号の波形図である。ここで、図7に示すグラフは、縦軸が横圧Qであり、横軸が時間tである。
図2に示すドリフト補正部20は、車両の走行曲線半径に基づいて横圧検出信号WQをドリフト補正する手段である。ドリフト補正部20は、車両の曲線進入前の直線走行時の横圧検出信号WQに基づいて、この車両の曲線走行時の横圧検出信号WQをドリフト補正する。ドリフト補正部20は、例えば、横圧検出部Q1〜Q8の歪みゲージの温度変動などによって、図7(A)に示すように横圧検出信号WQがドリフト量Qdriftを含むときには、車両が曲線に進入する直前の時間tinにおける横圧検出信号WQの波形からドリフト量Qdriftを同定する。ドリフト補正部20は、図7(A)に示す横圧検出信号WQからドリフト量Qdriftを減算して、図7(B)に示すようにドリフト補正後の横圧検出信号WQを生成する。ドリフト補正部20は、ドリフト補正後の横圧検出信号WQを横圧検出データとして制御部25に出力する。
図8は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の横圧測定部の測定動作を説明するための波形図である。ここで、図8に示すグラフは、輪重合成信号WPと横圧検出信号WQとを重ねて表しており、縦軸が輪重P及び横圧Qであり、横軸が時間tである。
図2に示す横圧測定部19bは、横圧検出部Q1〜Q8が出力する横圧検出信号WQと、輪重合成信号生成部11が出力する輪重合成信号WPとに基づいて、横圧Qを測定する手段である。横圧測定部19bは、図8に示すように、輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02,…と横圧検出信号WQとに基づいて横圧Qを測定する。横圧測定部19bは、例えば、輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02間で横圧検出部Q1〜Q8が出力する横圧検出信号WQのピーク値Qmaxに基づいて横圧Qを測定する。また、横圧測定部19bは、例えば、輪重合成信号WPのゼロクロス点t04,t05間で横圧検出部Q1〜Q8が出力する横圧検出信号WQのピーク値Qminに基づいて横圧Qを測定する。横圧測定部19bは、図3(B)に示す輪重Pの検出位置の±45°の範囲であって、図8に示すような輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02,…間における横圧検出信号WQの波形のピーク値Qmax,Qminを横圧値として特定する。輪重測定部19aは、ドリフト補正後の横圧検出信号WQと輪重合成信号WPとに基づいて横圧値を測定し、この測定結果を横圧データ(PQデータ)として制御部25に出力する。
脱線係数測定部19cは、輪重測定部19aが測定した輪重Pと横圧測定部19bが測定した横圧Qとに基づいて脱線係数Q/Pを測定する手段である。脱線係数測定部19cは、輪重測定部19aが測定した輪重値と、この輪重値に対応する横圧測定部19bが測定した横圧値とに基づいて脱線係数Q/Pを演算し、この演算結果を脱線係数データ(PQデータ)として制御部25に出力する。
輪重減少率測定部19dは、輪重測定部19aが測定した輪重Pに基づいて輪重減少率Dを測定する手段である。輪重減少率測定部19dは、輪重測定部19aが測定した輪重Pとデータ記憶部21が記憶する静止輪重P0とに基づいて輪重減少率Dを演算し、この演算結果を輪重減少率データ(PQデータ)として制御部25に出力する。
図9は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置のデータ記憶部の構造を説明するための構成図である。
データ記憶部21は、種々のデータを記憶する手段である。データ記憶部21は、図9に示すように、輪重検出データ記憶部21aと、横圧検出データ記憶部21bと、角速度検出データ記憶部21cと、輪重合成データ記憶部21dと、角速度データ記憶部21eと、走行速度データ記憶部21fと、走行距離データ記憶部21gと、走行曲線半径データ記憶部21hと、曲線方向データ記憶部21iと、曲線持続距離データ記憶部21jと、PQデータ記憶部21kなどを備えている。データ記憶部21は、輪重検出データ、横圧検出データ、角速度検出データ、輪重合成データ、角速度データ、走行速度データ、走行距離データ、走行曲線半径データ、曲線方向データ、曲線持続距離データ、輪重データ、横圧データ、脱線係数データ及び輪重減少率データなどを各記憶部にそれぞれ記憶するメモリである。
輪重検出データ記憶部21aは、オフセット補正前後の輪重検出データを記憶し、左右の車輪W1にそれぞれ対応するオフセット補正前後の輪重検出データを時系列順に記憶する。横圧検出データ記憶部21bは、ドリフト補正前後の横圧検出データを記憶し、左右の車輪W1にそれぞれ対応するドリフト補正前後の横圧検出データを時系列順に記憶する。角速度検出データ記憶部21cは、角速度検出装置4が出力する角速度検出データを記憶し、角速度検出データを時系列順に記憶する。輪重合成データ記憶部21dは、輪重合成信号生成部11が生成した輪重合成データを記憶し、左右の車輪W1にそれぞれ対応する輪重合成データを時系列順に記憶する。角速度データ記憶部21eは、角速度演算部12が演算した角速度データを記憶し、走行速度データ記憶部21fは走行速度演算部13が演算した走行速度データを記憶し、走行距離データ記憶部21gは走行距離演算部14が演算した走行距離データを記憶し、走行曲線半径データ記憶部21hは走行曲線半径演算部15が演算した走行曲線半径データを記憶し、曲線方向データ記憶部21iは曲線方向検出部17が検出した曲線方向データを記憶し、曲線持続距離データ記憶部21jは曲線持続距離演算部18が演算した曲線持続距離データを記憶する。
図9に示すPQデータ記憶部21kは、PQ測定部19が測定したPQデータを記憶する。PQデータ記憶部21kは、例えば、左右の車輪W1にそれぞれ対応する輪重データ、横圧データ、脱線係数データ、輪重減少率データ及び静止輪重データなどのPQデータを時系列順に記憶する。PQデータ記憶部21kは、車両が走行する線路Rの線形に関する線路図情報と照合可能なように、走行曲線半径データ、走行距離データ、曲線方向データ及び曲線持続距離データなどと対応させてPQデータを記憶する。
図10は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の画像生成部の構造を説明するための構成図である。
画像生成部22は、表示装置31に表示する画像を生成する手段である。画像生成部22は、例えば、走行曲線半径演算部15の演算結果とPQ測定部19の測定結果とを対応させて表示する画像を生成するとともに、PQ測定部19の測定結果を曲線区間毎に対応させて表示する画像を生成する。画像生成部22は、図10に示すように、波形モニタ画像生成部22aと、処理データ画像生成部22bと、超過データ画像生成部22cと、曲線解析処理画像生成部22dと、ヒストグラム画像生成部22eと、電圧モニタ画像生成部22fなどを備えている。
波形モニタ画像生成部22aは、輪重検出信号WP1,WP2及び輪重合成信号WPの波形を表示するための画像を生成する手段である。波形モニタ画像生成部22aは、図5に示すようなオフセット補正後の輪重検出信号WP1,WP2の波形と、これらのオフセット補正後の輪重検出信号WP1,WP2を合成した輪重合成信号WPの波形とを表示装置31に表示するための画像データを生成し、この画像データを制御部25に出力する。
処理データ画像生成部22bは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータを車両の走行距離と対応させて表示するための画像を生成する手段である。処理データ画像生成部22bは、走行曲線半径演算部15の演算結果とPQ測定部19の測定結果とを車両の走行距離(線路のキロ程)に対応させて表示する画像を生成する。処理データ画像生成部22bは、輪重データ、横圧データ及び脱線係数データなどのPQデータ、走行速度データ並びに走行曲線データなどを擬似的な連続データとして表示するための画像を生成する。処理データ画像生成部22bは、例えば、輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P、走行速度及び曲線半径の逆数などを、X軸がキロ程のグラフにプロットした画像データを生成し、この画像データを制御部25に出力する。
超過データ画像生成部22cは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータのうち所定値を超えたデータを表示するための画像を生成する手段である。超過データ画像生成部22cは、例えば、予め設定されたしきい値(超過値)を超えた輪重P、横圧Q又は脱線係数Q/Pなどを、これらの値が超過したときのキロ程、走行速度及び曲線半径などと対応させた画像データを生成し、この画像データを制御部25に出力する。
曲線解析処理画像生成部22dは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータを曲線区間毎に対応させて表示するための画像を生成する手段である。曲線解析処理画像生成部22dは、曲線方向検出部17の検出結果を曲線区間毎に対応させて表示する画像を生成する、曲線解析処理画像生成部22dは、例えば、曲線区間検出部16が曲線区間であると判定したときに、各曲線区間の輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P及び輪重減少率Dの最大値及び最小値を、これらの最大値及び最小値が発生したときの車両の走行距離(キロ程)と対応させて表示する画像データを生成し、これらの画像データを制御部25に出力する。また、曲線解析処理画像生成部22dは、例えば、曲線方向、曲線半径及び曲線持続距離などを表示する画像データを生成し、この画像データを制御部25に出力する。
ヒストグラム画像生成部22eは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータのヒストグラムを表示するための画像を生成する手段である。ヒストグラム画像生成部22eは、例えば、輪重P、横圧Q又は脱線係数Q/Pなどのヒストグラム、平均値又は標準偏差などを演算しこれらのヒストグラム、平均値又は標準偏差を表示する画像データを生成し、この画像データを制御部25に出力する。
電圧モニタ画像生成部22fは、輪重検出装置2R,2L、横圧検出装置3R,3L及び角速度検出装置4が出力する電圧値を表示するための画像を生成する手段である。電圧モニタ画像生成部22fは、例えば、輪重検出装置2R,2L、横圧検出装置3R,3L及び角速度検出装置4の歪みゲージのブリッジの電圧値、この電圧値の平均値又は標準偏差を演算しこれらを表示する画像データを生成し、この画像データを制御部25に出力する。
プログラム記憶部23は、輪重P及び/又は横圧Qを測定処理するためのPQ測定処理プログラムを記憶する手段である。プログラム記憶部23は、情報記録媒体から読み取ったPQ測定処理プログラム、又は電気通信回線を通じて取り込まれたPQ測定処理プログラムなどを記憶するメモリである。
データ出力部24は、種々のデータを出力する手段である。データ出力部24は、例えば、データ記憶部21が記憶する種々のデータや、画像生成部22が生成した種々の画像データなどを図1に示す外部記憶装置29、印刷装置30及び表示装置31などに出力する。
制御部25は、PQ測定処理装置8の種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部25は、プログラム記憶部23からPQ測定処理プログラムを読み出してPQ測定処理装置8のコンピュータに所定の処理を指令し実行させる。制御部25は、例えば、輪重検出信号WP1,WP2のオフセット補正をオフセット補正部10に指令したり、輪重合成信号WPの生成を輪重合成信号生成部11に指令したり、角速度演算部12に角速度の演算を指令したり、走行速度演算部13に走行速度の演算を指令したり、走行距離演算部14に走行距離の演算を指令したり、曲線区間検出部16に曲線区間の検出を指令したり、走行曲線半径演算部15に走行曲線半径の演算を指令したり、曲線方向検出部17に曲線方向の検出を指令したり、曲線持続距離演算部18に曲線区間の持続距離の演算を指令したり、PQ測定部19にPQデータの測定を指令したり、横圧検出信号WQのドリフト補正をドリフト補正部20に指令したり、データ記憶部21から種々のデータを読み出すとともにこれらのデータの出力をデータ出力部24に指令したり、画像生成部22に画像データの生成を指令するとともにこれらの画像データの出力をデータ出力部24に指令したりする。また、制御部25は、例えば、データ入力部9から入力する輪重検出データ、横圧検出データ及び角速度検出データ、輪重合成信号生成部11が生成した輪重合成データ、角速度演算部12が演算した角速度データ、走行速度演算部13が演算した走行速度データ、走行距離演算部14が演算した走行距離データ、走行曲線半径演算部15が演算した走行曲線半径データ、曲線方向検出部17が検出した曲線方向データ、曲線持続距離演算部18が演算した曲線持続距離データ及びPQ測定部19が測定したPQデータなどの記憶をデータ記憶部21に指令する。
通信部26は、種々のデータを伝達するための手段である。通信部26は、データ入力部9、オフセット補正部10、輪重合成信号生成部11、角速度演算部12、走行速度演算部13、走行距離演算部14、走行曲線半径演算部15、曲線区間検出部16、曲線方向検出部17、曲線持続距離演算部18、PQ測定部19、ドリフト補正部20、データ記憶部21、画像生成部22、プログラム記憶部23、データ出力部24及び制御部25などを相互に通信可能なように接続するバスである。
図1に示す入力装置27は、PQ測定処理装置8に種々の情報を入力するための装置である。入力装置27は、例えば、PQ測定処理装置8のデータ記憶部21などに情報を入力するためのキーボードなどである。補助入力装置28は、PQ測定処理装置8に種々の情報を補助的に入力するための装置である。補助入力装置28は、例えば、PQ測定処理装置8の動作を選択するときに操作されるマウスなどである。外部記憶装置29は、PQ測定処理装置8のデータ記憶部21が記憶する種々のデータを記憶する装置である。外部記憶装置29は、例えば、走行安全性試験終了後にデータ記憶部21が記憶する種々のデータを長期的に保存するためのハードディスクなどである。印刷装置30は、PQ測定処理装置8のデータ記憶部21が記憶する種々のデータを印刷する装置である。
図11は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の表示画面の構成を示す図である。
図1に示す表示装置31は、PQ測定処理装置8の種々の測定結果及び処理結果を表示する装置である。表示装置31は、データ記憶部21が記憶する種々の情報を表示したり、画像生成部22が生成する種々の画像情報を表示したりする。表示装置31は、図11に示すように、波形モニタ画面31aと、処理データ画面31bと、超過データ画面31cと、曲線解析処理画面31dと、ヒストグラム画面31eと、電圧モニタ画面31fなどを表示し、図1に示す入力装置27又は補助入力装置28を操作することによって任意の画面に切り替える。
図12は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の波形モニタ画面を一例として示す図である。なお、以下の画面は、実際に営業線を車両が走行したときに測定したPQデータを処理したものである。
図12に示す波形モニタ画面31aは、波形モニタ画像生成部22aが生成した輪重検出信号WP1,WP2及び輪重合成信号WPの波形を表示する画面である。波形モニタ画面31aは、例えば、左右の車輪W1に対応する輪重検出信号WP1,WP2の波形とこの波形のピーク値P1max,P1min,P2max,P2min、横圧検出信号WQの波形とこの波形のピーク値Qmax,Qmin、軸箱加速度の波形などを画面左上欄と画面左下欄とにそれぞれ表示し、車両が現在走行している曲線の方向と走行曲線半径などを画面右側欄に表示する。ここで、軸箱加速度の波形は、図3(A)に示す車軸W2の端部を回転自在に保持する軸箱の振動を検出する加速度センサなどの振動検出装置が出力する加速度検出信号の波形である。
図13は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の処理データ画面を一例として示す図である。
図13に示す処理データ画面31bは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータを車両の走行距離と対応させて表示する画面である。処理データ画面31bは、例えば、左右の車輪W1に対応する輪重P(kN)、横圧Q(kN)、脱線係数Q/P、走行曲線半径の逆数、走行速度(km/h)の波形を擬似的な連続データとして表示する。処理データ画面31bは、例えば、図13に示すように、横軸にキロ程(km)を表示し、左側の縦軸に輪重・横圧(kN)及び脱線係数を表示し、右側の縦軸に速度(km/h)及び1/曲線半径(m)を表示している。処理データ画面31bは、図1に示す入力装置27又は補助入力装置28を操作することによってズーム及びスクロール可能である。
図14は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の超過データ画面を一例として示す図である。
図14に示す超過データ画面31cは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータのうち所定値を超えたデータを表示する画面である。超過データ画面31cは、例えば、輪重Pが所定値を超えた原因(超過原因)、キロ程(km)、走行速度(km/h)、輪重値(kN)、輪重減少率(%)及び曲線半径(m)などを表示する。超過データ画面31cは、全走行区間の輪重P、横圧Q及び脱線係数Q/Pなどの最大値を自動的に更新して表示する。
図15は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の曲線解析処理画面を一例として示す図である。
図15に示す曲線解析処理画面31dは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータを曲線区間毎に対応させて表示する画面である。曲線解析処理画面31dは、1行目が各表示項目を表し、2行目以降がそれぞれ曲線区間を表し、各列がPQデータの最大値とその発生キロ程などを表している。曲線解析処理画面31dは、例えば、曲線区間の方向(右又は左)、曲線区間の最小曲線半径(m)、曲線区間の開始キロ程(km)、曲線区間の終了キロ程(km)、曲線区間の持続距離(km)、曲線区間内で輪重Pが最大になったときのキロ程(Pmaxキロ程(km))、曲線区間内で輪重Pが最大になったときの走行速度(PmaxV(km/h))、曲線区間内の最大輪重値Pmax(kN)、曲線区間内で横圧Qが最大になったときのキロ程(Qmaxキロ程(km))、曲線区間内で横圧Qが最大になったときの走行速度(QmaxV(km/h))、曲線区間内の最大横圧値Qmax(kN)、曲線区間内で脱線係数Q/Pが最大になったときのキロ程(Q/Pmaxキロ程(km))、曲線区間内で脱線係数Q/Pが最大になったときの走行速度(Q/PmaxV(km/h))、曲線区間内の最大脱線係数Q/Pmax、曲線区間内で輪重Pが最小になったときのキロ程(Pminキロ程(km))、曲線区間内で輪重Pが最小になったときの走行速度(PminV(km/h))、及び曲線区間で輪重Pが最小になったときの輪重減少率(Pmin(kN)減少率(%))などを曲線区間毎に表示する。
図16は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置のヒストグラム画面を一例として示す図である。
図16に示すヒストグラム画面31eは、PQ測定処理装置8が測定した種々のデータのヒストグラムを表示する画面である。ヒストグラム画面31eは、例えば、輪重Pのヒストグラムを画面左上欄に表示し、横圧Qのヒストグラムを画面中欄に表示し、脱線係数Q/Pのヒストグラムを画面左下欄に表示し、画面右側欄に曲線半径の平均値、直線判定のための標準偏差及び角速度の標準偏差などを表示する。ヒストグラム画面31eは、これらのヒストグラム、平均値及び標準偏差などを自動的にリアルタイムで更新して表示する。
図17は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの表示装置の電圧モニタ画面を一例として示す図である。
図17に示す電圧モニタ画面31fは、輪重検出装置2R,2L、横圧検出装置3R,3L及び角速度検出装置4が出力する電圧値を表示する画面である。電圧モニタ画面31fは、例えば、輪重検出装置2R,2L、横圧検出装置3R,3L及び角速度検出装置4の歪みゲージのブリッジ出力である電圧値、この電圧値の平均値又は標準偏差を加工せずにそのままリアルタイムで表示する。
次に、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の動作を説明する。
図18は、この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下では、PQ測定処理装置8の制御部25の動作を中心として説明する。
ステップ(以下、Sという)100において、輪重検出信号WP1,WP2のオフセット補正をオフセット補正部10に制御部25が指令する。図示しない電源スイッチがON操作されると、プログラム記憶部23からPQ測定処理プログラムを制御部25が読み出して、一連のPQ測定処理プログラムを実行し、制御部25が自動解析を開始する。先ず、制御部25が輪重検出信号WP1,WP2などの全振幅値が予め設定されたしきい値を超えたか否かを制御部25が判断し、全振幅値がしきい値を超えたときには車両が走行中であると判定し、全振幅値がしきい値以下であるときには車両が停止していると判定する。車両が停止していると制御部25が判断したときには、車体がヨー運動をしていないため角速度検出装置4が出力する角速度検出信号Wωをゼロリセットする。次に、車両が走行を開始すると図2に示すデータ入力部9から制御部25に輪重検出データ及び横圧検出データが入力し、データ記憶部21にこれらのデータを制御部25が記憶させる。次に、データ記憶部21から輪重検出データを制御部25が読み出してこの輪重検出データをオフセット補正部10に出力すると、検出開始から現在までの輪重検出データをオフセット補正部10が平均化して、図4(A)に示すようなオフセット量Poffsetを同定する。次に、図4(B)に示すように検出開始から現在までの輪重検出データからオフセット量Poffsetをオフセット補正部10が減算して、オフセット補正後の輪重検出データを制御部25に出力し、このオフセット補正後の輪重検出データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S110において、輪重合成信号WPの生成を輪重合成信号生成部11に制御部25が指令する。オフセット補正後の輪重検出データを制御部25がデータ記憶部21から読み出して輪重合成信号生成部11に出力すると、図5(A)(B)に示すような2つの輪重検出信号WP1,WP2を輪重合成信号生成部11が合成して、図5(C)に示すような1つの輪重合成信号WPを生成する。生成後の輪重合成データを輪重合成信号生成部11が制御部25に出力すると、この輪重合成データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S120において、輪重P及び横圧Qの測定をPQ測定部19に制御部25が指令する。データ記憶部21からオフセット補正後の輪重検出データを制御部25が読み出してこの輪重検出データを輪重測定部19aに出力すると、図4(A)(B)に示すような輪重検出信号WP1,WP2の波形のピーク値P1max,P1min,P2max,P2minを輪重値として輪重測定部19aが特定する。また、データ記憶部21からドリフト補正後の横圧検出データを制御部25が読み出してこの横圧検出データを横圧測定部19bに出力すると、図8に示すように輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02,…間の横圧検出信号WQのピーク値Qmax,Qminを横圧値として特定する。次に、横圧測定部19bが特定した横圧値を、輪重測定部19aが特定したこの横圧値と対応する輪重値によって、脱線係数測定部19cが除算して脱線係数Q/Pを特定する。また、データ記憶部21から静止輪重データを制御部25が読み出してこの静止輪重データを輪重減少率測定部19dに出力すると、輪重測定部19aが特定した輪重値から静止輪重値を減算した値を、この静止輪重値によって輪重減少率測定部19dが除算して輪重減少率Dを特定する。輪重データ、横圧データ、脱線係数データ及び輪重減少率データなどのPQデータをPQ測定部19が制御部25に出力すると、これらのPQデータをPQデータ記憶部21kに制御部25が出力し、PQデータ記憶部21kにこれらのPQデータが記憶される。
S130において、車両の角速度の演算を角速度演算部12に制御部25が指令する。データ記憶部21から角速度検出データを制御部25が読み出してこの角速度検出データを角速度演算部12に出力すると、角速度演算部12が車両の角速度を演算する。演算後の角速度データを角速度演算部12が制御部25に出力すると、この角速度データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S140において、車両の走行速度の演算を走行速度演算部13に制御部25が指令する。データ記憶部21から輪重合成データを制御部25が読み出してこの輪重合成データを走行速度演算部13に出力すると、図5(C)に示す輪重検出信号WP1のゼロクロス点t01,t02,…間の時間によって車輪W1の円周の1/4の長さを走行速度演算部13が除算して車両の走行速度を演算する。演算後の走行速度データを走行速度演算部13が制御部25に出力すると、この走行速度データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S150において、車両の走行距離の演算を走行距離演算部14に制御部25が指令する。データ記憶部21から輪重合成データを制御部25が読み出してこの輪重合成データを走行距離演算部14に出力すると、図5(C)に示す輪重検出信号WP1のゼロクロス点t01,t02,…の数を車輪W1の円周の1/4の長さで乗算して車両の走行距離を演算する。演算後の走行距離演算部14は、演算後の車両の走行距離データを走行距離演算部14が制御部25に出力すると、この走行距離データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S160において、車両の走行曲線半径の演算を走行曲線半径演算部15に制御部25が指令する。データ記憶部21から角速度データ及び走行速度データを制御部25が読み出してこれらの角速度データ及び走行速度データを走行曲線半径演算部15に出力すると、走行曲線半径演算部15が車両の走行速度をこの車両の角速度で除算して、この車両が走行する曲線の半径を演算する。演算後の走行曲線半径データを走行曲線半径演算部15が制御部25に出力すると、この走行曲線半径データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S170において、車両が走行する曲線区間の検出を曲線区間検出部16に制御部25が指令する。データ記憶部21から走行曲線半径データを制御部25が読み出してこの走行曲線半径データを曲線区間検出部16に出力すると、走行曲線半径が所定値を超えているか否かを曲線区間検出部16が判断する。
S180において、車両が曲線に進入したか否かを制御部25が判断する。走行曲線半径が所定値以下であると曲線区間検出部16が判断したときには、この曲線区間検出部16が曲線区間進入信号を制御部25に出力する。制御部25に曲線進入信号が入力したときには、車両が曲線区間に進入したと制御部25が判断してS190に進み、制御部25に曲線進入信号が入力しないときには、車両が直線区間を走行していると判断してS240に進む。
S190において、横圧検出信号WQのドリフト補正をドリフト補正部20に制御部25が指令する。データ記憶部21から横圧検出データを制御部25が読み出してこの横圧検出データをドリフト補正部20に出力すると、図7(A)に示すように車両の曲線進入直前における時間tinの直線走行時の横圧Qをドリフト量Qdriftにドリフト補正部20が同定する。次に、図7(B)に示すように時間tin以降の車両の曲線走行時の横圧検出データからドリフト量Qdriftをドリフト補正部20が減算して、ドリフト補正後の横圧検出データを制御部25に出力し、このドリフト補正後の横圧検出データを制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S200において、車両が走行する曲線区間の曲線方向の検出を曲線方向検出部17に制御部25が指令する。データ記憶部21から角速度データを制御部25が読み出してこの角速度データを曲線方向検出部17に出力すると、この角速度データが所定値を超えているか否かを曲線方向検出部17が判断する。曲線区間が右曲線又は左曲線であるかを曲線方向検出部17が判断して、曲線方向データを制御部25に出力し、この曲線方向データを各曲線区間と対応させて制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S210において、車両が曲線から退出したか否かを制御部25が判断する。走行曲線半径が所定値を越えていると曲線区間検出部16が判断したときには、この曲線区間検出部16が曲線区間退出信号を制御部25に出力する。制御部25に曲線退出信号が入力したときには、車両が曲線区間から退出したと制御部25が判断してS220に進み、制御部25に曲線退出信号が入力しないときには、車両が曲線区間を走行中であると判断して、曲線退出信号が入力するまで判断を繰り返す。
S220において、車両が走行する曲線区間の持続距離の演算を曲線持続距離演算部18に制御部25が指令する。曲線区間検出部16が曲線区間進入信号を制御部25に出力したときの走行距離データと、曲線区間検出部16が曲線区間退出信号を制御部25に出力したときの走行距離データとを、データ記憶部21から制御部25が読み出して曲線持続距離演算部18に出力する。その結果、曲線区間退出時の走行距離(終了キロ程)から曲線区間進入時の走行距離(開始キロ程)を曲線持続距離演算部18が減算して曲線持続距離を演算する。演算後の曲線持続距離データを曲線持続距離演算部18が制御部25に出力すると、この曲線持続距離データを各曲線区間に対応させて制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S230において、PQデータの最大値及び最小値の測定をPQ測定部19に制御部25が指令する。曲線区間検出部16が曲線区間進入信号を制御部25に出力してからこの曲線区間検出部16が曲線区間退出信号を制御部25に出力するまでに、PQ測定部19が測定したPQデータをデータ記憶部21から制御部25が読み出してPQ測定部19に出力する。その結果、車両が曲線区間を走行している間にPQ測定部19が測定した輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P及び輪重減少率Dなどの最大値及び最小値をPQ測定部19が測定する。測定後のPQデータをPQ測定部19が制御部25に出力すると、このPQデータを各曲線区間に対応させて制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。また、輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P及び輪重減少率Dなどが最大及び最小になったときの走行速度データ及び走行距離データをデータ記憶部21から制御部25が読み出して、これらの走行速度データ及び走行距離データを各曲線区間に対応させて制御部25がデータ記憶部21に記憶させる。
S240において、表示装置31に画像を表示するか否かを制御部25が判断する。例えば、図1に示す入力装置27又は補助入力装置28が操作されて、図11に示す波形モニタ画面31a、処理データ画面31b、超過データ画面31c、曲線解析処理画面31d、ヒストグラム画面31e又は電圧モニタ画面31fのいずれかが選択されたか否かを制御部25が判断する。表示装置31に画像を表示する必要があると制御部25が判断したときにはS250に進み、表示装置31に画像を表示する必要がないと制御部25が判断したときにはS260に進む。
S250において、表示装置31に表示する画像の生成を画像生成部22に制御部25が指令する。表示装置31に表示するために必要な種々のデータをデータ記憶部21から制御部25が読み出してこのデータを画像生成部22に出力する。その結果、例えば、図11に示す波形モニタ画面31a、処理データ画面31b、超過データ画面31c、曲線解析処理画面31d、ヒストグラム画面31e又は電圧モニタ画面31fに画像を表示するために必要な画像データを画像生成部22が生成し、この画像データを制御部25に出力する。この画像データが制御部25に入力すると制御部25がデータ出力部24からこの画像データを表示装置31に出力させる。その結果、例えば、図12〜図17に示すような波形モニタ画面31a、処理データ画面31b、超過データ画面31c、曲線解析処理画面31d、ヒストグラム画面31e又は電圧モニタ画面31fが表示装置31に表示される。
S260において、測定処理を継続するか否かを制御部25が判断する。例えば、図1に示す入力装置27又は補助入力装置28が操作されて、測定処理の終了が選択されたと制御部25が判断したときには、一連のPQ測定処理を終了し、測定処理の終了が選択されていないと制御部25が判断したときには、S180に戻り測定処理を継続する。
この発明の第1実施形態に係るPQ測定処理装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を走行曲線半径演算部15が演算するとともに、輪重P及び横圧QをPQ測定部19が測定し、この走行曲線半径演算部15の演算結果とこのPQ測定部19の測定結果とを対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、従来のPQ測定装置のようなキロ程と対応させてPQデータを表示するのとは異なり、走行曲線半径データをインデックスとして線路図情報と簡単に照合することができる。その結果、PQデータと線路情報との整合性を図ることができるため、データの検索が容易になりデータの照合作業を軽減することができる。
(2) この第1実施形態では、走行曲線半径の逆数を走行曲線半径演算部15が演算する。このため、曲線区間走行時のPQデータであるか直線区間走行時のPQデータであるかを画面上に明確に表示することができる。
(3) この第1実施形態では、横圧Qを輪重Pで除算した脱線係数Q/PをPQ測定部19が測定する。このため、鉄道車両の走行安全性にかかわる重要な指標である脱線係数Q/Pを輪重P及び横圧Qとともに表示することができる。
(4) この第1実施形態では、走行曲線半径演算部15の演算結果とPQ測定部19の測定結果とを車両の走行距離に対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。その結果、走行曲線半径データとともに走行距離データをインデックスとして線路図情報と簡単に照合することができるため、検索作業がより一層容易になり照合作業もより一層軽減することができる。
(5) この第1実施形態では、走行曲線半径演算部15の演算結果とPQ測定部19の測定結果とを線路のキロ程に対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、走行曲線半径データとともにキロ程をインデックスとして線路図情報と簡単に照合することができる。
(6) この第1実施形態では、PQ測定部19の測定結果と走行曲線半径演算部15の演算結果とを擬似的な連続データとして表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、リアルタイムで波形を読み取ることが可能になり、作業時間や人的な負担を軽減することができる。
(7) この第1実施形態では、車両の角速度に基づいてこの車両が走行する曲線区間を曲線区間検出部16が検出するとともに、輪重P及び横圧QをPQ測定部19が測定し、このPQ測定部19の測定結果を曲線区間毎に対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、従来のPQ測定装置のような時系列横圧データがしきい値を越えている区間を曲線区間であると認識するのとは異なり、角速度データを利用して正確に曲線区間を認識することができる。また、曲線区間毎にPQデータが表示されるため、曲線区間毎にPQデータを容易に解析することができる。
(8) この第1実施形態では、車両の角速度に基づいて曲線区間の曲線方向を曲線方向検出部17が検出し、この曲線方向検出部17の検出結果を曲線区間毎に対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。その結果、PQデータとともに曲線方向が曲線区間毎に表示されるため、曲線方向をインデックスとして線路図情報と簡単に照合することができる。
(9) この第1実施形態では、車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を走行曲線半径演算部15が演算し、この走行曲線半径演算部15の演算結果を曲線区間毎に対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、PQデータとともに走行曲線半径が曲線区間毎に表示されるため、走行曲線半径をインデックスとして線路図情報と簡単に照合することができる。
(10) この第1実施形態では、曲線区間の最小曲線半径を走行曲線半径演算部15が演算する。その結果、曲線区間を特定するための情報として最小曲線半径をインデックスとして利用できるため、より一層容易に線路情報と照合することができる。
(11) この第1実施形態では、車輪の輪重Pを検出する輪重検出装置2R,2Lが出力する輪重検出信号WP1,WP2に基づいて、この車両が走行する曲線区間の持続距離を曲線持続距離演算部18が演算し、この曲線持続距離演算部18の演算結果を曲線区間毎に対応させて表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、例えば、図5(C)及び図8に示す輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02,…を利用して正確に曲線持続距離を演算することができるとともに、曲線区間を特定するための情報として曲線持続距離をインデックスとして使用することができる。
(12) この第1実施形態では、曲線区間が始まる開始キロ程とこの曲線区間が終わる終了キロ程とを曲線持続距離演算部18が演算する。このため、曲線持続距離だけではなく開始キロ程と終了キロ程もインデックスとして利用可能になり、より一層容易に線路情報と照合することができる。例えば、従来のPQ測定装置では、各曲線区間の開始キロ程及び終了キロ程を手入力していたため測定データと曲線区間とがずれている可能性が高かったが、この実施形態では開始キロ程及び終了キロ程を正確に演算することができるため、PQデータを線路図情報と高精度に対応させることができる。
(13) この第1実施形態では、横圧Qを輪重Pで除算した脱線係数Q/PをPQ測定部19が測定する。また、この第1実施形態では、輪重Pを静止輪重P0から減算した値ΔPをこの静止輪重P0で除算した輪重減少率DをPQ測定部19が測定する。このため、鉄道車両の走行安全性にかかわる重要な指標である脱線係数Q/P及び輪重減少率Dを曲線区間毎に表示することができる。
(14) この第1実施形態では、PQ測定部19の測定結果の最大値及び/又は最小値を表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、PQデータが異常になった箇所を曲線区間毎に詳細に解析することができる。
(15) この第1実施形態では、PQ測定部19の測定結果が最大値及び/又は最小値になったときのキロ程及び/又は走行速度を表示する画像を画像生成部22が生成する。このため、PQデータが異常である場合にはキロ程などをインデックスとして線路図を検索して、異常なPQデータを示す箇所を現場で高精度に特定することができる。
(第2実施形態)
図19は、この発明の第2実施形態に係るPQ測定処理装置を備えるPQ測定システムの輪重検出装置及び横圧測定装置の設置状態を概略的に示す模式図である。以下では、図3に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図19に示す輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-,P3+,P3-,P4+,P4-は、車輪W1の周方向の8つの検出位置で輪重Pを検出する。輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-,P3+,P3-,P4+,P4-は、図19に示すように、車輪2aの中心(車軸W2の中心)に対して45°ずれた検出位置で輪重Pを検出可能なように、車輪W1の周方向に等間隔で配置されている。輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-,P3+,P3-,P4+,P4-は、8つの検出位置のうち車輪W1の中心に対して対称な検出位置毎に輪重Pを検出して4つの輪重検出信号WP1〜WP4を出力する。図2に示す輪重合成信号生成部11は、4つの輪重検出信号WP1〜WP4を合成して1つの輪重合成信号WPを生成する。この第2実施形態では、輪重検出信号WP1〜WP4の数が増加して人力では解析が困難な場合であっても、1つの輪重合成信号WPを生成することによって、輪重P及び横圧Qをより一層高精度にリアルタイムで自動的に測定することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、4個の輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-又は8個の輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-,P3+,P3-,P4+,P4-によって輪重Pを検出する場合を例に挙げて説明したが、設置個数を4個又は8個に限定するものではない。例えば、輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-,…が車輪W1の周方向に2n+1(nは整数)個配置されており、これらの輪重検出部P1+,P1-,P2+,P2-,…が出力する位相の異なる2n+1/2個の輪重検出信号WP1,WP2,…を合成して1つの輪重合成信号WPを生成することもできる。また、この実施形態では、横圧Qを8個の横圧検出部Q1〜Q8によって検出する場合を例に挙げて説明したが設置個数を8個に限定するものではない。さらに、この実施形態では、輪重P、横圧Q、脱線係数Q/P及び輪重減少率Dを測定する場合を例に挙げて説明したが、これらの少なくとも一つを測定することもできる。
(2) この実施形態では、輪重検出信号WP1,WP2に基づいて輪重タイミングを判別しているが、ロータリエンコーダなどが出力する回転系信号と併用して輪重タイミングを判別することもできる。また、この実施形態では、輪重合成信号WPを利用して輪重P及び横圧Qを測定しているが、輪重P及び横圧Qの測定方法をこのような手法に限定するものではない。さらに、この実施形態では、輪重合成信号WPのゼロクロス点t01,t02,…に基づいて車両の走行距離を演算する場合を例に挙げて説明したが、車両の台車の軸箱の振動を検出する加速度センサなどの振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて車両の走行距離を測定することもできる。
(3) この実施形態では、走行曲線半径データが所定値を超えたか否かによって曲線区間を検出しているが、角速度データが所定値を超えたか否かによって曲線区間を検出することもできる。また、この実施形態では、処理データ画面31b及び曲線解析処理画面31dにキロ程を表示する場合を例に挙げて説明したが、走行距離演算部14が演算した走行距離を表示することもできる。
(4) この実施形態では、処理データ画面31bに走行曲線半径の逆数を表示する場合を例に挙げて説明したが、走行曲線半径の逆数又は走行曲線半径の少なくとも一方を表示することもできる。また、この実施形態では、曲線解析処理画面31dに各曲線区間の最小曲線半径を表示する場合を例に挙げて説明したが、各曲線区間の曲線半径の平均値又は最小曲線半径の少なくとも一方を表示することもできる。また、この実施形態では、曲線解析処理画面31dに曲線方向、走行曲線半径、開始キロ程、終了キロ程及び持続距離を表示する場合を例に挙げて説明したが、これらの少なくとも一つを表示することもできる。さらに、この実施形態では、曲線解析処理画面31dに輪重Pの最大値及び最小値、横圧Qの最大値、脱線係数Q/Pの最大値、並びに輪重Pが最小であるときの輪重減少率Dを表示する場合を例に挙げて説明したが、表示項目をこれらに限定するものではない。
1 PQ測定システム
2R,2L 輪重検出装置
P1+,P1-,P2+,P2-,P3+,P3-,P4+,P4- 輪重検出部
3R,3L 横圧検出装置
Q1〜Q8 横圧検出部
4 角速度検出装置
5 PQ測定装置
6 増幅装置
7 A/D変換装置
8 PQ測定処理装置
9 データ入力部
10 オフセット補正部
11 輪重合成信号生成部
12 角速度演算部
13 走行速度演算部
14 走行距離演算部
15 走行曲線半径演算部
16 曲線区間検出部
17 曲線方向検出部
18 曲線持続距離演算部
19 PQ測定部
19a 輪重測定部
19b 横圧測定部
19c 脱線係数測定部
19d 輪重減少率測定部
20 ドリフト補正部
21 データ記憶部
22 画像生成部
22a 波形モニタ画像生成部
22b 処理データ画像生成部
22c 超過データ画像生成部
22d 曲線解析処理画像生成部
22e ヒストグラム画像生成部
22f 電圧モニタ画像生成部
23 プログラム記憶部
24 データ出力部
25 制御部
31 表示装置
31a 波形モニタ画面
31b 処理データ画面
31c 超過データ画面
31d 曲線解析処理画面
31e ヒストグラム画面
31f 電圧モニタ画面
R 線路
1 レール
W 輪軸
1 車輪
P 輪重
0 静止輪重
Q 横圧
Q/P 脱線係数
D 輪重減少率
S 接触点
P1,WP2,WP3,WP4 輪重検出信号
Q 横圧検出信号
ω 角速度検出信号
P 輪重合成信号
t01,t02,… ゼロクロス点
1max,P1min,P2max,P2min ピーク値
max,Qmin ピーク値
offset オフセット量
drift ドリフト量

Claims (12)

  1. 車輪の輪重及び/又は横圧を測定処理するPQ測定処理装置であって、
    前記輪重及び/又は前記横圧を測定するPQ測定部と、
    前記車両の角速度を検出する角速度検出装置が出力する角速度検出信号に基づいてこの車両の角速度を演算する角速度演算部と、
    前記輪重を検出する輪重検出装置が出力する輪重検出信号に基づいてこの車両の走行速度を演算する走行速度演算部と、
    前記車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を演算する走行曲線半径演算部と、
    前記走行曲線半径演算部の演算結果と前記PQ測定部の測定結果とを対応させて表示する画像を生成する画像生成部とを備え
    前記走行速度演算部は、前記輪重検出装置が車輪の回転に応じて出力する位相の異なる複数の輪重検出信号を合成して生成される輪重合成信号のゼロクロス点の間隔で前記車輪の1/4の長さを除算して前記車両の走行速度を演算すること、
    特徴とするPQ測定処理装置。
  2. 請求項1に記載のPQ測定処理装置において、
    前記走行曲線半径演算部は、前記走行曲線半径及び/又はこの走行曲線半径の逆数を演算すること、
    を特徴とするPQ測定処理装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載のPQ測定処理装置において、
    前記PQ測定部は、前記横圧を前記輪重で除算した脱線係数を測定すること、
    を特徴とするPQ測定処理装置。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のPQ測定処理装置において、
    前記画像生成部は、前記走行曲線半径演算部の演算結果と前記PQ測定部の測定結果とを前記車両の走行距離に対応させて表示する画像を生成すること、
    を特徴とするPQ測定処理装置。
  5. 請求項に記載のPQ測定処理装置において、
    前記画像生成部は、前記走行曲線半径演算部の演算結果と前記PQ測定部の測定結果とを線路のキロ程に対応させて表示する画像を生成すること、
    を特徴とするPQ測定処理装置。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のPQ測定処理装置において、
    前記画像生成部は、前記PQ測定部の測定結果と前記走行曲線半径演算部の演算結果とを擬似的な連続データとして表示する画像を生成すること、
    を特徴とするPQ測定処理装置。
  7. 車輪の輪重及び/又は横圧を測定処理するためのPQ測定処理プログラムであって、
    前記輪重及び/又は前記横圧を測定するPQ測定手順と、
    前記車両の角速度を検出する角速度検出装置が出力する角速度検出信号に基づいてこの車両の角速度を演算する角速度演算手順と、
    前記輪重を検出する輪重検出装置が出力する輪重検出信号に基づいてこの車両の走行速度を演算する走行速度演算手順と、
    前記車両の角速度とこの車両の走行速度とに基づいて、この車両が走行する曲線区間の走行曲線半径を演算する走行曲線半径演算手順と、
    前記走行曲線半径演算手順における演算結果と前記PQ測定手順における測定結果とを対応させて表示する画像を生成する画像生成手順とをコンピュータに実行させ、
    前記走行速度演算手順は、前記輪重検出装置が車輪の回転に応じて出力する位相の異なる複数の輪重検出信号を合成して生成される輪重合成信号のゼロクロス点の間隔で前記車輪の1/4の長さを除算して前記車両の走行速度を演算する手順を含むこと、
    特徴とするPQ測定処理プログラム。
  8. 請求項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、
    前記走行曲線半径演算手順は、前記走行曲線半径及び/又はこの走行曲線半径の逆数を演算する手順を含むこと、
    を特徴とするPQ測定処理プログラム。
  9. 請求項又は請求項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、
    前記PQ測定手順は、前記横圧を前記輪重で除算した脱線係数を測定する手順を含むこと、
    を特徴とするPQ測定処理プログラム。
  10. 請求項から請求項までのいずれか1項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、
    前記画像生成手順は、前記走行曲線半径演算手順における演算結果と前記PQ測定手順における測定結果とを前記車両の走行距離に対応させて表示する画像を生成する手順を含むこと、
    を特徴とするPQ測定処理プログラム。
  11. 請求項10に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、
    前記画像生成手順は、前記走行曲線半径演算手順における演算結果と前記PQ測定手順における測定結果とを線路のキロ程に対応させて表示する画像を生成する手順を含むこと、
    を特徴とするPQ測定処理プログラム。
  12. 請求項から請求項11までのいずれか1項に記載のPQ測定処理プログラムにおいて、
    前記画像生成手順は、前記PQ測定手順における測定結果と前記走行曲線半径演算手順における演算結果とを擬似的な連続データとして表示する画像を生成する手順を含むこと、
    を特徴とするPQ測定処理プログラム。
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