JP2015145577A - 鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法 - Google Patents
鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】短時間、かつ低コストで静的たわみを求めて衝撃係数を算出することができるうえ、列車の低速走行による試験を行うことなく精度の高い評価を行うことができる。【解決手段】鉄道橋梁1を通過する列車2の先頭車両の第1輪軸2aの通過位置を検出する第1工程と、列車2の第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過する際の鉄道橋梁1の桁のたわみを動的に計測する第2工程と、計測した動的波形に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムから前記桁のたわみを静的な変位に換算する第3工程と、このような静的たわみの換算方法によって換算された静的なたわみと計測された動的なたわみとから衝撃係数を算出する第4工程と、を有する鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法を提供する。【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法に関する。
従来、特許文献1に示されるような鉄道橋梁では、高速列車の走行時に共振現象が発生し、動的応答が増幅することが知られており、鉄道橋梁の設計、維持管理において、動的な応答の管理が重要となっている。
このような鉄道橋梁では、近年、PC鋼材を用いたプレストレス・コンクリート橋(PRC橋)が採用されており、桁の低剛性化が可能となるため、動的応答の大きな橋梁が増えている現状がある。また、近年では、列車が高速化する傾向にあり、これにより動的応答が増加する傾向にある。
このような鉄道橋梁では、近年、PC鋼材を用いたプレストレス・コンクリート橋(PRC橋)が採用されており、桁の低剛性化が可能となるため、動的応答の大きな橋梁が増えている現状がある。また、近年では、列車が高速化する傾向にあり、これにより動的応答が増加する傾向にある。
ところで、鉄道橋梁の動的応答増幅の程度を示す指標は、衝撃係数と呼ばれており、下式により算定される。
衝撃係数=(動的応答−静的応答)/静的応答
そして、新設、及び既設の鉄道橋梁に対しては、たわみ測定を行い、測定値と設計値の衝撃係数を比較することで、破壊に対する安全性を評価している。
衝撃係数=(動的応答−静的応答)/静的応答
そして、新設、及び既設の鉄道橋梁に対しては、たわみ測定を行い、測定値と設計値の衝撃係数を比較することで、破壊に対する安全性を評価している。
しかしながら、従来の鉄道橋梁の評価方法では、以下のような問題があった。
すなわち、上述した衝撃係数を測定するためには、例えば動的な応答(例えば、260km/hといった高速走行時)と、静的な応答(例えば30km/h程度の低速走行時)と、のそれぞれの測定を行い、双方を比較しているのが一般的である。ところが、異なる列車速度の試験を行う場合には、列車ダイヤの変更や試験ダイヤの設定を行い、数カ月単位に及び期間を要するうえ、測定にかかる費用も増大するという問題があった。
すなわち、上述した衝撃係数を測定するためには、例えば動的な応答(例えば、260km/hといった高速走行時)と、静的な応答(例えば30km/h程度の低速走行時)と、のそれぞれの測定を行い、双方を比較しているのが一般的である。ところが、異なる列車速度の試験を行う場合には、列車ダイヤの変更や試験ダイヤの設定を行い、数カ月単位に及び期間を要するうえ、測定にかかる費用も増大するという問題があった。
また、低速走行時の試験列車は、開業監査などの限られた場合においてのみ設定可能であり、営業線で設定することは極めて困難である。さらに、保守用の車両を代用することで評価することも検討されるが、保守用の車両は対象となる営業列車とは軸配置や軸距が異なり、営業列車相当のたわみへの換算時に誤差が生じ、評価精度が低下するという問題があった。
さらに、現場での計測から衝撃係数を出すことを想定した場合でも、測定した波形(動的応答)には動的な成分が含まれているうえ、減衰定数によっても応答が異なることから、波形から静的な応答を推定することは困難となっていた。
さらにまた、列車の乗車率は、列車により様々であり、誤差要因となることから、単一の乗車条件で測定することが望まれており、その点で改善の余地があった。
さらにまた、列車の乗車率は、列車により様々であり、誤差要因となることから、単一の乗車条件で測定することが望まれており、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、短時間、かつ低コストで静的たわみを求めて衝撃係数を算出することができるうえ、列車の低速走行による試験を行うことなく精度の高い評価を行うことができる鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄道橋梁における静的たわみの換算方法では、鉄道橋梁を通過する列車の先頭車両の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過する際の前記鉄道橋梁の桁のたわみを動的に計測する工程と、前記計測した動的波形に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムから、前記桁のたわみを静的な変位に換算する工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明に係る鉄道橋梁における衝撃係数の算出方法では、上述した鉄道橋梁における静的たわみの換算方法によって換算された静的なたわみと、実計測により得られた動的なたわみと、から衝撃係数を算出することを特徴としている。
本発明によれば、列車の先頭車両の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過する際の鉄道橋梁の桁のたわみを動的に計測した後、その動的波形に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムを作成し、このノモグラムを用いて桁のたわみを静的な変位に換算することができる。そして、当該静的なたわみと実計測により得られた動的なたわみとから衝撃係数を算出し、この衝撃係数に基づいて鉄道橋梁の破壊に対する安全性を評価することができる。
このように、列車の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過する際における桁のたわみを1回のみ計測するだけの試験で済むことから、短時間で、かつ簡単に衝撃係数を算出することが可能となる。そのため、従来のような列車の低速走行による試験を行う必要がないので、試験にかかるコストの低減を図ることができる。
このように、列車の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過する際における桁のたわみを1回のみ計測するだけの試験で済むことから、短時間で、かつ簡単に衝撃係数を算出することが可能となる。そのため、従来のような列車の低速走行による試験を行う必要がないので、試験にかかるコストの低減を図ることができる。
また、列車の動的波形では1波目が減衰の影響が小さい性質であることから、列車の第1輪軸目の衝撃係数のノモグラムを作成しておくことで、ばらつきによる影響や予測が難しい減衰定数による影響を排除することが可能となり、衝撃係数を精度よく算出することができる。
また、本発明に係る鉄道橋梁における静的たわみの換算方法では、前記桁のたわみを動的に計測する前に、前記第1輪軸の通過位置を検出することが好ましい。
本発明では、列車の先頭車両の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過した時点が検出されるので、静的なたわみを高精度で測定することができ、これにより算出される衝撃係数の精度も向上させることができる。
また、本発明に係る鉄道橋梁における静的たわみの換算方法では、前記ノモグラムを台車の形式に応じて各々計算し、車体に対する台車の設置形式に応じて適用するノモグラムを変更することが好ましい。
この場合、台車の型式毎にノモグラムが異なることから、予め例えば機関車、ボギー車、連接車などの台車の種類毎のノモグラムを用意しておくことで、短時間でより精度の高い衝撃係数を算出することができる。
本発明の鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法によれば、短時間、かつ低コストで静的たわみを求めて衝撃係数を算出することができるうえ、列車の低速走行による試験を行うことなく精度の高い評価を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態による鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1に示すように、本実施の形態による鉄道橋梁における静的たわみの換算方法は、鉄道橋梁1を通過する列車2の先頭車両の第1輪軸2aの通過位置を検出する第1工程と、列車2の第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過する際の鉄道橋梁1の桁のたわみを動的に計測する第2工程と、計測した動的波形に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムから前記桁のたわみを静的な変位に換算する第3工程と、を有している。
そして、このような静的たわみの換算方法によって換算された静的なたわみと、計測された動的なたわみと、から衝撃係数を算出する第4工程を有している。
そして、このような静的たわみの換算方法によって換算された静的なたわみと、計測された動的なたわみと、から衝撃係数を算出する第4工程を有している。
ここで、衝撃係数とは、鉄道橋梁1の動的応答増幅の程度を示す指標であり、(1)式により算定される。
先ず、第1工程において、図1に示すように、鉄道橋梁1を通過する列車2の先頭車両2Aの第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過するときを検出する。具体的には、測定したいレールの位置(ここでは鉄道橋梁1のスパン中央O)にひずみゲージ3を添付しておき、列車位置検知を同期測定する。
次に、第2工程では、列車2における先頭車両2Aの第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過する際の鉄道橋梁1の桁のたわみを動的に計測する。具体的にたわみ計測は、本実施の形態のような鉄道橋梁1の場合において、例えば周知のリング式変位計などを用いて測定される。なお、長大橋梁などで不動点の設定が困難な場合には、光学式変位計やドップラーレーザー式速度計が用いられる。
この第2工程で計測されるたわみは、列車2の高速走行時での前記スパン中央Oにおけるたわみであって、図2〜図4に示すたわみの応答波形の一部として得ることができる。この応答波形は、列車速度(km/h)、および距離(m)(すなわち車両の位置)が鉛直たわみ(mm)に及ぼす影響を3次元で示した波形である。なお、図2及び図3は3次元的に波形を表示したものであり、図4は図2、図3において横軸に距離、縦軸にたわみを示したグラフである。
ここで、第2工程で計測されるたわみは、図2〜図4の応答波形のうち、列車速度500km/hにおける波形(動的応答)となる。そのため、この計測した波形を用いて、列車速度が500km/hよりも低速となる部分を、本実施の形態の鉄道橋梁における静的たわみの換算方法により補正(換算)するために後述するノモグラムを使用する。
なお、測定されるたわみデータは、列車速度が上述したような500km/hであることに限定されることはなく、他の列車速度によるデータであっても良い。
なお、測定されるたわみデータは、列車速度が上述したような500km/hであることに限定されることはなく、他の列車速度によるデータであっても良い。
次に、第3工程において、第2工程で計測した動的波形に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を図表化したもの(或いは関数)を示すノモグラム(図5参照)から鉄道橋梁1の桁のたわみを静的な変位(ひずみ)に換算する。
換算方法としては、上述した第2工程で得られた図2〜図4に示す動的波形の中から、動的な影響を受け難い先頭車両2Aの第1輪軸2a(図1参照)がスパン中央Oにあるときの応答変位に着目し、この第1輪軸2aの影響のある応答変位のみを取り出し、加振周期の成分を取り除くことで静的応答に変換し計算を行うものである。
換算方法としては、上述した第2工程で得られた図2〜図4に示す動的波形の中から、動的な影響を受け難い先頭車両2Aの第1輪軸2a(図1参照)がスパン中央Oにあるときの応答変位に着目し、この第1輪軸2aの影響のある応答変位のみを取り出し、加振周期の成分を取り除くことで静的応答に変換し計算を行うものである。
前記第1輪軸の応答変位は、動的応答増幅成分が少ないことから、その増幅率は概ね±10%の範囲に収まっている。ただし、これのみでは誤差が大き過ぎることから、これを予め用意するノモグラムにより精度の良い静的波形に置き換えることで、その時の動的応力の増幅率を計算することができる。つまり、図2〜図4では、符号Pの部分(丸で囲んだ部分)のたわみが0〜0.8(1.0)の範囲でばらつきが生じている。
ここで、作成するノモグラムは、車両の構造形式で台車の数量が異なり、後述する無次元化スパンが変わるので、機関車、ボギー車、連接車の3種類に関して用意しておく必要がある。
具体的には、予め第1輪軸2aが桁のスパン中央Oに位置するときの応答変位の衝撃係数に関するノモグラムを作成する(図5参照)。このノモグラムは、無次元化速度パラメータα、無次元化スパンL(Lb/Lv)毎に、数値解析を万単位のケースで行った数値計算により作成された図6〜図9に示す応答曲線に基づいて得られた関数を図表化したものである。なお、図6〜図9において、1つの応答曲線が1ケースの数値解析による計算結果を示している。図5は、ノモグラムの一例を示したものであり、横軸に速度パラメータαとし、縦軸に動的応答倍率としたものである。
そして、得られたノモグラフに該当するところの動的応答倍率を読むことで、正確な静的な応答(たわみ)に変換することができ、このときの静的な応答(たわみ)と、動的な応答(たわみ)との比率を算出することができる。
そして、得られたノモグラフに該当するところの動的応答倍率を読むことで、正確な静的な応答(たわみ)に変換することができ、このときの静的な応答(たわみ)と、動的な応答(たわみ)との比率を算出することができる。
ここで、図6及び図8は列車速度Vと逆衝撃係数(静的応答/動的応答)との関係を示す図であり、図7及び図9は無次元化速度パラメータαと逆衝撃係数(静的応答/動的応答)との関係を示す図である。なお、図6及び図7は減衰比が5%の場合であり、図8及び図9は減衰比が1%のものである。
車両(列車2)と鉄道橋梁1の応答は、(2)式に示すように、列車2のスピードに関しては無次元化速度パラメータαを使って無次元化する。この無次元化速度パラメータαは、揺れ易さの指標であり、構造物(桁)の固有振動数fb、列車2の速度V(m/s)、すなわち加振する振動数と構造物側の固有振動数fbの比率により算定される。すなわち、鉄道橋梁の桁のスパンLb、構造物の固有振動数(桁の固有振動数fb)、及び列車の速度Vから自動的に求めることができる。
桁の固有振動数fbは、自由振動の波形から求めることができる。そして、自由振動が十分でない場合には、既往の測定結果から推定される(3)式を用いて固有振動数fの予測値を算出することができる。また、列車の速度Vは、波形より求めることができる。
ここで、図6〜図9において、c=60を用いている。この2つの無次元化速度パラメータと無次元化スパンを使用し、第1輪軸目の応答の倍率を求めるノモグラムを使用し、補正することで、第1波の応答(図2〜図4に示すプロット(符号Pの部分))の中から構造物(ここでは桁)の静的な応答(たわみ)を求めることができる。
なお、上述した図5に示す第1輪軸に関する衝撃係数のノモグラムは、当該軸の載荷に伴う動的な増幅効果の影響は受けるものの、通常の橋梁で想定される速度パラメータ0.6程度の範囲までにおいては、減衰定数の影響を受けないという特徴がある。そのため、ノモグラムを用いることで、極めて精度よく第1輪軸に関する衝撃係数を算定することができる。
なお、列車2内の軸重の相違は、カタログデータ、もしくはレールへ添付したひずみゲージから補正する。
このように、第1輪軸に関する衝撃係数のノモグラムは、無次元化スパンL、無次元化速度パラメータαを用いており、あらゆる橋梁に対して適用することが可能である。
このように、第1輪軸に関する衝撃係数のノモグラムは、無次元化スパンL、無次元化速度パラメータαを用いており、あらゆる橋梁に対して適用することが可能である。
次に、第4工程において、算出した静的応答と測定された動的応答との比を上記(1)式により計算することで、衝撃係数を算出することができる。
そして、算出された静的な応答(ひずみ)より、桁の静的な剛性を評価することができる。また、静的なひずみと固有振動数とを比較することにより、バラスト厚などの変動等を考慮した実際の桁重量を算出することも可能である。
そして、算出された静的な応答(ひずみ)より、桁の静的な剛性を評価することができる。また、静的なひずみと固有振動数とを比較することにより、バラスト厚などの変動等を考慮した実際の桁重量を算出することも可能である。
次に、上述した鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法の作用について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態では、列車2の第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過する際の鉄道橋梁1の桁のたわみを動的に計測した後、その動的波形(図2〜図4参照)に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムを作成し、このノモグラムを用いて桁のたわみを静的な変位に換算することができる。そして、当該静的なたわみと実計測により得られた動的なたわみとから衝撃係数を算出し、この衝撃係数に基づいて鉄道橋梁の破壊に対する安全性を評価することができる。
図1に示すように、本実施の形態では、列車2の第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過する際の鉄道橋梁1の桁のたわみを動的に計測した後、その動的波形(図2〜図4参照)に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムを作成し、このノモグラムを用いて桁のたわみを静的な変位に換算することができる。そして、当該静的なたわみと実計測により得られた動的なたわみとから衝撃係数を算出し、この衝撃係数に基づいて鉄道橋梁の破壊に対する安全性を評価することができる。
このように、列車2の第1輪軸2aが鉄道橋梁1のスパン中央Oを通過する際における桁のたわみを1回のみ計測するだけの試験で済むことから、短時間で、かつ簡単に衝撃係数を算出することが可能となる。そのため、従来のような列車の低速走行による試験を行う必要がないので、試験にかかるコストの低減を図ることができる。
また、列車の動的波形では1波目が減衰の影響が小さい性質であることから、列車の第1輪軸目の衝撃係数のノモグラムを作成しておくことで、ばらつきによる影響や予測が難しい減衰定数による影響を排除することが可能となり、衝撃係数を精度よく算出することができる。
また、本実施の形態では、列車の先頭車両の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過した時点が検出されるので、静的なたわみを高精度で測定することができ、これにより算出される衝撃係数の精度も向上させることができる。
また、上述したように台車の型式毎にノモグラムが異なることから、予め例えば機関車、ボギー車、連接車などの台車の種類毎のノモグラムを用意しておくことで、短時間でより精度の高い衝撃係数を算出することができる。
上述した本実施の形態による鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法では、短時間、かつ低コストで静的たわみを求めて衝撃係数を算出することができるうえ、列車の低速走行による試験を行うことなく精度の高い評価を行うことができる。
以上、本発明による鉄道橋梁における静的たわみの換算方法、及び衝撃係数の算出方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、第2工程で桁のたわみを動的に計測する前に、鉄道橋梁を通過する列車2の先頭車両の第1輪軸の通過位置を検出する第1工程を設けているが、この第1工程を省略することも可能である。
例えば、本実施の形態では、第2工程で桁のたわみを動的に計測する前に、鉄道橋梁を通過する列車2の先頭車両の第1輪軸の通過位置を検出する第1工程を設けているが、この第1工程を省略することも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 鉄道橋梁
2 列車
2a 第1輪軸
O スパン中央
2 列車
2a 第1輪軸
O スパン中央
Claims (4)
- 鉄道橋梁を通過する列車の先頭車両の第1輪軸が鉄道橋梁のスパン中央を通過する際の前記鉄道橋梁の桁のたわみを動的に計測する工程と、
前記計測した動的波形に基づいて予め計算された応答変位と衝撃係数との関係を示すノモグラムから、前記桁のたわみを静的な変位に換算する工程と、
を有することを特徴とする鉄道橋梁における静的たわみの換算方法。 - 前記桁のたわみを動的に計測する前に、前記第1輪軸の通過位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の鉄道橋梁における静的たわみの換算方法。
- 前記ノモグラムを台車の形式に応じて各々計算し、車体に対する台車の設置形式に応じて適用するノモグラムを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道橋梁における静的たわみの換算方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄道橋梁における静的たわみの換算方法によって換算された静的なたわみと、実計測により得られた動的なたわみと、から衝撃係数を算出することを特徴とする衝撃係数の算出方法。
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