JP2009243961A - 鉄筋応力の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、磁歪センサにより、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、たわみ量と応力との複数の測定結果におけるタイミングを識別し、同じタイミング同士で、たわみ量と応力との測定結果を対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、たわみ量即時測定工程による測定結果から、たわみ応力特性に基づいて、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図5
Description
しかし、歪ゲージの設置、撤去を行うためには、はつりなどの作業負担が大きくなるだけでなく、歪ゲージは被測定対象の歪みに応じて変位するため、当該歪ゲージを長期にわたって安定して設置することができない。
そこで、磁歪センサにより、測定対象の応力を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この磁歪センサによって、測定対象の微分透磁率を求め、この微分透磁率から応力を測定することができる。
本発明は、移動体の移動を支持する鉄筋の応力を測定する鉄筋応力の測定方法であって、タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、第1のたわみ計により測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、前記タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、磁歪センサにより、前記たわみ量事前測定工程のサンプリング間隔よりも大きいサンプリング間隔で、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果及び前記応力事前測定工程の複数の測定結果における前記タイミングを識別し、同じタイミング同士で、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と前記応力事前測定工程の複数の測定結果とを対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、前記移動体が移動するリアルタイムに、第2のたわみ計により前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、前記たわみ量即時測定工程による測定結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする。
このような状態において、たわみ量即時測定工程により、測定対象のたわみ量がリアルタイムに測定され、応力即時測定工程により、たわみ量即時測定工程による測定結果から、たわみ応力特性に基づいて、応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、測定対象の応力がリアルタイムに測定される。
以上より、本発明によれば、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
以上より、本発明によれば、高精度かつ容易に解析応力を算出することができる。
図1は、本発明の実施形態としての鉄筋応力の測定方法における測定対象の様子を示したものである。
まず、測定対象について説明する。
地面Gから複数の橋桁1が所定の間隔をあけて設置されている。これら橋桁1の上端には、両隣の橋桁1にわたって延びる複数の桁5が設置されている。橋桁1及び桁5は、鉄筋コンクリートからなっている。桁5の上端には、これら複数の桁5にわたって延びるレール3が設置されており、このレール3の上を列車(移動体)4が移動するようになっている。
本実施形態においては、例えば桁5の応力を測定するものであり、測定対象は桁5となる。
そして、桁5のたわみによるピアノ線6の鉛直方向の変位により、たわみ計7が所定のサンプリング間隔SP1で測定結果(たわみ量)を出力するようになっている。
なお、たわみ計7は、第1のたわみ計と第2のたわみ計とが兼用されたものである。
磁歪センサ10は、筒状の本体部16を備えている。
本体部16内には、内側に1次コイル11が巻回され、この1次コイル11の外側に2次コイル12が巻回されている。1次コイル11及び2次コイル12は、コンデンサを有する入力部14を介して、電源部15に接続されている。電源部15は、例えば24VDC/100VAC電源からなるものである。また、2次コイル12には、演算部13が接続されている。
このような構成のもと、電源部15から出力された電流が入力部14のコンデンサに充電され、コンデンサがフル充電されると、その電圧(200〜300V)が一次コイル11に供給される。一次コイル11に電圧が供給されると、鋼材の磁束密度が変化し、これにより2次コイル12に誘導電流が発生する。すると、演算部13は、2次コイル12の誘導電流の電圧を測定して、鋼材の微分透磁率を算出する。さらに、演算部13は、算出した微分透磁率から、鉄筋の応力を算定する。
すなわち、図3に示すように、電源部15の測定用のスイッチをオンしてから、入力部14のコンデンサに電流がフル充電されるまでに約20秒かかり、フル充電されてから1次コイル11に電圧が供給(トリガ・オン)されるため、測定可能間隔が約20秒となってしまう。すなわち、EMセンサ10によると、所定のサンプリング間隔SP2で測定可能となり、このサンプリング間隔SP2は、たわみ計7のサンプリング間隔SP1よりも大きくなっている。しかも、図4に示すように、コンデンサにフル充電されるまでの時間には、所定(1秒程度)のばらつきがあり、正確に20秒に合わせて測定することも困難である。また、コンデンサからの放電後、一瞬(10m秒程度)で微分透磁率の測定が終了するため、活荷重通過時の応力を測定することはできない。さらに、コンデンサに電流が充電された場合、安全上すぐに放電を行う必要があるため、測定タイミングの制御を行うこともできない。
このように、EMセンサ10だけでは、所定の時間にわたって測定対象の応力を直ちに測定することができない。
図5は、本実施形態における鉄筋応力の測定方法の測定フローを示すフローチャートである。
この測定方法は、あらかじめ測定する段階(ステップS1〜S5)と、リアルタイムに測定する段階(ステップS6)とを含むものである。
まず、桁5のたわみや応力をあらかじめ測定する工程について説明する。
最初に、電源部15の測定用のスイッチをオンにする(ステップS1)。すなわち、図6に示すように、桁5の短手方向の両端に一対の光電管スイッチ20を設け、これら光電管スイッチ20の間の光を、列車4が遮ることにより、光電管スイッチ20からオン信号が出力される。そして、このオン信号を制御部(不図示)が読み出すと、電源部15の測定用のスイッチをオンする。
そして、列車4が、例えば4台〜5台くらい通過することにより、複数点の応力が測定され、それら応力と絶対時間とが記憶部に記憶される。
さらに、EMセンサ10の測定結果に対応する絶対時間と、たわみ計7の測定結果に対応する絶対時間とを、不図示の演算部が記憶部から読み出し、それぞれの絶対時間が等しいときのそれぞれの測定結果(応力とたわみ量)を抽出する。
これらの処理を、異なる列車4の4台〜5台分繰り返し、演算結果を蓄積する。
このようにして、たわみ量と応力との関係を示すたわみ・応力データベースがあらかじめ生成される(ステップS5、事前算出工程)。
列車4が桁5を移動する場合、このときの桁5の応力は、上記の通り、EMセンサ10だけでは、精度よく測定することができない。
本実施形態においては、列車4が通過する際に、たわみ計7により桁5のたわみ量をリアルタイムに測定し、これらたわみ量に基づいて、不図示の演算部が、あらかじめ生成されたたわみ・応力データベースから、各応力を抽出する。このとき、演算部は、たわみ計7のサンプリング間隔SP2ごとの応力を抽出する。これにより、図13に示すように、測定たわみ波形から、サンプリング間隔SP2ごとのリアルタイムな応力波形が得られる(ステップS6、応力即時測定工程)。
そして、算出した解析たわみ波形に基づいて、たわみ・応力データベースから、各応力を抽出し、列車4が通過していないときの桁5の応力波形である解析応力波形を算出する(解析応力波形算出工程)。
そのため、列車4が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
5 桁(測定対象)
7 たわみ計(第1のたわみ計、第2のたわみ計)
10 EMセンサ(磁歪センサ)
L たわみ応力特性
Claims (2)
- 移動体の移動を支持する鉄筋の応力を測定する鉄筋応力の測定方法であって、
タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、第1のたわみ計により測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、
前記タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、磁歪センサにより、前記たわみ量事前測定工程のサンプリング間隔よりも大きいサンプリング間隔で、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、
前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果及び前記応力事前測定工程の複数の測定結果における前記タイミングを識別し、同じタイミング同士で、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と前記応力事前測定工程の複数の測定結果とを対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、
前記移動体が移動するリアルタイムに、第2のたわみ計により前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、
前記たわみ量即時測定工程による測定結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする鉄筋応力の測定方法。 - 前記たわみ量即時測定工程による測定結果と、前記測定対象の固有振動数又は減衰定数とに基づいて、前記移動体が移動していないときの前記測定対象のたわみ量を解析たわみ量として算出する解析たわみ量算出工程と、
前記解析たわみ量算出工程による算出結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記移動体が移動していないときの前記測定対象の応力である解析応力を算出する解析応力算出工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋応力の測定方法。
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