JP5384166B2 - 構造体変状検知システム - Google Patents
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Description
従来技術として、非特許文献1には、中小鉄道を対象として、高頻度な計測が可能な軌道モニタリングシステムについて報告されている。この論文は、営業車両内に加速度計、GPSで構成される簡易な計測システムを設置し、走行中の車両振動から軌道の状態を常時監視するシステムを構築している。また非特許文献2は、多機能検査車走行による道路構造物の健全性評価の研究成果についての論文であり、橋梁上を通常走行しながら各種応答値を計測し、健全性を評価する検査車両の要求性能を明らかにすると共に、評価技術システムの可能性を提示している。
また、非特許文献2に報告されている従来技術は、加振しながら走行する車両の応答値から、橋梁の振動成分を抽出するものであり、車両に多機能検査のための設備を備えなければならず、検査費用が嵩むといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検査対象となる構造体を通過したときの車両の振動データと構造体の振動データとが相似であることを確認した後で、車両に取り付けた振動センサの振動データに基づいて構造体の損傷状態を判定することにより、多くの振動データに基づいて正確に、且つ安価に構造体の損傷状態を判定することができる構造体変状検知システムを提供することを目的とする。
本発明に係る構造体変状検知システムは、車両と、この車両の車軸に取り付けた車軸振動センサと、車軸振動センサから得られた振動データを記憶する記憶手段と、を備えている。車両が検査対象の構造体を通過する際に発生した振動データを記憶手段に記憶する。記憶された振動データは、センタに設置された損傷判定装置に入力され、予め取得してある検査対象の構造体に係る正常時の正常振動データと比較する。データ比較手段は、正常振動データと振動データとの差異を比較して、その値が所定の値を超えた場合に、構造体に損傷が発生したと判断する。尚、所定の値は、シミュレーション等により予め算出しておくことができる。また、振動データは、多くのデータを取得するほどデータの正確性が増すので、車両として毎日同じルートを走行する路線バスを利用することが考えられる。これにより、多くの振動データに基づいて正確に、且つ安価な構成で構造体の損傷状態を判定することができる。
また、車両に備えた車軸振動センサの振動データに基づいて、通過した構造体の損傷状態を判定するためには、予め車軸振動データと構造体の振動データが相似(等価)であることを確認しておく必要がある。そこで本発明では、測定に先立って、検査対象の構造体の桁中央に構造体振動センサを取り付け、その状態で車軸振動センサを取り付けた車両を当該構造体に通過させ、そのときの車軸振動センサと構造体振動センサの振動データを取得する。そして、取得した夫々の振動データを同期させて比較した結果が相似であるか否かを判定して、相似であれば車軸振動センサの配置位置を固定すると共に、構造体に取り付けた構造体振動センサを撤去する。ここで、相似でない場合は、車軸振動センサの位置を変更して相似になるような場所を見つける。これにより、車両に取り付けた車軸振動センサから取得した振動データを解析するだけで、検査対象の構造体に係る損傷の有無を判定することができる。
累積損傷確率と経年変化の関係は、潜伏期、進展期、加速期、及び劣化期に分類することができる。特に、加速期後期から劣化期初期は構造的損傷に起因する安全性の低下が予想される。そこで本発明では、累積損傷確率が劣化期初期へ進展した際の損傷を仮想して、シミュレーションによりそのときの振動データの値を定める。そして定めた値を元に比較された振動データの差異の上限値を定めて、その値を超過したときは構造体に何らかの損傷が発生したものと見做す。これにより、構造体の損傷の有無を定量的に捉えて判定することができる。
例えば、車両が通過するルートにある複数の構造体を検査対象とする場合、車両の運転手は、その構造体を通過するたびに記憶装置を動作させる必要がある。しかし、運転しながらそのような操作を行なうことは安全上好ましくはない。また、記憶手段に記憶された振動データがどの構造体であるかを判断できるように対応付ける必要がある。そこで本発明では、車両に受信器を備え、構造体には、その構造体を特定する認識番号を発信する発信器を備え、構造体を通過する際に、その構造体の認識番号と車軸振動センサからの振動データを対応付けて記憶する。これにより、振動データがどの構造体からのデータであるかを即座に認識することができると共に、記憶動作を自動的に行なうので、運転の安全性を高めることができる。
例えば、車両が路線バスである場合、一日の運行が終了すると一旦バスセンタに戻ってくる。そして記憶手段に記憶した振動データをバスセンタに設置したセンタコンピュータのメモリに記憶する。しかし、この操作を毎日行なうとなると煩わしいものである。また、車両に記憶手段を備えなければならない。そこで本発明では、車両に通信手段(データを送信する送信機)を備え、車両が構造体を通過したときの車軸振動センサにより検知した振動データと構造体の認識信号を通信手段によりバスセンタに送信し、バスセンタでは受信したデータを記憶する。これにより、振動データをバスセンタのセンタコンピュータに記憶する操作を省略することができ、操作の忘れや操作ミスを防止することができる。
記憶手段を連続して動作させておけば、いつ記憶動作を開始するかを気にする必要はない。しかし、記憶手段の記憶容量が膨大に必要となり、且つ無駄なデータまで記憶しなければならず、その中から必要なデータだけを抽出しなければならない。そこで本発明では、車両に記憶手段を動作させる記憶開始ボタンを備える。これにより、安価な構成で必要なデータだけを記憶して、記憶手段の記憶容量を最小限にすることができる。
また、測定に先立って、検査対象の構造体の桁中央に構造体振動センサを取り付け、取得した夫々の振動データを同期させて比較した結果が相似であるか否かを判定して、相似であれば車軸振動センサの配置位置を固定すると共に、構造体に取り付けた構造体振動センサを撤去するので、車両に取り付けた車軸振動センサから取得した振動データを解析するだけで、検査対象の構造体に係る損傷の有無を判定することができる。
また、累積損傷確率が劣化期初期へ進展した際の損傷を仮想して、シミュレーションによりそのときの振動データの値を定める。そして定めた値を元に比較された振動データの差異の上限値を定めて、その値を超過したときは構造体に何らかの損傷が発生したものと見做すので、構造体の損傷の有無を定量的に捉えて判定することができる。
また、車両に受信器を備え、構造体には認識信号を発信する発信器を備え、構造体を通過する際に、その構造体の認識信号と車軸振動センサからの振動データを対応付けて記憶するので、振動データがどの構造体からのデータであるかを即座に認識することができると共に、記憶動作を自動的に行なうので、運転の安全性を高めることができる。
また、車両に記憶手段を動作させる記憶開始ボタンを備えるので、安価な構成で必要なデータだけを記憶して、記憶手段の記憶容量を最小限にすることができる。
BMS(Bridge Management System)による定期点検やSHM(Structural Health Monitoring)常時監視システムの枠組みに対して、本発明では、図1の累積損傷確率と経年変化の関係を示す図から、領域1に示す加速期後期から劣化期初期へ進展する際の比較的変化の大きいサインを確実に抽出することに注力した構造体変状検知システムである。具体的には、大型重車両が橋梁を通行した際の車両の車軸(バネ下)振動情報から橋梁振動性状を抽出する手法である。また、老朽化した構造物において、加速期後期から劣化期初期へ進展した構造上の変状は、大型重車両通行時の橋梁振動に何かしらの変化をもたらすと予想される。本発明では、その橋梁の変状に関わる情報をバネ下の振動情報から抽出する方法とその実現性、および構造変状検知に関わる問題とその解決方法について、実橋梁と路線バスを使った実験および数値解析シミュレーションを用いて検討した。
橋梁3と車両2の相互作用について、橋梁3側へは車両2のバネ下反力RSを荷重ベクトルとして入力し、車両側へは橋梁のたわみ(δ(t)Εum)と路面の凹凸(λ(t))を強制変位ベクトル
として入力する。通過中の時刻t〜t+Δtでの橋梁−車両系を、単純にモデル化すると、図2に示すような3質点相互作用系バネマスモデルで表現できると考えられる。
この系における振動の発生源は、路面凹凸λ(t)と橋梁たわみδ(t)の入力により生じる車両側振動および、その反力による橋梁への加振である。ここで、ある期間中の計測における橋梁系と車両系を表す各種物理定数および路面の凹凸λが一定である場合を想定する。当然この相互作用系で何度計測を行っても毎回同じ結果が得られる。
も変化する。さらに、その車両系の振動の変化により、車両系反力すなわち加振力RSが変化するため橋梁のたわみδ(t+Δt)が変化する。そういった連鎖によって、橋梁の剛性Kmの変化による影響が橋梁系、車両系双方の計測結果に現れる。
以上より、劣化等による橋梁の構造変状は車両系の節点応答
の変化として現れるため、橋梁の変状を車両側で検知することは原理的に可能であると考えられる。本発明のシステムにおいては、δ(t)が大きいほど検知が容易になるため、中小型車よりも大型車両が適しており、実測データ等を参考にすると大型車両の場合、MA>MB、Ks<Ktであることから図3に示すようにバネ上(節点A)よりバネ下(節点B)の方が橋梁の変化を検知しやすいと考えられるため、バネ下振動に着目することとした。また、より簡易なシステムを実現する必要があるため、絶対加速度計測とした。
式(3)に示すように、系において不変である時刻、剛性、減衰、質量といった物理量に依存する比例係数Pおよびテイラー展開等を用いて展開された時刻t以前の状態定数(既値)を使って近似することができる。すなわち、入力ベクトルに対し、系への応答は系に依存する各定数に依存して比例配分されることを表す。
におけるマトリックスが存在すると予想される。すなわち、差分法近似が成り立つ微少時間内において、式(4)が成り立つ場合、橋梁の振動性状は路線バスのバネ下振動に比例し、橋梁側変状の影響によるAbの変化は、路線バスのバネ下振動変化ASに比例して現れることを表している。
本発明では、上記仮説に関して、実橋梁と路線バスを用いた検証実験を行った。実験対象は劣化の要因が相互に複雑に関係するRC構造物とし、一般的な路線バスの全長が約10m程度であることから支間20m程度の短スパン単純梁構造物とした。対象橋梁は、1径間約22m、4主桁のRC構造で5.15mおきに幅0.21mの横桁が5本存在する橋梁とした。この橋梁は供用後44年以上が経過しているが、構造性能に影響するような大きな損傷は生じていない健全橋梁である。実橋梁振動と路線バスのバネ下振動の相似性を確認するため、路線バス後輪が橋梁を通過した際の橋梁鉛直振動と路線バス後輪のバネ下鉛直振動の同時計測を実施した。
図7(a)、(b)に路線バスの後輪が桁中央を通過した時刻として“桁中央通過時”として示した。ちょうどその時刻において、波形8と9がおおよそ相似的な振動が現れることが確認できた。その他各2回の計測においても概ね同様な結果を得ることができた。また、図7(a)、(b)で波形が異なっており、走行速度の違いが計測結果に影響していることが分かる。実際のモニタリングシステム運用では、走行速度への依存性を考慮した測定方法、および走行速度の違いに対応した計測結果を管理するデータ分類システムの構築が重要であるといえる。一方で走行速度が異なる場合においても、同じ比例マトリックスを用いて路線バス後輪のバネ下振動から橋梁の振動性状を抽出できることが確認できた。
次に、桁中央通過時間が約0.3秒と非常に短いため、20Hz以下の低振動数成分に対してフーリエスペクトルによる卓越振動数の確認は困難であることから、桁中央および路線バスの後輪バネ下振動に含まれる振動数成分の分布について連続ウェーブレットを使って確認を行った(図示を省略)。その結果、路線バスの後輪が桁中央を通過する時刻において、30km/h、40km/hの実験結果の両方で、桁中央、路線バス後輪バネ下振動のスカログラムは同様な形状を示した。
以上の実験結果から、加速度時刻歴波形においても、ウェーブレットによる卓越振動数の時間的分布に関しても、橋梁の鉛直振動加速度と通過する路線バス後輪のバネ下振動加速度との間に相似性を確認することができた。差分法近似がある程度担保できるような短い時間内においては、本発明で示した力学的仮定に基づき、橋梁の鉛直振動加速度と通過する路線バス後輪のバネ下振動加速度との間の相似的相関関係を用い、路線バスの後輪バネ下振動計測データから、橋梁の振動を推定し、構造モニタリングを行うことが十分可能であることを示すことができた。
図10(a)は走行振動シミュレーションの概要を示す図であり、図10(b)は対象橋梁主桁断面とモデル図であり、図10(c)は解析データの諸元を表す図である。橋梁の構造変状が路線バスのバネ下振動へ及ぼす影響を検討する場合、健全時と損傷後の振動を比較する必要がある。しかし、実橋梁による損傷後の計測は困難であることから、本発明ではサブストラクチャー法による走行振動シミュレーションを用いて検討を実施した。シミュレーションによる検討では、健全時の解析モデルおよび、劣化期初期程度の損傷を仮想した解析モデルを作成し、損傷有無の違いによる解析モデル上の路線バス後輪のバネ下応答加速度の変化について考察した。
桁上面には、式(6)に示すパワースペクトル密度関数で定義された路面凹凸をモンテカルロシミュレーションにより生成し再現させた。路面凹凸パラメータは図11(a)に示すアスファルト舗装の平均値を用いた。生成した路面凹凸のパワースペクトル密度関数を図11(b)に示す。
路線バスのモデルは、事前に得たバネ上卓越振動数(1.8Hz)、バネ下卓越振動数(10.0Hz付近)および、車検証に記載されたデータを基に、バネ上、バネ下卓越振動数が概ね合致する4自由度系バネマスモデルを作成した。なお、実験において、橋梁の鉛直振動と車軸中央のバネ下鉛直振動を比較したことから、本発明では簡易な2次元の車両モデルとした。路線バスの解析モデルを図12に示す。
以上の条件で、健全時と損傷後のモデルについて路線バスが橋梁通過した際の路線バス後輪のバネ下鉛直振動加速度を比較した。実施したシミュレーションパターンを図16(a)に示す。
図17(a)、図17(b)は、走行シミュレーションを用いた橋梁損傷有無の違いによる路線バス後輪のバネ下振動加速度時刻歴結果を示す図である。損傷の有無の違いについて、最大加速度および最大差分加速度を図17(c)に示す。走行速度30km/hにおいては、損傷の有無によって最大加速度は約14%程度、最大差分加速度は約13%の差を確認できた。40km/hでは最大加速度は約1%程度、最大差分加速度は約6%の差を確認できた。実測において、これらの差異を検知することができれば、橋梁の構造変状を抽出することが可能である。
また、今回の実験では、シミュレーション結果から得られた損傷の有無の違いによる路線バスのバネ下振動差分加速度の変化(6%〜13%)に対して、測定時の誤差(30%〜40%程度)の方が大きい点を考慮する必要がある。ただし、損傷による測定加速度の変化は単調変化という形で現れる一方で、実験結果の考察より、一定条件下での計測誤差は正規分布に従うため、複数以上の基礎的な検討を踏まえた結果、路線バスによる常時複数回のモニタリングを想定する場合、路線バス後輪バネ下の加速度測定結果から抽出した加速度応答の単調増加の傾向を把握ですれば、橋梁の損傷・劣化による変化を検知できる可能性は十分にあるといえる。
1)橋梁とバネ下の同時加速度振動測定結果から、一定の条件下で相似マトリックスを用いれば、路線バスのバネ下振動からその直下で振動する橋梁の振動を相似の形で推定できる可能性を示すことができた。
2)走行シミュレーションを実施した結果、桁の損傷の有無により、路線バスのバネ下の振動成分において、ある一定の変化が見られることが確認できた。また、長期・複数計測を実施するなどにより、測定誤差除去処理が必要であることも確認した。
3)短スパン橋梁において本発明で想定されるような損傷が生じた場合、路線バスのバネ下振動からその変状を検知することは十分可能であり、「加速期後期から劣化期初期」へ進展する際の比較的変化の大きいサインを抽出するモニタリングシステムは実現できる。
この構造体変状検知システム100は、車軸40により支持された車輪42と車軸41に伝達された振動を緩衝するバネ(緩衝部材)とを少なくとも備えた路線バス(車両)2と、車軸40の振動を検知する車軸振動センサ5と、検査対象となる橋梁(構造体)43を路線バス2が通過する際に車軸振動センサ5により検知した振動データを記憶するメモリ(記憶手段)30と、振動データを解析することにより路線バス2の損傷状態を判定する損傷判定装置34と、を備えて構成されている。尚、損傷判定装置34は、メモリ30に記憶された振動データを記憶するセンサデータメモリ35と、橋梁43が正常であるときの正常振動データを記憶する正常データメモリ36と、センサデータメモリ35に記憶された振動データと正常データメモリ36に記憶された正常振動データとを比較するデータ比較手段37と、データ比較手段37により比較されたデータに基づいて橋梁43に損傷が発生したか否かを判定する損傷判定手段38と、を備え、損傷判定手段38は、データ比較手段37により比較されたデータの差異が所定値以上の場合に、橋梁43に損傷が発生したと判定する。
累積損傷確率と経年変化の関係は、図1に示すとおり、潜伏期、進展期、加速期、及び劣化期に分類することができる。特に、加速期後期から劣化期初期(領域1)は構造的損傷に起因する安全性の低下が予想される。そこで本実施形態では、累積損傷確率が劣化期初期へ進展した際の損傷を仮想して、シミュレーションによりそのときの振動データの値を定める。そして定めた値を元に比較された振動データの差異の上限値を定めて、その値を超過したときは橋梁43に何らかの損傷が発生したものと見做す。これにより、橋梁43の損傷の有無を定量的に捉えて判定することができる。
また、メモリ30を連続して動作させておけば、いつ記憶動作を開始するかを気にする必要はない。しかし、メモリ30の記憶容量が膨大に必要となり、且つ無駄なデータまで記憶しなければならず、その中から必要なデータだけを抽出しなければならない。そこで本実施形態では、路線バス2にメモリ30を動作させる記憶開始ボタンを備える。これにより、安価な構成で必要なデータだけを記憶して、メモリ30の記憶容量を最小限にすることができる。
Claims (5)
- 車軸により支持された車輪、及び該車軸に伝達された振動を緩衝する緩衝部材を少なくとも備えた車両と、
前記車軸の振動を検知する車軸振動センサと、
検査対象となる構造体を前記車両が通過する際に前記車軸振動センサにより検知した振動データを記憶する記憶手段と、
前記振動データを解析することにより前記構造体の損傷状態を判定する損傷判定装置と、を備え、
前記損傷判定装置は、前記記憶手段に記憶された振動データと前記構造体が正常であるときの正常振動データとを比較するデータ比較手段と、該データ比較手段により比較されたデータの差異が所定値以上の場合に、前記構造体に損傷が発生したと判定する損傷判定手段と、を備え、
測定に先だって前記検査対象となる構造体に前記車両が通過したときに発生する振動を検知する構造体振動センサと、
前記車軸振動センサ及び前記構造体振動センサから検知された夫々の振動データを同期させて比較した結果が相似であるか否かを判定する相似判定手段と、を備え、
前記車軸振動センサ及び前記構造体振動センサから検知された夫々の振動データを同期させて比較した結果が相似となる位置に前記車軸振動センサを設置し、該位置に設置した車軸振動センサから得られる振動データを前記構造体から発生する振動データと見做すことを特徴とする構造体変状検知システム。 - 前記データ比較手段により比較されたデータの差異の所定値は、前記構造体に係る累積損傷確率が劣化期初期へ進展した際の振動データの値とすることを特徴とする請求項1に記載の構造体変状検知システム。
- 前記構造体に該構造体を特定する認識番号を示す認識信号を発信する発信器を備え、前記車両に前記発信器から発信された認識信号を受信する受信器を備え、前記車両は、前記認識信号を前記受信器により受信すると、前記認識番号と前記車軸振動センサにより検知した振動データとを対応付けて前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体変状検知システム。
- 前記車両に通信手段を備え、該車両が前記構造体を通過したときの前記車軸振動センサにより検知した振動データ及び該構造体の認識信号を前記通信手段により送信することを特徴とする請求項1又は3に記載の構造体変状検知システム。
- 前記車両に前記記憶手段を動作させる記憶開始ボタンを備えたことを特徴とする請求項1又は3又は4に記載の構造体変状検知システム。
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