JP2015190023A - 鍔付き焼結部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボス部の一端に鍔を有する鍔付き焼結部品の鍔の焼結時の反りを、耐火リングなどの重石を使用せずに抑制可能となすことを課題としている。【解決手段】耐火板の上面に、焼結する成形体の鍔よりも上端の外径が小さな突起を設け、その突起の上に、鍔を下にした成形体を同心的状態に載置し、この状態で焼結を行ってボス部の一端に鍔を有する鍔付き焼結部品を得るようにした。【選択図】図1
Description
この発明は、ボス部の一端に鍔を有する鍔付き焼結部品を焼結工程での精度低下を抑えて製造することを可能にした鍔付き焼結部品の製造方法に関する。
焼結機械部品は、鋳造、鍛造、切削加工などによって製造される機械部品に比べて製造コストに優れる。そのために、自動車のエンジン部品や変速機部品、エアコン部品など、量産効果が求められる用途に多用されている。
その焼結機械部品の中に、ボス部の一端に径方向外向きに張り出した鍔を有する部品がある。その鍔付き焼結部品は、金型を用いて原料粉末を圧粉成形し、その後、得られた成形体を焼結して作られる。なお、この発明で言うボス部は、中空の軸部や中実の軸部である。
量産品の焼結は、ベルト式連続焼結炉などを使用して行われる。その連続焼結炉による焼結は、成形体を金属ベルト式コンベヤに直接載せたり、コンベヤで搬送する金網や耐火板に載せて炉内に導入する方法でなされる。
このときの支持安定性を高めるために、鍔付き焼結部品は、鍔のある側を下にして金網や耐火板に載せている。
なお、下記特許文献1は、焼結時に反りを生じる板状成形体を下側の耐火板上に載せ、その上に重石になる上側耐火板を重ねて焼結することで、得られる焼結体の反りを抑制することを提案している。
ボス部の一端に鍔を有する鍔付き焼結部品を鍔が下になる姿勢にして焼結すると、図5に示すように、鍔付き焼結部品10の鍔12に反りが生じて鍔12の端面(ボス部の無い側の面)と鍔裏(ボス部のある側の面)の平面度と振れ精度が悪化する。
鍔12に反りが生じる原因は、鍔の端面側の成形密度が鍔裏側よりも高いため、端面側の径方向焼結寸法変化量が鍔裏側よりも大きくなってその寸法変化量の差で反りが発生するのではないかと思われる。
その反りの抑制策として、前掲の特許文献1と同様に、鍔12の上面に荷重を加えて鍔12の外周側の反り上がりを抑える手法が考えられる。ボス部11の外周に重石になる耐火リングを遊嵌すれば、鍔12を上から押さえつけることができる。
しかしながら、この方法によれば、ボス部の加熱が耐火リングによって妨げられる。また、重量の限られた耐火リングでは確実な押えつけも保証されない。さらに、焼結前の耐火リング載せと、焼結後の耐火リング外しの作業に手間がかかる。
そこで、この発明は、鍔付き焼結部品の鍔の焼結時の反りを、耐火リングなどの重石を使用せずに抑制可能となすことを課題としている。
上記課題の解決を解決するため、耐火板の上面に、焼結する成形体の鍔よりも上端の外径が小さな突起を設け、その突起の上に、鍔を下にした成形体を同心的状態に載置して焼結を行うようにしたのである。
この発明にかかる上記鍔付き焼結部品の製造方法によれば、重石を使わなくても焼結による鍔の反りが抑制され、鍔の平面度と鍔の端面の振れ精度が向上する。
以下、この発明の鍔付き焼結部品の製造方法の実施の形態を添付図面の図1〜図5に基づいて説明する。
この発明の製造方法に用いる耐火板の一例とその耐火板による成形体支持の一例を図1及び図2に示す。
図1、図2の1は、セラミックスなどの耐熱性材料で形成された耐火板である。この耐火板1は、上端が平坦な突起2を上面に有している。その突起2上に、ボス部4の一端に鍔5を設けた成形体3が同心的配置にして載置される。
突起2は、上端の外径が成形体3に設けられる鍔5の外径よりも小さい。また、突起2の高さは、約2mmにしたが、2mm以下でも差し支えない。
勿論、2mm以上あってもよいが、鍔5の反りの抑制効果は突起2の高さの増加に比例して高まるものではない。突起2の高さを無用に高くすることは耐火板1の材料を浪費するだけであって好ましいことではない。
この突起2の1枚の耐火板に対する設置数は、1個に限定されない。その突起2を1枚の耐火板に複数個設けて1枚の耐火板で複数個の成形体を支持することも可能である。この方が1枚の耐火板で1個の成形体を支持するよりも生産効率に優れる。
成形体3の突起2上への載置は、成形体3の鍔5の外周を全周において均一に支持面から浮かせることが重要であるので、突起2と成形体3が同心的配置になるように行う。
その要求は、コンピュータ制御の搬送ロボット(図示せず)を設けて供給部からの搬送、載置が機械化された作業によって行われるようにしておくことで満たすことができる。搬送ロボットによる載置は、手作業に比べて高効率化が図れる。
また、図1、図2に示すようなテンプレート6を使用すれば、同心的配置での載置を高価なロボットを使わずに手作業で行うことができる。
図示のテンプレート6は、外周のスカート部7を耐火板1の外周に嵌めるなどして耐火板1に対して位置決めできるようにしている。
また、このテンプレート6には、耐火板1上の突起2に位置を対応させた位置決め孔8を設けており、その位置決め孔8で成形体3の鍔5を径方向に位置決めすることで耐火板1と成形体3を同軸上に位置決めすることができる。
このようにして耐火板1の突起2上に成形体3を位置決めして載置したら、成形体3を耐火板1と共にコンベヤ(図示せず)に載せて焼結炉(これも図示せず)に導入し、焼結を行う。
焼結炉への導入は、テンプレート6を取り外して行うことができる。テンプレート6が耐火板1と同様に耐熱性材料で形成されている場合にはテンプレート6をセットしたままにしてテンプレート6も含めた全体を焼結炉に導入することも可能である。
この発明の鍔付き焼結部品の製造方法について評価試験を行った。その試験の結果を以下に挙げる。
試験は、図4Aに示した形状の成形体3を図2に示した耐火板1に設けられた突起2上にコンピュータ制御のロボットを使用して載置し、これをベルト式連続焼結炉に導入して焼結した。耐火板1は、突起2を22個有するものを用いた。
突起2は、上端の直径がφ35mm、高さが約2mmに設定されている。
また、比較のために、同じ成形体3をフラットな耐火板とフラットな金網にそれぞれ載せて同一条件で焼結した。
成形体3は、2wt%Cu−0.8wt%C−その他成分1wt%以下−残Feの組成
の材料で形成された物であって、平均成形密度は6.6g/cm3である。
の材料で形成された物であって、平均成形密度は6.6g/cm3である。
また、その成形体3の図4Aに示した部位の寸法諸元は以下の通りである。
・鍔外径 D:φ67mm
・ボス部外径do:φ24mm
・ボス部内径di:φ16mm
・全長 L:37mm
・鍔外径 D:φ67mm
・ボス部外径do:φ24mm
・ボス部内径di:φ16mm
・全長 L:37mm
焼結は、ベルト式連続焼結炉を用いて1130℃、20分間の条件で行った。
このようにして得られた比較試料(各法での試料個数20個)について、鍔端面の振れ精度、鍔端面の平面度、鍔裏の振れ精度、鍔裏の平面度をそれぞれ測定し、測定データに基づく平均値、最大値、最小値、標準偏差、工程能力を求めた。
鍔端面と鍔裏の振れ精度は、図4Bに示すように、得られた鍔付き焼結部品10を両端がセンター13によって回転中心に位置決めされた治具14で保持し、この状態で治具14と共に焼結部品10を回転させ、鍔12の端面と裏面に当てたダイヤルゲージ(DG)15の測定子の変位量を求める方法で測定した。
また、鍔裏と鍔端面の平面度は、図4C、図4Dに示すように、三次元測定機(3DM)16の測定子を鍔裏や鍔端面に当て、その測定子の変位量を求める方法で測定した。その結果を表1〜表3にまとめる。
この試験結果からわかるように、突起付き耐火板を使用したこの発明の方法によれば、焼結工程での鍔の反りが抑制されて鍔の端面、鍔裏の振れ精度、平面度が比較の従来法に比べて著しく向上する。
この鍔の反りの抑制効果は、突起に支持された成形体の鍔が宙に浮いた状態で焼結がなされることから、鍔が自重で垂れ下がろうとして反り上がる力を打ち消すのではないかと推測される。
いずれにせよ、その反りの抑制が重石を使わずに実現され、その反りの抑制により製品の品質が向上し、工程能力も大幅に向上する。
1 耐火板
2 突起
3 成形体
4 ボス部
5 鍔
6 テンプレート
7 スカート部
8 位置決め孔
10 焼結部品
11 ボス部
12 鍔
13 センター
14 治具
15 ダイヤルゲージ
16 三次元測定機
2 突起
3 成形体
4 ボス部
5 鍔
6 テンプレート
7 スカート部
8 位置決め孔
10 焼結部品
11 ボス部
12 鍔
13 センター
14 治具
15 ダイヤルゲージ
16 三次元測定機
Claims (3)
- 耐火板の上面に、焼結する成形体の鍔よりも上端の外径が小さな突起を設け、その突起の上に、鍔を下にした成形体を同心的状態に載置し、この状態で焼結を行ってボス部の一端に鍔を有する鍔付き焼結部品を得る鍔付き焼結部品の製造方法。
- 前記成形体の前記耐火板上の突起に対する載置を、コンピュータ制御のロボットによって行って前記突起に対する前記成形体の位置決め、載置を行う請求項1に記載の鍔付き焼結部品の製造方法。
- 前記成形体の前記耐火板上の突起に対する載置を、耐火板上に前記突起に位置を対応させた位置決め孔を有するテンプレートをセットし、そのテンプレートの前記位置決め孔で前記成形体を位置決めして前記突起に対する前記成形体の載置を行う請求項1に記載の鍔付き焼結部品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2014069163A JP2015190023A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 鍔付き焼結部品の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019181417A1 (ja) * | 2018-03-23 | 2019-09-26 | Ntn株式会社 | 焼結機械部品、焼結歯車、ブーリー、カップリング、焼結機械部品の製造方法、及び粉末成形用金型 |
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-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014069163A patent/JP2015190023A/ja active Pending
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