JP2021130855A - 回転炉床式加熱炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビレットを均一に加熱することができる回転炉床式加熱炉を提供する。【解決手段】ビレット1を加熱するための回転炉床式加熱炉であって、周方向に回転する円環状の炉床を備え、炉床は、第1の耐火物20と第2の耐火物30とが前記炉床の半径方向に交互に配置されたビレット載置部10を有し、第1の耐火物20の上面は、ビレット1を支持するための支持面を構成し、第2の耐火物30の上面は、支持面よりも10mm以上下方に位置し、ビレット載置部10は、炉床の外周から内周にかけて順番に、(1)炉床の半径方向における第1の耐火物20の間隔がL1である外周側広間隔部40と、(2)炉床の半径方向における第1の耐火物20の間隔がL2である狭間隔部50と、(3)炉床の半径方向における第1の耐火物20の間隔がL3である内周側広間隔部60とを有し、L2<L1かつL2<L3である、回転炉床式加熱炉。【選択図】図2

Description

本発明は、回転炉床式加熱炉に関し、特に、ビレットを均一に加熱することができる回転炉床式加熱炉に関する。
回転炉床式加熱炉(回転炉床炉(Rotary Hearth Furnace, RHF)ともいう)は、被加熱物を搬送しながら加熱する連続式加熱炉の一種であり、様々な用途に用いられている。
例えば、継目無鋼管の製造工程においては、連続鋳造法などによって製造されたビレット(鋼片)を加熱した後に、穿孔機で中空素管とし、前記中空素管を圧延して所望の寸法を有する継目無鋼管が製造される。その際、前記ビレットの加熱には、一般的に回転炉床式加熱炉が用いられる。
図1は、ビレットの加熱に用いられる一般的な回転炉床式加熱炉100の構造を模式的に示した図であり、(a)は斜視図、(b)は炉床110の平面図である。回転炉床式加熱炉100の炉壁101には、被加熱物であるビレット1を装入するための装入口102と、加熱されたビレットを取り出すための抽出口103が設けられている。矢印Aで示すように装入口102から装入されたビレットは、加熱炉の内部にある円環状の炉床110の上に載置される。炉床110は、矢印Bで示すように水平方向に回転しており、ビレット1は炉床110の回転によって炉内を搬送されながら加熱される。なお、炉内上部には(場合によっては、さらに壁部にも)、図示されないバーナなどの熱源が設けられている。炉内を約一周して加熱されたビレットは、矢印Cで示すように抽出口103から取り出され、次の工程へ供される。
しかし、回転炉床式加熱炉によるビレットの加熱においては、炉床の形状や炉内の温度分布などによってはビレットを均一に加熱することができず、ビレット内に温度の偏り(偏熱)が生じる場合があった。ビレットの温度が不均一であると、その後の圧延工程などにおける加工が不均一となり、製造される継目無鋼管に肉厚の偏り(偏肉)や外径寸法のバラツキが生じる。したがって、継目無鋼管の寸法精度を向上させるためには、回転炉床式加熱炉における偏熱を低減することが極めて重要である。
上記事情から、回転炉床式加熱炉における偏熱を低減するための様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、回転炉床式加熱炉でビレットを加熱する際に、前記ビレットを炉床面に対して傾斜した状態とすることが提案されている。具体的には、ビレットの一端を、珪砂を主成分とする粉体で形成した山で支持することにより、ビレットを傾斜させている。
また、特許文献2では、回転炉床式加熱炉の炉床にビレットを支持するためにスキッドを設け、前記スキッドでビレットを炉床面から浮かせた状態で加熱を行うことが提案されている。
特許文献3では、耐火物で形成された回転炉床式加熱炉の炉床の表面を、鋼板等の金属材で覆うことが提案されている。また、特許文献3では、さらにビレットを炉床面から浮かせた状態で支持するためにスキッドを併用することも提案されている。
特開平07−268446号公報 特開2005−163167号公報 特開2015−105424号公報
しかし、特許文献1で提案されている方法では、ビレットが傾斜した状態で加熱を行うため、ビレットが変形してしまうという問題があった。ビレットが変形していると、加熱後の圧延工程において鋼管に曲りや偏肉が生じてしまう。
また、特許文献2、3で提案されている方法では、ビレットを炉床から持ち上げて支持するためにスキッドを設ける必要がある。そして、本発明者らの検討の結果、単純にスキッドを配置するだけではビレットを安定して均一に加熱することができないことが分かった。
さらに、特許文献3で提案されている方法では、熱伝導率が高い金属材で炉床の表面を覆うことにより偏熱を抑制している。しかし、実際のビレットの加熱においては、ビレット表面が酸化することによって形成されるスケールが剥離して炉床に堆積するため、金属材による偏熱低減効果を安定して得ることは難しい。
また、実際の継目無鋼管の製造においては、製造する鋼管の長さに応じて異なる長さのビレットが使用される。したがって、回転炉床式加熱炉には、長さの異なるビレットであっても、安定して均一に加熱できることが求められる。しかし、特許文献1〜3に記載されているような従来の技術では、長さの異なるビレットを加熱する際の問題について考慮されていない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、長さの異なるビレットであっても、安定して均一に加熱することができる回転炉床式加熱炉を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
1.ビレットを加熱するための回転炉床式加熱炉であって、
周方向に回転する円環状の炉床を備え、
前記炉床は、第1の耐火物と第2の耐火物とが前記炉床の半径方向に交互に配置されたビレット載置部を有し、
前記第1の耐火物の上面は、前記ビレットを支持するための支持面を構成し、
前記第2の耐火物の上面は、前記支持面よりも10mm以上下方に位置し、
前記ビレット載置部は、前記炉床の外周から内周にかけて順番に、
(1)前記炉床の半径方向における前記第1の耐火物の間隔がL1である外周側広間隔部と、
(2)前記炉床の半径方向における前記第1の耐火物の間隔がL2である狭間隔部と、
(3)前記炉床の半径方向における前記第1の耐火物の間隔がL3である内周側広間隔部とを有し、
L2<L1かつL2<L3である、回転炉床式加熱炉。
2.前記第1の耐火物がキャスタブル耐火物であり、
前記第2の耐火物がプラスチック耐火物である、上記1に記載の回転炉床式加熱炉。
3.前記L1が200〜300mmであり、
前記L2が60〜100mmであり、
前記L3が200〜300mmである、上記1または2に記載の回転炉床式加熱炉。
4.前記ビレット載置部における前記第1の耐火物それぞれの、前記炉床の半径方向における長さが200〜300mmである、上記1〜3のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
5.前記狭間隔部における前記第2の耐火物の数が1〜3である、上記1〜4のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
6.前記ビレット載置部における前記第2の耐火物の上面は、前記支持面よりも10〜300mm下方に位置する、上記1〜5のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
7.前記炉床の半径方向における前記ビレット載置部の長さが1000mm以上である、上記1〜6のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
本発明の回転炉床式加熱炉によれば、長さの異なるビレットであっても、安定して均一に加熱することができる。したがって、本発明の回転炉床式加熱炉で加熱したビレットを素材として用いることにより、偏肉が抑制された寸法精度の高い継目無鋼管を製造することができる。
ビレットの加熱に用いられる一般的な回転炉床式加熱炉の構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるビレット載置部の構造を示す模式図である。 本発明の他の実施形態におけるビレット載置部の構造を示す模式図である。 本発明の他の実施形態におけるビレット載置部の構造を示す模式図である。
以下、本発明を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な実施形態の例を示すものであって、本発明はこれに限定されない。
[ビレット]
本発明の回転炉床式加熱炉は、ビレット(鋼片)を加熱するための回転炉床式加熱炉である。前記ビレットとしては、とくに限定されることなく任意のビレットを被加熱物とすることができるが、継目無鋼管の製造に用いられる素材としてのビレットを被加熱物とすることが好ましい。言い換えると、本発明の一実施形態における回転炉床式加熱炉は、継目無鋼管製造用ビレットを加熱するための回転炉床式加熱炉であってよい。
前記ビレットの形状はとくに限定されないが、継目無鋼管の製造に使用することを考慮すると、断面が円形であるビレット(丸ビレット)を被加熱物とすることが好ましい。
前記ビレットの寸法はとくに限定されず、任意の寸法のビレットを被加熱物とすることができる。ビレットを継目無鋼管の製造に使用することを考慮すると、ビレットの外径は100mm以上とすることが好ましく、140mm以上とすることがより好ましい。同様の観点から、前記ビレットの外径は250mm以下とすることが好ましく、210mm以下とすることがより好ましい。
また、ビレットを継目無鋼管の製造に使用することを考慮すると、ビレットの長さは1000mm以上とすることが好ましく、1150mm以上とすることがより好ましい。同様の観点から、前記ビレットの長さは、3700mm以下とすることが好ましく、3530mm以下とすることがより好ましい。
前記ビレットの材質についてもとくに限定されず、任意の組成の鋼からなるビレットを被加熱物とすることができる。なお、製造される製品(継目無鋼管など)の寸法精度を向上させるという観点からは、炭素鋼からなるビレットを被加熱物とすることが好ましい。
また、自動車用部品などの高い寸法精度が要求される部品にはCr含有量が5質量%以下である素材が広く用いられている。そのため、Cr含有量が5質量%以下のビレットの加熱に本発明を適用することは特に有効である。
[ビレット載置部]
本発明の回転炉床式加熱炉は、周方向に回転する円環状の炉床を備えており、前記炉床は、第1の耐火物と第2の耐火物とが前記炉床の半径方向に交互に配置されたビレット載置部を有している。
前記第1の耐火物としては、特に限定されることなく任意の耐火物を用いることができる。本発明の一実施形態においては、前記第1の耐火物として、キャスタブル耐火物またはプラスチック耐火物を用いることができる。同様に、前記第2の耐火物としては、特に限定されることなく任意の耐火物を用いることができる。本発明の一実施形態においては、前記第2の耐火物として、キャスタブル耐火物またはプラスチック耐火物を用いることができる。前記第1の耐火物と前記第2の耐火物は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
(キャスタブル耐火物)
キャスタブル耐火物とは、流し込み施工可能(キャスタブル)な耐火物である。本発明におけるキャスタブル耐火物としては、とくに限定されることなく任意のキャスタブル耐火物を用いることができる。一般的なキャスタブル耐火物は、耐火物からなる骨材と、アルミナセメントなどの結合材を含んでおり、水と混練して使用される。
(プラスチック耐火物)
プラスチック耐火物とは、文字通り可塑性(plastic)の耐火物である。本発明におけるプラスチック耐火物としては、とくに限定されることなく任意のプラスチック耐火物を用いることができる。一般的なプラスチック耐火物は、耐火物からなる骨材と、粘土状の結合材を含んでおり、エアーランマーによる打撃等により打ち込み施工される。
プラスチック耐火物は炉床に用いられる他の耐火物に比べて安価であるため、炉床のビレット載置部の少なくとも一部をプラスチック耐火物で構成することにより、炉材コストを低減することができる。そのため、前記第1の耐火物および前記第2の耐火物の少なくとも一方をプラスチック耐火物とすることが好ましい。また、上述したようにキャスタブル耐火物はそのまま打ち込み施工できるため、前記第1の耐火物をキャスタブル耐火物、前記第2の耐火物をプラスチック耐火物とすれば、隣接するキャスタブル耐火物の間の空間にプラスチック耐火物を打ち込むだけで、上記ビレット載置部の構造とすることができる。そのため、前記第1の耐火物をキャスタブル耐火物、前記第2の耐火物をプラスチック耐火物とすることがより好ましい。
図2は、本発明の一実施形態におけるビレット載置部10の構造を示す模式図であり、図の左右方向が炉床の半径方向に対応している。ビレット載置部10は、複数のキャスタブル耐火物20と複数のプラスチック耐火物30とが炉床の半径方向に交互に配置された構造を有している。言い換えると、複数のキャスタブル耐火物20が炉床の半径方向に間隔を開けて配置されており、隣接するキャスタブル耐火物20の間にプラスチック耐火物30が配されている。なお、本実施形態では、第1の耐火物としてキャスタブル耐火物を、第2の耐火物としてプラスチック耐火物を、それぞれ用いているが、本発明における第1の耐火物および第2の耐火物の組み合わせは、上述したように本実施形態の組み合わせに限定されるものではない。したがって、以下の説明におけるキャスタブル耐火物は第1の耐火物、プラスチック耐火物は第2の耐火物と読み替えることができる。
そして、キャスタブル耐火物20の上面は、ビレット1を支持するための支持面(破線A)を構成している。本発明では、このようにキャスタブル耐火物によって支持面が構成されており、したがって、特許文献3で必須とされているような金属材が炉床の表面に存在しない。一方、プラスチック耐火物30の上面(破線B)は、前記支持面よりも10mm以上下方に位置している。言い換えると、プラスチック耐火物30の高さは、キャスタブル耐火物20の高さよりも10mm以上低い。
なお、各プラスチック耐火物の高さは同じであってもよく、異なっていても良いが、すべてのプラスチック耐火物は、上記条件を満たす。
上記構造を有するビレット載置部10にビレット1を載置すると、図2に示したように、ビレット1はキャスタブル耐火物20の上面と接触した状態で支持される一方、プラスチック耐火物30とビレット1との間には深さ10mm以上の空間が形成され、プラスチック耐火物30とビレットは接触しない。
ビレットが炉床表面と全面で接触している場合、炉床への抜熱によりビレット下部の温度が低下するため、ビレットを均一に加熱することが難しい。しかし、本発明の回転炉床式加熱炉では、ビレットがキャスタブル耐火物のみによって支持され、プラスチック耐火物とは接触しないため、接触面積が少なく、炉床への抜熱を低減することができる。さらに、プラスチック耐火物とビレットとの間には空間が存在するため、ビレットを載置した状態でも炉床表面に加熱された雰囲気が対流可能であり、ビレット近傍の炉床温度が高くなる。その結果、本発明の回転炉床式加熱炉によれば、ビレットを短時間で均一に加熱することができる。上記効果を発揮するために、本発明においては、プラスチック耐火物の上面を支持面よりも10mm以上下方、好ましくは30mm以上下方、さらに好ましくは60mm以上下方とする。
加えて、ビレットの加熱においてはビレット表面が酸化することによって形成されるスケールが剥離して炉床に堆積する。しかし、本実施形態の回転炉床式加熱炉においては、プラスチック耐火物(第2の耐火物)の上面を支持面よりも10mm以上下方としているため、剥離したスケールがプラスチック耐火物部分に多少入り込んだとしても、上述した効果が損なわれることなく、均一に加熱を行うことができる。前記観点からは、第2の耐火物(本実施形態ではプラスチック耐火物)の上面を支持面よりも30mm以上下方とすることが好ましく、60mm以上下方とすることがさらに好ましい。
第2の耐火物(本実施形態ではプラスチック耐火物)の上面と支持面との間の距離(すなわち、第2の耐火物部分の深さ)の上限はとくに限定されないが、メンテナンスのしやすさという観点からは300mm以下とすることが好ましい。
さらに、図2に示したように、ビレット載置部10は、炉床の外周(図中左側)から内周(図中右側)にかけて順番に配置された、外周側広間隔部40、狭間隔部50、および内周側広間隔部60を有している。そして、外周側広間隔部40における第1の耐火物(本実施形態ではキャスタブル耐火物)の間隔L1、狭間隔部50における第1の耐火物(本実施形態ではキャスタブル耐火物)の間隔L2、内周側広間隔部60における第1の耐火物(本実施形態ではキャスタブル耐火物)の間隔L3は、L2<L1かつL2<L3である。言い換えると、狭間隔部50における第1の耐火物の間隔L2は、外周側広間隔部40におけるL1と内周側広間隔部60における間隔L3の両者よりも小さい。な、ここで「間隔」とは、炉床の半径方向における間隔を指すものとする。前記L1とL3は同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記各部における第1の耐火物(本実施形態ではキャスタブル耐火物)の間隔は、それぞれ以下の条件を満たすことが好ましい。
(1)外周側広間隔部40におけるキャスタブル耐火物20の間隔41が200〜300mm。
(2)狭間隔部50におけるキャスタブル耐火物20の間隔51が60〜100mm。
(3)内周側広間隔部60におけるキャスタブル耐火物20の間隔61が200〜300mm。
ここで、キャスタブル耐火物の間隔とは、炉床の半径方向において隣接しているキャスタブル耐火物の間の間隔を指すものとする。より具体的には、図2に示したように隣接するキャスタブル耐火物20の間の炉床の半径方向における距離(ギャップ)であり、前記間隔は、キャスタブル耐火物20の間に配されたプラスチック耐火物30の炉床の半径方向における長さに相当する。
なお、外周側広間隔部に、プラスチック耐火物が複数箇所配置されている場合、当該部分の間隔は、同じであってもよく、異なっていてもよい。狭間隔部、内周側広間隔部についても同様である。
回転炉床式加熱炉において加熱されるビレットの長さは一定であるとは限らず、用途に応じた長さを有するビレットが被加熱物とされることが一般的である。例えば、継目無鋼管の製造においては、製造する継目無鋼管の長さに応じた長さのビレットが使用される。そのため、炉床の各部にかかる荷重はビレットの長さによって変動するが、ビレットの長さにかかわらず、炉床の半径方向略中央部には常に最大の荷重がかかる。そのため、仮に支持部を構成するキャスタブル耐火物が等間隔で配置されていたとすると、中央付近のキャスタブル耐火物にかかる荷重が、外周部や内周部のキャスタブル耐火物にかかる荷重よりも大きくなり、その結果、中央付近のキャスタブル耐火物が優先的に摩耗することとなる。キャスタブル耐火物が摩耗すると、その部分でビレットが正しく支持できずに撓むこととなり、その結果、最終的に得られる継目無鋼管に偏肉が生じてしまう。
そこで、本発明では、上記ビレット載置部の構造とすることにより、炉床の外周側および内周側よりも、その間、すなわち中央付近におけるキャスタブル耐火物の密度を高くし、その結果、中央部のキャスタブル耐火物の摩耗を抑制することができる。
さらに、キャスタブル耐火物の間隔が狭い狭間隔部を設けたことにより、比較的長さの短いビレットであっても安定して支持することができる。特に、一般的な継目無鋼管の素材として使用されるビレットの長さであれば、3点以上で支持できるため、ビレットの自重による変形を抑制できる。
なお、同様の観点から、ビレット載置部における前記キャスタブル耐火物それぞれの、前記炉床の半径方向における長さは200〜300mmとすることが好ましい。
狭間隔部におけるプラスチック耐火物の数(言い換えると、キャスタブル耐火物間の間隔の数)はとくに限定されず、1以上の任意の数とすることができる。しかし、プラスチック耐火物の数を多くすると、その間のキャスタブル耐火物の数も増加することになるため、結果的に狭間隔部に占めるプラスチック耐火物部分の割合が低下することになる。そのため、プラスチック耐火物部分の割合を多くして、炉床への抜熱量を低減するという観点からは、狭間隔部におけるプラスチック耐火物の数を3以下とすることが好ましい。例えば、図3は、狭間隔部におけるプラスチック耐火物の数が2の場合の構造の例を示す模式図であり、図4は、狭間隔部におけるプラスチック耐火物の数が3の場合の構造の例を示す模式図である。
回転炉床式加熱炉を使用してビレットを加熱し、目標温度までの加熱に要する時間(所要時間)と、加熱後のビレットにおける偏熱を評価した。具体的な手順は次の通りとした。
(実施例)
回転炉床式加熱炉としては、図2に示した形状のビレット載置部を有する回転炉床式加熱炉を使用した。第1の耐火物としてキャスタブル耐火物を、第2の耐火物としてプラスチック耐火物を、それぞれ使用した。炉床半径方向におけるキャスタブル耐火物の長さは225mm、外周側広間隔部および内周側広間隔部におけるキャスタブル耐火物の間隔(L1およびL3)は250mm、狭間隔部におけるキャスタブル耐火物の間隔(L2)は86mmとした。また、前記プラスチック耐火物部分の深さは60mmとした。すなわち、プラスチック耐火物の上面は、支持面よりも60mm下方とした。被加熱物としては、直径210mm、長さ3037mmの炭素鋼からなるビレットを使用した。
上記条件で、ビレットを目標温度(1250℃)まで加熱し、加熱に要する時間(所要時間)を測定した。上記測定においては、最も温度上昇が遅いビレットの下部が前記目標緒温度に到達した時点で加熱が終了したと判断した。また、前記目標温度に到達した時点におけるビレットの偏熱を測定した。前記偏熱の測定は、2つの測定位置、すなわち、ビレットの下面が支持面と接触している位置(接触部)と、ビレットの下面が支持面と接触していない位置(被接触部)の両者で行った。前記測定では、前記測定位置におけるビレット外表面の全周における最高温度と最低温度の差を偏熱の値とした。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
なお、比較のため、表1に比較例1として示したように、プラスチック耐火物部分の深さをゼロとし、L1、L2、L3の値をすべて同じ250mmとした回転炉床式加熱炉を用いて同様の実験を行った。結果を表1に併記する。
(比較例2)
さらに、表1に比較例2として示したように、プラスチック耐火物部分の深さを実施例と同じ86mmとし、L1、L2、L3の値をすべて同じ250mmとした回転炉床式加熱炉を用いて同様の実験を行った。結果を表1に併記する。
表1に示した結果から、実施例では比較例1、2よりも短時間で目標温度まで加熱できていることが分かる。また、実施例においては、比較例1、2よりも偏熱を低減できていることが分かる。
さらに、加熱時間を揃えた実験でも偏熱を評価した。具体的には、上記実施例、比較例1、および比較例2の条件で、加熱温度を192分に統一して加熱を行い、加熱後のビレットにおける偏熱を測定した。なお、前記加熱時間192分は、上記実験で比較例1が目標温度に到達するために要した時間である。測定結果を表1に併記する(「192分加熱」欄)。
表1に示した結果から、一定時間の加熱においても、実施例においては比較例1、2よりも偏熱を低減できていることが分かる。
なお、ビレットの偏熱が、該ビレットを用いて製造される製品の寸法精度に及ぼす影響を確認するために、上記実施例および比較例1で加熱したビレットをそれぞれ管状に成形して、得られた鋼管の寸法精度の指標として、偏心偏肉率を求めた。
具体的には、実施例で加熱したビレットに、穿孔と延伸圧延を施して管状に成形した。得られた鋼管の長手方向端部から長さ200mmのサンプルを切り出し、前記サンプルの肉厚を円周方向に等間隔の24点で測定した。測定された肉厚を複素フーリエ変換により解析し、偏心偏肉率(%)を求めた。偏心偏肉率とは、管の断面において、管外面と管内面の円を描いたときの、その中心のずれ量を平均肉厚で割った値である。
その結果、比較例1のビレットを用いて得た鋼管における偏心偏肉率が5.9%であったのに対して、実施例のビレットを用いて得た鋼管における偏心偏肉率は3.4%であり、寸法精度が優位に改善していることを確認できた。
以上の結果から分かるように、本発明によれば、ビレットを均一に加熱することができ、その結果、継目無鋼管などの最終製品の寸法精度を向上させることができる。また、本発明によれば、加熱時間を短縮することもできる。
Figure 2021130855
1 ビレット
10 ビレット載置部
20 キャスタブル耐火物
30 プラスチック耐火物
40 外周側広間隔部
41 外周側広間隔部におけるキャスタブル耐火物の間隔
50 狭間隔部
51 狭間隔部におけるキャスタブル耐火物の間隔
60 内周側広間隔部
61 内周側広間隔部におけるキャスタブル耐火物の間隔
100 回転炉床式加熱炉
101 炉壁
102 装入口
103 抽出口
110 炉床

Claims (7)

  1. ビレットを加熱するための回転炉床式加熱炉であって、
    周方向に回転する円環状の炉床を備え、
    前記炉床は、第1の耐火物と第2の耐火物とが前記炉床の半径方向に交互に配置されたビレット載置部を有し、
    前記第1の耐火物の上面は、前記ビレットを支持するための支持面を構成し、
    前記第2の耐火物の上面は、前記支持面よりも10mm以上下方に位置し、
    前記ビレット載置部は、前記炉床の外周から内周にかけて順番に、
    (1)前記炉床の半径方向における前記第1の耐火物の間隔がL1である外周側広間隔部と、
    (2)前記炉床の半径方向における前記第1の耐火物の間隔がL2である狭間隔部と、
    (3)前記炉床の半径方向における前記第1の耐火物の間隔がL3である内周側広間隔部とを有し、
    L2<L1かつL2<L3である、回転炉床式加熱炉。
  2. 前記第1の耐火物がキャスタブル耐火物であり、
    前記第2の耐火物がプラスチック耐火物である、請求項1に記載の回転炉床式加熱炉。
  3. 前記L1が200〜300mmであり、
    前記L2が60〜100mmであり、
    前記L3が200〜300mmである、請求項1または2に記載の回転炉床式加熱炉。
  4. 前記ビレット載置部における前記第1の耐火物それぞれの、前記炉床の半径方向における長さが200〜300mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
  5. 前記狭間隔部における前記第2の耐火物の数が1〜3である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
  6. 前記ビレット載置部における前記第2の耐火物の上面は、前記支持面よりも10〜300mm下方に位置する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
  7. 前記炉床の半径方向における前記ビレット載置部の長さが1000mm以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転炉床式加熱炉。
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