JP2015189322A - 車両の排気管支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板材によって閉断面状に形成され且つ車体前後方向に延びる排気管3上側を跨ぐ湾曲部12xを有する前クロスメンバ12の縦壁にブラケット41が固定された第1ハンガ40と、排気管3にブラケット51が固定された第2ハンガ50と、両ハンガ40,50に形成された連結端部43,53を夫々挿通させるハンガゴム62を有するマウント部材60とを備えた車両Vの排気管支持機構Mであって、ブラケット41の第1脚部41bの後端部が湾曲部12xの下縁近傍部に沿うように前クロスメンバ12の縦壁に固定され、両ハンガ40,50の連結端部43,53が排気管3から離隔する方向を指向するように夫々配設されている。
【選択図】 図7
Description
即ち、車体後部では、車幅方向に延びるクロスメンバ部材に対して前後方向に延びる排気管とプロペラシャフトとが夫々立体的に交差するレイアウトになっている。
しかし、車両の燃費改善のためには、車体重量低減が最も効果的な対策の1つであることから、近年、CAE(Computer Aided Engineering)等の解析ツールを用いて各部品の小型化やフレーム部材の薄肉化が積極的に推進されている。
即ち、軽量化のために薄肉化した前部クロスメンバの縦壁に車体側ハンガを固定した場合、車体側ハンガの支持剛性が十分ではないため、車体側ハンガから前部クロスメンバに入力した振動により新たな共振や異音が発生してNVH性能が低下する虞がある。
これにより、車体側固定部によって排気管の前後移動に伴う荷重を支持し且つ第2車体側固定部によって排気管の上下方向の揺動を支持するため、排気管の支持剛性を一層高くすることができる。
これにより、構造の簡単化と生産コストの低廉化を図ることができる。
これにより、クロスメンバ部材と排気管との離隔距離を短縮化し、後部車体の小型化を図ることができる。
以下の説明は、本発明を本質的に例示するに過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
この実施例では、本発明を駆動方式がフロントエンジンリヤドライブ(FR)タイプの車両Vに適用した例について説明する。
図1〜図8に示すように、車両Vは、左右両側にリヤサスペンション2が設けられたリヤサブフレーム1と、車体前部中央に搭載されたエンジン(図示略)の排気系から後方へ略直線状に延びる排気管3を支持する支持機構Mと、エンジンの駆動力をプロペラシャフト5を介して伝達される後輪駆動装置4とを備えている。
尚、図中、矢印Fは前方を示し、矢印Lは左方を示している。
図1,図2,図4に示すように、後輪駆動装置4は、後方へ略直線状に延びるプロペラシャフト5の後端部に連結されている。プロペラシャフト5は、前端部がエンジン後端に配設された変速機(図示略)の出力軸に前側自在継手(図示略)を介して連結され、後端部が後輪駆動装置4の入力軸に後側自在継手を介して連結される。このプロペラシャフト5の左側には、前後方向に略直線状に延びる梯子状のパワープラントフレーム9が配設されている。このパワープラントフレーム9は、前端上部が変速機に固定され、後端上部と後端下部が後輪駆動装置4のケーシングに夫々固定されている。
第1差動機構の前端部には、入力軸が設けられ、この入力軸とプロペラシャフト5の後端部が第2自在継手を介して連結されている。第1差動機構の後端部に第2差動機構が複数のボルトによって締結されている。
図1〜図8に示すように、リヤサブフレーム1は、左右両側において夫々車体前後方向に延びる左右1対のサイドメンバ11と、左右1対のサイドメンバ11を互いに連結するように車幅方向に延びる前クロスメンバ12(クロスメンバ部材)と、左右1対のサイドメンバ11の後端部同士を連結するように車幅方向に延びる後クロスメンバ13とを備えている。これらのサイドメンバ11、前クロスメンバ12、及び後クロスメンバ13は、所定厚さ(例えば1.6mm)の金属製板材(例えば鉄系金属あるいはアルミニウム合金等の軽金属)によって閉断面状に形成されている。
図1〜図8に示すように、前クロスメンバ12は、左右1対のサイドメンバ11の前端部と後端部との間、具体的にはサイドメンバ11の前後方向中間位置よりも若干前側の位置において、左右のサイドメンバ11同士を連結している。また、前クロスメンバ12は、正面視において略V字形に形成されており、前クロスメンバ12の両端部の高さはサイドメンバ11よりも高く形成されている。この前クロスメンバ12は、その中央部と左右両端部との間において、左右のサイドメンバ11の前端部と後端部との間に連結されている。
即ち、後輪駆動装置4は車体後部の下面と前クロスメンバ12との間に位置している。
図3に示すように、前クロスメンバ12は、最下部(すなわち正面視におけるV字形の底部)が、車幅方向中央線Cから後輪駆動装置4のリングギヤ4aが存在する側(左側)にオフセットするように形成されている。
図1,図2,図4に示すように、リヤサスペンション2は、後輪の車輪支持部材27を、独立した5本のサスペンションリンクによって車体に対して上下方向に往復動可能に連結するマルチリンク式サスペンションである。5本のサスペンションリンクは、3本のロアリンクと、2本のアッパリンクとを含んでいる。また、車輪支持部材27には、サスペンションダンパ20の下端部が連結されている。
リヤサブフレーム1の車幅方向左右両側に、各々5本ずつのサスペンションリンクが取り付けられる。
前クロスメンバ12のサイドメンバ11への連結部上方には、車幅方向外方に突出する取付部32が設けられ、この取付部32には、中央の中ロアリンク22の車体側の端部がゴムブッシュを介して取り付けられている。中ロアリンク22は、取付部32から車体外方に向かって車幅方向に延び、車輪側の端部が車輪支持部材27に連結される。
前クロスメンバ12には、その車幅方向両端から車幅方向外方に突出する取付部34が設けられ、この取付部34には、前側の前アッパリンク24(ラテラルリンク)の車体側の端部がゴムブッシュを介して取り付けられている。図5及び図6に示すように、取付部34は、リヤサイドフレーム(図示略)への前クロスメンバ12の連結部の後方に配置されている。前アッパリンク24は、取付部34から車体外方に向かって車幅方向に延び、車輪側の端部が車輪支持部材27に連結される。
スタビライザ26は、左右1対のスタビライザ台座36の位置からさらに車幅方向外方に向かって延び、車輪側の両端部が例えばリンク38を介して後ロアリンク23に連結される。
図1〜図3,図5〜図8に示すように、排気管3は、パワープラントフレーム9に対してプロペラシャフト5を間に介在させて右側に配置され、プロペラシャフト5の右側近傍位置に沿って車体後方に延設されている。
この排気管3は、前クロスメンバ12の最下部と右側サイドメンバ11の最下部とを結ぶ線と湾曲部12xの略円弧状下縁との間を通過するように配設され、リヤサイドフレーム(図示略)に搭載されたサイレンサ7に接続されている。
サイレンサ7は、リヤサブフレーム1の後側近傍位置に配設され、左右1対のリヤサイドフレームに左右2対のマウント部材8を介して保持されている。
図1,図2,図5に示すように、触媒6よりも後側の排気管3が右側に屈曲されている、所謂重心が右側にオフセットされているため、車両走行時、排気管3は、重力による上下運動に加えて、前後運動と右方向運動とが合成された略楕円軌跡の円運動を行っている。
図1〜図3,図5〜図9に示すように、支持機構Mは、前クロスメンバ12に固定された第1ハンガ40(車体側ハンガ)と、触媒6に固定された第2ハンガ50(排気管側ハンガ)と、第1,第2ハンガ40,50を夫々挿通させるハンガゴム62を有するマウント部材60とを備えている。
ブラケット41は、前クロスメンバ12の前側縦壁に対して鉛直状に配置された本体部41aと、この本体部41aの上下両端部から夫々右側に張り出した第1,第2脚部41b,41cを備えている。
図3,図7,図8に示すように、第1脚部41bの後端部は、右側パネル部材12cの前側縦壁部の先端部分近傍位置において第2接合部W2に沿うように右下方向に傾斜した姿勢で溶接接合される。この第1脚部41bが車体側固定部に相当している。
第2脚部41cの後端部は、右側パネル部材12cの前側縦壁部において第1脚部41bの後端部に対して排気管3と対称位置に水平状に溶接接合される。この第2脚部41cが第2車体側固定部に相当している。
連結端部43は、ハンガ本体部42の前側先端部から右方に向けて略直交状に屈曲形成されている。
マウント部材60は、右側サイドメンバ11と排気管3との間に配置され、側面視にて上下方向に重なり合うように配設されている。
ハンガゴム62は、中央部分に1対の挿通穴62aを有し、弾力的に変形可能な物性を備えたゴム又は合成樹脂からなる成形品(例えばEPDMゴムの加硫成形品)によって構成されている。ハンガゴム62の1対の挿通穴62aには、連結端部43,53が車幅方向内側から外側へ向けて夫々挿通されて固着される。即ち、各連結端部43,53は、排気管3から離隔する方向を指向するように配設されている。
この車両Vの排気管支持機構Mによれば、第1ハンガ40(ブラケット41)の第1脚部41bの後端部が湾曲部12xの下縁近傍部に沿うように前クロスメンバ12(右パネル部材12c)の前側縦壁に固定されているため、前クロスメンバ12を薄肉化しつつ第1ハンガ40を短縮化しても、構造的に剛性の高い部分で第1ハンガ40を支持することができ、第1ハンガ40から前クロスメンバ12に入力した振動により新たな共振等の発生を防止することができる。特に、第1ハンガ40は、右パネル部材12cと下パネル部材12aとが重なり合った第2接合部W2に沿って接合されるため、一層支持剛性を確保している。また、両ハンガ40,50の連結端部43,53が排気管3から離隔する方向を指向するように夫々配設されているため、両ハンガ40,50を短縮化しながら排気管3に近接配置しても、排気管3とマウント部材60との離隔距離を確保することができ、ハンガゴム62の熱害を防止できる。
これにより、第1脚部41bによって排気管3の前後振動(移動)に伴う荷重を支持し且つ第2脚部41cによって排気管3の上下方向の揺動を支持するため、排気管3の支持剛性を一層高くすることができる。
尚、実施例1と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例1の排気管支持機構Mは、第1ハンガ40をブラケット41とハンガ本体42及び連結端部43との2部品で構成したのに対し、実施例2の排気管支持機構MAでは、第1ハンガ40Aを固定部41Aとハンガ本体42Aと連結端部43Aとが一体形成されたロッド部材で構成している。
図10,図11に示すように、第1ハンガ40Aは、ロッド部材を加工することによって固定部41Aとハンガ本体42Aと連結端部43Aとを構成している。
固定部41Aは、第2接合部W2に対応するように右側パネル部材12cの前側縦壁部の先端部分近傍位置に右下方向に傾斜状に延びるように溶接接合されている。
これにより、構造の簡単化を図りつつ、車体重量低減と異音発生防止とを両立することができる。
1〕前記実施形態においては、ブラケットの第1脚部(車体側固定部)を右側パネル部材と下パネル部材が重なり合った第2接合に接合した例を説明したが、少なくとも湾曲部の下縁近傍部に沿うように固定すれば良く、湾曲部の下縁近傍部の下パネル部材のみに接合しても良い。また、湾曲部の下縁近傍部で右側パネル部材と下パネル部材と上パネル部材とを3重接合し、この3重接合部分にブラケットの第1脚部を接合することも可能である。
また、ブラケットの第1脚部をリヤサブフレームの前側縦壁部に接合したが、レイアウト条件によって後側縦壁部に接合しても良い。
M,MA 排気管支持機構
1 リヤサブフレーム
3 排気管
12 前クロスメンバ
12c 右パネル部材
12x 湾曲部
40,40A 第1ハンガ
41 ブラケット
41A 固定部
41b 第1脚部
41c 第2脚部
43 連結端部
50 第2ハンガ
51 ブラケット
53 連結端部
60 マウント部材
62 ハンガゴム
Claims (4)
- 板材によって閉断面状に形成され且つ車体前後方向に延びる排気管の上側を跨ぐ湾曲部を有するクロスメンバ部材の縦壁に車体側固定部が固定された車体側ハンガと、前記排気管に排気管側固定部が固定された排気管側ハンガと、前記両ハンガに形成された連結端部を夫々挿通させるハンガゴムを有するマウント部とを備えた車両の排気管支持構造において、
前記車体側固定部が前記湾曲部の下縁近傍部に沿うように前記クロスメンバ部材の縦壁に固定され、
前記両ハンガの連結端部が前記排気管から離隔する方向を指向するように夫々配設されたことを特徴とする車両の排気管支持構造。 - 前記車体側ハンガに、前記車体側固定部に対して前記排気管と対称位置において前記クロスメンバ部材の縦壁に固定された第2車体側固定部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両の排気管支持構造。
- 前記車体側ハンガはブラケットを備え、前記ブラケットに前記車体側固定部と第2車体側固定部とが形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両の排気管支持構造。
- 前記マウント部が前記排気管に対して車幅方向にオフセット配置されると共に側面視にて上下方向に重なり合うように配置されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の排気管支持構造。
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