JP2015189138A - 抗菌フィルムおよび包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温保管環境下においても抗菌性が保たれ、かつ収容物に対する安全性の高い抗菌フィルムおよび包装体を提供する。
【解決手段】本発明の抗菌フィルム100は、不溶性の有機系抗菌粒子230がブレンドされたシーラント層210を含む。これにより、低温保管環境下(例えば2℃以下)においても抗菌性が保たれる。また、有機系抗菌粒子230は、25℃の水に対する溶解度が1000ppm以下、好ましくは100ppm以下である。したがって、有機系抗菌粒子230が抗菌対象へ移行することを効果的に抑制するため、抗菌対象に対する安全性も高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗菌フィルムおよび包装体に関する。より具体的には、食品の真空包装用の抗菌フィルムに関する。
食品の保存に用いる抗菌フィルムとして、抗菌剤を含ませたフィルムが知られている。
たとえば、特開平05−000074号公報(特許文献1)には、少なくとも内容物に接する内面の一部あるいは全てに、キトサンを付与して成る容器に食品を充填、密封することを特徴とする食品の保存方法が記載されている。この容器は、共押出し法により、複数の熱可塑性樹脂を共押出しして、少なくともキトサンを含む層が端側になるように積層した積層体を用いて、該積層体のキトサンを含む層が内側になるように、真空成形,圧空成形,真空圧空成形又は熱シールにより製造する方法、および、押出しコ−ティング法又は押出し法により熱溶融した樹脂をTダイより押出し、冷却ロールで冷却されるまでの間に、押出された樹脂上に又は冷却ロール上にキトサン散布手段によりキトサンを散布し、冷却ロールで冷却後樹脂表面にキトサンを保持した樹脂フィルム,樹脂シート又は積層樹脂フィルム,積層樹脂シートを用いて、前記樹脂フィルム,樹脂シート又は積層樹脂フィルム,積層樹脂シートのキトサンを有する面が内側になるように、真空成形,圧空成形,真空圧空成形又は熱シールにより製造する方法、のいずれかで製造される。
たとえば、国際公開第2008/139593号パンフレット(特許文献2)には、内層に抗酸化剤と抗菌剤とを含有するポリエチレンフィルム、外層に高ガスバリア性のポリビニルアルコールフィルムを積層した二層構造プラスチックシートからなることを特徴とする包装容器用プラスチックシートが開示されている。
特開平05−000074号公報 国際公開第2008/139593号パンフレット
しかしながら、特開平05−000074号公報に記載の容器に用いられているキトサンは水溶性が高い。このため、散布手段によりキトサンを表面に保持させたフィルムは抗菌効果が高いものの、接触する食品中にキトサンを溶出させやすい。つまり、キトサンを表面に保持させたフィルムは、食品にとって無用の添加剤を添加するものとなる点で問題となる。
国際公開第2008/139593号パンフレットに記載の包装容器用プラスチックシートに用いられている抗菌剤は、銀イオン系抗菌剤である。銀イオン系抗菌剤の抗菌効果の発現の条件は、銀イオンが担体から水中に溶出することにある。したがって、例えば2℃程度の低温保管を要求されるような環境では、水の電気抵抗が高いため銀イオンが溶出しにくく、抗菌効果が得られにくい。
そこで本発明の目的は、低温保管環境下においても抗菌性が保たれ、かつ収容物に対する安全性の高い抗菌フィルムおよび包装体を提供することにある。
(1)
本発明の抗菌フィルムは、不溶性の有機系抗菌粒子を少なくとも含む不溶性抗菌粒子がブレンドされたシーラント層を含む抗菌フィルムである。
本発明において、不溶性抗菌粒子および不溶性の有機系抗菌粒子の不溶性とは、25℃の水に対する溶解度が1000ppm以下、好ましくは100ppm以下であることをいう。
本発明の抗菌フィルムは、不溶性の有機系抗菌粒子を用いることにより、低温保管環境下(例えば2℃以下)においても抗菌性が保たれ、かつ、不溶性の有機系抗菌粒子を少なくとも含む不溶性抗菌粒子を、25℃の水に対する溶解度が1000ppm以下であるものとすることにより、有機系抗菌粒子を含め抗菌粒子自身が抗菌対象へ移行することを効果的に抑制するため、抗菌対象に対する安全性が高い。
(2)
シーラント層を構成する樹脂および不溶性抗菌粒子の重量和に対し、不溶性抗菌粒子の重量割合は0.5重量%以上であってよい。
不溶性抗菌粒子のブレンド量が0.5重量%以上であることによって、好ましい抗菌性が発揮される。
(3)
さらに、シーラント層を構成する樹脂および不溶性抗菌粒子の重量和に対し、不溶性抗菌粒子の重量割合は15重量%以下であってよい。
不溶性抗菌粒子のブレンド量が15重量%以下であることにより、好ましい透明性が担保される。
(4)
シーラント層の膜厚は、3μm以上15μm以下であってよい。
シーラント層の膜厚が3μm以上であることにより、有機系抗菌粒子が好ましくシーラント層に保持され、15μm以下であることにより、好ましい透明性が担保される。
(5)
本発明の抗菌フィルムは、曇度(JISK7136)が30%以下であることが好ましい。
これによって、抗菌フィルムの好ましい透明性が担保される。
(6)
本発明の抗菌フィルムは、シーラント層に接触して積層された隣接層をさらに含んでよい。この場合、シーラント層を構成する樹脂および隣接層を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であってよい。
このように、隣接層を構成する樹脂とシーラント層を構成する樹脂とがいずれも同類のポリオレフィンであることにより、フローマークの発生、および隣接層とシーラント層との間の界面荒れによる曇度上昇を抑制できるため、外観性に優れる。
なお、隣接層を構成する樹脂とシーラント層を構成する樹脂とは、上述の樹脂であれば、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(7)
(6)に記載の本発明の抗菌フィルムにおいて、ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との混合樹脂のいずれかであってよい。
これによって、本発明の抗菌フィルムの製造時(たとえば、成形時および製袋時等の少なくともいずれかの時)の取扱性容易性(たとえば、滑り性およびシール性の少なくともいずれかの特性)に優れる。
(8)
本発明の抗菌フィルムは、不溶性抗菌粒子が無機系抗菌粒子をさらに含んでよい。
これによって、より高い抗菌効果を必要とする非低温環境下において、有機系抗菌粒子による抗菌効果のみならず、無機系抗菌粒子による抗菌効果が発揮される。
なお、不溶性抗菌粒子に無機系抗菌粒子が含まれる場合、不溶性抗菌粒子中の有機系抗菌粒子の含有量はたとえば30重量%以上100%未満、無機系抗菌粒子の含有量はたとえば0重量%超70重量%以下であってよい。これによって、不溶性有機系抗菌粒子による効果を好ましく得るとともに、無機系抗菌粒子の効果も付与することができる。
(9)
本発明の抗菌フィルムが隣接層をさらに含む場合、シーラント層の、隣接層とは反対側の面から、無機系抗菌粒子の表面の一部が露出していてよい。この場合、無機系抗菌粒子の露出した表面による当該反対側の面の表面拡大率が0.5%以上であってよい。
これによって、無機系抗菌粒子による抗菌効果に優れ、かつ、当該抗菌性が即効性を示す。さらに、無機抗菌材の表面の一部が露出する側と反対側に、隣接層が直接的に積層されているため、外観性にも優れる。
(10)
本発明の抗菌フィルムが隣接層をさらに含む場合、隣接層には、耐ピンホール性樹脂層、酸素バリア性樹脂層、光沢性樹脂層、水蒸気バリア性樹脂層、および耐レトルト性樹脂層の少なくともいずれかの機能性層がさらに積層されていてよい。
これによって、耐ピンホール性、酸素バリア性、光沢性、水蒸気バリア性、および耐レトルト性の少なくともいずれかの機能が付与される。なお、機能性層の積層態様としては、隣接層に接して直接的に積層される場合と、他の層(たとえば接着性層)を介して間接的に積層される場合との両方の態様がある。
機能性層は透明樹脂であることが好ましい。これによって、抗菌フィルムに、良好な外観性を担保しつつ、さまざまな機能を付与することができる。
(11)
本発明の包装体は、(1)から(10)に記載の抗菌フィルムを含む。
したがって、本発明の包装体は、低温時の抗菌性および安全性に優れる。
本発明によって、低温保管環境下においても抗菌性が保たれ、かつ収容物に対する安全性の高い抗菌フィルムおよび包装体を提供することができる。
第1実施形態にかかる抗菌フィルムの一例を示す模式的断面図である。 図1の一部拡大図である。 第1実施形態にかかる抗菌フィルムの他の例を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる抗菌フィルムの他の例を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる抗菌フィルムの他の例を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる抗菌フィルムの他の例を示す模式的断面図である。 第2実施形態にかかる抗菌フィルムの一例を示す模式的断面図である。 図7の一部拡大図である。 第3実施形態にかかる包装体の一例を示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の要素には同一の符号を付しており、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる抗菌フィルムの一例を示す模式的断面図である。図2は、図1の一部拡大図である。なお、以下において、説明の便宜上、図1および図2の上側への方向を上、下側への方向を下と記載する場合があるが、それらの方向が、製造時および使用時における絶対的方向を指すものではない。
[抗菌フィルムの構造]
図1に示すように、抗菌フィルム100は、シーラント層210と、隣接層220と、有機系抗菌粒子230と、中間層300と、外層400と、接着層510,520を含む。
隣接層220は、シーラント層210上に接触して設けられる。中間層300は、隣接層220上に、接着層510を介して設けられる。さらに外層400は、中間層300上に、接着層520を介して設けられる。
図2に示すように、シーラント層210には、有機系抗菌粒子230が埋め込まれている。有機系抗菌粒子230の表面の一部(以下、微小な面積を有する表面部分という趣旨で、露出点231と記載する。)は、シーラント層210の下側の面211で露出することにより、抗菌性を発揮する。本実施形態において、露出点231の表面およびシーラント層210の下側の面211は、有機系抗菌粒子230が埋め込まれていない場合の仮想面211Vと略一致する。
したがって、図1の実施形態においては、シーラント層210の厚みT1、隣接層220の厚みT2および抗菌フィルム100の総厚T4を規定する面211Mおよび面212Mは、それぞれ、シーラント層210の下側の面211(図2参照)および上側の面212(図2参照)とほぼ同一である。
シーラント層210において、シーラント層210を構成する樹脂と有機系抗菌粒子230との重量和に対し、有機系抗菌粒子230の重量割合はたとえば0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。これによって好ましい抗菌性が発揮される。抗菌フィルム100は、有機系抗菌粒子230がこのような割合でシーラント層210中に練りこまれ、その一部が上述のとおり露出しているため、良好な抗菌性が担保される。抗菌性の一例として、たとえば、JISZ2801に準拠した抗菌性試験にて定義されている、抗菌効果の判断基準「菌活性値2.0以上」を達成できる。つまり、JISZ2801に準拠したプラスチックフィルムの抗菌試験を行った場合、例えば食肉に一般的に存在する好気性菌である緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)および嫌気性菌である乳酸菌(Enterococcus faecalis)のいずれに対しても、10000個程度植菌後24時間経過時の残菌数がたとえば100個未満となる程度で達成可能である。
また、有機系抗菌粒子230の重量割合はたとえば20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは12重量%以下である。これによって、好ましい透明性が担保される。
有機系抗菌粒子230の平均粒子径は、たとえば、0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上8μm以下である。平均粒子径が0.5μm以上であることにより、有機系抗菌粒子230を埋め込まれることによるシーラント層210の(ひいては抗菌フィルム100の)曇度上昇を許容範囲内に調整しやすく、10μm以下であることより、有機系抗菌粒子230間の距離を小さくし、シーラント層210の下側の面211において露出点231を密に分布させることで、抗菌効率を良好にすることができる。
なお、平均粒子系とは、レーザー回析錯乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する(以下、本明細書において同様)。
シーラント層210の厚みT1(図1参照)は、たとえば、3μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下、さらに好ましくは3.5μm以上12.5μm以下である。3μm以上であることにより、有機系抗菌粒子230が好ましくシーラント層210に保持される。20μm以下、特に15μm以下であることにより、抗菌フィルム100の好ましい透明性が担保される。
抗菌フィルム100の透明性は、JISK7136に準じる曇度がたとえば40%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下、またさらに好ましくは20%以下である。
隣接層220は、有機系抗菌粒子230を含まない。隣接層220は、シーラント層210の上側の面212と、当該面212において存在しうる有機系抗菌粒子230の露出点232の表面とを被覆する(図2参照)ことによって、抗菌フィルム100の透明性を良好にする。
隣接層220は、抗菌フィルム100の透明性を好ましく確保するために、内部ヘイズが10%以下であることが好ましい。ここで、隣接層220の内部ヘイズとは、隣接層220によって発生しうる散乱に起因する曇りの度合いである。具体的には、JIS-K-7105に準じてフィルムヘイズを測定するときに、フィルム(抗菌フィルム100)表面の凹凸による光散乱を排除するために、当該フィルムの両面に透明テープを貼ったサンプルを作成し、ヘイズメータを用いて内部ヘイズを測定し、フィルム内部(隣接層220)の光散乱のみを抽出したものである。
隣接層220の厚みT2は、たとえば、10μm以上250μm以下、好ましくは15μm以上225μm以下である。10μm以上であることにより、抗菌フィルム100の透明性を良好にすることができ、250μm以下であることにより、抗菌フィルム100の薄膜化が容易となる。
抗菌フィルム100の総厚T4は、40μm以上300μm以下、一例として100μmである。
上述の本実施形態では、露出点231の表面およびシーラント層210の下側の面211が、有機系抗菌粒子230が埋め込まれていない場合の仮想面211Vと略一致する場合を例示したが、本発明は、有機系抗菌粒子230の表面の、露出点231より広い面積の部分(以下、露出点より広い表面を有する表面部分という趣旨で、露出表面と記載する。)がシーラント層210の下側の面211で露出することにより、露出表面がシーラント層210から突出する程度にはみ出す態様を除外するものではない。この場合、有機系抗菌粒子230の表面がシーラント層210の上側の面212からも突出してはみ出すことがある。
このような場合、図1に示す面211Mおよび/または面212Mは、シーラント層210の面211,212から突出してはみ出した有機系抗菌粒子230の表面を考慮して平均化された面として取り扱う。したがってこの場合、シーラント層210の厚みT1、隣接層220の厚みT2および抗菌フィルム100の総厚T4は、有機系抗菌粒子230の表面が突出してはみ出した場合を考慮した平均厚みを意味する。
また、有機系抗菌粒子230の表面がシーラント層210の面212からも突出してはみ出す場合であっても、隣接層220は、面212における表面非平滑性を緩衝することができる。具体的には、シーラント層210の面212からはみ出した有機系抗菌粒子230の表面が隣接層220内に嵌入することによって、シーラント層210の面212における表面非平滑性を緩衝する。これによって、隣接層220の、シーラント層210と反対側の面222(図2参照)は平滑となる。
隣接層220の厚みT2は、上述の緩衝機能を確保する場合、たとえば有機系抗菌粒子230の平均粒子径の300%以上、好ましくは400%以上とすることができる。これにより、シーラント層210の面212の表面非平滑性の緩衝を十分とすることができ、良好な透明性を保つことができる。
[シーラント層の材料]
シーラント層210を構成する樹脂は、熱可塑性透明樹脂であることが多い。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば炭素数2以上12以下、好ましくは2以上6以下のα−オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。
共重合体の場合、共重合様式としては、交互共重合、ランダム共重合およびブロック共重合を問わない。たとえば、エチレンモノマーまたはプロピレンモノマーと、他のα−オレフィンモノマーとのランダムおよび/またはブロック共重合体、具体的にはポリプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、及びポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリブテン−1などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または複数種の組み合わせで用いることができる。
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂が、エチレンの単独重合体および共重合体(ポリエチレン系樹脂)、プロピレンの単独重合体および共重合体(ポリプロピレン系樹脂)、ならびにポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との混合樹脂から選択されることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂のうち、エチレン単独重合樹脂は、実質的にエチレンモノマーのみから構成される分岐状ポリエチレンである。透明性の観点から、エチレン単独重合樹脂の密度は、910kg/m以上930kg/m未満であることが好ましい。このような分岐状ポリエチレンの好ましい例として、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂のうち、エチレン共重合樹脂は、エチレンモノマーと、その他のコモノマーとから構成される樹脂である。好ましくは、ポリエチレンの直鎖を主鎖として、コモノマーに由来する側鎖を有する直鎖系エチレン共重合樹脂である。また、エチレン共重合樹脂は、下記の樹脂を単独でまたは複数種の混合態様で用いてもよい。
エチレン共重合樹脂のコモノマーとしては、α−オレフィン、ビニル化合物、およびアクリルアミド系化合物の少なくともいずれかが挙げられる。
コモノマーとしてのα−オレフィンは、炭素数3以上20以下、好ましくは3以上12以下、より好ましくは4以上8以下である。より具体的には、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらα−オレフィンは、1種または2種以上が組み合わされて用いられてよい。
α−オレフィンをコモノマーとするエチレン共重合樹脂のより具体的な例としては、直鎖低密度ポリエチレン(L−LDPE) 、中密度ポリエチレン(MDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
コモノマーとしてのビニル化合物は、たとえば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの不飽和エーテルなどであってよい。これらビニル化合物は、1種または2種以上が組み合わされて用いられてよい。
コモノマーとしてのアクリルアミド系化合物は、たとえば、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N−アルキルメタアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタアクリルアミドなどであってよい。これらアクリルアミド系化合物は、1種または2種以上が組み合わされて用いられてよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン系樹脂であってよい。また、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンと他の少量のコモノマーであるα−オレフィンとのランダムおよび/またはブロック共重合体であってもよい。コモノマーとしてのα−オレフィンは、エチレンまたは炭素数4以上20以下、好ましくは3以上12以下、より好ましくは4以上8以下である。より具体的には、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらα−オレフィンは、1種または2種以上が組み合わされて用いられてよい。
より具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、及びポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリブテン−1などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または複数種の組み合わせで用いることができる。
[有機系抗菌粒子の材料]
有機系抗菌粒子230は、微生物に対して薬理作用し殺菌効果を発揮する有機物である。有機系抗菌粒子230は、25℃の水に対する溶解度が1000ppm以下、好ましくは100ppmであればよく、薬理作用機構および化学構造は問わない。薬理作用の機構の例としては、微生物の生合成の阻害、微生物のエネルギー獲得系の阻害、微生物の生体物質(酵素等の蛋白質および核酸など)の損傷、および微生物の細胞構造の破壊などが挙げられる。有機系抗菌剤の化学構造の例としては、有機ヨード系、フェノール系、ピリジン系、キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、アニリド系、ニトリル系、イミダゾール系、チアゾール系、アルコール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、ジスルフィド系、チオカーバネメート系、エーテル系、過酸化物系、エポキシ系、ビグアナイド系、芳香族化合物系および界面活性剤系が挙げられる。
上記有機系抗菌粒子230の例示の中でも、不溶性を考慮した場合、有機ヨード系化合物、たとえばジヨードメチル−p−トリルスルホンおよび1−ジヨードメチルスルホニル−4−クロロベンゼンの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
[隣接層の材料]
隣接層220を構成する樹脂は、可撓性を有する透明樹脂である。好ましくは、隣接層220を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂としては、シーラント層210を構成する樹脂として例示したものが挙げられる。
隣接層220を構成する樹脂は、シーラント層210を構成する樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。本発明においては、隣接層220を構成する樹脂が、シーラント層210を構成する樹脂と同じである場合、両層の境界が不明瞭であっても、シーラント層210と隣接層220とは互いに接触して積層された状態であるとする。この場合、有機系抗菌粒子230が含まれている層状の部分がシーラント層210であり、有機系抗菌粒子230が含まれていない層状の部分が隣接層220であると判断することができる。また、有機系抗菌粒子230がシーラント層210の下側の面211から突出して露出するように埋め込まれていてもよい。
[中間層および外層の材料]
中間層300および外層400は、隣接する層の物性、抗菌フィルム100の用途、製法、および/または包装体700(後述)製造時の処理(高温加熱処理等のレトルト処理、低温ボイル処理等)を考慮し、所望する機能に応じて当業者が適宜決定することができる。これらの層に担わせる機能としては、機械的物性(たとえば剛性、耐衝撃性、耐屈曲性および耐ピンホール性など)、耐レトルト性、耐水性、帯電防止性、耐薬品性、保香性、非吸着性、酸素バリア性、水蒸気バリア性、光沢性、ラベル適性(すなわち、ラベルが曲面に追従して貼り付け可能であり、かつ、貼り付け時から長時間経過しても剥がれ落ちにくい特性)等が挙げられる。
例えば、耐ピンホール性樹脂層としては、ポリアミド系樹脂の層が挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,8)、共重合樹脂であるカプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,12)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)等といった結晶性ポリアミド、その主骨格がテレフタル酸およびイソフタル酸のうちの少なくとも一方とヘキサメチレンジアミンとが重合したもの、具体的には、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の共重合体などといった非晶性のポリアミド系樹脂が用いられる。これらの樹脂は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
酸素バリア性樹脂層としては、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体;EVOH)の層が挙げられる。EVOHのエチレン共重合比率は、特に限定されないが、24モル%以上44モル%以下であることが好ましい。エチレン共重合比率が24モル%以上であることによって、抗菌フィルム100の加工性に優れ、加熱水または蒸気の影響によって酸素バリア性が低下することを良好に抑制できる。エチレン共重合比率が44モル%以下であることにより、乾燥状況下における酸素バリア性が良好となり、内容物の変質が起こりにくくなる。
水蒸気バリア性樹脂層としては、高密度ポリエチレン(HDPE)およびポリプロピレン系樹脂の層が挙げられる。
高密度ポリエチレン(HDPE)は、エチレンモノマーが実質的に直鎖状に結合した、密度0.942以上の結晶性ポチエチレンである。
ポリポロピレン系樹脂としては、例えば結晶性ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。具体的には、結晶性ポリプロピレン系樹脂として、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレンおよびα−オレフィンの少なくとも一方とプロピレンとの結晶性ブロック共重合体などが挙げられる。上記のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数4以上10以下のα−オレフィンが挙げられる。なお、これらα−オレフィンは、任意の比率で共重合されてよい。
光沢性樹脂層としては、ポリエステル系樹脂の層が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば酸成分としてテレフタル酸などの2価の酸、またはエステル形成能を持つそれらの誘導体を用い、グリコール成分として炭素数2以上10以下のグリコール、その他の2価のアルコールまたはエステル形成能を有するそれらの誘導体などを用いて得られる飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。具体的には、飽和ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラメチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂などのポリアルキレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。これらポリエステル系樹脂により、抗菌フィルム100の見栄えおよび質感の少なくとも一方を向上させることができる。
また、ポリエステル系樹脂には、他の成分を共重合させてもよい。共重合させる成分としては、公知の酸成分、アルコール成分、フェノール成分、またはエステル形成能を持つこれらの誘導体、ポリアルキレングリコール成分などが用いられる。
共重合させる酸成分としては、例えば、2価以上の炭素数8以上22以下の芳香族カルボン酸、2価以上の炭素数4以上12以下の脂肪族カルボン酸、2価以上の炭素数8以上15以下の脂環式カルボン酸、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体などが用いられる。具体的には、共重合させる酸成分として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボジフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびエステル形成能を有するこれらの誘導体などが挙げられる。これらの酸成分は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
共重合させるアルコール成分およびフェノール成分としては、例えば、2価以上の炭素数2以上15以下の脂肪族アルコール、2価以上の炭素数6以上20以下の脂環式アルコール、炭素数6以上40以下の2価以上の芳香族アルコール、2価以上のフェノール、またはエステル形成能を有するこれらの誘導体などが挙げられる。具体的には、共重合させるアルコール成分およびフェノール成分として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の化合物、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体などが挙げられる。
共重合させるポリアルキレングリコール成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダムまたはブロック共重合体、ビスフェノール化合物のアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダムまたはブロック共重合体など)付加物などの変性ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
耐レトルト性樹脂層としては、ポリアミド系樹脂の層と酸素バリア性樹脂層との積層が挙げられる。より具体的には、ポリアミド系樹脂の層、酸素バリア層、およびポリアミド系樹脂の層がこの順で積層されたものが挙げられる。酸素バリア層の両面にそれぞれ接するようにポリアミド系樹脂の層が直接積層されることにより、レトルト処理によって低下する酸素バリア性の回復を助ける。つまり、レトルト処理により吸湿された水分は、酸素バリア性樹脂層に保持されるとともに、酸素バリア層の両面にそれぞれ直接ポリアミド系樹脂の層が積層されることで接着剤層のようなポリオレフィン樹脂の防湿性を有する層を有さないことにより、酸素バリア性樹脂層に吸収された水分が速やかに排出される。これにより、レトルト処理によって低下する酸素バリア性の回復が好ましく助けられると考えられる。ただし、本発明においては、耐レトルト性を発揮するメカニズムは上述に限られるものではない。
また、耐レトルト性樹脂層の構成層となる酸素バリア性樹脂層は、ポリアミド樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)とを含有する樹脂組成物を含むものであってよい。これによって耐熱バリア性を付与することもできる。これにより、レトルト処理により低下した酸素バリア性のより早い回復が可能となる。
尚、耐レトルト性樹脂層の構成層となる酸素バリア性樹脂層にポリアミド系樹脂を含む場合、ポリアミド系樹脂の含有量は、5重量%以上、30重量%以下であることが好ましく、15重量%以上、25重量%以下であることがより好ましい。ポリアミド系樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、EVOHの良好な酸素バリア性を保持しつつ、レトルト処理後の酸素バリア性の早い回復が可能となる。
EVOH樹脂のエチレン共重合比率は、特に限定されないが、20モル%以上、60モル%以下であることが好ましく、25モル%以上50モル%以下であることがより好ましい。エチレン共重合比率を25モル%以上であることにより押出しが容易であり、50モル%以下であることにより酸素バリア性を良好に保つことができる。
さらに、抗菌フィルム100で内容物を包装した後の包装体に低温ボイル処理、例えば60℃以上、95℃以下程度の加熱滅菌処理を行う場合、耐熱性の高いポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、融点の高いポリエステル系樹脂などの層であることが好ましい。
また、抗菌フィルム100で内容物を包装した後の包装体に加熱滅菌処理を行わない場合、包装体の見栄えおよび手にしたときの質感の少なくとも一方を向上させるために、光沢性または剛性が良好なポリエステル系樹脂、ラベル適性または剛性が良好なEVOH樹脂などであることが好ましい。
[接着層の材料]
接着層510,520を構成する樹脂は、隣接層220、中間層300および外層400それぞれを構成する樹脂の特性(具体的には、層間の接着強度、層を構成する樹脂の腰の強さ、耐ピンホール性、柔軟性または成形性など)に応じて、当業者が適宜選択することができる。接着層510,520を構成する樹脂は、透明樹脂であり、公知の接着性樹脂、例えば、接着性ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。より具体的には、不飽和カルボン酸又は酸誘導体で変性された変性ポリオレフィン系樹脂、ならびに当該変性ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との重合体および混合物が挙げられる。さらに具体的には、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、および、ポリプロピレン等の各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたものなどが用いられる。一塩基性不飽和脂肪酸として、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。二塩基性不飽和脂肪酸として、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。したがって、接着性樹脂としては、たとえば、マレイン酸グラフト化エチレン−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
[抗菌フィルムの製造]
抗菌フィルム100は、たとえば、有機系抗菌粒子230を分散させたシーラント層210製膜用樹脂組成物(シーラント層210製膜用樹脂組成物中の有機系抗菌粒子230の量は、0.5重量%以上20重量%以下、好ましくは1重量%以上15重量%以下)と、隣接層220製膜用樹脂組成物と、中間層300製膜用樹脂組成物と、外層400製膜用樹脂組成物と、接着層510,520製膜用樹脂組成物を、空冷式または水冷式共押出インフレーション法、もしくは共押出Tダイ法を用いて製膜することができる。共押出Tダイ法を用いる場合、適切なフィードブロックとダイを使用することで製膜することができる。共押出Tダイ法は、抗菌フィルム100の厚さの制御および透明性の点から好ましい。
上記の他、有機系抗菌粒子230が埋め込まれたシーラント層210と、隣接層220と、中間層300と、外層400とを予め別々に製膜し、接着層510,520製膜用樹脂組成物を用いてそれぞれの層をラミネーター等により互いに接合する方法によって抗菌フィルム100を製造してもよい。
[第1実施形態の他の例]
本発明においては、上記の第1実施形態に限らず、所望の抗菌性、および透明性等の外観性を損なわない限り、任意の変更が加えられてよい。図3から図6は、第1実施形態にかかる抗菌フィルムの他の例を示す模式的断面図である。
上記の第1実施形態においては、隣接層220の上にさらに中間層300と外層400とが積層されているが、例えば図3に示す抗菌フィルム100aは、外層400を有しない。この場合、たとえば、中間層300自体に、機械的強度とその他の所望の機能性を併せ持つ樹脂を用いることができる。一方、図4に示す抗菌フィルム100bは、中間層300を有しない。この場合、外層400に所望の機能性とその他機械的強度とを併せ持つ樹脂を用いることができる。その他に、中間層300および外層400の両方を有していなくてもよい。
また、上記の第1実施形態においては、中間層300が1層のみ設けられているが、中間層300は複層であってもよい。図5に示す抗菌フィルム100cは、中間層300cが機能性層310cと機能性層320cとの複層で構成される。機能性層310cと機能性層320cとは、それぞれ、異なる機能を担わせることができる。
さらに、図6に示す抗菌フィルム100dのように、中間層300dが、機能性層310dと機能性層320dとが組み合わされた複層が繰り返し積層されたものであってもよい。
上記の第1実施形態および他の例においては、接着層510,520が設けられているが、これらは、積層すべきそれぞれの層を構成する樹脂の特性に応じて、当業者がその要否を容易に決定することができるものである。
その他、第1実施形態および他の例においては、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、樹脂改質剤、安定剤などの添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤などの添加剤が適宜用いられてもよい。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態にかかる抗菌フィルムの一例を示す模式的断面図である。
図7に示される抗菌フィルム100eにおいては、シーラント層210eに、有機系抗菌粒子230と、無機系抗菌粒子240との両方が埋め込まれている。以下、有機系抗菌流水230と無機系抗菌粒子240とを合わせて不溶性抗菌粒子と記載する場合がある。
シーラント層210eにおいて、シーラント層210eを構成する樹脂と不溶性抗菌粒子との重量和に対し、不溶性抗菌粒子の重量割合はたとえば0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。これによって好ましい抗菌性が発揮される。また、不溶性抗菌粒子の重量割合はたとえば20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは12%以下である。これによって、好ましい透明性が担保される。
また、不溶性抗菌粒子中の無機系抗菌粒子240の含有量はたとえば0重量%超70重量%以下、好ましくは0重量%超60重量%以下であってよい。これによって、有機系抗菌粒子230による効果を好ましく得るとともに、無機系抗菌粒子240の効果も付与することができる。
埋め込まれた無機系抗菌粒子240の表面の一部(露出表面241)は、隣接層220eと反対側の面211eから突出して露出する。無機系抗菌粒子240の露出表面241の面積(露出面積)と、無機系抗菌粒子240が露出していない面211eの面積との和は、無機系抗菌粒子240が埋め込まれていない場合のシーラント層210eの仮想面211Vの面積の1.005倍以上、好ましくは1.01倍以上である。(つまり、無機系抗菌粒子240の露出表面241が突出することにより、仮想面211Vが0.5%以上、好ましくは1%以上拡大される。)無機系抗菌粒子240がもたらす抗菌性は、露出表面241の露出面積をある程度確保することで頭打ちとなるため、当該露出面積と面211eの面積との和の範囲内の上限値は特に限定されないが、透明性確保の観点からは、当該上限値はたとえば1.1倍である。
抗菌フィルム100は、無機系抗菌粒子240が上述のとおり露出しているため殺菌性に即効性があり、さらに有機系抗菌粒子230による抗菌性とも相まって、優れた抗菌性を発揮する。抗菌性の一例として、たとえば、JISZ2801に準拠した抗菌性試験にて定義されている、抗菌効果の判断基準「抗菌活性値2.0以上」を達成できる。
無機系抗菌粒子240の平均粒子径は、たとえば、2μm以上10μm以下、好ましくは2.5μm以上8μm以下である。平均粒子径が2μm以上であることで、無機系抗菌粒子240が露出しやすく、且つ、無機系抗菌粒子240に起因するシーラント層内の光の分散を抑制し、透明性を良好にすることができる。また、平均粒子径が10μm以下であることで、製膜安定性に優れる。
シーラント層210eの厚みT1(図7参照)は、無機系抗菌粒子240の粒径に近い厚みで設計されることが好ましい。具体的には、無機系抗菌粒子240の平均粒子径のたとえば50%以上300%以下である。さらに、シーラント層210eの厚みT1の範囲は、60%,70%,80%,90%,100%,110%,150%,200%,250%のいずれか2つの数値を上下限値とする範囲であってもよい。より具体的には、シーラント層210eの厚みT1の範囲は、たとえば、3μm以上15μm以下、好ましくは3.5μm以上12.5μm以下である。
厚みT1が、無機系抗菌粒子240の平均粒子径の50%以上であることにより、透明性が良好となり、300%以下であることにより、無機系抗菌粒子240が露出しやすくなり、非低温環境下における抗菌性が担保されやすい。
ここで、本実施形態においては、図7に示すシーラント層210eの厚みT1、隣接層220eの厚みT2および抗菌フィルム100eの総厚T4を規定する面211Mおよび/または面212Mは、無機系抗菌粒子240がシーラント層210eの面211,212(図8参照)からはみ出した面を考慮して平均化された面である。したがって、図7に示すシーラント層210eの厚みT1、隣接層220eの厚みT2および抗菌フィルム100eの総厚T4は、無機系抗菌粒子240のはみ出しを考慮した平均厚みを意味する。
シーラント層210eの厚みT1が無機系抗菌粒子240に近い薄厚で構成されるため、図8に示すように、無機系抗菌粒子240の中には、他の表面の一部242が隣接層220側の面212からはみ出すものがあってもよい。したがってこの場合、シーラント層210eの面212eは表面平滑性に乏しい。隣接層220は、シーラント層210eの面212eの表面非平滑性を緩衝することができる。具体的には、シーラント層210eの面212からはみ出した無機系抗菌粒子240の他の表面の一部242が、隣接層220e内に嵌入することによって、シーラント層210eの面212eの表面非平滑性を緩衝する。これによって、隣接層220eの、シーラント層210eと反対側の面222eは平滑となる。
隣接層220eの厚みT2は、上述の緩衝機能を確保するために、たとえば無機系抗菌粒子240の平均粒子径の300%以上、好ましくは400%以上とすることができる。これによって、シーラント層210eの面212eの表面非平滑性の緩衝が十分となり、良好な透明性が担保される。当該厚みT2の範囲内の上限値は特に限定されるものではないが、例えば4700%、好ましくは4000%である。これによって、抗菌フィルム100e全体の薄膜化が容易になる。
[無機系抗菌粒子]
無機系抗菌粒子240は、無機系抗菌性物質を有する不溶性の粒子である。無機系抗菌物質を有する粒子が不溶性であるとは、25℃の水に対する当該粒子の溶解度が100ppm以下であることを意味する。これによって、抗菌フィルム100が食品包装に用いられる場合においても、抗菌対象である食品に対する安全性が高い。
具体的には、無機系抗菌粒子240は、無機系抗菌性物質と、無機系抗菌性物質を担持する担体とを含む。
無機系抗菌物質としては、銀、銅、および亜鉛が挙げられる。この中でも、銀が抗菌効果および安全性の観点から好ましい。担体としては、ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩)、シリカゲル、粘土鉱物などのケイ酸塩系担体、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩系担体、溶解性ガラス、活性炭、金属担体、有機金属などが挙げられる。
なお、本実施形態のシーラント層210eにおいて、シーラント層210eを構成する樹脂と、有機系抗菌粒子230と、無機系抗菌粒子240との重量和に対し、有機系抗菌粒子230の重量割合は0.2%以上6%以下、好ましくは0.25%以上5%以下であり、無機系抗菌粒子240の重量割合は0.3%以上9%以下、好ましくは0.5%以上8.5%以下である。これによって、製膜後に、シーラント層210から無機系抗菌粒子240の表面の一部を好ましく露出させることができる。
[第2実施形態の他の例]
本発明においては、上記の第2実施形態に、所望の抗菌性、および透明性等の外観性を損なわない限り、任意の変更が加えられてよい。たとえば、第1実施形態における図3から図6に例示したような積層構造が適用されてもよい。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態にかかる包装体の一例を示す模式的断面図である。
図9に示される包装体700は、底材710と蓋材720とから構成される。底材710には抗菌フィルム100が用いられ、抗菌フィルム100のシーラント層210側が凹となるように成形された凹部と、凹部を取り囲む、当該成形がなされていない辺縁部とから構成される。凹部は、たとえば深絞り成形によって形成される。凹部には、食品、飲料、医薬品等などの内容物(図示せず)が収容される。
本実施形態においては、蓋材720にも抗菌フィルム100が用いられる。蓋材720は、シーラント層210が底材710の辺縁部のシーラント層210と接触するように底材710を覆い、互いに接触するシーラント層210同士がシールされている。これによって、底材710の凹部が密閉される。好ましくは、内容物が真空包装されるように密閉される。内容物が真空包装されることにより、シーラント層210に埋め込まれた有機系抗菌粒子230(図1参照)による抗菌効果が効率的に得られる。
[第3実施形態の他の例]
上記の第3実施形態では、底材710と蓋材720とのいずれにも抗菌フィルム100が用いられている例を挙げたが、この態様に限定されるものではない。本発明においては、底材710および蓋材720の少なくともいずれかに抗菌フィルム100が用いられればよい。また、抗菌フィルム100の代わりに、抗菌フィルム100a,〜,100eが適宜用いられてよいことは言うまでもない。
底材710および蓋材720のいずれか一方に、抗菌フィルム100以外のフィルムが用いられる場合、本発明の他の構成を有する抗菌フィルムであってもよいし、本発明ではない抗菌フィルム、その他非抗菌フィルムが用いられてもよい。このうち、少なくとも収容物に触れる層が、抗菌フィルム100と同様に、有機系抗菌粒子230が埋め込まれたシーラント層210であることが好ましい。
蓋材720としては、たとえば、2軸延伸したポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、金属酸化物を蒸着した2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム(VM−PETフィルム)およびポリエチレン樹脂を積層したフィルム等が用いられてもよい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
まず、層構成として、酸素バリア性を有する外層/接着層/中間層/接着層/隣接層/不溶性抗菌粒子含有シーラント層を有する抗菌フィルムを作成した。
具体的には、酸素バリア性を有する外層および中間層を構成する樹脂として、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B2)を用意し、接着層を構成する樹脂として、接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を用意し、隣接層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名:F222NH)を用意した。シーラント層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名:F222NH)を用意した。抗菌粒子として、銀イオン系抗菌粒子(平均粒子径5μm、富士ケミカル株式会社製、商品名:バクテキラーOM-AJ-203)を用意した。
シーラント層を構成する低密度ポリエチレン樹脂に対し、2重量%の不溶性有機系抗菌粒子(平均粒子径0.4μm、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、25℃の水に対する溶解度10ppm、エムアイシー社製、オリジナルカインド)を分散させ、シーラント層用樹脂組成物を調製した。上記のポリアミド樹脂、接着性樹脂、ポリアミド樹脂、接着性樹脂、低密度ポリエチレン樹脂およびシーラント層用樹脂組成物を、この順番で積層されるように、フィードブロックおよびダイを用いて共押出した。これによって、抗菌フィルムを作成した。
得られた抗菌フィルムの平均厚みは60μm、具体的には、酸素バリア性を有するポリアミド外層が15μm、接着層が6μm、ポリアミド中間層が12μm、接着層が6μm、低密度ポリエチレン隣接層が18μm、不溶性抗菌粒子含有シーラント層が3μmであった。
また、得られた抗菌フィルムの外観(目視)は透明であり、JISK7136に準拠して測定した。なお、曇度は、抗菌フィルムの両面にパイロンクリスタルテープ(株式会社共和製)を貼ったサンプルを作成し、ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて内部ヘイズを測定し、抗菌フィルムの光散乱のみを抽出したものである。
<抗菌試験>
別途、菌液を2種類用意した。一方の菌液には、好気性菌であるシュードモナス(緑膿菌)を含ませた。他方の菌液には、通性嫌気性菌である乳酸菌を含ませた。上記2菌を選定した理由は、下記記載の保存試験で使用する肉について、腐敗の原因となる菌が上記2菌であることが特定できたためである。
JIS Z 2801に準拠して、抗菌試験を行った。具体的には、試験片の表面に菌液を滴下して植菌し(植菌数は10とした。)、上記得られた抗菌フィルムのシーラント層が菌液に接するように、菌液と抗菌フィルムとを密着させ、35℃±1℃、相対湿度90%以上の環境下で24時間±1時間培養した。その後、試験片を洗い流し、試験片1cmあたりの生菌数を測定し、抗菌活性値(対象区における菌数対数値から実施例で製造した抗菌フィルムにおける菌数対数値を差し引いた値)を算出した。なお、対象区は、不溶性抗菌粒子(本実施例においては不溶性有機系抗菌粒子)を添加しないフィルムとした。
<肉の保存試験>
得られた抗菌フィルムを用いて、豚ロース肉薄切り1枚を三方シール包装した。三方シール包装においては、脱気シールによって真空包装となるようにした。
包装された肉を2℃の冷蔵ショーケースで保管し、外観をモニターした。なお、外観は目視で判断し、判断指標としてはポークカラースタンダード(PCS)を使用し、対象区と比較して良化したかどうかを退色抑制効として判断した。良化したものは○、良化しなかったものは×と評価した。
[実施例2]
不溶性有機系抗菌粒子として、平均粒子径0.5μmのもの(エムアイシー社製、オリジナルカインド)を用いたことを除いて、実施例1と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例3]
不溶性有機系抗菌粒子として、平均粒子径1μmのもの(エムアイシー社製、オリジナルカインド)を用いたことを除いて、実施例1と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例4]
不溶性有機系抗菌粒子として、平均粒子径3μmのもの(エムアイシー社製、オリジナルカインド)を用いたことを除いて、実施例1と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例5]
不溶性有機系抗菌粒子として、平均粒子径10μmのもの(エムアイシー社製、オリジナルカインド)を用いたことを除いて、実施例1と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例6]
不溶性有機系抗菌粒子の量を0.5重量%としたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例7]
不溶性有機系抗菌粒子の量を4重量%としたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例8]
不溶性有機系抗菌粒子の量を9重量%としたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例9]
不溶性有機系抗菌粒子の量を15重量%としたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例10]
不溶性有機系抗菌粒子の量を16重量%としたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例11]
不溶性抗菌粒子含有シーラント層の膜厚を8μmとしたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例12]
不溶性抗菌粒子含有シーラント層の膜厚を15μmとしたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例13]
不溶性抗菌粒子含有シーラント層の膜厚を16μmとしたことを除いて、実施例4と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
実施例1から実施例13の結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1から実施例13の抗菌フィルムは、曇度、抗菌活性、および退色抑制効のいずれも良好なものとして得られた。
[実施例14]
シーラント層を構成する低密度ポリエチレン樹脂に対し、0.2重量%の不溶性有機系抗菌粒子(平均粒子径3μm、エムアイシー社製、オリジナルカインド)と、0.3重量%の不溶性無機系抗菌粒子(平均粒子径5μm、富士ケミカル社製銀イオン系抗菌粒子、商品名:バクテキラーOM−AJ−203)を分散させ、シーラント層用樹脂組成物を調製したことを除いて、実施例1と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例15]
不溶性有機系抗菌粒子の量を2重量%、不溶性無機系抗菌粒子の量を3重量%としたことを除いて、実施例14と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例16]
不溶性有機系抗菌粒子の量を6重量%、不溶性無機系抗菌粒子の量を9重量%としたことを除いて、実施例14と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
[実施例17]
不溶性有機系抗菌粒子の量を6.4重量%、不溶性無機系抗菌粒子の量を9.6重量%としたことを除いて、実施例14と同様に抗菌フィルムを製造し、各種試験を行った。
実施例14から実施例17の結果を表2に示す。表2に示すように、実施例14から実施例17の抗菌フィルムは、曇度、抗菌活性、および退色抑制効のいずれも良好なものとして得られた。
[実施形態および他の例における各部と請求項の各構成要素との対応関係]
本発明においては、抗菌フィルム100,100a,〜,100eが「抗菌フィルム」に相当し、シーラント層210,210eが「シーラント層」に相当し、隣接層220,220eが「隣接層」に相当し、有機系抗菌粒子230が「有機系抗菌粒子」に相当し、無機系抗菌粒子240が「無機系抗菌粒子」に相当し、露出表面241が「無機系抗菌粒子の表面の一部」に相当し、面211eが「隣接層とは反対側の面」に相当し、機能性層310c,310d,320c,320dが「機能性層」に相当し(中間層300,300c,300d、外層400、接着層510,520が「機能性層」であってもよい)、包装体700が「包装体」に相当する。
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれらのみに限定されるものではなく、本発明の趣旨と範囲とから逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。さらに、本実施形態において述べられる作用および効果は一例であり、本発明を限定するものではない。
100,100a,〜,100e 抗菌フィルム
210,210e シーラント層
211,211e (シーラント層の隣接層と反対側の)面
211V (抗菌粒子が埋め込まれていない場合のシーラント層の)仮想面
220,220e 隣接層
230 有機系抗菌粒子
231 (有機系抗菌粒子の)露出点
240 無機系抗菌粒子
241 (無機系抗菌粒子の)露出表面
300,300c,300d 中間層
310c,310d,320c,320d 機能性層
400 外層
510,520 接着層
700 包装体

Claims (11)

  1. 不溶性の有機系抗菌粒子を少なくとも含む不溶性抗菌粒子がブレンドされたシーラント層を含む、抗菌フィルム。
  2. 前記シーラント層を構成する樹脂と前記不溶性抗菌粒子との重量和に対し、前記不溶性抗菌粒子の含有量が0.5重量%以上である、請求項1に記載の抗菌フィルム。
  3. 前記シーラント層を構成する樹脂と前記不溶性抗菌粒子との重量和に対し、前記不溶性抗菌粒子の含有量が15重量%以下である、請求項2に記載の抗菌フィルム。
  4. 前記シーラント層の膜厚が3μm以上15μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の抗菌フィルム。
  5. 曇度(JISK7136)が30%以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の抗菌フィルム。
  6. 前記シーラント層に接触して積層された隣接層をさらに含み、前記シーラント層を構成する樹脂および前記隣接層を構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項1から5のいずれか1項に記載の抗菌フィルム。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との混合樹脂のいずれかである、請求項6に記載の抗菌フィルム。
  8. 前記不溶性抗菌粒子が、無機系抗菌粒子をさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の抗菌フィルム。
  9. 前記隣接層をさらに含む場合、前記シーラント層の、前記隣接層とは反対側の面から、前記無機系抗菌粒子の表面の一部が露出しており、
    前記無機系抗菌粒子の露出した表面による前記反対側の面の表面拡大率が0.5%以上である、請求項8に記載の抗菌フィルム。
  10. 前記隣接層をさらに含む場合、前記隣接層に、耐ピンホール性樹脂層、酸素バリア性樹脂層、光沢性樹脂層、水蒸気バリア性樹脂層、および耐レトルト性樹脂層の少なくともいずれかの機能性層がさらに積層されている、請求項6から9のいずれか1項に記載の抗菌フィルム。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の抗菌フィルムを含む包装体。
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