JP2015189069A - 液体収容容器、および、流路形成部材の製造方法 - Google Patents

液体収容容器、および、流路形成部材の製造方法 Download PDF

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石澤 卓
Taku Ishizawa
卓 石澤
寛之 川手
Hiroyuki Kawate
寛之 川手
賢太 姉川
Kenta Anegawa
賢太 姉川
健司 小澤
Kenji Ozawa
健司 小澤
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Abstract

【課題】濃度変動を抑制した液体を液体消費装置に供給するための技術を提供することを目的とする。【解決手段】液体消費装置に液体を供給可能な液体収容容器は、沈降成分を有する液体を収容可能な液体収容部と、液体収容部の一端部に位置する液体供給部と、液体収容部の内部と液体供給部とを連通させる流路を形成する流路形成部材と、を備え、液体消費装置に液体を供給する時に、液体収容容器は、液体収容部より重力方向の上側に位置するように液体消費装置に支持される支持状態となり、流路形成部材は、支持状態のときに、重力方向に間隔をあけて配置された複数の第1の連通孔であって、流路と流路形成部材の外部とを連通させる複数の第1の連通孔を有する。【選択図】図18

Description

本発明は、液体消費装置に液体を供給するための技術に関する。
従来、液体消費装置に液体を供給する技術として、液体を収容した液体収容容器を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1,2)。特許文献1の技術では、液体収容容器は、液体収容部と、外部と液体収容部の内部とを連通させる液体流路を有する導出部材とを有する。この導出部材は、鉛直方向における上部領域及び下部領域となる位置に液体を吸い込む液体吸込路を有する。これにより、液体の濃度が薄い部分と濃い部分とを液体吸込路によって吸い込んで混合させた後に外部に液体を導出している。
また、特許文献2の技術では、液体収容部内での沈降成分濃度の偏りを少なくするために、液体収容容器は、液体収容部の底面に沿って延設された底面延設部と、ポンプ室と、液体収容部の下部から液体をポンプ室に導く導入流路と、ポンプ室内の液体を液体収容部の上部へと導く導出流路とを備える。底面延設部は、液体を取り込むための複数の取込口が底面延設部の延設方向に並べて設けられている。
特開2008−87486号公報 特開2013−111845号公報
上記特許文献1の技術では、液体収容部の鉛直方向における長さが大きくなった場合、液体収容部内の上部及び下部の液体を液体吸込路内に効率良く吸い込むことができない場合が生じ得る。この場合、液体の濃度の薄い部分と濃い部分とを十分に混合させることができない可能性がある。また、上記特許文献2の技術では、液体を循環させるためのポンプ室を設ける必要がある為、液体収容容器の構造が複雑になる場合がある。
従って、本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、濃度変動を抑制した液体を液体消費装置に供給するための技術を提供することを目的とする。また、従来の技術において、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上、構造を簡単にできる技術等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体消費装置に液体を供給可能な液体収容容器が提供される。この液体収容容器は、沈降成分を有する液体を収容可能な液体収容部と、前記液体収容部の一端部に位置する液体供給部と、前記液体収容部の内部と前記液体供給部とを連通させる流路を形成する流路形成部材と、を備え、前記液体消費装置に液体を供給する時に、前記液体収容容器は、前記液体収容部より重力方向の上側に位置するように前記液体消費装置に支持される支持状態となり、前記流路形成部材は、前記支持状態のときに、重力方向に間隔をあけて配置された複数の第1の連通孔であって、前記流路と前記流路形成部材の外部とを連通させる複数の第1の連通孔を有する。
この形態の液体収容容器によれば、重力方向に間隔をあけて配置された複数の第1の連通孔から液体を流路形成部材内の流路に導入できるので、沈降成分の濃度の濃い液体と、薄い液体とが流路内で混合した後に液体供給部を介して液体消費装置に供給できる。これにより、濃度変動を抑制した液体を安定して液体消費装置に供給できるので、沈降成分による不具合の発生を抑制できる。例えば、液体消費装置に供給される液体の色相が大きく変化するという不具合や液体の粘度が大きく変化するという不具合の発生を抑制できる。また、この形態の液体収容容器によれば、濃度変動を抑制した液体を液体消費装置に供給するために流路形成部材を用いているので、液体収容容器の構造を簡単にできる。
(2)上記形態の液体収容容器であって、前記流路形成部材は、チューブであり、前記流路形成部材の端部は、前記液体供給部に接続されていても良い。
この形態の液体収容容器によれば、複数の第1の連通孔を有するチューブを用意し、チューブの端部を液体供給部に接続することで濃度変動を抑制した液体を安定して液体消費装置に供給できる。すなわち、液体収容容器の製造が容易化できる。
(3)上記形態の液体収容容器であって、前記流路形成部材は、弾性を有しても良い。
この形態の液体収容容器によれば、液体収容容器が落下等によって衝撃を受けて流路形成部材が液体収容部を形成する壁に衝突した場合でも、液体収容部が破損する可能性を低減できる。
(4)上記形態の液体収容容器であって、前記流路形成部材のうち、前記液体供給部が位置する側とは反対側の端部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向を向く開口部が形成されていても良い。
この形態の液体収容容器によれば、反対側の端部の端面が液体収容部を形成する壁に接した場合でも、開口部が閉塞する可能性を低減できる。これにより、開口部を介して液体を流路形成部材内の流路に導入できる。
(5)上記形態の液体収容容器であって、前記開口部は、前記液体収容部の底部に位置しても良い。
この液体の液体収容容器によれば、底部に存在する沈降成分の濃度の濃い液体を開口部から流路形成部材内に導入すると共に、沈降成分の濃度の薄い液体を複数の第1の連通孔から流路形成部材内に導入することで、沈降成分の濃度の濃い液体と薄い液体とを効率良く流路形成部材内の流路で混合できる。
(6)上記形態の液体収容容器であって、前記流路形成部材は、前記液体収容部の底部に位置し、前記流路と前記流路形成部材の外部とを連通させる流通部を有しても良い。
この形態の液体収容容器によれば、底部に存在する沈降成分の濃い液体を流通部から流路形成部材内に導入すると共に、複数の第1の連通孔から流路形成部材内に導入することで、沈降成分の濃度の濃い液体と薄い液体とを効率良く流路形成部材内の流路で混合できる。
(7)上記形態の液体収容容器であって、更に、前記液体収容部の底部に配置され、両端が開口する筒状部材を備えても良い。
この形態の液体収容容器によれば、液体収容部の底部に存在する沈降成分の濃い液体を筒状部材内に保持できる。これにより、沈降成分の濃度の濃い液体が流路形成部材内の流路に導入される可能性を低減できるため、所定範囲の濃度を越えた液体が液体消費装置に供給される可能性を低減できる。すなわち、濃度変動を更に抑制した液体を安定して液体消費装置に供給できる。
(8)上記形態の液体収容容器であって、前記第1の連通孔の周縁部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向に突出する第1の突出部が形成されていても良い。
一般に、沈降成分の濃度の薄い液体は、濃い液体よりも粘度が低い。よって、濃度の薄い液体と濃い液体とをより均一に流路形成部材内の流路(内部流路)に導入するためには、濃度の薄い液体を内部流路に導入するための流路(導入流路)を、濃度の濃い液体を内部流路に導入するための流路よりも流路断面積を小さくする必要がある。しかしながら、この形態の液体収容容器によれば、第1の突出部によって第1の連通孔の流路長を長くできる。これにより、第1の突出部が形成されていない場合に比べ、第1の連通孔の流路抵抗を高くできる。よって、第1の連通孔の流路断面積を小さくすることに代えて第1の突出部を形成することで、濃度の薄い液体と濃い液体とをより均一に流路形成部材の流路に導入できる。
(9)上記形態の液体収容容器であって、前記流路形成部材は、前記第1の連通孔と対向する位置に形成された第2の連通孔であって、前記流路と前記流路形成部材の外部とを連通させる第2の連通孔を有しても良い。
この形態の液体収容容器によれば、第1と第2の連通孔を用いて液体を流路形成部材内の流路に導入できるので、導入される液体の量を増加できる。
(10)上記形態の液体収容容器であって、前記第2の連通孔の周縁部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向に突出する第2の突出部が形成されていても良い。
この形態の液体収容容器によれば、第2の突出部が形成されていない場合に比べ、第2の連通孔の流路抵抗を高くできる。よって、導入流路の流路断面積を小さくすることに代えて第2の突出部を形成することで、濃度の薄い液体と濃い液体とをより均一に流路形成部材内の流路に導入できる。
(11)上記形態の流路形成部材の製造方法であって、(a)前記流路形成部材の周囲壁にパンチを貫通させて、貫通状態を維持する工程と、(b)前記パンチを加熱する工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記パンチを冷却する工程と、(d)前記工程(c)の後に、前記パンチを前記周囲壁から取り除いて第1の連通孔と第2の連通孔とを形成する工程と、を備えても良い。
この形態の流路形成部材の製造方法によれば、パンチを用いて容易に第1と第2の連通孔を形成できる。また、パンチを貫通状態で維持しつつ加熱することで、連通孔の周縁部に流路形成部材の径方向に突出する突出部を形成できる。すなわち、いわゆるバーリング加工を流路形成部材に施すことができる。また、パンチを冷却した後にパンチを周囲壁から取り除くので、抜きカスの発生を抑制できる。また、パンチを冷却した後にパンチを周囲壁から取り除くので、パンチによって形成された連通孔の形状の変化を抑制できる。これにより、例えば、連通孔の真円度を向上できる。また、加熱によって連通孔の周縁部にパンチ挿入によって逃げた流路形成部材の壁(肉)をスムーズに突出部として形成できる。これにより、パンチ挿入及び引き抜きの際のカスの発生を抑制できる。また、高アスペクト比の流路形成部材に対しても安定的に連通孔を形成できる。ここで、アスペクト比とは、連通孔の直径Aに対する流路形成部材の厚みBの比率(B/A)である。
また上記形態に記載の液体収容容器は、上記形態の流路形成部材の製造方法によって製造された流路形成部材を備えても良い。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態において、液体収容部と、液体供給部と、流路形成部材と、の複数の要素の内の1つ以上の要素を備えた装置としても実現可能である。すなわち、この装置は、液体収容部を有していても良く、有していなくても良い。また、この装置は、液体供給部を有していても良く、有していなくても良い。また、この装置は、流路形成部材を有していても良く、有していなくても良い。
また例えば、本発明の他の一形態において、上記工程(a)と、上記工程(b)と、上記工程(c)と、上記工程(d)と、の複数の要素の内の1つ以上の要素を備えた製造方法としても実現可能である。すなわち、この製造方法は、工程(a)を有していても良く、有していなくても良い。また、この製造方法は、工程(b)を有していても良く、有していなくても良い。また、この製造方法は、工程(c)を有していても良く、有していなくても良い。また、この製造方法は、工程(d)を有していても良く、有していなくても良い。
このような各種形態によれば、装置の小型化、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。また前述した液体収容容器の各形態の技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、液体収容容器、流路形成部材の製造方法の他に、液体収容容器の製造方法、液体収容容器と液体消費装置とを備えた液体消費システム等の態様で実現することができる。
液体消費システムの概略構成を示す第1の斜視図である。 液体消費システムの概略構成を示す第2の斜視図である。 液体供給装置を説明するための第1の図である。 液体供給装置を説明するための第2の図である。 着脱ユニットの第1の斜視図である。 着脱ユニットの第2の斜視図である。 図5の上面図である。 図7のF7−F7部分断面図である。 図6の上面図である。 図9のF9−F9部分断面図である。 液体収容容器の斜視図である。 液体収容容器の斜視図である。 液体収容容器の正面図である。 液体収容容器の底面図である。 液体収容容器の側面図である。 筒状部材の斜視図である。 液体収容容器の分解斜視図である。 流路形成部材を説明するための図である。 流路形成部材を説明するための図である。 液体収容容器の分解斜視図である。 液体収容容器の分解斜視図である。 流路形成部材の製造方法を示すフローチャートである。 製造方法の各ステップを説明するための図である。 製造装置を説明するための図である。 開口部形成工具の斜視図である。 載置台の上面図である。 製造装置を用いた流路形成部材の製造方法を説明するための図である。
A.実施形態:
A−1.液体消費システムの構成:
図1は、液体消費システム1000の概略構成を示す第1の斜視図である。図2は、液体消費システム1000の概略構成を示す第2の斜視図である。図3は、液体供給装置20を説明するための第1の図である。図4は、液体供給装置20を説明するための第2の図である。なお、図3及び図4では、後述する液体収容容器が取り外された状態を示している。図1〜図4には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。
図1に示すように、液体消費システム1000は、液体消費装置としてのプリンター10と、2つの液体供給装置20とを備える。液体消費システム1000の使用状態では、プリンター10はX軸方向とY軸方向によって規定される水平な面に設置される。すなわち、Z軸方向が鉛直方向(上下方向)となる。また、−Z軸方向が鉛直下方向となり、+Z軸方向が鉛直上方向となる。液体供給装置20は、プリンター10に液体としてのインクを供給する。液体供給装置20が備える液体収容容器50は、プリンター10に対して着脱可能に接続(装着)できる。
プリンター10は、インクジェットプリンターである。プリンター10は、記録機構11と、給紙トレイ16と、排出トレイ17とを備える。給紙トレイ16は、鉛直方向の異なる高さ位置に複数設けられている。給紙トレイ16は、プリンター10の装置第1面(装置前面)102に設けられている。給紙トレイ16には、プリンター10によって文字等の画像が印刷(記録)される記録媒体(例えば、用紙)が収容される。
記録機構11は、インクを吐出する記録ヘッド(図示せず)を備える。記録ヘッドは、チューブ等の流通管を介して液体供給装置20と連通している。記録ヘッドは、液体供給装置20から供給されたインクを用いて記録媒体上にインクを吐出することで記録(印刷)を行う。記録された記録媒体は排出トレイ17に排出される。
2つの液体供給装置20は、プリンター10の装置第1面(装置前面又は装置前壁とも呼ぶ)102と交差する装置第2面(装置第1側面又は装置第1側壁とも呼ぶ)104及び装置第3面(装置第2側面又は装置第2側壁とも呼ぶ)106に設けられている。装置第1面102〜装置第3面106はそれぞれ、プリンター10の使用状態において設置面に対して略垂直な面である。装置第2面104と装置第3面106とは対向する。ここで、装置第2面104に設けられた液体供給装置20を第1の液体供給装置20Aとも呼び、装置第3面106に設けられた液体供給装置20を第2の液体供給装置20Bとも呼ぶ。なお、第1と第2の液体供給装置20A,20Bを区別することなく用いる場合は、単に液体供給装置20と呼ぶ。
図1に示すように、第1の液体供給装置20Aは、1つのカバー部材22と1つの液体収容容器50と、1つの着脱ユニット30(図3)とを備える。図2に示すように、第2の液体供給装置20Bは、1つのカバー部材22と3つの液体収容容器50と、各液体収容容器50に対応した3つの着脱ユニット30(図4)とを備える。ここで、2つのカバー部材22を区別して用いる場合は、符号「22A」,「22B」を用いる。また、4つの液体収容容器50を区別して用いる場合は、符号「50K」,「50C」,「50M」,「50Y」を用いる。また、4つの着脱ユニット30を区別して用いる場合は符号「30K」,「30C」,「30M」,「30Y」を用いる。なお、カバー部材22、液体収容容器50、着脱ユニット30の個数は上記に限定されるものではない。例えば、液体収容容器50は3つ以下であっても良いし、5つ以上であっても良い。また、着脱ユニット30は、液体収容容器50の個数に対応して設けられても良い。また、カバー部材22は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
4つの液体収容容器50には、相互に異なる種類のインクが収容(充填)されている。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のインクが、それぞれ異なる液体収容容器50に収容されている。液体収容容器50Kはブラックのインクを収容した液体収容袋を有し、液体収容容器50Cはシアンのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容容器50Mはマゼンタのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容容器50Yはイエローのインクを収容した液体収容部を有する。図3及び図4に示すように、液体収容容器50は、カバー部材22で区画される収容空間部26に収容される。具体的には、液体収容容器50Kは収容空間部26A(図3)に収容され、液体収容容器50C,50M,50Yは収容空間部26B(図4)に収容される。
図3及び図4に示す着脱ユニット30は、液体収容容器50を着脱自在に装着する。着脱ユニット30Kはカバー部材22Aの内側に配置され、着脱ユニット30C,30M,30Yはカバー部材22Bの内側に配置されている。図3に示すように、着脱ユニット30Kは、プリンター10の装置第2面104に設けられている。図4に示すように、着脱ユニット30C,30M,30Yは、プリンター10の装置第3面106に設けられている。着脱ユニット30に液体収容容器50が装着された場合、プリンター10が備えるポンプ機能を有する供給機構(図示せず)によって液体収容容器50に収容されたインクが吸引されることでプリンター10の記録ヘッドに供給される。
図3及び図4に示すように、カバー部材22は、鉛直下方向側の一端部23を支点として鉛直上方向側の他端部24を回転させることで開閉自在に構成されている。液体収容容器50が収容するインクが消費された後は、利用者は、カバー部材22を開いて消費された液体収容容器50を着脱ユニット30から取り外す。そして、利用者は、新たな液体収容容器50を着脱ユニット30に装着した後にカバー部材22を閉じる。
A−2.着脱ユニット30の構成:
図5は、着脱ユニット30の第1の斜視図である。図6は、着脱ユニット30の第2の斜視図である。図7は、図5の上面図である。図8は、図7のF7−F7部分断面図である。図9は、図6の上面図である。図10は、図9のF9−F9部分断面図である。図5は、可動支持部(可動部材)40が固定部材35に対し最も外方に突出した第1の状態(セット時状態)を示している。図6は、可動支持部40が固定部材35に収容された第2の状態(装着時状態)を示している。また、図7〜図10には、着脱ユニット30に支持された液体収容容器50も図示している。図5〜図10には、互いに直交するK1軸,K2軸,Z軸が描かれている。また、これ以降の図についても必要に応じてK1軸,K2軸,Z軸が描かれている。
図5及び図6に示すように、着脱ユニット30は、固定部材(固定部)35と、可動支持部40とを備える。固定部材35は、プリンター10の筺体(例えば、外壁である装置第3面106)に取り付けられていることで支持される。可動支持部40は、固定部材35に対して移動可能に固定部材35に支持される。すなわち、固定部材35は、可動支持部40の第1の方向(−K1軸方向)又は第2の方向(+K1軸方向)への移動を案内する。第1の方向は液体収容容器50の接続方向であり、第2の方向は液体収容容器50の取り外し方向である。
図6に示すように、固定部材35は、液体導入機構(液体導入ユニット)36と電気接続機構(電気接続ユニット)38とを備える。液体導入機構36と接点機構38とは、K2軸方向に並んで配置されている。液体導入機構36は、液体収容容器50のインクが導入する液体導入部362を有する。液体導入部362は、プリンター10の記録ヘッドと連通している。液体導入部362は、内部にインクが流通できる針状である。液体導入部362は、中心軸CLを有し、中心軸CL方向に延びる筒状である。この中心軸CLに沿った方向(液体導入部362が延びる方向)をK1軸方向とする。K1軸方向は、Z軸方向及びK2軸方向と直交する。接点機構38は、複数の装置側端子381を有する。複数の装置側端子381は、液体収容容器50の回路基板582(図7)が接触することで回路基板582と電気的に接続される。本実施形態では、装置側端子381は9つ設けられている。
K1軸方向とK2軸方向とによって規定される面と、図1に示すX軸方向とY軸方向とによって規定される面とは平行である。K1軸方向のうち、プリンター10の外方へ向かう方向が+K1軸方向であり、プリンター10の内方に向かう方向が−K1軸方向である。図5及び図6に示すように、可動支持部40は、固定部材35に対してK1軸方向に移動可能に固定部材35に支持されている。−K1軸方向は、可動支持部40が固定部材35に近づく方向であり、+K1軸方向は、可動支持部40が固定部材35から離れる方向である。
液体収容容器50は、以下の2つの操作を実行することで着脱ユニット30に装着される。液体収容容器50が着脱ユニット30に装着された状態を「装着状態(支持状態)」とも呼ぶ。装着状態(支持状態)とは、液体収容容器50の液体供給部57(図7)が着脱ユニット30の液体導入部(液体導入針)362に接続され、かつ、液体収容容器50の回路基板582(図7)が着脱ユニット30の装置側端子381と電気的に接続された状態である。装着状態では、液体収容容器50に収容されているインクがプリンター10側に流通可能な状態となる。
・第1の操作(セット操作):
利用者は、着脱ユニット30を第1の状態にした後に、液体収容容器50をセット方向に移動させて可動支持部40にセットする(図7及び図8)。
・第2の操作(接続操作):
第1の操作後に、利用者は液体収容容器50を介して可動支持部40を固定部材35側に押し進めることで着脱ユニット30を第2の状態にする(図9及び図10)。
図8に示すように、セット方向は、重力下方向成分を含む方向である。本実施形態では、セット方向は重力下方向である。また、第2の操作は、可動支持部40を−K1軸方向に移動させる操作である。
図7及び図8に示すように、着脱ユニット30を第1の状態にした後に、液体収容容器50を可動支持部40の所定の位置にセットする。液体収容容器50がセットされた状態(セット状態)では、液体収容容器50の基板ユニット58が有する回路基板582が、装置側端子381と向かい合う位置に配置される。またセット状態では、液体収容容器50の液体供給ユニット55が有する液体供給部57が、液体導入部362と向かい合う位置に配置される。また、図8に示すように、セット状態では、液体収容容器50は、液体収容部52が収容部支持アセンブリ51よりも重力下方向となるように可動支持部40に支持される。
液体収容容器50が可動支持部40にセットされた後に、図8の矢印Fに示すように、利用者は液体収容容器50を−K軸方向側に押す。これにより、液体収容容器50及び可動支持部40は接続方向(−K1軸方向)に移動する。図10に示すように、着脱ユニット30の第2の状態では、液体供給部57内に液体導入部362が挿入(接続)される。また、第2の状態では、回路基板582と装置側端子381(図6)とが接触することで、回路基板582と装置側端子381とが電気的に接続される。
着脱ユニット30の第2の状態では、着脱ユニット30のロック機構(図示せず)によって可動支持部40は固定部材35に対する+K1軸方向側への移動が規制されている。なお、第2の状態において、可動支持部40を固定部材35に対して内側方向(−K1軸方向、第1の方向)に押し付けることでロック機構によるロックが解除される。これにより、可動支持部40を固定部材35に対して外方(+Z軸方向)に突出するように移動させて、着脱ユニット30の状態を第2の状態から第1の状態に切り替えることができる。
上記のごとく、プリンター10にインクを供給する時に、液体収容容器50(詳細には液体供給部57)は、液体収容部52よりも重力方向の上側(+Z軸方向側)に位置するようにプリンター10に支持される(図10)。
A−3.液体収容容器50の構成:
図11は、液体収容容器50の斜視図である。図12は、液体収容容器50の斜視図である。図13は液体収容容器50の正面図である。図14は、液体収容容器50の底面図である。図15は、液体収容容器50の側面図である。図16は、筒状部材61の斜視図である。
Z軸方向、K1軸方向、K2軸方向は以下のように定義できる。液体収容容器50がプリンター10に接続された状態において、Z軸方向は重力方向(鉛直方向)である。+Z軸方向が重力上方向(鉛直上方向)であり、−Z軸方向が重力下方向(鉛直下方向)である。K1軸に沿った方向であるK1軸方向は、水平方向である。また、−K1軸方向は、液体収容容器50をプリンター10に接続するときの、液体収容容器50の接続方向(移動方向、第1の方向)である。また、+K1軸方向は、液体収容容器50をプリンター10から取り外す際の取外し方向である。なお、本実施形態では、接続方向は、水平方向である−K1軸方向であるが、これに限定されるものではない。接続方向は、水平方向成分を含む方向であれば良い。また、K2軸方向は、重力方向(Z軸方向)とK1軸方向とに直交する方向である。
図11に示すように、液体収容容器50は、収容部支持アセンブリ51と、液体収容部52と、流路形成部材70とを備える。収容部支持アセンブリ51は、操作部材(ハンドル部)53と、液体供給ユニット55と、基板ユニット58と、を有する。操作部材53は、K1軸方向に開口する枠状の部材である。
液体収容部52は、沈降成分を有するインクを収容可能である。沈降成分としては、例えば色材としての顔料が挙げられる。顔料は、インクの溶媒に溶けることなく分散した状態で存在しているので、時間が経過すると沈降する。これにより、液体収容部52のインクは、重力方向の下側に存在する顔料濃度の濃い層(下層)と、重力方向の上側に存在する顔料濃度の薄い層(上層)との顔料濃度の異なる層が存在する。すなわち、液体収容部52のインクは、重力方向上側から下側に位置するにつれ顔料濃度が高くなる場合がある。
液体収容部52は、外表面が露出した状態で収容部支持アセンブリ51に取り付けられている。すなわち、液体収容部52は、ケースなどに収容されることなく外部から視認可能に構成されている。液体収容部52は、収容されたインクの減少に伴って容積が減少する。
液体収容部52は、第1のシート521(図11)と、第2のシート522(図12)と、第3のシート523(図11)とを有する。第1〜第3のシート521〜523は、内側にインクを収容するための空間部を区画する。液体収容容器50の装着状態において、第3のシート523は、液体収容部52の底部を構成する。また、装着状態において第1と第2のシート521,522は、液体収容部52の側面部を形成する。
ここで、図11に示すように、液体収容部52のうち、収容部支持アセンブリ51が取り付けられた部分を一端部(上端部)501とし、一端部501と対向する部分を他端部(底端部)502とする。また、液体収容部52のうち、一端側(+K2軸方向側)部分を第1側端部503とし、他端側(−K2軸方向側)部分を第2側端部504とする。
第1のシート521及び第2のシート522は、互いの周縁領域の一部が溶着されている。詳細には、周縁領域のうち、一端部501と、第1側端部503と、第2側端部504とが溶着されている。理解の容易のために、図11及び図12において、第1と第2のシート521,522が溶着された部分にはクロスハッチングを付している。また、液体収容部52の一端部501には収容部支持アセンブリ51が溶着されている。理解の容易のために、図11及び図12において、収容部支持アセンブリ51と第1及び第2のシート521,522との溶着部分には実線のシングルハッチングを付している。
図11に示すように、第3のシート523と、第1のシート521及び第2のシート522の周縁領域の一部とが溶着されている。このように、本実施形態の液体収容部52は、3つのシート521,522,523を溶着等によって接着したタイプ(いわゆる、底面を有するパウチタイプ)である。
第1〜第3のシート521〜523はそれぞれ、可撓性を有する部材である。第1〜第3のシート521〜523の材料(材質)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ナイロン,ポリエチレンなどが用いられる。また、これらの材料で構成されたフィルムを複数積層した積層構造を用いて第1〜第3のシート521〜523を形成しても良い。このような積層構造では、例えば、外層を耐衝撃性に優れたPET又はナイロンによって形成し、内層を耐インク性に優れたポリエチレンによって形成しても良い。さらに、アルミニウムなどを蒸着した層を有するフィルムを積層構造の1つの構成部材としても良い。これにより、ガスバリア性を高めることができるので、例えば液体収容部52に収容されたインクの濃度変化を抑制できる。このように、液体収容部52の材質は任意に設定できる。
また、液体収容部52の形状と大きさとはそれぞれ任意に設定できる。例えば、ブラックのインクを収容する液体収容部52は、他の色(例えば、シアン)のインクを収容する液体収容部52よりも容積(大きさ)を大きくしても良い。また例えば、液体収容部52は、本実施形態では第1〜第3のシート521〜523を溶着等によって接着したタイプであったが、第3のシート523を省略し、第1と第2のシート521,522を溶着等によって接着したタイプ(いわゆる、ピロータイプ)としても良い。
図11に示すように、流路形成部材70は、液体収容部52内に配置されている。流路形成部材70は、液体収容部52の内部と液体供給部57とを連通させる流路70fを内側に形成する。液体収容部52のインクは、流路形成部材70の流路70fを通って液体供給部57に流通する。
流路形成部材70は、チューブである。すなわち、流路形成部材70は、筒状部材である。流路形成部材70は、弾性を有する。流路形成部材70は、例えば、エラストマーやゴム等によって形成することで弾性を有している。流路形成部材70は、装着状態においてZ軸方向に延びる。図13に示すように、流路形成部材70の一端部である開口部70e1は、液体収容部52の底部52eに位置する。すなわち、流路70fの一部は、液体収容部52の底部52eに位置する。なお、流路形成部材70の詳細構成については後述する。
図15に示すように、液体収容容器50は筒状部材61を有する。筒状部材61は、液体収容部52の底部52eに配置されている。具体的には、液体収容部52の底部52eに溶着等によって取り付けられている。筒状部材61は、底部52e近傍に位置するインクを保持するための部材である。筒状部材61によって保持されたインクは、プリンター10側へ供給されることなく、液体収容部52内に滞留する。
図16に示すように、筒状部材61は、内部が空洞である。また筒状部材61は、内部と連通する一端開口62Ha及び他端開口62Hbを有する。図15に示すように、筒状部材61の一端開口62Haは、液体収容部52の側面を構成する第2のシート522に対向ように配置される。また、筒状部材61の他端開口62Hbは、液体収容部52の側面を構成する第1のシート521に対向するように配置される。液体収容部52のインクが消費されて液体収容部52の容積が減少することで、第1及び第2のシート521,522は互いに接近する。液体収容部52のインクが残り僅かになった場合、筒状部材61の一端開口62Haが第2のシート522によって塞がれ、筒状部材61の他端開口62Hbが第1のシート521によって塞がれる。これにより、筒状部材61の内側に存在するインクはプリンター10へ供給されることなく滞留する。
図12に示すように、操作部材53は、+Z軸方向側の端部に位置する把持部54と、−Z軸方向側端部に位置する押圧部545と、を有する。把持部54は、利用者が液体収容容器50を支持(把持)するための部分である。把持部54は、K2軸方向に沿って延びる。
押圧部545は、液体収容容器50をプリンター10に接続するときに、利用者によって押圧される部分である。すなわち、押圧部545は手動で押圧される部分である。押圧部545を−K1軸方向(第1の方向)側に押すことで、液体収容容器50がセットされた可動支持部40(図8)を−K1方向側に移動させる。押圧部545は、操作部材53のうち液体供給ユニット55及び基板ユニット58が設けられた側とは反対側に設けられている。押圧部545は、操作部材53から外方(+K1軸方向)に突出して設けられている。これにより、押圧部545と他の部分とを識別し易くできる。
図11に示すように、液体供給ユニット55と基板ユニット58とはそれぞれ、操作部材53の−Z軸方向側の端部(一端部)501に位置する。液体供給ユニット55と基板ユニット58とは、K2軸方向に並んで配置されている。液体供給ユニット55は、液体収容部52に収容されたインクを外部(例えば、図5の液体導入部362)に供給するための機能を有する。基板ユニット58は、接点機構38の装置側端子381と電気的に接続する機能を有する。液体供給ユニット55と基板ユニット58とは操作部材53から外方(−K1軸方向)に突出して設けられている。
液体供給ユニット55は、液体供給部57と、供給部側支持部56とを備える。但し、供給部側支持部56は液体供給部57とは別体で構成され、液体供給部57との間に僅かな隙間が形成されている。
液体供給部57は、内部に形成された流路によって液体収容部52に収容されたインクをプリンター10に流通させる。液体供給部57の一端である液体供給口572(図13)は、液体収容容器50の装着状態において、液体導入部362(図5)が挿入される。液体供給口572は、平面(Z軸方向とK2軸方向によって規定される面)を規定する。液体供給部57の他端は、流路形成部材70に接続されている。
図11に示すように、液体収容容器50の未使用状態では、液体供給口572がフィルム99によって塞がれている。これにより、液体収容容器50が着脱ユニット30(図5)に装着される前において、液体供給口572からインクが外部に漏れ出すことを抑制できる。フィルム99は、液体収容容器50が着脱ユニット30に装着する際に液体導入部362(図5)によって破られる。
供給部側支持部56は、液体収容容器50がプリンター10に接続されるときに、液体供給口572を含む液体収容部52のプリンター10に対するある程度の位置決めを行う。供給部側支持部56は、+Z軸方向側が開口した凹形状である。供給部側支持部56は、液体供給部57の中心軸CTを中心とした周囲のうち、Z軸方向(重力上方向)を除く部分を取り囲む。供給部側支持部56は、液体供給部57の液体供給口572に隣接した位置に配置されている。操作部材53が変形しにくい材料から成る場合は、供給部側支持部56は操作部材53のうちの液体供給口572から多少離れた位置に設けても良い。
供給部側支持部56は、液体収容容器50をプリンター10に接続するときに、可動支持部40の所定の位置に配置される。これにより、可動支持部40と供給部側支持部56とが当たることによって、液体供給部57の動きが規制され、液体収容容器50がある程度位置決めされる。また、着脱ユニット30の可動支持部40に液体収容容器50がセットされたとき、液体収容部52が把持部54よりも重力方向下側に自重によって垂れ下がるように、供給部側支持部56は可動支持部40に支持される。
図13に示すように、基板ユニット58は、回路基板582と、回路基板保持部59とを備える。回路基板保持部59は、回路基板582を保持する。回路基板保持部59は、操作部材53に一体的に設けられている。本実施形態では、回路基板保持部59は、操作部材53と一体成形により作成されることで、操作部材53と一体的に設けられる。ここで、「一体的に設けられる」とは、回路基板保持部59が操作部材53の動きに連動するように操作部材53に設けられていることを意味する。なお、他の実施形態では、操作部材53に対し回路基板保持部59を溶着等により取り付けることで、回路基板保持部59を操作部材53に一体的に設けても良い。
回路基板582は、表面に設けられた複数の液体収容容器側端子581と、裏面に設けられた記憶装置583(図21)と、を有する。
液体収容容器側端子581は、9つ設けられている。各液体収容容器側端子581は、装着状態において、対応する装置側端子381(図5)に接触することで電気的に接続される。回路基板582の記憶装置583は、液体収容容器50に関する情報(例えば、インク残量やインク色)等を格納する。
図17は、液体収容容器50の分解斜視図である。図18は、流路形成部材70を説明するための図である。図19は、流路形成部材70を説明するための図である。図20は、液体収容容器50の分解斜視図である。図21は、液体収容容器50の分解斜視図である。
図17に示すように、操作部材(ハンドル部)53は、第1部材53Aと第2部材53Bと第3部材53Cと、を備える。第1部材53A〜第3部材53Cが組み合わされることで操作部材53が形成される。詳細には、第1部材53Aと第3部材53Cとによって第2部材53Bを挟むようにして各部材53A〜53Bが組み合わされる。第1部材34A〜第3部材53Cはそれぞれ、合成樹脂などの材料を一体成形することで形成されている。
図20に示すように、第1部材53Aは、把持部54を含む。第1部材53Aの形状は、枠状である。第1部材53Aは、K1軸方向(中心軸CT方向)に垂直な平面に沿った板状部材である。第1部材53Aのうち基部548には、供給部側支持部56と回路基板保持部59とが一体成形によって接続されている。供給部側支持部56の貫通孔56Hには、第2部材53Bの液体供給部57の一部が突出するように挿入される。以上のように、操作部材53のうち第1部材53A自身が、「操作部材53A」であるとも言える。
図21に示すように、第1部材53Aは、第2部材53Bと係合する3つの係合部511を有する。係合部511は、基部548に設けられている。係合部511の形状は略直方体形状である。係合部511は、基部548から+K1軸方向側に突出する凸部である。
また、第1部材53Aは、第3部材53Cと係合することで第1部材53Aと第3部材53Cとを連結(接続)するための8つ(図では7つのみ図示)の部材係合部588を備える。部材係合部588は、凹形状である。
図20及び図21に示すように、第2部材53Bには、液体供給部57が一体成形によって設けられている。また、第2部材53Bには、取付部(接合部)549が一体成形によって設けられている。上記のように、第2部材53Bは液体供給部57を形成する部材であるため、第2部材53Bを「液体供給部57」と呼ぶこともできる。
また、第2部材53Bは、係合部511と係合することで第1部材53Aを第2部材53Bに取り付けるための3つの係合部513を有する。係合部513は、K1軸方向に貫通する貫通孔である。係合部511が対応する貫通孔である係合部513に嵌め込まれることで、第1部材53Aに第2部材53Bが取り付けられる。すなわち、係合部513が設けられた部分517は、取付部549から液体収容部52(図11)の外部に突出する「突出部517」とも呼べる。そして突出部517が有する係合部513に第1部材53Aの係合部511が係合することで、第1部材53Aは取付部549と連結している。
また、図20に示すように、第2部材53Bは、液体供給部57の流路の一端である液体供給口572と、他端である流通口550とを有する。液体供給部57のうち、流通口550を含む他端部は、流路形成部材70が接続される。
図21に示すように、第3部材53Cは押圧部545を含む。第3部材53Cの形状は、第1部材53Aの形状と対応した枠状である。第3部材53Cは、K1軸方向(中心軸CT方向)に垂直な平面に沿った板状部材である。第3部材53Cのうち第1側53fa部分には、8つの係合部515を備える。係合部515が図21に示す部材係合部588に係合することで、第1部材53Aと第3部材53Cとが連結される。
図20に示すように、液体供給部57(詳細には−K1軸方向側に突出する筒状部材)の内部には、液体供給部57の流路を開閉するための弁機構551が配置されている。弁機構551は、弁座552と、弁体554と、ばね556とを備える。液体供給部57の液体供給口572側から順に、弁座552、弁体554、ばね556が配置されている。
弁座552は、略円環状の部材である。弁座552は、例えば、ゴムやエラストマー等の弾性体によって構成されている。弁座552は、液体供給部57の内部に圧入されている。弁体554は、略円柱状の部材である。弁体554は、液体収容容器50が着脱ユニット30に装着される前の状態において弁座552に形成された孔(弁孔)を塞ぐ。ばね556は、圧縮コイルばねである。ばね556は、弁体554を弁座552側に向かう方向に付勢する。液体収容容器50の装着状態では、液体導入部362(図7)が弁体554を+K1軸方向側に押すことで、弁体554が液体供給部57の奥側(+K1軸方向側)に移動する。これにより、弁体554が弁座552から離れて弁機構551が開状態になる。弁機構551が開状態の時に、液体収容部52(図12)に収容されたインクは外部に流出可能となる。なお、液体供給部57のうち突出部517から−K1軸方向側に突出する部分は、中心軸CTを有する。中心軸CTは、K1軸方向と平行である。
図17に示すように、流路形成部材70は、一端部に形成された開口部70e1と、他端部に形成された開口部である接続部70e2とを有する。液体収容部52から液体供給部57へと流れるインクの流れ方向について、開口部70e1は流路形成部材70内の流路70fの上流端を形成し、接続部70e2は流路70fの下流端を形成する。すなわち、開口部70e1と接続部70e2とは、流路70fの一部であるとも言える。
図17及び図18に示すように、流路形成部材70の外周部には、複数の第1の連通孔71aが形成されている。また、流路形成部材70の外周部には、複数の第2の連通孔71bが形成されている。第1と第2の連通孔71a,71bとはそれぞれ、流路70fと流路形成部材70の外部とを連通させる。複数の第1の連通孔71aは、流路形成部材70が延びる方向に沿って等しい間隔で形成されている。第2の連通孔71aは、流路形成部材70の流路70fを挟んで対向する位置に形成されている。すなわち、第1と第2の連通孔71a,71bは、流路形成部材70の径方向に対向している。本実施形態では、隣り合う第1の連通孔71aの間隔(ピッチ)は、50±0.5mmである。また、第1の連通孔71aの穴径はΦ0.5±0.05mmである。本実施形態では、隣り合う第2の連通孔71bの間隔(ピッチ)は、50±0.5mmである。また、第2の連通孔71bの穴径はΦ0.5±0.05mmである。
以上のように、第1と第2の連通孔71a,71bはそれぞれ、液体収容容器50の装着状態において、重力方向に間隔を開けて配置されている。第1と第2の連通孔71a,71bとはそれぞれ4つ形成されている。なお、第1と第2の連通孔71a,71bとの形状や形成位置や形成個数等はこれに限定されるものではない。ここで、第1と第2の連通孔71a,71bとを区別することなく用いる場合は単に連通孔71と呼ぶ。上記のごとく、流路形成部材70は、横穴としての連通孔71が複数形成されている。
図18に示すように、連通孔71の周縁部には、流路形成部材70が延びる方向と交差する方向(流路形成部材70の径方向)に突出する突出部71Aが形成されている。突出部71Aは、流路形成部材70の径方向外側に突出する。ここで、突出部71Aのうち、第1の連通孔71aの周縁部に形成された突出部71Aを第1の突出部71Aaと呼び、第2の連通孔71bの周縁部に形成された突出部71Aを第2の突出部71Abと呼ぶ。なお、第1と第2の突出部71Aa,71Abを区別することなく用いる場合は、単に「突出部71A」と呼ぶ。突出部71Aが形成されることで突出部71Aが形成されていない場合に比べ、連通孔71の流路長を長くできる。
図17及び図18に示すように、流路形成部材70の端部である接続部70e2は、液体供給部57のうち流通口550を含む端部に接続される。図19に示すように、開口部70e1は、流路形成部材70の周囲壁を切り欠いた形状である。具体的には、開口部70e1は、流路形成部材70が延びる方向(流路方向)と、流路方向に交差する方向(横方向)とを向いて開口する。流路方向は、装着状態における概ねZ軸方向に平行な方向であり、横方向は装着状態におけるZ軸方向に概ね垂直な方向である。すなわち、流路形成部材70のうち、液体供給部57が位置する側とは反対側の端部である開口部70e1は、流路形成部材70が延びる方向と交差する方向成分を含む方向に開口している。本実施形態において、開口部70e1の流路形成部材70が延びる方向と直交する長さK1は、約2.5mmであり、開口部70e1の流路形成部材70が延びる方向の長さK2は、約3.0mmである。なお開口部70e1の大きさはこれに限定されるものではなく、開口部70e1は、連通孔71(図18)よりも流路断面積が大きいことが好ましい。
A−4.流路形成部材70の製造方法:
図22は、流路形成部材70の製造方法を示すフローチャートである。図23は、製造方法の各ステップを説明するための図である。図22及び図23に示すように、チューブ状の流路形成部材70の周囲壁73にパンチ92を貫通させて、貫通状態を維持する(ステップS10)。パンチ92は、周囲壁73のうち、内部の流路70fを挟んで対向する第1と第2の部分を貫通する。
パンチ92は、熱容量を小さくするために内部が空洞の円柱状部材を用いるのが好ましい。また、パンチ92は、熱伝導率の高い材料で形成することが好ましい。例えば、本実施形態では、銅を用いてパンチ92が形成されている。パンチ92の内部が空洞で、かつ、パンチ92を熱伝導率の高い材料で形成することで、パンチ92を加熱する際にパンチ92を昇温させやすい。
次に、貫通状態でパンチ92を所定温度まで加熱する(ステップS20)。加熱条件としては、例えば、パンチ92を105℃に昇温させて、105℃で8秒間維持する。パンチ92の加熱方法としては、例えばヒーターを用いてパンチ92を加熱する方法等がある。ステップS20を実行することで、周囲壁73のうちパンチ92周辺の部分がパンチ92の縁に沿って盛り上がる。これにより、第1の突出部71Aaと第2の突出部71Ab(図18)の元となる部分が形成される。
次に、貫通状態でパンチ92を冷却する(ステップS30)。ステップS30の冷却は、例えばパンチ92が室温(例えば、20℃)になるまで実行される。冷却の方法としては、自然冷却による冷却方法や、冷風をパンチ92に当てて冷却する方法等が挙げられる。
次に、パンチ92を周囲壁73から取り除く(ステップS40)。これにより、第1の連通孔71aと第2の連通孔71bとが形成される。なお、流路形成部材70の開口部70e1(図19)は、ステップS10が開始される前や、ステップS10〜ステップS40の実行中や、ステップS40の後に、刃物等を用いて形成することができる。
A−5.効果:
上記実施形態によれば、図18に示すように、流路形成部材70は、装着状態(支持状態)のときに、重力方向(Z軸方向)に間隔をあけて配置された複数の第1の連通孔71aを有する。これにより、複数の第1の連通孔71aからインクを流路形成部材70の流路70fに導入できるので、沈降成分の濃度の濃いインクと、薄いインクとが流路70f内で混合した後に液体供給部57を介してプリンター10に供給できる。これにより、濃度変動を抑制したインクを長期に亘って安定してプリンター10に供給できるので、沈降成分による不具合の発生を抑制できる。例えば、プリンター10に供給されるインクの色相が大きく変化するという不具合やインクの粘度が大きく変化するという不具合の発生を抑制できる。例えば、長期間(例えば、24カ月)の間、安定的に粘度8.3(mPa・s)以下のインクをプリンター10に供給できる。また、濃度変動を抑制したインクをプリンター10に供給するために流路形成部材70を用いるため、液体収容容器50の構造を簡単にできる。
また、上記実施形態によれば、図18に示すように、流路形成部材70はチューブであり、接続部70e2は液体供給部57のうち流通口550を含む端部に接続されている。これにより、流路形成部材70の端部を液体供給部57に接続することで濃度変動を抑制したインクを安定してプリンター10に供給できる液体収容容器50を容易に製造できる。
また、上記実施形態によれば、流路形成部材70は弾性を有する。これにより、液体収容容器50が落下等によって衝撃を受けて流路形成部材70が液体収容部52を形成する壁に衝突した場合でも、液体収容部52が破損する可能性を低減できる。よって、液体収容部52からインクが外部に漏れ出す可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、図19に示すように、流路形成部材70のうち、液体供給部57が位置する側とは反対側の端部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向を向く開口部70e1が形成されている。これにより、反対側の端部の端面が液体収容部52を形成する壁(例えば、底部52e)に接した場合でも、開口部70e1が閉塞することを抑制できる。よって、開口部70e1を介してインクを流路形成部材70の流路70fに導入できる。
また、上記実施形態によれば、図13に示すように、開口部70e1は、液体収容部52の底部52eに位置している。これにより、底部52eに存在する沈降成分の濃度の濃いインクを開口部70e1から流路形成部材70内に導入すると共に、沈降成分の濃度の薄いインクを複数の第1の連通孔71aから流路形成部材70内に導入することで、沈降成分の濃度の濃いインクと薄いインクとを効率良く流路形成部材70内の流路70fで混合して撹拌できる。なお、「開口部70e1が底部52eに位置している」とは、開口部70e1が底部52eの近傍に位置していることを含んでも良い。
また、上記実施形態によれば、図15及び図16に示すように、液体収容容器50は、液体収容部52の底部52eに配置され、両端が開口する筒状部材61を有する。これにより、液体収容部52の底部52eに存在する沈降成分の濃いインクを筒状部材61内に保持できる。これにより、沈降成分の濃度の濃いインクが流路形成部材70内の流路70fに導入される可能性を低減できるため、所定範囲の濃度を越えたインクがプリンター10に供給される可能性を低減できる。すなわち、濃度変動を更に抑制したインクを長期に亘って安定してプリンター10に供給できる。
また、上記実施形態によれば、第1の連通孔71aの周縁部には、流路形成部材70が延びる方向と交差する方向に突出する第1の突出部71Aaが形成されている。これにより、第1の連通孔71aの流路長を長くできる。これにより、第1の突出部71Aaが形成されていない場合に比べ、第1の連通孔71aの流路抵抗を高くできる。よって、第1の連通孔71aの流路断面積を小さくすることに代えて第1の突出部71Aaを形成することで、濃度の薄いインクと濃いインクとをより均一に流路70fに導入できる。
また、上記実施形態によれば、図18に示すように、流路形成部材70は、第1の連通孔71aと流路70fを挟んで対向する位置に形成された第2の連通孔71bを有する。これにより、第1と第2の連通孔71a,71bを用いてインクを流路70fに導入できるので、導入されるインク量を増加できる。また、流路形成部材70が液体収容部52の内壁に接触するように変形し、第1の連通孔71aが液体収容部52の内壁により塞がれてしまった場合でも、第1の連通孔71aと対向する第2の連通孔71bは液体収容部52の内壁と接触しないため、安定的に流路を確保でき、濃度の薄いインクと濃いインクとをより均一に流路70fに導入できる。
また、上記実施形態によれば、第1の連通孔71aに対向する位置に第2の連通孔71bを有する。これにより、液体収容部52から流路70f内に導入されるインク量を増加できる。また、第1の連通孔71aと同様に、第2の連通孔71bの周縁部には、第2の突出部71Abが形成されている(図18)。これにより、第1の突出部71Abと同様の効果を奏する。また、連通孔71が鉛直方向に沿って複数あるため、例えば液体を消費して液体収容部52が上側からつぶれ、上側に位置する連通孔71が液体収容部52の内面で閉塞した場合でも、下側に位置する連通孔71が機能するため、濃度の薄いインクと濃いインクとをより均一に流路70fに導入できる。
また、上記実施形態によれば、図22に示すように、ステップS10〜ステップS40の工程を実行することによって流路形成部材70を製造している。これにより、パンチ92を用いて容易に第1と第2の連通孔71a,71bを形成できる。また、パンチ92を貫通状態で維持しつつ加熱することで、連通孔71の周縁部に流路形成部材70の径方向に突出する突出部71Aを形成できる。すなわち、いわゆるバーリング加工を流路形成部材70に施すことができる。また、パンチ92を冷却した後にパンチ92を周囲壁73から取り除くので、抜きカスの発生を抑制できる。また、パンチ92を冷却した後にパンチ92を周囲壁73から取り除くので、パンチ92によって形成された連通孔71の形状の変化を抑制できる。形状の変化を抑制することで、例えば、連通孔71の真円度を向上できる。連通孔71を真円に近づけることで、流路70fの圧力損失のシミュレーションと実際の圧力損失とのズレが抑制されるので、要素設計が容易にできる。また、加熱によって連通孔71の周縁部にパンチ挿入によって逃げた流路形成部材70の壁(肉)をスムーズに突出部71Aとして形成できる。これにより、パンチ挿入及び引き抜きの際のカスの発生を抑制できる。また、高アスペクト比の流路形成部材70に対しても安定的に連通孔71を形成できる。
B.流路形成部材70の製造装置について:
流路形成部材70を製造するための製造装置95の一例について説明する。図24は、製造装置95を説明するための図である。図25は、開口部形成工具93の斜視図である。図26は、載置台66の上面図である。
製造装置95は、加工部90と、基台65と、ガイド部69とを備える。この製造装置95は、一度に2つの流路形成部材70を製造できる。加工部90は、第1と第2の連通孔71a,71bを形成するためのパンチ91と、開口部70e1を形成するための開口部形成工具93とを備える。本実施形態では、パンチ91は、8つ(図では4つ図示)設けられている。開口部形成工具93は2つ(図では1つのみ図示)設けられている。すなわち、紙面手前側に実際に図示されている4つのパンチ91と1つの開口部形成工具93は、一つの流路形成部材70を製造するために用いられ、紙面奥側に存在する4つのパンチ91と1つの開口部形成工具93は、別の流路形成部材70を製造するために用いられる。加工部90は重力方向に移動可能に構成されている。
パンチ91は、中空パイプであり、先端が尖っている。なお、パンチ91は、図23に示すパンチ92に代えても良い。パンチ91は、パンチ92と同様に熱伝導率の高い材料(例えば、Cu)で形成することが好ましい。パンチ92は図示しないヒーターによって加熱可能である。また、パンチ92は、図示しない冷却部によって冷風が当てられることにより冷却可能である。
図25に示すように、開口部形成工具93はトムソン刃である。トムソン刃の形状は、板状部材を途中で90度屈曲させた形状である。
図24及び図26に示すように、基台65は、載置台66と、位置決めブロック67と、受け部68とを有する。載置台66は、連通孔71(図18)及び開口部70e1(図19)が形成される前の流路形成部材70を設置する台である。受け部68は、凹形状であり、流路形成部材70が受け部68内に挿入(圧入)されることで、流路形成部材70の位置が固定される。受け部68によって、弾性を有する流路形成部材70のねじれや伸縮等の変形を防止する。受け部68の底部には、パンチ91を逃がすための穴(空間)が形成されている。位置決めブロック67は、流路形成部材70の端部を当接させることで、載置台66に対する流路形成部材70の位置決めを行う。ガイド部69は、基台65を水平方向に移動させる。
図27は、製造装置95を用いた流路形成部材70の製造方法を説明するための図である。なお、図27に示すステップS5〜S60のうち、図22と同一符号については、図22のステップと同一内容である。
まず、連通孔71及び開口部70e1が形成される前の流路形成部材70を載置台66にセットする(ステップS5)。次に、ガイド部69を用いて基台65を加工部90の真下の位置に移動させる(ステップS6)。次に、加工部90を重力方向下側に移動させることで、パンチ91を流路形成部材70に貫通させると共に、開口部形成工具93によって開口部70e1を形成する(ステップS10)。次に、パンチ91が流路形成部材70に貫通した状態で、パンチ91を所定温度(例えば、105℃)まで加熱し、所定時間(例えば、8秒間)の間だけ所定温度を維持した後に、パンチ91を室温まで冷却する(ステップS20,S30)。次に、加工部90を重力方向上側に移動させることで、パンチ91を流路形成部材70から取り除く(ステップS40)。これにより、流路形成部材70に第1と第2の連通孔71a,71bが形成される。次に、基台65を加工部90の真下から外れるように移動させた後に、基台65から流路形成部材70を取り外す(ステップS50,S60)。
上記の製造装置95によれば、第1と第2の連通孔71a,71bと、開口部70e1とを有する流路形成部材70を容易に製造できる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C−1.第1変形例:
上記実施形態では、図18に示すように、複数の第1の連通孔71aは、流路形成部材70の周方向において同じ位置に形成されていたがこれに限定されるものではなく、周方向の異なる位置に形成されていても良い。
C−2.第2変形例:
上記実施形態では、流路形成部材70は弾性を有していたが弾性を有していなくても良い。例えば、流路形成部材70は、エラストマーやゴムに代えて、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を用いて形成しても良い。
C−3.第3変形例:
上記実施形態では、図13に示すように、開口部70e1が液体収容部52の底部52eに位置していたがこれに限定されるものではない。開口部70e1が液体収容部52の底部52eよりも上側に位置しても良い。また、開口部70e1に代えて、流路形成部材70の一端部である接続部70e2と他端部である開口部70e1との間に位置する部分であって、連通孔71よりも下側の部分に連通孔としての流通部を形成しても良い。そして、この流通部を液体収容部52の底部52eに配置しても良い。流通部が底部52eに位置することで、底部52eに存在する沈降成分の濃度の濃いインクを流通部から流路形成部材70内に導入すると共に、沈降成分の濃度の薄いインクを複数の連通孔71から流路形成部材70内に導入することで、沈降成分の濃度の濃いインクと薄いインクとを効率良く流路形成部材70内の流路で混合できる。
C−4.第4変形例:
また、図22に示す上記実施形態のステップS10〜ステップS40は、流路形成部材70の製造方法に代えて、部材に安定的に穴を開けるための種々の技術に適用できる。例えば、流路形成部材70に代えてフィルターに穴を開ける技術に上記製造方法は適用しても良い。
C−5.第5変形例:
上記実施形態では、液体収容部52は可撓性を有する部材によって形成されていたが、これに限定されるものではなく、液体を内部に収容可能な液体収容部として機能できれば良い。例えば、液体収容部52は一部が可撓性を有する部材によって形成されていても良いし、液体の消費量に拘わらず容積が変化しない硬質な部材によって形成されていても良い。
C−6.第6変形例:
本発明は、インクジェットプリンター及びその液体収容容器50に限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の印刷装置(液体消費装置)及びその液体を収容するための液体収容容器にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体消費装置及びその液体収容容器に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材消費装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材消費装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を消費する液体消費装置
(5)精密ピペットとしての試料消費装置
(6)潤滑油の消費装置
(7)樹脂液の消費装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を消費する液体消費装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に消費する液体消費装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を消費する液体消費装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体消費装置
なお、「液滴」とは、液体消費装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、沈降成分を含み、液体消費装置が液体を消費できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、紫外線を照射して硬化可能なUVインクをこの液体収容部に収容してプリンターに接続した場合は、設置面から液体収容袋が浮くため、設置面の熱が液体収容袋に伝って硬化する可能性が低減する。
10…プリンター
11…記録機構
16…給紙トレイ
17…排出トレイ
20…液体供給装置
20A…第1の液体供給装置
20B…第2の液体供給装置
22…カバー部材
22A…カバー部材
22B…カバー部材
23…一端部
24…他端部
26…収容空間部
26A…収容空間部
26B…収容空間部
30,30C,30M,30Y,30K…着脱ユニット
34A…第1部材
35…固定部材
36…液体導入機構
38…接点機構
40…可動支持部
50,50C,50M,50Y,50K…液体収容容器
51…収容部支持アセンブリ
52…液体収容部
52e…底部
53fa…第1側
53…操作部材
53A…操作部材(第1部材)
53B…第2部材
53C…第3部材
54…把持部
55…液体供給ユニット
56…供給部側支持部
56H…貫通孔
57…液体供給部
57Ba…突出部材
58…基板ユニット
59…回路基板保持部
61…筒状部材
62Ha…一端開口
62Hb…他端開口
65…基台
66…載置台
67…位置決めブロック
68…受け部
69…ガイド部
70…流路形成部材
70f…流路
71…連通孔
71A…突出部
71a…第1の連通孔
71b…第2の連通孔
71Aa…第1の突出部
71Ab…第2の突出部
73…周囲壁
90…加工部
91,92…パンチ
93…開口部形成工具
95…製造装置
99…フィルム
102…装置第1面
104…装置第2面
106…装置第3面
200…ロック機構
362…液体導入部
381…装置側端子
501…一端部
503…第1側端部
504…第2側端部
511…係合部
513…係合部
515…係合部
517…突出部
521…第1のシート
522…第2のシート
523…第3のシート
545…押圧部
548…基部
549…取付部
550…流通口
551…弁機構
552…弁座
554…弁体
556…ばね
572…液体供給口
581…液体収容容器側端子
582…回路基板
583…記憶装置
588…部材係合部
70e1…開口部
1000…液体消費システム
70e2…接続部
CL…中心軸
CT…中心軸

Claims (12)

  1. 液体消費装置に液体を供給可能な液体収容容器であって、
    沈降成分を有する液体を収容可能な液体収容部と、
    前記液体収容部の一端部に位置する液体供給部と、
    前記液体収容部の内部と前記液体供給部とを連通させる流路を形成する流路形成部材と、を備え、
    前記液体消費装置に液体を供給する時に、前記液体収容容器は、前記液体収容部より重力方向の上側に位置するように前記液体消費装置に支持される支持状態となり、
    前記流路形成部材は、前記支持状態のときに、重力方向に間隔をあけて配置された複数の第1の連通孔であって、前記流路と前記流路形成部材の外部とを連通させる複数の第1の連通孔を有する、液体収容容器。
  2. 請求項1に記載の液体収容容器であって、
    前記流路形成部材は、チューブであり、
    前記流路形成部材の端部は、前記液体供給部に接続されている、液体収容容器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体収容容器であって、
    前記流路形成部材は、弾性を有する、液体収容容器。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記流路形成部材のうち、前記液体供給部が位置する側とは反対側の端部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向を向く開口部が形成されている、液体収容容器。
  5. 請求項4に記載の液体収容容器であって、
    前記開口部は、前記液体収容容器の底部に位置する、液体収容容器。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記流路形成部材は、前記液体収容部の底部に位置し、前記流路と前記流路形成部材の外部とを連通させる流通部を有する、液体収容容器。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の液体収容容器であって、更に、
    前記液体収容部の底部に配置され、両端が開口する筒状部材を備える、液体収容容器。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記第1の連通孔の周縁部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向に突出する第1の突出部が形成されている、液体収容容器。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記流路形成部材は、
    前記第1の連通孔と対向する位置に形成された第2の連通孔であって、前記流路と前記流路形成部材とを連通させる第2の連通孔を有する、液体収容容器。
  10. 請求項9に記載の液体収容容器であって、
    前記第2の連通孔の周縁部には、前記流路形成部材が延びる方向と交差する方向に突出する第2の突出部が形成されている、液体収容容器。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の流路形成部材の製造方法であって、
    (a)前記流路形成部材の周囲壁にパンチを貫通させて、貫通状態を維持する工程と、
    (b)前記パンチを加熱する工程と、
    (c)前記工程(b)の後に、前記パンチを冷却する工程と、
    (d)前記工程(c)の後に、前記パンチを前記周囲壁から取り除いて前記第1の連通孔と前記第2の連通孔とを形成する工程と、を備える流路形成部材の製造方法。
  12. 液体消費装置に液体を供給可能な液体収容容器であって、
    沈降成分を有する液体を収容可能な液体収容部と、
    前記液体収容部の一端部に位置する液体供給部と、
    前記液体収容部の内部と前記液体供給部とを連通させる流路を形成する流路形成部材と、を備え、
    前記流路形成部材は、請求項11に記載の製造方法によって製造されている、液体収容容器。
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