JP2015188848A - バナジウム含有水の処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バナジウムを効率的に除去することができるとともに、イオン交換樹脂の劣化を抑制することが可能なバナジウム含有水の処理方法および装置を提案する
【解決手段】バナジウム含有水を溶存酸素除去処理する工程と、この溶存酸素除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程とを有するバナジウム含有水の処理方法。バナジウム含有水をアニオン態バナジウムイオン除去処理する工程と、このアニオン態バナジウムイオンが除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程とを有するバナジウム含有水の処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明はバナジウム含有水からバナジウムを除去するバナジウム含有水の処理方法及び装置に係り、特にイオン交換樹脂によりバナジウムを除去するバナジウム含有水の処理方法及び装置に関するものである。
バナジウムは触媒として広く使用されている。またバナジウムは石炭、石油等の灰分中に含まれるほか、火山地域の地下水中にも含まれている。バナジウム含有水は、その起源に応じていろいろな形態のバナジウムを含んでいる。バナジウムは−Iないし+Vの価数に応じて種々の化合物を形成する。バナジウム化合物には、バナジウムがカチオンに解離するものとアニオンに解離するものとがある。可溶性塩のようにイオンまたはイオン化可能状態でバナジウムを含む場合には、イオン交換によりバナジウムを除去することが可能である。
火山灰地の地下水など、カチオンに解離するバナジウム化合物を含有するバナジウム含有水は、カチオン交換樹脂により、カチオンに解離したバナジウムを交換吸着させて除去することが可能である。
上記のようにバナジウム含有水をカチオン交換樹脂により処理すると、交換吸着によりバナジウムは樹脂中に濃縮される。ところがバナジウムの価数あるいは化合物の種類によって活性に差があるが、多くのバナジウム化合物は触媒活性を有している。触媒活性を有するバナジウムがカチオン交換樹脂中に濃縮されると、カチオン交換樹脂がその触媒作用により酸化を受けて、カチオン交換樹脂の交換基を含む分解生成物(例えばポリスチレンスルホン酸)が流出し、カチオン交換活性が低下しやすい。また、流出するポリスチレンスルホン酸等の比較的高分子の分解生成物は処理水質を悪化させると共に、後段にアニオン交換樹脂がある場合にはその負荷となり、アニオン交換樹脂の再生サイクルが短くなるなどの問題点がある。
特開2002−346559(特許4721554)には、このカチオン交換樹脂の劣化を抑制するために、高架橋度のカチオン交換樹脂を用いて、酸化耐性を持たせることが記載されている。
特開2003−190947(特許第3963100)には、バナジウム含有水を前段で、H形強酸性カチオン交換樹脂およびCl形強塩基性アニオン交換樹脂の混床と接触させてバナジウムをカチオン交換樹脂に交換吸着させて除去するとともに、放出されるHイオンにより混床の内部を酸性にしてバナジウムの交換吸着効率を高くし、バナジウムの濃縮により流出する樹脂の分解生成物をアニオン交換樹脂に吸着させ、その処理水を後段のカチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂と接触させて残留イオンを除去するバナジウム含有水の処理方法が記載されている。この方法では、バナジウムが効率よく除去される。しかしながら、この方法では前段の混床内が酸性条件となるため、混床内及び後段のカチオン樹脂が劣化し易い。
特開2002−346559 特開2003−190947
本発明は、バナジウムを効率的に除去することができるとともに、イオン交換樹脂の劣化を抑制し、長時間にわたって安定した処理水を得ることが可能なバナジウム含有水の処理方法および装置を提供することを目的とする。
第1発明のバナジウム含有水の処理方法は、バナジウム含有水を溶存酸素除去処理する工程と、この溶存酸素除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程とを有する。
第2発明のバナジウム含有水の処理方法は、バナジウム含有水を塩型アニオン交換樹脂と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去する工程と、このアニオン態バナジウムイオンが除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程とを有する。
第2発明において、バナジウム含有水を塩型アニオン交換樹脂と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去する工程は、バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂と接触させるか、又はNa型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床と接触させる工程であることが好ましい。
第3発明のバナジウム含有水の処理装置は、バナジウム含有水を溶存酸素除去処理する手段と、この溶存酸素除去処理された水が通水される少なくともH形カチオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔とを有する。
第4発明のバナジウム含有水の処理装置は、バナジウム含有水からアニオン態バナジウムイオンを除去するための塩型アニオン交換樹脂手段と、このアニオン態バナジウムイオンが除去された水が通水される少なくともH型カチオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔とを有する。
第4発明において、前記塩型アニオン交換樹脂手段は、Cl型アニオン交換樹脂が充填されるか又はNa型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床が充填されていることが好ましい。
本発明者は、種々の研究結果、バナジウム含有水中にアニオン態バナジウムイオンが存在すると、イオン交換樹脂の酸化劣化の原因物質となるOHラジカルが生じること、そして、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオンを除去するか減少させることにより、カチオン交換樹脂の劣化が防止されることを見出した。アニオン態バナジウムイオンを全く又は殆ど含有しないバナジウム含有水が後段工程でH形カチオン交換樹脂と接触しても、該H形カチオン交換樹脂の劣化が抑制される。カチオン態バナジウムは直接OHラジカルを生成させないと推察される。本発明は、かかる知見に基づくものである。
第1発明及び第3発明では、バナジウム含有水を溶存酸素除去処理した後、少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてカチオン態バナジウムイオンを除去する。バナジウム含有水から溶存酸素を除去すると、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオンが平衡反応に従ってカチオン態バナジウムイオンに還元され、またバナジウム含有水中のカチオン態バナジウムイオンがアニオン態バナジウムイオンに酸化されることがなく、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオン濃度が低いものとなる。これにより、バナジウム含有水中のOHラジカル生成が抑制され、カチオン交換樹脂の劣化が抑制されると推察される。
第2発明及び第4発明では、バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂と接触させるか、又はバナジウム含有水をNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床と接触させた後、少なくともH形カチオン交換樹脂を含むイオン交換純水装置にて純水を製造する。このようにバナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂と接触させるか、又はNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床と接触させると、アニオン態バナジウムイオンが除去され、OHラジカルが生成しないようになり、カチオン交換樹脂の劣化が抑制される。
実験結果を示すグラフである。 実験結果を示すグラフである。
本発明で処理の対象となるバナジウム含有水は、バナジウムをイオン交換可能な状態で含む水であり、バナジウムをイオンとして、またはイオンに解離可能な状態で含む水があげられるが、イオン化しないバナジウム化合物、あるいは他の不純物を含んでいてもよい。本発明で処理の対象となるバナジウム含有水としてはイオンに解離したバナジウム、またはイオンに解離可能なバナジウムを0.1μg/L以上含有するものが処理に適している。本発明で処理の対象となるバナジウム含有水の具体的なものとしては、天然水、特に火山灰地の地下水、伏流水、深井戸水のほか、バナジウム触媒使用工程排水などがあげられる。
バナジウムは前述のように−I〜+Vの価数の化合物を形成するが、このうち+IIから+Vまでが一般的である。酸化数IIとIIIでは主としてカチオンとして塩をつくるが、酸化数IVでは酸素と結合してVO2+の塩をつくることが多い。酸化数VではVO3+やVO の塩とともにアニオン態のメタバナジウム酸イオンVO の塩を形成する。触媒として広く利用されているVは、水に溶けにくく両性で、酸に溶解するとVO を生成し、アルカリ性水溶液にはメタバナジウム酸イオンを生成してアニオンに解離する。このようにバナジウムは種々の価数の化合物を形成する。天然水、特に火山灰地の地下水、伏流水、深井戸水にはカチオン、アニオン共にイオンとしてバナジウムを含むものが多い。またバナジウム触媒を使用する系から排出される排水には、pHに応じてカチオンに解離するもの、およびアニオンに解離するものがある。
本発明の一態様では、バナジウム含有水をまず溶存酸素除去処理する。溶存酸素の除去には、膜式脱気装置、真空脱気装置、窒素脱気装置などを用いることができるが、これに限定されない。バナジウム含有水は、溶存酸素濃度が2mg/L以下、特に10μg/L以下となるように脱酸素処理されることが好ましい。
このように、溶存酸素を除去しておくと、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオンが平衡反応に従ってカチオン態バナジウムイオンに還元され、またバナジウム含有水中のカチオン態バナジウムイオンがアニオン態バナジウムイオンに酸化されることがなく、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオン濃度が低いものとなる。これにより、後工程でバナジウム含有水がH形カチオン交換樹脂と接触した際のOHラジカル生成が抑制され、該H形カチオン交換樹脂の劣化が抑制される。なお、OHラジカルは強い酸化作用を有し、カチオン交換樹脂を劣化させるものと考えられる。
本発明の別の一態様では、バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去する。バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂と接触させるには、その充填塔カラムに通水することが好ましい。このときの通水SVは10〜60h−1特に20〜30h−1程度が好ましい。
本発明のさらに別の一態様では、バナジウム含有水をNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床と接触させてカチオン態バナジウムイオンの一部とアニオン態バナジウムイオンを除去する。バナジウム含有水をNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床と接触させるには、その充填塔カラムに通水することが好ましい。この時の通水SVは10〜60h−1特に20〜30h−1程度が好ましい。
このように、バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂又はNa型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床と接触させると、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオンが除去される。アニオン態バナジウムイオンを全く又は殆ど含有しないバナジウム含有水が後段工程でH形カチオン交換樹脂と接触しても、該H形カチオン交換樹脂の劣化が抑制される。これは、上述の通り、カチオン態バナジウムはOHラジカルを生成させないためであると推察される。
なお、前段工程にH型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床や、H型カチオン交換樹脂とOH型アニオン交換樹脂との混床を用いた場合、H型カチオン交換樹脂とバナジウム含有水中のカチオン態バナジウムイオンが接した時にイオン交換によりHが生じ、処理水が酸性になるため、OHラジカルの発生を抑制できない。
前段工程にNa型カチオン交換樹脂とOH型アニオン交換樹脂との混床を用いた場合は、バナジウム含有水中のアニオン態バナジウムイオンとOH型アニオン交換樹脂とが接した時にOHが出てくるが、このOHと他の金属が水酸化物を作って析出を生じるので、後段のイオン交換装置を閉塞させてしまう。これに対し、上記の一態様の通り、前段工程にNa型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床を用いた場合には、アニオン態バナジウムイオンが除去される。また、この際のイオン交換反応ではOHやHが生成せず、金属水酸化物が生成することがなく、イオン交換装置を閉塞させることもない。
なお、バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂等と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去しても、この除去処理水を大気に晒しておくと、カチオン態バナジウムイオンが酸化されてアニオン態イオンとなるので、前段工程でアニオン態バナジウムイオンを除去した後は、直ちに、又は大気に接触させることなく、後段処理工程を行うことが好ましい。そのため、充填塔カラム内にCl型アニオン交換樹脂やNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床を充填する態様に変えて、H型カチオン交換樹脂塔に充填されたH型カチオン交換樹脂層の上流側に、Cl型アニオン交換樹脂層やNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床層を積層するようにしてもよい。
また、前記ではCl型アニオン交換樹脂やNa型カチオン交換樹脂を用いる態様となっているが、被処理水中のバナジウムと塩型のイオン交換樹脂の選択係数を確認して用いれば、バナジウム除去性、すなわち、劣化への影響を予め予想できるため、塩型のイオン交換樹脂はCl型やNa型に限定されない。すなわち、Cl型と同様にBr型、I型、(NO型、SO型)のアニオン交換樹脂を用いることができ、Na型と同様にNH型、K型、(Ca型)のカチオン交換樹脂を用いることができ、特に1価の塩型の樹脂を好適に使用することができる。前段工程で溶存酸素除去処理を行った場合も同様である。
本発明では、このように溶存酸素除去処理またはアニオン態バナジウムイオン除去処理する前段処理が施されたバナジウム含有水を、後段工程において、H形のカチオン交換樹脂と接触させるか、又はH形のカチオン交換樹脂とOH形又は塩形アニオン交換樹脂との混床と接触させて、カチオンに解離したカチオン態バナジウムイオンをカチオン交換樹脂に交換吸着させて除去する。このときの通水SVは10〜60h−1特に20〜30h−1程度が好ましい。
本発明では、バナジウム含有水を、Cl型アニオン交換樹脂やNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床を充填した充填塔(カラム)に通水した後、H型カチオン交換樹脂充填塔に通水し、次いで、OH形アニオン交換樹脂充填塔に通水してもよいし、H型カチオン交換樹脂とOH型アニオン交換樹脂の混床に通水してもよい。
本発明では、バナジウム含有水を、H型カチオン交換樹脂層の上流側に、Cl型アニオン交換樹脂層やNa型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂の混床層を積層した充填塔に通水した後、OH形アニオン交換樹脂充填塔に通水してもよい。さらには、予期せぬバナジウム濃度の変化に備えて、高架橋(架橋度12〜16%)のH型カチオン交換樹脂を用いて、耐酸化性を付与することも有効である。
本発明では、カチオン交換樹脂としては、カチオン交換基としてスルホン基を付けた強酸性カチオン交換樹脂、カルボン酸基を付けた弱酸性カチオン交換樹脂などの、いずれも使用可能である。また、アニオン交換樹脂としては、アニオン交換基として第四アンモニウム基を付けた強塩基性アニオン交換樹脂、第一ないし第三アンモニウム基を付けた弱塩基性アニオン交換樹脂などの、いずれも使用可能である。これらのイオン交換樹脂は、再生して再使用可能である。
以下、実施例及び比較例について説明する。以下の実施例及び比較例1,2では、被処理水として、超純水にバナジン酸アンモニウムを溶解させたバナジウム含有水(V換算10μg/L水溶液)を用いた。また、比較例3では、工業用水にバナジン酸アンモニウムを溶解させたバナジウム含有水(V換算10μg/L水溶液)を用いた。
[比較例1]
H型に調整した強酸性カチオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B:商標、三菱化学株式会社製、架橋度8%)を内径15mmのカラムに75mL−R充填してメインカラムを構成した。
上記被処理水を、大気開放された容器内に収容し、何ら前処理することなく、このメインカラムに流速50mL/minで通水してバナジウムを除去した。
該容器からメインカラムに供給される被処理水中の溶存酸素(DO)濃度と、処理水の波長225nmのUV吸光度の測定結果を図1に示す。このUV吸光は、処理水中のポリスチレンスルホン酸(PSA)吸光によるものであり、処理水中のPSA濃度を示している。
図1の通り、被処理水中の溶存酸素濃度は経時的に上昇している。また、処理水のUV吸光度が通水約50時間から急上昇し、樹脂の劣化が確認された。
[実施例1]
被処理水を膜脱気により溶存酸素濃度(DO)が常に2.0mg/L以下となるようにしたこと以外は比較例1と同様にしてメインカラムに通水し、同様の測定を行った。結果を図1に示す。図1の通り、約300時間の通水を経ても処理水中のPSAによるUV吸光度の上昇が抑制されることが認められた。
[実施例2]
被処理水をCl型アニオン交換樹脂を20mL−R充填したイオン交換カラムに通水した後、メインカラムに通水するようにしたこと以外は比較例1と同様の通水試験及び測定を行い、結果を図2に示した。なお、図2には上記比較例1の結果も併せて記入してある。図2の通り、約200時間の通水を経ても処理水中のPSAによるUV吸光度の上昇が抑制されることが認められた。
[実施例3]
被処理水をCl型アニオン交換樹脂及びNa型カチオン交換樹脂をそれぞれ10mL−Rずつ混合充填したイオン交換カラムに通水した後、メインカラムに通水するようにしたこと以外は比較例1と同様の通水試験及び測定を行った。その結果、200時間の通水を経ても処理水中のPSAによるUV吸光度の上昇が抑制されることが認められた。
[比較例2]
被処理水をH型カチオン交換樹脂及びCl型アニオン交換樹脂をそれぞれ10mL−R混合充填したイオン交換カラムに通水した後、メインカラムに通水するようにしたこと以外は比較例1と同様の通水試験及び測定を行った。その結果。約50時間の通水後に処理水中のPSAによるUV吸光度の著しい上昇が認められた。
[比較例3]
被処理水をNa型カチオン交換樹脂及びOH型アニオン交換樹脂をそれぞれ10mL−R混合充填したイオン交換カラムに通水した後、メインカラムに通水するようにしたこと以外は比較例1と同様の通水試験及び測定を行った。その結果、処理水中のPSAによるUV吸光度の上昇が抑制されることが認められたが、マグネシウムが水酸化物となって、メインカラムが約60時間で閉塞することが認められた。
以上の実施例及び比較例により、本発明によるとバナジウム含有水を処理しても、H型カチオン交換樹脂を劣化させることなく長時間にわたって安定して純水製造を行えることが認められた。
第1発明のバナジウム含有水の処理方法は、バナジウム含有水を、膜式脱気装置、真空脱気装置、窒素脱気装置のいずれかで溶存酸素除去処理する工程と、この溶存酸素除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程とを有する。
第2発明のバナジウム含有水の処理方法は、バナジウム含有水を、カチオン交換樹脂と接触させる前に、塩型アニオン交換樹脂と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去する工程と、このアニオン態バナジウムイオンが除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程とを有する。
第3発明のバナジウム含有水の処理装置は、バナジウム含有水を、膜式脱気装置、真空脱気装置、窒素脱気装置のいずれかで溶存酸素除去処理する手段と、この溶存酸素除去処理された水が通水される少なくともH形カチオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔とを有する。
第4発明のバナジウム含有水の処理装置は、バナジウム含有水がカチオン交換樹脂と接触する前に、該バナジウム含有水からアニオン態バナジウムイオンを除去するための塩型アニオン交換樹脂手段と、このアニオン態バナジウムイオンが除去された水が通水される少なくともH型カチオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔とを有する。

Claims (8)

  1. バナジウム含有水を溶存酸素除去処理する工程と、
    この溶存酸素除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程と
    を有するバナジウム含有水の処理方法。
  2. バナジウム含有水を塩型アニオン交換樹脂と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去する工程と、
    このアニオン態バナジウムイオンが除去処理された水を少なくともH形カチオン交換樹脂と接触させてバナジウムイオンを除去する工程と
    を有するバナジウム含有水の処理方法。
  3. 請求項2において、バナジウム含有水を塩型アニオン交換樹脂と接触させてアニオン態バナジウムイオンを除去する工程は、バナジウム含有水をCl型アニオン交換樹脂と接触させるか、又はNa型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床と接触させる工程であることを特徴とするバナジウム含有水の処理方法。
  4. 請求項2又は3において、アニオン態バナジウムイオンを除去する工程の前にバナジウム含有水から溶存酸素を除去処理する工程を行うことと特徴とするバナジウム含有水の処理方法。
  5. バナジウム含有水を溶存酸素除去処理する手段と、
    この溶存酸素除去処理された水が通水される少なくともH形カチオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔と、
    を有するバナジウム含有水の処理装置。
  6. バナジウム含有水からアニオン態バナジウムイオンを除去するための塩型アニオン交換樹脂手段と、
    このアニオン態バナジウムイオンが除去された水が通水される少なくともH型カチオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔と、
    を有するバナジウム含有水の処理装置。
  7. 請求項6において、前記塩型アニオン交換樹脂手段は、Cl型アニオン交換樹脂が充填されるか又はNa型カチオン交換樹脂とCl型アニオン交換樹脂との混床が充填されていることを特徴とするバナジウム含有水の処理装置。
  8. 請求項6又は7において、塩型アニオン交換樹脂手段の前段に溶存酸素の除去処理手段を設けたことを特徴とするバナジウム含有水の処理装置。
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