JP2015188774A - ナノカーボン用分散剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡便にナノカーボンを安定分散させることが可能な、より安価な分散剤を提供することを目的とする。また、この分散剤を用いて得られるナノカーボン水分散体、及びナノカーボン組成物を提供することをも目的とする。【解決手段】植物抽出物を含有するナノカーボン用分散剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ナノカーボン用分散剤、ナノカーボン水分散体、ナノカーボン組成物の製造方法、及びナノカーボン組成物に関する。
カーボンナノチューブに代表されるナノカーボンは電気伝導性、熱伝導性、機械的強度、熱安定性等に優れているため、その応用開発研究が盛んに行われている。しかしながら、ナノカーボンは水等の分散媒中で強いファン・デル・ワールス力によって凝集し易いため、分離・精製及び取扱いが困難という問題がある。そして、特に機能性材料として期待されているカーボンナノチューブにおいては、凝集が著しく、凝集解消が強く求められている。特に、工業的用途に用いるという観点からは、凝集解消(分散)をより効率的に、且つより安価に行うことが望ましい。
分散方法としては、例えば、カーボンナノチューブを硝酸、硫酸等で処理し、親水化する方法が知られている(特許文献1)。これは金属やアモルファスカーボンを除去でき、表面に官能基を導入できる優れた方法であるが、工業化には、高濃度の混酸を高温で使用することに起因する腐食の問題、超音波分散のスケールアップが難しいという問題、ナノ材料特有の処理濃度を高くできない(生産効率が悪い)という問題、多量の排水が生じるという問題等があった。
また、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなど、高分子系の分散剤によりナノカーボンを分散することもできるが、除去が困難であり、導電性や触媒性能などが阻害されるという問題があった。
一方で、食品工場では、水分を多く含む残渣の処理にエネルギーや輸送コストがかかっているので、これらを有効活用することが望まれている。茶やコーヒーは、過剰な粉砕や抽出は味などの品質問題や抽出効率等の問題を生じさせるので、商品価値を高めるためには、通常、過剰な粉砕や抽出を行わない。したがって、茶やコーヒーの抽出残渣には未利用成分が多く残留している。さらに水で抽出する食品については、有機溶媒のみに溶解する成分は丸々残留していると考えられる。
特許第2595903号
本発明は、より簡便にナノカーボンを安定分散させることが可能な、より安価な分散剤を提供することを目的とする。また、この分散剤を用いて得られるナノカーボン水分散体、及びナノカーボン組成物を提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、植物抽出物を用いることにより、ナノカーボンを安定分散させることができることを見出した。本発明者らは、当該知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.植物抽出物を含有するナノカーボン用分散剤。
項2.前記植物抽出物が、ポリフェノールを含有する、項1に記載の分散剤。
項3.前記植物抽出物が、さらに複素環含有化合物を含有する、項2に記載の分散剤。
項4.前記複素環含有化合物が、テトラピロール環、ピロール環、ピラジン環、ピリジン環、及びキサンチン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を分子内に含有する化合物である、項3に記載の分散剤。
項5.前記植物抽出物が、植物を水で抽出処理して得られた抽出残渣を、溶媒で抽出して得られた抽出物である、項1〜4のいずれかに記載の分散剤。
項6.前記溶媒が有機溶媒を50重量%以上含有する、項5に記載の分散剤。
項7.前記抽出物が、有機アンモニウム、アルカリ金属、アンモニウム、及びポリアルキレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種で処理されている、項6に記載の分散剤。
項8.植物抽出物、ナノカーボン、及び水を含有することを特徴とする、ナノカーボン水分散体。
項9.ナノカーボンの含有割合が0.01〜10重量%であり、植物抽出物の含有割合が0.1〜20重量%であり、且つ水の含有量が80重量%以上である、項8に記載のナノカーボン水分散体。
項10.項8又は9に記載のナノカーボン水分散体の溶媒を乾燥させることを特徴とする、ナノカーボン及び植物抽出物を含有するナノカーボン組成物の製造方法。
項11.項10に記載の製造方法により得られたナノカーボン組成物。
項12.植物抽出物の含有量が、ナノカーボン100重量部に対して、10重量部以上である、項11に記載のナノカーボン組成物。
本発明によれば、分散剤として植物抽出物を用いることにより、より安価に、且つより簡便に、ナノカーボンを安定分散させることができる。
1.ナノカーボン用分散剤
本発明のナノカーボン用分散剤は、植物抽出物を含有する。
ナノカーボン
本発明のナノカーボン用分散剤の分散対象は限定的ではなく、公知のナノカーボン、例えば単層又は多層のカーボンナノチューブ、薄片状のナノカーボン(単層のグラフェンも含む)等が使用できる。カーボンナノチューブとしては、具体的には、次のものが例示できる。
(i) 単層カーボンナノチューブ、
(ii) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
(iii) ナノフレークカーボンチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブからなる群から選ばれるカーボンチューブ、又は
(iv)上記(iii)のカーボンチューブと炭化鉄又は鉄とからなり、該カーボンチューブのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に炭化鉄又は鉄が充填されている鉄−炭素複合体。
<カーボンナノチューブ>
カーボンナノチューブは、黒鉛シート(即ち、黒鉛構造の炭素原子面ないしグラフェンシート)がチューブ状に閉じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケールであり、壁構造は黒鉛構造を有している。カーボンナノチューブのうち、壁構造が一枚の黒鉛シートでチューブ状に閉じたものは単層カーボンナノチューブと呼ばれ、複数枚の黒鉛シートがそれぞれチューブ状に閉じて、入れ子状になっているものは入れ子構造の多層カーボンナノチューブと呼ばれている。本発明では、これら単層又は多層カーボンナノチューブがいずれも使用できる。
単層カーボンナノチューブとしては、直径が0.4〜10nm程度、長さが1〜500μm程度のものが好ましく、直径が0.7〜5nm程度、長さが1〜100μm程度のものがさらに好ましく、特に、直径が0.7〜2nm程度、長さが1〜20μm程度のものが好ましい。
多層カーボンナノチューブとしては、直径が1〜100nm程度、長さが1〜500μm程度のものが好ましく、直径が1〜50nm程度、長さが1〜100μm程度のものがさらに好ましく、特に、直径が1〜40nm程度、長さが1〜20μm程度のものが好ましい。
<アモルファスナノスケールカーボンチューブ>
アモルファスナノスケールカーボンチューブは、WO00/40509(特許第3355442号)に記載されており、カーボンからなる主骨格を有し、直径が0.1〜1000nmであり、アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブであって、直線状の形態を有し、X線回折法(入射X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面(002)の平面間隔(d002)が3.54Å以上、特に3.7Å以上であり、回折角度(2θ)が25.1度以下、特に24.1度以下であり、2θバンドの半値幅が3.2度以上、特に7.0度以上であることを特徴とするものである。
アモルファスナノスケールカーボンチューブは、アモルファス構造(非晶質構造)を有するナノスケールのカーボンナノチューブで、中空直線状であり、細孔が高度に制御されている。その形状は、主に円柱、四角柱などであり、先端の少なくとも一方が、キャップを有していない(開口している)場合が多い。先端が閉口している場合には、形状がフラット状である場合が多い。
該アモルファスナノスケールカーボンチューブの外径は、通常1〜1000nm程度の範囲にあり、好ましくは1〜200nm程度の範囲にあり、より好ましくは、1〜100nm程度の範囲にある。そのアスペクト比(チューブの長さ/直径)は2倍以上であり、好ましくは5倍以上である。
ここで、「アモルファス構造」とは、規則的に配列した炭素原子の連続的な炭素層からなる黒鉛質構造ではなく、不規則な炭素網平面からなる炭素質構造を意味し、多数の微細なグラフェンシートが不規則に配列し、原子の配列が不規則になっている。代表的な分析手法である透過型電子顕微鏡による像からは、本発明による非晶質構造のナノスケールカーボンチューブは、炭素網平面の平面方向の広がりがアモルファスナノスケールカーボンチューブの直径の1倍より小さい。このように、アモルファスナノスケールカーボンチューブは、その壁部が黒鉛構造ではなく多数の微細なグラフェンシート(炭素網面)が不規則に分布したアモルファス構造を有しているため、最外層を構成する炭素網面は、チューブ長手方向の全長にわたって連続しておらず、不連続となっている。特に、最外層を構成する炭素網面の長さは、20nm未満、特に5nm未満である。
非晶質炭素は一般的にはX線回折を示さないが、ブロードな反射を示す。黒鉛質構造では、炭素網平面が規則的に積み重なっているので、炭素網平面間隔(d002)が狭くなり、ブロードな反射は高角側(2θ)に移行して、次第に鋭くなり(2θバンドの半値幅が狭くなり)、d002回折線として観測できるようになる(黒鉛的位置関係で規則正しく積み重なっている場合はd002=3.354Åである)。
これに対し、非晶質構造は、上記のように一般的にはX線による回折を示さないが、部分的に非常に弱い干渉性散乱を示す。X線回折法(入射X線=CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される本発明によるアモルファスナノスケールカーボンチューブの理論的な結晶学的特性は、以下の様に規定される:炭素網平面間隔(d002)は、3.54Å以上であり、より好ましくは3.7Å以上である;回折角度(2θ)は、25.1度以下であり、より好ましくは24.1度以下である;前記2θバンドの半値幅は、3.2度以上であり、より好ましくは7.0度以上である。
典型的には、アモルファスナノスケールカーボンチューブは、X線回折による回折角度(2θ)が18.9〜22.6度の範囲内にあり、炭素網平面間隔(d002)は3.9〜4.7Åの範囲内にあり、2θバンドの半値幅は7.6〜8.2度の範囲内にある。
アモルファスナノスケールカーボンチューブの形状を表す一つの用語である「直線状」なる語句は、次のように定義される。すなわち、透過型電子顕微鏡によるアモルファスナノスケールカーボンチューブ像の長さをLとし、そのアモルファスナノスケールカーボンチューブを伸ばした時の長さをL0とした場合に、L/L0が0.9以上となる形状特性を意味するものとする。
<鉄−炭素複合体>
鉄−炭素複合体は、特開2002−338220号公報に記載されており、(a)ナノフレークカーボンチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブからなる群から選ばれるカーボンチューブと(b)炭化鉄又は鉄とからなり、該カーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に(b)の炭化鉄又は鉄が充填されている。即ち、チューブ内空間部の100%の範囲に完全に充填されているものではなく、上記金属又は合金がそのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に充填されている(即ち、部分的に充填されている)ことを特徴とするものである。壁部は、パッチワーク状ないし張り子状(いわゆるpaper mache状)のナノフレークカーボンチューブである。
なお、「ナノフレークカーボンチューブ」とは、フレーク状の黒鉛シートが複数枚(通常は多数)パッチワーク状ないし張り子状(paper mache状)に集合して構成されている、黒鉛シートの集合体からなる炭素製チューブを指す。
植物抽出物
植物抽出物は、植物材料を溶媒で抽出して得られた抽出物である限り特に限定されない。
植物材料としては、植物由来の材料である限り特に限定されず、例えば、植物そのもの、植物を溶媒で抽出処理して得られた抽出残渣等が挙げられる。通常であれば廃棄される食品用植物材料の残渣を有効利用できるという観点から、好ましくは植物を水で抽出処理して得られた抽出残渣等が挙げられる。この抽出残渣から再度水で抽出処理してもよいし、アルコールやアセトンなどの有機溶媒で、水で抽出されにくい成分を新たに抽出してもよい。
植物材料となる植物としては、ポリフェノール、及び/又は複素環含有化合物を含む植物である限り特に限定されない。
ポリフェノールは、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物である限り特に限定されない。ポリフェノールの具体例としては、カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボン、クロロゲン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリン、リグニン分解物等が挙げられる。
複素環含有化合物は、分子内に複素環を含有する化合物であって、上記ポリフェノールに分類されない化合物である限り特に限定されない。複素環含有化合物としては、例えば、テトラピロール環、ピロール環、ピラジン環、ピリジン環、及びキサンチン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を分子内に含有する化合物が挙げられる。より具体的には、クロロフィル等のテトラピロール類、カフェイン、ニコチンなどのアルカロイド類等が挙げられる。
植物材料となる植物としては、例えば、チャノキ等のツバキ属植物、コーヒー等のコーヒーノキ属植物、ブドウ属植物、リンゴ属植物、ブルーベリー等のスノキ属植物、柿等のカキノキ属植物、バナナ等のバショウ属植物、アーティチョーク等のチョウセンアザミ属植物、アイ等のイヌタデ属植物、アイリス等のアヤメ属植物、アシタバ等のシシウド属植物、アボカド等のワニナシ属植物、アマチャ等のアジサイ属植物、アマチャヅル等のアマチャヅル属植物、アルテア等のタチアオイ属植物、アルピニアカツマダイ等のハナミョウガ属植物、アロエ等のアロエ属植物、イチョウ等のイチョウ属植物、ウイキョウ等のウイキョウ属植物、ウコン等のウコン属植物、エイジツ等のバラ属植物、エチナシ等のムラサキバレンギク属植物、オウゴン等のタツナミソウ属植物、オウバク等のキハダ属植物、オウレン等のオウレン属植物、オクラ等のトロロアオイ属植物、オドリコソウ等のオドリコソウ属植物、オレンジ、グレープフルーツ等のミカン属植物、褐藻、紅藻、緑藻等の海藻、カッコン等のクズ属植物、カモミール等のシカギク属植物、カロット等のニンジン属植物、カワラヨモギ等のヨモギ属植物、キイチゴ等のキイチゴ属植物、キウイ等のマタタビ属植物、キューカンバー等のキュウリ属植物、クチナシ等のクチナシ属植物、クマザサ等のササ属植物、クララ等のクララ属植物、クレマティス等のセンニンソウ属植物、クロレラ等のクロレラ属植物、ゲンチアナ等のリンドウ属植物、コタラヒムブツ等のサラシア属植物、コメ等のイネ属植物、コンフリー等のヒレハリソウ属植物、サイシン等のカンアオイ属植物、サクラ等のサクラ属植物、サトウカエデ等のカエデ属植物、サボンソウ等のサボンソウ属植物、サンザシ、セイヨウサンザシ等のサンザシ属植物、サンショウ等のサンショウ属植物、シア等のシアバターノキ属植物、ジオウ等のアカヤジオウ属植物、シコン等のムラサキ属植物、シソ等のシソ属植物、ショウブ等のショウブ属植物、スイカズラ等のスイカズラ属植物、セイヨウオオバコ等のオオバコ属植物、セイヨウナシ等のナシ属植物、セイヨウノコギリソウ等のノコギリソウ属植物、センキュウ等のハマゼリ属植物、ダイズ等のダイズ属植物、タイム等のイブキジャコウソウ属植物、チョウジ等のフトモモ属植物、トマト等のナス属植物、バラ等のバラ属植物、ブクリョウ等のポリア属植物、ベニバナ等のベニバナ属植物等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはチャノキ等のツバキ属植物、コーヒー等のコーヒーノキ属植物、ブドウ属植物、リンゴ属植物、ブルーベリー等のスノキ属植物、柿等のカキノキ属植物、バナナ等のバショウ属植物等が挙げられ、より好ましくはチャノキ等のツバキ属植物、コーヒー等のコーヒーノキ属植物が挙げられる。また、植物材料となる植物の部位も特に限定されず、葉、茎、花、根等を利用することができる。
植物材料は、輸送の観点からは乾燥したものを用いる方が望ましいが、抽出効率が悪くなる可能性や、乾燥時の熱により水溶性の成分が不溶化する可能性等があることから、湿潤状態のまま、もしくは水分を少なくする程度の必要最小限の乾燥を行ったものを用いることが好ましい。
植物材料は、抽出の効率を上げる、および溶解性の低い成分を多く抽出するという観点から、細かく粉砕したものを用いることが好ましい。粉砕の手段としては、特に限定されず、例えば、ミキサー、ミル、グラインダー、ホモジナイザー等が挙げられる。粉砕の態様も特に限定されることはないが、例えば湿潤した状態の植物材料に水もしくは溶媒を加えてミキサーなどで粉砕することがより好ましい。粉砕は、粉砕物の平均粒径が例えば1mm以下、好ましくは100μm以下になるまで行うことが好ましい。
植物材料は1種単独でもよいし、2種又は3種以上の組み合わせであってもよい。
植物材料の抽出溶媒は、植物内のポリフェノールや複素環含有化合物等を抽出することができる限り特に限定されない。抽出溶媒としては、例えば、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、アセトン、トルエン等を挙げることができる。ポリフェノールや含窒素複素環化合物をより効率的に抽出できるという観点から、抽出溶媒は、アルコール(特にエタノール)、アセトン等が好ましく挙げられる。
抽出溶媒は1種単独でもよいし、2種又は3種以上の組み合わせであってもよい。混合溶媒である場合は、完全な混合状態であってもよく、分液した状態であってもよい。また、例えば、水と有機溶媒との混合溶媒である場合、ポリフェノールや含窒素複素環化合物をより効率的に抽出できるという観点から、有機溶媒の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上であることができる。
抽出方法は、植物内のポリフェノールや複素環含有化合物等を抽出することができる限り特に限定されない。例えば、植物材料を抽出溶媒に浸漬して放置(又は撹拌)する方法が挙げられる。
抽出時間は、植物内のポリフェノールや複素環含有化合物等を抽出することができる限り特に限定されない。例えば、1分間〜24時間程度であることができる。より長く設定することにより、植物成分がより多く抽出されるが、抽出効率が低くなり得る。よって、抽出効率の観点から、好ましくは1分間〜3時間程度、より好ましくは1分間〜30分間程度であることができる。
抽出温度は、植物内のポリフェノールや複素環含有化合物等を抽出することができる限り特に限定されず、例えば、常温〜100℃程度の温度を採用することができる。
得られた抽出液は、そのまま植物抽出物として用いてもよいし、乾燥、濃縮、若しくは希釈したものを植物抽出物として用いてもよい。輸送、保存の観点から、乾燥したものが好ましいが、乾燥温度が高い場合は高分子化して水溶性が低下する恐れがある。よって、乾燥手段は、減圧乾燥やスプレードライ等の瞬間的に乾燥できる手段が望ましい。
また、本発明の分散剤、および溶媒として水を用いてナノカーボンの分散を行う場合、植物抽出物中のより多くのポリフェノールや複素環含有化合物の水溶性がより高いことが望ましい。一方、ナノカーボンとの親和性の観点では、分散剤にベンゼン環や疎水基が多い方が望ましい。これらを勘案して、加熱した水、もしくは有機溶媒を用いて、植物材料から疎水性の高い成分を抽出した場合、常温の水中で溶解しない成分、濁る成分、溶解するが低濃度に限定される成分が含まれることがあるが、有機アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム、又はポリアルキレンオキシドを用いて、水溶化処理することができる。
上記有機アンモニウムとしては、第四級アンモニウムが好適に使用され、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムが好ましい。
上記アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられる。
上記ポリアルキレンオキシドとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等が挙げられる。
つまり、本法は水による抽出速度が遅い成分、つまりベンゼン環や複素環などカーボン類と親和性の高い疎水基を有する成分を有効に活用することができる。
また、有機溶媒を用いて非水溶性成分を抽出し、その後水溶化処理することにより、水では全く抽出されず、従来有効活用されてこなかったがカーボン類と親和性高い構造を持つ成分を新たに活用することができる。
2.ナノカーボン水分散体
上記した本発明のナノカーボン用分散剤を用いることにより、植物抽出物、ナノカーボン、及び水を含有することを特徴とする、ナノカーボン水分散体を得ることができる。
ナノカーボン水分散体の製造方法は限定的ではなく、植物抽出物、ナノカーボン、及び水を混合することにより製造できるが、下記の本発明の製造方法を用いることにより好適に製造することができる。
すなわち、植物抽出物、ナノカーボン、及び水を混合することにより組成物を調製する工程1、及び前記組成物に物理的分散処理を施す工程2を有することを特徴とするナノカーボン水分散液の製造方法により好適に製造することができる。
工程1において、混合手順としては、全部同時に混ぜてもよいが、植物抽出物及び水を含む組成物にナノカーボンを投入することが好ましい。
工程1の組成物中の植物抽出物の含有量は、特に制限されないが、植物抽出物の乾燥重量換算で、0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜25重量%がより好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。
工程1の組成物中のナノカーボンの含有量は、特に制限されないが、20重量%以下が好ましく、15重量%以下が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましく、0.01〜7重量%がさらに好ましく、0.05〜5重量%がよりさらに好ましい。
工程1の組成物中の水の含有量は、特に制限されないが、ナノカーボンの分散効率等の観点から、70重量%以上(70〜100重量%)が好ましく、75〜99重量%がより好ましい。
工程1の組成物には、水以外の溶媒は必ずしも含まなくてもよいが、植物抽出物中の難水溶性成分の水への溶解性をより向上させるために、メタノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール;エチレングリコール等のグリコール;グリセリン;2−メトキシエタノール等の有機溶媒を使用してもよい。この場合、水と有機溶媒の混合液中の有機溶媒の含有量は、ナノカーボンの分散効率等の観点から、50重量%以下(0〜50重量%)が好ましく、0〜30重量%がより好ましい。
工程1の組成物中の溶媒の総量(植物抽出物中の液体成分、及びそれ以外の溶媒の総量)は、特に制限されないが、ナノカーボンの分散効率等の観点から、60〜99.9998重量%が好ましく、65〜99.998重量%がより好ましく、75〜99.98重量%がさらに好ましい。
上記工程2における物理的分散処理は、例えば、超音波処理、加圧処理、撹拌処理超等の公知の分散処理を採用することができる。好適には、超音波処理を採用することができる。
超音波分散処理を施す際の出力は特に制限はないが、ナノカーボンの分散効率等の観点から、通常行われる超音波分散処理(40〜50W程度)よりも強力なものとすることが好ましい。具体的には、超音波分散処理の出力は、100W以上、好ましくは300〜20000W、より好ましくは400〜18000Wである。
超音波分散温度は特に制限はなく、分散が十分に行うことができる温度とすればよく、0〜80℃、特に10〜70℃とし得る。超音波分散時間は特に制限はなく、分散が十分に行うことができる時間とすればよく、1〜600分、特に3〜120分とし得る。
なお、工程1においてナノカーボンに替えて、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、土状黒鉛、酸化黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等の炭素質材料を用いても、工程2でより強力な分散処理を採用することにより、これらの炭素質材料が崩壊してナノカーボンが生成されるので、ナノカーボン水分散体を得ることができる。
ナノカーボン分散体からはナノカーボンの分離・精製が容易であり、他材料にナノカーボンを均一混合することも可能であるため、ナノカーボンを含むナノコンポジット等へ適用できる。さらに、ナノカーボン分散体の乾燥物であるナノカーボン組成物は、植物抽出物を含んでいても、導電性等の優れた諸物性を有するうえに、残存する植物抽出物を容易に除去できるため、導電材料、伝熱材料、トランジスタ、キャパシタ等の蓄電デバイス、センサー、圧電材料、抗菌材料、ろ過材料、樹脂添加剤、光学材料等のさまざまな用途に適用することができる。
3.ナノカーボン組成物
本発明において、ナノカーボン組成物は、上記ナノカーボン分散体の乾燥物であり、ナノカーボンと植物抽出物とを含んでいる。このようなナノカーボン組成物の形状としては、特に制限はないが、塗膜、シート、塊状体等を挙げることができる。
乾燥物を得るためには、ナノカーボン分散体の乾燥の他、基板上にナノカーボン分散体をスピンコートや塗布後に乾燥する方法、通常の固液分離によりナノカーボン組成物を回収する方法等により実施することができる。この分離を行う方法としては、例えば、通常の固液分離に使用されている方法、例えば、濾紙、ガラスフィルター等を用いて濾過する方法;遠心分離後に濾過する方法;減圧濾過器を使用する方法を例示できる。次に、乾燥方法としては、特に限定されず、例えば、温風乾燥機等を用いて50〜200℃程度で1〜24時間程度乾燥させる方法を例示できる。
ナノカーボン組成物中の植物抽出物の含有量は、特に制限されないが、植物抽出物の乾燥重量換算で、10〜90重量%が好ましく、20〜85重量%がより好ましく、30〜80重量%がさらに好ましい。
このようにして得られるナノカーボン組成物は、十分な導電性を有するだけではなく、優れたガスバリア性も有する
本発明において、ナノカーボン組成物は、ナノカーボン表面に植物抽出物が残存していても十分な電気伝導性等の諸物性を有し得るが、必要に応じて、当該植物抽出物を除去することができる。具体的には、植物抽出物は、ナノカーボン組成物を水、有機溶媒等で洗浄することにより除去することができる。洗浄処理は水及び有機溶媒以外にも、希酸又は希アルカリで洗浄することによっても除去できる。
従来の分散剤は、いわゆる洗剤に使われる界面活性剤のタイプが多く、これらは分散剤分子とナノカーボンとの疎水性相互作用を利用して吸着していると考えられ、また分子量が比較的大きいため、その吸着力も大きいと考えられる。他方、本発明で用いる植物抽出物中のポリフェノールや複素環含有化合物はナノカーボンとπ−π相互作用を利用して吸着しているため、水性媒体中でしか吸着を維持できず、また分子量が小さいため従来品と比べて吸着力も弱い。よって、本発明で用いる植物抽出物は従来品よりもナノカーボン組成物から除去し易いという利点がある。
植物抽出物を除去するための洗浄は、ナノカーボン組成物と洗浄液とを接触させることにより行うことができる。洗浄液としては、植物抽出物を溶解できるものであれば、水、各種の有機溶媒等が使用できる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール(特に炭素数1〜6の低級アルコール)、アセトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が使用できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの中でも、洗浄後にナノカーボン組成物から短時間で蒸発する有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、常圧における沸点が50〜250℃程度、特に60〜200℃程度のもの、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が例示できる。
また、上記のように、植物抽出物を除去するための洗浄を、ナノカーボン組成物と希酸又は希アルカリとを接触させ、次いで水洗することにより行ってもよい。希酸は、0.1〜5%塩酸が好ましく、希アルカリは0.1〜3%アンモニア水が好ましい。
洗浄操作は、洗浄液とナノカーボン組成物とを接触させればよい。例えば、ナノカーボン分散体から回収されたナノカーボン組成物を、洗浄液中に室温で静かに浸漬させるのが好ましい。浸漬時間は、ナノカーボン組成物の形状を維持するために、30分以内が好ましく、20分以内がより好ましい。
洗浄液の使用量は、洗浄を行うに有効な量であれば特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、一般には、ナノカーボン組成物100重量部に対して、洗浄液を100〜100000重量部程度、特に1000〜5000重量部程度使用すると良好な結果が得られる。
このようにして、ナノカーボンを単離することができるが、この際得られるナノカーボンは、上記したような特徴を有するものである。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
製造例1
茶葉に90℃の湯を注ぎ3時間浸漬したのち、抽出液を除去した。湿潤した茶葉58gに水を600g加え、ミキサーで1分間粉砕した。その液を18890gで10分遠心分離した。上清を親水化PTFEろ紙を用いて減圧ろ過した。さらに、遠心の沈殿物に30〜60g程度の水を加えて混合し、上清と同様に減圧ろ過した。その結果、ろ液として、緑色の液580g(固形分濃度0.4%)を得た(分散剤1とする)。
ろ過で得られた残渣の重量は67gであり、粉砕により比表面積が増えた分、吸着する水が増えたので、大幅に増加していた。この残渣にエタノール400gを加えて常温で1時間撹拌を行った。減圧ろ過を行ったところ、洗浄に使用したエタノールも含めて、濃緑色の透明な液420g(固形分濃度0.4%、分散剤2とする)と残渣40gが得られた。
製造例2
茶葉に90℃の湯を注ぎ1時間浸漬したのち、抽出液を除去した。湿潤した茶葉43gにエタノールを400g加え、ミキサーで1分間粉砕した。その液を減圧ろ過することにより、濃緑色の透明な液450g(固形分濃度0.9%、分散剤3とする)と残渣26gが得られた。
ろ過で得られた残渣に、アセトン100gを加え、50℃で30分保持したのち、減圧ろ過を行ったところ、洗浄に使用したアセトンを含めて緑色の透明な液127g(濃度0.2%、分散剤4とする)と残渣9gが得られた。
製造例3
ペーパードリップ後に得られた残渣を常温乾燥し、コーヒー抽出残渣28gを得た。これにアセトンを100g加え、50℃で1時間抽出を行った。その後、減圧ろ過を行った結果、濃褐色の液90g(固形分濃度2.0%)が得られた(分散剤5とする)。
製造例4
ペーパードリップ後に得られた残渣を常温乾燥し、コーヒー抽出残渣59gを得た。これにエタノールを200g加え、70℃に昇温し1時間抽出を行った。その後、減圧ろ過を行った結果、濃褐色の液160g(固形分濃度1.4%)が得られた(分散剤6とする)。
実施例1
分散剤1を100gトールビーカーに計量し、濃硝酸で触媒を除去したカーボンナノチューブ(以下CNT。直径35nm、大阪ガス製)を0.1g加え、超音波分散装置を用いて、出力約400Wで分散を行った。その結果、CNTは分散され均一な分散液が得られた。
実施例2
分散剤2を100gトールビーカーに計量し、水400gを加えた。40℃で減圧濃縮し、全体の重量を400gとした。そこへ、実施例1と同様にCNT0.1gを加え、超音波分散装置を用いて、出力約400Wで分散を行った。その結果、CNTは分散され均一な分散液が得られた。
実施例3
分散剤3を50gトールビーカーに計量し、水200gを加えた。40℃で減圧濃縮し、全体の重量を200gとした。そこへ、実施例1と同様にCNT0.1gを加え、超音波分散装置を用いて、出力約400Wで分散を行った。その結果、CNTは分散され均一な分散液が得られた。
実施例4
分散剤4を100g計量し、24時間常温で乾燥し、緑色の固体を0.2g得た。この固体に水50gを加えたが、全く溶解しなかった。これにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液を滴下したところ、固形分が溶解し、茶色の透明の水溶液が得られた。そこへ、実施例1と同様にCNT0.1gを加え、超音波分散装置を用いて、出力約400Wで分散を行った。その結果、CNTは分散され均一な分散液が得られた。
実施例5
分散剤5を10g計量し、水を90g加えたところ、白濁した。この白濁液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液を、白濁が透明になるまで滴下した。この溶液を減圧して全体の重量を90gとした。そこへ、実施例1と同様にCNT0.1gを加え、超音波分散装置を用いて、出力約400Wで分散を行った。その結果、CNTは分散され均一な分散液が得られた。
実施例6
分散剤5を10g計量し、水を40g加えたところ、白濁した。この白濁液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液を、白濁が透明になるまで滴下した。そこへ、実施例1と同様にCNT0.1gを加え、超音波分散装置を用いて、出力約400Wで分散を行った。その結果、CNTは分散され均一な分散液が得られた。
実施例7
CNTを直径9.5nmのNanocyl製のもの0.03gとする以外は、実施例1と同様に実験を行った。その結果、CNTは分散し、分散液が得られた。
実施例8
CNTに替えてケッチェンブラックEJ600JD(ライオン製)0.01gを用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果、ケッチェンブラックは分散し、黒色の分散液が得られた。
実施例9
CNTに替えてグラフェン(XG Science製)0.01gを用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果、グラフェンは分散し、黒色の分散液が得られた。
比較例1
分散剤を使用しない以外は、実施例1と同様に水中で分散を行ったが、CNTは分散しなかった。このことより、実施例1〜6の結果が、CNTの硝酸処理により表面が酸化し、親水基が生じた結果ではないことが示された。
比較例2
分散剤を使用しない以外は、実施例7と同様に水中で分散を行った。その結果、分散時は液は黒色であったが、超音波を止めると粒状物質が浮遊し、透明な液の部分とCNTの凝集部分に分かれた。このように、CNTは安定に分散しなかった。このことより、実施例1〜6の結果が、CNTの硝酸処理により表面が酸化し、親水基が生じた結果ではないことが示された。
比較例3
分散剤を使用しない以外は、実施例8と同様に水中で分散を行ったが、ケッチェンブラックは全く分散しなかった。
比較例4
分散剤を使用しない以外は、実施例9と同様に水中で分散を行ったが、グラフェンは全く分散しなかった。

Claims (12)

  1. 植物抽出物を含有するナノカーボン用分散剤。
  2. 前記植物抽出物が、ポリフェノールを含有する、請求項1に記載の分散剤。
  3. 前記植物抽出物が、さらに複素環含有化合物を含有する、請求項2に記載の分散剤。
  4. 前記複素環含有化合物が、テトラピロール環、ピロール環、ピラジン環、ピリジン環、及びキサンチン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を分子内に含有する化合物である、請求項3に記載の分散剤。
  5. 前記植物抽出物が、植物を水で抽出処理して得られた抽出残渣を、溶媒で抽出して得られた抽出物である、請求項1〜4のいずれかに記載の分散剤。
  6. 前記溶媒が有機溶媒を50重量%以上含有する、請求項5に記載の分散剤。
  7. 前記抽出物が、有機アンモニウム、アルカリ金属、アンモニウム、及びポリアルキレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種で処理されている、請求項6に記載の分散剤。
  8. 植物抽出物、ナノカーボン、及び水を含有することを特徴とする、ナノカーボン水分散体。
  9. ナノカーボンの含有割合が0.01〜10重量%であり、植物抽出物の含有割合が0.1〜20重量%であり、且つ水の含有量が80重量%以上である、請求項8に記載のナノカーボン水分散体。
  10. 請求項8又は9に記載のナノカーボン水分散体の溶媒を乾燥させることを特徴とする、ナノカーボン及び植物抽出物を含有するナノカーボン組成物の製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法により得られたナノカーボン組成物。
  12. 植物抽出物の含有量が、ナノカーボン100重量部に対して、10重量部以上である、請求項11に記載のナノカーボン組成物。
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