JP2015187954A - 高周波誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被加熱部材5が誘導加熱により局所的に昇温しにくい領域を有する場合、補助加熱部材8を用いることで、誘導加熱によって被加熱部材5の目標温度以上に昇温させた補助加熱部材8からの輻射熱によって、他の領域と同等程度の温度まで昇温させることが可能になる。また、遮蔽部材10を用いることで、被加熱部材5が誘導加熱により局所的に昇温しやすい領域を有する場合においても、他の領域と同等程度の温度までに昇温を抑制することが可能になる。このため、複雑構造の被加熱部材5であっても急速かつ均一に加熱することが可能になる。
【選択図】図6
Description
また、過加熱を防止する箇所の外周面に対応する位置に、高周波による磁束と逆向きの磁束を発生させる渦電流が流れるように巻装した非鉄金属からなるリングを被加熱物の周囲に配置することによって、局所的な過加熱を防止するものがある(例えば、特許文献2参照)。
ある。
以下、この発明の実施の形態1における高周波誘導加熱装置について図1から図3を参照して説明する。図1は、この発明の実施の形態1の高周波誘導加熱装置を示す概略構成図である。この実施の形態1の高周波誘導加熱装置は、被加熱部材の加熱ムラが生じる部分を覆うように配置された補助加熱部材を備えたことを特徴としている。被加熱部材の加熱ムラが生じる部分とは、例えば、図2の加熱コイル部の模式図に示すような突起形状部である。このような突起形状部が磁性金属以外の材料で構成される場合は、高周波誘導加熱による昇温が他部よりも遅くなる傾向が見られる。
本実施の形態1に係る付属品5bは、非磁性金属で構成される場合を例として説明してきたが、その形状や材質に関わらず本体部5aと比較して誘導加熱により昇温しにくい全ての場合において本発明の効果を得ることができるため、特にその形状や材質に規定されるものではない。また、本実施の形態1では加熱コイル4としてソレノイドコイルを用いる場合を例として説明してきたが、その他の形状の加熱コイルでも本発明の効果を得ることができるため、特に加熱コイル4の形状に規定されるものではない。
実施の形態2について、図4、図5を用いて説明する。なお、実施の形態1と共通する部分および同一の作用をする部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル部の概略を示す要部斜視図である。本実施の形態2に係る高周波誘導加熱装置は、加熱コイル4と、加熱コイル4に対向する位置または加熱コイル4によって囲まれる空間内に配置され、磁性金属材料からなる本体部5aと、その本体部5aと同じく磁性金属材料からなり、本体部5aに対して熱容量が小さい付属品5cで構成される被加熱部材5と、付属品5cの近傍に配置される遮蔽部材10を含む構成である。本実施の形態2に係る高周波誘導加熱装置では高周波発振器1によって発生させた高周波電流2により、付属品5c有する被加熱部材5に誘導電流6が発生し、加熱される。なお、付属品5cは、例えば、本体部5aから突出した突起形状部である。
実施の形態3について図6を用いて説明する。なお、実施の形態1および2と共通する部分および同一の作用をする部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態3に係る高周波誘導加熱装置は、実施の形態1にて示した補助加熱部材8と、実施の形態2にて示した遮蔽部材10の両方を備えたことを特徴とする。
図6は本発明の実施の形態3に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル部の概略を示す要部斜視図である。本実施の形態3に係る高周波誘導加熱装置は、加熱コイル4と、加熱コイル4と対向する位置または加熱コイル4によって囲まれる空間内に配置され、磁性金属材料からなる本体部5aと非磁性金属材料からなる付属品5bと磁性金属材料からなる付属品5cで構成される被加熱部材5と、付属品5bの近傍に配置される補助加熱部材8と、付属品5cの近傍に配置される遮蔽部材10を含む構成である。
次に、以上のような本発明の実施可能性および効果を比較例と実施例を示して説明する。なお、後述する実施例は一例であり、本発明は、この例に限定されるものではなく、本発明を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものであることは言うまでもない。
本発明の実施の形態3に係る高周波誘導加熱装置の効果を説明するため、まず、一般的なタイプ(補助加熱部材8および遮蔽部材10を用いないタイプ)の高周波加熱装置を比較例として図7に示す。図7は、比較例である高周波誘導加熱装置の加熱コイル部分の断面図であり、加熱コイル4および被加熱部材5等の位置関係を示す図である。
加熱コイル4として、外径DがΦ350mm、高さHが350mm、巻数が10の銅パイプから成るソレノイドコイルを用いた。20℃の雰囲気温度において、被加熱部材5は、外径DがΦ20mm、高さHが100mm、無酸素銅から成るパイプ形状の付属品5bと、同じく外径DがΦ20mm、高さHが100mm、SUS430から成るパイプ形状の付属品5cを有する、外径Dが180mm、高さHが180mm、板厚tが5mmの円筒形状の圧力容器用鋼板で構成される。この被加熱部材5を樹脂ブロック11上に載置した状態で加熱コイル4の中央に設置して、加熱試験を実施した。ここで、被加熱部材5を設置するステージには日光化成(株)製のベスサーモFから成る樹脂ブロック11を使用した。加熱には、島田理化工業(株)製の高周波誘導加熱装置D−5TMを用い、加熱条件は発振周波数を28kHz、加熱コイル4を流れる電流値を100A、電源電圧を270Vとした。なお、加熱時は、加熱コイル4に冷却水を循環することで、加熱コイル4の温度上昇を抑制している。被加熱部材5の温度は、各表面にスポット溶接により取り付けた熱電対12a、12b、12c(K型熱電対)によりその時間変化を測定した。
本発明の実施の形態3に係る実施例を説明する。図8は、本実施例に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル部の断面図であり、加熱コイル4、被加熱部材5、補助加熱部材8、遮蔽部材10等の位置関係を示している。本実施例に係る補助加熱部材8は、板厚(図示せず)が2mm、幅Wが50mm、長さ(図示せず)が60mm、高さhが120mmのコの字型冷間圧延鋼板であり、付属品5bの側面および背面に対向する配置(形状)で、ベスサーモF製の樹脂スタンド13により固定した。ここで、樹脂スタンド13は、樹脂ブロック11に固定されている。また、本実施例に係る遮蔽部材10は、板厚d(図示せず)が1mm、幅Wが60mm、長さ(図示せず)が100mm、高さhが120mmのコの字型タフピッチ銅であり、付属品5cの上下面および背面に対向する配置(形状)で、樹脂スタンド13を使用して固定した。また、加熱実験に用いた装置、加熱条件および周囲環境は、比較例との対比のため、比較例と同等とした。
実施の形態4について、図11を用いて説明する。なお、実施の形態1から3と共通する部分および同一の作用をする部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
上述の実施の形態3では、補助加熱部材8と遮蔽部材10の両方を有する高周波誘導加熱装置について説明したが、本実施の形態4は、遮蔽部材10を補助加熱部材8の加熱を抑制する形で配置したことを特徴としている。
図11は、本発明の実施の形態4に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル部の概略を示す要部斜視図である。本実施の形態4に係る高周波誘導加熱装置は、加熱コイル4と、被加熱部材5の付属品5bの近傍に配置される補助加熱部材8と、補助加熱部材8の近傍に配置される遮蔽部材10を含む構成である。被加熱部材5は、加熱コイル4と対向する位置または加熱コイル4によって囲まれる空間内に配置され、磁性金属材料からなる本体部5aと非磁性金属材料からなる付属品5bで構成される。
このとき、補助加熱部材8の加熱を抑制する遮蔽部材10としての好適な形態は、実施の形態2にて付属品5cに適用した遮蔽部材10と同様であるため、ここでは説明を省略する。
Claims (11)
- 高周波電流が流されることにより、被加熱部材の内部に誘導電流を発生させ、上記被加熱部材を加熱する加熱コイル、上記被加熱部材の近傍に配置され、上記被加熱部材を部分的に補助加熱する補助加熱部材を備えたことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
- 上記被加熱部材に部分的に形成された突起形状部の近傍に、上記補助加熱部材が配置されたことを特徴とする請求項1記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記加熱コイルにより加熱される上記被加熱部材の周囲の磁場を部分的に遮蔽する非磁性金属材料よりなる遮蔽部材を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記補助加熱部材は、磁性金属材料よりなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記補助加熱部材は、鉄、ニッケル、コバルト、炭素鋼、フェライト系ステンレスのうち、少なくとも一つの材料から構成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記補助加熱部材を構成する一つの平面部が、上記加熱コイルにより形成される磁場の方向に対して平行な向きに配置されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記遮蔽部材を構成する一つの平面部が、上記加熱コイルが形成する磁場の方向に対して垂直な向きに配置され、上記遮蔽部材は上記補助加熱部材の加熱を抑制することを特徴とする請求項3記載の高周波誘導加熱装置。
- 高周波電流が流されることにより、被加熱部材の内部に誘導電流を発生させ、上記被加熱部材を加熱する加熱コイル、上記被加熱部材に部分的に形成された突起形状部の近傍に配置され、上記突起形状部の周囲の磁場を遮蔽する遮蔽部材を備えたことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
- 上記遮蔽部材は、金、銀、アルミニウム、銅、オーステナイト系ステンレスのうち、少なくとも一つの材料から構成されたことを特徴とする請求項3、7、8のいずれか一項記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記被加熱部材は樹脂ブロック上に載置された状態で加熱処理され、上記補助加熱部材は上記樹脂ブロックに固定された樹脂スタンドに保持され、上記被加熱部材の近傍に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の高周波誘導加熱装置。
- 上記被加熱部材は樹脂ブロック上に載置された状態で加熱処理され、上記遮蔽部材は上記樹脂ブロックに固定された樹脂スタンドに保持され、上記被加熱部材の近傍に配置されることを特徴とする請求項3、7から9のいずれか一項記載の高周波誘導加熱装置。
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CN106811739B (zh) * | 2015-12-02 | 2019-07-05 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 半导体加工设备 |
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