JP2015043262A - 高周波誘導加熱装置 - Google Patents

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淳史 藤原
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Abstract

【課題】周囲物体への輻射放熱あるいは周囲空気への対流放熱を抑制することで、生産工程における動力費用の削減を可能とする高周波誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱される被加熱部材の周囲に、赤外波長域の電磁波に対して70%以上の反射率を有し、非金属材料または板厚が電流浸透深さに対して薄い金属材料から成る反射部材を配置することで、誘導加熱装置から被加熱部材への投入エネルギーを損失することなく、周囲への放熱によるエネルギー損失を抑制できるため、高周波誘導加熱装置の動力費用の削減が可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高周波誘導加熱装置に関し、特に常温雰囲気において被加熱部材を加熱する際に好適なものである。
高周波誘導加熱は、コイルに高周波電流を流すことで被加熱部材に渦電流を発生させ、ジュール熱によって被加熱部材を加熱する直接加熱である。原理的に金属部材の表面を集中的に加熱できること、被加熱部材に対して一定の入熱量を入力できることから急速加熱が可能であり、焼き嵌め、金属の溶融など、多方面で使用されている。しかし、被加熱物の周囲温度が低い場合、周囲物体への輻射放熱および周囲空気への対流放熱により、被加熱部材の熱量が奪われやすいといった短所もある。例えば、表面を集中的に数百℃まで加熱する表面焼入れや、150℃程度で数十分にわたり焼き付ける塗装乾燥などでは、放熱損失が工程の消費電力量に大きく影響するため、前記の放熱損失を抑制するための対策が必要である。
例えば、被加熱銅板の周囲に断熱材を配置することで、対流による放熱損失を抑制しているものがある(例えば特許文献1参照)。
また、被加熱部材の周囲に配置したコイルケースによって周囲への磁束の漏洩と外気の侵入を遮断するとともに、コイル間に配置した加熱補償部材からの輻射熱によって、停滞部における被加熱部材の温度低下を抑制しているものがある(例えば特許文献2参照)。
特開平02−301522号公報(図1) 特開2008−266727号公報(図1) 特開2012−32454号公報
前記の高周波誘導加熱方式は、コイルに高周波電流を流すことで被加熱部材に渦電流を発生させ、ジュール熱によって被加熱部材を加熱する加熱方式である。このため、雰囲気温度が被加熱部材温度と比較して低い場合、周囲物体への輻射放熱あるいは周囲空気への対流放熱により、被加熱部材の熱が奪われやすく、放熱によるエネルギーの損失が生じる。
本発明は、前記のような課題を解決するために考案されたものであり、常温雰囲気など、被加熱部材の目標到達温度よりも低い温度の雰囲気中において、被加熱部材からのコイルを含む加熱装置や周囲空気への放熱損失を抑制することで生産工程における動力費用の削減、つまり、ランニングコストの抑制を可能とする高周波誘導加熱装置を提供することを目的としている。
本発明に係る高周波誘導加熱装置は、
被加熱部材に対向されるか、または前記被加熱部材を囲んで配置される誘導加熱コイルと、
赤外波長域の電磁波に対して所定の反射率を有し、前記被加熱部材と前記誘導加熱コイルとの間に配置された反射部材と、
を備えたものである。
被加熱部材とコイルとの間に反射部材を有することで、誘導加熱により高温となった被加熱部材から放射される電磁波(輻射)が反射部材により反射され再度被加熱部材自身に吸収されるため、周囲物体への輻射による放熱損失の抑制が可能になる。また、非金属材料または後述する電流浸透深さよりも板厚が薄い金属材料の場合、コイルを流れる高周波電流による磁束は材料内で損失することなく透過する。そのため、前記反射部材によって、加熱コイルから被加熱部材への投入電力を損失することはない。従って、本発明の高周波誘導加熱装置により、常温雰囲気中においても放熱損失を抑えることが可能であり、従来の装置と比較して高効率な加熱が可能である。
本発明の高周波誘導加熱装置の構成を示す概略図である。 図1の断面AAにおける本発明の実施の形態1を示す加熱コイル部の模式図である。 本発明の実施の形態1を示す加熱コイル部の模式図である。 本発明の実施の形態2を示す加熱コイル部の模式図である。 本発明の実施の形態2を示す加熱コイル部の模式図である。 従来技術に係る加熱コイル部の断面図である。 本発明の実施例1に係る加熱コイル部の断面図である。 本発明の実施例2に係る加熱コイル部の断面図である。 本発明の実施例3に係る加熱コイル部の断面図である。 加熱に必要な消費電力量の削減効果の比較を表で示した図である。 本発明の実施例に係る温度履歴を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高周波誘導加熱装置全体の概略図である。高周波発振機8により高周波電流6(便宜上、流れる方向を矢印で表記するのみとした)を発生させ、高周波変流器9により電流を好適な大きさに変流し、加熱コイル1に通電する。加熱コイル1を流れる高周波電流6により発生する交番磁束が被加熱部材2を貫通することで、被加熱部材2に(図示しない)誘導電流7が発生し、被加熱部材2は、その固有の抵抗値に応じたジュール熱によって加熱される。従って、空気などの熱エネルギーを輸送する媒体を介さずに被加熱部材2を発熱させることが可能な直接加熱であり、被加熱部材2への投入効率が良いという特徴を持つ。なお、加熱中の被加熱部材からの輻射熱による昇温を抑制するため、冷却水循環装置10を設け、加熱コイル1の内部に冷却水を循環させている。
図2は、図1のAA断面に関する拡大断面図であり、本発明に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル部の概略図である。本発明に係る高周波誘導加熱装置は、加熱コイル1と、この加熱コイル1と対向する位置または加熱コイル1によって囲まれる空間内に配置される被加熱部材2と、被加熱部材2の周囲に配置される反射部材3と、前記反射部材3を支持するための反射部材支持ケース4により構成される。高周波発振機8によって発生させた高周波電流6(便宜上、流れる方向を矢印で表記するのみとした)により、被加熱部材2に、誘導電流7(便宜上、流れる方向を矢印で表記するのみとした)が発生する。この加熱コイル1の内部には、加熱中の被加熱部材からの輻射熱による昇温を抑制するため、図1に示した冷却水循環装置により、冷却水5を循環させている。
一方、前述のとおり、誘導加熱は常温雰囲気中で行われることが多い。このため、誘導加熱により高温に達した被加熱部材2から加熱コイル1および搬送装置(図示せず)や支持治具(図示せず)などの周囲物体への輻射熱伝達により被加熱部材から熱エネルギーが移動する。また、被加熱部材2の周囲空気との自然対流熱伝達による被加熱部材2の表面からの放熱が同時に発生する。
本発明の実施の形態に係る誘導加熱装置では、従来の誘導加熱装置とは異なり、被加熱部材2の周囲に赤外波長域の電磁波に対して所定の反射率(典型値としては70%以上)を有する反射部材3が配置される。さらに、その反射部材3の被加熱部材2と反対側、つまり加熱コイル1側に配置される非金属からなる反射部材支持ケース4により、反射部材が支持されている。
上記反射部材3により、加熱中の被加熱部材2からの輻射熱が反射され、加熱コイル1を含む周囲物体に吸収されることなく再度被加熱部材2に吸収されるために、輻射熱伝達によって被加熱部材2から周辺に設置された非加熱対象の物体に対して生じる放熱を抑制することが可能となる。また、反射部材支持ケース4により、被加熱部材の周囲空気の流速が低減されるとともに被加熱部材2の周囲空気の熱容量が前記反射部材支持ケース4の容量まで低下するため、加熱中の被加熱部材2から周囲空気への対流熱伝達による放熱を抑制することが可能となる。
輻射熱の大部分は赤外領域の電磁波であるため、反射部材3の材料としては、赤外線反射率が高いほど好適である。一般に、被加熱部材の周囲に位置する加熱コイルは銅管で形成されており、その表面は銅の酸化面から成るために反射率は50%以下である。そのため、前記の反射部材として、前記の加熱コイルよりも高い反射率を有する材料を用いる場合に、被加熱部材からの放熱損失を抑制することができ、好適に本発明に係る装置を用いることができる。ここで、70%程度の反射率を有する材料としては、例えば錫、ニッケル、パラジウム、白金などが知られており、前記の材料を用いる場合において好適に本発明に係る装置を用いることができる。更に言えば、アルミ(非酸化面)、銅(非酸化面)、銀、金などは90%以上の反射率を示すことが知られており、前記の放熱損失を更に抑制することが可能であり、更なる省エネルギー性能を得ることができる。また、非金属材料から構成される多層膜によっても高い反射率を得ることができることが知られており(例えば特開2012−32454号公報参照)、本発明における反射部材3は、特に材料に規定されるものではない。
ここで、反射部材3として好適に用いられる形態について述べる。鉄系材料を対象とした高周波誘導加熱において、装置コストと加熱効率の点から、一般的に用いられる発振周波数は20〜35kHzである。前記反射部材3が絶縁性材料の場合、原理的に反射部材3に誘導電流が発生することはないが、前記反射部材3が導電性材料からなる場合では、反射部材3内に誘導電流7が発生することで投入エネルギーの幾分かを消失し、被加熱部材2の加熱に対するエネルギー効率が低下することが考えられる。ただし、電流浸透深さの関係より、導電性材料であっても反射部材3の板厚が下記の電流浸透深さより1桁以上小さい場合には反射部材3内に誘導電流7は発生しない。
ここで、誘導電流は、表面を集中して流れることが知られており、誘導電流が集中して流れる深さを電流浸透深さδで表す(式(1)参照)。
δ[mm] = 5.03×10(ρ/μf)0.5 ・・・(1)
ここで、ρ:被加熱部材の電気抵抗率[Ωm]、μ:被加熱部材の比透磁率[‐(無次元)]、f:発振周波数[Hz]である。
これより、前記電流浸透深さは、材料の比透磁率、電気抵抗率および発振周波数に依存し、周波数20kHzで誘導加熱する場合の代表的な金属の電流浸透深さは、式(1)より、非磁性のアルミで約0.7mm、ステンレスで約2.8mm、銅で0.5mmであり、磁性材の鉄鋼では約0.1mmである。前記の電流浸透深さに対して、板厚が薄くなるにつれて誘導電流の発生量が減少するために、高周波電流6により発生する磁束を損失させることなく、被加熱部材2に磁束変化を与えることが可能となる。本発明の実施の形態に係る誘導加熱装置では、前記反射部材3の板厚が、式(1)で定義される反射部材を構成する材料における電流浸透深さに対して薄いことを特徴とする。
反射部材3の例としては、前述のとおり電流浸透深さより板厚の薄いものが好ましく、コーティング膜、フィルム、シートなどが挙げられる。コーティング膜の場合、膜形成方法としては、真空蒸着、スパッタリング、めっきなどが挙げられるが、材料と同様に、特に形成方法に規定されるものではない。
反射部材支持ケース4については、被加熱部材2と加熱コイル1との間に配置されるために加熱中の被加熱部材2からの輻射熱の影響を受けやすく、被加熱部材2の加熱温度と同等以上の耐熱性を有する材料で構成されることが望ましい。また、反射部材支持ケース4の熱伝導率が低いほど、前記反射部材支持ケース4の内側と外側の熱交換量を低減できるため、放熱損失を効果的に抑制するためには、熱伝導率が1.0W/mK以下の材料を使用することが望ましい。
前記の条件を満たす材料として、例えばガラスエポキシ樹脂やベークライトなどが好適であるが、周囲空気の熱容量を低減する効果は材質が無関係であるため、本発明における反射部材支持ケース4は特に材質に規定されるものではない。また、その形状は、四角柱状または円筒状であるのが簡単であるが、被加熱部材の周囲に設置可能であれば、特に形状や板厚に規定されるものではない。
本発明の実施の形態に係る誘導加熱装置では、前記の放熱対策により、被加熱部材2から加熱コイル1への放熱による加熱コイル1自身の温度上昇が抑制できる。一般的に加熱コイルは被加熱部材の周囲10〜1000m程度の近距離に配置されており、加熱中の被加熱部材からの輻射熱による昇温を抑制するため、コイル内部に冷却水5を循環させることで冷却している。このために、冷却水循環装置10が必要となり、装置コストおよびユーティリティの整備コストが発生する。
本発明の実施の形態に係る誘導加熱装置では、反射部材3および反射部材支持ケース4を有するため、被加熱部材2から加熱コイル1への輻射および対流による熱移動を抑制することが可能である。これより、コイルの空気冷却化が可能となり、冷却水循環装置10が不要となり、省スペース・省エネルギーの効果も併せて期待できる。
以上の実施の形態では、単一のコイルで単一の被加熱部材を加熱するバッチ投入式の使用方法について説明してきたが、図3に示すような、加熱部に被加熱部材2が連続的に搬送される連続投入式の場合でも同様に実施でき、本発明の適用範囲は搬送方法に規定されるものではない。
実施の形態2.
実施の形態2について、図4〜5を用いて説明する。なお、実施の形態1と共通する部分および同一の作用をする部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図4は本発明の実施の形態2に係る誘導加熱装置の概略図である。本発明に係る誘導加熱装置は、加熱コイル1と加熱コイル1の表面上にコーティングした反射膜12と、コイルと対向する位置またはコイルによって囲まれる空間内に配置される被加熱部材2により
構成される。なお、図4では、反射膜12が反射部材3の役割を成し、コイルにて支持する。
従来の誘導加熱装置では、前述のとおり、加熱コイル1として、冷却水を循環させた銅パイプを一般的に使用している。本発明の実施の形態2に係る誘導加熱装置では、実施の形態1で説明した被加熱部材2からの輻射熱による損失を抑制するために、加熱コイル1をコーティングする形で赤外波長域の電磁波に対して所定の反射率(典型的な値としては70%以上の反射率)を持つ反射膜12を有することを特徴とする。従って、実施の形態1で説明したような反射部材3、および反射部材支持ケース4は、本実施の形態では不要である。
前記反射膜12により、実施の形態1にて示した反射部材3と同等の効果により、被加熱部材2からの放熱損失を抑制できるため、従来の装置と比較して高効率な加熱が可能となる。
実施の形態1における反射部材3と異なり、前記反射膜12はコイルの表面上に形成されているために、反射膜12自身に高周波電流6が流れる。そのため、高周波電流6により発生する交番磁束が反射膜12を貫通することがないため、実施の形態1にて示したような、反射膜12に誘導電流が流れることで投入エネルギーを消費することが原理的に発生しない。
以上のように、反射膜12により被加熱部材2への投入エネルギーを低下することなく、放熱損失を抑制することが可能であるため、加熱効率が従来の装置と比較して向上する。また、コイルの温度上昇を抑制できるため、実施の形態1と同様にコイルの水冷レス化の効果も期待できる。
ここで、反射膜12として好適に用いられる形態について述べる。前述のとおり、被加熱部材2からの放熱損失を抑制するためには、赤外波長域の電磁波に対して70%以上の反射率を有することが好ましく、実施の形態1における反射部材3と同様である。
実施の形態1では、反射部材3の板厚が構成材料における電流浸透深さに対しいて薄いことを特徴としているが、本実施の形態では、前述のとおり、反射膜12にエネルギーが投入されないため、特に膜厚に規定されるものではない。反射膜12の生成方法としては、実施の形態1と同様に、真空蒸着、スパッタリング、めっきなどが挙げられるが、特に形成方法に規定されるものではない。
以上の実施の形態2も、実施の形態1と同様にバッチ投入式の使用方法について説明してきたが、図5に示すような、加熱部に被加熱部材2が連続的に搬送される連続投入式の場合でも同様に実施でき、本発明の適用範囲は搬送方法に規定されるものではない。
以上のような本発明の実施可能性および効果を従来例と実施例により以下でさらに説明する。なお、実施例で採用した例はそのための一例であり、本発明は、この例に限定されるものではなく、本発明を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
実施の形態3.
実施の形態3について、実施の形態2と同じ図4を用いて説明する。なお、実施の形態2と共通する部分および同一の作用をする部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態2では、加熱コイル1の表面に反射膜12をコーティングすることを特徴とする誘導加熱装置について説明したが、本実施の形態3は加熱コイル1を絶縁部材14で被覆し、前記絶縁部材14をコーティングする形で赤外波長域の電磁波に対して70%以上の反射率を持つ反射膜12を有することを特徴とする誘導加熱装置に関するものである。
実施の形態2に係る誘導加熱装置では、加熱コイル1の表面に反射膜12が直接に形成されているため、加熱コイル1に出力される高周波電流が表皮効果により反射膜12内を流れる。そのため、反射膜12に加熱コイル1よりも電気抵抗率の高い材料を用いる場合において、反射膜12により抵抗損失が実施の形態1の場合よりも増大する可能性がある。
本実施の形態3では、加熱コイル1の表面を覆う形で絶縁部材14を有する。加熱コイル1と反射膜12との間に絶縁部材を介することで、反射膜12の電気抵抗率が加熱コイル1の電気抵抗率と比較して高い場合であっても、加熱コイル1と反射膜12が絶縁されており高周波電流6が加熱コイル1のみを流れるために、抵抗損失により効率を低下することなく誘導加熱することが可能となる。
一方、本実施の形態3に係る誘導加熱装置では、実施の形態1と同様に、反射膜12内に誘導電流7が発生することで投入エネルギーの幾分かを消失し、被加熱部材2の加熱に対するエネルギー効率が低下することが考えられる。
前記反射膜12へのエネルギー投入による加熱ロスを抑制するために好適な材料および板厚は実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上のように、絶縁部材14と反射膜12により被加熱部材2への投入エネルギーを低下することなく、かつ、反射膜12が無い状態と比較して加熱コイル1の抵抗損失が増大することなく放熱損失を抑制し、効率よく加熱することが可能となる。また、実施の形態1〜2と同様に、コイルの温度上昇を抑制できるため、コイルの水冷レス化の効果も期待できる。
以上のような本発明の実施可能性および効果を比較例と実施例により以下でさらに詳しく説明する。なお、実施例で採用した例はそのための一例であり、本発明は、この例に限定されるものではなく、本発明を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
(比較例)
本発明に係る高周波加熱装置の効果を説明するため、まず、従来技術による高周波加熱装置について比較例として説明する。図6に本比較例に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル1、および被加熱部材2の位置関係を断面図にて示す。加熱コイル1として、外径Dが8mmの銅パイプからなる、高さHが120mm、幅Wが280mm、長さLが220mmのトンネル型のコイルを用いた。20℃の雰囲気温度において、被加熱部材2として板厚dtが10mm、幅dwが150mm、長さdlが150mmの冷間圧延鋼板を、ベークライト製の高さ調整治具(図示せず)を用いて加熱コイル1の中央に設置して加熱試験を実施した。上記で、被加熱部材2の幅dwは図示していないが、被加熱部材2の正方形状の面の一辺に相当する部分であり、正方形状の面の他の一辺であって前記長さdwの辺に隣接する一辺に相当する部分が長さdlである。また同様に、加熱コイル1の幅Wは図示していないが、このWは加熱コイル1の外形形状の一辺に相当する部分であり、外形形状の他の一辺に相当する部分が長さLである。そして、W、L、Hは、被加熱部材2のdw、dl、dtに、各々対応する部分となっている(以下、実施例1でも同様)。加熱には、島田理化工業(株)製の高周波誘導加熱装置SBT−EH40を用い、加熱条件は発振周波数を27kHz、電源トランスに入力する前の高周波電流値を30A、電源電圧を270Vとした。なお、加熱時は、加熱コイル1に冷却水を循環することで、加熱コイ
ル1の温度上昇を抑制している。冷間圧延鋼板の温度は、表面中央にスポット溶接により取り付けたK型熱電対13によりその時間変化を測定した。
(実施例1)
本発明に係る実施例1を説明する。図7に本実施例に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル1、および被加熱部材2、反射部材支持ケース4(本実施例では反射部材を有していないが、便宜上、前記名称とする)の位置関係を断面図で示す。ここで、本実施例に係る加熱部は、前述した比較例の加熱部に対して板厚10mmのベークライト板をポリイミドテープなどの有機物のみを結合部材として貼りあわせて製作した外形の高さHが70mm、幅Wが240mm、長さLが220mmの長方形の筒を挿入している。また、加熱実験に用いた装置、加熱条件および周囲環境は、比較例との対比のため、比較例と同等とした。
(実施例2)
本発明に係る実施例2を説明する。図8に本実施例に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル1、および被加熱部材2、反射部材3、反射部材支持ケース4の位置関係を断面図で示す。ここで、本実施例に係る加熱部は、実施例1にて示した反射部材支持ケース4と同等のものを使用し、前記反射部材支持ケース4の内面に、純度99%のアルミニウムを真空蒸着することにより膜厚1μm、赤外線反射率95%の反射部材3を形成している。また、加熱実験に用いた装置、加熱条件および周囲環境は、比較例との対比のため、比較例と同等とした。
(実施例3)
本発明に係る実施例3を説明する。図9に本実施例に係る高周波誘導加熱装置の加熱コイル1、および被加熱部材2、反射膜12の位置関係を断面図で示す。本実施例に係る加熱部は、比較例にて示した加熱コイル1に、無電解銀めっきを施すことにより、膜厚5μm、赤外線反射率95%の銀薄膜を形成している。加熱コイル1以外の加熱実験に用いた装置、加熱条件および周囲環境は、比較例との対比のため、比較例と同等とした。
このとき、比較例と比べて、電力量が5%以上削減されたものを○、10%以上削減されたものを◎とし、図10に表1としてまとめ、その結果を示した。図11に比較例および実施例1〜3における被加熱部材2の温度履歴を示す。いずれの場合も200℃までの加熱に必要な消費電力量の削減効果が認められたが、特に反射部材を設置した場合に大きい効果が認められた。
1…加熱コイル、2…被加熱部材、3…反射部材、4…反射部材支持ケース、5…冷却水、6…高周波電流、7…誘導電流、8…高周波発振機、9…高周波変流器、10…冷却水循環装置、11…搬送方向、12…反射膜、13…熱電対、14…絶縁部材、15…磁気シールド板、16…断熱材、17…加熱補償部材、18…コイルケース。

Claims (9)

  1. 被加熱部材に対向されるか、または前記被加熱部材を囲んで配置される誘導加熱コイルと、
    赤外波長域の電磁波に対して所定の反射率を有し、前記被加熱部材と前記誘導加熱コイルとの間に配置された反射部材と、
    を備えたことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
  2. 被加熱部材に対向されるか、または前記被加熱部材を囲んで配置される誘導加熱コイルと、
    赤外波長域の電磁波に対して所定の反射率を有し、前記誘導加熱コイルの表面にコーティングされた反射膜と、
    を備えたことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
  3. 前記所定の反射率は70%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波誘導加熱装置。
  4. 前記反射膜は、前記誘導加熱コイルを絶縁部材で被覆した後、この絶縁部材の表面にコーティングされることを特徴とする請求項2に記載の高周波誘導加熱装置。
  5. 前記反射部材を支持する反射部材支持ケースは、前記被加熱部材の周囲を囲むように、かつ、前記反射部材に対する前記被加熱部材の配置と反対側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
  6. 前記反射部材は、アルミ、銅、銀、金のうち、少なくとも一つの材質から構成されることを特徴とする請求項1または請求項5に記載の高周波誘導加熱装置。
  7. 前記反射膜は、アルミ、銅、銀、金のうち、少なくとも一つから構成されることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の高周波誘導加熱装置。
  8. 前記反射部材の板厚は、前記反射部材の材料の電流浸透深さより薄いことを特徴とする請求項1または請求項5に記載の高周波誘導加熱装置。
  9. 前記誘導加熱コイルは、内部に水冷機構を持たないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高周波誘導加熱装置。
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