JP2015187625A - 転写ベルト、転写ベルトユニット及び画像形成装置 - Google Patents

転写ベルト、転写ベルトユニット及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転写ベルトの表面摩擦及び表面の変形を抑制して、クリーニングベルトによるクリーニング性能の信頼性を長期に亘って維持することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1に用いられる転写ベルト14において、外周面のビッカース硬度が39N/mm2以上60N/mm2以下であり、かつ、外周面の低荷重クリープが−45%以上0%以下となる表面特性を有することを特徴とする転写ベルト、該転写ベルトを備える転写ベルトユニット及び該転写ベルトユニットを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、転写ベルト、転写ベルトユニット及び画像形成装置に関し、例えば、記録媒体等に現像剤像(以下、トナー画像とも呼ぶ。)を転写する転写ベルト、転写ベルトを備えた転写ベルトユニット及び転写ベルトユニットを備えた画像形成装置に適用し得るものである。
従来の画像形成装置は、感光ドラムの表面上のトナー画像を記憶媒体等に転写するため、感光ドラム及び転写ローラ側に記録媒体を移動させるために転写ベルトがある。
従来、転写ベルトは、記録媒体を搬送するための所定の表面の粗さ及び鏡面度が設定されている。また、例えば転写ベルト上に残留トナー等の付着物をクリーニングする目的で、例えばウレタンゴム等を用いたクリーニングブレードを転写ベルトに当接させて、付着物を掻き取っている。
特開2007−225969号公報
しかしながら、上述した従来技術において、転写ベルトは柔らかい樹脂を用いた主層(表面層)として形成されている。そのため、クリーニングベルトに当接している転写ベルトの表面は、耐刷経時における表面摩擦に伴って鏡面度が低下し、クリーニングベルトによるクリーニング性能が低下してしまう。その結果、長期に亘ってクリーニング性能の信頼性を維持することが難しいという問題が生じ得る。
そのため、転写ベルトの表面摩擦及び表面の変形を抑制して、クリーニングベルトによるクリーニング性能の信頼性を長期に亘って維持することができる転写ベルト、転写ベルトユニット及び画像形成装置が求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の転写ベルトは、画像形成装置に用いられる転写ベルトにおいて、外周面のビッカース硬度が39N/mm以上60N/mm以下であり、かつ、外周面の低荷重クリープが−45%以上0%以下となる表面特性を有することを特徴とする。
第2の本発明の転写ベルトユニットは、第1の本発明に係る転写ベルトを備えたことを特徴とする。
第3の本発明の画像形成装置は、第2の本発明に係る転写ベルトユニットを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、転写ベルトの表面摩擦及び表面の変形を抑制して、クリーニングベルトによるクリーニング性能の信頼性を長期に亘って維持することができる。
実施形態に係る画像形成装置の構成を示す構成図である。 実施形態に係る転写ベルトユニットの構成を示す概略図である。 実施形態に係る転写ベルトの概略断面を示す断面図である。 実施形態に係る転写ベルトの外周面の耐摩耗性試験結果を示す図である。 実施形態に係る転写ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図である。 実施形態において、表面の硬さ特性が異なる転写ベルトの外周面の耐摩耗性試験結果、クリーニング性評価結果、鏡面度変化の結果を示す図である。 変形実施形態に係る中間転写ベルトの構成を示す構成図である。
(A)主たる実施形態
以下では、本発明の転写ベルト、転写ベルトユニット及び画像形成装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態では、例えば電子写真方式を採用したカラープリンタに本発明を適用する場合を例示する。
(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)画像形成装置
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成を示す構成図である。
図1において、実施形態に係る画像形成装置1は、像担持体としての感光ドラム11、帯電装置としての帯電ローラ15、露光装置としてのLEDヘッド12、現像装置としての現像ユニット13、転写装置としての転写ローラ16、転写ベルト14、定着装置としての定着ユニット17、クリーニング手段としてのクリーニングブレード18、給紙ユニット10を有する。
画像形成装置1は、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーをそれぞれ用いて画像を形成する4個の画像形成ユニットを有する。画像形成装置1のプリンタ方式は、特に限定されるものではなく、タンデム方式、4サイクル方式等を広く適用できる。
前記画像形成ユニットは、感光ドラム11、帯電ローラ15、LEDユニット12、現像ユニット13、転写ローラ16を有する。4個の画像形成ユニットはそれぞれトナーの色が異なるが、構成及び動作は同一又は対応する。
なお、説明を簡単にするために、以下では、例えば、Y(イエロー)の画像形成ユニットの構成感光ドラム11、帯電ローラ15、LEDユニット12、現像ユニット13、転写ローラ16を代表して説明する。
給紙ユニット10は、記録媒体としての記録材を収容するものである。
感光ドラム11は、帯電ローラ15により表面を一様に帯電され、LEDヘッド12により露光されることで静電潜像を形成するものである。また、感光ドラム11は、現像ローラ15により現像剤としてのトナーが供給されることで、表面に現像剤像を形成するものである。
帯電ローラ15は、感光ドラム11の表面を帯電させるものである。この実施形態では、帯電装置がローラ方式を採用する場合を例示しているが、非接触方式(例えば、コロトロン帯電方式、スコロトロン帯電方式、固体放電素子方式等)を広く適用することができる。
LEDヘッド12は、印刷データに基づいて感光ドラム11の表面を露光するものである。この実施形態では、露光装置がLEDヘッド12の場合を例示するが、LEDヘッド12に限定されるものではなく、例えばレーザー方式などを適用してもよい。
現像ユニット13は、静電潜像が形成された感光ドラム11の表面に現像剤を供給して現像するものである。現像ユニット13の現像方式は、種々の方式を適用することができ、例えば、1成分接触現像方式、2成分接触現像方式、1成分非接触方式、2成分非接触方式等を適用できる。
転写ローラ16は、転写ベルト14を挟んで、感光ドラム11と対応する位置に設けられており、感光ドラム11の表面上の現像剤像を記録材に転写するものである。
定着ユニット17は、記録材上に転写された現像剤像を記録材に定着させるものである。定着ユニット17は、加熱ローラ及び加圧ローラを有し、熱及び圧力により定着する。
転写ベルト14は、給紙ユニット10から給紙された記録材を感光ドラム11側に搬送するものである。
クリーニングブレード18は、転写ベルト14の表面と接触しており、転写ベルト14の表面に残留したトナーや異物等の付着物を除去するものである。
図1において、画像形成装置1が例えば上位装置からの印刷指示を取得すると、給紙ユニット10が記録材を給紙する。転写ベルト14は給紙された記録材を感光ドラム11まで搬送する。一方、帯電ローラ15は感光ドラム11の表面を帯電し、LEDヘッド12が印刷データに基づいて感光ドラム11の表面上に静電潜像を形成する。現像ユニット13は、静電潜像が形成された感光ドラム11の表面に現像剤を供給して現像する。これにより、静電潜像は可視像となる。感光ドラム11の表面上の可視像は、記録材を担持する転写ベルト14により搬送された記録材に、転写ローラ16によって順次転写される。トナー像が転写された記録材は定着ユニット17に送られ、トナー像が定着されて、記録材が排出される。記録材を分離した後、転写ベルト14は、該ベルト14上に残留したトナーや異物を除去するクリーニングブレード18により清掃される。
(A−1−2)転写ベルトユニット
図2は、実施形態に係る転写ベルトユニットの構成を示す概略図である。
図2において、実施形態に係る転写ベルトユニット100は、転写ベルト14、ベルト駆動手段としての駆動ローラ19、ガイド部材としてのフランジ31、クリーニングブレード18を有する。
転写ベルト14は、無端状のベルト体である。転写ベルトは、図示しない張架手段により、張架力4kg±10%程度の力で張架され、転写ベルト14は駆動ローラ19によって回転する。
転写ベルト14の端部にフランジ31が当接している。フランジ31は、転写ベルト14の回転に従動して回転するものであり、転写ベルト14の蛇行を防止するためのものである。なお、フランジ31は、必要に応じて他の回転手段に付加したり、転写ベルト14の両端部に付加したりすることができる。
この実施形態では、転写ベルト14のクリーニング手段として、図2に示したようなブレードクリーニング方式を採用した。
クリーニングベルト18は、支持部18bに支持されて設けられており、転写ベルト14の表面上に残留するトナーを除去するため、転写ベルト14の表面上に当接するように備えられている。
クリーニングブレード18は、ゴム硬度がJIS A60°〜90°の範囲にある弾性材料が好適である。この実施形態では、JIS A72°の板厚が1.5mmのウレタンゴムを使用した。これは、ウレタンゴム等の弾性材からなるブレード方式が、転写ベルト14の表面上の残留トナーや異物等の付着物を除去する機能に優れ、その構成が簡単かつコンパクトで低コストであるからである。また、クリーニングブレード18のゴム材料としてのウレタンゴムは、高硬度でしかも弾性に富み、耐磨耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性等に卓越しており適しているからである。
また、線圧は、1g/mm〜6g/mm、好ましくは2g/mm〜5g/mmが良い。この実施形態では、図2に示されるように線圧が4.3g/mmとなるように設定した。これは、線圧が小さすぎると、転写ベルト14への密着性が不足することにより、クリーニング不良が発生しやすいからである。また、線圧が大きすぎると、転写ベルト14との接触が面接触となることで、摩擦抵抗が過剰になり、掻きとり力よりも押付け力が勝ることで、クリーニングブレード18のメクレといった不具合が発生しやすくなるからである。
駆動ロール19の軸径は、この実施形態においては、いずれもφ25のものを使用したが、この径に限られるものではない。コストや装置の小径化等によりφ10〜φ50のものが一般的に使用される。
転写ベルト14の張架手段として、この実施形態では、スプリングを使用して4kg±10%(2kg×2個)の力で張架するようにした。しかし、転写ベルト14を張架する方法はこれに限られるものではない。また、転写ベルト14を張架する力も、使用する転写ベルト14の材料や、転写ベルト14の駆動手段によって適宜選択されるものである。一般的に転写ベルト14に対して2〜8kg±10%程度の力で張架することが多い。
この実施形態で使用したトナーは、微粉砕されたバインダ樹脂を主構成成分とし、帯電調整のため適宜、バインダ樹脂の表面にメラミン、大シリカ、小シリカ等の外添加剤を付与した。また、トナーの平均粒径は5.7μmの微粉砕トナーとした。
(A−1−3)転写ベルト
図3は、実施形態に係る転写ベルト14の概略断面を示す断面図である。
図3において、転写ベルト14は、トナー像保持面を形成すると共にクリーニングブレード18に当接する表面層14aと、その表面層14aに覆われた基層14bとの2層で形成されている。
表面層14aの膜厚は、一般的に表面層14aが基層14bの弾性変形に対して追従できるように薄膜であることが望まれる。具体的に、表面層14aの膜厚は、50nm〜10000nmが好ましく、より好ましくは100nm〜1500nmである。
基層14bは、転写ベルト14の端部の破断等に対する耐久性の観点から、座屈強度が20N以上あることが望ましい。この実施形態では、基層14bの厚さが140μmの基材を使用した。
[転写ベルト14の成型方法]
次に、転写ベルト14の成型方法について説明する。
まず、1又は複数の樹脂層からなる基層14bを形成し、続いて基層14b上に表面層14aを形成する。基層14bの膜厚が140μm、周長を624±1.5mmになるように調整した筒状の口金から、導電剤を含有した樹脂が連続的にインフレーションによって押出され、樹脂のチューブが形成される。
インフレーションによって形成されたチューブは空気冷却された後、ローラによって巻き取られる。所定の幅に切断したチューブは、円筒金型の外側に装着後、過熱処理することによってチューブの巻き取りで発生した折れ目を除去して、ベルト基材14bを形成する。この基層14bの成型方法は、インフレーション成型に限定されるものではなく、例えば、押出し成型、射出成型、遠心成型、ディップ成型などで行ってもよい。
また、基層14bを構成する樹脂としては、特に限定されるものではなく、耐久性や機械的特性の観点から、ベルト駆動時の張力変形が一定である材料が望ましい。また、基層14bは、蛇行防止手段との摺動を繰返し受けることによる端部の摩耗、折れ、割れ等のダメージを受け難い材料であることが望ましい。例えば、基層14bは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニル、ポリ6フッ化エチレンプロピレン、ポリ3フッ化エチレン、ポリアミドイミド、ポリイミド等の樹脂及びこれらを混合した樹脂系のものであってもよい。この実施形態では、基層14bを構成する樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用した。
また、導電性発現のため、基層14b、又は、基層14bと表面層14aとの両方にイオン導電化剤を適量配合した。イオン導電化剤は、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、テトラフルオロボラン酸リチウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウムなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
なお、転写ベルト14に導電性を与える手法としては、イオン導電に限定されるものではない。例えば、カーボンブラックを添加し、分散させる手法を用いてもよい。カーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらの単独使用、または複数種類のカーボンブラックを併用しても良い。これらのカーボンブラックの種類は、目的とする導電性により適宜選択することができる。特に、チャンネルブラック、ファーネスブラックが好適に用いられ、その用途によっては、酸化処理、グラフト処理等の酸化劣化を防止したものや、溶媒への分散性を向上させたものを用いると好ましい。カーボンブラックの含有量は、その目的に応じ、添加するカーボンブラックの種類により適宜決定される。この実施形態で用いられる転写ベルト14は、要求される機械的強度等から、ベルト組成樹脂に対し、3〜40重量%程度とした。
このようにして成型された転写ベルト14の体積抵抗率ρvは、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であることが好ましく、特に1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。
なお、体積抵抗率ρvを1×10Ω・cmより小さい低抵抗体にする場合には、導電剤を大量に添加する必要がある。そのため、高温高湿化において導電剤が転写ベルト14の表面ヘブリードし、転写ベルト14に当接する部材、特に感光ドラム11を汚染してしまうおそれがある。また、体積抵抗率ρvが1×1014Ω・cmより大きい場合、低温低湿環境下における高抵抗化や経時での抵抗上昇が発生したときには、転写ベルト14が高抵抗体となり、転写不良が発生してしまうおそれがある。そのため、体積抵抗率ρvが1×10Ω・cmより小さくすること、1×1014Ω・cmより大きくすることは好ましくない。
次に、上記のようにして成型され、所定の幅に仮切断された基層14bを金型外周面にセットし、例えば、スプレー塗装、ローラ塗装、またはディップ塗装で表面層14aを形成する。表面層14aの膜厚は塗布する材料の濃度や塗布量によって調整される。
さらに、表面層14aが基層14bに塗布された後、UV照射または加熱によって表面層14aを硬化させる。その後、表面層14aが形成された転写ベルト14を228.5±0.5mmの幅長に切断した。
表面層14aを構成する材料としては、例えば、ポリアクリル、ポリアクリルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、フッ素化合物、スチレン化合物、ナフタレン化合物等が好ましい。この実施形態では、表面層14aにポリアクリルを使用した。
さらに、表面層14aの材料溶液中にフッ素またはシリコーン系の撥水材を適量添加することで、表面のすべり性を向上させ、静止摩擦係数が0.1以上1.0以下であり、臨界表面張力γcが25以下、好ましくは15以下となるような転写ベルト14を作製した。
臨界表面長張力は、接触角を測定することによりZisman法から求めた。転写ベルト14の表面に対する接触角は、接触角計(協和界面科学株式会社製 接触角計CA−X型)用いて25℃50%RH環境下、液体としてはn−ドデカン(25.0mN/m)、ジョードメタン(50.8mN/m)、純水(72.8mN/m)の3種液体を使用して接触角を測定した。
転写ベルト14の表面の静止摩擦係数μsが小さすぎると、クリーニングブレード18が十分に働かず残留トナーのクリーニングが不十分となる。一方で転写ベルト14の表面の静止摩擦係数μsが大きすぎるとクリーニングブレード18との摩擦力が大きくなり、転写ベルト14とクリーニングブレード18の当接部における異音の発生や、クリーニングブレード18のメクレが発生してしまうおそれがある。また、臨界表面張力γcが小さいほど、転写ベルト14と付着物との付着力が小さくなり、クリーニングブレード18は付着物を掻きとりやすくなるためである。ただし、添加剤を過剰に加えると、経時で添加剤が転写ベルト14の表面へブリードする現象が発生しやすく、ブリード物が感光ドラム11へ付着し、画像欠陥を引き起こすことがあるため、撥水剤の添加量に十分留意する必要がある。
(A−2)実施形態の動作
以下では、実施形態に係る転写ベルト14の外周面の耐摩耗性試験結果、クリーニング性評価結果、鏡面度変化の結果を示して説明する。
[転写ベルト14の表面特性の評価]
転写ベルト14の表面特性として、表面の硬さ、及び、押込み変形に対する可逆性に着目して評価した。
転写ベルト14の表面の硬さは、ビッカース硬度(HV)を指標として評価を行った。また、転写ベルト14の押込み変形の可逆性は、低荷重クリープ(C_IT_L)を指標として評価を行った。
ここで、低荷重クリープとは、硬さ測定圧子を一定量押込んでできた凹変形が、除荷したときにどれだけ戻っているかの変形の可逆性を示す指標であり、値が「0」に近いほど変形が可逆的であることを示している。すなわち、C_IT_L=0のとき、押込によってできた凹変形が完全に元の状態に戻っていることを示している。
転写ベルト14の表面層14bの表面の硬さ、及び、低荷重クリープは、東陽テクニカ製G200を使用した。
測定条件を説明する。測定手法はナノインデンテーション法 ISO14577−1準拠を用いた。測定環境は25−26℃(測定機内環境 実測値)であり、測定圧子はBerkovich(TB13289)を用いて測定した。最大荷重は1mNであり、最大荷重保持時間は10sであり、最大荷重到達時間は30s、押し込み速度は0.33mN/sとした。最大荷重からの除荷(Percent to Unload)は0.9%とし、サーマルドリフトは1nm/s以下とした。
具体的には、厚さ10μmの表面層14bをPVDFフイルムの上に形成させた硬さ測定用の試料を準備し、材料の硬さを測定した。すなわち、表面層14bの表面の硬さ及び低荷重クリープは、ISO14577−1に準拠して測定し、30秒で最大荷重となる速度で最大荷重1.0mNで押込んだときのビッカース硬度(HV)および低荷重クリープ(C_IT_L)を測定した。
[鏡面度変化量]
耐刷試験前後の転写ベルト14の鏡面度を測定した。
転写ベルト14の鏡面度は、表層14aの膜厚を適宜、塗布量を変更することで調整可能である。つまり、表面層14aの膜厚が小さいほど、基層14bの表面の粗さの影響を受けやすく、最表面の鏡面度も小さくなる。一方で表面層14aの膜厚が厚いほど、基層14bの表面粗さの影響を受けにくく、最表面の鏡面度を大きくすることができる。
鏡面度が大きいほど、転写ベルト14の表面が平滑であることを示しており、トナーのすり抜けを防止するため、クリーニングブレード18と当接する転写ベルト14の表面の鏡面度は大きいほど好ましく、50以上であることが必要であり、好ましくは60以上である。これは、耐刷経時での表面の摩耗・キズの発生に伴って鏡面度が低下するためであり、寿命時においても鏡面度が50以上の平滑な表面を維持するためである。この実施形態では、鏡面度が70〜80の転写ベルト14を使用した。
鏡面度は、撮像パターン評価法にて計測した。転写ベルト14の表面上に鏡面度を計測するための対象物が設けてある。そして、撮像パターン評価法で、転写ベルト14の表面上の対象物を撮像し、その対象物の反射像、写像性の良し悪しを定量的に評価する。これにより、転写ベルト14の表面性状を評価することが可能である。撮像パターン評価法は、測定範囲も200mm広測定域であり、転写ベルト14の表面性状を評価できる。撮像パターン評価法で用いる鏡面度測定機は、触針式粗さ測定機による測定とは異なり、先端の尖った触針で表面をなぞって測定するわけではない。すなわち非破壊評価が可能である。そのため、転写ベルト14の表面を傷つけることなく評価することができ、且つ、数mmの範囲で計測される。そのため、鏡面度測定機は、触針式粗さ測定機と比較して、広範囲に亘って評価することができるため、転写ベルト14の表面性状を評価する方法として有用である。転写ベルト14の表面の鏡面度は、アークハリマ製の鏡面度計(SPOTAHS−100S)を用いて測定を行った(例えば、文献1(特開2007−225969号公報)参照)。
[転写ベルト14表面の耐摩耗性の評価]
ベルト表面の耐摩耗性の評価は、東洋精機製作所製のテーパ摩耗試験機/Rotary Abrasion Tester TS型を用いてベルト外周面の摩耗試験を行い評価した。
具体的に、摩耗試験は、荷重500g、速度60rpm(round per minute)、摩耗輪CS0に住友3M製のラッピングペーパ(#4000/砥粒Al)を貼り付けた摩耗輪を用いて200回転行い、摩耗輪摺動部分における転写ベルト14の膜厚を、マイクロメータを用いて各6箇所測定し、その平均値を摩耗量とした。すなわち、摩耗量が大きいほど、摩耗しやすいことを示し、逆に小さいほど摩耗しにくいことを示している。
[クリーニング性の評価(すり抜け評価)]
クリーニング性の評価は、株式会社沖データ製プリンタC711dnを用いて評価した。
具体的に、記録用紙としてPPC(Plain Paper Copy)用紙を用いた。試験環境は、低温低湿環境(LL環境:温度10℃、湿度20%)にて100Kページの印字を行った。印字評価に使用した画像は、YMCKの横線を用紙当たり0.5%濃度、3P/J(3枚印刷して7秒休止する動作)で両面印刷を行い、耐刷経時での鏡面度の変化およびクリーニング性の評価を行った。このとき、耐刷試験前後の鏡面度を測定し、耐刷試験による転写ベルト14の表面の変化を評価した。
クリーニング性の優劣は、印刷紙面裏面にトナーのすり抜け痕(細線状のすり抜け)が発生した耐刷数で、次のような基準で評価した。「評価値:1」は100Kページでクリーニング不良無し、「評価値:2」は80K〜100Kページですり抜け発生、「評価値:3」は60K〜80Kページですり抜け発生、「評価値:4」は60Kページ未満ですり抜け発生とする。すなわち、「評価値:1」が最も評価が高いものとする。
[評価結果]
図6は、表面の硬さ特性が異なる転写ベルト14の外周面の耐摩耗性試験結果、クリーニング性評価結果、鏡面度変化の結果を示している。
この実施形態では、表面層14bに使用するポリアクリルの測鎖に、芳香環等を含んだ剛直成分や、長鎖アルキル基等の柔軟成分の存在比の異なるモノマー材料を使用することで、硬さ特性(HV、C_ITi)の異なるポリアクリルの表面層14bを形成した。
この実施形態では、表面層14bの硬さ特性(HV、C_ITi)の異なる15個のサンプルを、後述する実施例1〜実施例15としている。
図4は、転写ベルト14の外周面の耐摩耗性試験結果を示す図である。図4では、縦軸は低荷重クリープ(C_IT_L[%])、横軸はビッカース硬度(HV[N/mm])を示している。
図5は、転写ベルト14のクリーニング性の評価結果を示す図である。図5では、縦軸は鏡面度変化量、横軸はテーバ摩耗試験200回転時の摩耗量([μm])を示している。
図6及び図4の結果より、転写ベルト14の外周面のビッカース硬度(HV)が39[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルト14の外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−45[%]以上0[%]以下である場合、クリーニング性が良好であることが分かる。
また、転写ベルト14の表面の硬さに着目すると、図6及び図4の結果より、転写ベルト14の外周面のビッカース硬度(HV)が39[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルト14の外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−24[%]以上0[%]以下である場合には、クリーニング性が良好であることが分かる。
さらに、転写ベルト14の表面の変形の可逆性に着目すると、図6及び図4の結果より、転写ベルト14の外周面のビッカース硬度(HV)が48[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルト14の外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−44[%]以上0[%]以下である場合には、クリーニング性が良好であることが分かる。
更にまた、図6及び図4の結果より、転写ベルト14の外周面のビッカース硬度(HV)が48[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルト14の外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−22[%]以上0[%]以下である場合には、長期に亘って良好なクリーニング性を確保できることが分かる。
ここで、この実施形態では、ビッカース硬度(HV)の上限値を60[N/mm]以下としている。これは、ビッカース硬度(HV)が60[N/mm]を超えて大きくなると、転写ベルト14の表面が硬くなりすぎ、回動する転写ベルト14の屈曲疲労により、クラックが入り、転写ベルト14の表面に割れが発生したり、転写ベルト14が破壊したりするおそれがあるためである。耐クラック性を向上させるために、転写ベルト14の表面層14bの膜厚を100nm未満とすることも可能である。しかし、転写ベルト14の表面特性が硬く、かつ、低荷重クリープとした場合、耐刷により徐々に転写ベルト14の摩耗が進行してしまい、寿命時には、転写ベルト14の表面の一部分が消失してしまうおそれもある。また、転写ベルト14の表面層14bの膜厚を薄くしすぎると、基層14aの粗さの被覆が不十分となり、コーティング後に表面層14bの表面粗さを小さくすることが難しくなり、クリーニング性も不良となり得る。前記理由から、この実施形態では、ビッカース硬度の上限値を60[N/mm]以下としている。
図6及び図5の結果より、転写ベルト14の表面の摩耗しやすさと耐刷経時での転写ベルト14の鏡面度変化量には負の相関があることが分かる。すなわち、耐刷経時での転写ベルト14表面の鏡面度は、転写ベルト14表面の摩耗が大きいほど、鏡面度低下量が大きいことを示している。
つまり、転写ベルト14の外周面のビッカース硬度(HV)が39[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルト14の外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−45[%]以上0[%]以下である場合には、テーパ摩耗試験における転写ベルト14表面の摩耗量は少なく、摩擦量は0.38μm以下となり、転写ベルト14表面の鏡面度低下量が20以下となることから、耐刷後の表面変化も小さく、平滑な表面を保つことができるため、長期に亘ってクリーニング性能が維持され、耐刷80Kページ印刷してもすり抜けが発生していないことが分かる。
転写ベルト14表面は、凸凹があるほど、接触物質の付着のきっかけとなりやすく、またクリーニングブレード18による掻き取り残しも発生しやすくなる。
これは、次のことから説明できる。一般に印字が進むにつれ、転写ベルト14上にはトナー由来、或いは記録材、主に紙由来のものが付着、堆積してくる。付着物が転写ベルト14上に一旦付着すると、同じ物質同士は引き付け合い易くなり、付着が進行しやすくなる。これは、分子間力の増大や、相溶性が向上するからである。一方、前記トナー由来、或いは紙由来の物質として、主としてシリカや炭酸カルシウムが挙げられ、前記物質は硬度が非常に硬く、接触部材である転写ベルト14を擦傷、磨耗させ、スクラッチを発生させる。前記現象は、ビッカース硬度を39[N/mm]よりも小さく、低荷重クリープ(C_lT_L)が−45%よりも小さいほど進行しやすい。以下、この理由を詳細に説明する。
転写ベルト14表面のビッカース硬度が39[N/mm]より小さいと、転写ベルト14表面にスクラッチが発生しやすい。これは、転写ベルト14表面の硬度が柔らかいほど、紙由来の高硬度のシリカや炭酸カルシウムが印刷を経る毎に転写ベルト14表面にスクラッチを発生させ、その転写ベルト14表面の柔らかさがスクラッチを進行させるためである。その結果としてクリーニングブレード18と転写ベルト14との密着性が悪化し、クリーニング不良が発生しやすくなる。このことは、鏡面度が大きいだけでは、不十分であることを示している。また、クリーニングブレード18部分に堆積したシリカや炭酸カルシウム等が、クリーニングブレード18の線圧によって転写ベルト14表面に押込まれることで、転写ベルト14が凹形状に変形し、転写ベルト14表面上に周方向の走行痕として現れる。
つまり、転写ベルト14表面のビッカース硬度が39[N/mm]より小さいと、初期状態においてはクリーニング性が良いが、印刷を経る毎に転写ベルト14表面にスクラッチが発生し、鏡面度の低下を伴って、クリーニング性能が低下するからである。
一方で、転写ベルト14表面のビッカース硬度が39[N/mm]以上である場合、転写ベルト14表面の硬度が硬くなるためスクラッチが発生しにくくなり、クリーニング性能を維持することができる。
転写ベルト14表面の低荷重クリープが−45%よりも小さいと、クリーニングブレード18を通過した後も、転写ベルト14上の凹変形が元に戻りにくく、耐刷経時で、転写ベルト14の凹み深さおよび走行痕の数量も増加してしまう。数量、深さ共に増加した局所的な凹形状部分には、前述のシリカ等の凝集物が恒常的に堆積、付着することで、すり抜けを誘引すると同時に、転写ベルト14表面にスクラッチが発生しやすくなることでもすり抜けを助長する。
一方で、転写ベルト14の表面の低荷重クリープが−45%以上である場合には、凹変形した表面の走行痕は元の形状へ回復しやすく、転写ベルト14表面へのシリカ等の硬質凝集物が堆積することを抑制することが出来るため、トナーのすり抜けを抑制することができる。
転写ベルト14表面のビッカース硬度が39[N/mm]よりも小さく、低荷重クリープが−45%よりも小さいと、表面の凹変形とスクラッチが互いに助長しあい、転写ベルト14表面を摩耗しやすくしていると考えられる。このことを以下に説明する。
図5に示すように、転写ベルト14表面の摩耗量が大きいほど、耐刷経時で鏡面度低下量も大きくなっている。このことは、耐刷による転写ベルト14の表面の摩耗が鏡面度を低下させ、凹凸が無数存在するすり抜けやすいベルト表面に変化していることを示している。
また、耐刷経時で転写ベルト14の摩耗によって表面に凹凸が無数に形成されると、転写ベルト14と記録材印字面(1st面)とのマイクロスリップにより、印字面表面近傍にあるワックスや外添剤を掻き落としやすく、これが転写ベルト14表面に付着物が付着する原因になる。この付着したワックスや外添剤は、クリーニングブレード18のエッジ部により多く滞留することになる。その結果として、付着物がクリーニングブレード18をすり抜け、クリーニング不良を引き起こす要因になるため、転写ベルト14表面を耐刷前の平滑な表面に保つことが必要である。
さらに、転写ベルト14上の残留物が増加してくると、クリーニングブレード18と転写ベルト14表面上の残留物との密着度、親和性が上昇し、摩擦力を上昇させる現象が起こる。この摩擦力の上昇によって、転写ベルト14表面とクリーニングブレード18と間のせん断応力が上昇し、その結果、クリーニングブレード18の局所的なエッジ欠け、メクレといった致命的な現象が生じる場合もある。
前述した不具合を補うために、クリーニングブレード18の線圧を高めにし、クリーニング不良を低減する手段も提案されている。しかし、クリーニングブレード18に対する負担が極めて大きくなり、クリーニングブレード18のエッジが破損したり、クリーニングブレード18のメクレ現象が発生しやすくなったりする。また、クリーニングブレード18の線圧を高くすることは、転写ベルト14表面のスクラッチ発生を加速する側面もあり、好ましい事ではない。
一方で、転写ベルト14のビッカース硬度(HV)が39[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルト14の外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−45[%]以上0[%]以下とすることで、付着物と摺擦によるスクラッチ、表面の摩耗および表面の変形を抑制することができる。
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、転写ベルトの外周面が、ビッカース硬度(HV)が39[N/mm]以上60[N/mm]以下であり、かつ、転写ベルトの外周面の低荷重クリープ(C_IT_L)が−45[%]以上0[%]以下となる表面特性を有することで、トナーの外添材や紙粉等の硬質付着物と摺擦によるスクラッチ、表面の摩耗および表面の変形を抑制することが可能になり、平滑な表面を維持することが可能となるため、クリーニングブレードによってベルト上の付着物を効率的にクリーニングすることが可能になる。その結果、転写ベルトのクリーニング性能を長期に亘って維持させることが可能となる。
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用可能である。
上述した実施形態では、電子写真方式を採用したカラープリンタに本発明を適用する場合を例示した。しかし、本発明は、ベルト機構の転写ベルト、該転写ベルトを備える転写ベルトユニット、この転写ベルトユニットを備える画像形成装置であれば、種々のものに広く適用することができる。
上述した実施形態では、感光ドラムに対向する位置に転写ローラを配設し、転写ローラに所定電圧を付与することで感光ドラム上に形成されたトナー像を媒体に転写する直接転写方式を採用した転写ベルトに適用する場合を例示した。
しかし、本発明に係る転写ベルトは、直接転写方式を採用したものに限定されるものではなく、図7に例示する中間転写方式を採用した中間転写ベルトや、定着ベルトにも適用可能である。
図7(A)は、中間転写方式を採用した画像形成装置1Aの内部構成を示す図である。図7(B)は、図7(A)の中間転写ベルト14Aのクリーニングブレード18A付近の構成を示す拡大図である。中間転写方式は、感光ドラム上に形成されたトナー像を、中間ベルトに転写した後、トナー像を媒体に転写する方式である。本発明は、図7(A)及び図7(B)に例示する中間ベルト17Aにも適用することができる。
1…画像形成装置、11…感光ドラム、12…LEDヘッド、13…現像ユニット、14…転写ベルト、15…帯電ローラ、16…転写ローラ、17…定着ユニット、18…クリーニングブレード、19…駆動ローラ、31…フランジ。

Claims (8)

  1. 画像形成装置に用いられる転写ベルトにおいて、
    外周面のビッカース硬度が39N/mm以上60N/mm以下であり、かつ、外周面の低荷重クリープが−45%以上0%以下となる表面特性を有することを特徴とする転写ベルト。
  2. 外周面のビッカース硬度が39N/mm以上60N/mm以下であり、かつ、外周面の低荷重クリープが−24%以上0%以下となる表面特性を有することを特徴とする請求項1に記載の転写ベルト。
  3. 外周面のビッカース硬度が48N/mm以上60N/mm以下であり、かつ、外周面の低荷重クリープが−44%以上0%以下となる表面特性を有することを特徴とする請求項1に記載の転写ベルト。
  4. 外周面のビッカース硬度が48N/mm以上60N/mm以下であり、かつ、外周面の低荷重クリープが−22%以上0%以下となる表面特性を有することを特徴とする請求項1に記載の転写ベルト。
  5. 前記転写ベルトが、外周面を形成する表面層と、該表面層に覆われた1又は複数の樹脂層からなる基層とにより形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写ベルト。
  6. 前記転写ベルトは、
    外周面を形成する表面層の膜厚が、100nm以上1500nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転写ベルト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の転写ベルトを備えたことを特徴とする転写ベルトユニット。
  8. 請求項7に記載の転写ベルトユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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