JP2015186450A - 微生物を用いた有機化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機化合物生産能を有する微生物またはその処理物を、水性媒体中、ヒドロキシアセトンの存在下で、糖類含有原料に作用させることにより有機化合物を生産させる工程(以下、「発酵工程」という)を有することを特徴とする、有機化合物の製造方法。前記糖類含有原料が、ヒドロキシアセトンを含有する原料であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
特許文献2には、グリセロールを原料とした嫌気発酵において、ヒドロキシアセトンを添加することによりコハク酸生産速度を向上させる方法が開示されている。グリセロールは、グルコースなどの一般的な糖類に比べて高度に還元された有機原料であるため、大腸菌に消費されにくい。そのため、特許文献2では、ヒドロキシアセトンを1,2−プロパンジオールへ変換して還元力を消費する代謝経路を活性化することで大腸菌のグリセロールの消費を促進させ、生産性を向上させている。
非特許文献1には、微生物を用いたコハク酸発酵生産において、ニュートラルレッド等の電子伝達体となる化合物を添加することにより、還元力を供給し、コハク酸生産性を向上させる方法が開示されている。
特許文献2では、原料としてグリセロールを用いた場合を対象とした発明であり、原料として一般的な糖類を用いた場合については検討がなされていない。また、特許文献2では、ヒドロキシアセトンを添加することで、大腸菌のグリセロールの消費を促進している。即ち、添加されたヒドロキシアセトンは1,2−プロパンジオールへ変換され、これにより、還元力の消費が起こっている。しかし、微生物の細胞内の酸化還元バランスの調整、特に、還元力の供給はできていないものと考えられる。
本発明の課題は、微生物を用いて有機化合物を生産する際、特に、当該有機化合物が高濃度に蓄積した条件下において生産速度を向上させ、有機化合物を効率よく製造する方法を提供することにある。
ヒドロキシアセトンは、微生物の代謝反応により、1,2−プロパンジオール、またはメチルグリオキサールへ変換されるので、還元力を消費するだけではなく、供給することもできる。本発明は、このヒドロキシアセトンの効果が、有機化合物が高濃度に蓄積した条件下であっても得られるという知見に基づくものである。
[1]有機化合物生産能を有する微生物またはその処理物を、水性媒体中、ヒドロキシアセトンの存在下で、糖類含有原料に作用させることにより有機化合物を生産させる工程(以下、「発酵工程」という)を有することを特徴とする、有機化合物の製造方法。
[2]前記糖類含有原料が、ヒドロキシアセトンを含有する原料であることを特徴とする、[1]に記載の有機化合物の製造方法。
[3]前記糖類含有原料が、リグノセルロース分解原料であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の有機化合物の製造方法。
[4]前記糖類含有原料が、スクロース含有原料であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の有機化合物の製造方法。
[5]前記発酵工程を、嫌気的雰囲気下で行うことを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
[6]前記水性媒体が、炭酸イオン、重炭酸イオン、及び二酸化炭素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
[7]前記有機化合物が、アルコール類、アミン類、カルボン酸類、およびフェノール類からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
[8]前記有機化合物が、ピルビン酸を中間体とする生合成経路を経て得られる有機化合物であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
[9]前記微生物が、ヒドロキシアセトンを1,2−プロパンジオールに変換する活性、およびヒドロキシアセトンをメチルグリオキサールに変換する活性を有する微生物であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
[10]前記微生物が、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
[11]前記発酵工程で得られる前記有機化合物を精製する工程をさらに有することを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
本発明における「糖類含有原料」の「糖」とは、一般的な糖類、即ち、アルデヒド基を一つ以上有するアルドース、またはケトン基を一つ以上有するケトースを意味する。
以下、糖類含有原料に含まれる糖類、糖類含有原料の由来、製法について説明する。
本発明における糖類は、特に限定はされず、いわゆる一般的な糖類を用いることができるが、微生物が炭素源としても活用することができる糖が好ましい。
具体的には、グリセルアルデヒド等の炭素数3の単糖(トリオース);エリトロース、トレオース、エリトルロース等の炭素数4の単糖(テトロース);、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、デオキシリボース、キシルロース、リブロース等の炭素数5の単糖(ペントース);アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、フコース、フクロース、ラムノース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の炭素数6の単糖(ヘキソース);、セドヘプツロース等の炭素数7の単糖(ヘプトース);スクロース、ラクトース、マルトース、トレハノース、ツラノース、セロビオース等の二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース等の三糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナオリゴ糖などのオリゴ糖類;デンプン、デキストリン、セルロース、ヘミセルロース、グルカン、ペントサン等の多糖類等が挙げられる。
なお、本発明で用いる糖類含有原料には、1種類の糖が単独で含有されていてもよいし、2種類以上の糖が含有されていてもよい。
本発明で用いる糖類含有原料は、前記糖類を含んでいれば特に制限はないが、必要に応じて水等を含んでいてもよく、好ましくは水を含んでいてもよい。
本発明で用いる糖類含有原料としては、特に限定はされないが、例えば、1種類以上の前記糖類を水に溶解して水溶液としたもの、1種類以上の前記糖類を構成成分として含む植物体またはその一部を糖類まで分解したもの、1種類以上の前記糖類を構成成分として含む植物体またはその一部から糖類を抽出したもの等を用いることができる。具体的には、後述するようなリグノセルロース分解原料、スクロース含有原料、デンプン分解原料等が挙げられる。
本発明における糖類含有原料中に含まれる糖類の濃度としては、糖類含有原料の由来や、含有する糖の種類等によって大きく変動するため、特に限定されないが、発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスの生産性を考慮して、通常0.1質量%以上、好ましくは2質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下である。但し、糖類を2種類以上含む場合は、その合計の濃度を示す。
リグノセルロースとは、構造性多糖のセルロース、ヘミセルロース、及び芳香族化合物の重合体のリグニンから構成される有機物である。リグノセルロースは、通常、食用にはできず、通常であれば廃棄、焼却処理をされるものが多いため、安定して供給でき、資源を有効利用できる点で好ましい。
リグノセルロース分解原料としては、バガス、コーンストーバー、麦わら、稲わら、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、ササ、ススキ等の草本系バイオマスや、廃木材、オガ粉、樹皮、古紙等の木質系バイオマス等を好適に用いることができる。中でも、バガス、コーンストーバー、麦わらが好ましい。
また、スクロースは、細胞中にスクロースを蓄積できる植物に含まれ、以下、このような植物のことを「スクロースを含む植物」という。スクロースを含む植物としては、サトウキビ、テンサイ、サトウカエデ、オウギヤシ、ソルガム等の砂糖の原料として使用されるもの等が挙げられ、中でも、サトウキビ、テンサイが好ましい。
また、デンプンは、細胞中にデンプンを蓄積できる植物に含まれ、以下、このような植物のことを「デンプンを含む植物」という。デンプンを含む植物としては、キャッサバ、トウモロコシ、馬鈴薯、小麦、甘藷、サゴヤシ、米、クズ、カタクリ、緑豆、ワラビ、オオウバユリ等が挙げられ、中でも、キャッサバ、トウモロコシ、馬鈴薯、小麦が好ましい。
ヒドロキシアセトンを含有し得る糖類含有原料としては、リグノセルロース分解原料(例えば、リグノセルロースを加水分解または熱分解して得られた糖液)、スクロース含有原料(例えば、サトウキビ、テンサイ、ソルガムなどの植物を圧搾または浸出して得られたケーンジュース、粗糖、廃糖蜜)などが挙げられる。
本発明で用いる有機化合物生産能を有する微生物(以下、「本発明の微生物」と称することがある。)は、目的とする有機化合物を生産する能力を有する微生物であれば、特に限定はされない本発明における「有機化合物生産能を有する微生物」とは、該微生物を培地中で培養したときに、該培地中に有機化合物を生成蓄積することができる微生物をいう。
本発明の微生物が生産する有機化合物としては、微生物が培地中に生成蓄積することができる有機化合物であれば特に限定されないが、具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等のアルコール類;1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等のアミン類;酢酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、ピルビン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、シス−アコニット酸、クエン酸、イソクエン酸、2−オキソグルタル酸、2−オキソイソ吉草酸、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、レブリン酸、キナ酸、シキミ酸、アクリル酸、メタクリル等のカルボン酸類;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、アルギニン、メチオニン、ヒスチジン、システイン、セリン、トレオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、トリプトファン等のアミノ酸類;フェノール、カテコール、ハイドロキノン等のフェノール類;安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸類;イノシン、グアノシン等のヌクレオシド類、イノシン酸、グアニル酸等のヌクレオチド;イソブチレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素化合物等が挙げられる。
ピルビン酸を中間体とする生合成経路を経て得られる有機化合物としては、エタノール、ブタノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類、1,5−ペンタメチレンジアミン等のアミン類、酢酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、シス−アコニット酸、クエン酸、イソクエン酸、2−オキソグルタル酸、2−オキソイソ吉草酸、イタコン酸等のカルボン酸類、アラニン、バリン、リジン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類等が挙げられる。中でも、発酵生産性の観点から、エタノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、コハク酸がさらに好ましい。
本発明で用いる微生物は、目的とする有機化合物を生産する能力を有する微生物であれば特に限定されないが、ヒドロキシアセトンを1,2−プロパンジオールに変換する活性、およびヒドロキシアセトンをメチルグリオキサールに変換する活性を有する微生物が好ましく、これらに加えてメチルグリオキサールをピルビン酸に変換する活性を有する微生物がさらに好ましい。
育種により有機化合物生産能を付与する手段としては、変異処理や遺伝子組換え処理などが挙げられ、有機化合物生合成経路における酵素遺伝子の発現強化や副生物生合成経路における酵素遺伝子の発現低減など、公知の方法を採用することができる。
本発明で用いる微生物は、本来的に有機化合物生産能を有する微生物であっても、育種により有機化合物生産能を付与したものであってもよい。
例えば、上述した微生物にコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等のカルボン酸生産能を付与したい場合は、後述するようなラクテートデヒドロゲナーゼ活性を低減する改変、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を増強する改変などを必要に応じて行なう。また、上記の微生物にエタノール、ブタノール、ブタンジオール等のアルコール生産能を付与したい場合は、後述するようなラクテートデヒドロゲナーゼ活性を低減する改変、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を増強する改変などを必要に応じて行なう。
以下、製造の目的とする有機化合物の種類で場合分けをして、本発明で用いる微生物について具体的に説明する。
LDH活性が低減した株の具体的な作製方法としては、染色体への相同組換えによる方法(特開平11−206385号公報等参照)や、sacB遺伝子を用いる方法(Schafer A, Tauch A, Jager W, Kalinowski J, Thierbach G, Puhler A, Gene 1994 Vol.145(1), p69-73)等が挙げられる。
さらに、コリネ型細菌以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のpc遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のpc遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてPC活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
ADH活性の増強に用いるadh遺伝子としては、ADH活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)由来のadhB遺伝子、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)由来のadhE2遺伝子を挙げることができる。
さらに、上記以外の細菌、または他の微生物、動植物由来のadh遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のadh遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてADH活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
本発明の製造方法は、本発明の微生物またはその処理物を水性媒体中、ヒドロキシアセトン存在下で、糖類含有原料に作用させることにより、有機化合物を生産させる工程(以下、「発酵工程」という。)を含むが、前記発酵工程の後に、生産された有機化合物を回収する工程(以下、「回収工程」という。)を有することが好ましい。
なお、後述する種培養や本培養と、後述する発酵工程は、区別することなく、同時に行なうこともできる。また、種培養または本培養した微生物を反応液中で増殖させながら、ヒドロキシアセトン存在下で糖類含有原料と反応させることによって有機化合物を生産させることもできる。
種培養は、本培養に供する前記微生物の菌体を調製するために行なうものである。種培養に用いる培地は、微生物の培養に用いられる通常の培地を用いることができるが、窒素源や無機塩などを含む培地であることが好ましい。ここで、窒素源としては、本微生物が資化して増殖できる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの各種の有機、無機の窒素化合物等が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、チアミン、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド、アミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加する。
本培養は、後述する有機化合物生産反応に供する前記微生物菌体を調製するために行なうものであり、主として菌体量を増やすことを目的とする。上述の種培養を行う場合は、種培養により得られた菌体を用いて本培養を行う。
これらの炭素源は、単独で添加してもよいし、組み合わせて添加してもよい。
発酵工程では、上述の有機化合物生産能を有する微生物またはその処理物を水性媒体中、ヒドロキシアセトン存在下で、糖類含有原料に作用させることにより、有機化合物を生産させる。この発酵工程で起こる反応を、以下、「有機化合物生産反応」という。
(ヒドロキシアセトン)
ヒドロキシアセトンは、微生物の代謝反応により、1,2−プロパンジオール、またはメチルグリオキサールへ変換される。1,2−プロパンジオールへ変換された場合は、NADH、NADPH等の電子伝達体が消費され、一方、メチルグリオキサールへ変換された場合は、逆にNADH、NADPH等の電子伝達体が生成する。つまり、細胞内においてヒドロキシアセトンが代謝される反応により、還元力を消費することも供給することもできる。
発酵工程において、ヒドロキシアセトンが存在すると、糖類含有原料からの還元力供給が過剰となっているときには、ヒドロキシアセトンが1,2−プロパンジオールへ変換される反応が優勢となり、還元力を消費することができる。逆に、糖類含有原料からの還元力供給が不足しているときには、ヒドロキシアセトンがメチルグリオキサールへ変換される反応が優勢となり、還元力を供給することができる。さらに、糖類含有原料からの還元力供給が適切な状態のときは、ヒドロキシアセトンから1,2−プロパンジオールへ変換される反応とメチルグリオキサールへ変換される反応とが拮抗するように進行し、還元力の供給と消費のバランスを崩すことなく、適切な状態を維持することができる。
また、ヒドロキシアセトンを水性媒体へ添加する場合のタイミングとしては、微生物の細胞内の酸化還元バランスを調節する機能を発揮できる範囲内であれば特に限定されず、例えば、発酵工程における有機化合物生産反応を開始する前までに予め水性媒体へ添加してもよいし、有機化合物生産反応を開始した後に添加してもよい。
また、水性媒体とは、発酵工程における有機化合物生産反応を行う水溶液のことであり、後述するように窒素源、無機塩などを含む水溶液であることが好ましい。当該水性媒体中で、前記微生物またはその処理物と糖類含有原料とを反応させることにより有機化合物生産反応を行うことができる。本明細書において、水性媒体とは、反応容器に含まれる液体全てを意味する。
本発明で用いる糖類含有原料の種類および好ましい糖類含有原料の例は上述した通りである。
有機化合物生産反応に用いる微生物の菌体量は、特に限定されないが、湿菌体重量として、通常1g/L以上、好ましくは10g/L以上、より好ましくは20g/L以上であり、一方、通常700g/L以下、好ましくは500g/L以下、さらに好ましくは400g/L以下である。
本発明は、上記の有機化合物生成反応により有機化合物が生成し、反応液中に蓄積させることができる。蓄積させた有機化合物は、常法に従って、水性媒体より回収する工程をさらに含んでいてもよい。具体的には、例えば、蓄積させた有機化合物がコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等のカルボン酸である場合には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、イオン交換樹脂等で脱塩し、その溶液から結晶化(晶析)あるいはカラムクロマトグラフィーにより精製するなどして、カルボン酸を回収することができる。蓄積させた有機化合物がエタノール、ブタノール、ブタンジオール等のアルコールである場合には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、蒸留等で濃縮し、その溶液を膜脱水するなどして、アルコールを回収することができる。
(液相クロマトグラフ(LC)分析−1)
ポンプ:日立ハイテクノロジーズ社製 L−2130
カラムオーブン:日立ハイテクノロジーズ社製 L−2350
UV検出器:日立ハイテクノロジーズ社製 L−2400
RI検出器:日立ハイテクノロジーズ社製 L−2490
カラム:信和化工社製 ULTRON PS−80H 8.0ID×300mmL
温度:60℃
溶離液:0.11質量%過塩素酸溶液 1.0mL/分
検出方法:UV(210nm),RI
注入量:10μL
(液相クロマトグラフ(LC)分析−2)
ポンプ:島津製作所社製 LC−10Ai
カラムオーブン:島津製作所社製 CTO−10A
UV検出器:島津製作所社製 SPD−10A
RI検出器:島津製作所社製 RID−10A
カラム:三菱化学社製 CK08EH 8.0ID×300mmL
温度:60℃
溶離液:0.055質量%過塩素酸溶液 0.8mL/分
検出方法:UV(280nm),RI
注入量:10μL
コハク酸、およびピルビン酸は前記LC分析−1により定量し、ヒドロキシアセトン、および1,2−プロパンジオールは前記LC分析−2で定量した。
前記LC分析−2では、UV(280nm)とRI検出とでヒドロキシアセトンと1,2−プロパンジオールのピークは重なる。ただし、ヒドロキシアセトンのみがUV吸収(280nm)を有するため、ヒドロキシアセトンはUV(280nm)で定量し、RI換算値を差し引いた上でRIから1,2−プロパンジオールを定量した。
<ヒドロキシアセトン存在下でのコハク酸生産評価>
(A)種培養
A培地[尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・5水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、蒸留水1,000mLに溶解]1,000mLを、121℃、20分間で加熱滅菌し、室温まで冷やした後、200mLの三角フラスコに15mL入れ、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を600μl添加した。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/PC−4/ΔLDH株(XylAB導入、PC増強、LDH破壊株:特願2013−161477)を接種して30℃で5.1時間振とう培養した。
500mLの三角フラスコに100mLのA培地を入れ、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL添加した後、上記(A)の種培養で得られた培養液を、O.D.(660nm)が0.02となるように接種し、30℃で、21.5時間振とう培養した。
上記(B)の本培養で得られた培養液を5,000×g、7分間の遠心分離により集菌し、菌体懸濁液[硫酸マグネシウム・7水和物:320mg、硫酸第一鉄・7水和物:13mg、硫酸マンガン・5水和物:13mg、リン酸(85%):410mg、水酸化カリウム(48%):540mg、蒸留水1000mLに溶解]にO.D.(660nm)が60になるように懸濁して菌体溶液を調製した。続いて、グルコース水溶液(500g/L):18g、蒸留水:44g、菌体懸濁液:1mL、D−ビオチン水溶液(100mg/L):66mg、塩酸チアミン(100mg/L):66mgを混合して、基質溶液を作成した。基質溶液にヒドロキシアセトン:1.1g、炭酸水素アンモニウム:960mg、菌体溶液を加え、嫌気的雰囲気下において40℃で反応させた(反応開始時のヒドロキシアセトンの濃度は、13.6g/Lであった)。なお、中和剤[アンモニア水(28%):97g、炭酸水素アンモニウム:32g、蒸留水250mLに溶解]を加えることでpHは7.3に維持した。その結果、16.8時間後のコハク酸蓄積量は3.74g(31.7mmol)、ピルビン酸量は0.48g(5.5mmol)、ヒドロキシアセトン量は0.30g(4.1mmol(3.3g/L))、1,2−プロパンジオール濃度は0.59g(7.8mmol)であり、24.1時間後のコハク酸蓄積量は4.69g(39.7mmol)、ピルビン酸量は0.48g(5.5mmol)、ヒドロキシアセトン量は0.10g(1.3mmol(1.0g/L))、1,2−プロパンジオール量は0.71g(9.3mmol)であった。
コハク酸生産反応において、基質溶液にヒドロキシアセトンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で行った。その結果、16.8時間後のコハク酸蓄積量は3.74g(31.7mmol)、ピルビン酸量は0.33g(3.8mmol)、ヒドロキシアセトン量は0g(0mmol)、1,2−プロパンジオール量は0g(0mmol)であり、24.1時間後のコハク酸蓄積量は4.02g(34.1mmol)、ピルビン酸量は0.25g(2.9mmol)、ヒドロキシアセトン量は0g(0mmol)、1,2−プロパンジオール量は0g(0mmol)であった。
また、実施例1において、生産後期におけるヒドロキシアセトン消費速度が生産初期における速度の68%程度であるのに対して、生産後期における1,2−プロパンジオール生産速度は生産初期における速度のわずか43%程度と大幅に低下した。これは、生産後期ではヒドロキシアセトンが1,2−プロパンジオールへ変換される反応速度が大きく低下していることを示しており、その多くがメチルグリオキサールへ変換され、還元力を供給する反応が優勢になっていることが示唆された。
以上の結果より、ヒドロキシアセトン存在下でコハク酸生産反応を行うことによって、高濃度蓄積時における還元力の不足を解消し、生産速度が向上することが明らかとなった。
Claims (11)
- 有機化合物生産能を有する微生物またはその処理物を、水性媒体中、ヒドロキシアセトンの存在下で、糖類含有原料に作用させることにより有機化合物を生産させる工程(以下、「発酵工程」という)を有することを特徴とする、有機化合物の製造方法。
- 前記糖類含有原料が、ヒドロキシアセトンを含有する原料であることを特徴とする、請求項1に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記糖類含有原料が、リグノセルロース分解原料であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記糖類含有原料が、スクロース含有原料であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記発酵工程を、嫌気的雰囲気下で行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記水性媒体が、炭酸イオン、重炭酸イオン、及び二酸化炭素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記有機化合物が、アルコール類、アミン類、カルボン酸類、およびフェノール類からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記有機化合物が、ピルビン酸を中間体とする生合成経路を経て得られる有機化合物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記微生物が、ヒドロキシアセトンを1,2−プロパンジオールに変換する活性、およびヒドロキシアセトンをメチルグリオキサールに変換する活性を有する微生物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記微生物が、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記発酵工程で得られる前記有機化合物を精製する工程をさらに有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機化合物の製造方法。
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