JP2015183796A - すべり軸受 - Google Patents

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加藤 慎一
Shinichi Kato
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Abstract

【課題】低温時の潤滑油保持性を確保しつつ、高温時の局所的な焼付きを低減する。【解決手段】軸受1は、表面に複数の凹部121を有するライニング層12と、複数の凹部121においてライニング層12よりも線膨張係数の高い材料で形成された充填部13とを有し、表面にライニング層12および充填部13が露出しており、表面におけるライニング層12および充填部13の境界が実質的に一致している。また、ライニング層12の表面と充填部13の窪んでいる部分には、段差d25が生じている。【選択図】図2

Description

本発明はすべり軸受に関する。
ハイブリッド車やアイドリングストップの普及に伴い、エンジンの停止および始動の回数が増える傾向にある。そのため、エンジン周りで用いられる軸受に要求される特性は厳しくなっている。停止状態にあるエンジンを始動するときには、摩擦を低減するため十分な潤滑油をできるだけ早く軸受に供給する必要がある。これに対処するため、軸受に油溝を設け潤滑油を軸受に留める技術が知られている。しかし、油溝を設けると相手軸との接触面積が減少するため、エンジンの高負荷時に焼付きが生じるおそれがある。
特許文献1は、軸受表面に形成された凹部に、この凹部の深さよりも高さの低い樹脂部材を埋め込む技術を開示している。この技術によれば、低温時すなわちエンジンの始動時にはこの樹脂の上部に潤滑油が溜まり、摩擦が低減される。また、高温時すなわちエンジンの運転中にはこの樹脂が熱膨張し軸受表面の段差がなくなって相手軸との接触面積が増加するため、耐焼付き性が向上する。
特開2007−285456号公報
特許文献1に記載の技術においては、ライニング層の凹部に樹脂部材を埋め込んでいるため、表面を一様にすることが難しく、局所的な焼付きが発生する可能性があった。
これに対し本発明は、低温時の潤滑油保持性を確保しつつ、高温時の局所的な焼付きを低減する技術を提供する。
本発明は、表面に複数の凹部を有するライニング層と、前記複数の凹部において前記ライニング層よりも線膨張係数の高い材料で形成された充填部とを有し、前記表面に前記ライニング層および前記複数の充填部が露出しており、前記表面における前記ライニング層および前記充填部の境界が実質的に一致しているすべり軸受を提供する。
160〜200℃における前記表面の真直度が、25℃における前記表面の真直度よりも高くてもよい。
160〜200℃における前記表面の真直度が、前記ライニング層の表面粗さ以下であてもよい。
また、本発明は、ライニング層に複数の凹部を形成する工程と、前記複数の凹部に前記ライニング層よりも線膨張係数の高い材料を充填する工程と、前記材料が充填されたライニング層の表面を、160〜200℃で平坦に加工する工程とを有する軸受の製造方法を提供する。
本発明によれば、低温時の潤滑油保持性を確保しつつ、高温時の局所的な焼付きを低減することができる。
一実施形態に係る軸受1の構造を示す図。 図1のA−A断面を示す図。 凹部121と充填部13との境界(図2の部分E)の拡大図。 充填部13の温度変化を例示する図。 一実施形態に係る軸受1の製造方法を示すフローチャート。 各工程における状態を例示する図。
1.構造
図1は、一実施形態に係る軸受1の構造を示す図である。軸受1は摺動部材すなわちすべり軸受であり、例えば、エンジン(内燃機関)のクランクシャフトとコネクティングロッド、またはクランクシャフトとエンジンブロックの間の軸受として用いられる。この例で、軸受1はいわゆる半割り軸受であり、円筒を軸方向に半分に割った形状を有している。2つの軸受1を接合すると円筒状の軸受が得られる。なお、軸受1の形状は図1に例示したものに限定されない。軸受1は、円筒形状を有していてもよい。
軸受1は、裏金11およびライニング層12を有する。裏金11は、ライニング層12の機械的強度を補強するための層である。裏金11は、例えば鋼で形成される。なお裏金11は省略されてもよい。ライニング層12は、軸受の摺動面(軸と接触する面)に沿って設けられ、軸受としての特性、例えば、摩擦特性および耐焼付性を与えるための層である。ライニング層12は、軸受合金で形成されている。軸との凝着を防ぐため、軸受合金は軸といわゆる「ともがね(ともざい)」となることを避け、軸とは別の材料系が用いられる。例えば、鋼で形成された軸の軸受として用いる場合、軸受合金としてアルミニウム合金や銅合金が用いられる。
ライニング層12の表面には、複数の凹部121が設けられている。この例で、凹部121は、摺動方向に延びる溝である。なお、凹部121の形状は図1で例示したものに限定されない。凹部121は、軸方向に延びる溝であってもよい。あるいは、凹部121は溝ではなく、表面における形状が円形または矩形の窪みであってもよい。また、凹部121の数は図の例に限定されない。ライニング層12の数は複数に限定されず、単一であってもよい。
図2は、図1のA−A断面を示す図である。すなわち図2は、軸受1の、軸方向に平行(かつ摺動方向に垂直)な断面を示している。図2においては摺動する相手軸は図示していないが、図面上方に相手軸がある。すなわち、図面上方の面が摺動面である。軸受1において、相手軸に近い方から順に、ライニング層12および裏金11の順に積層されている。
凹部121には、充填部13が形成されている。すなわち、軸受1の摺動面には、ライニング層12および充填部13が共に露出している。充填部13は、ライニング層12よりも線膨張係数(熱膨張率)が高い材料、例えば、ポリアミドイミド、ポリアミド、またはポリイミド、エポキシ、フェノール、ポリアセタール、ポリエーテルケーテルケトン、およびポリフェニレンサルファイド等の樹脂で形成されている。なお、充填部13を形成する材料は樹脂に限られず、ライニング層12よりも線膨張係数が高いものであれば、金属やセラミクスなどが用いられてもよい。
なお凹部121の断面形状は、図2に示したものに限定されない。断面形状は、多角形、円または楕円の一部であってもよい。
図2は、室温(25℃)における状態を示している。このとき、ライニング層12および充填部13には、段差d25が生じている。ライニング層12および充填部13の段差とは、ライニング層12の表面と、充填部13の表面のうち最も深い部分(最も窪んでいる部分)との高さの差をいう。段差d25は、潤滑油を保持できる程度、例えば1〜3μm、またはそれ以上である。
図3は、凹部121と充填部13との境界(図2の部分E)の拡大図を示す。この図で、上がライニング層12の表面すなわち摺動面である。本実施形態において、表面におけるライニング層12および充填部13の境界は実質的に一致している。表面におけるライニング層12および充填部13の境界とは、表面における凹部121の境界(図3(B)の点PS)と、表面に最も近い充填部13の境界(図3(B)の点PR)とのずれすなわち高さの差(図3(B)のdE)をいう。高さとは、摺動面に垂直な方向の長さをいう。また、境界が実質的に一致しているとは、油膜圧力の発生に与えるような段差を有さない状態をいい、例えば、ずれOEが、ライニング層12の表面粗さ程度までに納まっていることをいう。すなわち、ずれOEは、ライニング層12の表面粗さ以下であることが好ましい。ライニング層12の表面粗さとは、ライニング層12の表面のうち凹部121を除いた部分の表面粗さをいう。一例として、ずれOEは、3μm以下であることが好ましい。なお図3(A)は、ずれOEがほぼゼロの理想的な状態を示している。
図4は、充填部13の温度変化を例示する図である。充填部13は線膨張係数が高い材料で形成されているので、温度上昇に伴って、ライニング層12および充填部13の段差dは小さくなっていく。図4(A)〜(C)は、T1<T2<T3である温度T1〜T3における充填部13の温度変化を示している。各温度における段差dは、dT1>dT2>dT3である。この例で段差dT3はほぼゼロである。すなわち、温度T3におけるライニング層12の表面の真直度(この真直度は、充填部13も含めた真直度である)は、温度T1における真直度よりも高い。なお、真直度が「高い」とは、より真直に近いこと、すなわち真直度の値がゼロに近いことをいう。
温度T1が装置停止状態の温度(例えばT1=25℃)、温度T3が装置運転状態の温度(例えばT3=160〜200℃)となるようにライニング層12および充填部13の材料を選択することにより、低温(25℃)時には潤滑油の保持性を確保しつつ、高温(160〜200℃)時には軸との摺動面積を増加させ、耐焼付き性を向上させることができる。
2.製造方法
図5は、一実施形態に係る軸受1の製造方法を示すフローチャートである。図6は、各工程における状態を例示する図である。図5のフローの前に、板状の裏金の上に、ライニング層12となる軸受合金の層が形成された板材が準備される(図6(A))。なお図6では図面を簡単にするため裏金11は省略している。
ステップS1において、ライニング層12の表面に凹部121が形成される。凹部の形成には、切削加工またはプレス加工などが用いられる。図6(B)は、ライニング層12の表面に凹部121が形成された状態を示している。
ステップS2において、板材は、軸受1の形状(例えば、半円筒径または円筒形)に加工される。
ステップS3において、凹部121に、充填部13となる材料が充填される。例えば充填部13が樹脂により形成される場合には、樹脂成分を溶媒に溶かした溶液を塗布し、これを焼成する。このとき、この溶液を凹部121の中だけに塗布する必要はなく、ライニング層12の表面全体に渡り均一に溶液を塗布すればよい。これを焼成すると凹部121だけでなくライニング層12の表面全体に樹脂層が形成される(図6(C))。
ステップS4において、高温で、ライニング層12の表面が平坦に加工される。このとき、ライニング層12の表面の一部(例えば図6(C)の線Cより上の部分)が除去される。ステップS3の加工は、例えば切削もしくは研磨、またはこれらの組み合わせである。高温とは、軸受1が用いられる装置が運転状態にあるときの軸受1の温度(図4の温度T3に相当)をいう。運転状態の温度は、例えば160〜200℃である。
図6(D)は、ステップS3における表面加工後の状態を示す図である。なおここでは、高温での状態を図示している。ライニング層12の表面が一部除去される程度まで加工されているので、表面にはライニング層12および充填部13が共に露出している。また、この状態で、ライニング層12の表面の真直度は高い。
このように軸受1を作製した後、低温(例えば室温)にすると、充填部13が収縮し、ライニング層12と充填部13との間に段差が発生する(図6(E))。
このように、本実施形態においては、特許文献1のように、複数の凹部にそれぞれ個別に部材を埋め込むのではなく、ライニング層12の表面に対して一様な処理が行われる。そのため、製造工程を簡素にすることができ、かつ、表面状態がより均一な充填部13を形成することができる。また、特許文献1の技術では、低温になって樹脂部材が収縮すると凹部よりも小さくなり、凹部の中で樹脂部材が浮いてしまう場合がある。ここに潤滑油を供給しても潤滑油の上に樹脂部材が浮いてしまい、摩擦低減効果が得られない場合がある。これに対し本実施形態によれば、充填部13は凹部121に接着するように形成されるため、ライニング層12の表面により確実に油溜まりを形成することができる。
なお図5のフローは製造方法の一例を示すものであり、軸受1の製造方法はこれに限定されない。例えば軸受1が円筒形状を有する場合(いわゆるブシュである場合)、例えば、凹部形成(ステップS1)後、円筒形に成形(ステップS2)し、さらに凹部に材料を充填(ステップS3)した後、他の部品に組み込んでから、高温で表面の平坦加工(ステップS4)をしてもよい。
1…軸受、11…裏金、12…ライニング層、13…充填部、121…凹部

Claims (4)

  1. 表面に複数の凹部を有するライニング層と、
    前記複数の凹部において前記ライニング層よりも線膨張係数の高い材料で形成された充填部と
    を有し
    前記表面に前記ライニング層および前記複数の充填部が露出しており、
    前記表面における前記ライニング層および前記充填部の境界が実質的に一致している
    ことを特徴とするすべり軸受。
  2. 160〜200℃における前記表面の真直度が、25℃における前記表面の真直度よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
  3. 160〜200℃における前記表面の真直度が、前記ライニング層の表面粗さ以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のすべり軸受。
  4. ライニング層に複数の凹部を形成する工程と、
    前記複数の凹部に前記ライニング層よりも線膨張係数の高い材料を充填する工程と、
    前記材料が充填されたライニング層の表面を、160〜200℃で平坦に加工する工程と
    を有する軸受の製造方法。
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