JP2019105357A - すべり軸受 - Google Patents

すべり軸受

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豪 福井
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Abstract

【課題】軸部材の焼き付きを抑制することが可能なすべり軸受を提供する。【解決手段】内周面でクランクシャフト(軸部材)を摺動可能に支持する、負の線膨張係数を有する物質で形成された一対の環状部材を、すべり軸受の軸方向に直交する方向に沿って、所定の間隔を隔てて形成する。低温時には、環状部材が膨張して、環状部材とクランクシャフトと裏金とによって密閉された空間が形成される。形成された空間に潤滑油を閉じ込めることができるため、潤滑油を早期に昇温することができる。これによって、潤滑油の粘度が下がり、潤滑効果を向上させることができる。さらに、高温時には、環状部材が収縮するため、環状部材とクランクシャフトとの間に隙間が形成される。形成された隙間からは潤滑油が流出して、新たな潤滑油が供給されるため、油量が増えることですべり軸受の冷却効果が高まり、すべり軸受の耐焼き付き性の低下が抑制される。【選択図】図2

Description

本発明は、すべり軸受に関する。
従来、例えばエンジンのクランクシャフト(軸部材)を支持する軸受には、潤滑油等による油膜を介して、回転する軸部材を支持するすべり軸受が用いられている。
このようなすべり軸受においては、例えば、軸部材が高速で回転している際に、油膜が切れて軸部材が軸受に接触(片当たり)することにより、軸受に傷が生じる、いわゆる焼き付きが発生する可能性がある。一旦焼き付きが発生すると、軸受を交換する必要があるため、すべり軸受を設計する際には、焼き付きを発生しにくくするための対策を行う必要がある。
例えば、特許文献1では、すべり軸受に環状部材を設置するととともに、軸部材の外周面に、環状部材が入り込む環状溝を設置している。そして、環状部材を正の熱膨張率を有する材料で形成している。これによって、高温時には、膨張した環状部材が軸部材の環状溝に入り込むため、昇温された油が保持されることによって、すべり軸受を焼き付きにくくしている。
特開2012−112492号公報
しかしながら、この従来技術にあっては、軸受の焼き付きの発生を十分に抑制することができなかった。
本発明は、軸部材を焼き付きにくくすることが可能なすべり軸受を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、円環状のすべり軸受のうち、軸部材を摺動可能に支持する内周面に、負の線膨張係数を有する物質で形成された一対の環状部材が、前記すべり軸受の軸方向に直交する方向に沿って、所定の間隔を隔てて形成されることを特徴とする。
図1は、一般的なすべり軸受けの一例である、自動車用エンジンのクランクシャフトのすべり軸受の構造の一例を示す図であり、(a)はすべり軸受の斜視図である。(b)はすべり軸受のxz断面図である。 図2は、実施形態のすべり軸受の構造を示すxz断面図であり、(a)は低温時におけるすべり軸受のxz断面図である。(b)は高温時におけるすべり軸受のxz断面図である。
(一般的なすべり軸受けの構造の説明)
発明の実施形態について説明する前に、一般的なすべり軸受けの構造について説明する。図1は、一般的なすべり軸受けの一例である、自動車用エンジンのクランクシャフトのすべり軸受けの構造の一例を示す図である。特に、図1(a)は、すべり軸受10aの斜視図である。なお、以後の説明のため、図1(a)に示すように、すべり軸受10aの中心軸30をz軸とし、中心軸30に直交する方向を、それぞれx軸、y軸とするxyz座標系を設定する。図1(b)は、すべり軸受10aのxz断面図である。なお、クランクシャフト2は、適用されるエンジンの気筒数、エンジンの形式等に応じた数のクランクジャーナルを備えており、これらのクランクジャーナルが、それぞれすべり軸受10aによって支持されている。すなわち、クランクシャフト2は、複数のすべり軸受10aによって支持されている。図1には、1か所のすべり軸受10aのみを示すが、図示しない他のすべり軸受10aも、全て同じ構造を備えている。
すべり軸受10aを形成する軸受メタル5は、中空状の円筒を直径方向に2等分した半割形状の金属部材(半割軸受メタル5a,5b)であり、断面が半円弧状となっている。軸受メタル5は、図1(b)に示すように、裏金11とライニング層12とオーバレイ層13とを含む。すべり軸受10aは、半割軸受メタル5aと半割軸受メタル5bとを円筒状に組み合わせることにより形成される。すべり軸受10aは、内部に形成される中空部分にて円柱状のクランクシャフト2を支持する。なお、クランクシャフト2は、軸部材の一例である。クランクシャフト2の外径D1は、すべり軸受10aの内径D2よりもわずかに小さく形成されている。クランクシャフト2の外周面3と、すべり軸受10aの内周面15aとの間に形成される隙間には、図1に不図示の潤滑油供給機構によって潤滑油(エンジンオイル)が供給されて、油膜14が形成される。そして、すべり軸受10aの内周面15a上を、油膜14を介して、クランクシャフト2の外周面3が摺動する。
軸受メタル5は、曲率中心から遠い順に、裏金11とライニング層12とオーバレイ層13とを順に積層した円環状の構造を有する。すなわち、裏金11が軸受メタル5の最外層を構成し、オーバレイ層13が軸受メタル5の最内層を構成する。裏金11とライニング層12とオーバレイ層13とは、それぞれ円周方向に対して一定の厚みを有している。例えば、裏金11の厚みは約1.3mmであり、ライニング層12の厚みは約0.2mmであり、オーバレイ層13の厚みは約10μmである。オーバレイ層13の曲率中心側の表面の半径(軸受メタル5の内径)は約40mmである。オーバレイ層13の内側(軸受メタル5の曲率中心側)の表面(円環状の内周面15a)は、クランクシャフト2の摺動面を形成する。
裏金11は、すべり軸受10aの強度を向上させる部材である。ライニング層12は、軸受としての特性および性能、例えば、摩擦特性、耐焼付性、耐摩耗性、なじみ性、異物埋収性(異物ロバスト性)、および耐腐食性等の特性を改善するための層である。ライニング層12は、軸受合金で形成される。軸であるクランクシャフト2との凝着を防ぐため、軸受合金と軸とは、いわゆる「ともがね」となることを避けるために、異なる材料が用いられる。例えば、クランクシャフト2が鋼で形成されていた場合、軸受合金としては、アルミニウム合金等、鋼とは異なる合金が用いられる。オーバレイ層13は、ライニング層12の摩擦係数、なじみ性、耐腐食性、および異物埋収性(異物ロバスト性)等の特性を改善するためのコーティング層として、樹脂系コーティングまたは金属めっきで形成される。
(実施形態のすべり軸受けの構造の説明)
次に、本願発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明のすべり軸受を、自動車用エンジンのクランクシャフト2のすべり軸受10dに適用した例である。以下、図2を用いて、本実施形態のすべり軸受10dの構造を説明する。
図2は、実施形態のすべり軸受10dのxz断面図である。特に、図2(a)は、低温時におけるすべり軸受10dのxz断面図である。図2(b)は、高温時におけるすべり軸受10dのxz断面図である。なお、簡単のため、図2(a),図2(b)において、図1に示したライニング層12とオーバレイ層13は省略している。
図2(a),図2(b)において、クランクシャフト2(軸部材)を摺動可能に支持する裏金11(軸受メタル5)の内周面15aには、温度が上昇すると体積が減少して、温度が下降すると体積が増加する、負の線膨張係数を有する物質で形成された、矩形断面を有する一対の環状部材24a,24bが、すべり軸受10dの中心軸30に直交する方向に沿って、所定の間隔を隔てて形成されている。
環状部材24a,24bの外周面は、それぞれ、裏金11(軸受メタル5)の内周面15aに環状に形成された環状溝部22a,22bに嵌合されている。環状溝部22a,22bは、所定の間隔を隔てて、すべり軸受10dの中心軸30に直交する方向に形成されている。環状溝部22a,22bを設置する所定の間隔、および環状溝部22a,22bの幅(環状部材24a,24bの幅)は、すべり軸受10dが所定の負荷容量を有するように適宜決定すればよい。
なお、すべり軸受10dは、環状溝部22a,22bを形成せずに、環状部材24a,24bが、裏金11の内周面15aに直接当接する構成としてもよい。
環状部材24a,24bを構成する、負の線膨張係数を有する物質としては、例えば、ぺロブスカイト(Perovskite)を用いることができる。ぺロブスカイトは、物質の結晶構造名である。具体的な物質(化合物)としては、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、ビスマス・ランタン・ニッケル酸化物(Bi0.95La0.05NiO)、ビスマス・ニッケル・鉄酸化物(BiNi1−xFe)等がよく知られており、そのいずれの材料を用いてもよい。なお、負の線膨張係数がより大きい物質を用いると、すべり軸受の肉厚の変形量を、より大きく設定することができる。また、負の線膨張係数が大きい物質を用いると、当該物質の配合量を調整することによって、すべり軸受の肉厚の変形量を広範囲に亘って調整することが可能である。例えば、ビスマス・ニッケル・鉄酸化物は、負の線膨張係数が、−187×10−6/℃と非常に大きいため、本実施形態における軸受メタル5の材料として好適である。
一方、環状溝部22a,22bが形成される裏金11(軸受メタル5)は、正の線膨張係数を有し、なおかつ、線膨張係数の絶対値が、環状部材24a,24bを形成する物質の線膨張係数の絶対値と略等しい部材で形成することが望ましい。すなわち、環状溝部22a,22bの大きさ(溝の深さ、溝の幅)は、温度が上昇すると膨張し、温度が低下すると収縮する。一方、環状部材24a,24bは、温度が上昇すると収縮し、温度が低下すると膨張する。したがって、温度によらずに、環状部材24a,24bは、環状溝部22a,22bに嵌め合わさった状態を保持するのが望ましい。つまり、低温時には、膨張した環状部材24a,24bが収縮した環状溝部22a,22bに嵌め合わさり、高温時には、収縮した環状部材24a,24bが膨張した環状溝部22a,22bに嵌め合わさるように、環状溝部22a,22bの大きさが設計される。
なお、負の線膨張係数を有する物質としてぺロブスカイトを使用する場合には、すべり軸受を使用する環境の温度範囲を考慮してすべり軸受10dの設計を行う必要がある。すなわち、低温になると、ぺロブスカイト特性を有する物質で形成された環状部材24a,24bは膨張する。このときにエンジンが始動すると、すべり軸受10dとクランクシャフト2とが接触してしまう可能性がある。そのため、低温で膨張した環状部材24a,24bが、クランクシャフト2に接触することがないように、温度変化に伴う、環状部材24a,24bの変形範囲を事前に予測して、各部の寸法を設計する必要がある。
(すべり軸受の作用の説明)
次に、すべり軸受10dの作用について説明する。図2(a)に示すように、低温時には、ぺロブスカイト特性を有する物質で形成された環状部材24a,24bが膨張する。一方、低温時には、裏金11に形成された環状溝部22a,22bは収縮する。そして、すべり軸受10dは、所定の温度を下回る低温時において、環状部材24a,24bは、環状溝部22a,22bに嵌め合わさった状態を保ったまま、環状部材24a,24bの内周面15dが、クランクシャフト2に当接する。したがって、すべり軸受10dの軸受内径が狭まることによって、潤滑由は、環状部材24a,24bとクランクシャフト2と裏金11とで形成される空間に閉じ込められる。そして、閉じ込められた油膜14の油温が、せん断発熱によって上昇するため、潤滑油の油温を早期に上昇させることができる。なお、所定の温度は、潤滑油の早期昇温が必要な温度に応じて適宜決定すればよい。
一方、高温時には、環状部材24a,24bが収縮するとともに、裏金11に形成された環状溝部22a,22bは膨張する。したがって、図2(b)に示すように、環状部材24a,24bは、環状溝部22a,22bに嵌め合わさった状態を保ったまま、環状部材24a,24bの内周面15dは、クランクシャフト2から離隔する。したがって、すべり軸受10dの軸受内径が広がることによって、閉じ込められていた潤滑油が環状部材24a,24bの内周面15dを超えて、z軸正方向側およびz軸負方向側に流出する。そして、油膜14には、図2(a),図2(b)に不図示の潤滑油供給機構によって新たな潤滑油が供給されるため、油量が増えることで、すべり軸受10dの冷却効果が高まる。これによって、高温時には、すべり軸受10dを焼き付きにくくすることができる。
ところで、クランクシャフト2は、エンジンの運転中に撓みを生じ、クランクシャフト2の中心軸が、すべり軸受10dの中心軸30に対して傾きを生じる可能性がある。このように、クランクシャフト2に傾きが生じると、クランクシャフト2は、当該クランクシャフト2を摺動可能に支持するすべり軸受10dの内周面15dの端部に片当たりする。このような場合、片当たりが発生した内周面15dの端部の温度が上昇する。すると、環状部材24a,24bを形成した物質のぺロブスカイト特性によって、片当たりが発生した内周面15dの端部が、温度の上昇に応じた量だけ収縮する。そのため、クランクシャフト2の傾きに応じた量だけ環状部材24a,24bの内周面15dの肉厚が薄くなって、すべり軸受10dは、傾いたクランクシャフト2と面当たりすることになる。これにより、すべり軸受10dの負荷容量が上がるため、耐焼き付き性の低下が抑制される。
なお、裏金11を形成する部材が有する正の線膨張係数の絶対値と、環状部材24a,24bを形成する物質が有する負の線膨張係数の絶対値とは略等しいことが望ましいと前記した。しかし、このような条件を満足する適切な物質の組み合わせがない場合は、少なくとも、所定の温度よりも低い温度領域において、環状部材24a,24bが環状溝部22a,22bに嵌め合わさった状態となればよい。この場合、高温時には、環状溝部22a,22bと環状部材24a,24bとの間に隙間が生じる可能性がある。しかしながら、高温時には、前記したように、潤滑油を環状部材24a,24bと環状溝部22a,22bとの隙間から流出させる必要があるため、生じた隙間は、潤滑油の流出路として作用させることができる。
以上説明したように、実施形態のすべり軸受10dは、内周面15dでクランクシャフト2(軸部材)を摺動可能に支持する、負の線膨張係数を有する物質で形成された一対の環状部材24a,24bが、すべり軸受10dの軸方向に直交する方向に沿って、所定の間隔を隔てて形成される。したがって、低温時には、環状部材24a,24bが膨張して、環状部材24a,24bとクランクシャフト2と裏金11とによって密閉された空間が形成される。そして、その空間に潤滑油を閉じ込めることができるため、潤滑油を早期に昇温することができる。これによって、潤滑油の粘度が下がり、潤滑効果を向上させることができる。さらに、高温時には、環状部材24a,24bが収縮するため、環状部材24a,24bとクランクシャフト2との間に隙間が形成される。そして、その隙間から潤滑油が流出するとともに、潤滑油供給機構によって新たな潤滑油が供給されるため、油量が増えることで、すべり軸受10dの冷却効果が高まるため、すべり軸受10dの耐焼き付き性の低下が抑制される。
また、実施形態のすべり軸受10dにおいて、一対の環状部材24a,24bは、軸受メタル5の内周面15aに、すべり軸受10dの中心軸30に直交する方向に沿って形成された環状溝部22a,22bに嵌まり合う。したがって、低温時に膨張した環状部材24a,24bは、環状溝部22a,22bと確実に嵌まり合うため、環状部材24a,24bとクランクシャフト2との間に、より一層密閉された空間が形成される。そして、その空間に潤滑油を閉じ込めることができるため、潤滑油を早期に昇温することができ、潤滑効果を向上させることができる。特に、実施形態のすべり軸受10dでは、環状溝部22a,22bを形成する裏金11(軸受メタル5)が正の線膨張係数を有し、なおかつ、線膨張係数の絶対値が、環状部材24a,24bを形成する物質の線膨張係数の絶対値と略等しいものとした。したがって、低温時における環状溝部22a,22bの膨張量と、環状溝部22a,22bの収縮量とを略等しくすることができる。これによって、温度変化によらずに、環状部材24a,24bと環状溝部22a,22bとが嵌め合わさった状態を保つことができるため、広い温度範囲に亘って、潤滑効果の向上と焼き付きの抑制とを両立させることができる。
また、実施形態のすべり軸受10dにおいて、一対の環状部材24a,24bは、少なくとも所定の温度よりも低い温度領域において、環状溝部22a,22bおよびクランクシャフト2(軸部材)に当接する。したがって、環状部材24a,24bとクランクシャフト2とによって密閉された空間に、潤滑油を確実に閉じ込めることができる。したがって、潤滑油を早期に確実に昇温することができ、これによって、潤滑油の粘度が下がるため、潤滑効果を向上させることができる。
また、実施形態のすべり軸受10dにおいて、一対の環状部材24a,24bは、少なくとも所定の温度よりも高い温度領域において、環状溝部22a,22bに当接するとともに、クランクシャフト2(軸部材)から離隔する。したがって、温められた潤滑油が、環状部材24a,24bの内周面15dを超えて流出する。そのため、高温時において、すべり軸受10dを焼き付きにくくすることができる。
また、実施形態のすべり軸受10dは、ぺロブスカイト構造を有する物質で形成した。ぺロブスカイト構造を有する物質は、負の線膨張係数が大きいため、すべり軸受10dの肉厚の変形量を大きく設定することができる。したがって、広い温度範囲に亘って、すべり軸受10dとクランクシャフト2とを確実に面当たり状態とすることができるため、すべり軸受10dを焼き付きにくくすることができる。
また、実施形態のすべり軸受10dは、ビスマス・ニッケル・鉄酸化物で形成した。ビスマス・ニッケル・鉄酸化物は、負の線膨張係数が特に大きいため、すべり軸受10dの肉厚の変形量をより一層大きく設定することができる。したがって、より広い温度範囲に亘って、すべり軸受10dとクランクシャフト2とを確実に面当たり状態とすることができるため、すべり軸受10dを焼き付きにくくすることができる。
なお、本実施形態のすべり軸受10dは、エンジンのクランクシャフト2に適用するのが好適である。これは、昨今広く実用化している、アイドリングストップ機能を備えたエンジンにおいては、エンジンの回転/停止が頻発するため、クランクシャフト2の焼き付きが発生する可能性が増えるおそれがあり、焼き付きの発生を抑制する必要性が高まっているためである。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施形態では、すべり軸受10dを2個の環状部材24a,24bで形成したが、環状部材の個数は2個に限定されるものではない。すなわち、3個以上の環状部材を、それぞれ所定の間隔を隔てて設置しても同様の効果が得られる。
また、上記の実施形態では、本発明のすべり軸受10dをクランクシャフト2の軸受に適用した例を説明したが、本発明の適用範囲はこの限りではない。すなわち、すべり軸受10dは、軸部材を摺動可能に支持するすべり軸受であれば適用可能であり、例えば、バキュームポンプの軸受等に適用してもよい。
また、上記の実施形態では、負の線膨張係数を有する物質として、ぺロブスカイト特性を有する物質を用いる例を説明したが、負の線膨張係数を有する物質は、ぺロブスカイト特性を有する物質に限定されるものではない。すなわち、例えばガラス繊維等の材料を用いてもよい。
2 クランクシャフト(軸部材)
3 外周面
5 軸受メタル
5a,5b 半割軸受メタル
10a,10d すべり軸受
11 裏金
12 ライニング層
13 オーバレイ層
14 油膜
15a,15d 内周面
22a,22b 環状溝部
24a,24b 環状部材
30 中心軸
D1 外径
D2 内径

Claims (6)

  1. 円環状のすべり軸受のうち、軸部材を摺動可能に支持する内周面に、負の線膨張係数を有する物質で形成された一対の環状部材が、前記すべり軸受の軸方向に直交する方向に沿って、所定の間隔を隔てて形成される、
    ことを特徴とするすべり軸受。
  2. 前記一対の環状部材は、前記内周面に、前記すべり軸受の軸方向に直交する方向に沿って形成された環状溝部に嵌まり合う、
    ことを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
  3. 前記一対の環状部材は、少なくとも所定の温度よりも低い温度領域において、前記環状溝部および前記軸部材に当接する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のすべり軸受。
  4. 前記一対の環状部材は、少なくとも所定の温度よりも高い温度領域において、前記環状溝部に当接するとともに、前記軸部材から離隔する、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のすべり軸受。
  5. 前記物質は、ぺロブスカイト構造を有する物質である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載のすべり軸受。
  6. 前記物質は、ビスマス・ニッケル・鉄酸化物である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のすべり軸受。
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