JP2019190552A - 半割軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動面への潤滑油の供給を促進する。【解決手段】半割軸受(1)は、相手軸と摺動する内周面(11)を有する半円筒形状の軸受本体(10)と、内周面(11)の周方向(θ)に沿って形成され、相手軸の軸方向(z)の中央部分(C)を含み、溝(G)を有さない平坦領域(111)と、内周面(11)のうち平坦領域(111)に対し軸方向(G)の少なくとも片側において複数の溝(G)が形成された溝領域(112、113)とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、半割軸受に関する。
摩擦特性を向上させるため、内周面に溝等の表面構造を形成した半割軸受が知られている。例えば特許文献1には、内周面の軸方向中央部分に油溝を形成し、さらのその両側に軸方向に対して斜めに複数の細溝を形成した半割軸受が記載されている。
特開2002−155946号公報
近年、自動車用エンジンにおいて、さらなる効率化が要求される傾向がある。エンジンにおける損失を低減するため、今後、オイルポンプの吐出圧力が低減される可能性がある。このような状況において、本発明は、摺動面への潤滑油の供給を促進するための技術を提供する。
本発明は、相手軸と摺動する内周面を有する半円筒形状の軸受本体と、前記内周面の周方向に沿って形成され、前記相手軸の軸方向の中央部分を含み、溝を有さない平坦領域と、前記内周面のうち前記平坦領域に対し前記軸方向の少なくとも片側において複数の溝が形成された溝領域とを有する半割軸受を提供する。
前記平坦領域の前記軸方向における幅が、前記溝領域の当該軸方向における幅よりも狭くてもよい。
前記複数の溝の各々の長さが、前記内周面のうち前記平坦領域を除いた領域の前記軸方向の幅の半分以上であってもよい。
前記溝領域が、前記内周面のうち前記平坦領域に対し前記軸方向の一方側に形成された第1溝領域及び他方側に形成された第2溝領域を有し、前記第1溝領域に形成された前記複数の溝と、前記第2溝領域に形成された前記複数の溝とは、前記内周面の周方向において互い違いに形成されてもよい。
前記複数の溝の各々の、当該溝が延びる方向に垂直な断面の形状が、楕円弧であってもよい。
前記複数の溝の各々の延びる方向が、前記軸方向に対して20〜45°の角度をなしてもよい。
前記相手軸が、前記内周面に潤滑油を供給するための油孔を有し、前記平坦領域が、前記内周面が前記相手軸と摺動するときに前記油孔が描く軌跡と重なってもよい。
また、本発明は、相手軸と摺動する内周面を有する半円筒形状の軸受本体と、前記内周面の周方向に沿って形成され、溝を有さない平坦領域と、前記内周面のうち前記平坦領域
に対し前記軸方向の少なくとも片側において複数の溝が形成された溝領域とを有し、前記相手軸が、前記内周面に潤滑油を供給するための油孔を有し、前記平坦領域が、前記内周面が前記相手軸と摺動するときに前記油孔が描く軌跡と重なる半割軸受を提供する。
本発明の半割軸受によれば、摺動面への潤滑油の供給を促進することができる。
一実施形態に係る半割軸受1の外観を例示する図。 内周面11を仮想的に平面に展開した展開図。 溝Gの形状を例示する図。 相手軸の油孔と摺動面の溝との位置関係を例示する図。 断面における油孔と溝Gとの位置関係を例示する図。 変形例に係る半割軸受1の表面構造を例示する図。 別の変形例に係る半割軸受1の表面構造を例示する図。 さらに別の変形例に係る半割軸受1の表面構造を例示する図。
本願発明者らは、3DCFD(3次元数値流体力学)解析を用いて、いわゆるコンロッド軸受(コネクティングロッドにおいて用いられる軸受)における潤滑油の流れを解析した。その結果、油孔から流出した潤滑油は、その油孔の近辺に留まり、幅方向(軸方向)に広がりにくい傾向があること、さらには、摺動方向に沿って流れた潤滑油は合せ面周辺において幅方向に広がり、油孔から流出した潤滑油の多くが摺動面に供給されずに軸受の外部に排出されることが分かった。
この潤滑油の流れは、軸受全体の冷却をすることはできても、(特に摺動による発熱を受ける)摺動面の局所を冷却する機能は不十分であること、さらには、摺動面における油膜形成が十分になされていない可能性があることを示唆している。本発明は、この問題に対処する。
図1は、一実施形態に係る半割軸受1の外観を例示する図である。半割軸受1は、例えば、2つ組み合わせて円筒形とし、自動車のエンジンにおいてコンロッド軸受として用いられる。この場合の相手軸はクランクシャフトである。図1(A)は、半割軸受1の正面図(半割軸受1と摺動する相手軸の中心から見た図)を、図1(B)は側面図を示す。なおここでは、要素間の位置関係を説明するために、相手軸の径方向の位置をr、周方向の位置をθで表し、相手軸の軸方向をz軸とする座標系を用いる。また、図面を簡単にするため、後述する溝Gは図示を省略する。
半割軸受1は、軸受本体10により構成される。軸受本体10は、半円筒形状を有する。詳細には、軸受本体10は、内周面11、合せ面12、合せ面13、及び外周面14を有する。外周面14はハウジングにより支持される面である。合せ面12及び合せ面13は、他の半割軸受と組み合わせる際に、他の半割軸受の合せ面と対向する面である。内周面11は、相手軸と摺動する摺動面となる面である。相手軸は、θ方向(この例では時計回り)に回転する。すなわちθ方向は摺動方向である。相手軸の径は、例えばφ30〜150mmである。軸受本体10は、支持する軸の径に合わせた内径を有する。
一例において、軸受本体10は、裏金及びライニング層が径方向に積層された2層構造を有する。外周面14側が裏金であり、内周面11側がライニング層である。裏金は、半割軸受1に機械的な強度を与える層であり、例えば、鋼、鋳鉄、又は樹脂で形成される。ライニング層は、軸受として要求される特性、例えば、摩擦特性、耐焼付き性、耐摩耗性
、なじみ性、異物埋収性、及び耐腐食性を改善するための層である。ライニング層は、軸受合金で形成される。一例において、ライニング層は、アルミニウム合金又は銅合金で形成される。
なお、ライニング層の上(最表面)にはさらに、オーバレイ層(コーティング層)が形成されてもよい。オーバレイ層は、摺動面の特性を改善するための層である。オーバレイ層は、合金により形成されてもよいし、樹脂を含んでもよい。一例において、オーバレイ層は、バインダー樹脂及び添加物を含む。バインダー樹脂は、例えば、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケーテルケトン樹脂、及びポリフェニレンサルファイド樹脂のうち少なくとも一種を含む。添加物は、例えば、固体潤滑剤、軟質物、硬質物、及びカップリング剤のうち少なくとも一種を含む。固体潤滑材は、摩擦特性を改善するために添加される。固体潤滑剤は、例えば、MoS、WS、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラファイト、h−BN、及びSBのうち少なくとも一種を含む。例えばMoSは、良好な潤滑性を与える。また、PTFEは分子間凝集力が小さいので、摩擦係数を低減する効果がある。さらに、グラファイトは濡れ性を向上させ、初期なじみ性を向上させる。初期なじみ性とは、摺動開始後に相手材と摺接する際、摺動面が摩耗して平滑になり、摺動性を向上させる性質である。初期なじみ性の発現により摺動性が向上すると、摺動層全体としての摩耗量が低減される。軟質物は、異物埋収性を改善するために添加される。軟質物は、例えば、Sn、Al、又はBiのうち少なくとも1種を含む。硬質物は、耐摩耗性を改善するために添加される。硬質物は、例えば、SiC、Al、TiN、AlN、CrO、Si、ZrO、FePのうち少なくとも一種を含む。
図2は、内周面11を仮想的に平面に展開した展開図を示す。図において、縦軸及び横軸は、それぞれ、z軸及びθ軸である。内周面11は、平坦領域111、溝領域112、溝領域113、クラッシリリーフ114、及びクラッシリリーフ115を有する。
平坦領域111は、内周面11において周方向θに沿って形成される。ここで、「平坦領域111が周方向θに沿って形成される」とは、周方向の始点から終点まで、z軸上の所定位置が全て平坦領域111に含まれる(すなわち一続きである)ことをいう。一例において、周方向の始点はθ=0°であり、終点はθ=180°であり、z軸上の所定位置はz=0(軸方向の中心)である。別の例において、周方向の始点はクラッシリリーフ114の端点であり、終点はクラッシリリーフ115の端点である。
この例において、平坦領域111は、内周面11のうち、軸方向の中心線Cを含む。すなわち、平坦領域111は、内周面11のうち軸方向の中央部分近辺に形成される。平坦領域111は、溝を有さない(溝が形成されていない)領域をいう。ここでいう溝は、肉眼で確認できる程度の溝であり、一例においては幅100μm以上、深さ50μm以上で一方向に延びる凹部をいう。
中心線Cに沿って、中心線Cを含む領域に平坦領域111が設けられることにより、油膜圧力の発生を妨げる構造が排除される。したがって、半割軸受1は、油膜圧力がより発生しやすい構造を有する。
溝領域112(第1溝領域の一例)は、内周面11のうち平坦領域111から見て軸方向の一方側(図の+θ側)に存在する、複数の溝Guが形成された領域をいう。溝領域112の外縁は、内部に全ての溝Guを含み、軸受本体10の外縁と平行な辺を有する四角形であって、その面積が最小のもの、として定義される。
溝領域113(第2溝領域の一例)は、内周面11のうち平坦領域111から見て軸方向の他方側(溝領域112と反対側。図の−θ側)に存在する、複数の溝Glが形成された領域をいう。溝領域113の外縁は、内部に全ての溝Glを含み、軸受本体10の外縁と平行な辺を有する四角形(すなわち、θ軸及びz軸に平行な辺を有する四角形)であって、その面積が最小のもの、として定義される。なお、軸方向に沿って見たときに、溝領域112と溝領域113との間の領域は全て平坦領域111である。
クラッシリリーフ114及びクラッシリリーフ115は、+θ側(合せ面12側)の端及び−θ側(合せ面13側)の端から、それぞれ所定の長さに渡って形成された逃げ(凹部)である。図1(B)のように側面から見ると、内周面11の稜線はほぼ円弧を描くが、クラッシリリーフ114及びクラッシリリーフ115に相当する部分は、この円弧よりも凹んでいる。なお溝Gu及び溝Glは、クラッシリリーフ114及びクラッシリリーフ115には形成されない。
この例において、平坦領域111の軸方向における幅W1は、内周面11のうち平坦領域111を除いた領域の軸方向における幅(W2+W3)の半分より狭い。すなわち、
W1<(W2+W3)/2 …(1)
である。さらにこの例において、幅W1は、内周面11のうち平坦領域111から見て軸方向の一方側の領域の幅W2、及び他方側の領域の幅W3のそれぞれより狭い。すなわち、
W1<W2 かつ W1<W3 …(2)
である。さらにこの例において、幅W1は、溝領域112の幅W4及び溝領域113の幅W5のそれぞれより狭い。すなわち、
W1<W4 かつ W1<W5 …(3)
である。さらにこの例において、内周面11の表面構造は、軸方向の中心線Cに対して対称であるので、
W1<W2=W3 …(4) かつ
W1<W4=W5 …(5)
である。
このように、溝Gu及び溝Glは、いずれも、内周面11の軸方向における端まで達しておらず、すなわち、溝Gu及び溝Glは、いずれも、半割軸受1の側面に開口していない。内周面11の軸方向における端から溝Gまでの距離は、例えば1〜3mmである。このように、軸方向の端に溝Gを形成しないことにより、側面からの潤滑油の漏れを抑制することができる。
この例において、溝Gu及び溝Glは、いずれもz軸に沿って(θ軸に垂直方向に)延びる。すなわち、溝領域112及び溝領域113の定義と併せて考えると、溝Guの長さLu及び溝Glの長さLlは、幅W4及び幅W5と等しい。また、溝Gu及び溝Glは、互いにθ座標が同じ位置に形成される。なお、溝Gu及び溝Glを区別しないときは単に溝Gという。
また、この例において、長さLu及び長さLlは、それぞれ、幅W2及び幅W3の半分よりも長い。すなわち、長さLu及び長さLlは、それぞれ、内周面11のうち平坦領域111を除いた領域の軸方向における幅(W2+W3)の1/4以上である(次式(6)及び(7))。
Lu≧(W2+W3)/4 …(6) かつ
Ll≧(W2+W3)/4 …(7)
この例において、内周面11の表面構造は、軸方向の中心線Cに対して対称であるので、
Lu≧(W2/2) …(8) かつ
Ll≧(W3/2) …(9)
である。
図3は、溝Gが延びる方向に垂直な断面、この例では周方向と平行かつ軸方向と垂直な断面における溝Gの形状を例示する図である。この図に示されるように、溝Gの稜線は楕円弧(ここでいう楕円弧は円弧も含む)を描く。一例において、溝Gの幅Wgは100〜200μmであり、深さDgは50〜100μmである。このように比較的浅い溝であれば、プレス加工又はパッド印刷等の非切削加工により形成することが可能である。すなわち、製造コストを低減することができる。
この例において、隣り合う2つの溝Gの間隔pは、溝Gの幅Wgよりも広い。Wg>pとすることで、溝Gと溝Gとの間の平坦部分を確保することができ、摺動面積を確保することができる。なお、間隔pは幅Wgと同程度であってもよい。
図4は、相手軸の油孔と摺動面の溝との位置関係を例示する図である。ここでは、図3と同様に仮想的な展開図を用いる。この例において、相手軸は、摺動面に潤滑油を供給する(流出させる)油孔91を有する。潤滑油は、例えばオイルリザーバーからオイルポンプによって汲み上げられ、相手軸中の油孔91を介して摺動面に供給される。図4においては、相手軸の摺動に伴ってこの油孔が内周面上を移動する軌跡Tが示される。軌跡Tは、溝Gの少なくとも一部と重なる(オーバーラップする)。詳細には、軌跡Tは、溝Gu及び溝Glの双方と重なる。このように、軌跡Tが溝Gの少なくとも一部とオーバーラップすることにより、油孔から出た潤滑油が溝Gに沿って流れやすくなり、z軸方向における潤滑油の移動が促進される。なお、図4においては、図面が煩雑になるのを避けるため、軌跡Tを半割軸受1の外側まで拡張して描いているが、実際には軌跡Tは内周面11と重なる範囲に留まる。
図5は、断面における油孔と溝Gとの位置関係を例示する図である。図5は、軸方向と平行かつ周方向と垂直な断面を示す。ここでは相手軸としてシャフト9を図示している。シャフト9は油孔91を有する。油孔91は、開口部に面取り92を有し、油孔91の最表面の径Rpoは、内部の径Rpbよりも広い。図4で説明した軌跡Tは、この最表面の開口の軌跡である。一例において、油孔91と溝Gとが重なっている部分の幅Woは、平坦領域111の幅W1の2.5〜25%程度である。油孔が広すぎると潤滑油の排出圧力が不足し、狭すぎると製造誤差等により油孔91と溝Gとの重なりが生じなくなる可能性がある。
以上で説明したように本実施形態に係る半割軸受1によれば、摺動面への潤滑油の供給を促進することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
図6は変形例に係る半割軸受1の表面構造を例示する図である。この例において、溝Gは軸方向に対して斜めに延びている。詳細には、溝Gについて、軸方向中央側の端(油孔91に近い端)を始点(点P1)、軸方向外側の端(油孔91から遠い端)を終点(点P2)と定義したとき、終点のθ座標は、始点のθ座標よりも大きい(すなわち、終点は始点よりも回転方向の下流側にある)。このとき、溝Gの延びる方向と軸方向とのなす角αの角度は、一例において20°≦α≦45°を満たす。このように、溝Gの延びる方向が周方向成分を有することにより、溝Gを介した潤滑油の供給をより促進することができる。
図7は別の変形例に係る半割軸受1の表面構造を例示する図である。この例において、溝Gは、図6の例と同様に軸方向に対して斜めに延びている。図7の例は、溝領域112の溝Glの始点(点P1)の位置(θ座標)と溝領域113の溝Guの始点(点P3)の位置とが互い違いになっている(ずれている)点において図6の例と異なっている。点P1と点P3との位置ずれの量は、溝Gの間隔pの半分(p/2)であることが好ましい。θ軸上において、溝Glの始点の位置と溝Guの始点の位置とをずらすことにより、θ軸方向においてより均一に潤滑油を供給することができる。なお、図2のように溝Gが軸方向に平行に延びている構造において、溝Glの始点の位置と溝Guの始点の位置とをずらしてもよい。
図8はさらに別の変形例に係る半割軸受1の表面構造を例示する図である。この例において、溝Gは、軸方向に平行に延びている。図8の例は、平坦領域111が軸方向の中心線Cと重なっておらず、溝領域112側にずれている。これは、相手軸において油孔91が形成される位置が、軸方向の中心からずれているところ、油孔91の軌跡Tと重なるように溝Gl、溝Gu、及び平坦領域111を形成するためである。この例によれば、相手軸において油孔91が形成される位置が軸方向の中心からずれていても、摺動面における潤滑油の供給を促進することができる。
溝Gの形状は、図2及び6〜8において例示したものに限定されない。例えば、溝領域112に属する複数の溝Glは、すべてが同じ形状ではなく、一部の溝Glが他の溝Glと違う形状を有していてもよい。例えば、一部の溝Glは他の溝Glと、幅、深さ、及び長さの少なくとも1つが異なっていてもよい。あるいは、少なくとも一部の溝Glが内周面11の軸方向の端まで達していてもよい(すなわち、少なくとも一部の溝Glが、半割軸受1の側面まで達していてもよい)。さらに、2つ以上の溝Gが、周方向に延びる別の溝により繋がれてもよい。このような構造を採用することにより、異物排出性を向上させることができる。
また、溝Gは、始点から終点まで一様でなく、その形状が変化してもよい。例えば、溝Gは、始点に近いほど(溝Gの延びる方向に垂直な)断面積が広く、終点に近いほど断面積が狭くてもよい。このような構造を採用することにより、側面からの潤滑油の漏れを抑制することができる。さらに、溝Gは、周方向において一様でなくてもよい。例えば、シミュレーション等により負荷が高いと予想される領域において、他の領域よりも溝Gの密度を増やしたり、溝Gの幅を広げたりしてもよい。
実施形態においては、半割軸受が、平坦領域の軸方向における両側に溝領域を有する例を説明したが、半割軸受は、平坦領域の軸方向における片側のみに溝領域を有してもよい。相手軸の油孔91が軸方向の中心に無い場合など、相手軸の構造によっては、このような構造が有効な場合もある。
半割軸受1の構造、特に、内周面11以外の構造は、実施形態において例示されたものに限定されない。例えば、外周面14に爪や凹部などの構造が形成されてもよい。
半割軸受1と組み合わせて用いられる他の半割軸受は、半割軸受1と異なる構造を有していてもよい。他の半割軸受は、例えば、内周面から外周面まで連なる孔(油孔)、及び内周面において周方向に沿って形成された油溝を有してもよい。この油溝は、半割軸受における溝Gよりも溝の延びる方向に垂直な断面における断面積が広くてもよい。
半割軸受1の用途はコンロッド軸受に限定されない。いわゆる主軸受等、コンロッド軸受以外の軸受として用いられてもよい。
1…半割軸受、9…シャフト、10…軸受本体、11…内周面、12…合せ面、13…合せ面、14…外周面、16…外周面、91…油孔、92…面取り、111…平坦領域、112…溝領域、113…溝領域、114…クラッシリリーフ、115…クラッシリリーフ、C…中心線、G…溝、Gl…溝、Gu…溝、T…軌跡

Claims (8)

  1. 相手軸と摺動する内周面を有する半円筒形状の軸受本体と、
    前記内周面の周方向に沿って形成され、前記相手軸の軸方向の中央部分を含み、溝を有さない平坦領域と、
    前記内周面のうち前記平坦領域に対し前記軸方向の少なくとも片側において複数の溝が形成された溝領域と
    を有する半割軸受。
  2. 前記平坦領域の前記軸方向における幅が、前記内周面のうち前記平坦領域を除いた領域の当該軸方向における幅の半分よりも狭い
    請求項1に記載の半割軸受。
  3. 前記複数の溝の各々の長さが、前記内周面のうち前記平坦領域を除いた領域の前記軸方向の幅の1/4以上である
    請求項1又は2に記載の半割軸受。
  4. 前記溝領域が、前記内周面のうち前記平坦領域に対し前記軸方向の一方側に形成された第1溝領域及び他方側に形成された第2溝領域を有し、
    前記第1溝領域に形成された前記複数の溝と、前記第2溝領域に形成された前記複数の溝とは、前記内周面の周方向において互い違いに形成される
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半割軸受。
  5. 前記複数の溝の各々の、当該溝が延びる方向に垂直な断面の形状が、楕円弧である
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半割軸受。
  6. 前記複数の溝の各々の延びる方向が、前記軸方向に対して20〜45°の角度をなす
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半割軸受。
  7. 前記相手軸が、前記内周面に潤滑油を供給するための油孔を有し、
    前記平坦領域が、前記内周面が前記相手軸と摺動するときに前記油孔が描く軌跡と重なる
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半割軸受。
  8. 相手軸と摺動する内周面を有する半円筒形状の軸受本体と、
    前記内周面の周方向に沿って形成され、溝を有さない平坦領域と、
    前記内周面のうち前記平坦領域に対し前記相手軸の軸方向の少なくとも片側において複数の溝が形成された溝領域と
    を有し、
    前記相手軸が、前記内周面に潤滑油を供給するための油孔を有し、
    前記平坦領域が、前記内周面が前記相手軸と摺動するときに前記油孔が描く軌跡と重なる
    半割軸受。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112020004997T5 (de) 2019-10-17 2022-07-07 Isuzu Motors Limited Windführungsmechanismus und vordere struktur für ein fahrzeug, das den windführungsmechanismus umfasst

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