JP5933979B2 - ラジアルすべり軸受 - Google Patents

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本発明は、内燃機関のクランクシャフトなどの比較的大きなラジアル荷重が負荷される軸の支持に好適なラジアルすべり軸受に関する。
回転軸を軸支するラジアルすべり軸受は、円筒状の軸受面が形成された軸受台、あるいは軸受台とこれに形成された円筒孔に装着される円筒状の軸受板(ベアリングメタル)とにより構成される。軸受面を形成する軸受部材(軸受台または軸受板)には、一体型と半割り型とがあり、クランクシャフトのような異径軸の軸受には、一般的に半割り型が採用される。また、クランクシャフトのような大きなラジアル荷重を軸支する軸受には、潤滑油を用いる流体潤滑軸受が一般的に用いられる。
流体潤滑軸受は、回転軸の外周面と軸受面との間に軸受隙間(軸受面の半径と回転軸の半径との差)を設け、主にこの隙間に給油した潤滑油のくさび作用およびスクイズ作用により、油膜によって軸受面から浮上させた状態で回転軸を支持する。したがって、流体潤滑軸受では、潤滑油が軸受隙間から外部に漏れるようになっており、回転軸の運転(回転)中には潤滑油を常時供給する必要がある。
流体潤滑軸受の軸受隙間が大きいと、外部に漏れる潤滑油の量が増えることにより、内燃機関の出力でオイルポンプを駆動する自動車などでは、オイルポンプの負荷増大により燃費が悪化する。これを防止するため、軸受部材の内周面の軸方向両端部に、固体潤滑剤からなる凸部を周方向に沿って設けたラジアルすべり軸受が提案されている(特許文献1)。
特開2001−182751号公報
しかしながら、特許文献1のすべり軸受では、潤滑油の漏れを制限することはできるが、油膜反力による支持荷重については何ら検討されていない。特に、潤滑油を供給するオイル供給溝などの給油凹部が軸受部材の内周面に形成される場合には、これがない場合に比べて油膜反力が低くなるため、軸受部材の幅を広くするなどの対策をとる必要がある。
本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解消するべく案出されたものであり、油膜反力による支持荷重を効果的に向上できるラジアルすべり軸受を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、回転軸(2)を軸支するラジアルすべり軸受(1)であって、軸受部材(10)の内周面には、潤滑油を供給する給油凹部(24,25)が開口するとともに、軸方向両端部にて周方向に延在する第1凸部(14)と前記給油凹部の開口縁に配置された第2凸部(15,115,215)とが形成された構成とする。
この構成によれば、回転軸を支持する潤滑油が給油凹部に流出し難くなるため、軸受面における油膜圧力を高めて支持荷重を大きくすることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記給油凹部が周方向に延在する給油溝(25)であり、前記第2凸部(15)が前記給油溝の軸方向両側に周方向に延在するように形成された構成とすることができる。
この構成によれば、給油溝が形成された如何なる部位においても、回転軸を支持する潤滑油が給油凹部に流出し難くなるため、軸受面における油膜反力を高めることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記給油凹部が給油孔(24)であり、前記第2凸部(115,215)が前記給油孔を囲繞するように形成された構成とすることができる。
この構成によれば、給油孔が形成された角度位置で油膜反力が回転軸を支持するときに、潤滑油が軸方向および周方向への移動により給油凹部に流出して軸受面全体における油膜反力が小さくなることを防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記第2凸部(215)が周方向に延在するように形成された構成とすることができる。これにより、回転軸の荷重が大きくなる位置に給油孔が設けられた場合にも、第2凸部の周方向端部に回転軸が片当りすることを抑制できる。
また、本発明の一側面によれば、前記第1凸部および前記第2凸部の厚さが15μm以下である構成とすることができる。これにより、凸部が形成されていない軸受面部分における油膜圧力の低下を抑制して断面全体での油膜反力を効果的に増大させることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記第1凸部および前記第2凸部が樹脂被膜層からなる構成とすることができ、これにより、凸部を容易に形成することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記第1凸部および前記第2凸部が金属めっき層からなる構成とすることができ、これにより、耐摩耗性の高い凸部を形成することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記軸受部材の内周面には機械加工による条痕(13)が形成され、前記第1凸部および前記第2凸部が前記条痕上に形成された構成とすることができる。
この構成によれば、軸受面に対する凸部の付着力を高めることができる。また、凸部が磨耗しても、条痕の谷部には凸部の分子が残っており、条痕の平均厚さ分だけ油膜厚さを薄くできる、すなわち凸部が残っているのと同じ状態にできるため、磨耗し易い材料で凸部を形成した場合や回転軸の偏心量が大きい場合に効果を持続させることができる。
このように本発明によれば、油膜反力による支持荷重を効果的に向上できるラジアルすべり軸受を提供することができる。
第1実施形態に係る軸受を適用したエンジンの断面図 図1中のII−II線に沿うエンジンの縦断面図 図1中のロアベアリングの詳細図 図1中のアッパベアリングの詳細図 くさび作用の効果説明図 スクイズ作用の効果説明図 油膜圧力の分布図 図1に示すアッパベアリングによる油膜圧力の分布図 図1に示す凸部の状態変化を示す概念図 第2実施形態に係るアッパベアリングの詳細図 図3実施形態に係るアッパベアリングの詳細図
以下、図面を参照して、本発明に係るラジアルすべり軸受(以下、単に軸受と称する。)1を往復ピストンエンジンEのクランクシャフト2のジャーナル軸受に適用した複数の実施形態について詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図9を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1および図2に示すように、軸受1は、シリンダブロック3に一体形成されたベアリングホルダ4と、ロワブロック5に一体形成され、ボルト6によってベアリングホルダ4に締結されるベアリングキャップ7と、ベアリングホルダ4とベアリングキャップ7との接合部に水平方向に形成された貫通孔8に装着される半割りのベアリングメタル10とより構成され、水平方向に延在させた状態でクランクシャフト2をベアリングメタル10の内周面(以下、軸受面10aと称する。)により支持する。
シリンダブロック3には、クランクシャフト2と平行に延在するオイルギャラリ21がクランクシャフト2の上方に形成されており、オイルギャラリ21から分岐するオイル供給路22がベアリングホルダ4に厚さ方向の中央を通って下方へ延びるように形成されている。オイル供給路22の下流端は貫通孔8の内周面に開口しており、ベアリングホルダ4側の貫通孔8の半円筒面には、オイル供給路22に整合する軸方向中央にて周方向に延在する溝状のオイル溜め23が形成されている。
図4に併せて示すように、ベアリングホルダ4に装着される半円筒状のアッパベアリング11には、オイル溜め23に整合する軸方向中央にて外周面と内周面11aとに開口する2本の給油孔24がそれぞれ周方向に異なる位置に形成されている。また、アッパベアリング11の内周面11aには、給油孔24が形成された軸方向の中央に、周方向に延在する給油溝25が形成されている。
クランクシャフト2のジャーナル2aには、軸心を通って径方向に貫通するジャーナル内油路26が形成されており、ジャーナル内油路26の中央部からはクランクピン2bに向かう給油路27が形成されている。これにより、オイル供給路22からオイル溜め23、給油孔24を通って給油溝25に供給されたオイルが、ジャーナル内油路26および給油路27を通ってクランクピン2bを軸支するコンロッド9の軸受部に供給されるようになっている。
ロアベアリング12およびアッパベアリング11により円筒形に構成されるベアリングメタル10の軸受面10aは、ジャーナル2aの半径よりも軸受隙間c分だけ大きな半径に設定される。なお、軸受隙間cは通常、軸受半径の1/1000程度あるいはそれ以下(例えば、軸受半径が30mmの場合、30μm以下)に設定される。また、図には明示されないが、アッパおよびロアの両ベアリング11,12の周方向両端には、組付け時の締め代に相当するクラッシュリリーフが設けられる。クラッシュリリーフは、潤滑油による異物の排出や、潤滑油の効率的な排出の機能も果たす。また、アッパおよびロアの両ベアリング11,12には、適度なオイルリリーフが設定される。オイルリリーフは、半速ふれ回り(half speed whirl)の防止や、くさび油膜の積極的形成、冷却油量の確保などの機能を果たす。
図3(A)はベアリングキャップ7に装着されるロアベアリング12の正面図であり、図3(B)はロアベアリング12の下面図であり、図3(C)は、(B)中のC−C断面図である。ロアベアリング12は、半円筒状に成形された一定幅の板材からなり、その内周面12aには機械加工による条痕13(図9参照)が形成されている。条痕13は、ボーリング加工により形成してもよく、ダイヤモンド加工、プレス加工などによるマイクログルーブ仕上げなどによって形成してもよい。ロアベアリング12の内周面12aの軸方向両端縁には、片当りを防止するための面取り12bが施されている。ロアベアリング12の周方向の一端には、径方向外側へ突出する位置決め用の爪12cが一体形成されている。ロアベアリング12の内周面12aには、軸方向両端部にて周方向に延在する2本の第1凸部14が形成されている。
図4(A)はアッパベアリング11の正面図であり、図4(B)はアッパベアリング11の下面図であり、図4(C)は、(B)中のB−B断面図である。アッパベアリング11もロアベアリング12と同様に半円筒状に成形された一定幅の板材からなり、その内周面11aには機械加工による条痕13が形成されている。また、アッパベアリング11にも、内周面11aの軸方向両端縁に面取り11bが施されており、周方向の一端に位置決め用の爪11cが形成されている。
アッパベアリング11の内周面11aに開口して延在する給油溝25は、一定幅および一定深さに形成されて軸直角方向に延在するように半周にわたって形成されている。アッパベアリング11の内周面11aには、軸方向両端部にて周方向に延在する2本の第1凸部14と、給油溝25の軸方向両側の開口縁に沿って周方向に延在する2本の第2凸部15とが形成されている。各第1凸部14および各第2凸部15は、同一かつ一定の幅および厚さに形成され、互いに平行に軸直角方向に延在している。
第1凸部14および第2凸部15の幅は、1mm〜2mmが好ましい。第1凸部14および第2凸部15の厚さは、1μm〜15μmが好ましく、2μm〜5μmがより好ましい。ここでは、各第1凸部14および各第2凸部15は、幅が1mm、厚さが5μmとされている。
第1凸部14および第2凸部15は、底摩擦抵抗および高耐熱性の単一樹脂からなる樹脂被膜層として形成することができる。あるいは、単一合成樹脂に固体潤滑剤を含む複合樹脂からなる樹脂被膜層として形成してもよい。樹脂被膜層は、例えば、アッパおよびロアの両ベアリング11,12を脱脂、洗浄、余熱して、スプレー塗装またはスクリーン印刷により内周面11a,12aに樹脂被膜層となる塗料を塗布し、この塗料を高温反応硬化させることで形成される。
第1凸部14および第2凸部15の主材となる樹脂としては、ポリアミド樹脂(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。また、これらの樹脂のなかから選択される2種以上の複合樹脂を用いてもよい。なお、「複合樹脂」とは、樹脂ブレンド、ポリマーアロイ、共重合体化等を含むものである。
一方、固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン(MoS)や二硫化タングステン(WS)などの遷移金属硫化物、グラファイト、六方晶ボロンナイトライド、合成マイカ、タルクのフィラーなどの無機固体潤滑剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四弗化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)などのフッ素系樹脂からなるフィラーが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
或いは、第1凸部14および第2凸部15を金属めっき層により形成してもよい。金属めっき層の主材としては、錫、銅、銀などの軟質金属およびこれらの合金を用いることができる。金属めっき層は、例えばめっき処理あるいは蒸着により形成することができる。
このように構成された軸受1によれば、クランクシャフト2を支持する潤滑油が軸方向に移動して給油溝25に流出し難くなるため、軸受面10aにおける油膜反力すなわち支持荷重が大きくなる。
この効果について以下に具体的に説明する。まず、給油溝25が形成されていないロアベアリング12について説明すると、凸部14,15が形成されていない通常のラジアルすべり軸受301の断面では、クランクシャフト2の矢印方向への回転によるくさび作用によって図5(A)に矢印で示すような分布の圧力が発生する。なお、図中には、中心2xを有するジャーナル2aと中心310xを有する軸受面310aとを、軸受隙間c(半径差)を誇張して示している。ここで、矢印で示す油膜圧力の垂直成分を円周に沿って積分したものが支持荷重となる。このうち圧力が最も大きくなる角度位置Fでの軸受部材310の軸方向に沿う油膜圧力は図5(B)に示すような分布となる。
上記した凸部14,15の厚さの上限値は、くさび作用によって負荷容量が最大となるときの最小油膜厚さh以下とするのが好ましい。なお、上記凸部14,15の厚さの下限値は、後述する圧力流れの速度向上による圧力増大効果を得るために好ましい値であることを意味する。
一方、凸部14,15が形成されていない通常のラジアルすべり軸受301の断面では、スクイズ作用によって図6(A)に示すような分布の油膜圧力が発生する。このうち圧力が最も大きくなる角度位置Fでの軸方向に沿う油膜圧力は図6(B)に示すような分布となる。スクイズ作用による油膜圧力は、油膜厚さが小さくなるほど大きくなり、平行面すきまの場合には油膜厚さの3乗に反比例する。そのため、油膜厚さや軸受隙間cにもよるが、ここではくさび作用による圧力とスクイズ作用による圧力とを足し合わせた油膜圧力が図7(A)に示すような分布となるものとする。
ここで、図7(B)を参照して、特許文献1のように軸受部材410の内周面の軸方向両端部に凸部414を設けたラジアルすべり軸受401について検討すると、特許文献1の実施の形態に記載されているような、凸部414の厚さが20〜50μmとされて組付け時に凸部414と回転軸とがかなり強く接触している状態では、回転軸を回転させても両凸部414間ではくさび作用もスクイズ作用も働かないため、油膜圧力は図7(B)に示すように0となる。
その後、内燃機関を強制的に初期運転させたとして、なじみ運転によって凸部414が徐々に削り取られて凸部414間でくさび作用とスクイズ作用とが有効的に働くようになると、凸部414では油膜厚さが凸部414間よりも薄いことにより、凸部414での圧力勾配が大きくなり、油膜圧力は図7(C)の実線で示すような分布となって断面全体での油膜圧力(支持荷重)が大きくなる。なお、図7(B)、(C)中の破線は(A)の圧力分布を示している。
本実施形態では、上記したように第1凸部14の厚さを、くさび作用による負荷容量が最大になるときの最小油膜厚さh以下に設定しているため、初期運転時から油膜圧力を図7(C)のように高めて支持荷重を最大限に引き上げることができる。
次に、内周面11aの軸方向中央に周方向に延在する給油溝25が形成されたアッパベアリング11について説明する。給油溝25ではくさび作用およびスクイズ作用が働かないものとし、くさび作用およびスクイズ作用による圧力に比べて非常に小さな給油圧力を無視すると、凸部がないラジアルすべり軸受301による油膜圧力は図8(A)に示すような分布となる。
一方、特許文献1のような凸部414が形成されたラジアルすべり軸受401においては、なじみ運転によってくさび作用とスクイズ作用とが有効的に働くようになったときでも、潤滑油が給油溝25に流出しやすいため、油圧圧力は図8(B)に示すような分布となり、給油溝25がない場合とくらべてその効果が大幅に低下してしまう。
本実施形態では、上記したように給油溝25の両側に第2凸部15が形成されたことにより、潤滑油が給油溝25に流出し難い。そのため、油膜圧力は、図8(C)に示すようになり、第2凸部15がない場合に比べて大幅に増大する。なお、第2凸部15の厚さが、最大負荷容量となるときの最小油膜厚さh以下である5μmとされたことにより、凸部14,15が形成されていない領域での油膜圧力の低下を抑制して、断面全体での油膜反力を増大できることは、第1凸部14と同じである。
また、本実施形態では、第2凸部15が給油溝25の軸方向両側に周方向に延在するように形成されているため、給油溝25が形成された如何なる部位においても、ジャーナル2aを支持する潤滑油が給油溝25に流出し難くなるため、軸受面10aの油膜反力が大きくなる。
そして本実施形態では、図9の左上に示すように、アッパベアリング11の内周面11aに条痕13が形成され、第1および第2凸部14,15が条痕13上に形成されるため、凸部14,15の軸受面10aに対する付着力が高くなっている。また、図9の左下に示すように、凸部14,15が磨耗しても、条痕13の谷部には凸部14,15の分子が残ることで、条痕13の平均厚さ分だけ油膜厚さが薄くなる、すなわち図9の右下に示すように凸部14,15が残っているのと同じ状態になるため、磨耗し易い樹脂コーティングなどで凸部14,15を形成した場合やジャーナル2aの偏心量eが大きい場合にも効果が持続する。
また、アッパベアリング11の内周面11aに給油溝25が形成され、ロアベアリング12の内周縁が平坦(溝なし)とされたことにより、燃料の燃焼によって大きな下向きの軸荷重を受けるロアベアリング12の油膜圧力を大きくできる一方、軸荷重が比較的小さなアッパベアリング11には給油溝25を設けてジャーナル内油路26を介するクランクピン2bへの給油を可能にしつつ、負荷容量の低下も抑制できる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る軸受1について図10を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の部材や部位には同一の符号を付し、その構成および効果についての説明を省略する。以降の実施形態においても同様とする。
本実施形態の軸受1は、第1実施形態と同様にクランクシャフト2を軸支するために用いられる。図示省略するが、本実施形態では、ベアリングホルダ4にはオイル溜め23は形成されておらず、ベアリングホルダ4における貫通孔8を画定する半円筒面にオイル供給路22が直接開口する。本実施形態のアッパベアリング111は、内周面111aに上記給油溝25が形成されておらず、オイル供給路22に連通する1本の給油孔24のみが内周面111aの軸方向の中央に開口している。第1凸部14は第1実施形態と同様に軸方向両端部にて周方向に延設されている。一方、第2凸部115は、給油孔24を囲繞するようにその開口縁に沿って内周面111aに形成されている。
アッパベアリング111がこのように構成された軸受1によっても、給油孔24が形成された角度位置で油膜反力がジャーナル2aを支持するときに、潤滑油が軸方向および周方向への移動により給油孔24に流出して軸受面全体での油膜反力が小さくなることを防止できる。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る軸受1について図11を参照して説明する。本実施形態の軸受1では、アッパベアリング211の構成のみが第2実施形態と相違する。本実施形態のアッパベアリング211も、内周面211aに上記給油溝25は形成されておらず、オイル供給路22に連通する1本の給油孔24のみが内周面211aの軸方向中央に開口している。第1凸部14は第1実施形態と同様であり、第2凸部215は、給油孔24を囲繞するようにその開口縁に沿って内周面211aに形成されるとともに、半周にわたって周方向に延在するように形成されている。アッパベアリング211がこのように構成された軸受1によっても、第2実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、ジャーナル2aの荷重が大きくなる位置に給油孔24が設けられていても、第2凸部215の周方向端部にジャーナル2aが片当りすることを抑制できる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、アッパおよびロアの両ベアリング11,12に第1凸部14を形成しているが、アッパベアリング11のみに形成してもよい。また、上記実施形態では、オイル供給路22がアッパベアリング11に接続しているが、給油孔24が形成されたロアベアリング12に接続してもよい。上記実施形態では、第1凸部14および第2凸部15,215をアッパおよびロアの両ベアリング11,12、212の周方向全域に形成しているが、負荷の大きな部位のみに形成する形態としてもよい。上記実施形態では、ベアリングメタル10に凸部14、15、115、215が形成されているが、ベアリングメタル10を用いない軸受の場合には、ベアリングホルダ4やベアリングキャップ7に相当する軸受壁の軸受面に凸部14、15、115、215を形成してもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。他方、上記実施形態に示した本発明に係る軸受1の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 ラジアルすべり軸受
2 クランクシャフト
2a ジャーナル
10 ベアリングメタル(軸受部材)
13 条痕
14 第1凸部
15,115,215 第2凸部
24 給油孔
25 給油溝

Claims (8)

  1. 回転軸を軸支するラジアルすべり軸受であって、
    軸受部材の内周面における軸方向両端部に当該内周面の周方向に延在するように形成された一対の第1凸部と、
    前記一対の第1凸部の間において前記内周面に開口する給油凹部と、
    前記内周面前記給油凹部の開口縁に沿って且つ前記第1凸部から離間して形成された第2凸部と
    を有することを特徴とするラジアルすべり軸受。
  2. 前記給油凹部が、前記周方向に延在し、底面に給油孔が開口する給油溝であり、
    前記第2凸部が前記給油溝の軸方向両側の開口縁沿って前記周方向に延在するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のラジアルすべり軸受。
  3. 前記給油凹部が、前記内周面に開口する給油孔であり、
    前記第2凸部が前記給油孔を囲繞するように当該給油孔の開口縁に沿って形成されたことを特徴とする、請求項に記載のラジアルすべり軸受。
  4. 前記給油凹部が、前記内周面に開口する給油孔であり、
    前記第2凸部が、前記給油孔を囲繞するように当該給油孔の開口縁に沿って形成されるとともに前記周方向に延在するように形成されたことを特徴とする、請求項に記載のラジアルすべり軸受。
  5. 前記第1凸部および前記第2凸部の厚さが15μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のラジアルすべり軸受。
  6. 前記第1凸部および前記第2凸部が樹脂被膜層からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラジアルすべり軸受。
  7. 前記第1凸部および前記第2凸部が金属めっき層からなることを特徴とする、請求項1〜請求項5いずれか一項に記載のラジアルすべり軸受。
  8. 記内周面には機械加工による条痕が形成され、前記第1凸部および前記第2凸部が前記条痕上に形成されたことを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のラジアルすべり軸受。
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