JP2015183511A - 水栓装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取付台に取付けた後も大きな内部空間を有する水栓装置を提供する。【解決手段】本発明の水栓装置は、吐水部と、吐水部へ接続される湯水供給路が内部に挿通可能な、筒状の台座部材であって、側面に内部と外部とを連通させる開口部を有する台座部材と、台座部材の開口部に取付けられる軸受け部材と、台座部材の内部で軸受け部材にその一端が取付けられる固定軸と、固定軸の他端に取付けられる挟み込み部材と、台座部材及び軸受け部材を覆うカバー部材とを備え、軸受け部材が開口部に取り付けられた状態で、軸受け部材の少なくとも一部が、台座部材の開口部の固定軸方向の端面に当接し、挟み込み部材と協働して台座部材を取付台に固定することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、水栓装置に係り、特に、取付台に固定され、吐水部から湯水を吐水する水栓装置に関する。
従来から、水栓装置を洗面台やカウンター、壁面のような取付台に固定するため、様々な水栓用固定具が提案されている。取付台に水栓を固定するための水栓用固定具の例として、第1ねじ部材と第2ねじ部材という2つのねじ部材を用いて水栓装置を固定する水栓用固定具が特許文献1に示されている。
特開2009−215835号公報
取付台に固定される水栓装置の内部には、通水路や通湯路等、複数本の配管を通す必要がある。水栓装置の吐水量を維持しながら、このような配管の取り回しを容易にするためには、水栓装置の内部空間として、できるだけ広い空間を確保することが好ましい。従来の水栓装置用固定具は、複数本のねじ部材を用いて水栓装置を固定していたため、水栓装置の内部空間のうち、複数のねじ部材が所定割合を占めることになる。
また、水栓装置の内部に広い空間を確保する一方で、取付台に対して、水栓装置を確実に固定することが求められる。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、内部空間として広い空間を確保しながら、取付台に対して確実に固定することが可能となる、水栓装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、取付台に固定される水栓装置であって、湯水を吐水する吐水部と、前記吐水部へ接続される湯水供給路が内部に挿通可能な、筒状の台座部材であって、側面に内部と外部とを連通させる開口部を有する台座部材と、前記台座部材の前記開口部に取付けられる軸受け部材と、前記台座部材の内部で前記軸受け部材にその一端が取付けられる固定軸と、前記固定軸の他端に取付けられる挟み込み部材と、前記台座部材及び前記軸受け部材を覆うカバー部材と、を備え、前記軸受け部材が前記開口部に取り付けられた状態で、前記軸受け部材の少なくとも一部が、前記台座部材の開口部の端面のうち、前記固定軸の軸方向の端面に当接し、前記挟み込み部材が前記取付台を挟んで前記固定軸に沿って前記台座部材に向けて移動することで前記台座部材を前記取付台に固定することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、内部空間として広い空間を確保しながら、取付台に対して確実に固定することが可能となる、水栓装置を提供することができる。また、台座部材を挟み込み部材と軸受け部材とで挟み込む際に、軸受部材から台座部材にかかる力を、筒状の台座部材の開口部のうち、固定軸の軸方向の端面で受けるため、取付台への固定に伴う荷重に対する強度を確保することができる。
本発明において、好ましくは、前記軸受け部材は、前記固定軸が挿入される挿入孔が設けられた挿入部と、前記開口部に取付けられた際に前記台座部材の周壁に沿うように前記挿入部から延びる一対の延在部と、を有し、前記軸受け部材が前記開口部に取り付けられた状態で、前記一対の延在部のそれぞれ少なくとも一部が、前記台座部材の開口部の端面のうち、前記固定軸の軸方向の端面に当接していることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、水栓装置の内部空間をより大きく確保することができる。また、軸受け部材が受ける力を分散させることができ、強固に台座部材を取付台に固定することができる。
本発明において、好ましくは、前記挿入部の、前記固定軸の軸方向の厚みは、少なくとも一部が前記開口部の前記固定軸の軸方向の幅よりも小さく、前記軸受け部材が前記開口部に取付けられた状態で、前記軸受け部材と、前記開口部の端面のうち前記固定軸の軸方向の端面との間に間隙を形成し、前記延在部の、前記固定軸の軸方向の面は、前記軸受け部材が前記開口部に取付けられた状態で、前記開口部の端面のうち、前記固定軸の軸方向の端面に全面が当接することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、軸受け部材が受ける力をより分散することができる。
本発明において、好ましくは、前記軸受け部材を前記開口部に取付けた状態で、前記一対の延在部は、前記固定軸の軸周り方向で、前記開口部の端面のうち、前記固定軸の軸周り方向の端面とそれぞれ当接していることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、開口部に軸受け部材を取付けた後、軸受け部材に固定軸を取付け、さらにカバー部材でこれらを覆った後も、軸受け部材を開口部内に安定して保持することが可能となり、水栓装置の取付台へと取付けが容易となる。
本発明において、好ましくは、前記一対の延在部の、前記挿入部に対して前記最外周面に沿って遠位にある各々の遠位端について、前記軸受け部材を前記固定軸が挿入される軸方向から見て、前記一対の延在部の一方の遠位端と他方の遠位端とを結ぶ第1仮想直線を引き、この第1仮想直線の垂直二等分線を引いた場合、前記垂直二等分線が前記挿入孔を通過することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、水栓装置の固定に伴って軸受け部材に発生する力のモーメントがつりあった状態となる。これにより、第1仮想直線の二等分線を軸として回転する力が、軸受け部材にかかることを抑制できる。
本発明において、好ましくは、前記第1仮想直線に対して平行に、前記挿入孔の中心を通る第2仮想直線を引き、前記一対の延在部のうち、前記第2仮想直線に対して最も遠位にある各々の遠位点を結ぶ第3仮想直線を引き、この第3仮想直線の垂直二等分線を引いた場合、前記垂直二等分線が前記挿入孔を通過することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、水栓装置の固定に伴って軸受け部材に発生する力のモーメントがつりあった状態となる。これにより、第3仮想直線の垂直二等分線を軸として回転する力が、軸受け部材にかかることを抑制できる。
本発明において、好ましくは、前記一対の延在部の少なくとも一方は、前記台座部材の内壁面に前記固定軸の軸周り方向にて係止する係止部を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、軸受け部材に固定軸を取付ける際、軸受け部材が回転により開口部から外れることを防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、前記台座部材は樹脂製であることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、さらに、水栓装置のコストダウンを図ることができる。
本発明の水栓装置によれば、内部空間として広い空間を確保しながら、取付台に対して確実に固定することが可能となる水栓装置を提供することができる。
本発明の一実施形態による水栓装置を示す側面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置を示す側面断面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置のカバー部材、台座部材、軸受け部材、固定軸を後方斜め上方から見た分解斜視図である。 本発明の一実施形態による水栓装置の台座部材に軸受け部材及び固定軸を取付けた状態におけるカバー部材及び台座部材の垂直断面を前方斜め上方から見た垂直断面斜視図である。 図1のA−A線に沿った断面を上から見た断面上面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の上面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の正面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の底面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の底面図に更に第1仮想直線及び第1仮想直線の垂直二等分線を引いた底面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の底面図に更に第1仮想直線、第2仮想直線、第3仮想直線および第3仮想直線の垂直二等分線を引いた底面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による水栓装置について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による水栓装置を側面から見た概略側面図であり、止水状態にある水栓装置を示している。
図1に示すように、本発明の一実施形態による水栓装置1は、給湯源(図示せず)から給湯管5b(図5参照)を通して供給される湯と給水源(図示せず)から給水管5aを通して供給される水を混合し、1つの操作ハンドル2を操作することにより湯水の流量と温度を調整した湯水を可撓性ホース9を通してスパウト4に供給し、スパウト4の吐水口4aから吐止水することができる、いわゆる、シングルレバー式の湯水混合水栓装置である。
すなわち、水栓装置1は、洗面台のカウンター又は台所のシンク等の取付台6上に配置され、操作ハンドル2を上方に回動操作した場合には、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水を吐水状態に設定することができるようになっており、操作ハンドル2をより上方に回動させた位置に設定する程、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水の流量を大きく設定することができるようになっている。一方、操作ハンドル2を下方に回動操作した場合には、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水を止水状態に設定することができるようになっている。図1に示された状態は、操作ハンドル2が回動範囲の下端に位置しており、止水状態を表している。
また、操作ハンドル2を図1の手前方向に回動操作した場合には、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水の温度を低温側に設定することができるようになっている。一方、操作ハンドル2を図1の奥方向に回動操作した場合には、スパウト4の吐水口4aから吐出される湯水の温度を高温側に設定することができるようになっている。
また、スパウト4は、その基端部に形成されて水栓装置1の内部構造(詳細は後述する台座部材8及び軸受け部材10等)の外周を取り囲むカバー部7を備えている。このスパウト4は、その内部で可撓性ホース9に接続されると共に水栓装置1と着脱可能に構成されており、スパウト4をハンドシャワーとして水栓装置1から使用者の手元に引き出して使用することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による水栓装置の取付台に対する取付構造を中心に説明する。なお、水栓装置1の操作ハンドル2の操作による湯水混合制御及び吐水量制御は従来の構成を使用することにより実現可能である。
図2は本発明の一実施形態による水栓装置を示す側面断面図である。
図1及び図2に示すように、水栓装置1は、カウンター6を上下方向に貫く取付穴6aの上縁に取り付けられる台座部材8と、台座部材8の側面に設けられた開口部11に取付けられた軸受け部材10と、馬蹄形状の固定金具である挟み込み部材14と、この挟み込み部材14及び軸受け部材とに取付けられる固定軸16と、を備えている。台座部材8は樹脂製の筒状の部材であり、その内部に、給水管5aや、給湯管(図示せず)、湯水混合後の湯水をスパウト4に送るために一旦下方へ延び、その後再び上方へと延びてスパウト4に接続される可撓性ホース9が配置される。(図1及び図2には可撓性ホース9のうち、上方へと延びる部分が示されている。)可撓性ホース9をこのように配置することにより、スパウト4をハンドシャワーとして水栓装置1から引き出す際の余長さを確保している。カバー部材7は台座部材8の外周を取り囲むように構成されており、後述するように、軸受け部材10が台座部材8に取付けられた後にこれらを覆うようになっている。また、このカバー部材7は、一部が斜め上方に分岐してスパウト4をハンドシャワーとして着脱自在に接続する接続部を形成している。カバー部材7は表面加工が施された金属製で、水栓装置1の外観として使用者に認識される部分である。
図1及び図2に示すように、水栓装置1の台座部材8は、カウンター6の取付穴6aの表側(上側)に取り付けられ、常時カウンター6の上面よりも上側に位置し、カウンター6の取付穴6aの上方を覆っている。また、後述するように、台座部材8に開口部11に軸受け部材10を取付けた後、固定軸16の一端が軸受け部材10に取付けられる。固定軸16は取付穴6aを通ってカウンター6の裏側(下側)へと延び、固定軸の下端に、カウンター6を挟むようにして挟み込み部材14が取付けられる。そして、カウンター6を挟み込んだ状態で、挟み込み部材14を固定軸16に沿って台座部材8に向けて移動させることで、台座部材8がカウンター6上に固定されるようになっている。
図3は本発明の一実施形態による水栓装置の特にカバー部材7、台座部材8の開口部11、軸受け部材10、固定軸16を後方斜め上方から見た分解斜視図である。図4は台座部材8に軸受け部材10と固定軸16を取付けた状態における、カバー部材7及び台座部材8の垂直断面を前方(スパウト側)斜め上方から見た、垂直断面斜視図である。
図3に示すように、台座部材8の側面には、台座部材8の内側と外側とを連通させる開口部11が設けられている。この開口部11には後述する略円弧状の軸受け部材10を取付けることが可能である。軸受け部材10は図6等を参照して後述する挿入部101と一対の延在部102a、102bを備えており、挿入部101には固定軸16を挿入するための挿入孔103が設けられている。軸受け部材10の外形寸法と開口部11の寸法はほぼ等しく、軸受け部材10が開口部11に嵌合するように、取付けられる。このように取付けられた状態で、軸受け部材10の少なくとも一部が開口部11の端面のうち、少なくとも固定軸16の軸方向の下側端面(下端面)11a又は軸方向の上側端面(図3では視認できない)に当接するようになっている。そして、軸受け部材10の延在部102a、102bが、開口部11の端面のうち、固定軸16の軸周り方向の端面、すなわち開口部11の右端面、左端面11bに当接するようになっている。
また、軸受け部材10を開口部11に取付けた際、台座部材8の外側に現れる軸受け部材10の最外周面は、台座部材8の外壁面と面一となるか、外壁面よりも内側になるように構成されている。このように構成することで、台座部材8に軸受け部材10を取付けた後、カバー部材7を被せる際に、軸受け部材10がカバー部材7と干渉することを防ぐことが可能となる。
図4に示すように、台座部材8に軸受け部材10を取り付け、軸受け部材10に固定軸16の一端を取付けた状態でも、軸受け部材10及び固定軸16が台座部材8の内部空間に与える影響は少なく、台座部材8の内部空間を大きい状態で維持することが可能となる。また、図4の台座部材8の上部には水栓装置の湯水混合制御のために延ばされる給湯管や給水管、可撓性ホースをガイドするためのガイド部材18が設けられている。軸受け部材10及び固定軸16を使用して台座部材8を取付台6に取付けた際も、台座部材8の内部には、ガイド部材18にガイドされる給湯管、給水管、可撓性ホースを引き回すために充分な空間が確保されている。
図5は図1に示されたA−A線に沿った断面を上方から見た図である。軸受け部材10は台座部材8の内周面に沿うようにして、台座部材8の一方の壁面近くに取付けられている。軸受け部材10に設けられた挿入孔103は台座部材8の中心軸から偏心した位置にある。給湯管5bと可撓性ホース9のうち水栓装置の上部で混合された混合湯水を水栓装置の下方に一旦導く部分が、後述する軸受け部材10の上方から見て略M字形をなす内周面の凹部付近に配置されている。残りの空間には、給水管5aと、可撓性ホース9のうち混合湯水をスパウト4に導く部分が配置されている。図5に示されるように、台座部材8の内部空間に給水管5a、給湯管5b、可撓性ホース9が引き回され、軸受け部材10がこれらの配管等の引き回しに大きな影響を与えないことが分かる。
図6〜図9を参照して、本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の詳細について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による水栓装置1に使用される軸受け部材10の概要を示す斜視図である。図7、図8、図9はそれぞれ軸受け部材10の上面図、正面図、底面図である。
軸受け部材10は金属製の部材であり、その中央付近には固定軸16が挿入される挿入孔103が設けられた挿入部101がある。挿入部101からは一対の延在部102a、102bが円弧状に延びている。軸受け部材10の最外周面105は、軸受け部材10が台座部材8に取付けられた際に、台座部材8の管状部の外側に露出される面である。最外周面105は、開口部11の端面のうち、固定軸16の軸方向の端面がなす円弧に対応するよう、開口部11の軸方向の端面と同じ曲率を有する円弧をなしている。軸受け部材10が台座部材8の開口部11に取り付けられた際に、軸受け部材10の最外周面105が台座部材8の外壁面と一致して面一となるか、台座部材8の外壁面よりも内側となるよう、寸法が取られている。このようにすることで、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた後、台座部材8及び軸受け部材10を覆うようにカバー部材7を被せる際、カバー部材7が軸受け部材10と干渉しないようになる。
また、軸受け部材10の内周面106は、軸受け部材10が台座部材8に取付けられた際に、台座部材8の管状部の内側を向く面である。内周面106は上方から見て略M字形状の曲面であり、軸受け部材10が台座部材8の開口部11に取付けられた際に、台座部材8の内部空間を大きく占めることが無いように曲面付けられている。
このような形状を有する軸受け部材10は、後述する延在部102a、102bの厚さが台座部材8の開口部11の高さとほぼ同じとなるように寸法が取られており、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた際に、開口部11に軸受け部材10が嵌合して、軸受け部材10の固定軸16の軸方向の移動、軸受け部材10の固定軸16の軸周りの移動を規制するようになっている。これにより、軸受け部材10及び固定軸16を介して、台座部材8と挟み込み部材14とで取付台6を挟み込み、水栓装置1を取付台6に安定して固定することができる。
また、軸受け部材10の延在部102bの下端には、係止部104が設けられている。この係止部104は、延在部102bの下端から下方に突き出た突起形状を有しており、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けると、ちょうど台座部材8の開口部11の下側の管状部の内壁面に当接するようになっている。この係止部104により、軸受け部材10が台座部材8の開口部11に取付けられ、固定軸106の軸周り方向にひねるような力を受けた場合も、係止部104が台座部材8の内壁面に、固定軸106の軸周り方向にて係止し、軸受け部材10が固定軸106の軸周り方向に回転することを防ぐことができる。これは特に、台座部材8の開口部11に取付けられた軸受け部材10に、固定軸16の一端をねじ込んで取り付けようとする場合に、軸受け部材が固定軸106の軸周り方向にがたつくことを抑制できるため、好適である。
図7は軸受け部材10の上面図である。軸受け部材10の上面は面一に加工されており、最外周面105や内周面106との縁の部分は面取りがされている。軸受け部材10の上面は、図7において挿入孔103を通る垂線に関して左右がほぼ対称となっている。延在部102bの一部、その下方に係止部104が設けられている部分が若干内側に張り出している他は、左右ほぼ同じ形状である。
図8は軸受け部材10を内周面106側から見た正面図である。軸受け部材10のうち、挿入部101付近の厚みが延在部102a、102bの厚みよりも小さくなっている。換言すると、軸受け部材10のうち、挿入部101付近の厚みが、台座部材8の開口部11の高さ、すなわち開口部11の固定軸16の軸方向に関する幅よりも小さくなっている。一方、延在部102a、102bの厚みは、台座部材8の開口部11の高さとほぼ同じとなっている。この結果、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けると、軸受け部材10の挿入部101付近の底面と台座部材8の開口部11の下端面11a(固定軸16の軸方向の端面)との間に隙間が形成される一方、軸受け部材10の延在部102a、102bの底面は台座部材8の開口部11の下端面11aに全面が当接するようになる。なお、本実施形態では、軸受け部材10のうち、挿入部101付近の厚みを延在部102a、102b付近の厚みよりも小さくしているが、全体を同じ厚みとして、挿入部101と延在部102a、102bの底面を面一にすることも可能である。
また、係止部104の下端は軸受け部材10の延在部102a、102bの底面から更に下方へと延びている。図9において、係止部104の右側側面が、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた際に、台座部材8の内壁面と当接し、係止するようになる。これにより、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた後、軸受け部材10の固定軸16を中心とした軸周りの回転を防ぐことが可能となる。軸受け部材10が固定軸16を中心とした軸周りに回転すると、軸受け部材10に対する固定軸16の取付けが不安定になるだけでなく、軸受け部材10及び台座部材8にカバー部材7を被せた後に軸受け部材10が回転してカバー部材7の内壁面に当接してしまう。カバー部材7は表面加工が施された金属であるため、内壁面への当接による変形が目立つという問題が生じ得る。従って、軸受け部材10が係止部104を備えることで、軸受け部材10の固定軸16を中心とした軸周りの回転を防ぐことが好ましい。
図9は軸受け部材10の底面図である。図8を参照して上述したように、軸受け部材10の挿入部101付近の底面と延在部102a、102bとの間には段差がある。この延在部102a、102bの底面が台座部材8の開口部11の下端面11aと当接する。これら略円弧状の延在部102a、102bの底面の径方向の幅は、台座部材8の開口部11の下端面11aの幅、即ち管状の台座部材8の肉厚とほぼ等しくするのが好ましい。このようにすることで、台座部材を取付台6に取付ける際、固定軸16及び軸受け部材10にかかる力を、台座部材8の開口部11の下端面11aが受けるようになる。つまり、台座部材8の肉厚によって、台座部材8の軸方向にかかる力を受けることになるため、荷重への耐性の観点から特に有利である。なお、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた場合、係止部104の底面は台座部材8と当接しない。
図10及び図11を参照して、本発明の一実施形態による水栓装置に使用される軸受け部材の延在部102a、102bの底面の形状や面積の詳細について更に説明する。
図10及び図11は図9と同様に軸受け部材10の底面図である。図10には、軸受け部材10の延在部102aと延在部102bの、挿入部101から最外周面105に沿って遠位にある遠位端同士を結ぶ第1仮想直線201が引かれている。更に、図10には、この第1仮想直線201の垂直二等分線202が引かれている。図10に示されているように、この第1仮想直線201の垂直二等分線202は、挿入孔103を通過している。この条件を満たすように軸受け部材10の挿入部101、挿入孔103、延在部102a、102bの関係を定めると、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた際に、延在部102aと延在部102b、すなわち軸受け部材10の左右にかかるモーメントがつり合うようになる。これにより、固定軸16及び軸受け部材10にかかる力を、台座部材8の開口部11の下端面11aが受けるとき、バランス良く、安定して支えることが可能となる。仮に、これらの条件を満たさない場合には、力のモーメントのつりあいがとれず、第1仮想直線201の垂直二等分線202を軸として回転する力が発生することになる。これにより、固定軸16及び軸受け部材10、そして台座部材8に対して、局所的に応力が掛かってしまい、破損や変形などを引き起こす恐れがある。
図11には、図10と同じ条件で引かれた第1仮想直線201と、この第1仮想直線201に平行で、かつ挿入孔103の中心を通るように引いた第2仮想直線203が示されている。また、延在部102aと延在部102bのうち、それぞれこの第2仮想直線203から最も遠位にある遠位点同士を結ぶ第3仮想直線204が引かれている。更に、図11には、この第3仮想直線204の垂直二等分線205が引かれている。図11に示されているように、この第3仮想直線204の垂直二等分線205は、挿入孔103を通過している。この条件を満たすように軸受け部材10の挿入部101、挿入孔103、延在部102a、102bの関係を定めると、軸受け部材10を台座部材8の開口部11に取付けた際に、延在部102aと延在部102b、すなわち軸受け部材10の左右にかかるモーメントがつり合うようになる。これにより、固定軸16及び軸受け部材10にかかる力を、台座部材8の開口部11の下端面11aが受けるとき、バランス良く、安定して支えることが可能となる。仮に、これらの条件を満たさない場合には、力のモーメントのつりあいがとれず、第3仮想直線204の垂直二等分線205を軸として回転する力が発生することになる。これにより、固定軸16及び軸受け部材10、そして台座部材8に対して、局所的に応力が掛かってしまい、破損や変形などを引き起こす恐れがある。
台座部材8に取付けられた軸受け部材10の挿入孔103に固定軸16を取付け、台座部材8を取付台6に取付ける際に、固定軸16の軸方向下向きの荷重が軸受け部材10にかかる。このとき、図5を参照して上述したように、軸受け部材10の挿入孔103は、台座部材8の中心軸から偏心した位置にあるため、軸受け部材10を水平方向から見た場合、軸受け部材10に対して、台座部材8の中心軸の軸方向下向きにモーメントが生じ得る。このような状況で、図11を参照して上述した条件を満たすことにより、軸受け部材10の挿入孔103が台座部材8の中心軸から偏心していることの影響を最小限に抑え、軸受け部材10を台座部材8の開口部11の下端面11aで安定して支えることを可能としている。
以上、図面を参照して本発明の一実施形態による水栓装置1について説明したが、本発明は本実施形態に限られるものではない。例えば、軸受け部材10の延在部102a、102bの長さは、軸受け部材10が台座部材8の開口部11に取付けられた際に軸受け部材の挿入孔103が台座部材8の中心軸からどれだけ偏心しているかによって、適宜調整することができる。この調整は、上述した第一仮想直線や第二仮想直線に基づいて行うことが好ましい。
また、例えば、本実施形態による係止部14は、軸受け部材10に設けられ、台座部材8の内壁面と当接し、係止するようになっていたが、軸受け部材10の固定軸16を中心とした軸周りの回転を防ぐため、この他の手段を係止部14の代わりに使用することも可能である。例えば、台座部材8の開口部11の下端面11aのうち、台座部材8の外壁面に近い側を若干上方へと延出させて、軸受け部材10の最外周面105の下方領域と当接させるようにしても良い。また、台座部材8の開口部11の下端面11aの一部を上方へと延出させて凸部を設ける一方、軸受け部材10の底面のうち、軸受け部材10を開口部11に取付けた際にこの凸部と対応する位置に凹部を設けて、軸受け部材10を開口部11に取付けた際に開口部11側の凸部と軸受け部材10側の凹部とを嵌合させるようにしてもよい。また、台座部材8の開口部11の下端面11aを、外壁面側から内壁面側に向けて下るように傾斜させて傾斜面とし、一方で軸受け部材10の底面部にこの傾斜に対応するように傾斜させて同様の傾斜面として、これら対応する傾斜面同士を当接させることによって、軸受け部材10の固定軸16を中心とした軸周りの回転を防ぐようにしても構わない。
また、本発明の一実施形態による水栓装置1について説明する際、取付台6としてカウンターなどを例に説明したが、壁面等の垂直面に対しても同様に水栓装置1を取付けることが可能である。
上述した本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、内部空間として広い空間を確保しながら、取付台6に対して確実に固定することができる。
また、本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、水栓装置1を取付台6に取付ける際にかかる荷重を台座部材8の開口部11の肉厚により台座部材8の軸方向で受け、圧縮荷重として受けるようにしているため、台座部材8の材質として、金属より比較的強度に劣るとされている樹脂を用いることが可能となる。このような樹脂製の台座部材8はコスト面でも有利であり、水栓装置1の製造にあたって特に好ましい。また、通常、台座部材が樹脂製である場合は、台座部材にナットを圧入する、あるいは、台座部材にナットをインサート成型し、固定軸を取付けることが考えられるが、その場合、金型構成上の設計自由度が狭まり、さらに台座部材が大型化する。それに対して、本発明の一実施形態による水栓装置1によれば、台座部材を樹脂製としても、設計自由度を狭めず、大型化することがない。
上述した本発明の一実施形態による水栓装置1においては、台座部材8は樹脂製であるが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、台座部材を金属製としてもよい。
1 水栓装置
2 操作ハンドル
4 スパウト
5a 給水管
5b 給湯管
6 カウンター(取付台)
6a 取付穴
7 カバー部材
8 台座部材
9 可撓性ホース
10 軸受け部材
11 開口部
11a 下端部
14 挟み込み部材
16 固定軸
18 ガイド部材
101 挿入部
102a 延在部
102b 延在部
103 挿入孔
104 係止部
105 最外周面
106 内周面
201 第1仮想直線
202 第1仮想直線の垂直二等分線
203 第2仮想直線
204 第3仮想直線
205 第3仮想直線の垂直二等分線

Claims (8)

  1. 取付台に固定される水栓装置であって、
    湯水を吐水する吐水部と、
    前記吐水部へ接続される湯水供給路が内部に挿通可能な、筒状の台座部材であって、側面に内部と外部とを連通させる開口部を有する台座部材と、
    前記台座部材の前記開口部に取付けられる軸受け部材と、
    前記台座部材の内部で前記軸受け部材にその一端が取付けられる固定軸と、
    前記固定軸の他端に取付けられる挟み込み部材と、
    前記台座部材及び前記軸受け部材を覆うカバー部材と、を備え、
    前記軸受け部材が前記開口部に取り付けられた状態で、前記軸受け部材の少なくとも一部が、前記台座部材の開口部の端面のうち、前記固定軸の軸方向の端面に当接し、
    前記挟み込み部材が前記取付台を挟んで前記固定軸に沿って前記台座部材に向けて移動することで前記台座部材を前記取付台に固定する、水栓装置。
  2. 前記軸受け部材は、前記固定軸が挿入される挿入孔が設けられた挿入部と、前記開口部に取付けられた際に前記台座部材の周壁に沿うように前記挿入部から延びる一対の延在部と、を有し、
    前記軸受け部材が前記開口部に取り付けられた状態で、前記一対の延在部のそれぞれ少なくとも一部が、前記台座部材の開口部の端面のうち、前記固定軸の軸方向の端面に当接している、請求項1に記載の水栓装置。
  3. 前記挿入部の、前記固定軸の軸方向の厚みは、少なくとも一部が前記開口部の前記固定軸の軸方向の幅よりも小さく、前記軸受け部材が前記開口部に取付けられた状態で、前記軸受け部材と、前記開口部の端面のうち前記固定軸の軸方向の端面との間に間隙を形成し、
    前記延在部の、前記固定軸の軸方向の面は、前記軸受け部材が前記開口部に取付けられた状態で、前記開口部の端面のうち、前記固定軸の軸方向の端面に全面が当接する、請求項2に記載の水栓装置。
  4. 前記軸受け部材を前記開口部に取付けた状態で、
    前記一対の延在部は、前記固定軸の軸周り方向で、前記開口部の端面のうち、前記固定軸の軸周り方向の端面とそれぞれ当接している
    請求項2又は3に記載の水栓装置。
  5. 前記一対の延在部の、前記挿入部に対して前記最外周面に沿って遠位にある各々の遠位端について、前記軸受け部材を前記固定軸が挿入される軸方向から見て、前記一対の延在部の一方の遠位端と他方の遠位端とを結ぶ第1仮想直線を引き、この第1仮想直線の垂直二等分線を引いた場合、前記垂直二等分線が前記挿入孔を通過する、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の水栓装置。
  6. 前記第1仮想直線に対して平行に、前記挿入孔の中心を通る第2仮想直線を引き、前記一対の延在部のうち、前記第2仮想直線に対して最も遠位にある各々の遠位点を結ぶ第3仮想直線を引き、この第3仮想直線の垂直二等分線を引いた場合、前記垂直二等分線が前記挿入孔を通過する請求項5記載の水栓装置。
  7. 前記一対の延在部の少なくとも一方は、前記台座部材の内壁面に前記固定軸の軸周り方向にて係止する係止部を有する、請求項2乃至6のいずれか1項に記載の水栓装置。
  8. 前記台座部材は樹脂製である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水栓装置。
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