JP2015182176A - 工具洗浄装置及び工作機械 - Google Patents

工具洗浄装置及び工作機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2015182176A
JP2015182176A JP2014060744A JP2014060744A JP2015182176A JP 2015182176 A JP2015182176 A JP 2015182176A JP 2014060744 A JP2014060744 A JP 2014060744A JP 2014060744 A JP2014060744 A JP 2014060744A JP 2015182176 A JP2015182176 A JP 2015182176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning liquid
tool
amount
time
supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014060744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6311386B2 (ja
Inventor
田中 博之
Hiroyuki Tanaka
博之 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2014060744A priority Critical patent/JP6311386B2/ja
Publication of JP2015182176A publication Critical patent/JP2015182176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6311386B2 publication Critical patent/JP6311386B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/10Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working

Landscapes

  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)

Abstract

【課題】洗浄液を噴射する直前に貯留容器に貯留されている洗浄液の量が不足していることを抑制しつつ、フィルタの負担を軽減することができる工具洗浄装置及び工作機械を提供する。
【解決手段】制御部9は、工具へ洗浄液を噴射する洗浄ノズル30からの洗浄液の噴射終了後、貯留容器50に貯留されている洗浄液の量を検出する液面センサ36の検出結果に応じて、貯留容器50に貯留されている洗浄液の量が所定の下限量以下であるか否かを判定し、貯留容器50に貯留されている洗浄液の量が所定の下限量以下になるまでは、第1ポンプ13による洗浄液の供給を供給時間実行し、貯留容器50に貯留されている洗浄液の量が所定の下限量以下になった後で、第1ポンプ13による洗浄液の供給を、供給時間より長い延長時間実行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、工具を洗浄する工具洗浄装置及び工作機械に関する。
工作機械は、工具を用いてワークに対する切削加工を行なう。工具洗浄装置は工作機械に付属しており、工作機械における工具交換の際、工具に付着している切削屑を洗い流す(特許文献1参照)。
工具洗浄装置は、貯留容器、ノズル、貯留槽、フィルタ、液面センサ、及びポンプを備えている。
貯留容器に貯留されている洗浄液は、ノズルから噴射される。ノズルから噴射された洗浄液は、工具に付着している切削屑を洗い流す。工具洗浄後の洗浄液は、回収されて貯留槽に貯留される。故に、貯留槽に貯留されている洗浄液には、切削屑が混入している。貯留槽に貯留されている洗浄液は、フィルタによって濾過されてから貯留容器に貯留される。
液面センサは、貯留容器における液面の高さが所定下限以下であるか否かを検出する。貯留容器における液面の高さが所定下限以下である場合、貯留容器に貯留されている洗浄液の量(以下、貯留容器の貯留量という)は、洗浄液の1回の噴射量以下である。換言すれば、貯留容器の貯留量は不足している。
洗浄液を噴射する直前に貯留容器の貯留量が不足している(以下、貯留不足という)と、工具を洗浄することができない。
故に、洗浄液の噴射が終了する都度、貯留容器に洗浄液が補給される。このために、ポンプによって圧送された洗浄液が、所定の補給時間、貯留槽から貯留容器へ供給され続ける。補給時間としては、洗浄液の1回の補給量が、洗浄液の1回の噴射量以上であるよう、予め一定時間が設定されている。
工具洗浄装置は、粘性が高い洗浄液を使用する場合と粘性が低い洗浄液を使用する場合がある。
高粘度の洗浄液を使用する場合、洗浄液を補給時間供給し続けることによる洗浄液の1回の補給量は、低粘度の洗浄液を使用する場合よりも少ない。何故ならば、高粘度の洗浄液の場合、濾過の際の圧力損失が低粘度の洗浄液の場合よりも大きいからである。
故に、低粘度の洗浄液を基準にして補給時間を設定すると、洗浄液の補給量は、低粘度の洗浄液を使用している場合には十分であっても、高粘度の洗浄液を使用している場合には不十分である。従って、洗浄液の複数回の噴射後には、洗浄液を補給しても貯留不足が起こるので、工具の洗浄ができない。
従来、高粘度の洗浄液を基準にして補給時間が設定される。
高粘度の洗浄液を基準にした補給時間は、低粘度の洗浄液を基準にした補給時間よりも長い。従って、洗浄液の補給量は、高粘度の洗浄液を使用している場合には十分である。低粘度の洗浄液を使用している場合、洗浄液の補給量は過剰である。貯留容器の貯留上限を超過した分(いわゆるオーバーフロー分)の洗浄液は、貯留槽に戻る。
フィルタが目詰まりを起こすと、濾過の際の圧力損失が大きくなる。故に、目詰まりの程度が甚だしくなるにつれて、洗浄液の補給量が減少する。この場合も、貯留不足が起きて工具の洗浄ができない虞がある。
従って、フィルタが目詰まりを起こすことも考慮して補給時間を長めに設定すれば、貯留不足の発生は更に抑制できる。
換言すれば、補給時間を長めに設定してもなお貯留不足が起きる場合は、フィルタが使用に堪えないほど目詰まりを起こしていると考えられる。従って、貯留不足の発生を機に、作業者はフィルタは新しいものに交換する。
特開2011−83874号公報
以上のような事情から補給時間が長めに設定してあると、フィルタが目詰まりを起こしていない場合、低粘度の洗浄液を使用しているときには特に、多量の洗浄液がオーバーフローして、貯留槽へ戻る。
貯留容器に戻った洗浄液は、フィルタによって濾過したものである。貯留槽に貯留している洗浄液は、切削屑が混入している。故に、オーバーフロー分の洗浄液を貯留槽へ戻すことによって、一旦濾過した洗浄液に再び切削屑が混入する、という不都合が生じる。
再び切削屑が混入した洗浄液は再びフィルタで濾過する必要がある。故に、洗浄液のオーバーフロー量が多いほど、フィルタの負担が無用に増大する。フィルタの負担が増大すると、フィルタの寿命が短くなる。
前述した問題を解消する為に、洗浄液の粘度とフィルタの目詰まりの度合いを夫々検出し、検出結果に応じて補給時間を変更することが考えられる。
しかしながら、洗浄液の粘度とフィルタの目詰まりの度合いとを夫々検出するために新たなハードウェアを追加することは、工具洗浄装置のハードウェア構成を複雑にしてしまうので、あまり望ましいものではない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、貯留不足を抑制しつつ、フィルタの負担を軽減することができる簡易なハードウェア構成の工具洗浄装置及び工作機械を提供することにある。
本発明に係る工具洗浄装置は、工具へ洗浄液を噴射するノズルと、該ノズルへ供給すべき洗浄液を貯留する貯留容器と、該貯留容器へ洗浄液を供給する供給部と、該供給部の動作を制御する制御部と、前記貯留容器に貯留されている洗浄液の量を検出する検出部とを備える工具洗浄装置において、前記制御部は、前記ノズルからの洗浄液の噴射終了後、前記検出部の検出結果に応じて、前記貯留容器に貯留されている洗浄液の量が所定の下限量以下であるか否かを判定する下限判定手段と、該下限判定手段による判定の終了後、前記供給部による洗浄液の供給を所定の供給時間、実行させる第1供給制御手段と、前記下限判定手段による判定の終了後、前記供給部による洗浄液の供給を前記供給時間よりも長い延長時間、実行させる第2供給制御手段とを有し、前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定するまでは、前記第1供給制御手段による洗浄液の供給を実行し、前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定した後で、前記第2供給制御手段による洗浄液の供給を実行するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る工具洗浄装置は、前記制御部は、前記下限判定手段によって前記下限量以下であると判定された回数の増加に応じて、前記延長時間を延長する時間延長手段を更に有することを特徴とする。
本発明に係る工具洗浄装置は、前記制御部は、前記下限判定手段による判定の終了後、前記供給部による洗浄液の供給を前記延長時間よりも長い追加時間、実行させる第3供給制御手段と、所定条件が成立しているか否かを判定する成否判定手段とを更に有し、前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定した場合は、前記成否判定手段が、前記所定条件が成立していると判定したときに、前記第3供給制御手段による洗浄液の供給を実行し、前記所定条件が否と判定したときに、前記第2供給制御手段による洗浄液の供給を実行するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る工具洗浄装置は、前記ノズルからの洗浄液の噴射履歴を記憶する記憶部を更に備え、前記制御部は、前記ノズルからの洗浄液の噴射毎に、前記記憶部に前記噴射履歴を記憶させる履歴記憶手段と、前記記憶部に記憶された噴射履歴に基づき、前記ノズルからの洗浄液の噴射頻度の高低を演算する演算手段とを更に有し、前記成否判定手段は、前記演算手段の演算結果に基づいて、前記所定条件が成立しているか否かを判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る工具洗浄装置は、前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定した場合に、所定の表示を行なう表示部を備えることを特徴とする。
本発明に係る工作機械は、着脱可能に工具が装着され、装着されている工具を用いて、ワークに対する加工を行なう加工部と、該加工部に装着される工具を洗浄する本発明に係る工具洗浄装置とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、ノズルからの洗浄液の噴射によって、貯留容器の貯留量が減少するので、ノズルからの洗浄液の噴射終了後、供給部を用いて貯留容器に洗浄液を供給する。
ただし、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下であることがまだ1回もない場合には、供給部による洗浄液の供給は所定の供給時間実行される。
供給時間は、洗浄液を供給時間供給することによる洗浄液の1回の供給量が、洗浄液の1回の噴射量以上になるよう設定してあればよい。この場合、通常は、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下であることはない。
しかしながら、フィルタが目詰まりを起こしている場合、又は、想定よりも高粘度の洗浄液が用いられている場合等には、洗浄液を供給時間供給することによる洗浄液の1回の供給量は、洗浄液の1回の噴射量未満になり得る。この場合、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下であることがある。このようなときに、再び供給時間、洗浄液を供給したとしても、貯留不足が起きる虞がある。
そこで、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下であることが起きた後には、供給部による洗浄液の供給が、供給時間よりも長い延長時間(いわば、供給時間が延長されたもの)実行される。
以上の結果、少なくとも供給時間は、従来(前述の、高粘度の洗浄液を基準にして設定された補給時間)より短く設定しても特段の問題はない。故に、洗浄液のオーバーフローの発生が抑制される。
本発明にあっては、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下であった回数の増加に応じて、延長時間が延長される。
従って、延長時間の初期値は、従来(前述の補給時間)より短く設定しても特段の問題はない。故に、洗浄液のオーバーフローの発生が抑制される。この結果、貯留不足を抑制しつつ、フィルタの負担を軽減することができる。
本発明にあっては、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下である場合には、所定条件が成立していないときに、供給部による洗浄液の供給が、供給時間よりも長い延長時間実行される。一方、所定条件が成立しているときには、供給部による洗浄液の供給が、延長時間よりも長い追加時間(いわば、補給のための時間が延長時間に追加されたもの)実行される。
所定条件が成立している場合とは、貯留不足が起こり易い場合である。この場合には、最も長い追加時間、洗浄液を供給することによって、貯留容器に十分な量の洗浄液を貯留させることができる。
本発明にあっては、ノズルからの洗浄液の噴射頻度の高低が演算される。
ノズルからの洗浄液の噴射頻度が高い(又は低い)場合とは、工具が頻繁に(又は時々)交換されている場合である。この場合には、貯留不足が起こり易い(又は起こり難い)。
換言すれば、ノズルからの洗浄液の噴射頻度の高低に基づいて、貯留不足が起こり易い状況か否かを判定することができる。
ノズルからの洗浄液の噴射頻度の高低は、ノズルからの洗浄液の噴射履歴に基づいて、容易に求めることができる。
本発明にあっては、貯留容器の貯留量が所定の下限量以下である場合に、所定の表示が行なわれる。
所定の表示とは、例えばフィルタの目詰まりに関する報知である。何故ならば、洗浄液の噴射終了後に貯留容器の貯留量が所定の下限量以下である場合には、フィルタが目詰まりしている可能性があるからである。
本発明の工具洗浄装置及び工作機械による場合、通常は洗浄液を供給時間供給することによって、貯留不足を抑制することができる。また、供給時間の洗浄液の供給では1回の供給量が不足しているときには、洗浄液を供給時間より長く供給することによって、1回の供給量を増加させることができるので、貯留不足を抑制することができる。
故に、供給時間は従来よりも短く設定することができる。この結果、洗浄液のオーバーフローの発生を抑制することができる。従って、オーバーフローの発生に起因するフィルタの負担を軽減することができる。
以上のような工具洗浄装置及び工作機械は、洗浄液の粘度又はフィルタの目詰まりの度合いを検出するための新たなハードウェアを必要としないので、従来の工具洗浄装置及び工作機械と同じく、簡易なハードウェア構成である。
本発明の実施の形態に係る工具洗浄装置を備える工作機械の斜視図である。 工作機械を略示する側面図である。 工作機械が備える主軸及び主軸ヘッド付近の構成を略示する正面図である。 主軸及び主軸ヘッド付近の構成を略示する側面図である。 主軸及び主軸ヘッド付近の構成を下方から見た図である。 主軸及び主軸ヘッド付近の構成の要部断面図である。 工具洗浄装置の液圧回路図である。 工作機械の制御系の構成を示すブロック図である。 工具洗浄装置の貯留容器の貯留量の経時変化(フィルタ新品)を示す特性図である。 工具洗浄装置の貯留容器の貯留量の経時変化(フィルタ目詰まり)を示す特性図である。 工具洗浄装置の貯留容器の貯留量の経時変化(工具交換頻繁)を示す特性図である。 従来の工具洗浄装置の貯留容器の貯留量の経時変化を略示する特性図である。 工作機械で実行される工具交換処理の手順を示すフローチャートである。 工作機械で実行される工具洗浄処理の手順を示すフローチャートである。 工作機械で実行される工具洗浄処理の手順を示すフローチャートである。 工作機械で実行される制限時間設定処理手順の詳細を示すフローチャートである。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
工作機械1のハードウェア構成は、従来の工作機械のハードウェア構成と同様である。
図1、図2に示す如く、工作機械1は基台2上に制御箱3、コラム4を備えている。コラム4は基台2後部の左右方向中央に垂直に立ち上がる支柱である。制御箱3はコラム4の後側に取り付けてある。
工作機械1はコラム4の前側に加工室を備えている。加工室は内部に、前後及び左右に移動可能な加工テーブル(図示略)を備えている。工作機械1は加工テーブル上のワーク(図示略)を切削加工する。
コラム4は主軸ヘッド5を前部に支持している(図3参照)。主軸ヘッド5はコラム4に沿って上昇及び下降する。主軸ヘッド5は、主軸6を下部に備え、駆動機構7を上部に備えている。主軸ヘッド5は駆動機構7の駆動で上昇及び下降する。主軸6は上下方向の軸を中心として回転する。
図3〜図5に示す如く、工作機械1はATC(自動工具交換装置)8を備えている。ATC8は工具収納部17、工具交換機構18を備えている。工具収納部17は主軸ヘッド5の右側に設けてある。工具交換機構18は主軸ヘッド5、工具収納部17の間に設けてある。
図4に示す如く、工具収納部17はチェーン16に取り付けた複数の工具ポッド15を備えている。工具ポッド15は工具本体20を取り付けた工具ホルダ21(図6参照)を保持する。工具ポッド15はチェーン16が循環することで移動し、工具本体20、工具ホルダ21を交換位置(図4の下位置)に搬送する。交換位置で工具ポッド15は、工具本体20及び工具ホルダ21を工具収納部17の外に送り出す。工具本体20及び工具ホルダ21は、工具Bを構成している。
図5は主軸6、主軸ヘッド5付近の構成を下方から見た図である。工具交換機構18は交換アーム18aを備えている。交換アーム18aは主軸6と平行な軸を中心として旋回し、且つ上昇及び下降する。交換アーム18aは両端に各1個の掴み部18bを有する。掴み部18bは交換アーム18aが旋回することで、主軸6の下位置と工具収納部17の交換位置とに移動する。掴み部18bは交換位置で工具ホルダ21を掴む。他方の掴み部18bは主軸6の下位置で工具ホルダ21を掴む。
交換アーム18aは工具ホルダ21を掴んだ状態で下降し、工具Bを工具ポッド15、主軸6から外す。交換アーム18aは下降後に180°旋回する。工具Bは交換位置から主軸6の下位置に、又は主軸6の下位置から交換位置に移動する。交換アーム18aは旋回後に上昇し、工具Bを主軸6又は工具ポッド15に嵌め込む。
図6は主軸6、主軸ヘッド5付近の構成の要部断面図である。工具ホルダ21は主軸装着部21a、工具保持部21bを備えている。工具保持部21bは直径の異なる2つの円柱部を有する。下方の円柱部は工具本体20を掴む。上方の円柱部の直径は下方の円柱部の直径よりも大きい。主軸装着部21aは上方の円柱部の上面に連続する円錐部である。
主軸6は下面に開口する工具取付穴19を備えている。工具取付穴19は主軸装着部21aと対応する円錐形の穴である。工具ホルダ21は工具取付穴19に主軸装着部21aを嵌め込むことで主軸6に取り付ける。工具ホルダ21は主軸装着部21aを工具取付穴19に密着し、且つ工具保持部21bの上端面21cを主軸6下面に密着することで位置決めされる。
主軸ヘッド5は主軸6を回転自在に支持する。主軸ヘッド5は下端に環状の主軸キャップ22を備えている。主軸キャップ22は複数のボルト23で主軸ヘッド5下面に固定してある。主軸6下面は主軸キャップ22の中心穴から露出する。主軸6下面と主軸キャップ22の間は環状の端面カバー24で塞いである。端面カバー24は主軸6下面に固定してある。
工具本体20は主軸6と共に回転する。工具本体20は主軸ヘッド5と共に上昇及び下降する。工具本体20は加工室内の加工テーブル上でワークを切削加工する。ワークは加工テーブルと共に、前後方向及び左右方向に移動する。
主軸6は、本発明の実施の形態における加工部として機能する。
工作機械1は、洗浄液ユニット10(図1、図2参照)を有する工具洗浄装置を備えている。工具洗浄装置は、工具Bを主軸6に取り付ける前に、洗浄液で洗浄する。洗浄液は、冷却液としても用いられる。以下では、洗浄液及び冷却液を区別なく洗浄液A(図6参照)という。
主軸キャップ22は下面に環状溝25を有している。環状溝25は端面カバー24の外周よりも外側に形成してある。環状溝25は主軸キャップ22下面に取り付けた環状のノズル形成部材26で塞いである。ノズル形成部材26は環状に形成し、下面に開口する環状のノズル穴29(図5及び図6参照)を複数個均等に配置している。ノズル形成部材26の下面は主軸6下端面と略同じ高さである。ノズル穴29は主軸ヘッド5と主軸6の中心に向けて斜めに形成してある。
環状溝25は主軸キャップ22に設けた液供給穴27(図6参照)に連なる。液供給穴27は主軸キャップ22の外周に開口する。液供給穴27は洗浄液ホース28に接続してある。洗浄液ホース28は洗浄液Aを供給する。洗浄液Aは液供給穴27を経て環状溝25内に入り、ノズル穴29から噴射される。洗浄液Aはノズル穴29の方向に噴射され、主軸6の下に位置する工具Bを洗浄する。ノズル形成部材26、ノズル穴29は洗浄ノズル30を構成する。環状溝25、液供給穴27、洗浄液ホース28は洗浄液供給路の一部を構成する。洗浄ノズル30は本発明の実施の形態におけるノズルとして機能する。
図1、図2に示す如く、洗浄液ユニット10は貯留槽11、回収槽12、第1ポンプ13、第2ポンプ14、及び減圧槽53を備えている。
貯留槽11は箱形の容器であり、加工室内に供給する洗浄液Aを収容している。回収槽12、第1ポンプ13、第2ポンプ14、及び減圧槽53は貯留槽11の上に設置してある。
洗浄液ユニット10は基台2の後側に着脱可能である。図1は洗浄液ユニット10を取外した状態を示している。図2は洗浄液ユニット10を取り付けた状態を示している。回収槽12は基台2後側の排出部2a(図1参照)に接続可能である。回収槽12は排出部2aに集まる使用済の洗浄液Aを回収する。回収槽12は貯留槽11に連続している。回収槽12に回収された洗浄液Aは濾過装置(図示略)を通って貯留槽11内に戻る。
図7は工具洗浄装置の液圧回路図である。図7に示す如く、第1ポンプ13の吐出側は洗浄液管31の上流側端部に接続してある。第1ポンプ13は、貯留槽11に貯留されている洗浄液Aを吸い上げ、洗浄液管31に圧送する。第1ポンプ13の吐出圧力は0.030〜0.045[MPa]である。
洗浄液管31は下流側が途中で分岐している。洗浄液管31の下流側一端部は、加工室の内部へ延びている。洗浄液管31の下流側一端部には、図示しない洗浄液ノズルが設けられている。洗浄液管31の下流側他端部は、洗浄液管32の上流側端部に接続されている。
第2ポンプ14(図1及び図2参照)は、貯留槽11に貯留されている洗浄液Aを吸い上げ、加工室に送り出す。第2ポンプ14の吐出側は第2洗浄液管(図示略)の上流側端部に接続してある。第2洗浄液管の下流側は加工室の内部へ延びている。第2洗浄液管の下流側端部には、図示しない洗浄液ノズルが設けられている。
洗浄液Aは、洗浄液管31の下流側一端部及び第2洗浄液管の下流側端部夫々に設けられている洗浄液ノズルから加工室内に噴射される。加工室内に噴射された洗浄液Aは、加工室内部で加工中の工具Bとワークを冷却する。
図7に示すように、洗浄液管32は、下流側が途中で分岐している。洗浄液管32の下流一端側は、洗浄液ホース28を介して洗浄ノズル30に接続してある。洗浄液管32の下流他端側は、チャンバと呼ばれる貯留容器50(図1及び図2参照)の底部に連通している。貯留容器50はコラム4の後側上部に取り付けてある。貯留容器50は洗浄液Aを貯留する。貯留容器50に貯留可能な洗浄液Aの上限量は、複数回(例えば3回)の洗浄で洗浄ノズル30から噴射される洗浄液Aの量以上である。
図7に示すように、貯留容器50の内部には、液面センサ36が取り付けてある。液面センサ36は、貯留容器50に貯留されている洗浄液Aの液面が、液面センサ36の取り付け位置以上に達したときにオンになる。
貯留容器50に貯留されている洗浄液Aの液面が、液面センサ36の取り付け位置にある場合、貯留容器50に貯留されている洗浄液Aの量は、所定の下限量である。本実施の形態では、下限量は、1回の洗浄で洗浄ノズル30から噴射される洗浄液Aの量である。
従って、液面センサ36がオンである場合、貯留容器50に貯留されている洗浄液Aの量(即ち貯留容器50の貯留量)は、下限量を上回っているが、液面センサ36がオフである場合、貯留容器50の貯留量は、下限量以下である。
液面センサ36は、本発明の実施の形態における検出部として機能する。
洗浄液Aを噴射する直前に液面センサ36がオフである場合とは、貯留不足が起きている場合である。
また、洗浄液Aの噴射後に液面センサ36がオフである場合とは、想定よりも高粘度の洗浄液Aが用いられている場合、又は、次に説明するフィルタ33が目詰まりを起こしている場合である。
洗浄液管32の中途には、フィルタ33及び逆止弁34が備えられている。
フィルタ33は、洗浄液Aを濾過する。フィルタ33によって洗浄液Aから取り除かれた異物(主に切削屑)は、フィルタ33の目詰まりの原因となる。
逆止弁34はフィルタ33の下流側に配置してある。逆止弁34は洗浄液管32内で洗浄ノズル30に向かう流れを通し、且つ洗浄液管31に向かう流れを止める。
空圧源39は、工作機械1を設置する工場内の装備品であり、圧縮空気の供給源である。
空圧源39には、空気路40,41及び加圧路42が接続されている。空気路40の下流側には空気路46が接続されている。
加圧路42は、下流側が貯留容器50の上部に連通している。加圧路42の中途には、絞り弁48及び逆止弁49が備えられている。
絞り弁48は空圧源39からの給気を許可又は禁止する。通常、絞り弁48は給気の許可を選択している。
逆止弁49は絞り弁48よりも下流側に配されており、貯留容器50からの空気の逆流を止める。
絞り弁48と逆止弁49との間における加圧路42には、加圧弁45が備えられている。加圧弁45は、空気路46を介して空気路40に接続してある。通常時に加圧弁45は閉位置にある。加圧弁45は、空気路40,46を通して供給される空気圧の作用で開位置に切り換わる。
逆止弁34の下流側において、洗浄液管32と洗浄液ホース28との接続部には、給液弁35が配置してある。給液弁35は通常時は閉位置にある。給液弁35は空気路40に接続してある。給液弁35は、空気路40を通して供給される空気圧の作用で開位置に切り換わる。
減圧槽53は、貯留槽11に連通している。貯留容器50と減圧槽53とは、排出路37(図1及び図2参照)を介して連通している。
図7に示すように、排出路37の中途には、排圧弁38が備えられている。通常時に排圧弁38は開位置にある。排圧弁38は空気路41に接続してある。排圧弁38は空気路41を通して供給される空気圧の作用で閉位置に切り換わる。
排圧弁38が開であると、貯留容器50から減圧槽53へ排出路37を通して空気が通流する。貯留容器50内の空気は、排出路37から減圧槽53に流れ込む際に拡がり、圧力及び速度を減少する(即ち減圧される)。減圧槽53に流れ込んだ空気は、貯留槽11を通して外部へ流出する。
排圧弁38が開であると、オーバーフローの発生時に、貯留容器50から排出路37及び減圧槽53を通して貯留槽11へ洗浄液Aが流出する。換言すれば、貯留容器50に貯留されている洗浄液Aの液面が、排出路37の貯留容器50側の開口位置にある場合、貯留容器50に貯留されている洗浄液Aの量は、所定の上限量である。
なお、空圧源39を利用しない(又は工場内に空圧源39が存在しない)場合、給液弁35、排圧弁38、及び加圧弁45夫々は、後述する制御部9の動作指令で開閉する電磁弁とすればよい。
図8は、工作機械1の制御系の構成を示すブロック図である。図8には、工具洗浄装置に関連する制御系を示している。
操作部91及び表示部92は、工作機械1の前面に配されている。作業者は前側から工作機械1を操作する。
操作部91は、作業者が操作すべきスイッチ、及びキーボード等を有する。作業者は、操作部91を操作することによって、工作機械1にワークの加工を開始させるための加工開始指示を入力する。また、作業者は、操作部91を操作することによって、工作機械1に対して各種情報を入力する。
表示部92は、ランプ、7セグメントディスプレイ、又は液晶ディスプレイ等(各不図示)を有する。表示部92には、工作機械1の運転状況、又は作業者へのメッセージ等が表示される。運転状況又はメッセージ等は、ランプの点灯/消滅/点滅、7セグメントディスプレイが示す数字、又は、液晶ディスプレイが示す文字若しくは記号等を用いて表現される。
制御箱3には、制御部9、記憶部93、及び時計部94が収容されている。
制御部9は、工作機械1の制御中枢である。制御部9は、記憶部93に記憶してあるコンピュータプログラムに従って工作機械1の各部の動作(例えば主軸6の回転、第1ポンプ13及び空圧源39夫々のオン/オフ、表示部92における表示、並びに、各後述する第1電磁弁43及び第2電磁弁44夫々のオン/オフ等)を制御する。また、制御部9には、液面センサ36の検出結果(即ち、液面センサ36がオンであるかオフであるか)と、操作部91における操作結果とが入力される。
記憶部93は、ROM、RAM、及び/又は補助記憶装置を用いてなる。記憶部93は、工作機械1の作動に必要なコンピュータプログラムを予め記憶している。
また、記憶部93は、予め与えられた情報、コンピュータプログラムの実行に伴って制御部9が生成した情報(例えば各種フラグ)、又は操作部91を用いて作業者が入力した情報(例えばワーク加工用のコンピュータプログラム。以下、加工プログラムという)等を記憶する。
加工プログラムには、ワークの移動、ワークの加工、及び工具Bの交換等を制御する為の複数行のブロックが含まれている。各ブロックには、例えばワークを移動させるためのワーク移動命令、ワークを切削加工すべく主軸6を回転させるための主軸回転命令、主軸6に装着されている工具Bを交換するための工具交換命令、又はワークの加工を終了する為の加工終了命令等が含まれている。各ブロックは1行ずつ順に実行される。
時計部94は、現在の日付及び時刻を秒単位まで計時する。
第1電磁弁43(図7及び図8参照)は、空気路40の中途における給液弁35及び空気路46夫々よりも上流側に備えられている。オフ状態の第1電磁弁43は閉位置にある。閉位置にある第1電磁弁43は、第1電磁弁43よりも下流側の空気路40内に残る空気を消音部43aで消音して排出する。第1電磁弁43は、制御部9によってオンにされると開位置に切り換わる。
第2電磁弁44は、空気路41の中途における排圧弁38よりも上流側に備えられている。オフ状態の第2電磁弁44は閉位置にある。閉位置にある第2電磁弁44は、第2電磁弁44よりも下流側の空気路41内に残る空気を消音部44aで消音して排出する。第2電磁弁44は、制御部9によってオンにされると開位置に切り換わる。
第1ポンプ13及び空圧源39がオンであり、且つ、第1電磁弁43及び第2電磁弁44が共にオンである場合について説明する。
貯留槽11に貯留されている洗浄液Aは、第1ポンプ13によって、洗浄液管31を経て洗浄液管32に圧送される。
第1電磁弁43のオンによって第1電磁弁43が開状態になる。従って、空圧源39から空気路40を通して給液弁35へ空気が圧送され、空気路40,46を通して加圧弁45へ空気が圧送される。この結果、給液弁35及び加圧弁45は夫々開となる。
第2電磁弁44のオンによって第2電磁弁44が開状態になる。従って、空圧源39から空気路41を通して排圧弁38へ空気が圧送される。この結果、排圧弁38は閉となる。
加圧弁45が開であるので、貯留容器50の内部では、空圧源39から加圧路42を通して空気が流入し、気圧が上昇する。この結果、貯留容器50から洗浄液管32へ洗浄液Aが流出する。このとき、逆止弁34が、洗浄液管32に流出した洗浄液Aが洗浄液管31へ向かうことを阻止する。
更に、給液弁35が開であるので、洗浄液管32から洗浄液ホース28を通して洗浄ノズル30へ洗浄液Aが流出する。従って、洗浄ノズル30から洗浄液Aが噴射される。この結果、工具Bに付着している切削屑が、噴射された洗浄液Aによって洗い流される。
次に、第1ポンプ13及び空圧源39がオンであり、且つ、第1電磁弁43及び第2電磁弁44が共にオフである場合について説明する。
貯留槽11に貯留されている洗浄液Aは、第1ポンプ13によって、洗浄液管31を経て洗浄液管32に圧送される。
第1電磁弁43のオフによって第1電磁弁43が閉状態になる。従って、空圧源39から空気路40,46を通して給液弁35及び加圧弁45へ圧送されるべき空気が遮断される。この結果、給液弁35及び加圧弁45は夫々閉となる。
第2電磁弁44のオフによって第2電磁弁44が閉状態になる。従って、空圧源39から空気路41を通して排圧弁38へ圧送されるべき空気が遮断される。この結果、排圧弁38は開となる。
加圧弁45が閉であるので、貯留容器50の内部では、空気の流入による気圧の上昇が生じない。この結果、貯留容器50から洗浄液管32へ洗浄液Aが流出することはない。また、給液弁35が閉であるので、洗浄ノズル30からの洗浄液Aの噴射は生じない。
第1ポンプ13によって圧送された洗浄液Aは、洗浄液管32から貯留容器50へ流入する。このとき、第1電磁弁43、第2電磁弁44、及び第1ポンプ13が本発明の実施の形態における供給部として機能し、供給部による貯留容器50への洗浄液Aの供給(即ち洗浄液Aの補給)が実現する。
排圧弁38が開であるので、洗浄液管32から貯留容器50へ洗浄液Aが流入すると、貯留容器50の内部では、排出路37、減圧槽53及び貯留槽11を通して、工作機械1の外部へ空気が流出する。
なお、本発明の実施の形態における供給部は、貯留容器50へ洗浄液Aを補給する専用のポンプであってもよい。この場合、ポンプのオン/オフによって貯留容器50への洗浄液Aの流入/流入停止が切り替えられてもよい。
次に、第1ポンプ13及び空圧源39がオンであり、且つ、第1電磁弁43がオフであり、第2電磁弁44がオンである場合について説明する。
この場合、給液弁35、排圧弁38、及び加圧弁45が全て閉であるので、第1ポンプ13によって洗浄液Aが洗浄液管32へ圧送されても、洗浄ノズル30から洗浄液Aが噴射することも、貯留容器50に洗浄液Aが補給されることもない。
本実施の形態では、第1電磁弁43がオンであり、第2電磁弁44がオフである態様は使用されない。
次に、貯留容器50の貯留量の経時変化について説明する。
図9〜図12の横軸は時間であり、縦軸は貯留容器50の貯留量である。貯留容器50に係る下限量は、横方向の破線で示してある。ただし、図12では、貯留容器50に係る下限量及び上限量を共に破線で示してある。
図12には、高粘度の洗浄液Aを使用し、且つ、フィルタ33が目詰まりを起こしている場合の貯留容器50の貯留量の経時変化が、太い実線で示してある。
洗浄液Aは、所定の噴射時間Ta の間、噴射される。この結果、貯留容器50の貯留量は減少する。噴射時間Ta は、予め記憶部93に記憶してある。噴射時間Ta は、例えば5秒である。
洗浄液Aの噴射後、洗浄液Aは、補給時間Tb の間、補給される。補給時間Tb は、例えば5秒である。
この結果、貯留容器50の貯留量は増加し、概ね、洗浄液Aの噴射前の量に戻る。即ち、噴射による減少量と補給による増加量とが略等しい。何故ならば、補給時間Tb は、高粘度の洗浄液A及び目詰まりを起こしているフィルタ33を想定して設定されたものだからである。
図12には、低粘度の洗浄液Aを使用しているか、又は、フィルタ33が目詰まりを起こしていない場合(即ち、フィルタ33が新品である場合)の貯留容器50の貯留量の経時変化が、細い実線で示してある。
この場合も、洗浄液Aは、噴射時間Ta の間、噴射され、洗浄液Aの噴射後、洗浄液Aは、補給時間Tb の間、補給される。
この結果、貯留容器50の貯留量は増加し、洗浄液Aの噴射前の量を超えて、オーバーフローを起こす。即ち、噴射による減少量に比べて補給による増加量が過剰である。オーバーフロー分の洗浄液Aは、排出路37及び減圧槽53を通って貯留槽11へ戻る。即ち、補給時間Tb は、低粘度の洗浄液Aを使用しているか、又は、フィルタ33が目詰まりを起こしていない場合には長すぎる。
オーバーフロー分の洗浄液Aはフィルタ33で濾過されたものであるが、貯留槽11に戻された後は、フィルタ33で再度濾過しなければならない。従って、オーバーフローが起こる都度、フィルタ33の負担が無用に増大する。
図9には、低粘度の洗浄液Aを使用し、且つ、フィルタ33が新品である場合の貯留容器50の貯留量の経時変化が示してある。
この場合も、洗浄液Aは噴射時間Ta の間、噴射される。洗浄液Aの噴射後、洗浄液Aは、供給時間T1 の間、補給される。供給時間T1 は、予め記憶部93に記憶してある。噴射時間Ta は、例えば2秒である。
この結果、貯留容器50の貯留量は増加し、概ね、洗浄液Aの噴射前の量に戻る。即ち、噴射による減少量と補給による増加量とが略等しい。何故ならば、供給時間T1 は、低粘度の洗浄液A及び新品のフィルタ33を想定して設定されたものだからである。
図10には、高粘度の洗浄液Aを使用しているか、又は、フィルタ33が目詰まりを起こしている場合の貯留容器50の貯留量の経時変化が示してある。
ただし、細い実線で示してある方は、噴射時間Ta の洗浄液Aの噴射後、供給時間T1 の間、洗浄液Aが補給された場合であり、太い実線で示してある方は、噴射時間Ta の洗浄液Aの噴射後、供給時間T1 よりも長い延長時間T2 の間、洗浄液Aが補給された場合である。
供給時間T1 の間、洗浄液Aが補給された場合、貯留容器50の貯留量は増加するものの、洗浄液Aの噴射前の量には戻らない。即ち、噴射による減少量に比べて補給による増加量が少な過ぎる。
故に、複数回(図10では3回)の噴射後、次回(図10では4回目)の噴射直前には、貯留容器50の貯留量が下限量以下である(即ち、貯留不足が起きている)。
貯留不足を抑制すべく、洗浄液Aの噴射後、貯留容器50の貯留量が下限量以下である場合には、供給時間T1 に替えて、延長時間T2 の間、洗浄液Aが補給される。
本実施の形態では、延長時間T2 は、次の式(1)によって求められる。
T2 =T1 +ΔT×n…(1)
ただし、ΔTは所定の加算時間であり、加算時間ΔTは予め記憶部93に記憶してある。加算時間ΔTは、例えば1秒である。また、nは貯留容器50の貯留量が下限量以下になった回数(以下、減少回数という)である。減少回数が“1”増加する都度、延長時間T2 は加算時間ΔTだけ延長される。
延長時間T2 は供給時間T1 よりも長いので、延長時間T2 の補給を行なった場合には、供給時間T1 の補給を行なった場合に比べて、貯留不足が起きる可能性は小さい。
延長時間T2 の補給による増加量が噴射による減少量より少なければ、次回の噴射後も貯留容器50の貯留量が下限量以下になるので、延長時間T2 は延長される。
このようにして、貯留不足を抑制しつつ減少回数が増加する。故に、やがて、補給による増加量が噴射による減少量以上になる。
延長時間T2 は、最小限の長さ(即ち供給時間T1 )から徐々に延長していくので、オーバーフローは発生し難い。故に、オーバーフローの発生に起因するフィルタ33の負荷を軽減することができる。
更に、フィルタ33が目詰まりを起こしていても貯留不足の発生が抑制されるので、フィルタ33の交換時期を遅らせることができる。換言すれば、フィルタ33を延命することができる。
延長時間T2 の補給の結果、洗浄液Aの噴射後に、貯留容器50の貯留量が下限量を上回るようになっても、延長時間T2 の間、洗浄液Aが補給される。何故ならば、ここで供給時間T1 の補給に戻せば、再び貯留容器50の貯留量が下限量以下になるからである。
貯留容器50の貯留量が下限量を上回っている間は、延長時間T2 の延長を行なう必要はない。
図10及び図11を参照しつつ、工具交換の頻度(単位時間当たりの工具交換回数)が低い場合と高い場合とについて考える。
工具交換の頻度が低い場合(即ち、図10に示すように洗浄液Aの噴射頻度が低い場合)、工具交換に係る洗浄液Aの噴射後、洗浄液Aの補給が終わってから、次の工具交換に係る洗浄液Aの噴射が行なわれる。
工具交換の頻度が高い場合(即ち、図11に示すように洗浄液Aの噴射頻度が高い場合)、工具交換に係る洗浄液Aの噴射後、洗浄液Aの補給がまだ終わっていないにもかかわらず、次の工具交換に係る工具洗浄(即ち洗浄液Aの噴射)を行なうべきタイミングに達することがある。
洗浄液Aの補給中に次の工具洗浄を行なうべきタイミングになる都度、洗浄液Aの補給が終わるまで次の工具洗浄の開始を後らせると、作業効率が悪化する。洗浄液Aの補給中に次の工具洗浄を行なうべきタイミングになる都度、補給を中止して次の工具洗浄を行なうと、貯留不足が発生し易くなる。
本実施の形態の工作機械1は、洗浄液Aの噴射後、貯留容器50の貯留量が下限量を上回っている場合には、洗浄液Aを補給し続ける時間の上限値(以下、制限時間という)T0 として供給時間T1 又は延長時間T2 を設定して洗浄液Aの補給を開始し、洗浄液Aの補給中に(即ち、制限時間T0 の経過前に)次の洗浄液Aの噴射を行なうべきタイミングになったならば、補給を中止して洗浄液Aの噴射を行なう。図11には、貯留容器50の貯留量が下限量を上回っている場合に洗浄液Aを補給し続けた時間が、供給時間T1 (二点鎖線で図示)より短い場合を示してある。
洗浄液Aの噴射後、貯留容器50の貯留量が下限量以下である場合には、制限時間T0 として延長時間T2 又は延長時間T2 よりも長い追加時間T3 を設定して洗浄液Aの補給を開始し、洗浄液Aの補給中に(即ち、制限時間T0 の経過前に)次の洗浄液Aの噴射を行なうべきタイミングになったとき、洗浄液Aの補給が終わるまで洗浄液Aの噴射開始を後らせる(即ち、制限時間T0 の経過後に洗浄液Aの噴射を開始する)か、洗浄液の噴射動作を行ない、貯留容器50の貯留量が再度下限量以下である場合には、再度追加時間T3 を設定して洗浄液Aの補給を開始する。追加時間T3 は、予め記憶部93に記憶してある。追加時間T3 は、例えば20秒である。
制限時間T0 は、工具交換の頻度が低い場合は延長時間T2 であり、工具交換の頻度が高い場合は追加時間T3 である。
追加時間T3 の間、洗浄液Aが補給されると、たとえ洗浄液が高粘度であり、フィルタ33が甚だしく目詰まりを起こしていても、貯留容器50の貯留量が上限量まで回復する。故に、貯留不足は発生し難くなる。
このときにオーバーフローが起こる可能性はあるが、一般には工具交換の頻度が高くなるのは一時的なものなので、通常、継続的に追加時間T3 の補給が行なわれることはない(即ち、次回は延長時間T2 の間、洗浄液Aが補給される)。故に、オーバーフローの頻発は抑制される。
なお、貯留容器50の貯留量が下限量以下になると、供給時間T1 の補給が延長時間T2 の補給に切り替えられ、工具交換の頻度にかかわらず、追加時間T3 の補給は行なわれない構成でもよい。
延長時間T2 は式(1)によって求められるものに限定されず、一定値でもよい。この場合の延長時間T2 は、例えば20秒である。
追加時間T3 は一定値に限定されず、例えば工具交換の頻度に応じて変更(即ち工具交換の頻度が高いほど長く)されてもよい。
図13は、工作機械1で実行される工具交換処理の手順を示すフローチャートである。
工具交換処理は、加工プログラムにおける工具交換命令を含んだブロックが実行されることによって、実行開始される。
制御部9は、工具収納部17の動作を制御することによって、工具収納部17に収納されており、主軸6に装着すべき工具Bを交換位置に搬送する(S10)。
次いで、制御部9は、駆動機構7の動作を制御することによって、主軸ヘッド5を上昇させる(S11)。
次に、制御部9は、工具交換機構18の動作を制御することによって、工具収納部17の交換位置にある工具Bを工具ポッド15から取り外し、主軸6に装着されている工具Bを主軸6から取り外す(S12)。このとき、交換アーム18aの一方の掴み部18bが工具収納部17側の工具Bを掴み、他方の掴み部18bが主軸6側の工具Bを掴む。
次いで、制御部9は、工具交換機構18の動作を制御することによって、交換アーム18aを回転させ(S13)、工具収納部17側の工具Bが主軸6側に移動し、主軸6側の工具Bが工具収納部17側に移動する。即ち、工具Bが交換される。
次に、制御部9は、洗浄液Aの補給が終了するまで待機しなければならないことを示す待機フラグがセットされているか否かを判定する(S14)。待機フラグのセットは、貯留容器50の貯留量が下限量以下である場合に、後述するS74の処理で行なわれる。
待機フラグがセットされている場合(S14でYES)、制御部9は、再びS14の処理を実行する。待機フラグがリセットされるまでは後述するS15の処理が行なわれないので、洗浄液Aの噴射が行なわれない。従って、交換された工具Bの洗浄は行なわれない。一旦セットされた待機フラグのリセットは、洗浄液Aの補給が終了した場合に、後述するS56の処理で行なわれる。
待機フラグがリセットされている場合(S14でNO)、制御部9は、工具Bの洗浄を開始すべきタイミングであることを示す工具洗浄フラグをセットする(S15)。この結果、後述するS38の処理が行なわれるので、洗浄液Aの噴射が行なわれる。従って、交換された工具Bの洗浄が行なわれる。この後、工場洗浄フラグのリセットは、洗浄液Aの噴射が終了した場合に、後述するS43の処理で行なわれる。
S15の処理終了後、制御部9は、工具洗浄フラグがリセットされているか否かを判定し(S16)、まだ工具洗浄フラグがセットされている場合(S16でNO)、再びS16の処理を行なう。故に、後述するS17の処理が行なわれないので、工具Bは、洗浄液Aの噴射(即ち工具Bの洗浄)が終了するまで主軸6には装着されない。
工具洗浄フラグがリセットされている場合(S16でYES)、制御部9は工具交換機構18の動作を制御し、工具収納部17側の工具Bを工具ポッド15に装着し、主軸6側の工具Bを主軸6に装着する(S17)。
制御部9は、駆動機構7の動作を制御し、主軸ヘッド5を下降させ(S18)、工具交換処理を終了する。
この後、交換後の工具Bを用いたワークの加工が行なわれる。
図14及び図15は、工作機械1で実行される工具洗浄処理の手順を示すフローチャートである。
工具洗浄処理は、加工プログラムの実行が開始された場合に実行開始され、加工プログラムに従ったワークの加工処理及び工具交換処理等と並行して実行される。
図14に示す如く、制御部9は、減少回数を示すカウンタKを“0”にリセットする(S31)。この後、カウンタKの計数は、後述するS75の処理で行なわれる(図16参照)。
制御部9は、制限時間T0 へ供給時間T1 を代入する(S32)。
次に、制御部9は、第1ポンプ13及び空圧源39を共にオンし(S33)、第1電磁弁43をオフにし、第2電磁弁44をオンにする(S34)。その後、制御部9は、工具洗浄フラグ及び待機フラグをリセットする(S35)。S35の処理終了後、制御部9は、処理をS36へ移す。
S33の処理の結果、第1ポンプ13によって、洗浄液Aは貯留槽11から洗浄液管32へ圧送され、空圧源39によって、空気は空気路40,41及び加圧路42夫々へ圧送される。
S34の処理の結果、第1電磁弁43のオフによって給液弁35及び加圧弁45は夫々閉となる。第2電磁弁44のオンによって排圧弁38は閉となる。故に、貯留容器50から洗浄液管32へ洗浄液Aが流出することはない。洗浄液Aは洗浄ノズル30から噴射しない。洗浄液Aは洗浄液管32から貯留容器50へ流入することはない。
制御部9は、洗浄液Aの噴射を開始する前に液面センサ36がオフであるか否か、即ち、貯留不足が起きているか否かを判定する(S36)。
液面センサ36がオンであるとき(S36でNO)、制御部9は、工具洗浄フラグがセットされているか否かを判定する(S37)。
工具洗浄フラグがリセットされているとき(S37でNO)、制御部9は、再びS37の処理を実行する。故に、後述するS38の処理(即ち洗浄液Aを噴射させるための処理)は、工具Bの洗浄を開始すべきタイミングに至るまで実行されない。
工具洗浄フラグがセットされているとき(S37でYES)、制御部9は、第2電磁弁44をオンにしたまま、第1電磁弁43をオンにし(S38)、経過時間の計時を開始し(S39)、時計部94の計時結果を参照して洗浄液Aの噴射履歴を記憶部93に記憶させる(S40)。具体的には、S40の処理における制御部9は、時計部94の計時結果である現在時刻を、洗浄液Aの噴射時刻として記憶部93に記憶させる。S40の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における履歴記憶手段として機能する。
S38の処理の結果、第1電磁弁43のオンによって給液弁35及び加圧弁45は夫々開となる。また、第2電磁弁44はオンのままであるので、排圧弁38は閉のままである。故に、洗浄液Aは貯留容器50から洗浄液管32を経て洗浄ノズル30から噴射する。工具Bに付着している切削屑は噴射された洗浄液Aによって洗い流される。洗浄液管32から貯留容器50へ洗浄液Aが流入することはない。
工具Bを洗浄した後の洗浄液Aは、基台2後側の排出部2aに集まり、回収槽12を経て貯留槽11に戻り、貯留される。貯留槽11に戻される前に洗浄液Aはフィルタ33と異なる濾過装置で濾過されるが、貯留槽11に貯留した洗浄液Aは、まだ切削屑は含まれている。
S40の処理終了後、制御部9は、S39で計時を開始した経過時間が、噴射時間Ta 以上であるか否かを判定する(S41)。
S39で計時を開始した経過時間がまだ噴射時間Ta 未満であるとき(S41でNO)、制御部9は、再びS41の処理を実行する。
S39で計時を開始した経過時間が、噴射時間Ta 以上であるとき(S41でYES)、制御部9は、第1電磁弁43をオフにし(S42)、工具洗浄フラグをリセットする(S43)。
S42の処理の結果、洗浄液Aの噴射は終了する。S43の処理の終了後、図13に示すS17の処理が実行されるので、洗浄された工具Bが主軸6に装着される。
液面センサ36がオフであるとき(S36でYES)、制御部9は、表示部92を用いて、貯留不足が起きたことを報知するための表示を行なう(S44)。S44で実行された表示は、工具洗浄処理が終了した後でも継続される。S44で実行された表示の消去は、例えば操作部91にて所定の操作を受け付けたときに行なわれる。
S43又はS44の処理終了後、制御部9は、図15に示す如く、後述する制限時間設定処理(図16参照)を実行する(S51)。S51では、制限時間T0 が設定される。
S51の処理終了後、制御部9は、第1電磁弁43をオフにしたまま、第2電磁弁44をオフにし(S52)、経過時間tの計時を開始する(S53)。
第2電磁弁44のオフによって排圧弁38は開となる。
第1電磁弁43のオフにより、給液弁35及び加圧弁45が閉であるので、貯留容器50から洗浄液管32へ洗浄液Aが流出することも、洗浄ノズル30から洗浄液Aが噴射することもない。排圧弁38が開であるので、洗浄液管32から貯留容器50へ洗浄液Aが流入する。即ち、洗浄液Aの補給が行なわれる。
S53の処理終了後、制御部9は、経過時間tが制限時間T0 以上であるか否かを判定する(S54)。
t≧T0 であるとき(S54でYES)、制御部9は第1電磁弁43をオフにしたまま、第2電磁弁44をオンにし(S55)、待機フラグをリセットし(S56)、経過時間tの計時を終了する(S57)。
t<T0 であるとき(S54でNO)、制御部9は、工具洗浄フラグがセットされているか否かを判定し(S58)、リセットされたままである時は(S58でNO)、処理をS54へ戻す。
S43の処理で工具洗浄フラグをリセットしたにもかかわらず、S58の処理で工具洗浄フラグがセットされている時とは、洗浄液Aの補給中に(即ち、制限時間T0 の経過前に)次の工具洗浄を行なうべきタイミングになったときである。
従って、工具洗浄フラグがセットされているとき(S58でYES)、制御部9は、処理をS55へ移す。
S55の処理の結果、第2電磁弁44のオンによって排圧弁38が閉となるので、洗浄液管32から貯留容器50への洗浄液Aの流入が終了する。即ち、洗浄液Aの補給が終了する。S54でYESと判定されて洗浄液Aの補給が終了した時とは、制限時間T0 の補給が完了したときであり、S58でYESと判定されて洗浄液Aの補給が終了した時とは、制限時間T0 の補給が中止されたときである。
以上のように、S42の処理が終了する都度、S52〜S58の処理が実行されることによって、洗浄ノズル30から洗浄液Aの噴射が終了する都度、貯留容器50に洗浄液Aが補給される。
S57の処理終了後、制御部9は、カウンタKが“0”であるか否かを判定する(S59)。
K>0であるとき(S59でNO)、制御部9は、表示部92を用いて、フィルタ33の交換時期の判断材料となるような所定の表示を行なう(S60)。
S60の処理では、例えばカウンタKの数値が表示部92に表示される。カウンタKの数値が大きい時、即ち、洗浄液Aの噴射後に貯留容器50の貯留量が下限量以下になった回数が多い時、フィルタ33の目詰まりの度合いが甚だしいと考えられる。従って、作業者は、表示部92に表示されたカウンタKの数値を、フィルタ33の目詰まりの度合いの目安、換言すれば、フィルタ33の交換時期の判断材料にすることができる。
S60で実行された表示は、工具交換処理が終了した後でも継続される。S60で実行された表示の消去は、例えば操作部91にて所定の操作を受け付けたときに行なわれる。
なお、S60の処理で行なうべき表示は、カウンタKの数値の表示に限定されない。例えば、制限時間T0 の設定値が表示されてもよい。この場合、制限時間T0 が長いほど、洗浄液Aの噴射後に貯留容器50の貯留量が下限量以下になった回数が多い(即ち、フィルタ33の目詰まりの度合いが甚だしい)ことがわかる。ただし、制限時間T0 が追加時間T3 に等しいときには、工具Bが頻繁に交換されたことがわかる。
S60の処理終了後、又はK=0であるとき(S59でYES)、制御部9は、加工プログラムの実行が終了されたか否かを判定し(S61)、加工プログラムの実行が終了した時は(S61でYES)、第1ポンプ13及び空圧源39を共にオフにしてから(S62)、工具洗浄処理を終了する。
まだ加工プログラムの実行が終了していないとき(S61でNO)、制御部9は、処理を図14に示すS36へ戻す。
図16のフローチャートが示す制限時間設定の処理について説明する。
制御部9は、制限時間T0 が追加時間T3 に等しいか否かを判定する(S71)。
後述するS74以降の処理がまだ実行されていない時、制限時間T0 は供給時間T1 に等しい。
T0 ≠T3 であるとき(S71でNO)、制御部9は、液面センサ36がオフであるか否か、即ち、洗浄液Aの噴射後に貯留容器50の貯留量が下限量以下になっているか否かを判定する(S72)。S72の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における下限判定手段として機能する。
液面センサ36がオンであるとき(S72でNO)、制御部9は、待機フラグをリセットし(S73)、制限時間設定処理を終了する。
液面センサ36がオフであるとき(S72でYES)、制御部9は、待機フラグをセットし(S74)、カウンタKを“1”インクリメントする(S75)。
次に、制御部9は、記憶部93から洗浄液Aの噴射履歴を読み出し(S76)、洗浄ノズル30から洗浄液Aが噴射する噴射頻度を演算し(S77)、演算した噴射頻度が高いか否かを判定する(S78)。S77及びS78の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における演算手段として機能する。S78の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における成否判定手段として機能する。
S77における制御部9は、最も新しい噴射時刻から過去に遡って所定作業時間(例えば10秒)以内に、洗浄液Aの噴射が行なわれた噴射回数を計数する。S78における制御部9は、S77にて計数された噴射回数が所定噴射回数M(Mは所定の自然数。例えばM=3)以上であるか否かが判定される。S77にて計数された噴射回数が所定噴射回数M以上(又は所定噴射回数M未満)ならば、洗浄液Aの噴射頻度は高い(又は低い)。
なお、S77及びS78における制御部9は、例えば、最も新しい噴射時刻と、この噴射時刻よりもK個(Kは所定の自然数。例えばK=2)古い噴射時刻との時間差を算出し、算出した時間差が所定の時間差(例えば10秒)以上か否かを判定する。算出した時間差が所定の時間差よりも短い(又は所定の時間差以上)ならば、洗浄液Aの噴射頻度は高い(又は低い)。
次に、S77で演算した噴射頻度が低いとき(S78でNO)、制御部9は、制限時間T0 に加算時間ΔTを加算する(S79)。S79の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における時間延長手段として機能する。
故に、制限時間T0 は供給時間T1 よりも長くなる。S79で算出される制限時間T0 は、本発明の実施の形態における延長時間T2 である。
S79の終了後、制御部9は、制限時間設定処理を終了する。この後、S52〜S58の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における第2供給制御手段として機能する。
図16に示す如く、S77で演算した噴射頻度が高いとき(S78でYES)、制御部9は、制限時間T0 に加算時間ΔTを加算したものを変数T4 へ代入する(S80)。S80の処理は、制限時間T0 の値(延長時間T2 )を変数T4 に一時退避させておく処理である。次いで、制御部9は、制限時間T0 へ追加時間T3 を代入する(S81)。
S81の終了後、制御部9は、制限時間設定処理を終了する。この後、S52〜S58の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における第3供給制御手段として機能する。制限時間T0 は追加時間T3 として機能する。
図16に示すように、T0 =T3 であるとき(S71でYES)、制御部9は、変数T4 を制限時間T0 に代入してから(S82)、処理をS72へ移す。S82の処理は、制限時間T0 の現在値(追加時間T3 )を、変数T4 に退避させておいた制限時間T0 の値(延長時間T2 )で上書きする処理である。
S72でNOの時、制限時間T0 は変化しないので、まだS74以降の処理が実行されていない時、制限時間T0 は供給時間T1 に等しい。故に、制限時間設定処理の終了後、図15に示すS52〜S58の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における第1供給制御手段として機能する。
図16に示すS72でNOのときであっても、1回でもS75以降の処理が実行された後ならば、制限時間T0 は供給時間T1 よりも長い。従って、制限時間T0 は延長時間T2 として機能し、図15に示すS52〜S58の処理を実行する制御部9は、本発明の実施の形態における第2供給制御手段として機能する。
以上のような工作機械1は、貯留不足の抑制とオーバーフローの抑制とを両立させることができる。従って、オーバーフローの発生に起因するフィルタ33の負担を軽減し、フィルタ33の延命を図ることができる。
しかも、工作機械1は、洗浄液の粘度又はフィルタの目詰まりの度合いを検出するための新たなハードウェアを必要としない簡易なハードウェア構成である。
本実施の形態では、貯留不足が起きると工具Bの交換が中断されるが、その後、貯留不足が解消されれば、工具Bの交換が再開される。なお、貯留不足が起きると工具Bの交換を含むワークの加工処理全てが中止される構成でもよい。
1 工作機械
6 主軸(加工部)
9 制御部
13 第1ポンプ(供給部)
30 洗浄ノズル(ノズル)
36 液面センサ(検出部)
43 第1電磁弁(供給部)
44 第2電磁弁(供給部)
50 貯留容器
92 表示部
93 記憶部

Claims (6)

  1. 工具へ洗浄液を噴射するノズルと、
    該ノズルへ供給すべき洗浄液を貯留する貯留容器と、
    該貯留容器へ洗浄液を供給する供給部と、
    該供給部の動作を制御する制御部と、
    前記貯留容器に貯留されている洗浄液の量を検出する検出部と
    を備える工具洗浄装置において、
    前記制御部は、
    前記ノズルからの洗浄液の噴射終了後、前記検出部の検出結果に応じて、前記貯留容器に貯留されている洗浄液の量が所定の下限量以下であるか否かを判定する下限判定手段と、
    該下限判定手段による判定の終了後、前記供給部による洗浄液の供給を所定の供給時間、実行させる第1供給制御手段と、
    前記下限判定手段による判定の終了後、前記供給部による洗浄液の供給を前記供給時間よりも長い延長時間、実行させる第2供給制御手段と
    を有し、
    前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定するまでは、前記第1供給制御手段による洗浄液の供給を実行し、
    前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定した後で、前記第2供給制御手段による洗浄液の供給を実行するようにしてあることを特徴とする工具洗浄装置。
  2. 前記制御部は、
    前記下限判定手段によって前記下限量以下であると判定された回数の増加に応じて、前記延長時間を延長する時間延長手段
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載の工具洗浄装置。
  3. 前記制御部は、
    前記下限判定手段による判定の終了後、前記供給部による洗浄液の供給を前記延長時間よりも長い追加時間、実行させる第3供給制御手段と、
    所定条件が成立しているか否かを判定する成否判定手段と
    を更に有し、
    前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定した場合は、前記成否判定手段が、前記所定条件が成立していると判定したときに、前記第3供給制御手段による洗浄液の供給を実行し、前記所定条件が否と判定したときに、前記第2供給制御手段による洗浄液の供給を実行するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の工具洗浄装置。
  4. 前記ノズルからの洗浄液の噴射履歴を記憶する記憶部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記ノズルからの洗浄液の噴射毎に、前記記憶部に前記噴射履歴を記憶させる履歴記憶手段と、
    前記記憶部に記憶された噴射履歴に基づき、前記ノズルからの洗浄液の噴射頻度の高低を演算する演算手段と
    を更に有し、
    前記成否判定手段は、前記演算手段の演算結果に基づいて、前記所定条件が成立しているか否かを判定するようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の工具洗浄装置。
  5. 前記下限判定手段が、前記下限量以下であると判定した場合に、所定の表示を行なう表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の工具洗浄装置。
  6. 着脱可能に工具が装着され、装着されている工具を用いて、ワークに対する加工を行なう加工部と、
    該加工部に装着される工具を洗浄する請求項1乃至5の何れか一項に記載の工具洗浄装置と
    を備えることを特徴とする工作機械。
JP2014060744A 2014-03-24 2014-03-24 工具洗浄装置及び工作機械 Active JP6311386B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060744A JP6311386B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 工具洗浄装置及び工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060744A JP6311386B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 工具洗浄装置及び工作機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015182176A true JP2015182176A (ja) 2015-10-22
JP6311386B2 JP6311386B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=54349325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014060744A Active JP6311386B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 工具洗浄装置及び工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6311386B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019089314A (ja) * 2017-11-16 2019-06-13 ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング 3次元の物体を付加製造する装置
JP2019155580A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 ブラザー工業株式会社 洗浄機構及び洗浄方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5027181A (ja) * 1973-07-14 1975-03-20
JP2000304193A (ja) * 1999-04-22 2000-11-02 Fuoogeru Japan Kk 間欠給油潤滑装置の制御装置
JP2010234472A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Brother Ind Ltd 工作機械及び工作機械の工具交換処理方法
JP2011083874A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Brother Industries Ltd 工作機械の工具洗浄装置
JP2011148047A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Brother Industries Ltd 工作機械の工具洗浄装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5027181A (ja) * 1973-07-14 1975-03-20
JP2000304193A (ja) * 1999-04-22 2000-11-02 Fuoogeru Japan Kk 間欠給油潤滑装置の制御装置
JP2010234472A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Brother Ind Ltd 工作機械及び工作機械の工具交換処理方法
JP2011083874A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Brother Industries Ltd 工作機械の工具洗浄装置
JP2011148047A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Brother Industries Ltd 工作機械の工具洗浄装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019089314A (ja) * 2017-11-16 2019-06-13 ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング 3次元の物体を付加製造する装置
US11312073B2 (en) 2017-11-16 2022-04-26 Concept Laser Gmbh Apparatus for additively manufacturing of three-dimensional objects
JP2019155580A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 ブラザー工業株式会社 洗浄機構及び洗浄方法
JP7031395B2 (ja) 2018-03-16 2022-03-08 ブラザー工業株式会社 洗浄機構及び洗浄方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6311386B2 (ja) 2018-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101053720B1 (ko) 공작 기계
US10695882B2 (en) Cutting fluid supply device of machine tool
JP4841280B2 (ja) スリットノズル洗浄方法
EP2070626A2 (en) Wire-cut electric discharge machine having water level abnormality detection function and water level abnormality alarm generation cause specifying method
JP5482359B2 (ja) 工具洗浄装置
JP6311386B2 (ja) 工具洗浄装置及び工作機械
JP6331474B2 (ja) 工作機械の洗浄液濾過装置
CN109127538B (zh) 多工位喷头自动清洗设备及清洗方法
JP2006272494A (ja) 工作機械用洗浄装置
JP5402668B2 (ja) 工作機械の工具洗浄装置
JP2010188480A (ja) 工作機械及び工作機械のクーラント液監視方法
JP5960236B2 (ja) ロボットによる洗浄システムを有する放電加工機
JP5321404B2 (ja) 工作機械の工具洗浄装置
JP5321412B2 (ja) 工作機械の工具洗浄装置
JP5892705B2 (ja) 工作機械の加工液タンク
JP6482446B2 (ja) 工作機械の制御装置
CN108687566B (zh) 清洗装置和清洗方法
JP6181709B2 (ja) 工作機械の制御装置
JP6408316B2 (ja) 加工装置
JP7031395B2 (ja) 洗浄機構及び洗浄方法
JP5482219B2 (ja) 工作機械の工具洗浄装置
KR20140087690A (ko) 공작기계의 칩 쌓임 방지용 노즐 시스템
JP6316704B2 (ja) 放電加工機の加工液供給装置
JP2008228787A (ja) ミシンのオイルタンク
CN207789378U (zh) 一种高精度晶体内圆切割机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6311386

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150