JP5482359B2 - 工具洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主軸に装着する工具表面に付着した切粉等を洗浄する工作機械の工具洗浄装置に関するものである。
従来、工作機械は、フライス加工、穴あけ加工、ねじ立て加工等の多種類の加工を、工具を自動交換することで実行する。工作機械は、工具マガジンと工具交換装置とを備えている。工具マガジンは、複数種類の工具を工具ホルダに保持した状態で収納している。工具マガジンは、必要な工具を交換位置に送り出す。工具交換装置は、交換位置で工具を受け取る。工具交換装置は、受け取った工具を搬送して工作機械の主軸に取付ける。同時に工具交換装置は、使用を終えた工具を主軸から取外す。工具交換装置は、取外した工具を交換位置に搬送して工具マガジンに戻す。
工具ホルダは、主軸装着部と工具保持部とを備えている。主軸装着部は、略円錐形状を有している。工具保持部は、ドリル、タップ等の工具を保持する。主軸は、工具取付穴を備えている。工具取付穴は、主軸装着部に対応する円錐形の穴である。主軸は、工具取付穴の奥にドローバーを備えている。
工具交換装置は、工具ホルダの主軸装着部を工具取付穴に嵌め込む。ドローバーは、主軸装着部の端部を掴んで引き上げ、主軸に工具ホルダを固定する。主軸装着部の外周面は、工具取付穴に密着することで主軸と工具とを同心上に位置決めする。
主軸は、加工室の内部に位置している。加工室の内部には、加工によって発生した切粉が存在する。切粉は、主軸に取付ける前の工具ホルダに付着することがある。一部の切粉は、主軸装着部の外周面と工具取付穴との間に入り込む。
工具は、主軸装着部に付着した切粉の影響で主軸に対して正しく位置決めできない。それ故、工具は、偏心した状態で回転し、加工精度が低下するという問題がある。付着した切粉量が多い場合、工具は、主軸に取付けできない。作業者は、加工を停止して、工具ホルダ及び主軸に付着した切粉を取除く必要がある。
特許文献1に記載の工作機械は、工具洗浄装置を備える。工具洗浄装置は、主軸に取付ける前の工具を洗浄する。工具洗浄装置は、主軸の先端部に洗浄液を噴出する噴射ノズルを備えている。噴射ノズルは、洗浄液供給源と空気供給源とに接続してある。洗浄液は、加工中に工具と加工物とを冷却する冷却液を兼用している。洗浄液供給源は、洗浄液(冷却液)を収納するタンクと、洗浄液(冷却液)を送り出すポンプとを備える。ポンプは、タンク内の洗浄液を噴射ノズルの噴出口まで送る。ポンプは、冷却液の供給を主目的としている。ポンプの吐出圧は、0.03MPa程度である。ポンプの吐出圧は、噴射ノズルから冷却液を噴出する圧力としては十分ではない。
空気供給源は、洗浄液の噴出を補助する空気を噴射ノズルに供給する。洗浄液は、該空気の作用で噴射ノズルから高速度で噴出する。洗浄液は、工具及び工具ホルダに当り、該工具及び工具ホルダに付着した切粉を洗い流す。
特開2002−273640号公報
しかしながら、特許文献1の工具洗浄装置において、噴射ノズルは、洗浄液及び空気の混合物を噴出する。該洗浄液及び空気の混合物は、噴射ノズルから勢いよく噴出するが、洗浄液は、空気により分散することがある。それ故、従来の工具洗浄装置は、切粉を良好に除去するために長い洗浄時間を必要とする。従来の工具洗浄装置を備える工作機械は、工具洗浄を含む工具交換の所要時間が長く、加工時間が長くなるという問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、多くの洗浄液を安定して噴出することができ、短時間で工具を良好に洗浄することができる工具洗浄装置を提供することである。
この目的を達成するために、請求項1記載の工具洗浄装置は、洗浄液を貯留するタンクと、洗浄液を噴出可能なノズル手段と、該ノズル手段と前記タンクとを接続してあり、前記タンク内の洗浄液を前記ノズル手段に供給する洗浄液通路とを備え、工作機械の主軸に装着する前の工具を、前記洗浄液通路を経て前記ノズル手段から噴出する洗浄液で洗浄する工具洗浄装置において、前記洗浄液通路上に、該洗浄液通路内を流れる前記洗浄液を一旦貯留する貯留部と、前記貯留部と前記ノズル手段との間の前記洗浄液通路に設け、空気圧の作用により該洗浄液通路を開閉する給液弁と、前記給液弁と空圧源を接続する第一空気路と、前記第一空気路を開閉する第一電磁弁と、前記空圧源と前記貯留部を接続する第二空気路と、空気圧の作用により前記第二空気路を開閉する加圧弁と、前記第一電磁弁より下流側の前記第一空気路と前記加圧弁を接続する第三空気路と、前記貯留部と接続し該貯留部内の空気圧を外部に排出する排圧通路と、空気圧の作用により前記排圧通路を開閉する排圧弁と、前記排圧弁と前記空圧源を接続する第四空気路と、前記第四空気路を開閉する第二電磁弁と、前記第一電磁弁と前記第二電磁弁を開閉制御する制御装置を備え、該制御装置は、前記第一電磁弁によって前記第一空気路を開とすることで前記給液弁を開とし、第三空気路を経由した空気圧が前記加圧弁を開とし、且つ前記第二電磁弁によって前記第四空気路を開とすることで前記排圧弁を閉として前記ノズル手段に洗浄液を供給すると共に前記第二空気路を経由した空気圧を前記貯留部内に導く洗浄動作と、前記第一電磁弁によって前記第一空気路を閉とすることで前記給液弁及び前記加圧弁を閉とし、且つ前記第二電磁弁によって前記第四空気路を閉とすることで前記排圧弁を開として前記貯留部に洗浄液を貯留する貯留動作と、前記第一電磁弁によって前記第一空気路を閉とし、前記第二電磁弁によって前記第四空気路を開とすることで前記給液弁、前記加圧弁及び排圧弁を閉として待機する待機動作とを実行する
ノズル手段は、貯留部内に貯留した洗浄液を噴出する。貯留部は、ノズル手段の近くに位置する。貯留部内の洗浄液は、短い通路を経てノズル手段に達する。ノズル手段は、通路抵抗、ポンプの脈動等の影響を受けずに洗浄液を安定して噴出する。
制御装置は、洗浄の際に、第一電磁弁によって第一空気路を開として給液弁を開とし、第三空気路を経由した空気圧が加圧弁を開とする。第二電磁弁によって第四空気路を閉とすることで排圧弁を閉とする。排圧弁が閉となっているので空圧源の空気圧は第二経路を経由して貯留部内に流れ貯留部内の洗浄液は加圧状態となる。加圧状態となった洗浄液はノズル手段から勢いよく噴出する。制御装置は、洗浄終了後に、第一電磁弁によって第一空気路を閉とすることで給液弁及び加圧弁を閉とし、且つ第二電磁弁によって第四空気路を開とすることで排圧弁を開とする。貯留部は、洗浄液を抵抗なく貯留する。制御装置は、貯留完了後に、第一電磁弁によって第一空気路を閉とし、第二電磁弁によって第四空気路を開とすることで給液弁、加圧弁及び排圧弁を閉とする。貯留部は、洗浄液を貯留した状態を維持する。ノズル手段は、次の噴出まで待機する。制御装置は、給液弁、加圧弁及び排圧弁の開閉を制御することで、洗浄液の噴出及び貯留を実行することができる。
請求項の工具洗浄装置は、前記貯留部内の液量を検出する液量検出器を更に備えており、前記制御装置は、前記液量検出器の検出液量が所定量に達するまで前記貯留動作を実行する。
貯留部は、所定量の洗浄液を貯留することができる。ノズル手段は、貯留部の貯留液を噴出する。ノズル手段は、所定量の洗浄液を不足なく噴出し、工具及び工具ホルダを確実に洗浄することができる。
請求項の工具洗浄装置は、前記タンクと前記貯留部との間の前記洗浄液通路上に配置してあり、前記貯留部から前記タンクに向かう洗浄液の流れを止める逆止弁を更に備えている。
逆止弁は、貯留部内に貯留した洗浄液が逆流することを防止する。ノズル手段は、貯留部内の洗浄液の全量を噴出することができる。
請求項の工具洗浄装置は、前記タンクと前記貯留部との間の前記洗浄液通路上に配置してあり、該洗浄液通路を開閉する開閉弁を更に備えている。
開閉弁は、洗浄中に閉とすることで、貯留部内に貯留した洗浄液が逆流することを防止する。ノズル手段は、貯留部内の洗浄液の全量を噴出することができる。
請求項の工具洗浄装置は、前記開閉弁は、洗浄液を排出する切換え位置を有し、該開閉弁と前記貯留部との間の前記洗浄液通路上に配置したフィルタを備え、前記待機動作中に前記制御装置は、前記開閉弁を前記切換え位置として、前記貯留部内の洗浄液を前記フィルタに逆向きに流し、該フィルタを洗浄するフィルタ洗浄動作を実行する。
制御装置は、洗浄動作後の開閉弁を排出可能な切換え位置に切り換える。貯留部内の洗浄液は、フィルタ内を逆向きに流れ、該フィルタが取除いた異物を洗い流す。洗浄後のフィルタは、清浄な状態に保つことができる。
請求項の工具洗浄装置において、前記ノズル手段は、前記主軸を支持する主軸ヘッドの先端部に配置してある。
ノズル手段は、主軸ヘッドの先端部で洗浄液を噴出する。洗浄液は、主軸に取付ける前の工具及び工具ホルダに当る。工具及び工具ホルダは、確実に洗浄する。工具及び工具ホルダの取付け不良は、良好に防止できる。
以上説明したことから明らかなように、請求項1記載の工具洗浄装置によれば、ポンプの容量を変更することなく、洗浄液の供給安定性と応答性とを備えた高圧力の洗浄液を噴射可能な工具洗浄装置を得ることができる。
また給液弁を開閉することで貯留部に洗浄液を貯留したり、工具を洗浄したりすることができる。
また洗浄液は、空圧源により勢いよく噴出し、工具及び工具ホルダを確実に洗浄する。排圧通路は、排圧弁を開とすることで貯留部内を排圧する。貯留部は、洗浄液を抵抗なく貯留することができる。
また待機状態時に空圧源の空気の消費を抑えることができる。
また、請求項記載の工具洗浄装置によれば、液量検出器が検出するまで貯留部に洗浄液を貯留するため、洗浄液の不足が発生することがない。
また、請求項記載の工具洗浄装置によれば、逆止弁が洗浄液の逆流を防ぐため、貯留部内の洗浄液をノズルから効率よく噴出することができる。
また、請求項記載の工具洗浄装置によれば、開閉弁が洗浄液の逆流を防ぐため、貯留部内の洗浄液をノズルから効率よく噴出することができる。
また、請求項記載の工具洗浄装置によれば、貯留部内の洗浄液は、該フィルタが取除いた異物を洗い流すため、フィルタの詰まりを防止し、長期に亘って良好な洗浄動作を実行することができる。
また、請求項記載の工具洗浄装置によれば、ノズル手段が前記主軸を支持する主軸ヘッドの先端部に配置されるため、工具が主軸に装着される直前で工具洗浄が可能であり、工具装着時の切粉等の噛み込みを確実に防止できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1〜図3に示すように、工作機械1は、鋳鉄製の基台2で床面上に支持してある。工作機械1は、制御箱3及びコラム4を備えている。コラム4は、基台2中央部に垂直に立ち上がる支柱である。工作機械1は、コラム4の前側(図1、2の左側)に設けた加工室の内部で加工を実施する。制御箱3は、コラム4の後側(図1、2の右側)に取付けてある。制御箱3は、その内部に制御部9(図8参照)を収容している。コラム4は、その前部に主軸ヘッド5(図3参照)を支持している。主軸ヘッド5は、コラム4に沿って加工室の内部で上昇及び下降することができる。
図3に示すように、主軸ヘッド5は、その下部に主軸6を備えている。主軸ヘッド5は、その上部に駆動機構7を備えている。主軸ヘッド5は、駆動機構7の駆動で上昇及び下降する。主軸6は、上下方向の軸を中心として回転する。
工作機械1は、更に、ATC(自動工具交換装置)8と、工具洗浄装置とを備えている。図3、4に示すように、ATC8は、工具マガジン17と工具交換機構18とを備えている。工具マガジン17は、主軸ヘッド5の右側に配置してある。工具交換機構18は、主軸ヘッド5と工具マガジン17との間に配置してある。
図4に示すように、工具マガジン17は、チェーン16に取付けた複数の工具ポッド15を備える。工具ポッド15は、工具20を取付けた工具ホルダ21(図6参照)を保持する。工具ポッド15は、チェーン16が循環することで移動し、工具20及び工具ホルダ21を交換位置(図4の下位置)に搬送する。交換位置で工具ポッド15は、傾倒機構(図示省略)により傾倒される。
図5に示すように、工具交換機構18は、交換アーム 18aを備えている。交換アーム18aは、主軸6と平行な軸を中心として旋回し、且つ上昇及び下降する。交換アーム18aは、その両端部に掴み部18bを有する。掴み部18bは、交換アーム18aが旋回することで、工具収納部17の交換位置と主軸6の下位置とに移動する。一方の掴み部18bは、交換位置で工具ホルダ21を掴む。他方の掴み部18bは、主軸6の下位置で工具ホルダ21を掴む。
交換アーム18aは、工具ホルダ21を掴んだ状態で下降する。工具20及び工具ホルダ21は、工具ポッド15及び主軸6から外れる。交換アーム18aは、下降後に180°旋回する。工具20及び工具ホルダ21は、交換位置から主軸6の下位置に、又は主軸6の下位置から交換位置に移動する。交換アーム 18aは、旋回後に上昇し、工具20及び工具ホルダ21を主軸6又は工具ポッド15に嵌め込む。
図6に示すように、工具ホルダ21は、主軸装着部21a及び工具保持部21bを備える。工具保持部21bは、直径の異なる2つの円柱部で構成している。下方の円柱部は、工具20を把持する。上方の円柱部の直径は、下方の円柱部の直径よりも大きい。主軸装
着部21aは、円柱部の上面に連続する略円錐状部分である。
主軸6は、その下面に開口する工具取付穴19を備えている。工具取付穴19は、主軸装着部21aと対応する円錐形状を有する。工具ホルダ21は、工具取付穴19に主軸装着部21aを嵌め込むことで主軸6に取付ける。工具ホルダ21及び工具20は、主軸装着部21aを工具取付穴19に密着し、且つ工具保持部21b上方の円柱部上端面21cを主軸6下面に密着することで位置決めする。
主軸ヘッド5は、主軸6を回転自在に支持する。主軸ヘッド5は、その下端に環状の主軸キャップ22を備えている。主軸キャップ22は、主軸ヘッド5下面に複数のボルト23で固定してある。主軸6下面は、主軸キャップ22の中心穴から露出する。主軸6下面と主軸キャップ22との間は、環状の端面カバー24で塞いである。端面カバー24は、主軸6下面に固定し、主軸キャップ22の下面に当接してある。主軸6に取付けた工具20は、該主軸6と共に回転する。工具20は、主軸ヘッド5が上昇及び下降することで上下方向に移動する。工具20は、加工室内で加工物を加工する。加工物は、加工室内の加工テーブルと共に水平方向に移動する。
工作機械1は、工具洗浄装置を備えている。工具洗浄装置は、工具20及び工具ホルダ21を主軸6に取付ける前に洗浄する。主軸キャップ22は、その下面に液溝25を有している。液溝25は、主軸キャップ22下面に設けた環状溝である。液溝25は、端面カバー24の外周よりも外側に形成してある。液溝25は、主軸キャップ23下面に取付けた環状の噴射ノズル形成部材26で塞いである。噴射ノズル形成部材26は、その下面に開口する環状の噴射ノズル穴29を有している。噴射ノズル形成部材26は、主軸6下端面と略同じ高さの下面を有する。噴射ノズル穴29は、主軸ヘッド5及び主軸6の中心に向けて斜めに形成してある。液溝25は、主軸キャップ22に設けた液供給穴27に連なる。液供給穴27は、主軸キャップ22外周に開口している。液供給穴27は、洗浄液ホース28に接続してある。洗浄液ホース28は、洗浄液を供給する。洗浄液は、液供給穴27を経て液溝25内に入り、噴射ノズル穴29から噴出する。図6に示すように、洗浄液Aは、噴射ノズル穴29の方向に噴出し、主軸6の下に位置する工具ホルダ21及び工具20を洗浄する。噴射ノズル形成部材26及び噴射ノズル穴29は、噴射ノズル30(ノズル手段)を構成する。液溝25、液供給穴27及び洗浄液ホース28は、洗浄液通路の一部を構成する。
図1に示すように、工作機械1は、クーラントタンク10を備えている。クーラントタンク10は、貯留槽11、回収槽12、第1ポンプ13及び第2ポンプ14を備えている。貯留槽11は、加工室内に供給する冷却液(洗浄液)を貯留している。図1に示すように、貯留槽11は、箱形の容器である。回収槽12、第1ポンプ13及び第2ポンプ14は、貯留槽11上面に設置してある。
図1、図2に示すように、クーラントタンク10は、基台2の後側に着脱可能である。回収槽12は、基台2の排出部2aに接続可能である。回収槽12は、加工室内で排出部2aに集まる使用済の冷却液(洗浄液)を回収する。回収槽12は、貯留槽11に連続している。回収槽12内の冷却液(洗浄液)は、濾過装置(図示を省略する)を通って貯留槽11内に戻る。
第1ポンプ13及び第2ポンプ14は、貯留槽11内の冷却液(洗浄液)を吸い上げて加工室内に送り出す。第1ポンプ13は、冷却液及び洗浄液兼用のポンプである。図7に示すように、第1ポンプ13の吐出側は、第1冷却液管31に接続してある。第1冷却液管31は、加工室内部に延びている。冷却液は、第1冷却液管31の先端に設けた冷却液噴射ノズル(図示を省略する)から加工室内に噴出する。冷却液は、加工中の工具及び加
工物を冷却する。
第2ポンプ14は、冷却液専用のポンプである。第2ポンプ14の吐出側は、第2冷却液管(図示を省略する)に接続してある。第2冷却液管は、加工室内部に延びている。冷却液は、第2冷却液管先端に設けた冷却液噴射ノズル(図示を省略する)から加工室内に噴出する。第1ポンプ13の吐出圧力は、0.030〜0.045MPaである。第2ポンプ14の吐出圧力は、第1ポンプ13の吐出圧力よりも大きい。第2ポンプ14が送り出す冷却液は、加工中の工具及び加工物を冷却し、且つ加工部で発生する切粉を洗い流す。
第1冷却液管31は、その途中で洗浄液管32に分岐する。洗浄液管32は、洗浄液ホース28を介して噴射ノズル30に接続してある。洗浄液は、第1ポンプ13が送り出す冷却液の一部である。洗浄液は、洗浄液管32及び洗浄液ホース28内を流れる。前述したように、洗浄液ホース28を流れる洗浄液は、液供給穴27及び液溝25を経て噴射ノズル穴29から噴出する。噴射ノズル30から噴出する洗浄液は、工具ホルダ21及び工具20を洗浄する。洗浄を終えた洗浄液は、前述したように、基台2上の排出部2aに落下し、回収槽12を経て貯留槽11内に戻る。
工具洗浄装置の洗浄液通路は、第1冷却液管31の一部、洗浄液管32及び洗浄液ホース28と、液供給穴27及び液溝25とで構成してある。図7に示すように、洗浄液管32は、その途中に、フィルタ33、逆止弁34及び給液弁35を備えている。フィルタ33は、洗浄液中の異物を取除く。逆止弁34は、フィルタ33の下流側に配置してある。逆止弁34は、洗浄液管32内を噴射ノズル30に向かう流れを通し、且つ第1冷却液管31に向かう逆流を止める。
給液弁35は、逆止弁34の下流側に配置してある。図7に示すように、給液弁35は、通常時には閉位置にある。給液弁35は、空気路40(第一空気路)を介して空圧源39に接続してある。給液弁35は、空気路40が供給する空気圧の作用で開位置に切り換わる。噴射ノズル30は、給液弁35が開となっている間に洗浄液を噴出する。
空気路40は、その途中に第1電磁弁43を備えている。図7に示すように、第1電磁弁43は、通常時には閉位置にある。空気路40内に残る空気は、消音部43aで消音して放出する。第1電磁弁43は、制御部9(制御装置に相当する)が与える開指令に従って開位置に切り換わる。空圧源39は、第1電磁弁43が開となることで、空気路40を経て給液弁35に空気圧を供給する。噴射ノズル30は、第1電磁弁43を開とすることで洗浄液を噴出する。空圧源39は、工作機械1を設置する工場内の装備品を利用することができる。空圧源39が確保できない場合、給液弁35は、制御部9の動作指令で開閉する電磁弁とすればよい。
洗浄液管32は、その途中に、貯留部50を更に備えている。貯留部50は、その内部に所定量の洗浄液の貯留が可能な容器である。貯留部50は、逆止弁34と給液弁35との間に配置してある。洗浄液管32内の洗浄液は、給液弁35が閉となっている間に貯留部50に流れ込む。貯留部50は、洗浄液管32から流れ込む洗浄液を一旦貯留する。図1、2に示すように貯留部50は、コラム4の後面に、制御箱3と並べて取付けてある。
図7に示すように、貯留部50の上部は、空気路42(第二空気路)を介して空圧源39に接続してある。空気路42は、その途中に、絞り弁48、加圧弁45及び逆止弁49を備えている。加圧弁45は、通常時には閉位置にある。加圧弁45は、空気路46が供給する空気圧の作用で開位置に切り換わる。空気路42内の空気は、加圧弁45が開となっている間に貯留部50内に流れ込む。貯留部50内の圧力は、空気路42を経て流れ込む空気圧の作用で上昇する。空気路46(第三空気路)は、空気路40の途中で分岐する。加圧弁45は、給液弁35と同時に開位置に切り換わる。貯留部50内の空気圧は、該貯留部50内に貯留した洗浄液を洗浄液管32内に押し出す。洗浄液は、給液弁35を経て噴射ノズル30から勢いよく噴出する。
絞り弁48は、可変絞り弁である。絞り弁48は、空圧源39から給気の許可又は給気の禁止を選択する。絞り弁48は、通常、給気の許可を選択する。逆止弁49は、貯留部50から空気の逆流を止める。
図7に示すように、貯留部50は、その上部に接続した排圧通路37を備えている。排圧通路37は、その途中に排圧弁38を備えている。排圧弁38は、通常時には開位置にある。排圧弁38が開位置にある場合、排圧通路37は、貯留部50内の空気圧を排圧弁38を経てクーラントタンク10に排出する。
排圧弁38は、空気路41(第四空気路)が供給する空気圧の作用で閉位置に切り換わる。空気路41は、その途中に第2電磁弁44を備えている。第2電磁弁44は、通常時には閉位置にある。第2電磁弁44は、空気路41内に残る空気を消音部44aで消音して放出する。第2電磁弁44は、制御部9が与える開指令に従って開位置に切り換わる。空圧源39は、第2電磁弁44が開となることで、空気路41を経て排圧弁38に空気圧を供給する。排圧弁38は、排圧通路37を閉じて貯留部50を密閉する。貯留部50内の空気圧は、第1,第2電磁弁43,44が開となる(オンする)ことで上昇する。貯留部50内の空気圧は、第1,第2電磁弁43,44が閉となる(オフする)ことで低下する。
貯留部50は、液面センサ36を備えている。液面センサ36は、貯留部50の底から所定の高さ位置に取付けてある。液面センサ36は、貯留部50内の洗浄液の液面が液面センサ36の取付け高さに達したときにオンとなる。液面センサ36の取付け位置は、貯留部50内の貯留液量が、1回の洗浄で噴射ノズル30の噴出する洗浄液の量となるように定めてある。噴射ノズル30は、1回の洗浄で、例えば、5秒間洗浄液を噴出する。
図8に示すように、制御部9は、CPU9a、ROM9b、RAM9c、入力インターフェイス9d及び出力インターフェイス9eを、バス9fで接続してあるコンピュータである。制御部9は、ROM9bに格納した制御プログラムに従ってCPU9aが動作することで、工作機械1の加工動作全般を制御する。制御部9の制御範囲は、工具20の回転、上昇及び下降制御、加工テーブルの移動制御、ATC8の動作制御、工具洗浄装置の制御を含んでいる。図8は、工具洗浄装置の制御に関連する部分だけを示している。
入力インターフェイス9dは、操作部90、液面センサ36、及び圧力センサ91に接続してある。操作部90は、加工に必要な情報を作業者が入力するために用いる。前述したように、液面センサ36は、貯留部50内の貯留液量を検出する。圧力センサ91は、空気路40,41,42内の圧力を検出する。入力インターフェイス9dは、操作部90の入力情報と、液面センサ36及び圧力センサ91の検出結果とをCPU9aに与える。
出力インターフェイス9eは、第1ポンプ13の駆動回路82、第1電磁弁43の駆動回路83及び第2電磁弁44の駆動回路84に接続してある。CPU9aは、出力インターフェイス9eを介して駆動回路82に動作指令を与え、第1ポンプ13を駆動する。CPU9aは、出力インターフェイス9eを介して駆動回路83に開指令を与え、第1電磁弁43を開(オン)とする。CPU9aは、出力インターフェイス9eを介して駆動回路84に開指令を与え、第2電磁弁44を開(オン)とする。
第1電磁弁43がオンした場合、給液弁35は、空圧源39からの給気によって開とな
る。前述したように、噴射ノズル30は、給液弁35が開となることで洗浄液を噴出する。
第1電磁弁43がオンした場合、加圧弁45は、空圧源39からの給気によって開となる。第2電磁弁44がオンした場合、排圧弁38は、空圧源39からの給気によって閉となる。貯留部50内の圧力は、空気路42を経て流れ込む空気圧の作用で上昇し、貯留部50内の貯留液を洗浄液管32内に押し出す。洗浄液は、噴射ノズル30から高速度で噴出し、工具20及び工具ホルダ21を洗浄する。
給液弁35及び加圧弁45は、第1電磁弁43がオフすることで閉となる。排圧弁38は、第2電磁弁44がオフすることで開となる。給液弁35は、噴射ノズル30への洗浄液の送給を遮断する。貯留部50内の圧力は、加圧解除と排圧とで低下する。洗浄液管32内の洗浄液は、貯留部50に流れ込み、該貯留部50内に溜まる。
制御部9のCPU9aは以下の手順(図9参照)で洗浄動作を実行する。CPU9aは、所定の周期で該手順を実行する。CPU9aは、各種信号を読込む(S1)。各種信号は、液面センサ36の検出信号、圧力センサ91の検出信号等である。CPU9aは、空気路40,41,42内の空気圧が正常であるか判定する(S2)。S2の判定は、圧力センサ91の検出信号に基づいて実施する。空気圧が正常でない場合(S2:No)、CPU9aは、第1電磁弁43及び第2電磁弁44をオフとして(S15)、洗浄動作を実行しない。
空気圧が正常である場合(S2:Yes)、CPU9aは、第1ポンプ13の駆動状態を判定する(S3)。第1ポンプ13が非駆動状態である場合(S3:No)、CPU9aは、洗浄動作を実行しない。
第1ポンプ13が駆動状態である場合(S3:Yes)、CPU9aは、液面センサ36の検出信号を調べる(S4)。液面センサ36がオフである場合(S4:No)、CPU9aは、貯留部50内の洗浄液量が不足していると判定し(S14)、第1電磁弁43及び第2電磁弁44をオフとする(S9)。液面センサ36がオンである場合(S4:Yes)、CPU9aは、工具交換指令の有無を判定する(S5)。工具交換指令がない場合(S5:No)、CPU9aは、洗浄動作を実行しない。CPU9aは、後述する加工プログラム処理制御において、加工プログラムに従って各機構を制御する際、工具交換指令を実行する前にRAM9cに工具交換指令であることを記憶する。CPU9aは、工具交換指令が有るか否かについてRAM9cを参照して判定する。CPU9aは、加工プログラム処理制御を所定の周期で実行する。
CPU9aは、空気路40,41,42内の空気圧が正常(S2:Yes)であり、第1ポンプ31が駆動状態(S3:Yes)にあって、且つ、貯留部50内の貯留液量が十分である場合に、工具交換指令がある(S5:Yes)ことを条件として洗浄動作を実行する。
CPU9aは、第1電磁弁43及び第2電磁弁44をオンとする(S6)。給液弁35は、開となる。貯留部50は、空気圧の作用で貯留液を押し出す。噴射ノズル30は、洗浄液を勢いよく噴出する。
CPU9aは、ATC8の動作を許可する(S7)。ATC8は、CPU9aが動作を許可することで、図示しない工具交換処理において工具交換を開始する。尚、工具交換処理は、ROM9bに格納したプログラムである。工具交換の開始を許可するとCPU9aは、前述した割り込み処理とは、別の割り込み処理で工具交換処理を実行する。
CPU9aは、液面センサ36の検出信号を調べる(S8)。液面センサ36がオフである場合(S8:Yes)、CPU9aは、第1電磁弁43及び第2電磁弁44をオフとする(S9)。噴射ノズル30は、洗浄液の噴出を終了する。
液面センサ36がオフでない場合(S8:No)、CPU9aは、工具交換が完了したか否かを判定する(S13)。工具交換中である場合(S13:No)、CPU9aは、S8及びS13の判定を繰り返す。工具交換が完了した場合(S13:Yes)、CPU9aは、第1電磁弁43及び第2電磁弁44をオフとする(S9)。
工具交換が完了したか否かは、主軸ヘッド5のZ軸方向の位置が工具交換完了位置に到達したか否かで判定する。主軸ヘッド5のZ軸方向の位置は、エンコーダ(図示を省略する)で検出する。
噴射ノズル30は、給液弁35が閉となることで洗浄液の噴出を終了する。貯留部50の内圧は、加圧弁45が閉となり、且つ排圧弁38が開となることで低下する。洗浄液管32内を流れる洗浄液は、貯留部5 BR>Oに流れ込み、該貯留部50内に溜まる。
噴射ノズル30は、貯留部50内の貯留液が少なくなるまで、又は工具交換が終了するまで洗浄液を噴出する。貯留部50は、その内部に貯留した洗浄液を押し出す。それ故、噴射ノズル30は、勢いよく洗浄液を噴出し、工具20及び工具ホルダ21を良好に洗浄することができる。
貯留部50は、噴射ノズル30の近くに位置する。洗浄液は、短い距離を流れて噴射ノズル30から噴出する。貯留部50と噴射ノズル30との間の通路抵抗は小さい。洗浄液は、高い応答性で安定して噴出することができる。
給液弁35、排圧弁38及び加圧弁45は、空気圧の作用で開となる。それ故、排圧弁38及び加圧弁45は、電気で作用する電磁弁と比較して安全である。給液弁35及び加圧弁45は、第1電磁弁43をオンすることで同時に開となる。それ故、貯留部50内の加圧と噴射ノズル30の噴出とが同期し、噴射ノズル30は、洗浄液を確実に噴出することができる。
第1電磁弁43及び第2電磁弁44をオフとした後、CPU9aは、内蔵タイマT2の計時を開始する(S10)。CPU9aは、内蔵タイマT2の計時が所定時間(例えば5秒)に達したか否かを判定する(S11)。内蔵タイマT2の計時が所定時間に達した場合(S11:Yes)、CPU9aは、第2電磁弁44をオンして洗浄動作を終了する。排圧弁38は、閉となり貯留部50を密閉する。洗浄液は、貯留部50に流れ込まない。貯留部50は、次の洗浄動作まで洗浄液の貯留状態を維持する。CPU9aは、液面センサ36の検出結果に基づいて第2電磁弁44をオンしてもよい。貯留部50は、所定量の洗浄液を確実に貯留することができる。
(実施形態2)
図10、図11を参照して実施形態2の工具洗浄装置について説明する。実施形態2の工具洗浄装置において、貯留部50は、洗浄液管32途中に介装してある。洗浄液管32は、フィルタ33と貯留部50の間に配置した開閉弁52を備えている。開閉弁52は、通常時には閉位置にある。閉位置にある開閉弁52は、洗浄液管32内を第1冷却液管31に向かう洗浄液の逆流を止める。
開閉弁52は、空気路41が供給する空気圧の作用で開位置に切り換わる。開位置となった開閉弁52は、貯留部50に向かう洗浄液の流れを許容する。空気路41は、その途
中に第4電磁弁57を備えている。第4電磁弁57は、通常時には閉位置にある。第4電磁弁57は、空気路41内に残る空気を消音部 57aで消音して放出する。第4電磁弁57は、制御部9が与える開指令に従って開位置に切り換わる。
貯留部50は、上部に接続した排圧通路37を備えている。排圧通路37は、加圧通路を兼ねている。排圧通路37は、その途中の第3電磁弁55を有している。第3電磁弁55は、通常時には排圧位置にある。排圧通路37は、貯留部50内部の圧力を加工室に排出する。第3電磁弁55は、制御部9が与える動作指令で加圧位置に切り換わる。排圧通路37は、空気路42を介して空圧源39に連なる加圧通路となる。空圧源39から供給する空気は、貯留部50内を加圧する。
貯留部50は、フロート式液面センサ53と圧力スイッチ54とを備えている。フロート式液面センサ53は、センサ本体 53aと2つの近接スイッチ(第1近接スイッチ53b及び第2近接スイッチ53c)とを有している。センサ本体 53aは、貯留部50内の液面の上昇及び下降に従って上下方向に移動する。近接スイッチ53b,53cは、センサ本体53aが近接したときにオンとなる。近接スイッチ53b,53cは、上下方向に離れて配置してある。制御部9は、近接スイッチ53bがオンすることで貯留部50内の液面が高位置にあることを認識する。制御部9は、近接スイッチ53cがオンすることで貯留部50内の液面が低位置にあることを認識する。
圧力スイッチ54は、貯留部50内の圧力が所定圧以上のときにオン信号を制御部9に出力する。制御部9は、圧力スイッチ54がオンすることで貯留部50内が加圧状態にあることを認識する。
実施形態2の工具洗浄装置は、以下の手順(図11参照)で工具20及び工具ホルダ21の洗浄を実行する。図11のS21〜S23は、実施形態1のS1〜S3と同じである。空気圧が正常でない場合(S22:No)、CPU9aは、第1電磁弁43、第3電磁弁55及び第4電磁弁57をオフとして(S37)、洗浄動作を実行しない。
空気圧が正常である場合(S22:Yes)、CPU9aは、第1ポンプ13の駆動状態を判定する(S23)。第1ポンプ13が非駆動状態である場合(S23:No)、CPU9aは、洗浄動作を実行しない。
第1ポンプ13が駆動状態である場合(S23:Yes)、CPU9aは、工具交換指令の有無を判定する(S24)。工具交換指令がない場合(S24:No)、CPU9aは、洗浄動作を実行しない。工具交換指令がある場合(S24:Yes)、CPU9aは、第1電磁弁43及び第3電磁弁55をオンとして、工具交換動作を許可する(S25)。第3電磁弁55は、加圧位置となり、貯留部50内を加圧する。給液弁35は、同時に開となる。貯留部50内の貯留液は、給液弁35を経て噴射ノズル30から噴出する。
貯留部50内の加圧は、該貯留部50内の貯留液を押し出す。洗浄液は、噴射ノズル30から勢いよく噴出する。噴射ノズル30は、貯留部50内の貯留液が少なくなるまで、又は工具交換が完了するまで洗浄液を噴出する。工具20及び工具ホルダ21は、噴射ノズル30から勢いよく噴出する十分な量の洗浄液で良好に洗浄することができる。
CPU9aは、圧力スイッチ54のオン、オフを判定する(S26)。圧力スイッチ54がオンである場合(S26:Yes)、CPU9aは、第2近接スイッチ 53cのオン、オフを判定する(S27)。第2近接スイッチ 53cがオフである場合(S27:No)、CPU9aは、工具交換が完了したか否かを判定する(S31)。工具交換中である場合(S31:No)、CPU9aは、処理をS26へ移行する。
第2近接スイッチ53cがオンとなった場合(S27:Yes)、又は工具交換が完了した場合(S31:Yes)、CPU9aは、第1電磁弁43及び第3電磁弁55をオフとし、且つ第4電磁弁57をオンとする(S28)。給液弁35は、閉となる。噴射ノズル30は、洗浄液の噴出を停止する。工具20及び工具ホルダ21の洗浄は、貯留部50内の貯留液量が不足した、又は工具交換が完了したことを条件として終了する。第3電磁弁55は、排圧位置となり、且つ開閉弁52は、開となる。貯留部50は、洗浄液管32内の洗浄液を貯留する。貯留部50内の貯留液の液面は上昇する。
CPU9aは、第1近接スイッチ53bのオン、オフを判定する(S29)。CPU9aは、第1電磁弁43及び第3電磁弁55のオフ、及び第4電磁弁57のオンを、第1近接スイッチがオンとなる(S29:Yes)まで継続する。貯留部50は、該貯留部50内の液面が高位置となるまで洗浄液を貯留する。貯留部50内の液面が高位置となった場合、CPU9aは、第3電磁弁55をオンとし、且つ第4電磁弁57をオフとする(S30)。第3電磁弁55は、加圧位置となる。給液弁35及び開閉弁52は、閉となる。空気路42内の空気は、第3電磁弁55を経て貯留部50内に入り、該貯留部50内の貯留液を加圧する。
CPU9aは、次の洗浄動作時まで貯留部50内の貯留液を加圧した状態で待機する。S25では、貯留部50内は加圧状態にある。噴射ノズル30は、開始直後から勢いよく洗浄液を噴出する。工具20及び工具ホルダ21は、高い応答性で確実に洗浄することができる。
圧力スイッチ54がオフである場合(S26:No)、CPU9aは、第1電磁弁43及び第4電磁弁57をオフとして(S32)、洗浄動作を実行しない。CPU9aは、処理をS26へ移行する。第3電磁弁55は、加圧位置を継続し貯留部50内を加圧する。貯留部50の内圧が所定圧に達した場合、CPU9aは、S27に処理を移行する。
(実施形態3)
図12〜図14を参照して実施形態3の工具洗浄装置について説明する。図12に示すように実施形態3の工具洗浄装置は、2つの貯留部(第1貯留部50a及び第2貯留部50b)を備えている。洗浄液管32は、2つの分岐管(第1分岐管32a及び第2分岐管32b)に分岐してある。第1貯留部50aは、第1分岐管32aに接続してある。第2貯留部50bは、第2分岐管32bに接続してある。
第1分岐管32aは、第1貯留部50aの上流側に第1開閉弁52を備えている。第2分岐管32bは、第2貯留部50bの上流側に第2開閉弁62を備えている。第1開閉弁52及び第2開閉弁62は、通常時には閉位置にある。閉位置にある第1開閉弁52及び第2開閉弁62は、第1冷却液管31に向かう洗浄液の逆流を止める。
第1開閉弁52及び第2開閉弁62は、制御部9が与える開指令に従って開位置に切り換わる。開位置となった第1開閉弁52は、第1貯留部50aに向かう洗浄液の流れを許容する。開位置となった第2開閉弁62は、第2貯留部50bに向かう洗浄液の流れを許容する。
第1貯留部50aは、上部に接続した第1排圧通路37aを備える。第2貯留部50bは、上部に接続した第2排圧通路37bを備える。第1排圧通路37a及び第2排圧通路37bは、加圧通路を兼ねている。
第1排圧通路37aは、その途中に第3電磁弁55を有している。第2排圧通路37b
は、その途中に第5電磁弁66を有している。第3電磁弁55及び第5電磁弁66は、通常時には排圧位置にある。第3電磁弁55が排圧位置のとき、第1排圧通路37aは、第1貯留部50a内部の圧力を加工室に排出する。第5電磁弁66が排圧位置のとき、第2排圧通路37bは、第2貯留部50b内部の圧力を加工室に排出する。
第3電磁弁55及び第5電磁弁66は、制御部9が与える切換え指令に従って加圧位置に切り換わる。このとき、第1排圧通路 37a及び第2排圧通路37bは、空気路60を介して空圧源39に連なる加圧通路となる。空圧源39の空気圧は、貯留部50内を加圧する。
第1貯留部50aは、第1液面センサ59と第1圧力スイッチ54aとを備えている。第2貯留部50bは、第2液面センサ65と第2圧力スイッチ 54bとを備えている。第1液面センサ59及び第2液面センサ65は、実施形態2のフロート式液面センサ53と同じである。第1液面センサ59は、第1貯留部50a内の液面が高位置又は低位置にあることを検出する。第2液面センサ65は、第2貯留部50b内の液面が高位置又は低位置にあることを検出する。第1圧力スイッチ54aは、第1貯留部50aが加圧状態にあることを検出する。第2圧力スイッチ54bは、第2貯留部50bが加圧状態にあることを検出する。
第1貯留部50aと給液弁35との間には、第1切換弁58が配置してある。第2貯留部50bと給液弁35との間には、第2切換弁64が配置してある。第1切換弁58及び第2切換弁64は、通常時には閉位置にある。閉位置にある第1切換弁58は、第1貯留部50aからの洗浄液の流出を止める。閉位置にある第2切換弁64は、第2貯留部50bからの洗浄液の流出を止める。
第1切換弁58及び第2切換弁64は、制御部9の開指令に従って開位置に切り換わる。開位置となった第1切換弁58は、第1貯留部50a内の洗浄液を給液弁35に送り出す。開位置となった第2切換弁64は、第2貯留部50b内の洗浄液を給液弁35に送り出す。洗浄液は、給液弁35が開となることで噴射ノズル30から噴出する。給液弁35は、制御部9の開指令に従って開となる。
実施形態3の工具洗浄装置は、以下の手順(図13、図14に示す)で工具20及び工具ホルダ21の洗浄を実行する。図13は、工作機械1に電源を投入したときの処理である。制御部9のCPU9aは、各種信号を読込む(S41)。CPU9aは、工作機械1が起動するまで待機する(S42)。工作機械1が起動した場合(S42:Yes)、CPU9aは、第1開閉弁52及び第2開閉弁62をオンとする(S43)。第1開閉弁52及び第2開閉弁62は、開位置となる。
CPU9aは、第1ポンプ13を駆動する(S44)。洗浄液は、第1貯留部50a及び第2貯留部50bに流れ込む。CPU9aは、第1貯留部50a及び第2貯留部50b内の液面が高位置にあるかを判定する(S45)。CPU9aは、液面が高位置となる(S45:Yes)まで、第1開閉弁52及び第2開閉弁62を開とする。洗浄液は、第1開閉弁52及び第2開閉弁62を経て第1貯留部50a及び第2貯留部50bに流れ込む。第1貯留部50a及び第2貯留部50bは、洗浄液を貯留する。
第1貯留部50a及び第2貯留部50b内の液面が高位置となった場合(S45:Yes)、CPU9aは、第1開閉弁52及び第2開閉弁62をオフとし、且つ第3電磁弁55及び第5電磁弁66をオンとする(S46)。第1開閉弁52及び第2開閉弁62は、閉位置となる。第3電磁弁55及び第5電磁弁66は、加圧位置となる。空圧源39の空気圧は、貯留部50内の貯留液を加圧する。CPU9aは、第1圧力スイッチ54a及び
第2圧力スイッチ54bのオン、オフを判定する(S47)。CPU9aは、第1圧力スイッチ54a及び第2圧力スイッチ54bがオンとなることで洗浄準備を完了する。第1貯留部50a及び第2貯留部50bは、洗浄液を高位置となるまで貯留する。第1貯留部50a及び第2貯留部50bは、貯留液を所定圧で加圧する。工作機械1は、電源投入後、第1貯留部50a及び第2貯留部50b内の洗浄液が高位置であり、且つ所定圧で加圧した状態(初期状態)となる。
次に、図14を参照して、初期状態後の手順について説明する。CPU9aは、各種信号を読み込む(S51)。CPU9aは、空気路60内の空気圧が正常であるか判定する(S52)。CPU9aは、第1ポンプ13の駆動状態を判定する(S53)。空気圧が正常でない場合(S52:No)、CPU9aは、洗浄動作を実行しない。第1ポンプ13が非駆動状態である場合(S53:No)、CPU9aは、洗浄動作を実行しない。
空気圧が正常であり(S52:Yes)、且つ第1ポンプ13が駆動状態である場合(S53:Yes)、CPU9aは、工具交換指令の有無を判定する(S54)。工具交換指令があった場合(S54:Yes)、CPU9aは、洗浄動作を開始する。
CPU9aは、第1液面センサ59が低位置を検出しているか否かを判定する(S55)。第1液面センサ59が低位置を検出していない場合(S55:No)、CPU9aは、第1貯留部50a 内の洗浄液を使用して洗浄を実行する。
CPU9aは、第1切換弁58をオンとし、且つ第2切換弁64をオフとして、工具交換動作を許可する(S56)。第1切換弁58は、開位置となる。第2切換弁64は、閉位置となる。CPU9aは、最初の噴出であるか否かを判定する(S57)。最初の噴出である場合(S57:Yes)、CPU9aは、噴出フラグをオンとする(S66)。CPU9aは、S60に処理を移行し、給液弁35をオンとする。給液弁35は、開位置となる。噴射ノズル30は、第1貯留部50a内の洗浄液を噴出する。第1貯留部50aは、加圧状態にある。噴射ノズル30は、勢いよく洗浄液を噴出する。
CPU9aは、噴出フラグのオン、オフ状態に基づいてS57の判定を行う。最初の噴出でない場合(S57:No)、CPU9aは、第3電磁弁55をオンとし、且つ第5電磁弁66をオフとする(S58)。第3電磁弁55は、加圧位置となる。第1貯留部50aは、その内部を所定圧で加圧する。第5電磁弁66は、排圧位置となる。第2貯留部50bは、その内部を排圧する。
CPU9aは、第1開閉弁52をオフとし、且つ第2開閉弁62をオンとする(S59)。第1開閉弁52は、閉位置となる。第2開閉弁62は、開位置となる。CPU9aは、給液弁35をオンとする(S60)。給液弁35は、開位置となる。噴射ノズル30は、第1貯留部50a内の洗浄液を噴出する。第1貯留部50aは、加圧状態にある。噴射ノズル30は、勢いよく洗浄液を噴出する。洗浄液は、工具20及び工具ホルダ21を洗浄する。洗浄液管32内の洗浄液は、第2分岐管32bを経て第2貯留部50bに流れ込む。第2貯留部50bは、排圧状態にある。第2貯留部50bは、流れ込む洗浄液を貯留する。
CPU9aは、工具交換完了を判定する(S61)。工具交換中である場合(S61:No)、CPU9aは、工具20及び工具ホルダ21の洗浄を継続する。工具交換完了である場合(S61:Yes)、CPU9aは、給液弁35をオフとする。給液弁35は。閉位置となる。噴射ノズル30は、洗浄液の噴出を停止する。
CPU9aは、第2液面センサ65が高位置を検出しているか否かを判定する(S63
)。CPU9aは、第2液面センサ65が高位置を検出するまで待機する。第2液面センサ65が高位置を検出した場合(S63:Yes)、CPU9aは、第5電磁弁66をオンとし、且つ第2開閉弁62をオフとする(S64)。第5電磁弁66は、加圧位置となる。第2開閉弁62は、閉位置となる。
CPU9aは、第2圧力スイッチ54bのオン、オフを判定する(S65)。CPU9aは、第2圧力スイッチ54bがオンとなる(S65:Yes)ことで洗浄動作を終了する。第2貯留部50bは、高位置となるまで洗浄液を貯留し、且つ該洗浄液を所定圧まで加圧した状態となる。
第1液面センサ59が低位置を検出している場合(S55:Yes)、CPU9aは、第2貯留部50b内の洗浄液を使用して洗浄を実行する。
CPU9aは、第1切換弁58をオフとし、且つ第2切換弁64をオンとして、工具交換動作を許可する(S67)。第1切換弁58は、閉位置となる。CPU9aは、第3電磁弁55をオフとし、且つ第5電磁弁66をオンとする(S68)。第3電磁弁55は、排圧位置となる。第1貯留部50aは、その内部を排圧する。第5電磁弁66は、加圧位置となる。第2貯留部50bは、その内部を加圧する。
CPU9aは、第1開閉弁52をオンとし、且つ第2開閉弁62をオフとする(S69)。第1開閉弁52は、開位置となる。第2開閉弁62は、閉位置となる。CPU9aは、給液弁35をオンとする(S70)。給液弁35は、開位置となる。噴射ノズル30は、第2貯留部50b内の洗浄液を噴出する。第2貯留部50bは、加圧状態にある。噴射ノズル30は、勢いよく洗浄液を噴出する。洗浄液は、工具20及び工具ホルダ21を洗浄する。洗浄液管32内の洗浄液は、第1分岐管32aを経て第1貯留部50aに流れ込む。第1貯留部50aは、排圧状態にある。第1貯留部50aは、流れ込む洗浄液を貯留する。
CPU9aは、工具交換完了を判定する(S71)。工具交換中である場合(S71:No)、CPU9aは、工具20及び工具ホルダ21の洗浄を継続する。工具交換完了である場合(S71:Yes)、CPU9aは、給液弁35をオフとする。給液弁35は、閉位置となる。噴射ノズル30は、洗浄液の噴出を停止する。
CPU9aは、第1液面センサ59が高位置を検出しているか否かを判定する(S73)。CPU9aは、第1液面センサ59が高位置を検出するまで待機する。第1液面センサ59が高位置を検出した場合(S73:Yes)、CPU9aは、第3電磁弁55をオンとし、且つ第1開閉弁52をオフとする(S74)。第3電磁弁55は、加圧位置となる。第1開閉弁52は、閉位置となる。
CPU9aは、第1圧力スイッチ54aのオン、オフを判定する(S75)。CPU9aは、第1圧力スイッチ54aがオンとなる(S75:Yes)ことで洗浄動作を終了する。第1貯留部50aは、高位置となるまで洗浄液を貯留し、且つ該洗浄液を所定圧まで加圧した状態となる。
実施形態3の工具洗浄装置は、第1貯留部50a及び第2貯留部 50bを備えている。噴射ノズル30は、通常時には、第1貯留部50a内の洗浄液を噴出する。第1貯留部50a内の洗浄液が不足している場合、噴射ノズル30は、洗浄液供給待機中の第2貯留部50b内の洗浄液を噴出する。第1貯留部50a及び第2貯留部50bは、使用時に加圧状態にある。噴射ノズル30は、洗浄液を勢いよく噴出する。工具20及び工具ホルダ21は、高い応答性で確実に洗浄することができる。
第2貯留部50bは、第1貯留部50aの使用中に洗浄液を貯留する。第1貯留部50aは、第2貯留部50bの使用中に洗浄液を貯留し洗浄液供給待機状態になる。実施形態3の工具洗浄装置は、工具20及び工具ホルダ21の洗浄を短時間で頻繁に行う場合にも対応できる。
(実施形態4)
図15、図16を参照して実施形態4の工具洗浄装置について説明する。実施形態4の工具洗浄装置は、実施形態1の工具洗浄装置と類似する。以下の説明は、実施形態1と同じ部分を省略している。
図15に示すように、実施形態4の工具洗浄装置は、第6電磁弁69を備えている。加圧弁45は、第6電磁弁69が供給する空気圧の作用で加圧位置に切り換わる。第6電磁弁69は、空気路42の途中に配置してある。第6電磁弁69は、通常時には閉位置にある。第6電磁弁69は、制御部9が与える開指令に従って開位置に切り換わる。空圧源39は、第6電磁弁69が開となることで、空気路42を経て加圧弁45に空気圧を供給する。
閉位置にある第6電磁弁69は、上流側(加圧弁45)の空気路42内に残る空気を消音部69aで消音して放出する。第1電磁弁43は、給液弁35だけを開閉する。
実施形態4の工具洗浄装置は、洗浄液管32の途中に第3切換弁67を備えている。逆止弁34は、フィルタ33の上流側に配置してある。第3切換弁67は、逆止弁34とフィルタ33との間に配置してある。
第3切換弁67は、通常時には第1位置にある。第1位置にある第3切換弁67は、洗浄液管32内の流通を遮断しない。それ故、洗浄液管32内の洗浄液は、第3切換弁67を通って貯留部50内に流れ込む。第3切換弁67は、後述する空気路71と接続している。第3切換弁67は、空気路71が供給する空気圧の作用で第2位置に切り換わる。第2位置にある第3切換弁67は、洗浄液管32内の流通を遮断する。洗浄液管32の上流側(貯留部50側)は、第3切換弁67を介して回収槽12に連続する。
空気路71は、空気路42の途中で分岐してある。空気路71は、第7電磁弁72に接続している。第7電磁弁72は、通常時には閉位置にある。第7電磁弁72は、空気路71内に残る空気を消音部72aで消音して放出する。第7電磁弁72は、制御部9が与える開指令に従って開位置となる。第7電磁弁72は、開位置となることで、空気路71に空気を供給する。それ故、第3切換弁67は、第2位置に切り換わる。第3切換弁67が第2位置に切り換わることで、貯留部50内の洗浄液は、洗浄液管32内を逆流する。逆流する洗浄液は、フィルタ33を通り、第3切換弁67を経て回収槽12に戻る。
実施形態4の工具洗浄装置において、制御部9のCPU9aは、以下の手順(図16参照)で洗浄動作を実行する。図16のS81〜S83は、実施形態1のS1〜S3と同じである。図16のS84は、実施形態1のS5と同じである。
CPU9aは、空気圧が正常であり(S82:Yes)、第1ポンプ13が駆動状態にあって(S83:Yes)、且つ工具交換指令が有る(S84:Yes)ことを条件として洗浄動作を実行する。
CPU9aは、第1電磁弁43、第2電磁弁44及び第6電磁弁69をオンとし、且つ第7電磁弁72をオフとして、工具交換動作を許可する(S85)。給液弁35は、開と
なる。排圧弁38は、閉となり、且つ加圧弁45は、開となる。貯留部50内は、空気圧の供給で加圧状態となる。貯留部50は、空気圧の作用で貯留液を押し出す。洗浄液は、給液弁35を経て噴射ノズル30から洗浄液を噴出する。噴射ノズル30は、洗浄液を勢いよく噴出する。工具20及び工具ホルダ21を良好に洗浄することができる。
CPU9aは、工具交換完了を判定する(S86)。CPU9aは、工具交換中である間(S86:No)は待機する。工具交換完了である場合(S86:Yes)、CPU9aは、第1電磁弁43をオフとし、且つ第7電磁弁72をオンとする(S87)。給液弁35は、閉となる。第3切換弁67は、第2位置に切り換わる。貯留部50内の洗浄液は、洗浄液管32内を逆流し、第3切換弁67を経て回収槽12に戻る。逆流する洗浄液は、フィルタ33を通る。洗浄液は、フィルタ33が取除いた異物を洗い流して回収槽12に回収する。貯留部50内は、加圧状態にある。洗浄液は、フィルタ33を勢いよく通過して異物を確実に洗い流す。
CPU9aは、内蔵タイマT3の計時を開始する(S88)。CPU9aは、内蔵タイマT3の計時が所定時間(例えば1秒)に達したか否かを判定する(S89)。所定時間に達した場合(S89:Yes)、CPU9aは、オン状態にある電磁弁(第6電磁弁69、第2電磁弁44及び第7電磁弁72)をオフとする(S90)。貯留部50内は、排圧状態となる。第3切換弁67は、第1位置に戻る。洗浄液は、洗浄液管32を経て貯留部50に流れ込む。貯留部50は、洗浄液を貯留する。
CPU9aは、内蔵タイマT4の計時を開始する(S91)。CPU9aは、内蔵タイマT4の計時が所定時間(例えば5秒)に達したか否かを判定する(S92)。CPU9aは、第2電磁弁44をオンとして洗浄動作を終了する(S93)。第2電磁弁44は、閉位置となって貯留部50を密閉する。貯留部50は、5秒間に流れ込む洗浄液を貯留した後、貯留状態を維持する。
(実施形態5)
図17を参照して実施形態5の工具洗浄装置について説明する。実施形態5の工具洗浄装置は、実施形態4の工具洗浄装置と類似する。以下の説明は、実施形態4と同じ部分を省略している。
貯留部50は、圧力スイッチ54を備えている。圧力スイッチ54は、貯留部50内が所定圧力以上のときに制御部9にオン信号を出力する。制御部9は、圧力スイッチ54がオンすることで貯留部50内が加圧状態にあることを認識する。
加圧弁45は、実施形態1と同様に、空気路46が供給する空気圧の作用で開位置に切り換わる。空気路42内の空気は、加圧弁45が開となっている間に貯留部50内に流れ込む。貯留部50内の圧力は、空気路42を経て流れ込む空気圧の作用で上昇する。空気路46は、空気路40の途中で分岐してある。加圧弁45は、給液弁35と同時に開位置に切り換わる。
実施形態5の工具洗浄装置は、貯留部50内の圧力を圧力スイッチ54で監視する。実施形態5の工具洗浄装置は、洗浄液の逆流によるフィルタ33の洗浄を、貯留部50内の圧力に基づいて実施する。
以上に説明した実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
変更形態1
図18に示すように、貯留部50は、その内部にピストン75を備えている。ピストン75は、貯留部50内で貯留液の液面上に浮かび、該液面と共に上昇する。ピストン75
は、その外周にシール部 75aを備えている。シール部 75aは、ピストン75の上側と下側とを液密の状態に保つ。
第3電磁弁55は、加圧位置となることで貯留部50内に空気圧を導入する。空気圧は、ピストン75を押し下げて貯留液を加圧する。貯留部50内の洗浄液は、空気と接触しない。変更形態1の工具洗浄装置は、洗浄液に空気が混入することを防止する。ピストン75は、機械的な力で押し下げてもよい。
変更形態2
図19に示すように、貯留部50は、その内部にエアバッグ76を備えている。エアバッグ76は、弾性変形可能である。エアバッグ76は、排圧通路37に接続してある。排圧通路37は、第3電磁弁55が加圧位置となることでエアバッグ76内に空気を供給する。該エアバッグ76は、貯留部50内で膨張し、貯留液を加圧する。排圧通路37は、第3電磁弁55が排圧位置となることでエアバッグ76内を排圧する。該エアバッグ76は、貯留部50内で縮小する。貯留部50は、洗浄液を貯留することができる。
空気圧は、エアバッグ76内に供給する。貯留部50内の洗浄液は、空気と接触しない。変更形態2の工具洗浄装置は、洗浄液に空気が混入することを防止する。エアバッグ76内には、空気以外の気体を供給してもよい。エアバッグ76内には、液体を供給してもよい。
変更形態3
図20に示すように、貯留部50は、その内部にダイヤフラム78を備えている。ダイヤフラム78は、貯留部50を上下方向に分割する。ダイヤフラム78は、弾性変形可能である。貯留部50の上部は、排圧通路37に接続してある。排圧通路37は、第3電磁弁55が加圧位置となることで貯留部50内に空気圧を導入する。空気圧は、ダイヤフラム78の上に作用する。図20に実線で示すように、ダイヤフラム78は、空気圧の作用で下向きに膨らみ、貯留部50内の貯留液を加圧する。排圧通路37は、第3電磁弁55が排圧位置となることで貯留部50内を排圧する。図20に2点鎖線で示すように、ダイヤフラム78は、貯留部50内で上向きに膨らむ。貯留部50は、洗浄液を貯留することができる。
ダイヤフラム78は、貯留部50内を上下に分割する。空気圧は、ダイヤフラム78上に作用する。貯留部50内の洗浄液は、空気と接触しない。変更形態3の工具洗浄装置は、洗浄液に空気が混入することを防止する。貯留部50の上部には、空気以外の気体を供給してもよい。貯留部50の上部には、液体を供給してもよい。
以上の詳細な説明に明らかなように本発明の工具洗浄装置は、クーラントタンクと噴射ノズルとをつなぐ洗浄液通路の途中に貯留部を備える。貯留部は、洗浄液通路内の洗浄液を一旦貯留する。噴射ノズルは、貯留部の貯留液を噴出する。貯留部は、噴射ノズルが噴出を休止している間に洗浄液を貯留する。噴射ノズルは、貯留部内に貯留した多くの洗浄液を安定して噴出する。本発明の工具洗浄装置は、工具及び工具ホルダを、短時間で確実に洗浄する。本発明の工具洗浄装置を備える工作機械は、工具の取付け不良が生じない。
本発明は、主軸に装着する工具表面に付着した切粉等を洗浄する工作機械の工具洗浄装置全般に利用することができ、特に、高圧力の洗浄液を噴射可能な工具洗浄装置に好適に利用することができる。
本発明の実施例1の工具洗浄装置を備える工作機械の斜視図である。 図1の工作機械の側面図である。 図1の主軸と主軸ヘッドの部分正面図である。 図1の主軸と主軸ヘッドの部分側面図である。工作機械の側面図である。 図1の主軸と主軸ヘッドを下方から見た平面図である。 図1の主軸と主軸ヘッドの部分断面図である。 実施形態1の工具洗浄装置の液圧回路図である。 実施形態1の工具洗浄装置の制御系のブロック図である。 実施形態1の洗浄制御を示すフローチャートである。 実施形態2の工具洗浄装置の液圧回路図である。 実施形態2の洗浄制御を示すフローチャートである。 実施形態3の工具洗浄装置の液圧回路図である。 実施形態3の起動時制御を示すフローチャートである。 実施形態3の洗浄制御を示すフローチャートである。 実施形態4の工具洗浄装置の液圧回路図である。 実施形態4の洗浄制御を示すフローチャートである。 実施形態5の工具洗浄装置の液圧回路図である。 変更形態1の加圧装置を示す図である。 変更形態2の加圧装置を示す図である。 変更形態3の加圧装置を示す図である。
工作機械
5 主軸ヘッド
6 主軸
9 制御部
10 クーラントタンク
13 第1ポンプ
20 工具
28 洗浄液ホース
29 噴射ノズル
31 第1冷却管
32 洗浄液管
33 フィルタ
34 逆止弁
35 給液弁
37 排圧通路
38 排圧弁
39 空圧源
42 空気路
43 第1電磁弁
44 第2電磁弁
45 加圧弁
50 貯留部
50a 第1貯留部
50b 第2貯留部
52 開閉弁
55 第2電磁弁
62 第2開閉弁
66 第5電磁弁66
67 第3切換弁

Claims (6)

  1. 洗浄液を貯留するタンクと、該洗浄液を噴出可能なノズル手段と、該ノズル手段と前記タンクとを接続してあり、前記タンク内の洗浄液を前記ノズル手段に供給する洗浄液通路とを備え、工作機械の主軸に装着する前の工具を、前記洗浄液通路を経て前記ノズル手段から噴出する洗浄液で洗浄する工具洗浄装置において、
    前記タンクと前記ノズル手段との間に配置し、該洗浄液通路内を流れる前記洗浄液を一旦貯留する貯留部と、
    前記貯留部と前記ノズル手段との間の前記洗浄液通路に設け、空気圧の作用により該洗浄液通路を開閉する給液弁と、
    前記給液弁と空圧源を接続する第一空気路と、
    前記第一空気路を開閉する第一電磁弁と、
    前記空圧源と前記貯留部を接続する第二空気路と、
    空気圧の作用により前記第二空気路を開閉する加圧弁と、
    前記第一空気路の前記第一電磁弁より下流側と前記加圧弁とを接続する第三空気路と、
    前記貯留部と接続し該貯留部内の空気圧を外部に排出する排圧通路と、
    空気圧の作用により前記排圧通路を開閉する排圧弁と、
    前記排圧弁と前記空圧源を接続する第四空気路と、
    前記第四空気路を開閉する第二電磁弁と、
    前記第一電磁弁と前記第二電磁弁を開閉制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、前記第一電磁弁によって前記第一空気路を開とすることで前記給液弁を開とし、第三空気路を経由した空気圧が前記加圧弁を開とし、且つ前記第二電磁弁によって前記第四空気路を開とすることで前記排圧弁を閉として前記ノズル手段に洗浄液を供給すると共に前記第二空気路を経由した空気圧を前記貯留部内に導く洗浄動作と、前記第一電磁弁によって前記第一空気路を閉とすることで前記給液弁及び前記加圧弁を閉とし、且つ前記第二電磁弁によって前記第四空気路を閉とすることで前記排圧弁を開として前記貯留部に洗浄液を貯留する貯留動作と、前記第一電磁弁によって前記第一空気路を閉とし、前記第二電磁弁によって前記第四空気路を開とすることで前記給液弁、前記加圧弁及び排圧弁を閉として待機する待機動作とを実行することを特徴とする工具洗浄装置。
  2. 前記貯留部内の液量を検出する液量検出器を更に備え、前記制御装置は、前記液量検出器の検出液量が所定量に達するまで前記貯留動作を実行することを特徴とする請求項に記載の工具洗浄装置。
  3. 前記タンクと前記貯留部との間の前記洗浄液通路上に配置してあり、前記貯留部から前記タンクに向かう洗浄液の流れを止める逆止弁を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の工具洗浄装置。
  4. 前記タンクと前記貯留部との間の前記洗浄液通路上に配置してあり、該洗浄液通路を開閉する開閉弁を更に備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の工具洗浄装置。
  5. 前記開閉弁は、洗浄液を排出する切換え位置を有し、該開閉弁と前記貯留部との間の前記洗浄液通路上に配置したフィルタを備え、前記待機動作中に前記制御装置は、前記開閉弁を前記切換え位置として、前記貯留部内の洗浄液を前記フィルタに逆向きに流し、該フィルタを洗浄するフィルタ洗浄動作を実行することを特徴とする請求項に記載の工具洗浄装置。
  6. 前記ノズル手段は、前記主軸を支持する主軸ヘッドの先端部に配置してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の工具洗浄装置。
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