JP2015178235A - マルチマニホールドダイ並びに積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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輝 中田
Teru Nakada
輝 中田
隆晶 中井
Takaaki Nakai
隆晶 中井
豊嶋 克典
Katsunori Toyoshima
克典 豊嶋
白井 健一
Kenichi Shirai
健一 白井
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Abstract

【課題】低粘度の溶融樹脂が高価であっても、積層フィルムのコストを低減し得るマルチマニホールドダイを提供することにある。【解決手段】複数の溶融樹脂層を積層し押し出すためのマルチマニホールドダイ1であって、複数の溶融樹脂がそれぞれ供給され、かつ複数の溶融樹脂層を形成する複数のマニホールド2,3と、複数のマニホールド2,3にそれぞれ連結されており、複数のマニホールド2,3からそれぞれ溶融樹脂層が供給され、かつ該溶融樹脂が内部を流れる複数のスリット部4,5と、複数のスリット部4,5から供給される溶融樹脂層を合流させ、複数の溶融樹脂層を積層した状態で下流側に流動させるリップランド部6とを備え、上記複数のスリット部4,5の上記リップランド部6において合流される直前部分において、少なくとも1つのスリット部の幅が、他のスリット部の幅よりも狭くされている。【選択図】図1

Description

本発明は、積層フィルムを得るためのマルチマニホールドダイ並びに該マルチマニホールドダイを用いた積層フィルムの製造方法及び積層フィルムに関する。
従来、積層フィルムを共押し出し成形するに際し、マルチマニホールドダイを用いた製造方法が知られている。マルチマニホールドダイを用いた製造方法では、各マニホールドで拡幅された溶融樹脂層をスリット部を経由してリップランドで合流させる。従って、フィードブロック法に比べ、金型や出口における各層の幅方向寸法のばらつきが生じ難いとされている。しかしながら、実際には、合流後も、複数の溶融樹脂層が積層した状態で流動する。従って、下流側に行くほど低粘度の樹脂が流れ易くなる。そのため、低粘度の溶融樹脂からなる単一層が積層フィルム幅方向端部に形成されることがある。
下記の特許文献1では、合流後のリップランド長を短くする方法が用いられている。それによって、上記低粘度の溶融樹脂層の単一層の形成が抑制されている。
また、下記の特許文献2には、マルチマニホールドダイの側面から安価な溶融樹脂を強制的に流し込む方法が開示されている。ここでは、多層フィルムの幅方向端部が、安価な樹脂からなる単一層とされている。
特開平10−151659号公報 特開平6−91719号公報
マルチマニホールドダイを用いた積層フィルムの製造に際しては、積層フィルムの幅方向端部では、幅方向中央部分に比べ、各樹脂層の厚みがばらつきがちである。そのため、耳部、すなわち幅方向端部部分を切断し、除去するのが普通であった。ところが、特許文献1や特許文献2に記載の製造方法では、相対的に低い粘度の溶融樹脂が高価な場合、この高価な低粘度の樹脂も耳部にかなりの割合で至ることとなる。そのため、製造コストが高くつくという問題があった。
特許文献2に記載の方法では、マルチマニホールドダイの側面から溶融樹脂を流入させているため、マルチマニホールドダイ内における圧力バランスが崩れるおそれがある。そのため、前述した層比の精度が悪くなるという問題がある。
本発明の目的は、低粘度の溶融樹脂が高価であっても、積層フィルムのコストを低減し得るマルチマニホールドダイを提供することにある。本発明の他の目的は、各層の厚み精度に優れた積層フィルムを得ることを可能とする積層フィルムの製造方法及び該積層フィルムを提供することがある。
本発明に係るマルチマニホールドダイは、複数の溶融樹脂層を積層し、押し出すためのものである。本発明に係るマルチマニホールドダイは、複数の溶融樹脂がそれぞれ供給され、かつ溶融樹脂層を形成する複数のマニホールドと、複数のマニホールドにそれぞれ連結されており、複数のマニホールドからそれぞれ溶融樹脂層が供給され、かつ該溶融樹脂が内部を流れる複数のスリット部と、上記複数のスリット部から供給される溶融樹脂層を合流させ、複数の溶融樹脂層を積層した状態で下流側に流動させるリップランド部とを備える。本発明では、上記複数のスリット部の上記リップランド部において合流される直前部分において、少なくとも1つのスリット部の幅が、他のスリット部の幅よりも狭くされている。
本発明に係るマルチマニホールドダイのある特定の局面では、上記少なくとも1つのスリット部に、インナーディッケルが配置されており、該インナーディッケルにより、上記少なくとも1つのスリット部から上記リップランド部に流れる溶融樹脂層の幅が、他のスリット部から上記リップランド部に流れる溶融樹脂層の幅よりも狭くされている。
本発明に係るマルチマニホールドダイの他の特定の局面では、上記少なくとも1つのスリット部以外の他のスリット部にも、インナーディッケルが挿入されており、少なくとも1つのスリット部に挿入されているインナーディッケルにより規定される溶融樹脂層の幅が、残りのスリット部において挿入されたインナーディッケルにより規定される溶融樹脂層の幅よりも狭くされている。
本発明に係るマルチマニホールドダイのさらに他の特定の局面では、上記複数のマニホールドが、第1のマニホールドと、第2のマニホールドとを有し、第1,第2のマニホールドにそれぞれ第1及び第2のスリット部が連結されており、上記第1,第2のマニホールドに第1,第2の溶融樹脂が供給され、第1,第2の溶融樹脂層が、それぞれ、第1,第2のスリット部を経て上記リップランド部において合流するように移動される。
本発明に係る積層フィルムの製造方法は、下記の各工程を備える。
本発明に従って構成されているマルチマニホールドダイの複数のマニホールドに複数の溶融樹脂を供給する工程。
上記マルチマニホールドダイにおいて、少なくとも1層の溶融樹脂層の幅が他の溶融樹脂層の幅よりも狭い複数の溶融樹脂層からなる積層体を形成する工程。
上記積層体を上記マルチマニホールドダイから押し出し、積層フィルムを得る工程。
本発明に係る積層フィルムは、本発明に係るマルチマニホールドダイを用いて得られており、少なくとも1層の幅が他の層の幅よりも狭くされている。
本発明に係る積層フィルムのある特定の局面では、上記積層フィルムから、上記幅が狭いフィルムの幅方向端部よりも幅方向内側部分から、上記幅方向端部に至っている余剰部を除去することにより得られた積層フィルムが提供される。
本発明に係るマルチマニホールドダイでは、相対的に粘度の低い溶融樹脂層を相対的に幅の狭いスリット部において流動させることにより、相対的に粘度の低い溶融樹脂の回り込みを抑制することができる。それによって、幅方向端部側の余剰部分の多くを相対的に高い粘度の溶融樹脂により形成することができる。従って、低い粘度の溶融樹脂が高価であったとしても、該低い粘度となる樹脂の余剰部分に占める割合を小さくすることができる。よって、製造コストを低めることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るマルチマニホールドダイの略図的正面断面図である。 図1に示したマルチマニホールドダイの図1の矢印A方向から見た第1の溶融樹脂層の流路を説明するための略図的側面断面図である。 図1に示したマルチマニホールドダイの図1の矢印B方向から見た第2の溶融樹脂層の流路を説明するための略図的側面断面図である。 図1に示したマルチマニホールドダイの図1中のC−C線に沿う部分の要部を示す略図的断面図である。 比較例で得られる積層フィルムの形状を説明するための部分切欠き横断面図である。 実施形態で得られる積層フィルムの一方の幅方向端部を説明するための部分切欠き横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチマニホールドダイの略図的正面断面図である。マルチマニホールドダイ1は、第1のマニホールド2と第2のマニホールド3とを有する。第1のマニホールド2及び第2のマニホールド3は、それぞれ、後述する第1の溶融樹脂及び第2の溶融樹脂が供給される。第1のマニホールド2及び第2のマニホールド3において、第1,第2の溶融樹脂をそれぞれ拡幅し、層状とする。よって、第1,第2の溶融樹脂層が形成される。
第1,第2のマニホールド2,3には、第1,第2のスリット部4,5が連なっている。また、第1,第2のスリット部4,5の他端側は合流され、リップランド部6に連なっている。
リップランド部6の下流端から後述する積層体が押し出される。
ところで、上記マルチマニホールドダイ1は、上記第1,第2のマニホールド2,3、第1,第2のスリット部4,5、及び上記リップランド部6を内部空間として有するダイである。このような内部空間を覆う部分、すなわち図1でハッチングを付して示す部分はステンレスなどの金属からなる。
上記第1のマニホールド2から第1のスリット部4に向かって相対的に粘度が低い第1の溶融樹脂層が流れる。他方、第2のマニホールド3から第2のスリット部5に向かって相対的に粘度が高い第2の溶融樹脂層が流れる。
そして、本実施形態のマルチマニホールドダイ1では、上記第1の溶融樹脂層が通過する第1のマニホールド2から第1のスリット部4にかけて、第1のインナーディッケル7が挿入されている。
他方、第2の溶融樹脂層が流動する第2のマニホールド3及び第2のスリット部5を経て、リップランド部6に至る部分には、第2のインナーディッケル8が挿入されている。
図2は、図1の矢印A側から見た第1の溶融樹脂層の流路を示す略図的側面断面図である。図2の一点鎖線Xは上記第1のマニホールド2、第1のスリット部4及びリップランド部6を区画している部分を模式的に示す線である。図2に示すように、第1のマニホールド2及び第1のスリット部4内に、第1のインナーディッケル7が挿入されている。第1のインナーディッケル7が挿入されているため、第1の溶融樹脂層が通過する部分の幅W1は第1のインナーディッケル7の幅方向内側端同士の間の距離となる。
他方、図3は、図1の矢印B方向から見た第2の溶融樹脂層の流路を示す略図的側面断面図である。図3の一点鎖線Yは、第2のマニホールド3、第2のスリット部5及びリップランド部6を区画している部分を示す線である。ここでは、第2の溶融樹脂層が流れる部分において、第2のインナーディッケル8が挿入されている。第2のインナーディッケル8の幅方向内側端同士の間の距離が、上記第2の溶融樹脂層が流れる部分の幅W2を規定する。
従って、第1,第2のスリット部4,5のリップランド部6にて合流される直前部分において、第1のスリット部4の幅が、第2のスリット部5の幅よりも狭くされている。すなわち、本実施形態では、W1<W2とされている。
図4は、図1のC−C線に沿う部分の要部の略図的断面図である。リップランド部6の入口では、第1,第2の溶融樹脂層11,12が合流するが、ここでは第1のインナーディッケル7と第2のインナーディッケル8とが積層されることになる。従って、第1のインナーディッケル7で規制される幅W1の第1の溶融樹脂層11が、第2のインナーディッケル8で規定される幅W2の第2の溶融樹脂層12とが積層され、積層体となる。
従って、本実施形態では、相対的に幅の広い第2の溶融樹脂層12に、相対的に幅の狭い第1の溶融樹脂層11が合流されて形成された積層体がリップランド部6を下流側に移動し、押し出される。この押し出された積層体が後述する様々な方法で冷却され、積層フィルムが得られる。
本実施形態によれば、得られた積層フィルムの幅方向端部には、第1の溶融樹脂層が固化した第1の樹脂フィルムの幅方向端部は至らないことになる。これを図6を参照して説明する。
図6は本実施形態で得られた積層フィルムの一方の幅方向端部を説明するための部分切欠き横断面図である。積層フィルム10は本発明の一実施形態としての積層フィルムである。この積層フィルム10では、相対的に幅の狭い第1の樹脂フィルム11Aと、相対的に幅の広い第2の樹脂フィルム12Aとが積層されている。
図6から明らかなように、第1の樹脂フィルム11Aの幅方向端部11aは、第2の樹脂フィルム12Aの幅方向端部12aよりも幅方向内側に位置している。反対側の幅方向端部においても同様である。これは、上述したマルチマニホールドダイ1を用いて積層フィルム10を得ているためである。すなわち、第1のインナーディッケル7により幅方向寸法がW1に規制された第1の溶融樹脂層11により、上記第1の樹脂フィルム11Aが得られる。また、幅方向寸法W2を規定している第2のインナーディッケル8により、上記第2の樹脂フィルム12Aの幅が決定される。よって、得られた積層フィルム10では、幅方向一方端側及び幅方向他端側に、第2の樹脂フィルム12Aのみからなる単一層部分Dが形成されることになる。
他方、積層フィルム10からは、耳部と称されている幅方向端部近傍の余剰部を除去する。それによって、幅方向において特性が均一な積層フィルムを得ることができる。この場合、図6に示すように、実線Eよりも外側の幅W3部分を耳部として切断除去すればよい。言い換えれば、第1の樹脂フィルム11Aの幅方向端部11aよりも内側部分11bから積層フィルム10の幅方向外側端部までの部分を切断除去すればよい。
ところで、低粘度の溶融樹脂は、幅方向端部側に回り込み易いのが普通である。これを図5を参照して説明する。上記第1,第2のインナーディッケル7,8に代えて、第1の溶融樹脂層及び第2の溶融樹脂層の双方が同じ幅で第1,第2のスリット部からリップランド部にかけて流動する構成の従来のマルチマニホールドダイを用いたとする。その場合、第1,第2のスリット部では、第1,第2の溶融樹脂層の幅はいずれも等しい。
しかしながら、合流すると、相対的に粘度が低い第1の溶融樹脂が回り込み易いため、積層フィルムの横断面形状は、図5に示す形状となる。積層フィルム110では、第1の樹脂フィルム111と第2の樹脂フィルム112とが積層されている。もっとも、一方の幅方向端部において、第1の樹脂フィルム111が第2の樹脂フィルム112の幅方向端部を超えて外側に回り込んでいる。これは、第1の溶融樹脂が相対的に粘度が低い場合、リップランド部の合流部からリップランド部を下流側に移動する際に、幅方向外側に第1の溶融樹脂が回り込み易いことによる。図示されていない側の幅方向端部においても同様である。
従って、実線Fで切断し、幅方向外側の耳部Gを切断により除去した場合、高価な第1の樹脂フィルム111が多く廃棄されることになる。よって、製造コストが高くつくこととなる。
これに対して、図6から明らかなように、本実施形態では、耳部として除去される余剰部のほとんどが第2の樹脂フィルム12Aのみからなる。すなわち、耳部のほとんどが単一の樹脂フィルム層からなる。従って、例えば、第1の溶融樹脂層を形成するための樹脂が高価であったとしても、第1の溶融樹脂層11が流れる部分の幅W1が相対的に小さくされているので、製造コストを低減することが可能である。
なお、上記図1〜図4では、第1,第2のマニホールド2,3、第1,第2のスリット部4,5及びリップランド部6が設けられている部分を示したが、このリップランド部6の端部から押し出されてきた積層体の後の処理は、任意の方法で行い得る。例えば、押し出されてきた溶融状態及び半溶融状態による積層体をロール延伸しつつ、チルロールにより冷却してもよい。また、エアーナイフやタッチロールあるいは静電ピニングなどを用いて積層体をチルロールに押し付けてもよい。さらに水槽などに積層体を導き冷却してもよい。いずれにしても、マルチマニホールドダイ1から出てきた状態の積層構造をそのまま維持しつつ、適宜の方法で冷却することにより積層フィルムを得ればよい。
なお、上記幅W1またはW2を規定するインナーディッケル7,8は、手動式であっても電動式であってもよい。また、幅W1と幅W2との差は100mm〜600mm程度が好ましく、より好ましくは160〜400mmである。従って、図2における幅ΔW/2=(W2−W1)/2は、50mm〜300mmが好ましく、より好ましくは80〜200mmである。
また、本実施形態では、第1,第2のインナーディッケル7,8が用いられていたが、インナーディッケルに代えてリップランド部の内部構造をW1とW2の関係を満たすように設計された金型を用いて、第1の溶融樹脂層の幅W1及び第2の溶融樹脂層の幅W2を規定してもよい。
また、本発明の積層フィルムの製造方法では、上記マルチマニホールドダイ1を用いて積層フィルムを得る。この場合、第1,第2のマニホールド2,3に、それぞれ、第1,第2の溶融樹脂を供給し、それぞれ拡幅し、層状とする。この第1,第2の溶融樹脂を構成する樹脂としては特に限定されず、適宜の熱可塑性樹脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン塩化ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、マレイミド樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリレート、セルロースエステル、ポリノルボルメンなどを挙げることができる。
なお、上記熱可塑性樹脂以外に本発明の目的を阻害しない範囲で適宜の成分が添加されていてもよい。このような他の成分としては、可塑剤や紫外線吸収剤などを挙げることができる。
また、前述したように、上記相対的に幅の狭い溶融樹脂層を流れる樹脂が高価な場合に、本発明は特に効果的である。
なお、上記実施形態では、複数のマニホールドとして、第1,第2のマニホールド2,3が設けられていたが、3以上のマニホールドが設けられていてもよい。そして、このマニホールドの形態に応じた数の複数のスリット部を設ければよい。すなわち、本発明において、リップランド部において積層される溶融樹脂層は、3以上であってもよい。その場合においても、少なくとも1層の溶融樹脂層の幅が他の溶融樹脂層の幅よりも狭くなるように、複数のマニホールド及び複数のスリット部における溶融樹脂の流れる部分の幅を規定すればよい。すなわち、少なくとも1層の溶融樹脂層の幅が残りの溶融樹脂層の幅よりも狭くなるように上記各溶融樹脂層の幅を決定すればよい。
次に、具体的な実施例及び比較例を挙げることにより本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示したマルチマニホールドダイ1を用いた。なお、マルチマニホールドダイ1におけるリップランド部6の下流端のリップ出口の幅は1900nmとした。溶融粘度が低い第1の樹脂として、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体(シェル化学社製、商品名「クレイトンG1657」)を用いた。溶融粘度が相対的に高い第2の樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE、三井石油化学社製、商品名「ミラソン12」)を用いた。上記スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体のゼロせん断粘度は200Pa・sであり、上記低密度ポリエチレンのゼロせん断粘度は5000Pa・sであった。なお、ゼロせん断粘度は、レオメトリックサイエンティフィックエフィー社製、メカニカルスペクトロメータ(品番:RMS800)を用い、せん断速度0.11/sのせん断粘度を測定し、ゼロせん断粘度とした。
第1の樹脂の押し出し速度は40Kg/hとし、第2の樹脂の押し速度は400Kg/hとした。合流直前の第1,第2の溶融樹脂層の幅の差すなわちΔW=W2−W1は300mmとした。言い換えれば、幅方向片側における幅方向寸法の差ΔW/2は150mmとした。
第1の溶融樹脂層の平均厚みを5μm、第2の溶融樹脂層の平均厚みを50μmとし、得られる積層体の全幅は1600mmとした。また、製品部分の幅は1400mmとし、幅方向一方側及び他方側の各耳部の幅方向寸法は100mmとした。
下記の表1に合流直前の第1,第2の溶融樹脂層の幅方向片側における寸法差と、耳部100mmにおける第2の樹脂である溶融粘度が相対的に高い第2の樹脂層からなる単層部分の幅方向寸法を示す。
(実施例2)
合流直前の第1,第2の溶融樹脂層の幅の差を、幅方向片側で100mmとしたこと以外は実施例1と同様とした。結果を下記の表1に示す。
(比較例)
合流直前の第1,第2の溶融樹脂層の幅を同じとしたこと以外は実施例1と同様とした。この場合、第1,第2の溶融樹脂層の幅をいずれも実施例1における第2の溶融樹脂層の幅と同じとした。
表に、上記実施例2及び比較例における合流直前の各溶融樹脂層の幅と、耳部100mm内の第2の樹脂からなる単層部分の幅を示す。
Figure 2015178235
表1から明らかなように、比較例では、第2の樹脂からなる単層部分が耳部100mm内において存在しなかった。これは、低粘度の第1の溶融樹脂の回り込みにより耳部が第1の樹脂または第1,第2の樹脂の積層構造により形成されていたことによる。これに対して、実施例1では、耳部の全領域が第2の樹脂からなる単層部分であった。また実施例2では、耳部100mmにおいて幅方向50mmの寸法の部分が、第2の樹脂のみからなる単層部分であった。従って、実施例1及び2では、高価な第1の樹脂の使用量を大幅に少なくし得ることがわかる。よって、実施例1及び実施例2によれば、積層フィルムの製造コストを大幅に低減し得ることがわかる。
1…マルチマニホールドダイ
2…第1のマニホールド
3…第2のマニホールド
4…第1のスリット部
5…第2のスリット部
6…リップランド部
7…第1のインナーディッケル
8…第2のインナーディッケル
10…積層フィルム
11…第1の溶融樹脂層
11A…第1の樹脂フィルム
11a…幅方向端部
11b…内側部分
12…第2の溶融樹脂層
12A…第2の樹脂フィルム
12a…幅方向端部
110…積層フィルム
111…第1の樹脂フィルム
112…第2の樹脂フィルム

Claims (7)

  1. 複数の溶融樹脂層を積層し押し出すためのマルチマニホールドダイであって、
    複数の溶融樹脂がそれぞれ供給され、かつ複数の溶融樹脂層を形成する複数のマニホールドと、
    複数のマニホールドにそれぞれ連結されており、複数のマニホールドからそれぞれ溶融樹脂層が供給され、かつ該溶融樹脂が内部を流れる複数のスリット部と、
    前記複数のスリット部から供給される溶融樹脂層を合流させ、複数の溶融樹脂層を積層した状態で下流側に流動させるリップランド部とを備え、
    前記複数のスリット部の前記リップランド部において合流される直前部分において、少なくとも1つのスリット部の幅が、他のスリット部の幅よりも狭くされている、マルチマニホールドダイ。
  2. 前記少なくとも1つのスリット部に、インナーディッケルが配置されており、該インナーディッケルにより、前記少なくとも1つのスリット部から前記リップランド部に流れる溶融樹脂層の幅が、他のスリット部から前記リップランド部に流れる溶融樹脂層の幅よりも狭くされている、請求項1に記載のマルチマニホールドダイ。
  3. 前記少なくとも1つのスリット部以外の他のスリット部にも、インナーディッケルが挿入されており、少なくとも1つのスリット部に挿入されているインナーディッケルにより規定される溶融樹脂層の幅が、残りのスリット部において挿入されたインナーディッケルにより規定される溶融樹脂層の幅よりも狭くされている、請求項2に記載のマルチマニホールドダイ。
  4. 前記複数のマニホールドが、第1のマニホールドと、第2のマニホールドとを有し、第1,第2のマニホールドにそれぞれ第1及び第2のスリット部が連結されており、
    前記第1,第2のマニホールドに第1,第2の溶融樹脂が供給され、第1,第2の溶融樹脂層が、それぞれ、前記第1,第2のスリット部を経て前記リップランド部において合流するように移動される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチマニホールドダイ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマルチマニホールドダイの複数のマニホールドに複数の溶融樹脂を供給する工程と、
    前記マルチマニホールドダイにおいて、少なくとも1層の溶融樹脂層の幅が他の溶融樹脂層の幅よりも狭い複数の溶融樹脂層からなる積層体を形成する工程と、
    前記積層体を前記マルチマニホールドダイから押し出し、積層フィルムを得る工程とを備える、積層フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマルチマニホールドダイを用いて得られており、少なくとも1層の幅が他の層の幅よりも狭い、積層フィルム。
  7. 請求項6に記載の積層フィルムから、前記幅が狭いフィルムの幅方向端部よりも幅方向内側部分から、前記幅方向端部に至っている余剰部を除去することにより得られた、積層フィルム。
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