JP2015177752A - 水田作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】マーカー機構を格納姿勢へ容易に姿勢変更できる水田作業機提供する。
【解決手段】圃面に接地して走行機体の走行予定経路の目印を圃面に付与する作用姿勢と、圃面から上方に離れた格納姿勢P3,P4とに、揺動経路Rに沿った揺動により姿勢変更可能なマーカー機構45と、マーカー機構45に係合してマーカー機構45を格納姿勢P3,P4に保持する格納具55と、が備えられ、格納具55が、揺動経路R上に位置し、マーカー機構45によって押しのけられてから元の位置に復帰することによりマーカー機構45に係合するように構成されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、圃面に接地して走行機体の走行予定経路の目印を圃面に付与する作用姿勢と、圃面から上方に離れた格納姿勢とに、揺動経路に沿った揺動により姿勢変更可能なマーカー機構が備えられている水田作業機に関する。
例えば、特許文献1に、従来の水田作業機が記載されている。特許文献1に記載の水田作業機には、マーカー機構(特許文献1では「線引きマーカ[11]」)に係合してマーカー機構を格納姿勢(特許文献1では「収納姿勢[C3]」)に保持する格納具(特許文献1では「フック[45])が備えられている。このような構造により、トラック等による水田作業機の運搬時等のマーカー機構の不使用時に、格納具によって、マーカー機構を格納姿勢に保持しておくことができる。
特開2014−7976号公報(図4)
しかし、従来の技術では、格納具がマーカー機構の揺動経路から外れた位置にあるため、マーカー機構を格納姿勢へ姿勢変更するには、格納具を揺動経路側へ移動操作しながらマーカー機構に格納具を係合させる必要があり、マーカー機構を格納姿勢へ姿勢変更する作業において改善の余地があった。
上記実情に鑑み、マーカー機構を格納姿勢へ容易に姿勢変更できる水田作業機の提供が望まれていた。
本発明は、圃面に接地して走行機体の走行予定経路の目印を圃面に付与する作用姿勢と、圃面から上方に離れた格納姿勢とに、揺動経路に沿った揺動により姿勢変更可能なマーカー機構と、前記マーカー機構に係合して前記マーカー機構を前記格納姿勢に保持する格納具と、が備えられ、前記格納具が、前記揺動経路上に位置し、前記マーカー機構によって押しのけられてから元の位置に復帰することにより前記マーカー機構に係合するように構成されているものである。
本発明によると、格納具が、マーカー機構の揺動経路上に位置しており、揺動経路上を移動するマーカー機構によって押しのけられてから元の位置に復帰することによりマーカー機構に係合して、マーカー機構を格納姿勢に保持するようになっている。よって、マーカー機構を格納姿勢へ姿勢変更する際に、格納具を移動させる操作を行う必要がなく、揺動経路に沿ってマーカー機構を移動させるだけで、マーカー機構を格納具に自動的に係合させることができる。このように、本発明であれば、マーカー機構を格納姿勢へ容易に姿勢変更できる。
本発明において、前記格納具が、弾性を有する線材で構成されていると好適である。
本構成によれば、マーカー機構に係合してマーカー機構を格納姿勢に保持する格納具を、弾性を有する線材で構成するので、構成が簡素化され、製造コストを抑えることができる。
本発明において、前記走行機体に対して昇降自在に構成され、圃場に対する作業を行う水田作業装置と、圃場に肥料を供給する施肥装置と、が備えられ、前記施肥装置に、前記走行機体に支持されて肥料を貯留するホッパと、前記走行機体に支持されて前記ホッパに貯留された肥料を繰り出す繰出機構と、前記水田作業装置に支持されて圃面に肥料を供給する作溝器と、前記繰出機構と前記作溝器とを接続する施肥ホースと、が備えられ、前記施肥ホースが、前記格納具の上方を通過するように配置されていると好適である。
本構成によれば、施肥ホースを、格納具の上方を通過するようにしているので、施肥ホースが垂れ下がった場合に、格納具によって施肥ホースを下方から支持可能となる。よって、格納具を有効活用して施肥ホースの垂れ下がりを好適に防止できる。
乗用型田植機の側面図である。 苗植付装置の周辺の側面図である。 苗植付装置の正面図である。 マーカー機構の揺動経路を説明する正面視の説明図である。 マーカー機構の揺動機構の周辺の正面図である。 マーカー機構の揺動機構の周辺の平面図である。 格納具とマーカー機構の揺動経路を説明する略平面視の説明図である。 波除構造及び作用姿勢の状態のマーカー機構の周辺の斜視図である。 波除構造の平面視の説明図である。 別実施形態の波除構造を整地状態とした際の平面視の説明図である。 別実施形態の波除構造の斜視図であり、(a)は整地状態の斜視図、(b)は波除け状態の斜視図、(c)は収納状態の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、「水田作業機」の一例である乗用型田植機には、操向操作自在な左右一対の前輪11及び左右一対の後輪12が備えられた走行機体13の前部側に、エンジン14及びミッションケース15が備えられている。走行機体13の中央部には、作業者による操縦操作が行われる操縦部17が備えられている。走行機体13の後方側には、圃場に対する苗の植え付け作業を行う苗植付装置18(「水田作業装置」の一例)が備えられている。苗植付装置18には、薬剤散布装置19が支持されている。走行機体13における操縦部17の後方側には、圃場に肥料を供給する施肥装置20が備えられている。走行機体13の前部側の左右両側には、予備苗載せ台21が備えられている。
操縦部17には、作業者が着座する運転座席17a、操向操作のためのステアリングハンドル17b、及び、変速レバー17c、植付レバー(不図示)等の操作レバーが備えられている。ミッションケース15には、変速レバー17cを操作することにより変速操作される静油圧式の無段変速装置(不図示)が備えられている。
苗植付装置18は、4条植型式に構成されている。苗植付装置18は、リンク機構22を介して走行機体13に連結され、リフトシリンダ23の操作により、走行機体13対する昇降を行いうるようになっている。つまり、苗植付装置18は、走行機体13に対して昇降自在に構成されている。苗植付装置18は、植付レバー(不図示)の操作により、リフトシリンダ23を作動させて、上昇及び下降可能となっている。
図2に示されるように、苗植付装置18は、1個のフィードケース24に連結された機体左右方向に延びる長尺の支持フレーム25に、後部側の植付爪26の駆動機構27に動力を伝達する複数個の植付伝動ケース28が支持されている。各植付伝動ケース28の後部の左右両側部には、植付爪26が備えられる植付アーム29が駆動機構27により上下に揺動自在に支持されている。苗植付装置18の下部には、接地フロート30が支持されている。また、図2、図3に示されるように、苗植付装置18の前方には、横軸周りに回動して整地する整地ローラ32が支持フレーム25に支持されて備えられている。
図2に示されるように、苗植付装置18には、一定ストロークで左右の往復横送り駆動自在に構成されている苗のせ台31が備えられている。苗のせ台31には、苗のせ台31がストロークエンドに達する毎に、苗のせ台31に載置された苗を所定量だけ下方へ送るベルト式の縦送り装置33が備えられている。
フィードケース24に伝達された動力が植付伝動ケース28に伝達され、植付アーム29が駆動される一方、フィードケース24に伝達される動力により、苗のせ台31が往復横送り駆動される。これにより、上下に揺動運動する植付アーム29が、その先端部に備えられている植付爪26により、苗のせ台31の下部から1株ずつ苗を取り出して圃場に植え付けるように構成されている。また、苗のせ台31が往復横送りのストロークエンドに達すると、フィードケース24に伝達される動力により、縦送り装置33の縦送りベルト33aが駆動され、苗のせ台31に載置された苗が下方に送られるように構成されている。
苗のせ台31は、植付伝動ケース28に支持された摺動板35によって、下端部側を左右方向に摺動移動自在に案内され、前傾姿勢となる苗のせ面31aの裏面側が、支持枠36で支持されている。つまり、図2、図3に示されるように、苗のせ台31の裏面側に横向きに配置されているガイドレール39のガイド溝に、支持枠36に備えられるガイドローラ36aが嵌入して、苗のせ台31を左右横移動自在に支持している。
図2、図3に示されるように、苗のせ面31aの裏面側に配置される支持枠36は、左右の植付伝動ケース28の横外側で支持フレーム25に下端側を接続された左右一対の縦支柱37と、その左右の縦支柱37の上端部同士に亘って架設された横架部材38とによって、正面視門型に構成されている。
図2、図3に示されるように、苗のせ台31の左右両端側には、摺動板35よりも機体外側に位置する摺動板ガード40が備えられている。摺動板ガード40は、L字型の形状とされている。摺動板ガード40は、機体外側から接近する障害物から摺動板35をガードするガード状態と、苗植付装置18のスタンドとして機能するスタンド状態とに、状態変更自在に構成されている。
〔薬剤散布装置〕
図2に示されるように、機体左右方向に移動して苗のせ台31に載置される苗に薬剤を供給する薬剤散布装置19には、粉粒状の薬剤を収容する薬剤ホッパ19aと、薬剤ホッパ19aの上方を覆う開閉可能な蓋19bと、が備えられている。蓋19bは、薬剤ホッパ19aの上端部の後方寄りの箇所に位置する機体左右方向を向く回動軸心Y1周りに回動可能になっている。
〔施肥装置〕
図1に示されるように、施肥装置20には、肥料ホッパ41(「ホッパ」に相当)と、繰出機構42と、作溝器43と、繰出機構42と作溝器43とを接続する施肥ホース44と、が備えられている。肥料ホッパ41は、走行機体13に支持されており、肥料を貯留するようになっている。繰出機構42は、走行機体13に支持されており、肥料ホッパ41に貯留された肥料を繰り出す。作溝器43は、苗植付装置18に支持されており、圃面に肥料を供給する。
〔マーカー機構〕
苗植付装置18の左右両横側部には、図1〜図8に示されるマーカー機構45が備えられている。図4に示されるように、マーカー機構45は、圃面に接地して走行機体13の走行予定経路の目印を圃面に付与する作用姿勢P1と、圃面から上方に離れた待機姿勢P2と、待機姿勢P2よりもさらに圃面から上方に離れた第一格納姿勢P3(「格納姿勢」の一例)と、待機姿勢P2よりもさらに圃面から上方に離れ、第一格納姿勢P3よりも機体内方側に位置する第二格納姿勢P4(「格納姿勢」の一例)とに、揺動経路Rに沿った揺動により、姿勢変更可能に構成されている。
図4〜図6、図8に示されるように、マーカー機構45には、植付伝動ケース28から左右の縦支柱37よりも機体横外側に固定されている固定部材46に、車体前後方向に沿って、少し前下がりとなった前後向きの第一揺動軸心X1周りで上下揺動自在なマーカアーム47と、マーカアーム47の先端部に備えられた周知の回転マーカー48と、が備えられている。
マーカアーム47の基端部には、第一揺動軸心X1周りで回動可能なアーム部52が備えられている。アーム部52の上部には、操作ワイヤ49が連結されている。また、アーム部52の下部には、マーカアーム47を作用姿勢P1側へ付勢する戻しバネ50が備えられている。
また、第一揺動軸心X1よりも機体内側に位置する第二揺動軸心X2周りに揺動自在な係止部材51が備えられている。係止部材51には、解除ワイヤ53が連結されている。
図1、図4、図8に示されるように、マーカー機構45を作用姿勢P1とすることにより、マーカアーム47の先端側に備えられた回転マーカー48が圃場に接して回転し、走行機体13の進行方向に沿って走行予定経路の目印を点線状に付与することが可能になっている。マーカー機構45を作用姿勢P1にすると、マーカアーム47が長手方向が略水平方向に沿った状態となり、回転マーカー48が圃面に接する状態となる。
また、マーカー機構45を、図4、図5に示される待機姿勢P2とすることにより、回転マーカー48が圃面から高く持ち上がった状態となる。
また、マーカー機構45を、図4、図7に示される第一格納姿勢P3とすることにより、待機姿勢P2よりも回転マーカー48が機体内側に位置する状態となる。
マーカー機構45を、図4、図7に示される第二格納姿勢P4とすることにより、第一格納姿勢P3よりも回転マーカー48が機体内側に位置する状態となる。具体的には、図3、図4から理解されるように、マーカー機構45を第二格納姿勢P4としたときは、回転マーカー48が、スタンド状態となった摺動板ガード40よりも機体内側に位置するようになる。
〔格納具〕
図1〜図4、図7、図8に示されるように、マーカー機構45に係合することで、マーカー機構45を第一格納姿勢P3または第二格納姿勢P4に保持可能な格納具55が備えられている。格納具55は、金属製や樹脂製等の弾性を有する線材で構成されている。図4、図7に示されるように、格納具55は、マーカー機構45に係合してマーカー機構45を第一格納姿勢P3または第二格納姿勢P4に保持する。
図4、図7に示されるように、格納具55は、マーカー機構45の揺動経路R上に位置している。格納具55は、図7に示されるように、マーカー機構45によって押しのけられてから元の位置に復帰することによりマーカー機構45に係合し、マーカー機構45を第一格納姿勢P3または第二格納姿勢P4に保持するように構成されている。
図3、図4、図7、図8に示されるように、格納具55には、縦支柱37の上端部近くに固定される固定部56と、マーカアーム47に係合可能な第一係合部58と、マーカアーム47に係合可能な第二係合部59と、が備えられている。第二係合部59は、第一係合部58よりも機体内側に位置している。
図7に示されるように、第一係合部58及び第二係合部59は、マーカー機構45のマーカアーム47の揺動経路R上に位置している。マーカー機構45のマーカアーム47を第一係合部58に係合させると、マーカー機構45は、第一格納姿勢P3に保持される。マーカー機構45のマーカアーム47を第二係合部59に係合させると、マーカー機構45は、第二格納姿勢P4に保持される。
図3、図4、図7、図8に示されるように、第一係合部58は、フック状の形状とされている。第一係合部58は、マーカアーム47が当接すると、第一係合部58の開口部58aとは逆側に逃げるようになっており、マーカアーム47が第一係合部58の先端部よりも機体内側に揺動されると、第一係合部58が元の位置に戻ってマーカアーム47を係合する。
図3、図4、図7から理解されるように、マーカー機構45が作用姿勢P1の際に、戻しバネ50の付勢力に抗して、苗植付装置18の上昇により操作ワイヤ49が引き操作される。すると、マーカアーム47の先端が機体内側に移動するように揺動され、マーカー機構45が待機姿勢P2になるとともに、アーム部52と係止部材51とが係合し、アーム部52が、作用姿勢P1側へ傾倒しないようにされる。
なお、不図示の植付レバーが植付位置で左右に操作されることにより、解除ワイヤ53が引き操作され、アーム部52と係止部材51との係合を解除できる。これにより、待機姿勢P2にあるマーカー機構45を、戻しバネ50の付勢力により、自動的に作用姿勢P1に姿勢変更させることができる。
そして、マーカー機構45が待機姿勢P2の際に、戻しバネ50の付勢力に抗して、手動により、マーカー機構45の揺動経路Rに沿って、マーカアーム47の先端が待機姿勢P2の際よりもさらに機体内側に移動するように揺動されると、図3、図4、図7から理解されるように、マーカアーム47が、格納具55の第一係合部58に自動的に係合して、第一格納姿勢P3に保持される。
そして、マーカー機構45が待機姿勢P2の際に、戻しバネ50の付勢力に抗して、手動操作により、マーカー機構45の揺動経路Rに沿って、マーカアーム47の先端が第一格納姿勢P3の際よりもさらに機体内側に移動するように揺動されると、マーカアーム47が、図3、図4、図7から理解されるように、格納具55の第二係合部59に自動的に係合して、第二格納姿勢P4に保持される。
このように、格納具55の第一係合部58及び第二係合部59が、マーカー機構45のマーカアーム47の揺動経路R上に位置しているから、格納具55の移動させる操作を行うことなく、マーカー機構45の揺動によって、自動的に、マーカー機構45を格納具55に係合させて、第一格納姿勢P3または第二格納姿勢P4に姿勢変更させることができる。
また、図1、図2、図7、図8に示されるように、蛇腹状の可撓性を有する施肥ホース44が、格納具55の上方を通過するように配置されている。これにより、格納具55によって、施肥ホース44が下方から支持可能になり、格納具55を、ガイドとして活用できる。なお、格納具55の後方には、走行機体13側に支持され、施肥ホース44を支持可能なホースガイド61が備えられている。
[苗ステーと薬剤散布装置との位置関係]
図1、図2に示されるように、苗植付装置18には、苗のせ台31に載置された苗の浮き上がりを押さえる苗ステー60が備えられている。苗ステー60の上端部は、薬剤散布装置19の上端部の蓋19bの高さと略同じとされている。苗ステー60の上端部は、苗のせ台31の上端部の近傍に位置している。つまり、苗ステー60は、苗のせ台31の苗のせ面31aの上下方向の略全域に亘るようになっている。このため、苗のせ面31aに載置された苗が浮きにくくなり、苗のせ面31aに苗が安定して支持される。しかも、苗のせ台31の上方のスペースを有効活用できるものとなっている。そして、蓋19bは、閉状態から開状態に状態変更した際に、苗ステー60の上端部に当接して支持されるようになっている。このため、蓋19bが、苗のせ台31に載置された苗に接触しにくくなっている。
[バランス保持構造]
図2、図3に示されるように、苗植付装置18には、苗植付装置18を水平姿勢に維持するためのバランス保持構造65が備えられている。バランス保持構造65には、左右一対のバランスバネ66と、バランスバネ66の張力を調節する張力調節機構67と、が備えられている。
苗植付装置18は、走行機体13に対して、苗植付装置18の左右中央部の下方寄りの箇所に位置し、機体前後方向を向くローリング軸心W1周りに揺動自在となっている。
張力調節機構67は、リンク機構22に連結された昇降フレーム68に支持されている。張力調節機構67には、機体前後方向を向く第一前後軸心W2周りに揺動可能な揺動アーム69と、第一前後軸心W2よりも上方に位置し、機体前後方向を向く第二前後軸心W3周りに揺動可能な操作体70と、揺動アーム69と操作体70とを連結する連結ロッド71と、が備えられている。連結ロッド71は、揺動アーム69に回動自在に連結されていると共に、操作体70に回動自在に連結されている。操作体70には、レバー体70aが固定されている。操作体70には、不図示のロック機構が備えられている。
左右のバランスバネ66は、それぞれ、苗のせ台31に固定された掛け具73に一端が連結されると共に、張力調節機構67に他端が連結されている。
操作体70のロックを解除して、レバー体70aを揺動させると、操作体70が第二前後軸心W3周りに揺動し、操作体70に回動自在に連結された連結ロッド71によって、揺動アーム69が第一前後軸心W2周りに回動される。これにより、バランスバネ66の長さが変更され、バランスバネ66による張力が変更される。
このような構造であるので、走行機体13と苗植付装置18とが、ローリング軸心W1を中心に、相対的に回動した際に、適切に調節されたバランスバネ66の張力によって、苗植付装置18を好適に水平状態に維持できる。
[波除構造]
図1、図2、図8、図9に示されるように、接地フロート30には、圃面における波の発生を抑える波除構造80が備えられている。波除構造80には、接地フロート30側の支持フレーム25に支持されるアーム体81と、アーム体81に回転自在に支持される円形板状の波除体82と、が備えられている。波除体82の外周部分には、凹部と凸部が交互に備えられている。
波除体82は、ねじりバネ83によって下方向きに付勢されている。波除体82は、圃場との接触により機体左右方向に沿った回動軸心Y2周りに回転するようになっている。波除体82は、接地フロート30の前部の機体横側方外側に位置している。言い換えれば、波除体82は、接地フロート30の最外側端部の前端部近傍に位置している。
このため、走行機体13の走行に伴い、接地フロート30によって左右方向に押し出された泥水の波は、波除体82にぶつかり、機体前後方向に沿って流れるようになる。よって、機体外側に存在する既に植え付けられた植付苗Sに、泥水の波の影響が及びにくくなる。このように、波除体82によって、植付苗Sに泥水の波の影響が及びにくくなるので、圃場に対する苗の植え付けの仕上がりが良くなる。また、走行機体13の走行速度を上げて、植え付け効率を向上させることも可能になる。
しかも、波除体82は、走行機体13の走行に伴って下向きに付勢されながら回転するので、波除体82によって、圃面に存在する藁などの夾雑物を下方へ押し込むことができる。よって、夾雑物をすき込む手間や時間を省くことができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、波除構造80が備えられているものを一例に示したが、これに限られない。例えば、図10、図11に示されるように、波除構造80とは異なる構造の他の波除構造180が備えられていてもよい。波除構造180には、接地フロート130に対して着脱自在な波除体182が備えられている。そして、接地フロート130の機体横外端部側の前端部に、固定孔130aが備えられている。波除体182には、板状の波除部182aと、第一取付孔182bと、第二取付孔182cと、第三取付孔182dと、が備えられている。
図10、図11(a)に示されるように、接地フロート130の固定孔130aに、波除体182の第一取付孔182bをボルト・ナット等により固定すると、波除部182aの板面が機体前後方向を向き、圃面を整地する整地状態にできる。そして、図11(b)に示されるように、接地フロート130の固定孔130aに、波除体182の第二取付孔182cをボルト・ナット等により固定すると、波除部182aの板面が機体左右方向を向くと共に圃面に接する波除け状態にできる。また、図11(c)に示されるように、接地フロート130の固定孔130aに、波除体182の第三取付孔182dをボルト・ナット等により固定すると、波除部182aの板面が機体左右方向を向くと共に圃面に接触しない収納状態にできる。
(2)上記実施形態では、走行に伴って回転する回転マーカー48が一例に示されているが、これに限られない。例えば、走行に伴って回転しない線引マーカであってもよい。
(3)上記実施形態では、格納具55が、弾性を有する線材で構成されているものが一例に示されているが、これに限られない。例えば、剛体をバネ材で互いに接合したような他の格納具であってもよい。
(4)上記実施形態では、水田作業装置の一例として苗植付装置18が示されているが、これに限られない。例えば、圃場へ種籾を播く直播装置等の他の水田作業装置であってもよい。
本発明は、上記乗用型田植機の他、圃面に接地して走行機体の走行予定経路の目印を圃面に付与する作用姿勢と、圃面から上方に離れた格納姿勢とに、揺動経路に沿った揺動により姿勢変更可能なマーカー機構が備えられている乗用型直播機等の他の水田作業機にも利用できる。
13 :走行機体
18 :苗植付装置(水田作業装置)
20 :施肥装置
41 :肥料ホッパ(ホッパ)
42 :繰出機構
43 :作溝器
44 :施肥ホース
45 :マーカー機構
55 :格納具
P1 :作用姿勢
P3 :第一格納姿勢(格納姿勢)
P4 :第二格納姿勢(格納姿勢)
R :揺動経路

Claims (3)

  1. 圃面に接地して走行機体の走行予定経路の目印を圃面に付与する作用姿勢と、圃面から上方に離れた格納姿勢とに、揺動経路に沿った揺動により姿勢変更可能なマーカー機構と、
    前記マーカー機構に係合して前記マーカー機構を前記格納姿勢に保持する格納具と、が備えられ、
    前記格納具が、前記揺動経路上に位置し、前記マーカー機構によって押しのけられてから元の位置に復帰することにより前記マーカー機構に係合するように構成されている水田作業機。
  2. 前記格納具が、弾性を有する線材で構成されている請求項1に記載の水田作業機。
  3. 前記走行機体に対して昇降自在に構成され、圃場に対する作業を行う水田作業装置と、
    圃場に肥料を供給する施肥装置と、が備えられ、
    前記施肥装置に、前記走行機体に支持されて肥料を貯留するホッパと、前記走行機体に支持されて前記ホッパに貯留された肥料を繰り出す繰出機構と、前記水田作業装置に支持されて圃面に肥料を供給する作溝器と、前記繰出機構と前記作溝器とを接続する施肥ホースと、が備えられ、
    前記施肥ホースが、前記格納具の上方を通過するように配置されている請求項1または2に記載の水田作業機。
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